JPH10146162A - 急速解凍可能な冷凍麺の製造方法 - Google Patents

急速解凍可能な冷凍麺の製造方法

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JPH10146162A
JPH10146162A JP8304347A JP30434796A JPH10146162A JP H10146162 A JPH10146162 A JP H10146162A JP 8304347 A JP8304347 A JP 8304347A JP 30434796 A JP30434796 A JP 30434796A JP H10146162 A JPH10146162 A JP H10146162A
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JP
Japan
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noodles
lecithin
frozen
boiled
weight
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JP8304347A
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English (en)
Inventor
Toshio Kobayashi
寿夫 小林
Atsumasa Tanizuka
敦正 谷塚
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NAKANO SHOKUHIN KK
Original Assignee
NAKANO SHOKUHIN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 急速解凍可能な冷凍麺を解凍する際の解凍時
間を著しく短縮し、しかも麺本来の食味を損なうことの
ない、さらには、解凍後に一定時間放置しても、再固着
するおそれの少ない、冷凍麺の製造方法を提供すること
を課題とする。 【解決手段】 冷凍麺の製造方法において、茹で麺10
0重量部に対して、レシチンと水からなる、0.1〜2
0重量%の濃度のレシチン液を0.1〜100重量部の
割合で混合した後、レシチン液と混合後の麺を冷凍する
ことを特徴とする急速解凍可能な冷凍麺の製造方法であ
る。これにより、冷凍麺を、例えば、熱湯を用いて20
秒以内で解凍することができ、しかも麺本来の食味を損
なうことなく、適当なコシを有し、さらには、解凍後に
一定時間放置しても、再固着するおそれの少ない、美味
しい麺を提供することができた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、急速解凍可能な冷
凍麺、例えば、冷凍スパゲッティや冷凍うどん等の製造
方法に関し、さらに詳しくは冷凍麺を解凍する際の解凍
時間を著しく短縮することができ、しかも解凍後は、麺
本来の食味を損なうこと無く、さらに、解凍後の麺を一
定時間放置しても、再固着するおそれが少ない麺を提供
することができる、冷凍麺の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、ファミリーレストランを初めとす
る食品業界や飲食業界において、保存性、使用性あるい
は運搬性等が良好な観点から、チルド麺等にかわり、麺
中に含まれる水がいわゆる冷凍状態にある、冷凍麺が急
速に普及している。当該冷凍麺は、冷凍スパゲッティ等
に代表されるが、従来、例えば、茹で上げたスパゲッテ
ィを冷水に入れるか、または冷水をスパゲッティに散布
して粗熱をとった後、これを所定の容器に入れて、−3
0〜−60℃の温度条件で、急速冷凍することにより製
造されている。
【0003】しかしながら、茹で上げた麺の粗熱をとる
と、麺表面の水分が少なくなって、麺表面がお互いに固
着し、これを所定の容器に入れて急速冷凍すると、麺同
士がいわゆるダンゴ状態のままで冷凍されてしまうとい
う問題点があった。
【0004】すなわち、このようなダンゴ状態の冷凍麺
を解凍するためには、長時間を要し、熱湯を利用したと
しても、30秒以上の解凍時間が必要であり、さらに蒸
気を利用した場合には60秒以上とさらに長時間の解凍
時間が必要とされていた。
【0005】従って、冷凍麺の解凍時間が長いために、
飲食店等で昼時等の限られた時間帯に効率よく、多数の
客に麺を提供することが困難であったり、解凍中に熱湯
等の温度が著しく低下し、そのため、熱湯等の温度管理
が難しくなり、よって連続的に冷凍麺の解凍を行う場合
には、解凍時間の制御が困難となったり、さらには、解
凍加熱中に麺のコシが失われ、美味しい麺を提供するこ
とが困難になる等の問題があった。
【0006】そこで、特開昭54−76846号公報や
特開平2−312562号公報には、麺類の歯切れやな
めらかさ等を改良するための、卵白、脂肪酸モノグリセ
リドおよびレシチン等からなる、麺類の品質改良剤およ
びそれを含んだ麺類が開示されている。
【0007】また、特開昭56−117769号公報に
は、麺類の抗菌性や保存安定性を改良するために、ソル
ビン酸、レシチン等の親水性分散剤、および水からなる
懸濁液を、麺類を製造する際に使用することを特徴とす
る方法が開示されている。
【0008】さらに、特公平7−32671号公報に
は、麺類の付着や切れ防止等の観点から、食用油脂、多
価アルコール、ポリグリセリエステルおよび有機酸グリ
セリンエステル、天然食用ワックスおよびレシチンから
なる麺生地練込用水中油型乳化油脂及びそれを含んだ麺
類が開示されている。
【0009】しかしながら、これらの改良剤は、レシチ
ンを乳化剤や分散剤として少量含んでいるものの、麺成
分として麺中に添加されて、所定の効果を発揮するもの
であり、よって、麺の製造工程が複雑になったり、製造
管理が困難となったり、あるいはコストがかかるなどの
問題があり、さらには、麺類の食味や風味を低下させや
すいという問題があった。
【0010】そこで、特開平7−39333号公報や特
開平7−39335号公報には、麺類を茹で直し等する
際に、麺類のほぐれ性が良好な特性を示すように、麺類
に噴霧または浸漬して使用される、ポリグリセリン脂肪
酸エステル、大豆レシチン、酵素分解レシチンを含有す
る油脂組成物が開示されている。
【0011】また、特公昭57−14139号公報に
は、焼きそば用蒸麺のさばき性やこげつき防止性並びに
耐酸化性等を改良するための、大豆レシチン、大豆レシ
チン以外の食用乳化剤、および食用油脂からなる配合油
をふりかけて使用する焼きそば用蒸麺が開示されてい
る。
【0012】しかしながら、いずれもレシチンを用いて
いるものの、油脂組成物であって、麺との付着力が強
く、冷凍麺に使用した場合、当該冷凍麺の解凍時に湯洗
等により取り除くことが困難であり、結果として、麺の
風味や食味を損ないやすいという問題があった。さら
に、いずれも冷凍麺への使用を考慮しておらず、油脂組
成物ゆえに、凝固点が低く、麺の凍結時間を延ばした
り、あるいは、一旦冷凍された後は、解凍時間を遅らせ
やすいという問題もあった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】よって、本発明は、上
記従来技術の問題点を解決し、レシチンと水からなるレ
シチン液という、極めて単純な組成物であって、後に熱
湯等により容易に除去することのできる組成物を用いる
ことにより、短時間に解凍できる冷凍麺であって、しか
も、麺本来の食味を損なうことがなく、さらには、解凍
後に一定時間麺を放置しても再固着するおそれの少な
い、冷凍麺の製造方法を提供することを目的とするもの
である。
【0014】すなわち、冷凍麺の解凍時間に関して言え
ば、例えば、熱湯に投入して加熱解凍する際の解凍時間
として、好適には、20秒以内、より好適には10秒以
内に短縮することができる冷凍麺の製造方法を提供する
ことにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、急速解凍可能
な冷凍麺の製造方法において、茹で麺100重量部に対
して、レシチンと水からなる、0.1〜20重量%の濃
度のレシチン液を0.1〜100重量部の割合で混合し
た後、レシチン液と混合後の麺を冷凍する方法である。
すなわち、より具体的には、下記の工程を含む特徴とす
る急速解凍可能な冷凍麺の製造方法である。
【0016】(1)麺を茹でることにより、40〜70
重量%の含水率を有する、茹で麺を作成する工程 (2)レシチンと水からなる、0.1〜20重量%の濃
度のレシチン液を作成する工程 (3)前記茹で麺100重量部に対して、前記レシチン
液を、0.1〜100重量部の割合で混合する工程 (4)レシチン液と混合後の麺を、冷凍する工程 以下、本発明を構成要件等に分けて、さらに詳細に説明
する。
【0017】(茹で麺)本発明は、前述したように、冷
凍麺の保存性や使用性の利点を保持したまま、従来の課
題を解決すべく、茹で麺を用いて冷凍することを特徴と
する。
【0018】ここで、当該茹で麺の種類は、小麦粉及び
その他の原材料を加えて製麺したもであれば良く、特に
限定されるものでは無いが、例えば、茹でスパゲッティ
ー、茹でうどん、茹でそば、茹で中華等が好適である。
特に、茹でスパゲッティーは、通常茹で時間が、一般に
10分程度と長く、かつ優れた食味が求めれるため、厳
格な茹で時間の制御が要求される点から、短時間で解凍
することができる本発明の対象との茹で麺としては、最
適である。
【0019】さらに、本発明における茹で麺は、沸騰水
を用いて、茹で時間として4〜15分間、茹でたものが
好適である。沸騰水を用いるのは、温度管理が容易であ
り、また安全性が高いためである。一方、茹で時間につ
いては、厳密には、麺の太さ、材質および形態等と関係
があるが、例えば、スパゲッティであれば、規格品とし
て直径1.7mm程度であり、概ね一義的に、当該茹で
時間の範囲で茹でることが好適である。
【0020】すなわち、茹で時間が4分間未満では、麺
が固くて、食に適さないためであり、一方、茹で時間が
15分を超えると、麺を冷凍させた場合に、麺同士の固
着力が大きくなり、レシチン液を用いたとしても、著し
く冷凍麺の解凍時間が長くなるおそれがあり、また、麺
のコシが失われてしまい、麺の食味が著しく損なわれる
おそれがあるためである。よって、麺の食味の観点およ
び解凍時間等のバランスがより優れている点で、茹で時
間としては、沸騰水を用いて、5〜12分間の範囲がよ
り好適である。
【0021】次に、本発明における、レシチン液混合前
の茹で麺の含水率について説明する。すなわち、本発明
において、茹で麺の含水率を、所定の範囲に調整してお
くことが好適である。なぜならば、茹で麺の含水率は、
上述した麺の茹で時間と密接な関係があるものの、それ
ばかりでなく、麺の材質、形態等の特性とも関係してお
り、本発明において、より均一な冷凍麺の解凍時間を得
やすい観点から、別途定めておくことが好適なためであ
る。
【0022】よって、本発明において、具体的に、茹で
麺の含水率を40〜70重量%の範囲に調整しておくこ
とが好適である。茹で麺の含水率が、40重量%未満と
なると、麺の茹で状態として、不十分であり、麺が固く
て食味が著しく悪くなるおそれがあるためであり、一
方、麺の含水率が、70重量%を超えると、レシチン液
を用いたとしても、著しく冷凍麺の解凍時間が長くなる
おそれがあり、また、麺のコシも失われ、食味もまた著
しく損なわれるおそれがあるためである。よって、麺の
食味および解凍時間等のバランスがより優れている点
で、茹で麺の含水率としては、50〜65重量%、最適
には55〜60重量%の範囲である。
【0023】なお、当該含水率の測定方法としては、赤
外線を利用した測定方法やカールフィッシャー法が使用
できるが、本発明においては、簡便かつ迅速な測定が可
能であり、さらに、麺の茹で機械(釜)に近接して、赤
外線を利用した、いわゆる赤外線式水分計を設置するこ
とにより、麺の茹で具合を、連続的に含水率を基にして
モニターできる点で赤外線を利用した測定方法がより好
適である。
【0024】また、本発明における、茹で麺の含水状態
を説明すると、麺の芯部から麺外表面に向かって、含水
率が高くなっていることが好適である。なぜならば、当
該含水率の傾きが高いほど、いわゆる優れたコシの強さ
が発揮されるためであり、具体的に、芯部まで水が浸透
して、当該含水率の傾きが低下すると、麺のコシが著し
く低下し、スパゲッテイで言えば、いわゆるアルデンテ
の状態を食味することが困難となるおそれがあるためで
あり、さらには、冷凍麺においては、芯部まで浸透した
水が、麺同士の固着力を高め、著しく冷凍麺の解凍時間
を延ばすおそれがあるためである。
【0025】さらに、茹で麺の含水状態は、麺の断面
を、目視またはより正確には、顕微鏡を用いて観察する
ことにより、含水率に基づいて、簡便に判断することが
可能である。すなわち、麺が吸水して、親和すると、麺
の色が白色化することにより、麺が吸水した部分とそう
で無い部分とを、識別することが可能なためである。
【0026】そこで、かかる茹で麺の含水率に基づく色
変化の大きさとしては、表面から0.01〜0.5mm
程度、より好適には、0.1〜0.3mmの範囲が好適
である。色変化の大きさが、表面から0.01mm未満
では、麺のコシが強すぎて食味が低下するおそれがある
ためであり、一方、表面から0.5mmを超えて、色変
化すると、冷凍時に麺同士の固着力を高め、著しく冷凍
麺の解凍時間を延ばすおそれが生じたり、麺のコシがな
くなって食味が低下するおそれが生じるためである。
【0027】その他、本発明における茹で麺は、沸騰水
を用いて茹でた後、粗熱をとったものが好適である。な
ぜならば、粗熱により、麺の熱変化が進みやすく、また
素手等による麺の取り扱いが困難となったり、さらに
は、レシチン液を混合した際に、レシチン自身が熱劣化
するおそれが生じるためである。ここで、茹で麺の粗熱
をとる方法としては、特に制限はないが、例えば、茹で
上げた直後の麺を、1〜2℃の冷水に浸漬するか、また
は麺に冷水を散布したり、あるいは扇風機等を用いて冷
風を送ることにより実施することが好適である。
【0028】(レシチン液)本発明は、所定濃度のレシ
チン液を使用することを特徴とする。ここで、本発明に
おいて、基本的にレシチンと水からなるレシチン液を使
用するのは、以下の理由によるものである。
【0029】(1)レシチン液作成時 本発明におけるレシチン液は、極めて単純かつ安全な組
成物であるためである。よって、レシチンと水を、所定
量の割合で混合するだけで容易に作成でき、従来の麺改
良剤である油脂組成物のように、濃度のバラツキ等の問
題も可及的に少なく、また、レシチン自体も健康食品と
して知られるように、人体への安全性にも問題が無いた
めである。さらに、当該レシチン液は、保存安定性にも
すぐれ、長期間作りだめしても、特に変色、変質等の問
題が生じないためである。
【0030】(2)冷凍時 当該レシチン液が、所定量の割合で、茹で麺と混合され
ると、表面活性に優れたレシチンは分子内に有する親水
性部位にて、容易に麺表面の同じく親水性部位と親和し
て、付着するためであり、一方、レシチンが分子内に有
する親油性部位は、麺表面において外部に向くことにな
り、隣接する麺同士の固着を有効に防止することができ
るためである。
【0031】なお、粉末レシチンを用いた場合には、か
かる化学的阻害とともに、物理的に麺の固着を防止、阻
害するという効果も有効に期待できる点で、後述するよ
うに本発明に好適である。
【0032】さらに、本発明に用いられるレシチン液
は、粉末レシチンが水に粒子状で分散しているものが多
いため、凝固点降下のおそれもなく、さらに水溶性のレ
シチンを使用しレシチンと水が溶解している場合であっ
ても、当該レシチン液の凝固点も水自体と大差が無いた
め、麺の冷凍時間を延ばすという問題も見られないた
め、基本的にレシチンと水からなるレシチン液を使用す
る利点がある。
【0033】(3)解凍時 冷凍麺の解凍には、一般に手軽さや安全性の点で、熱湯
を使用する場合が多いが、かかる麺の解凍時に、ほとん
どのレシチンは熱湯によって、麺表面に付着していたレ
シチンが脱落、除去されてしまい、よって、すばやい麺
の解凍およびほぐれ性が得られるためである。
【0034】また、冷凍時に、レシチンにより、麺同士
の固着が、化学的、物理的に有効に防止されているた
め、熱湯が麺同士の結着部分に容易に侵入し、さらに、
レシチンの脱落、除去を促進し、さらにすばやい麺のほ
ぐれ性が得られるという利点もあるためである。
【0035】さらに、ほとんどのレシチンが、麺から除
去されることにより、レシチン特有の風味等が麺につく
ことを有効に防止し、結果として麺の風味を損なうおそ
れが少ないためでもある。その他、脱落したレシチン
は、毒性等の心配がないため、そのまま熱湯とともに廃
棄、処理することができるという利点も、本発明のレシ
チン液により得られるものである。
【0036】次に、本発明において、使用されるレシチ
の種類について説明する。ここで、当該レシチンは、分
子内に両性イオンを有し、界面活性作用を示すリン脂質
である、ホスファチジルコリン(ジアシル−L−3−グ
リセリルホスホリルコリン)およびその誘導体であれ
ば、特に種類として限定されるものではないが、例え
ば、大豆レシチン、卵黄レシチン、コーンレシチン、綿
実油レシチン、粗製レシチン、精製レシチン(ヨウ素化
価が10〜60の水素添加レシチンを含む)、水溶性レ
シチンおよびこれらのレシチンと澱粉やゼラチン等との
混合物も含み、いずれのレシチンも本発明に使用可能で
ある。
【0037】さらに、レシチンの性状として、粉末レシ
チンやペースト状レシチン等があるが、どちらも好適に
使用できる。但し、本発明においては、前述したとお
り、冷凍時には有効に麺表面に付着し、麺がだんご状態
に固着することを防ぎ、さらに、熱湯等に冷凍麺を投入
して解凍する際には、物理的、化学的に機能して、優れ
た麺のほぐれ性が得られ、その上、容易に麺から除去で
きるという点から、粉末レシチンが最適である。
【0038】そして、当該レシチンが粉末状である場合
には、0.1〜1000ミクロンの範囲の平均粒径を有
することが好適である。0.1ミクロン未満となると、
隣接する麺同士の固着に対する物理的阻害性の効果が乏
しくなるおそれがあり、一方、1000ミクロンを超え
ると、レシチン液での沈降が顕著になったり、麺への付
着が困難となったり、一方で、解凍時にも残留した場合
には、極端に麺の食味を低下させるるおそれが生じるた
めである。
【0039】よって、かかる麺同士の物理的阻害性およ
び分散性等のバランスがより良好な観点から、当該レシ
チン粉末の平均粒径としては、1〜100ミクロンの範
囲がより好適であり、最適には、5〜50ミクロンの範
囲である。
【0040】また、レシチンの種類として、前記水溶性
レシチンを用いた場合には、均一に麺の周囲にレシチン
を付着させることができる点において好適であり、非水
溶性レシチンを用いた場合には、レシチンを水に分散さ
れたレシチン液として得られ、麺表面に部分的に付着す
ることにより、化学的、物理的に、より隣接する麺同士
の固着を防止するとともに、解凍時には容易に脱離する
ことができる点で好適である。
【0041】なお、ここで非水溶性レシチンとは、完全
に水に溶解して、均一な溶液になるタイプのレシチンを
除いたものであり、すなわち、0.1〜20重量%の範
囲で水と混合した際に、完全に水に溶解しないタイプの
レシチンをいい、多少でも混合液が白濁しているもの
は、本発明における非水溶性レシチンに該当する。
【0042】次に、本発明におけるレシチン液の所定濃
度について説明する。すなわち、本発明において、0.
1〜20重量%の濃度のレシチン液を使用することが必
要である。なぜならば、レシチン液の濃度が、0.1重
量%未満となると、麺のほぐれ性が低下し、例えば、熱
湯に冷凍麺を投入して解凍する際の解凍時間を、20秒
以内と短縮化することが困難となるためである。一方、
レシチン液の濃度が、20重量%を超えると、熱湯に冷
凍麺を投入して解凍等する際に、麺に残留するレシチン
量が多くなり、麺の風味を損ないやすいためであり、ま
た、レシチン液中でレシチンが沈殿しやすくなったり、
あるいは、レシチン液の濃度むらが生じやすくなり、解
凍時間のばらつきが大きくなるためである。
【0043】よって、麺のほぐれ性とレシチンの残留性
等のバランスがより良好な観点から、レシチン液の濃度
は、より好適には、1〜15重量%、最適には5〜10
重量%の範囲である。
【0044】但し、本発明における、レシチンの効用を
考慮すると、凍結時に麺にどの程度のレシチンが付着し
ているのかが重要であり、当該レシチン液の濃度では一
義的に、本発明の効果が定まるものではない。よって、
本発明において、レシチン液の濃度が0.1〜20重量
%の場合には、茹で麺100重量部に対して、0.1〜
100重量部の割合で混合することが必要である。
【0045】すなわち、レシチン液の混合量が、0.1
重量部未満となると、レシチンの添加効果が著しく低下
するためであり、一方、100重量部を超えると、コス
トが高くなったり、あるいは、冷凍麺の解凍時におい
て、レシチンの残留量が多くなり、麺の食味が低下する
ためである。
【0046】よって、かかるバランスがより良好な観点
から、レシチン液の濃度が、1〜15重量%の場合に
は、茹で麺100重量部に対して、1〜75重量部の割
合で混合することが好適であり、さらに、当該レシチン
液の濃度が、5〜10重量%の場合には、茹で麺100
重量部に対して、5〜50重量部の割合で混合すること
が最適である。
【0047】その他、本発明における、茹で麺に対す
る、レシチン液の混合方法について説明する。すなわ
ち、茹で麺の表面にすべて、あるいは部分的に所定量の
レシチンが混合されて、付着すれば良く、混合方法は特
に限定されるものではないが、例えば、吹き付け、浸
漬、撹拌、まぜ合わせ等の手法を取ることが好適であ
る。
【0048】(冷凍方法等について)本発明は、前述の
茹で麺とレシチン液を混合後、冷凍状態にして、冷凍す
ることを特徴とする。ここで、当該冷凍は、レシチン液
と混合後の茹で麺を、容器内に充填後、特に概ね一食分
ごとに小分けして冷凍することが、使い勝手が良好な観
点から好適である。よって、小分けした麺重量として
は、好適には、100〜300gの、より好適には、1
50〜250gの範囲が好適である。
【0049】なお、当該容器は、冷凍後、冷凍麺を取り
出した後にも、再利用できるように耐久性があり、ま
た、−50℃等の冷凍雰囲気においても、一定のフレキ
シビリティーが得られ、さらには、レシチン液と混合後
の茹で麺が容器表面に付着しないように、離型性を有す
るものが好適であり、具体的には、ポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリエステル、ポリメチルペンテン等の樹
脂からなるプラスチック容器が好適である。
【0050】さらに、当該容器の形態としても、容器内
でレシチン液と混合後の茹で麺自体が固着しないよう
に、当該容器の底部に複数の穴が設けられ、余分な水分
等を外部に排出できる構造が好適であり、また、容器内
部に凹凸形状が設けられている容器を用いると、得られ
た冷凍麺が、いわゆる小分け状態になったり、あるい
は、内部に空洞部を有することになり、ますます解凍時
の熱湯等が侵入容易となる点で好適である。
【0051】また、レシチン液と混合後の茹で麺の冷凍
方法や冷凍装置も、特に限定されるものではないが、緩
慢冷凍あるいは急速冷凍可能な冷凍機や冷蔵機等を用い
て簡便に行うことが好適である。さらに、冷凍条件も特
に限定されるものでは無いが、緩慢冷凍であれば、−1
0〜−60℃、より好適には、−20〜−40℃の温度
条件で、1〜10時間、より好適には、3〜8時間、急
速冷凍であれば、−10〜−60℃、より好適には、−
20〜−40℃の温度条件で、10〜60分、より好適
には、20〜40分間、レシチン液と混合後の茹で麺を
冷凍することが好適である。
【0052】なお、本発明の冷凍麺は、茹で麺以外に、
基本的に、レシチンと水からなるレシチン液を使用して
いるばかりであり、当該レシチン液を使用した場合とそ
うで無い場合とで、全く同一の冷凍条件を使用すること
ができるという利点も有している。
【0053】次に、本発明の方法で製造された冷凍麺、
例えば冷凍スパゲッティの包装方法について説明する。
すなわち、容器に入れて、所定形状に概ね整えて、その
ままプラスチックフィルム等により周囲を包装すること
も好適であるし、さらには、より優れた酸化防止の観点
から、容器内の空気を窒素ガス等により置換して吸引し
た後、密閉することも好適である。
【0054】また、このような包装方法によれば、包装
容器内の空気を窒素ガスと置換することにより、冷凍麺
を冷蔵庫内でチルド状態で長期間保存しても、容器内の
バクテリアの増加を抑制することができるとともに、冷
凍麺を顧客に配送後はチルド食品と同じ扱いをすること
ができ、取扱いが向上する。
【0055】
【発明の実施の形態】
(実施例1)市販のスパゲッティ(直径1.7mm)
を、沸騰水が入った釜を用いて、標準茹で時間の約10
分より、約45%短い時間(5分30秒)で茹で上げた
後、すぐに、1〜2℃の冷水に浸漬して素早く粗熱をと
り、10℃以下の麺温とした。次いで、かかるスパゲッ
ティ1000gに対して、300gの5重量%濃度のレ
シチン液を振りかけて混合し、素早く手でまぶした。な
お、レシチンとしては、粉末状レシチンを用いた。
【0056】それから、当該スパゲッテイを、底部に穴
の空いた、縦19mm、12mm、深さ4.5mmのプ
ラスチック容器に小分けして入れ、−30℃の冷凍庫に
て、5〜6時間かけて冷凍した。そして、得られた10
個の冷凍スパゲッテイを、約98℃の熱湯50リットル
に入れて加熱解凍して、以下の評価を行った。結果を表
1に示す。
【0057】なお、レシチン液混合前の茹で麺の含水率
は、赤外線式電子水分計IB−30(チョ− バランク
会社製)を用いて、2度測定し、平均値として求め
た。得られた平均の含水率の結果を、表1に併せて示
す。
【0058】(1)解凍時間の測定 上記冷凍スパゲッテイを上記熱湯に入れてから、麺が完
全にほぐれるまでの時間(秒)を、ストップウォッチを
使って測定した。
【0059】(2)ほぐれ性試験 上記冷凍スパゲッテイを上記熱湯に入れ、はしを用いて
ほぐす状況から、麺のほぐれ性を、以下の基準で判断し
た。 ◎:はしを使わないでも容易にほぐれる ○:はしを使えば容易にほぐれる △:はしを使ってもほぐれにくい ×:はしを使っても一部ほぐれない部分あり
【0060】(3)食味試験 上記の麺が、ほぐれた状態のスパゲッテイを、実際に食
して、スパゲッテイの食味を、以下の基準で判断した。 ◎:麺のコシが適当で、きわめて美味しい ○:美味しい △:レシチン臭が若干する、あるいは、麺のコシが少々
強かったり、少々弱い ×:レシチン臭が強くする、あるいは、麺のコシが強す
ぎたり、弱すぎる
【0061】(4)外観試験 上記の麺が、ほぐれた状態のスパゲッテイの外観を、目
視にて以下の基準で判断した。 ○:麺全体にツヤがある △:麺にツヤがない ×:麺の一部にツヤがある
【0062】(5)茹で麺の放置試験 上記の、麺がほぐれた状態のスパゲッテイを皿に乗せ
て、室温で2時間放置し、麺の固まり具合を、以下の基
準で判断した。 ◎:再固着しない ○:ほとんど再固着しない、はしで容易にほぐすことが
できる △:一部麺が再固着する、はしでなんとかほぐすことが
できる ×:麺が再固着する、はしでほぐすことができない
【0063】(実施例2、3)実施例1におけるレシチ
ン液の濃度を、それぞれ1重量%および10重量%に変
えたほかは、実施例1と同様の実験、評価を行った。
【0064】(実施例4〜11)実施例1におけるレシ
チン液の濃度(1、5、10、15重量%)および茹で
時間(3、10、15分)の条件を組み合わせて変えた
ほかは、実施例1と同様の実験、評価を行った。
【0065】(実施例12)実施例1におけるレシチン
の種類を、液体レシチンに変えたほかは、実施例1と同
様の実験、評価を行った。
【0066】(比較例1)実施例1において、レシチン
液を吹きつけずに冷凍した以外は実施例1と同様の実
験、評価を行った。
【0067】(比較例2、3)比較例1において、茹で
時間を10分および15分とした以外は、比較例1と同
様の実験、評価を行った。
【0068】(比較例4)実施例1において、レシチン
液のかわりに、菜種油98.7g、ペースト状大豆レシ
チン0.5g、酵素分解レシチン0.1g、ヘキサオレ
イン酸デカグリセリン0.7gを溶解させて作成した油
脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様の実験、評価
を行った。しかしながら、当該油脂組成物と混合した茹
で麺は、冷凍麺として冷凍させることが困難であった。
【0069】(比較例5)比較例4において、茹でスパ
ゲッティ1000gに対して、17gの油脂組成物を混
合した以外は、実施例1と同様の実験、評価を行った。
なお、解凍時に油脂組成物が、はしにまとわりつくとい
う問題が見られた。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】本発明の冷凍方法で製造された冷凍麺
は、熱湯に投入してから、著しく短時間で、好適には、
20秒以内、より最適には、10秒以内で急速解凍する
ことができ、解凍時に麺の命であるコシの強さが失われ
ることがなく、スパゲッテイで言えば、いわゆるアルデ
ンテの状態が保たれ、また、レシチンの臭気も可及的に
低減させることができ、さらには、解凍後に麺を室温に
放置した場合にも、再固着することがなく、非常に美味
しい麺を提供することができるようになった。
【0072】よって、当該麺の解凍時間の短さより、例
えば、冷凍スパゲッティや冷凍うどん等を使用する飲食
店では、書き入れ時の昼食時間帯に、多数の客に、従来
の麺と変わらぬ食味のスパゲッティやうどん等を、素早
く提供することも容易に予想できるものであり、従来の
冷凍麺と比較して極めて有利なものである。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 冷凍麺の製造方法において、茹で麺10
    0重量部に対して、レシチンと水からなる、0.1〜2
    0重量%の濃度のレシチン液を0.1〜100重量部の
    割合で混合した後、レシチン液と混合後の麺を冷凍する
    ことを特徴とする急速解凍可能な冷凍麺の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記レシチン液の濃度が、1〜15重量
    %であって、前記茹で麺100重量部に対して、当該レ
    シチン液を、1〜75重量部の割合で混合することを特
    徴とする、請求項1に記載の急速解凍可能な冷凍麺の製
    造方法。
  3. 【請求項3】 前記レシチンが、非水溶性であって、前
    記レシチン液において、当該レシチンが水に分散された
    状態であることを特徴とする請求項1または2に記載の
    急速解凍可能な冷凍麺の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記レシチンが、0.1〜1000ミク
    ロンの平均粒径を有する粉末状レシチンであることを特
    徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の急速解凍
    可能な冷凍麺の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記茹で麺が、沸騰水を用いて4〜15
    分間茹でた後、粗熱をとったものであることを特徴とす
    る、請求項1〜4のいずれか1項に記載の急速解凍可能
    な冷凍麺の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記茹で麺が、40〜70重量%未満の
    含水率を有するものであることを特徴とする、請求項1
    〜5のいずれか1項に記載の急速解凍可能な冷凍麺の製
    造方法。
  7. 【請求項7】 前記茹で麺が、麺の芯部から麺外表面に
    向かって、含水率が高くなっていることを特徴とする、
    請求項1〜6のいずれか1項に記載の急速解凍可能な冷
    凍麺の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記茹で麺が、茹でスパゲッテイである
    ことを特徴とする、請求項1〜7のいずれか1項に記載
    の急速解凍可能な冷凍麺の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記冷凍が、前記レシチン液と混合後の
    麺を、容器内に充填後に実施されることを特徴とする、
    請求項1〜8のいずれか1項に記載の急速解凍可能な冷
    凍麺の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記冷凍麺の製造方法が、下記の工程
    を含むことを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項
    に記載の急速解凍可能な冷凍麺の製造方法。 (1)麺を茹でることにより、40〜70重量%の含水
    率を有する、茹で麺を作成する工程 (2)レシチンと水からなる、0.1〜20重量%の濃
    度のレシチン液を作成する工程 (3)前記茹で麺100重量部に対して、前記レシチン
    液を、0.1〜100重量部の割合で混合する工程 (4)レシチン液と混合後の麺を、冷凍する工程
JP8304347A 1996-11-15 1996-11-15 急速解凍可能な冷凍麺の製造方法 Pending JPH10146162A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009054100A1 (ja) * 2007-10-26 2009-04-30 Nisshin Foods Inc. 冷凍麺類、その冷凍麺類の製造方法、及び冷凍やけ防止用コーティング液

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WO2009054100A1 (ja) * 2007-10-26 2009-04-30 Nisshin Foods Inc. 冷凍麺類、その冷凍麺類の製造方法、及び冷凍やけ防止用コーティング液

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