JPH10152013A - 車両側部のエネルギ吸収装置及びその装置の製造方法 - Google Patents

車両側部のエネルギ吸収装置及びその装置の製造方法

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JPH10152013A
JPH10152013A JP9015040A JP1504097A JPH10152013A JP H10152013 A JPH10152013 A JP H10152013A JP 9015040 A JP9015040 A JP 9015040A JP 1504097 A JP1504097 A JP 1504097A JP H10152013 A JPH10152013 A JP H10152013A
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energy absorbing
absorbing device
airbag
vehicle
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Kenji Satani
憲司 佐谷
Teiji Hiyori
禎二 日和
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    • B60RVEHICLES, VEHICLE FITTINGS, OR VEHICLE PARTS, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • B60R21/00Arrangements or fittings on vehicles for protecting or preventing injuries to occupants or pedestrians in case of accidents or other traffic risks
    • B60R21/02Occupant safety arrangements or fittings, e.g. crash pads
    • B60R21/16Inflatable occupant restraints or confinements designed to inflate upon impact or impending impact, e.g. air bags
    • B60R21/20Arrangements for storing inflatable members in their non-use or deflated condition; Arrangement or mounting of air bag modules or components
    • B60R21/207Arrangements for storing inflatable members in their non-use or deflated condition; Arrangement or mounting of air bag modules or components in vehicle seats

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 表皮材19が被装されてなるシート1内の側
部近傍部にエアバッグユニット21を備え、このエアバ
ッグユニット21に対応する表皮材19に、エアバッグ
24の展開圧を受けて開口する脆弱部19aが設けら
れ、その開口した脆弱部からエアバッグ24がシート1
外方に展開するように構成された車両側部のエネルギ吸
収装置に対して、エアバッグ24の展開圧により脆弱部
19aが開口するまでの表皮材19自体の伸張量を小さ
くしてその開口までの時間を短くし、エアバッグ24の
シート1外方への展開をより短時間で行わせるようにす
る。 【解決手段】 エアバッグ24の展開圧により脆弱部1
9aが開口する前に表皮材19が伸張するのを制限する
伸張制限手段として、表皮材19よりも伸張率の低い複
数枚の低伸張シート状部材38,38,…を脆弱部19
a近傍の表皮材19裏面にその表皮材19と一体に接合
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両側部のエネル
ギ吸収装置及びその製造方法に関し、特に表皮材が被装
されてなるシート内にエアバッグユニットが配設されて
いるものの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、エアバッグユニットを操舵ハンド
ルに配設して車体の正面衝突時に乗員の安全を図ること
はよく知られている。一方、近年、例えば特開平6−6
4491号公報に示されているように、シート内の側部
にエアバッグユニットを配設し、車体側部への衝突時に
乗員の側方でエアバッグを展開させ、その展開したエア
バッグで側突のエネルギを吸収して乗員を保護するよう
にすることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記提案例
のように、シート内にエアバッグユニットを配設する場
合、シートの最外側には、通常、表皮材が被装されてい
るので、エアバッグユニットに対応する表皮材に、エア
バッグ展開圧を受けたときに容易に開口する脆弱部を設
け、その開口した脆弱部からエアバッグをシート外方に
展開させるようにしている。
【0004】しかし、表皮材には、通常、表面に皺が生
じないように伸張率の高いものが使用されているので、
表皮材は、エアバッグ展開圧を受けると、最初にシート
外側に伸張され、その後、脆弱部が開口することにな
る。そのため、表皮材の脆弱部が開口するのが遅くな
り、エアバッグをシート外方へより早く展開させるため
に改良の余地がある。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、表皮材の構成を改良す
ることによって、エアバッグ展開圧により脆弱部が開口
するまでの表皮材自体の伸張量を小さくして、その開口
までの時間を出来る限り短くし、エアバッグのシート外
方への展開をより短時間で行わせるようにすることにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、この発明では、エアバッグユニットのエアバッグ
展開圧により脆弱部が開口する前に表皮材が伸張するの
を制限する伸張制限手段を設けるようにした。
【0007】具体的には、請求項1の発明では、表皮材
が被装されてなるシート内の側部近傍部に、所定方向に
向けて配設されたエアバッグユニットを備え、上記エア
バッグユニットに対応する表皮材に、エアバッグ展開圧
を受けて開口する脆弱部が設けられ、該開口した脆弱部
からエアバッグがシート外方に展開するように構成され
た車両側部のエネルギ吸収装置を前提とする。
【0008】そして、上記エアバッグユニットのエアバ
ッグ展開圧により上記脆弱部が開口する前に表皮材が伸
張するのを制限する伸張制限手段が設けられているもの
とする。
【0009】この発明により、表皮材自体の伸張が制限
されているので、その伸張量は小さくなり、エアバッグ
展開圧による脆弱部の開口作用が促進される。この結
果、その脆弱部が開口するまでの時間が短くなり、その
開口した脆弱部からエアバッグはスムーズにシート外方
に展開する。よって、エアバッグのシート外方への展開
をより短時間で行わせることができる。
【0010】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
いて、伸張制限手段は、脆弱部近傍の表皮材裏面に該表
皮材と一体に接合されかつ表皮材よりも伸張率の低い低
伸張シート状部材であるものとする。
【0011】このことにより、簡単な構成で表皮材自体
の伸張を制限することができ、種々の表皮材に有効に対
応することができる。よって、簡単かつ汎用性の高い伸
張制限手段の具体的構成が容易に得られる。
【0012】請求項3の発明では、請求項2の発明にお
いて、低伸張シート状部材は、脆弱部を挟んで該脆弱部
の対向方向両側に接合されているものとする。
【0013】このことで、表皮材の伸張をより一層有効
に制限することができ、エアバッグ展開圧による脆弱部
の開口作用をさらに促進させることができる。よって、
エアバッグをシート外方により一層早く展開させること
ができる。
【0014】請求項4の発明では、請求項2又は3の発
明において、脆弱部は略直線状とされ、複数枚の低伸張
シート状部材が、上記脆弱部の長手方向に略沿って所定
間隔を空けて配置されているものとする。
【0015】このようにすることで、表皮材の表面に皺
が生じ難くなると共に、表皮材が有する柔らかい感触を
阻害することもない。よって、外観上の見映えや座り心
地性を良好に維持することができる。
【0016】請求項5の発明では、請求項1の発明にお
いて、伸張制限手段は、両端部が脆弱部両側近傍の表皮
材にそれぞれ取付固定される一方、中間部がエアバッグ
ユニットのエアバッグ展開側と反対側を回るように配置
され、かつ表皮材よりも伸張率の低い低伸張シート状部
材であるものとする。
【0017】このことにより、エアバッグ展開圧を受け
て脆弱部両側近傍の表皮材がシート外側に伸張しようと
するが、それらの表皮材は、中間部がエアバッグユニッ
トのエアバッグ展開側と反対側を回るように配置された
低伸張シート状部材によって伸張しないように支持され
ているので、その伸張を確実に制限することができる。
また、低伸張シート状部材がエアバッグの展開を脆弱部
へ案内させる役目も果たす。この結果、簡単な構成で表
皮材の伸張をさらに効果的に制限することができる。よ
って、エアバッグのシート外方への展開をより一層早く
させることができる。
【0018】請求項6の発明では、請求項1の発明にお
いて、伸張制限手段は、脆弱部ないし該脆弱部近傍にお
いて表皮材と該表皮材裏側のパッドとを略全面的に係止
するようにしたものとする。
【0019】この発明により、表皮材は、伸張量が比較
的小さいパッドに係止されるので、エアバッグの展開圧
を受けても殆ど伸張することはない。また、表皮材をパ
ッドに係止することは簡単である。よって、請求項2の
発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0020】請求項7の発明では、請求項6の発明にお
いて、伸張制限手段は、脆弱部を挟んで該脆弱部の対向
方向両側において表皮材と該表皮材裏側のパッドとを貼
り付けるようにしたものとする。
【0021】こうすることで、例えば接着剤等により簡
単かつ確実に表皮材をパッドに係止することができると
共に、表皮材の伸張を脆弱部の対向方向両側で有効に制
限することができる。よって、請求項3の発明と同様の
作用効果を得ることができる。
【0022】請求項8の発明では、請求項1〜7のいず
れかの発明において、脆弱部は、表皮材の開口部を縫製
により閉塞してなり、上記縫製部の糸の強度は、表皮材
において他の縫製部よりも低く設定されているものとす
る。
【0023】このことにより、脆弱部における縫製部の
糸の切断が他の部分よりも先に行われるので、脆弱部が
確実にしかも早期に開口する。よって、エアバッグのシ
ート外方への展開をより短時間に安定的に行わせること
ができる。
【0024】請求項9の発明では、請求項8の発明にお
いて、縫製部は、開口部両端の表皮材がそれぞれ折り返
されて第1の縫製糸により縫い合わされていて、上記表
皮材の両折返部の先端同士が第2の縫製糸により縫い合
わされているダブルステッチとされているものとする。
【0025】この発明により、縫製部周囲の表皮材が第
1の縫製糸により有効に補強されているので、その周囲
の表皮材の破断を防止することができ、確実に第2の縫
製糸を切断させることができる。よって、請求項8の発
明の作用効果をより高めることができる。
【0026】請求項10の発明では、請求項1〜9のい
ずれかの発明において、エアバッグは、シートに座って
いる乗員の胸部に対応する胸部保護部と、該胸部保護部
の略上方に連続して該乗員の頭部に対応する頭部保護部
とを備えているものとする。
【0027】この発明により、エアバッグの展開容量が
大きくなり、その展開を特に早期に行わせる必要がある
ので、この車両側部のエネルギ吸収装置は、このような
エアバッグを有する場合に最適な装置となる。よって、
この車両側部のエネルギ吸収装置の有効な利用を図るこ
とができると共に、乗員の安全性を向上させることがで
きる。
【0028】請求項11の発明では、請求項10の発明
において、エアバッグの胸部保護部は、エアバッグユニ
ットに接続されている一方、頭部保護部は、エアバッグ
展開気体が上記胸部保護部を経由して流入するように該
胸部保護部に接続されているものとする。
【0029】このようにすることで、最初に胸部保護部
が展開された後、その胸部保護部の上方に頭部保護部が
展開する。このため、頭部保護部まで短時間に展開させ
るには、脆弱部をさらに早期に開口させる必要がある。
よって、請求項10の発明の作用効果をより助長するこ
とができる。
【0030】請求項12の発明では、請求項1〜11の
いずれかの発明において、エアバッグユニットは、シー
トにおいて該シートに近いサイドドア側の側部に配設さ
れているものとする。
【0031】このことにより、側突により乗員とその乗
員に近い側のサイドドアとの間にエアバッグを容易に展
開させることができ、乗員がサイドドアに衝突するのを
防ぐことができる。よって、側突時に乗員のより一層の
安全性を確保することができる。
【0032】請求項13の発明では、請求項12の発明
において、エアバッグユニットはシートバック内に、エ
アバッグが該シートバックの略前方側に展開するように
配設されているものとする。
【0033】このようにすることで、シートバックの側
部は、乗員を左右方向からサポートするための前方に膨
らんだサイドサポート部であるので、その内部の比較的
大きな空間にエアバッグユニットを配設することができ
る。よって、乗員の座り心地性を阻害することなくエア
バッグユニットをシート内に収容することができる。
【0034】請求項14の発明では、請求項12の発明
において、エアバッグユニットはシートクッション内
に、エアバッグが該シートクッションの略上方側に展開
するように配設されているものとする。
【0035】このことにより、シートクッションの側部
も、乗員を左右方向からサポートするための上方に膨ら
んだサイドサポート部であるので、その内部の比較的大
きなスペースにエアバッグユニットを配置することがで
きる。よって、請求項13の発明と同様の作用効果を得
ることができる。
【0036】請求項15の発明では、請求項5記載の車
両側部のエネルギ吸収装置の製造方法の発明である。
【0037】そして、低伸張シート状部材を中間部で2
分割しておき、その分割された各シート状部材の一端部
をそれぞれ脆弱部両側近傍の表皮材に取付固定した後、
該表皮材をパッドに組み付けて上記分割された両シート
状部材をパッドに仮止めし、上記組み付けた表皮材及び
パッドをシートフレームに組み付けた後、上記分割され
た両シート状部材の他端部同士を、エアバッグユニット
を挟むように該エアバッグユニットのエアバッグ展開側
と反対側で結合するようにする。
【0038】この発明により、パッドをシートフレーム
に組み付けた後に表皮材を組み付ける従来の方法よりも
容易にこの製造装置を製造することができる。すなわ
ち、エアバッグユニットは、通常、シートフレームに最
初に取付固定された状態にあり、このシートフレームに
対しパッドを組み付けた後に表皮材を被装するには、低
伸張シート状部材の少なくとも一端部を表皮材に固定し
ない状態で、その端部をエアバッグユニットのエアバッ
グ展開側と反対側に回して表皮材に固定する必要があ
り、その作業は非常に困難である。しかし、この発明の
方法では、低伸張シート状部材が2分割されて予めパッ
ドに組み付けられて仮止めされているので、上述の如
く、端部をエアバッグユニットのエアバッグ展開側と反
対側に回して表皮材に固定する必要はなく、表皮材及び
パッドをシートフレームに容易に組み付けることができ
る。そして、シートの座面側と反対側からその分割され
た両シート状部材の他端部同士を簡単に結合することが
できる。よって、この装置の組付作業性を向上化させる
ことができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)図1〜図4は、本発明の実施形態1に係
る車両側部のエネルギ吸収装置における自動車の前席左
側のシート1を示し(尚、以下の説明では、自動車の前
後左右を単に前後左右という)、このシート1は、シー
トクッション2、シートバック3及びヘッドレスト4を
有する。上記シートクッション2の左右両端部の下部に
は、前後方向に延びるスライダ7,7がそれぞれ設けら
れ、この各スライダ7は、前後部でレール取付部材1
0,10を介してフロアに固定した左右の各スライドレ
ール8に係合されてシート1の前後位置を調節すること
ができるようになっている。また、シートクッション2
の後部には、ナックル部材9が左右方向に延びる回転軸
11を中心として回転可能に設けられ、このナックル部
材9を介してシートバック3がシートクッション2に対
して上記回転軸11回りに回転可能に連結されて、シー
トバック3の角度調整を行うことができるようになって
いる。
【0040】上記ヘッドレスト4は、その下端面から突
出したフレーム5,5が上記シートバック3の上端面に
形成した2つの穴にそれぞれ差し込まれてそのシートバ
ック3に取り付けられている。
【0041】上記シートバック3内の後部外周部には、
鋼製パイプ材からなる上下部及び左右両側部を有する枠
状のシートバックフレーム13(シートフレーム)が設
けられ、このシートバックフレーム13の上部には、上
記ヘッドレスト4の下端面から突出した各フレーム5と
それぞれ嵌合してヘッドレスト4の上下方向の位置を調
節することができる2つのヘッドレスト調節部材14,
14が取付固定されている。
【0042】上記シートバックフレーム13の左右両側
部間には、シートバックフレーム13よりも細い径の線
材からなる左右方向に延びる複数本のワイヤフレーム1
8,18,…が設けられている。この各ワイヤフレーム
18は、その両端部がシートバックフレーム13の左右
両側部前側にそれぞれ溶接により取付固定されている。
【0043】上記各ワイヤフレーム18よりも前側には
パッド15が設けられ、このパッド15は、乗員がシー
トバック3に凭れたときに後方に逃げないように各ワイ
ヤフレーム18によって支持されている。また、このパ
ッド15は、その端部がシートバックフレーム13の外
側から後方に回り込むようにされてそのシートバックフ
レーム13に支持されている。このパッド15のシート
外側表面は、布地からなる表皮材19で覆われている。
つまり、シート1の最外側には表皮材19が被装されて
いる。
【0044】上記シートクッション2の左右両端部には
上方に膨らんだサイドサポート部2a,2aが、またシ
ートバック3の左右両端部には前方に膨らんだサイドサ
ポート部3a,3aがそれぞれ設けられ、乗員が左右方
向に動かないようにサポートする役目をしている。
【0045】上記シートバック3内においてそのシート
1に近いサイドドア側の側部近傍部つまり左側のサイド
サポート部3a内にエアバッグユニット21が配設され
ている。このエアバッグユニット21は、断面略U字状
のモジュールカン22を有し、このモジュールカン22
内には、奥側に点火部と爆薬とを内蔵した円筒缶状のイ
ンフレータ23が、また開口側に折り畳まれたエアバッ
グ24がそれぞれ収容されている。上記インフレータ2
3の点火部には、図示しないが、自動車の左側部への側
突を検知する加速度センサから点火信号が供給されるよ
うになっており、その点火信号により点火部が点火して
爆薬が高速燃焼し、そのとき発生する多量のガスにより
エアバッグ24が膨脹展開する。
【0046】上記エアバッグユニット21は、その長手
方向がシートバック3の上下方向と略一致するように配
置され、そのモジュールカン22の側面にて上下2組の
ボルト27,27及びナット28,28で取付部材26
の一端部に締結されている。この取付部材26の他端部
はシートバックフレーム13に溶接により取付固定され
ている。このことで、エアバッグユニット21は取付部
材26を介してシートバックフレーム13に固定されて
いる。また、このエアバッグユニット21は、そのモジ
ュールカン22の開口方向つまりエアバッグ24が展開
する方向が前方に対して左側に傾くように配置されてい
る。
【0047】上記パッド15のシート内側表面部におけ
るエアバッグユニット21に対応した部位つまりエアバ
ッグユニット21におけるモジュールカン22開口の略
前方部位には、エアバッグ24の展開圧を受けて上記パ
ッド15が破断し始める起点部となる切込溝部33が設
けられ、この切込溝部33が他の部分よりも脆弱となる
ようにされている。この切込溝部33は、エアバッグユ
ニット21のモジュールカン22とシートバック3の上
下方向において略同じ高さの位置でかつ略同じ長さに亘
って設けられている。そして、エアバッグ24が展開す
るとき、その展開圧によってパッド15がその切込溝部
33から破断し始め、その切込溝部33の延長線上の箇
所が破断するようになっている。
【0048】上記エアバッグユニット21に対応する表
皮材19つまり上記切込溝部33の略延長線上の表皮材
19には、エアバッグ24の展開圧を受けて開口するよ
うに脆弱部19aが設けられている。すなわち、この脆
弱部19aは、図1及び図4に示すように、上記切込溝
部33とシートバック3の上下方向において略同じ高さ
の位置でかつ略同じ長さに亘って略直線状にその表皮材
19の開口部を縫製により閉塞してなり、エアバッグ2
4の展開圧を受けたときにその閉塞された脆弱部19a
が開口し、その開口した脆弱部19a及び上記パッド1
5の破断部から、エアバッグ24がシートバック3の外
方でかつこのシート1の乗員と左側サイドドアとの間に
展開するようになっている。
【0049】この脆弱部19aの縫製部は、その開口部
両端の表皮材19がそれぞれ折り返されて第1の縫製糸
35,35により縫い合わされていて、その表皮材19
の両折返部の先端同士が第2の縫製糸36により縫い合
わされているダブルステッチとされている。そして、こ
の縫製部の第1及び第2縫製糸35,36の強度は、表
皮材19において他の縫製部よりも低く設定されてい
る。
【0050】上記表皮材19には、エアバッグユニット
21のエアバッグ24の展開圧により上記脆弱部19a
が開口する前に表皮材19が伸張するのを制限する伸張
制限手段が設けられている。すなわち、この伸張制限手
段は、表皮材19よりも伸張率の低い複数枚の低伸張シ
ート状部材38,38,…からなり、この各低伸張シー
ト状部材38が脆弱部19a近傍の表皮材19裏面にそ
の表皮材19と一体に接着により接合されている。そし
て、その複数枚の低伸張シート状部材38,38,…
が、脆弱部19aを挟んでその脆弱部19aの対向方向
両側に、直線状とされた脆弱部19aの長手方向に略沿
って所定間隔を空けて配置されている。この脆弱部19
aの一方の側の各低伸張シート状部材38は、その脆弱
部19a近傍からシートバック3の座面側(前側)にお
ける左側サイドサポート部3a基部近傍まで延び、他の
側の各低伸張シート状部材38は、脆弱部19a近傍か
ら左側サイドサポート部3aの後側近傍まで延びてい
る。
【0051】上記エアバッグ24は、図3に示すよう
に、シートバック3から前方にかつこのシート1に座っ
ている乗員とサイドドア40との間でその乗員の腹部か
ら頭部に亘って展開するようになっており、乗員の胸部
に対応する胸部保護部24aと、その胸部保護部24a
の略上方に連続してその乗員の頭部に対応する頭部保護
部24bとを備えている。上記胸部保護部24aはエア
バッグユニット21のインフレータ23に直接接続さ
れ、このインフレータ23から略前方に延びるようにさ
れている。そして、上記頭部保護部24bは、エアバッ
グ展開気体としての上記ガスが上記胸部保護部24aを
経由して流入するように該胸部保護部24aに接続さ
れ、略上方に延びるようにされている。
【0052】以上の構成からなる車両側部のエネルギ吸
収装置において、側突によりエアバッグ24が展開する
ときの動作について説明する。先ず、自動車の左側部へ
の側突を加速度センサが検知すると、展開信号がインフ
レータ23の点火部に供給されて点火部が点火する。こ
のことで、インフレータ23内の爆薬が高速燃焼してエ
アバッグ24に多量のガスが供給され、エアバッグ24
が膨脹展開しようとする。そして、このエアバッグ24
は、モジュールカン22の開口方向である略前方に展開
しようとし、パッド15のシート内側表面に当接してそ
の展開圧によりパッド15をシート内側から外側に押
す。このため、パッド15はその脆弱な部分すなわち切
込溝部33から破断し始め、切込溝部33の延長線上に
略沿ってパッド15が破断される。
【0053】次に、表皮材19の脆弱部19aが開口さ
れるが、その前に脆弱部19a近傍の表皮材19がエア
バッグ24の展開圧を受けてシート外側に伸張され、そ
の伸張される時間だけその開口が遅くなる。しかし、こ
の実施形態1では、表皮材19自体の伸張が各低伸張シ
ート状部材38によって制限されているので、表皮材1
9の伸張量は小さくなり、開口までの時間は短い。そし
て、その脆弱部19aにおけるダブルステッチとされた
縫製部の第1及び第2縫製糸35,36の強度が表皮材
19において他の縫製部よりも低く設定され、しかも、
第1縫製糸35よりも第2縫製糸36にエアバッグ24
の展開圧が大きく加わるので、第2縫製糸36のみが切
断して脆弱部19aが開口する。さらに、第1縫製糸3
5によりその脆弱部19a周囲の表皮材19が補強され
ていることになるので、脆弱部19a周囲の表皮材19
自体が破断することにより表皮材19がその縫製前の開
口部からずれて開口するということはなく、その縫製前
の開口部からエアバッグ24を確実にかつ早期に展開さ
せることができる。
【0054】続いて、その開口した脆弱部19a及び上
記パッド15の破断部からエアバッグ24がシートバッ
ク3の外側前方に展開する。このとき、エアバッグユニ
ット21のインフレータ23に接続されている胸部保護
部24aが最初に展開し、続いて頭部保護部24bにガ
スが流れてその頭部保護部24bが展開する。このこと
で、頭部保護部24bの展開が僅かに遅くなるが、表皮
材19の脆弱部19aが開口するまでの時間が短いの
で、頭部保護部24bが完全に展開するまでの時間も短
くて済む。この結果、このような頭部保護部24bを有
する容量の大きいエアバッグ24を備えていても、その
エアバッグ24を短時間で展開させることができ、この
シート1に座っている乗員の胸部及び頭部が左側サイド
ドアに衝突するのを防止することができる。よって、こ
の車両側部のエネルギ吸収装置の有効な利用を図ること
ができると共に、乗員の安全性を向上させることができ
る。
【0055】したがって、上記実施形態1では、エアバ
ッグユニット21のエアバッグ24の展開圧により脆弱
部19aが開口する前に表皮材19が伸張するのを制限
する伸張制限手段として、脆弱部19a近傍の表皮材1
9裏面に表皮材19よりも伸張率の低い複数枚の低伸張
シート状部材38,38,…が設けられ、その低伸張シ
ート状部材38,38,…は、脆弱部19aを挟んでそ
の脆弱部19aの対向方向両側にその表皮材19と一体
に接着により接合されているので、簡単な構成で表皮材
19自体の伸張を有効に制限することができ、その伸張
量を小さくすることができる。このため、エアバッグ2
4の展開圧による脆弱部19aの開口作用が促進され、
その脆弱部19aが開口するまでの時間が短くなり、そ
の開口した脆弱部19aからエアバッグ24はスムーズ
にシートバック3の外方に展開する。よって、エアバッ
グ24のシートバック3外方への展開を容易に短時間で
行わせることができる。
【0056】また、複数枚の低伸張シート状部材38,
38,…が、直線状とされた脆弱部19aの長手方向に
略沿って所定間隔を空けて配置されているので、表皮材
19の表面に皺が発生するのを有効に抑えることができ
ると共に、表皮材19が有する柔らかい感触を維持する
こともできる。よって、外観上の見映えや座り心地性を
向上させることができる。
【0057】さらに、エアバッグユニット21がシート
バック3の左側サイドサポート部3a内に配設されてい
るので、自動車の左側部への側突により乗員と左側サイ
ドドアとの間にエアバッグ24を容易に展開させること
ができ、乗員の左側サイドドアへの衝突を確実に防ぐこ
とができる。しかも、シートバック3のサイドサポート
部3aには、比較的大きな空間を設けることができる。
よって、乗員の座り心地性を阻害することなくエアバッ
グユニット21をシート1内に収容することができ、側
突時の乗員のより一層の安全化を図ることができる。
【0058】尚、上記実施形態1では、脆弱部19aの
縫製部をダブルステッチとしたが、上記第2縫製糸36
のみで縫製したシングルステッチであっても本発明を適
用することができる。その場合、その脆弱部19aの縫
製部の糸の強度をさらに低くしたり、表皮材19のシー
ト内側面に通常接合されているラミネートの基布の強度
を高くしたりすることによって、脆弱部19a周囲の表
皮材19を破断させることなくその縫製部の糸のみを切
断させることができ、脆弱部19aにおける縫製前の開
口部から確実にエアバッグ24をシートバック3外方に
展開させることができる。
【0059】(実施形態2)図5は、本発明の実施形態
2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1と同じ部分
については同じ符号を付してその詳細な説明は省略し、
他の異なる箇所のみを説明する)、脆弱部19aにおけ
るダブルステッチとされた縫製部の構成を実施形態1と
異ならせたものである。
【0060】すなわち、この実施形態では、脆弱部19
aにおける表皮材19の各折返部間に樹脂板43がそれ
ぞれ介在され、その樹脂板43を挟んで各折返部が第1
の縫製糸35により縫い合わされ、その表皮材19の両
折返部の先端同士が第2の縫製糸36により縫い合わさ
れている。
【0061】したがって、上記実施形態2では、各樹脂
板43によって脆弱部19aの周囲の表皮材19がより
一層補強されるので、より確実に第2縫製糸36を切断
させることができ、脆弱部19aにおける縫製前の開口
部からのエアバッグ24の展開をより確実なものとする
ことができる。
【0062】尚、上記実施形態1,2では、複数枚の低
伸張シート状部材38,38,…を接着により表皮材1
9に接合したが、各低伸張シート状部材38を縫製によ
り接合してもよく、脆弱部19a周囲全体の表皮材19
に1つの低伸張シート状部材を接合しても、本発明を適
用することができる。
【0063】また、上記実施形態1,2では、パッド1
5が破断し易いようにパッド15のシート内側表面部に
切込溝部33を設けたが、パッド15がその切込溝部3
3の延長線上に確実に破断するように、その延長線上に
スリットを設けてパッド15を切離しておくようにして
もよい。
【0064】(実施形態3)図6は本発明の実施形態3
を示し、脆弱部19aにおける縫製部の構成を上記実施
形態1,2と異ならせたものである。
【0065】すなわち、この実施形態では、脆弱部19
aにおける開口部両端の表皮材19が繰返縫いを施され
て閉塞され、脆弱部19aの長手方向における縫製ピッ
チが上記実施形態1,2よりも小さくされている。ま
た、その縫製部の糸は、その強度が他の縫製部よりも強
いものが使用されている。このことで、脆弱部19aに
おける開口部両端の表皮材19の強度が縫製により開け
られる孔によって他の部分よりも低下し、エアバッグ2
4の展開圧を受けたとき、その縫製部の糸は切断され
ず、脆弱とされた表皮材19が破断するようになってい
る。
【0066】したがって、上記実施形態3では、脆弱部
19aにおける開口部両端の表皮材19の強度が縫製に
よって低下されているので、エアバッグ24の展開圧を
受けると、脆弱部19a周囲の表皮材19が確実に破断
し、その開口した箇所からエアバッグ24を確実に展開
させることができる。
【0067】(実施形態4)図7は本発明の実施形態4
を示し、エアバッグ24の展開圧により脆弱部19aが
開口する前に表皮材19が伸張するのを制限する伸張制
限手段の構成が上記実施形態1と異なる。
【0068】すなわち、この実施形態では、脆弱部19
aの縫製部はシングルステッチとされ、その縫製部の糸
の強度は表皮材19において他の縫製部よりも低く設定
されている。また、脆弱部19a両側近傍つまりその縫
製された開口部両端の表皮材19に、表皮材19よりも
伸張率の低い低伸張シート状部材39の両端部がそれぞ
れ縫製により取付固定されている。この低伸張シート状
部材39は、その中間部がエアバッグユニット21のエ
アバッグ24の展開側と反対側(後側)を回るように配
置され、エアバッグユニット21及びシートバックフレ
ーム13の左側部をその低伸張シート状部材39で囲む
ように配置されている。この低伸張シート状部材39
は、その中間部つまりエアバッグユニット21の後側で
2分割されてなり、その分割された両シート状部材39
a,39bが縫製により結合されて一体とされている。
そして、この低伸張シート状部材39が伸張制限手段と
されている。
【0069】尚、パッド15には、エアバッグユニット
21に対応する部位に開口部15aが形成され、その開
口部15a内を上記低伸張シート状部材39の中間部が
通ってエアバッグユニット21の後側に回るようにされ
ている。
【0070】以上の構成からなる車両側部のエネルギ吸
収装置において、側突によりエアバッグ24が展開する
と、エアバッグ24はその低伸張シート状部材39に案
内されながら脆弱部19aの表皮材19に当接し、その
表皮材19をシート外側に押そうとする。このとき、低
伸張シート状部材39は、殆ど延びることがなく、エア
バッグユニット21及びシートバックフレーム13に遮
られて前側に移動することもできないので、脆弱部19
aの表皮材19は伸張することができない。このため、
脆弱部19aの縫製部の糸は、エアバッグ24が脆弱部
19aの表皮材19に当接した後すぐに切断される。ま
た、パッド15を破断させる必要はなく、エアバッグ2
4はその展開時にパッド15の影響を受けることはな
い。よって、脆弱部19aからのエアバッグ24の展開
をより一層早期に行わせることができる。
【0071】ここで、上記構成からなる装置におけるシ
ート1のシートバック3を製造する方法について説明す
る。先ず、低伸張シート状部材39を中間部で2分割し
ておき、その分割された各シート状部材39a,39b
の一端部をそれぞれ脆弱部19aにおける縫製により閉
塞した開口部両端の表皮材19に取付固定する。その
後、その表皮材19をパッド15に組み付けて分割され
た両シート状部材39a,39bをパッド15の開口部
15aの左右両側面にそれぞれ粘着テープ等により仮止
めしておく。
【0072】そして、上記組み付けた表皮材19及びパ
ッド15を、予めエアバッグユニット21を取付固定し
たシートバックフレーム13に組み付けた後、上記分割
された両シート状部材39a,39bの他端部同士を、
エアバッグユニット21を挟むようにそのエアバッグユ
ニット21のエアバッグ24の展開側と反対側(後側)
で縫製により結合することで、このシートバック3は完
成する。尚、上記分割された両シート状部材39a,3
9bの他端部同士をエアバッグユニット21の後側で縫
製により結合するためには、例えばシートバック3後側
の表皮材19の一部にファスナー等を設け、そのファス
ナーを外した状態でシートバック3の内部で上記結合作
業を行うことができるようにしておき、結合後にファス
ナーを締めるようにすればよい。
【0073】上記方法でシートバック3を製造すること
により、パッド15をシートバックフレーム13に組み
付けた後に表皮材19を組み付ける従来の方法よりも容
易にこのシートバック3を製造することができる。すな
わち、エアバッグユニット21が取付固定されたシート
バックフレーム13に対してパッド15を組み付けた後
に表皮材19を被装するには、低伸張シート状部材39
の少なくとも一端部を表皮材19に固定しない状態で、
その端部をエアバッグユニット21の後側に回して表皮
材19に固定する必要があり、その作業は非常に困難で
ある。しかし、この製造方法によると、低伸張シート状
部材39が2分割されて予めパッド15に組み付けられ
て仮止めされているので、端部をエアバッグユニット2
1の後側に回して表皮材19に固定する必要はなく、表
皮材19及びパッド15をシートバックフレーム13に
容易に組み付けることができる。そして、シートバック
3の後側からその分割された両シート状部材39a,3
9bの他端部同士を容易に結合することができる。よっ
て、このシートバック3の組付作業性を向上化させるこ
とができる。
【0074】(実施形態5)図8は本発明の実施形態5
を示し、エアバッグ24の展開圧により脆弱部19aが
開口する前に表皮材19が伸張するのを制限する伸張制
限手段が、低伸張シート状部材38,39からなる上記
各実施形態と異なり、表皮材19とその表皮材19裏側
のパッド15とを係止するようにしたものである。
【0075】すなわち、この実施形態では、脆弱部19
aないしその脆弱部19a近傍において表皮材19とそ
の表皮材19裏側のパッド15とが接着剤によって略全
面的に貼り付けられている。詳しくは、脆弱部19aを
挟んでその脆弱部19aの対向方向両側であって左側サ
イドサポート部3aの基部から後側までの略全体に亘っ
て表皮材19とパッド15とが貼り付けられている。
【0076】したがって、上記実施形態5では、脆弱部
19aないしその脆弱部19a近傍の表皮材19は、エ
アバッグ24の展開圧を受けるとシート1外側に押され
るが、その表皮材19はその裏側の殆ど伸張しないパッ
ド15に貼り付られているので、表皮材19の伸張はパ
ッド15によって制限され、脆弱部19aが短時間で開
口する。よって、簡単な構成でエアバッグ24を早期に
展開させることができる。
【0077】尚、上記実施形態5では、接着剤によって
脆弱部19aないしその脆弱部19a近傍において表皮
材19をパッド15に略全面的に貼り付ける(係止す
る)ようにしたが、このように略全面的に係止可能であ
ればどのような方法であってもよく、例えば表皮材19
をパッド15の成形型内にセットしておき、パッド15
を表皮材19と一体発泡成形することにより表皮材19
をパッド15に係止するようにしても、本発明を適用す
ることができる。
【0078】(実施形態6)図9は本発明の実施形態6
を示し、上記実施形態3と同様に、脆弱部19aの縫製
部の糸を切断するのではなく、縫製により脆弱とされた
表皮材19を破断するようにしたものであるが、強度の
強い糸で繰返縫いをしたり縫製ピッチを小さくしたりし
ない点で実施形態3と異なる。
【0079】すなわち、この実施形態では、脆弱部19
aにおける開口部両端の表皮材19の縫製は他の縫製部
と同じであり、その脆弱部19aの上端部のみにおい
て、ポリ塩化ビニルの押出し品からなる補強プレート4
5が開口部一端側の表皮材19に合せ縫いされている。
このことで、この補強プレート45よりも下側の表皮材
19が補強プレート45を合せ縫いした箇所よりも相対
的に弱くなり、エアバッグ24の展開圧を受けると、そ
の補強プレート45の真下部が破断の起点部となって表
皮材19自体が下側に向かって破断していくことにな
る。
【0080】したがって、この実施形態においても、上
記実施形態3と同様に、脆弱部19a周囲の表皮材19
を確実に破断させることができ、その破断した箇所から
エアバッグ24を確実に展開させることができる。
【0081】尚、上記実施形態6では、脆弱部19aの
上端部に補強プレート45を設けたが、図10に示すよ
うに、脆弱部19aの上端部のみにおいて開口部両端の
表皮材19に対し、それを覆うようにU字状とした補強
パッチ46を合せ縫いするようにしてもよい。
【0082】(実施形態7〜11)以下の各実施形態7
〜11は、伸張制限手段及び脆弱部19aの構成が上記
各実施形態と基本的に異なるものである。
【0083】図11は本発明の実施形態7を示し、伸張
制限手段としての開口板47がその周囲で表皮材19に
縫製により取り付けられ、この開口板47自体が上記各
実施形態における脆弱部19aとされている。上記開口
板47は、熱可塑性エラストマーからなり、互いに略直
角をなす2つの突起部47a,47aがパッド15側中
央部に形成されている。このことで、この開口板47
は、左右方向の引張力に対しては強いが、パッド15側
からの押圧力に対しては弱くなり、通常使用時に破断す
ることはないが、その2つの突起部47a,47a間に
エアバッグ24の展開圧を受けると、表皮材19が伸張
する間も無くすぐに中央部で2つに折れて破断し、エア
バッグ24がシート1外部に早期に展開する。
【0084】図12は本発明の実施形態8を示し、伸張
制限手段としての前後方向に嵌め合せ可能な1組のファ
スナー48が開口部両端の表皮材19にそれぞれ縫い合
わされている。この1組のファスナー48は、一方が中
央部に嵌合孔48aを有するものと、他方が中央部にそ
の嵌合孔48aに嵌合する突部48bを有するものとか
らなり、このファスナー48自体が脆弱部19aとされ
ている。このファスナー48は、左右方向の引張力には
強くて外れないが、突部48bがパッド15側から押圧
力を受けると外れ易くなっているので、エアバッグ24
の展開圧を受けると、表皮材19が伸張する間も無くす
ぐにファスナー48が外れ、実施形態7と同様の作用効
果を奏する。
【0085】図13は本発明の実施形態9を示し、エア
バッグユニット21に対応する表皮材19には、伸張制
限手段としての縫製されていない開口部19bが設けら
れ、この開口部19bは、塩化ビニルシートからなる保
護板49によって覆われている。この保護板49は、一
端部が表皮材19側に折り曲げられてその開口部19b
近傍にて表皮材19にウエルダー接着されている。この
ことで、表皮材19が伸張することなくその開口部19
bからエアバッグ24は早期に展開する。一方、開口部
19bは保護板49によって覆われているので、外観の
見映えを良好にすることができ、通常使用時に乗員がそ
の開口部19bに何かを引っ掛けたりして表皮材19を
破ってしまうのを防止することができる。
【0086】図14は本発明の実施形態10を示し、上
記実施形態9と同様に、表皮材19には開口部19bが
設けられている。この開口部19bの両端の表皮材19
は、上記実施形態2と同様に、それぞれ樹脂板43を挟
んで折り返されて縫い合わされているが、その両折返部
の先端同士は縫い合わされずに開口部19bを形成して
いる。上記折返部の一方(図14では右側)は、シート
バック3の後側から前側に延びる表皮材19が折り返さ
れて縫い合わされている箇所に同時に縫い合わされてい
る。上記開口部19bは、このシートバック3の後側か
ら前側に延びる表皮材19の折返部によって、外部から
見えないように覆われている。このことにより、上記実
施形態9と同様の作用効果を得ることができる。尚、開
口部19b両端の表皮材19の各折返部にそれぞれ樹脂
板43を設けたが、これは、各折返部の強度を高めるこ
とにより通常使用時に開口部19bが容易に開かないよ
うにするためのもであり、樹脂板43はなくてもよい。
【0087】図15は本発明の実施形態11を示し、上
記実施形態9,10と同様に、表皮材19には開口部1
9bが設けられている。この開口部19bの両側の表皮
材19は、折り返されて縫い合わされ、その両折返部が
互いに前後方向に重ね合わされている。そして、両折返
部の前後方向の対向面には、1組の面ファスナー50が
それぞれ取付固定されて互いに係止されるようになって
いる。こうすることで、上記実施形態9,10と同様の
作用効果を得ることができると共に、通常使用時に開口
部19bをより一層開き難くすることができる。
【0088】尚、上記各実施形態では、エアバッグユニ
ット21をシートバック3の左側サイドサポート部3a
内に配設するようにしたが、シートバック3の右側サイ
ドサポート部3a内に配設する場合も本発明を適用する
ことができ、乗員同士の衝突を防止することができる。
そして、シートクッション2のサイドサポート部2a内
に、エアバッグユニット21をそのモジュールカン22
の開口が略上方を向くようにして、エアバッグ24が該
シートクッション2の略上方側に展開するように配設す
る場合も、シートバック3のサイドサポート部3a内に
配設する場合と同様に、本発明を適用することができ
る。また、ヘッドレスト4の左右両側部にサイドサポー
ト部を設け、そのサイドサポート部に、エアバッグが略
前方に展開するように小型のエアバッグユニットを配設
して乗員の頭部等を保護する場合にも、本発明を適用す
ることができる。
【0089】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明に
よると、表皮材が被装されてなるシート内の側部近傍部
にエアバッグユニットを備え、そのエアバッグユニット
に対応する表皮材に、エアバッグ展開圧を受けて開口す
る脆弱部が設けられ、その開口した脆弱部からエアバッ
グがシート外方に展開するように構成された車両側部の
エネルギ吸収装置に対して、エアバッグユニットのエア
バッグ展開圧により上記脆弱部が開口する前に表皮材が
伸張するのを制限する伸張制限手段を設けたことによ
り、エアバッグのシート外方への展開の早期化を図るこ
とができる。
【0090】請求項2の発明によると、伸張制限手段
を、脆弱部近傍の表皮材裏面にその表皮材と一体に接合
されかつ表皮材よりも伸張率の低い低伸張シート状部材
としたことにより、簡単かつ汎用性の高い伸張制限手段
の具体的構成を容易に得ることができる。
【0091】請求項3の発明によると、低伸張シート状
部材を、脆弱部を挟んでその脆弱部の対向方向両側に接
合したことにより、エアバッグのシート外方への展開の
さらなる早期化を図ることができる。
【0092】請求項4の発明によると、脆弱部を略直線
状とし、複数枚の低伸張シート状部材を、その脆弱部の
長手方向に略沿って所定間隔を空けて配置したことによ
り、外観上の見映えや座り心地性の向上化を図ることが
できる。
【0093】請求項5の発明によると、伸張制限手段
を、両端部が脆弱部両側近傍の表皮材にそれぞれ取付固
定される一方、中間部がエアバッグユニットのエアバッ
グ展開側と反対側を回るように配置されかつ表皮材より
も伸張率の低い低伸張シート状部材としたことにより、
エアバッグのシート外方への展開をより一層早期に行わ
せることができる。
【0094】請求項6の発明によると、脆弱部ないし該
脆弱部近傍において表皮材と該表皮材裏側のパッドとを
略全面的に係止するようにしたことにより、請求項2の
発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0095】請求項7の発明によると、脆弱部を挟んで
該脆弱部の対向方向両側において表皮材と該表皮材裏側
のパッドとを貼り付けるようにしたことにより、請求項
3の発明と同様の作用効果が得られる。
【0096】請求項8の発明によると、脆弱部は、表皮
材の開口部を縫製により閉塞してなり、上記縫製部の糸
の強度は、表皮材において他の縫製部よりも低く設定さ
れているものとしたことにより、エアバッグのシート外
方への展開をより早期かつ安定的に行わせることができ
る。
【0097】請求項9の発明によると、縫製部を、開口
部両端の表皮材がそれぞれ折り返されて第1の縫製糸に
より縫い合わされていて、上記表皮材の両折返部の先端
同士が第2の縫製糸により縫い合わされているダブルス
テッチとしたことにより、請求項8の発明の作用効果を
より助長することができる。
【0098】請求項10の発明によると、エアバッグ
は、シートに座っている乗員の胸部に対応する胸部保護
部と、該胸部保護部の略上方に連続して該乗員の頭部に
対応する頭部保護部とを備えているものとしたことによ
り、この車両側部のエネルギ吸収装置の有効な利用を図
ることができると共に、乗員の安全性の向上化を図るこ
とができる。
【0099】請求項11の発明によると、エアバッグの
胸部保護部を、エアバッグユニットに接続する一方、頭
部保護部を、エアバッグ展開気体が上記胸部保護部を経
由して流入するようにその胸部保護部に接続したことに
より、請求項10の発明の作用効果をより助長すること
ができる。
【0100】請求項12の発明によると、エアバッグユ
ニットを、シートにおいて該シートに近いサイドドア側
の側部に配設したことにより、側突時の乗員のより一層
の安全化を図ることができる。
【0101】請求項13の発明によると、エアバッグユ
ニットをシートバック内に、エアバッグが該シートバッ
クの略前方側に展開するように配設したことにより、乗
員の座り心地性を良好に維持しつつ、エアバッグユニッ
トをシート内に収容することができる。
【0102】請求項14の発明によると、エアバッグユ
ニットをシートクッション内に、エアバッグが該シート
クッションの略上方側に展開するように配設したことに
より、請求項13の発明と同様の作用効果が得られる。
【0103】請求項15の発明によると、請求項5の発
明の車両側部のエネルギ吸収装置の製造方法として、低
伸張シート状部材を中間部で2分割しておき、その分割
された各シート状部材の一端部をそれぞれ脆弱部両側近
傍の表皮材に取付固定した後、その表皮材をパッドに組
み付けて分割された両シート状部材をパッドに仮止め
し、その組み付けた表皮材及びパッドをシートフレーム
に組み付けた後、上記分割された両シート状部材の他端
部同士を、エアバッグユニットを挟むようにエアバッグ
ユニットのエアバッグ展開側と反対側で結合するように
したことにより、この装置の組付作業性の向上化を図る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る車両側部のエネルギ
吸収装置におけるシートを示す斜視図である。
【図3】エアバッグの展開状態を示すシートの左側面図
である。
【図4】シートバックにおける表皮材の脆弱部を示す斜
視図である。
【図5】実施形態2における図1相当図である。
【図6】実施形態3における図1相当図である。
【図7】実施形態4における図1相当図である。
【図8】実施形態5における図1相当図である。
【図9】実施形態6における図1相当図である。
【図10】実施形態6の変形例を示す図1相当図であ
る。
【図11】実施形態7における図1相当図である。
【図12】実施形態8における図1相当図である。
【図13】実施形態9における図1相当図である。
【図14】実施形態10における図1相当図である。
【図15】実施形態11における図1相当図である。
【符号の説明】
1 シート 2 シートクッション 3 シートバック 13 シートバックフレーム(シートフレーム) 15 パッド 19 表皮材 19a 脆弱部 21 エアバッグユニット 24 エアバッグ 35 第1縫製糸 36 第2縫製糸 38,39 低伸張シート状部材(伸張制限手段)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表皮材が被装されてなるシート内の側部
    近傍部に、所定方向に向けて配設されたエアバッグユニ
    ットを備え、 上記エアバッグユニットに対応する表皮材に、エアバッ
    グ展開圧を受けて開口する脆弱部が設けられ、該開口し
    た脆弱部からエアバッグがシート外方に展開するように
    構成された車両側部のエネルギ吸収装置において、 上記エアバッグユニットのエアバッグ展開圧により上記
    脆弱部が開口する前に表皮材が伸張するのを制限する伸
    張制限手段が設けられていることを特徴とする車両側部
    のエネルギ吸収装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両側部のエネルギ吸収
    装置において、 伸張制限手段は、脆弱部近傍の表皮材裏面に該表皮材と
    一体に接合されかつ表皮材よりも伸張率の低い低伸張シ
    ート状部材であることを特徴とする車両側部のエネルギ
    吸収装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の車両側部のエネルギ吸収
    装置において、 低伸張シート状部材は、脆弱部を挟んで該脆弱部の対向
    方向両側に接合されていることを特徴とする車両側部の
    エネルギ吸収装置。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3記載の車両側部のエネル
    ギ吸収装置において、 脆弱部は略直線状とされ、 複数枚の低伸張シート状部材が、上記脆弱部の長手方向
    に略沿って所定間隔を空けて配置されていることを特徴
    とする車両側部のエネルギ吸収装置。
  5. 【請求項5】 請求項1記載の車両側部のエネルギ吸収
    装置において、 伸張制限手段は、両端部が脆弱部両側近傍の表皮材にそ
    れぞれ取付固定される一方、中間部がエアバッグユニッ
    トのエアバッグ展開側と反対側を回るように配置され、
    かつ表皮材よりも伸張率の低い低伸張シート状部材であ
    ることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の車両側部のエネルギ吸収
    装置において、 伸張制限手段は、脆弱部ないし該脆弱部近傍において表
    皮材と該表皮材裏側のパッドとを略全面的に係止するよ
    うにしたものであることを特徴とする車両側部のエネル
    ギ吸収装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載の車両側部のエネルギ吸収
    装置において、 伸張制限手段は、脆弱部を挟んで該脆弱部の対向方向両
    側において表皮材と該表皮材裏側のパッドとを貼り付け
    るようにしたものであることを特徴とする車両側部のエ
    ネルギ吸収装置。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載の車両側
    部のエネルギ吸収装置において、 脆弱部は、表皮材の開口部を縫製により閉塞してなり、 上記縫製部の糸の強度は、表皮材において他の縫製部よ
    りも低く設定されていることを特徴とする車両側部のエ
    ネルギ吸収装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載の車両側部のエネルギ吸収
    装置において、 縫製部は、開口部両端の表皮材がそれぞれ折り返されて
    第1の縫製糸により縫い合わされていて、上記表皮材の
    両折返部の先端同士が第2の縫製糸により縫い合わされ
    ているダブルステッチとされていることを特徴とする車
    両側部のエネルギ吸収装置。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9のいずれかに記載の車両
    側部のエネルギ吸収装置において、 エアバッグは、シートに座っている乗員の胸部に対応す
    る胸部保護部と、該胸部保護部の略上方に連続して該乗
    員の頭部に対応する頭部保護部とを備えていることを特
    徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
  11. 【請求項11】 請求項10記載の車両側部のエネルギ
    吸収装置において、 エアバッグの胸部保護部は、エアバッグユニットに接続
    されている一方、 頭部保護部は、エアバッグ展開気体が上記胸部保護部を
    経由して流入するように該胸部保護部に接続されている
    ことを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
  12. 【請求項12】 請求項1〜11のいずれかに記載の車
    両側部のエネルギ吸収装置において、 エアバッグユニットは、シートにおいて該シートに近い
    サイドドア側の側部に配設されていることを特徴とする
    車両側部のエネルギ吸収装置。
  13. 【請求項13】 請求項12記載の車両側部のエネルギ
    吸収装置において、 エアバッグユニットはシートバック内に、エアバッグが
    該シートバックの略前方側に展開するように配設されて
    いることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
  14. 【請求項14】 請求項12記載の車両側部のエネルギ
    吸収装置において、 エアバッグユニットはシートクッション内に、エアバッ
    グが該シートクッションの略上方側に展開するように配
    設されていることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収
    装置。
  15. 【請求項15】 請求項5記載の車両側部のエネルギ吸
    収装置の製造方法であって、 低伸張シート状部材を中間部で2分割しておき、その分
    割された各シート状部材の一端部をそれぞれ脆弱部両側
    近傍の表皮材に取付固定した後、該表皮材をパッドに組
    み付けて上記分割された両シート状部材をパッドに仮止
    めし、 上記組み付けた表皮材及びパッドをシートフレームに組
    み付けた後、上記分割された両シート状部材の他端部同
    士を、エアバッグユニットを挟むように該エアバッグユ
    ニットのエアバッグ展開側と反対側で結合することを特
    徴とする車両側部のエネルギ吸収装置の製造方法。
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