JPH10145183A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents

弾性表面波フィルタ

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JPH10145183A
JPH10145183A JP8303197A JP30319796A JPH10145183A JP H10145183 A JPH10145183 A JP H10145183A JP 8303197 A JP8303197 A JP 8303197A JP 30319796 A JP30319796 A JP 30319796A JP H10145183 A JPH10145183 A JP H10145183A
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JP
Japan
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surface acoustic
acoustic wave
wave filter
resonator
parallel arm
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JP8303197A
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Tadamasa Atomiya
忠正 後宮
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Murata Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Murata Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 帯域内挿入損失及びリップルを低減しつつ広
帯域化を図り得る弾性表面波フィルタを得る。 【解決手段】 直列腕共振子3,4と並列腕共振子5〜
7とを入出力間において交互に配置してラダー型フィル
タ回路を構成してなる弾性表面波フィルタ1において、
直列腕共振子3,4としてインターデジタルトランスデ
ューサ3a,4aの両側に反射器3b,3c,4b,4
cを配置したものを用い、並列腕共振子5〜7として反
射器を有しない1ポート型SAW共振子であって、電極
指の対数が多対であるものを用いたことを特徴とする弾
性表面波フィルタ1。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、圧電基板上に複数
のSAW共振子を構成してなる弾性表面波フィルタに関
し、より詳細には、複数のSAW共振子がラダー型フィ
ルタ回路を構成するように配置された弾性表面波フィル
タに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、移動体通信機器において、高周
波用の帯域フィルタとして、複数のSAW共振子を圧電
基板上に構成してなる弾性表面波フィルタが知られてい
る。例えば、特公昭56−19765号公報には、圧電
基板上に複数のSAW共振子を形成してラダー型フィル
タ回路を構成してなる弾性表面波フィルタが開示されて
いる。
【0003】図5は、先行技術に開示されている弾性表
面波フィルタを説明するための模式的平面図である。弾
性表面波フィルタ31は、矩形の圧電基板32を用いて
構成されている。圧電基板32上には、複数のSAW共
振子が、直列腕共振子33,34及び並列腕共振子3
5,36として形成されている。すなわち、入力端子3
7と出力端子38との間に構成される直列腕において直
列腕共振子33,34が直列に接続されている。また、
上記直列腕と基準電位との間に、並列腕共振子35,3
6が接続されている。直列腕共振子33,34と並列腕
共振子35,36とは入出力間において交互に配置され
ている。
【0004】ラダー型フィルタ31では、直列腕共振子
33,34及び並列腕共振子35,36が、何れも、中
央にインターデジタルトランスデューサ33a,34
a,35a,36aを有し、IDT33a〜36aの両
側に反射器33b,33c〜36b,36cを形成した
構造を有する。
【0005】すなわち、弾性表面波フィルタ31では、
直列腕共振子33,34及び並列腕共振子35,36の
何れもが、IDTの両側に反射器を配置した1ポート型
SAW共振子により構成されている。
【0006】上記弾性表面波フィルタ31の動作原理は
以下の通りである。図6に電極部分のみを模式的に平面
図で示すように、1ポート型SAW共振子40は、中央
に配置されたIDT41の両側に反射器42,43を配
置した構造を有する。IDT41は、少なくとも1本の
電極指を有するくし歯電極41aと、少なくとも1本の
電極指を有するくし歯電極41bとを、互いの電極指が
間挿し合うように配置した構造を有する。
【0007】1ポート型SAW共振子40では、IDT
41で励振された表面波が、反射器42,43で反射さ
れて定在波とされ、反射器42,43間に閉じ込めら
れ、SAW共振子40は高いQ値を有する共振子として
動作する。このSAW共振子40のインピーダンス特性
においては、周知のように、共振周波数fr付近でイン
ピーダンスが低くなる極が存在し、反共振周波数faに
おいてインピーダンスが高くなる極が現れる。
【0008】弾性表面波フィルタ31では、上記1ポー
ト型SAW共振子のインピーダンス特性を利用して通過
帯域を得ている。すなわち、直列腕共振子33,34の
共振周波数frと、並列腕共振子35,36の反共振周
波数faとを一致させることにより、この一致された周
波数付近において入出力インピーダンスを特性インピー
ダンスと整合させており、それによって通過帯域を構成
している。
【0009】また、1ポート型SAW共振子は上記イン
ピーダンス特性を有するため、直列腕共振子33,34
の反共振周波数付近では非常に高インピーダンスとな
り、並列腕共振子35,36の共振周波数付近では非常
に低インピーダンスとなるため、弾性表面波フィルタ3
1では、これらの周波数を極とする減衰域が形成され
る。
【0010】弾性表面波フィルタ31では、直列腕共振
子33,34及び並列腕共振子35,36が上記のよう
に構成されているため、挿入損失の低減を図ることがで
き、かつ通過帯域近傍における減衰量が比較的大きくな
るとされている。
【0011】また、特開平5−183380号公報に
は、弾性表面波フィルタ31と同様に構成されており、
さらに、並列腕共振子にインダクタンスを加え、それに
よって帯域を広げた弾性表面波フィルタが開示されてい
る。
【0012】さらに、特開平6−291600号公報に
は、弾性表面波フィルタ31とは異なり、IDTの両側
に反射器を有しない複数のSAW共振子を用いて、直列
腕共振子及び並列腕共振子を構成している弾性表面波フ
ィルタが開示されており、反射器を有しないSAW共振
子を用いることにより通過帯域内リップルの低減が図ら
れるとされている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】近年、移動体通信機器
などにおいては、より広帯域のフィルタが求められてお
り、上述した複数のSAW共振子を用いてラダー型回路
を構成してなる弾性表面波フィルタにおいても、通過帯
域幅の拡大が強く求められている。
【0014】しかしながら、上述した従来のラダー型回
路構成を有する弾性表面波フィルタでは、圧電基板とし
て水晶やLiTaO3 からなる基板を用いたものが多
く、通過帯域は比較的狭かった。
【0015】また、1ポート型SAW共振子における反
射器は、弾性表面波のエネルギーを共振子内に効率良く
閉じ込める機能を果たすものの、ストップバンドと呼ば
れている、高い反射係数が得られる周波数範囲が有限で
ある。SAW共振子では、ストップバンド内では非常に
Q値の高い共振特性を実現し得るが、ストップバンド外
では大きなQ値を得ることができない。
【0016】また、ストップバンドの上限周波数及び下
限周波数において、反射係数が急激に変化するため、ス
トップバンドの上限周波数及び下限周波数において、共
振特性に大きなスプリアスが現れる。
【0017】従って、弾性表面波フィルタにおいて、1
ポート型SAW共振子の反射器のストップバンドが、フ
ィルタの通過帯域に比べて十分広い場合には、良好なフ
ィルタ特性を得ることができるが、ストップバンドがフ
ィルタの通過帯域に比べて狭い場合にはフィルタ特性が
悪化することになる。これを、図7及び図8を参照して
説明する。
【0018】図7は、反射器が設けられた1ポート型S
AW共振子の一例のインピーダンス特性及び反射器の反
射率特性を示す図である。図7から明らかなように、反
射器のストップバンドの上限周波数が反共振周波数近傍
にある場合、インピーダンス特性上においては、反共振
周波数付近で大きなスプリアス(矢印Aで示す)が現れ
ていることがわかる。
【0019】従って、このような1ポート型SAW共振
子を並列腕共振子として用い、上述した弾性表面波フィ
ルタを構成した場合、並列腕共振子の反共振周波数を通
過帯域として使用しているので、反共振周波数近傍にお
ける共振特性の劣化により、図8に示すフィルタ特性上
において、矢印Bで示す大きな帯域内リップルが現れ、
かつ挿入損失も増大していた。なお、図8において、実
線Cは、実線Dで示す減衰量周波数特性を、右側のスケ
ールに沿って拡大した特性である。
【0020】上記のような1ポート型SAW共振子にお
ける反射器のストップバンドの制限による帯域内リップ
ルを抑制する方法として、前述した特開平6−2916
00号公報には、反射器を有しない複数の1ポート型S
AW共振子を用いた弾性表面波フィルタが開示されてい
る。しかしながら、反射器を設けなかった場合には、弾
性表面波がIDTの側方に漏洩し、挿入損失の悪化を避
けることができなかった。
【0021】他方、上述した反射器のストップバンドは
音響アドミタンス比により決定されるため、音響アドミ
タンス比を大きくすることにより反射器のストップバン
ドの周波数範囲を広げる方法も考えられるが、その場合
には、弾性表面波の伝搬損失が大きくなり、やはりフィ
ルタ特性が劣化する。
【0022】本発明の目的は、通過帯域内挿入損失や通
過帯域内リップルを低減しつつ高帯域化を図ることが可
能な弾性表面波フィルタを提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】本発明は、入出力間を直
列腕とし、該直列腕と基準電位との間に少なくとも一つ
の並列腕を有するラダー型フィルタを構成するように、
圧電基板上に直列腕共振子及び並列腕共振子を形成して
なり、前記直列腕共振子の共振周波数と、並列腕共振子
の反共振周波数とをほぼ一致させてなる弾性表面波フィ
ルタにおいて、直列腕共振子が、IDTと、IDTの両
側に配置された反射器とを有する反射器付きSAW共振
子で構成されており、前記並列腕共振子が、直列腕共振
子のIDTの電極指の対数よりも電極指の対数が大きな
IDTを有し、該IDTの両側に反射器を有さないよう
に構成されている反射器なしSAW共振子により構成さ
れていることを特徴とする。
【0024】すなわち、本発明は、複数のSAW共振子
を直列腕共振子及び並列腕共振子として用いたラダー型
回路構成を有する弾性表面波フィルタにおいて、直列腕
共振子のみに反射器を配置し、並列腕共振子については
反射器を有しない構造としたことを特徴とする。
【0025】前述したように、反射器付きの1ポート型
SAW共振子では、反射器のストップバンドの上限周波
数及び下限周波数において共振特性上にスプリアスが発
生する。従って、このスプリアスが弾性表面波フィルタ
の通過帯域内に入る位置において発生すると、弾性表面
波フィルタにおいて損失及び帯域内リップルが増加し、
特性が悪化することになる。
【0026】しかしながら、複数の1ポート型SAW共
振子を直列腕共振子及び並列腕共振子としてラダー型回
路を構成してなる弾性表面波フィルタでは、並列腕共振
子の反共振周波数と、直列腕共振子の共振周波数とを利
用して通過帯域を構成している。すなわち、並列腕共振
子の反共振周波数における共振特性が、弾性表面波フィ
ルタのフィルタ特性に大きく影響する。
【0027】本発明では、並列腕共振子においては、反
射器が設けられていないため、並列腕共振子の反共振周
波数においては反射器のストップバンドの上限周波数及
びその近傍のスプリアスに起因する特性の劣化が解消さ
れる。すなわち、反射器を設けていないため、上記のよ
うなスプリアスに起因する挿入損失の増大や帯域内リッ
プルの増大を抑制することができる。
【0028】また、1ポート型SAW共振子では、弾性
表面波を反射させて閉じ込めるために反射器が設けられ
ているが、反射器が設けられずとも、IDTのくし型電
極自体が弾性表面波を反射させるため、並列腕共振子に
おいて反射器を設けずとも表面波は発生する。また、反
射器を設けない場合には、弾性表面波エネルギーの漏洩
が問題となるが、この弾性表面波エネルギーの漏洩によ
る特性の劣化に比べて、反射器を設けた場合のストップ
バンドに起因する特性の劣化の方が大きい。従って、本
発明に従って並列腕共振子において反射器を設けない方
が、より良好なフィルタ特性を得ることができる。加え
て、本発明では、上記並列腕共振子のIDTの電極指の
対数が、直列腕共振子の電極指の対数よりも多く、すな
わち、多対とされているため、弾性表面波エネルギーの
漏洩も抑制される。
【0029】好ましくは、請求項2に記載のように、並
列腕共振子のIDTの電極指の対数を130以上とすれ
ば、電極指の対数の増加により弾性表面波エネルギーの
漏洩をより確実に抑制することができ、例えば、音響ア
ドミタンス1.07程度の基板を用いた場合でも弾性表
面波エネルギーの漏洩を0.1dB以下に抑制すること
ができる。
【0030】他方、本発明にかかる弾性表面波フィルタ
では、直列腕共振子は、IDTの両側に反射器を備えて
いる。直列腕共振子では、共振周波数付近の特性が通過
帯域として用いられているが、共振周波数付近ではイン
ピーダンスは非常に低くなる。従って、直列腕共振子に
おいて共振周波数がストップバンドの下限周波数よりも
低くなったとしても、インピーダンス自体が非常に低い
ため大きなスプリアスは発生しない。また、直列腕共振
子の反共振周波数は、フィルタの通過帯域よりも高域に
位置するため、反射器を設けたことによる反共振周波数
における上記スプリアスはフィルタの帯域特性にほとん
ど影響を与えない。
【0031】従って、フィルタの広帯域化を図り、スト
ップバンドに比べて帯域幅が広い場合であっても、直列
腕共振子においては、上記ストップバンドの上限及び下
限周波数におけるスプリアスがあまり問題とならない。
よって、反射器を有する1ポート型SAW共振子を直列
腕共振子として用いることにより、反射器を有しない1
ポート型SAW共振子を用いた場合に比べてQ値を高く
することができるため、共振抵抗が小さくなり、弾性表
面波フィルタの挿入損失を低減し得る。
【0032】また、本発明においては、より好ましく
は、上記圧電基板として、電気機械結合係数が大きな6
4°YカットLiNbO3 基板または41°YカットL
iNbO3 基板が用いられ、それによって圧電材料の電
気機械結合係数が高くなるため、より一層広帯域化を図
ることができる。
【0033】
【発明の実施の形態】図1は、本発明にかかる弾性表面
波フィルタの一構造例を説明するための模式的平面図で
ある。
【0034】弾性表面波フィルタ1は、矩形の圧電基板
2を用いて構成されている。圧電基板2を構成する圧電
材料については、特に限定されるものではないが、Li
NbO3 、LiTaO3 または水晶などの圧電単結晶ま
たはチタン酸ジルコン酸鉛系セラミックスのような圧電
セラミックスを用いることができる。好ましくは、圧電
基板2としては、電気機械結合係数が高いため、LiN
bO3 基板、より好ましくは、64°YカットLiNb
O3 基板または41°YカットLiNbO3 基板が用い
られる。
【0035】圧電基板2上には、アルミニウムなどの導
電性材料を用いて、種々の電極が形成されている。すな
わち、直列腕共振子3,4と、並列腕共振子5,6,7
が形成されている。直列腕共振子3,4及び並列腕共振
子5〜7は、何れも、1ポート型SAW共振子である
が、直列腕共振子3,4は反射器付きのSAW共振子と
して構成されており、並列腕共振子5〜7は反射器を有
しない1ポート型SAW共振子として構成されている。
【0036】直列腕共振子3,4は、入力端子8と出力
端子9との間に構成される直列腕に直列に接続されてい
る。直列腕共振子3は、中央にIDT3aを有し、ID
T3aの表面波伝搬方向両側には反射器3b,3cが配
置されている。直列腕共振子4についても、同様に構成
されており、IDT4aと、両側に配置された反射器4
b,4cとを有する。
【0037】IDT3a,4aは、図6に示した1ポー
ト型SAW共振子40のIDT41と同様に構成されて
いる。すなわち、1本以上の電極指を有する一対のくし
歯電極を、互いの電極指が間挿し合うように配置されて
いる。
【0038】また、反射器3b,3c,4b,4cは、
表面波伝搬方向に直交する方向に延ばされた複数本の導
体を両端で接続したグレーティング型反射器である。並
列腕共振子5〜7は、上記直列腕と基準電位との間に接
続されており、かつ直列腕共振子3,4と並列腕共振子
5〜7とは、入力端子8と出力端子9との間で交互に配
置されている。従って、直列腕共振子3,4と並列腕共
振子5〜7とによりラダー型フィルタ回路が構成されて
いる。
【0039】ラダー型フィルタ1においても、上記直列
腕共振子3,4の共振周波数と、並列腕共振子5〜7の
反共振周波数とをほぼ一致させることにより通過帯域が
構成されている。
【0040】弾性表面波フィルタ1の特徴は、上記直列
腕共振子3,4が反射器付きの1ポート型SAW共振子
で構成されているのに対し、並列腕共振子5〜7が反射
器を有しない多対の1ポート型SAW共振子により構成
されていることにある。
【0041】多対の1ポート型SAW共振子の電極構造
を、並列腕共振子5を代表して図2に拡大して示す。並
列腕共振子5は、複数本の電極指5a1 を有するくし歯
電極5aと、複数本の電極指5b1 を有するくし歯電極
5bとを、互いの電極指5a 1 ,5b1 が間挿し合うよ
うに配置した構造を有する。なお、図2に示すように、
電極指5a1 のピッチにより弾性表面波の波長λが決定
される。
【0042】並列腕共振子5〜7においては、電極指の
対数が、直列腕共振子3,4のIDT3a,4aの電極
指の対数よりも大きくされており、好ましくは、並列腕
共振子5〜7の電極指の対数は130対以上の多対とさ
れており、それによって弾性表面波の漏洩を電極指の対
数の増大により抑制することが可能とされている。
【0043】弾性表面波フィルタ1では、上記のように
直列腕共振子3,4は反射器3b,3c,4b,4cを
有するが、広帯域化を図った場合に反射器3b,3c,
4b,4cのストップバンドの上限周波数及び下限周波
数におけるスプリアスが発生したとしても、このスプリ
アスによる弾性表面波フィルタ1のフィルタ特性への影
響は少ない。すなわち、直列腕共振子3,4の共振周波
数を利用して通過帯域を構成しており、かつ共振周波数
におけるインピーダンスが非常に低いため、ストップバ
ンドの下限周波数における共振特性上に現れるスプリア
スの影響はほとんどない。他方、直列腕共振子3,4の
反共振周波数は通過帯域外にあるため、ストップバンド
の上限周波数において現れるスプリアスによる通過帯域
内への影響も生じない。
【0044】他方、並列腕共振子5,6,7について
は、反射器を有しないため、広帯域化を図ったとしても
反射器のストップバンド及び下限周波数に起因するスプ
リアスの問題は生じない。加えて、上記のように並列腕
共振子5〜7がその電極指の対数が多いため、弾性表面
波の漏洩もほとんど生じない。よって、弾性表面波フィ
ルタ1では、挿入損失やリップルを低減しつつ広帯域化
を図り得ることができる。
【0045】なお、弾性表面波フィルタ1は、2個の直
列腕共振子3,4と、3個の並列腕共振子5〜7を入出
力間において交互に配置してラダー型フィルタ回路を構
成していたが、本発明においては、ラダー型フィルタ回
路を構成し得る限り、直列腕共振子及び並列腕共振子の
数については図示の例に限定されないことを指摘してお
く。
【0046】
【実施例】本発明の実施例として、図1に示した弾性表
面波フィルタ1において、圧電基板を64°YカットL
iNbO3 基板(電気機械結合係数は35%)からなる
ものを用意し、下記の表1に示す電極指の対数、電極指
交叉幅、反射器の電極指の本数となるように直列腕共振
子3,4及び並列腕共振子5〜7を形成した。なお、直
列腕共振子3,4及び並列腕共振子5〜7のIDTにお
ける電極指ピッチは4.80及び4.53とした。
【0047】
【表1】
【0048】上記のようにして作製した実施例の弾性表
面波フィルタにおいて、並列腕共振子のインピーダンス
特性を測定したところ、図3に示す結果が得られた。図
3から明らかなように、共振周波数及び反共振周波数の
何れにおいても共振特性上にスプリアスがほとんどみら
れないことがわかる。これは、並列腕共振子5〜7にお
いては、反射器を設けていないため、反射器のストップ
バンドに起因するスプリアスが現れないためである。
【0049】上記のようにして得られた実施例の弾性表
面波フィルタの減衰量周波数特性を図4に示す。なお、
図4において、実線Fは実線Eで示す特性の要部を右側
の拡大したスケールに従って拡大した特性を示す。図4
から明らかなように、通過帯域幅が925〜958MH
zであり、挿入損失が3.5dBであるフィルタ特性の
得られていることがわかる。
【0050】比較のために、実施例の弾性表面波フィル
タ1と同じ段数の図9に示す弾性表面波フィルタを比較
例として作製した。なお、図9に示す弾性表面波フィル
タ51は、並列腕共振子52が付加されたことを除いて
は、図5に示した弾性表面波フィルタ31と同様にして
構成されている。従って、弾性表面波フィルタ31と同
一部分については、同一の参照番号を付することにより
その説明を省略する。並列腕共振子52は、並列腕共振
子35,36と同様に、中央にIDT52aを、両側に
反射器52b,52cを形成した構造を有する。
【0051】上記比較例として用意した弾性表面波付5
1では、直列腕共振子33,34及び並列腕共振子3
5,36,52の電極指の対数、電極指交叉幅及び反射
器の本数については、下記の表2に示す通りとした。
【0052】また、圧電基板22については、LiNb
O3 64°Y−X基板よりなるものを用いた。
【0053】
【表2】
【0054】上記のようにして作製された比較例の弾性
表面波フィルタ51の並列腕共振子52のインピーダン
ス特性及び反射器の反射率特性は、前述した図7に示し
た通りであり、従って、反共振周波数近傍においてスト
ップバンドの上限周波数に対応して大きなスプリアスA
が現れていた。また、この比較例の弾性表面波フィルタ
の減衰量周波数特性は前述した図8に示した通りであ
り、上記反射器のスプリアスに起因する帯域内リップル
Bが発生しており、かつ通過帯域における挿入損失は7
dBと実施例の弾性表面波フィルタに比べて大きいこと
がわかる。
【0055】
【発明の効果】本発明によれば、複数の1ポート型SA
W共振子を直列腕共振子及び並列腕共振子として用いた
ラダー型フィルタ回路を構成してなる弾性表面波フィル
タにおいて、直列腕共振子が反射器付きの1ポート型S
AW共振子で構成されており、並列腕共振子が反射器を
有しない1ポート型SAW共振子で構成されており、か
つ並列腕共振子のIDTの電極指の対数が相対的に多く
されている。
【0056】従って、広帯域化を図ったとしても、並列
腕共振子においては、反射器のストップバンドの上限周
波数に起因する大きなスプリアスが共振特性上に現れる
ことがないため、通過帯域内リップルを低減することが
できる。加えて、並列腕共振子の電極指の対数が相対的
に多くされているため、反射器を設けなかったが、弾性
表面波エネルギーの漏洩が抑制されるため、挿入損失の
増大も招かない。
【0057】他方、直列腕共振子においてはIDTの両
側に反射器が設けられているので、通過帯域内において
Q値が高くなり、従って、弾性表面波フィルタ全体の挿
入損失を低減することができる。また、直列腕共振子に
ついては、共振周波数を利用して弾性表面波フィルタの
通過帯域を形成しているものであり、共振周波数におけ
るインピーダンスが非常に低いため、反射器のストップ
バンドの下限周波数に起因するスプリアスは問題となら
ない。
【0058】よって、本発明によれば、帯域内挿入損失
及びリップルが小さく、かつ広帯域のフィルタを提供す
ることができるため、例えば、移動体通信機器のバント
パスフィルタなどに最適な帯域フィルタを提供すること
が可能となる。
【0059】また、本発明において、並列腕共振子のI
DTの電極指の対数を130以上とした場合には、並列
腕共振子における弾性表面波エネルギーの漏洩を電極指
の対数の増大により効果的に抑制することができるの
で、挿入損失のより一層の低減を図ることが可能とな
る。
【0060】64°YカットLiNbO3 基板及び41
°YカットLiNbO3 基板は、電機機械結合係数が3
5%及び45%と高く、従って、これらの圧電基板を用
いた場合、弾性表面波フィルタのより一層の広帯域化を
図ることができる。
【0061】なお、これらの圧電基板は、電気機械結合
係数の大きさに比べて、音響アドミタンス比が小さいた
め、反射器のスプリアスが通過帯域内に入ることにな
り、帯域内リップルの原因となる。そこで、従来の弾性
表面波フィルタにこれらの圧電基板を用いたとしても、
反射器を有する並列腕共振子において帯域内リップルを
生じさせないためには、上記音響アドミタンス比を64
°YカットLiNbO3基板では1.15以上、41°
YカットLiNbO3 基板では1.25以上にしなけれ
ばならない。しかしながら、通常の製法では、64°Y
カットLiNbO 3 基板及び41°YカットLiNbO
3 基板を用いた場合、音響アドミタンス比は、それぞ
れ、1.07及び1.13程度しかならない。従って、
電気機械結合係数が大きいため広帯域化に有利である6
4°YカットLiNbO3 基板や41°YカットLiN
bO3 基板では、反射器を設けた場合通過帯域内にスプ
リアスが入り易いが、本発明に従って並列腕共振子を構
成することにより、このようなスプリアスに起因するフ
ィルタ特性の劣化を防止することができるため、本発明
によれば、このような電気機械結合係数の大きな圧電基
板を用いてより広帯域の弾性表面波フィルタを容易に提
供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる弾性表面波フィルタの一構造例
を示す模式的平面図。
【図2】本発明において並列腕共振子として用いるのに
有利な多対型1ポート型SAW共振子を説明するための
平面図。
【図3】図2に示した弾性表面波フィルタ中の並列腕共
振子のインピーダンス特性を示す図。
【図4】本発明の一実施例にかかる弾性表面波フィルタ
の減衰量周波数特性を示す図。
【図5】従来の弾性表面波フィルタの一例を説明するた
めの模式的平面図。
【図6】従来の弾性表面波フィルタで用いられている反
射器付きの1ポート型SAW共振子を示す平面図。
【図7】従来の弾性表面波フィルタにおける反射器付き
1ポート型SAW共振子のインピーダンス特性及び反射
器の反射率特性を示す図。
【図8】従来の弾性表面波フィルタの減衰量周波数特性
を示す図。
【図9】比較のための作製した従来の弾性表面波フィル
タを説明するための平面図。
【符号の説明】
1…弾性表面波フィルタ 2…圧電基板 3,4…直列腕共振子 5〜7…並列腕共振子 3a,4a…IDT 3b,c,4b,4c…反射器 5a,5b…くし歯電極 5a1 ,5b1 …電極指

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入出力間を直列腕とし、該直列腕と基準
    電位との間に少なくとも一つの並列腕を有するラダー型
    フィルタを構成するように、圧電基板上に直列腕共振子
    及び並列腕共振子を形成してなり、前記直列腕共振子の
    共振周波数と、並列腕共振子の反共振周波数とをほぼ一
    致させてなる弾性表面波フィルタにおいて、 前記直列腕共振子は、インターデジタルトランスデュー
    サと、インターデジタルトランスデューサの両側に配置
    された反射器とを有する反射器付きSAW共振子で構成
    されており、 前記並列腕共振子が、直列腕共振子のインターデジタル
    トランスデューサの電極指の対数よりも電極指の対数が
    大きなインターデジタルトランスデューサを有し、該イ
    ンターデジタルトランスデューサの両側に反射器を有さ
    ないように構成されている反射器なしSAW共振子によ
    り構成されていることを特徴とする、弾性表面波フィル
    タ。
  2. 【請求項2】 前記並列腕共振子のインターデジタルト
    ランスデューサの電極指の対数が130以上であること
    を特徴とする、請求項1に記載の弾性表面波フィルタ。
  3. 【請求項3】 前記圧電基板が、64°YカットLiN
    bO3 基板である、請求項1または2に記載の弾性表面
    波フィルタ。
  4. 【請求項4】 前記圧電基板が、41°YカットLiN
    bO3 基板であることを特徴とする請求項1または2に
    記載の弾性表面波フィルタ。
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