JPH10152013A5 - - Google Patents

Info

Publication number
JPH10152013A5
JPH10152013A5 JP1997015040A JP1504097A JPH10152013A5 JP H10152013 A5 JPH10152013 A5 JP H10152013A5 JP 1997015040 A JP1997015040 A JP 1997015040A JP 1504097 A JP1504097 A JP 1504097A JP H10152013 A5 JPH10152013 A5 JP H10152013A5
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
airbag
seat
pad
fragile portion
opening
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP1997015040A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3804144B2 (ja
JPH10152013A (ja
Filing date
Publication date
Application filed filed Critical
Priority to JP01504097A priority Critical patent/JP3804144B2/ja
Priority claimed from JP01504097A external-priority patent/JP3804144B2/ja
Publication of JPH10152013A publication Critical patent/JPH10152013A/ja
Publication of JPH10152013A5 publication Critical patent/JPH10152013A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3804144B2 publication Critical patent/JP3804144B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の名称】車両側部のエネルギ吸収装置及びその装置の製造方法
【特許請求の範囲】
【請求項1】表皮材が被装されてなるシート内の側部近傍部に、所定方向に向けて配設されたエアバッグユニットを備え、
記表皮材に、エアバッグ展開圧を受けて開口する脆弱部が設けられ、該開口した脆弱部からエアバッグがシート外方に展開するように構成された車両側部のエネルギ吸収装置において、
上記エアバッグユニットのエアバッグ展開圧により上記脆弱部が開口する前に表皮材が伸張するのを制限する伸張制限手段が設けられていることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項2】請求項1記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
伸張制限手段は、脆弱部近傍の表皮材裏面に該表皮材と一体に接合されかつ表皮材よりも伸張率の低い低伸張シート状部材であることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項3】請求項2記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
低伸張シート状部材は、脆弱部を挟んで該脆弱部の対向方向両側に接合されていることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項4】請求項2又は3記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
脆弱部は略直線状とされ、
複数枚の低伸張シート状部材が、上記脆弱部の長手方向に略沿って所定間隔を空けて配置されていることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項5】請求項1記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
伸張制限手段は、両端部が脆弱部両側近傍の表皮材にそれぞれ取付固定される一方、中間部がエアバッグユニットのエアバッグ展開側と反対側を回るように配置され、かつ表皮材よりも伸張率の低い低伸張シート状部材であることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項6】請求項1記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
伸張制限手段は、脆弱部ないし該脆弱部近傍において表皮材と該表皮材裏側のパッドとを略全面的に係止するようにしたものであることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項7】請求項6記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
伸張制限手段は、脆弱部を挟んで該脆弱部の対向方向両側において表皮材と該表皮材裏側のパッドとを貼り付けるようにしたものであることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項8】請求項1〜7のいずれか1つに記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
脆弱部は、表皮材の開口部を縫製により閉塞してなり、
上記縫製部の糸の強度は、表皮材において他の縫製部よりも低く設定されていることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項9】請求項8記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
縫製部は、開口部両端の表皮材がそれぞれ折り返されて第1の縫製糸により縫い合わされていて、上記表皮材の両折返部の先端同士が第2の縫製糸により縫い合わされているダブルステッチとされていることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項10】請求項1〜9のいずれか1つに記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
エアバッグは、シートに座っている乗員の胸部に対応する胸部保護部と、該胸部保護部の略上方に連続して該乗員の頭部に対応する頭部保護部とを備えていることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項11】請求項10記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
エアバッグの胸部保護部は、エアバッグユニットに接続されている一方、
頭部保護部は、エアバッグ展開気体が上記胸部保護部を経由して流入するように該胸部保護部に接続されていることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項12】請求項1〜11のいずれか1つに記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
エアバッグユニットは、シートにおいて該シートに近いサイドドア側の側部に配設されていることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項13】請求項12記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
エアバッグユニットはシートバック内に、エアバッグが該シートバックの略前方側に展開するように配設されていることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項14】請求項12記載の車両側部のエネルギ吸収装置において、
エアバッグユニットはシートクッション内に、エアバッグが該シートクッションの略上方側に展開するように配設されていることを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置。
【請求項15】請求項5記載の車両側部のエネルギ吸収装置の製造方法であって、
低伸張シート状部材を中間部で2分割しておき、その分割された各シート状部材の一端部をそれぞれ脆弱部両側近傍の表皮材に取付固定した後、該表皮材をパッドに組み付けて上記分割された両シート状部材をパッドに仮止めし、
上記組み付けた表皮材及びパッドをシートフレームに組み付けた後、上記分割された両シート状部材の他端部同士を、エアバッグユニットを挟むように該エアバッグユニットのエアバッグ展開側と反対側で結合することを特徴とする車両側部のエネルギ吸収装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両側部のエネルギ吸収装置及びその製造方法に関し、特に表皮材が被装されてなるシート内にエアバッグユニットが配設されているものの技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、エアバッグユニットを操舵ハンドルに配設して車体の正面衝突時に乗員の安全を図ることはよく知られている。一方、近年、例えば特開平6−64491号公報に示されているように、シート内の側部にエアバッグユニットを配設し、車体側部への衝突時に乗員の側方でエアバッグを展開させ、その展開したエアバッグで側突のエネルギを吸収して乗員を保護するようにすることが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記提案例のように、シート内にエアバッグユニットを配設する場合、シートの最外側には、通常、表皮材が被装されているので、エアバッグユニットに対応する表皮材に、エアバッグ展開圧を受けたときに容易に開口する脆弱部を設け、その開口した脆弱部からエアバッグをシート外方に展開させるようにしている。
【0004】
しかし、表皮材には、通常、表面に皺が生じないように伸張率の高いものが使用されているので、表皮材は、エアバッグ展開圧を受けると、最初にシート外側に伸張され、その後、脆弱部が開口することになる。そのため、表皮材の脆弱部が開口するのが遅くなり、エアバッグをシート外方へより早く展開させるために改良の余地がある。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、表皮材の構成を改良することによって、エアバッグ展開圧により脆弱部が開口するまでの表皮材自体の伸張量を小さくして、その開口までの時間を出来る限り短くし、エアバッグのシート外方への展開をより短時間で行わせるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、この発明では、エアバッグユニットのエアバッグ展開圧により脆弱部が開口する前に表皮材が伸張するのを制限する伸張制限手段を設けるようにした。
【0007】
具体的には、請求項1の発明では、表皮材が被装されてなるシート内の側部近傍部に、所定方向に向けて配設されたエアバッグユニットを備え、上記表皮材に、エアバッグ展開圧を受けて開口する脆弱部が設けられ、該開口した脆弱部からエアバッグがシート外方に展開するように構成された車両側部のエネルギ吸収装置を前提とする。
【0008】
そして、上記エアバッグユニットのエアバッグ展開圧により上記脆弱部が開口する前に表皮材が伸張するのを制限する伸張制限手段が設けられているものとする。
【0009】
この発明により、表皮材自体の伸張が制限されているので、その伸張量は小さくなり、エアバッグ展開圧による脆弱部の開口作用が促進される。この結果、その脆弱部が開口するまでの時間が短くなり、その開口した脆弱部からエアバッグはスムーズにシート外方に展開する。よって、エアバッグのシート外方への展開をより短時間で行わせることができる。
【0010】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、伸張制限手段は、脆弱部近傍の表皮材裏面に該表皮材と一体に接合されかつ表皮材よりも伸張率の低い低伸張シート状部材であるものとする。
【0011】
このことにより、簡単な構成で表皮材自体の伸張を制限することができ、種々の表皮材に有効に対応することができる。よって、簡単かつ汎用性の高い伸張制限手段の具体的構成が容易に得られる。
【0012】
請求項3の発明では、請求項2の発明において、低伸張シート状部材は、脆弱部を挟んで該脆弱部の対向方向両側に接合されているものとする。
【0013】
このことで、表皮材の伸張をより一層有効に制限することができ、エアバッグ展開圧による脆弱部の開口作用をさらに促進させることができる。よって、エアバッグをシート外方により一層早く展開させることができる。
【0014】
請求項4の発明では、請求項2又は3の発明において、脆弱部は略直線状とされ、複数枚の低伸張シート状部材が、上記脆弱部の長手方向に略沿って所定間隔を空けて配置されているものとする。
【0015】
このようにすることで、表皮材の表面に皺が生じ難くなると共に、表皮材が有する柔らかい感触を阻害することもない。よって、外観上の見映えや座り心地性を良好に維持することができる。
【0016】
請求項5の発明では、請求項1の発明において、伸張制限手段は、両端部が脆弱部両側近傍の表皮材にそれぞれ取付固定される一方、中間部がエアバッグユニットのエアバッグ展開側と反対側を回るように配置され、かつ表皮材よりも伸張率の低い低伸張シート状部材であるものとする。
【0017】
このことにより、エアバッグ展開圧を受けて脆弱部両側近傍の表皮材がシート外側に伸張しようとするが、それらの表皮材は、中間部がエアバッグユニットのエアバッグ展開側と反対側を回るように配置された低伸張シート状部材によって伸張しないように支持されているので、その伸張を確実に制限することができる。また、低伸張シート状部材がエアバッグの展開を脆弱部へ案内させる役目も果たす。この結果、簡単な構成で表皮材の伸張をさらに効果的に制限することができる。よって、エアバッグのシート外方への展開をより一層早くさせることができる。
【0018】
請求項6の発明では、請求項1の発明において、伸張制限手段は、脆弱部ないし該脆弱部近傍において表皮材と該表皮材裏側のパッドとを略全面的に係止するようにしたものとする。
【0019】
この発明により、表皮材は、伸張量が比較的小さいパッドに係止されるので、エアバッグの展開圧を受けても殆ど伸張することはない。また、表皮材をパッドに係止することは簡単である。よって、請求項2の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0020】
請求項7の発明では、請求項6の発明において、伸張制限手段は、脆弱部を挟んで該脆弱部の対向方向両側において表皮材と該表皮材裏側のパッドとを貼り付けるようにしたものとする。
【0021】
こうすることで、例えば接着剤等により簡単かつ確実に表皮材をパッドに係止することができると共に、表皮材の伸張を脆弱部の対向方向両側で有効に制限することができる。よって、請求項3の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0022】
請求項8の発明では、請求項1〜7のいずれか1つの発明において、脆弱部は、表皮材の開口部を縫製により閉塞してなり、上記縫製部の糸の強度は、表皮材において他の縫製部よりも低く設定されているものとする。
【0023】
このことにより、脆弱部における縫製部の糸の切断が他の部分よりも先に行われるので、脆弱部が確実にしかも早期に開口する。よって、エアバッグのシート外方への展開をより短時間に安定的に行わせることができる。
【0024】
請求項9の発明では、請求項8の発明において、縫製部は、開口部両端の表皮材がそれぞれ折り返されて第1の縫製糸により縫い合わされていて、上記表皮材の両折返部の先端同士が第2の縫製糸により縫い合わされているダブルステッチとされているものとする。
【0025】
この発明により、縫製部周囲の表皮材が第1の縫製糸により有効に補強されているので、その周囲の表皮材の破断を防止することができ、確実に第2の縫製糸を切断させることができる。よって、請求項8の発明の作用効果をより高めることができる。
【0026】
請求項10の発明では、請求項1〜9のいずれか1つの発明において、エアバッグは、シートに座っている乗員の胸部に対応する胸部保護部と、該胸部保護部の略上方に連続して該乗員の頭部に対応する頭部保護部とを備えているものとする。
【0027】
この発明により、エアバッグの展開容量が大きくなり、その展開を特に早期に行わせる必要があるので、この車両側部のエネルギ吸収装置は、このようなエアバッグを有する場合に最適な装置となる。よって、この車両側部のエネルギ吸収装置の有効な利用を図ることができると共に、乗員の安全性を向上させることができる。
【0028】
請求項11の発明では、請求項10の発明において、エアバッグの胸部保護部は、エアバッグユニットに接続されている一方、頭部保護部は、エアバッグ展開気体が上記胸部保護部を経由して流入するように該胸部保護部に接続されているものとする。
【0029】
このようにすることで、最初に胸部保護部が展開された後、その胸部保護部の上方に頭部保護部が展開する。このため、頭部保護部まで短時間に展開させるには、脆弱部をさらに早期に開口させる必要がある。よって、請求項10の発明の作用効果をより助長することができる。
【0030】
請求項12の発明では、請求項1〜11のいずれか1つの発明において、エアバッグユニットは、シートにおいて該シートに近いサイドドア側の側部に配設されているものとする。
【0031】
このことにより、側突により乗員とその乗員に近い側のサイドドアとの間にエアバッグを容易に展開させることができ、乗員がサイドドアに衝突するのを防ぐことができる。よって、側突時に乗員のより一層の安全性を確保することができる。
【0032】
請求項13の発明では、請求項12の発明において、エアバッグユニットはシートバック内に、エアバッグが該シートバックの略前方側に展開するように配設されているものとする。
【0033】
このようにすることで、シートバックの側部は、乗員を左右方向からサポートするための前方に膨らんだサイドサポート部であるので、その内部の比較的大きな空間にエアバッグユニットを配設することができる。よって、乗員の座り心地性を阻害することなくエアバッグユニットをシート内に収容することができる。
【0034】
請求項14の発明では、請求項12の発明において、エアバッグユニットはシートクッション内に、エアバッグが該シートクッションの略上方側に展開するように配設されているものとする。
【0035】
このことにより、シートクッションの側部も、乗員を左右方向からサポートするための上方に膨らんだサイドサポート部であるので、その内部の比較的大きなスペースにエアバッグユニットを配置することができる。よって、請求項13の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0036】
請求項15の発明では、請求項5記載の車両側部のエネルギ吸収装置の製造方法の発明である。
【0037】
そして、低伸張シート状部材を中間部で2分割しておき、その分割された各シート状部材の一端部をそれぞれ脆弱部両側近傍の表皮材に取付固定した後、該表皮材をパッドに組み付けて上記分割された両シート状部材をパッドに仮止めし、上記組み付けた表皮材及びパッドをシートフレームに組み付けた後、上記分割された両シート状部材の他端部同士を、エアバッグユニットを挟むように該エアバッグユニットのエアバッグ展開側と反対側で結合するようにする。
【0038】
この発明により、パッドをシートフレームに組み付けた後に表皮材を組み付ける従来の方法よりも容易にこの製造装置を製造することができる。すなわち、エアバッグユニットは、通常、シートフレームに最初に取付固定された状態にあり、このシートフレームに対しパッドを組み付けた後に表皮材を被装するには、低伸張シート状部材の少なくとも一端部を表皮材に固定しない状態で、その端部をエアバッグユニットのエアバッグ展開側と反対側に回して表皮材に固定する必要があり、その作業は非常に困難である。しかし、この発明の方法では、低伸張シート状部材が2分割されて予めパッドに組み付けられて仮止めされているので、上述の如く、端部をエアバッグユニットのエアバッグ展開側と反対側に回して表皮材に固定する必要はなく、表皮材及びパッドをシートフレームに容易に組み付けることができる。そして、シートの座面側と反対側からその分割された両シート状部材の他端部同士を簡単に結合することができる。よって、この装置の組付作業性を向上化させることができる。
【0039】
【発明の実施の形態】
(実施形態1)
図1〜図4は、本発明の実施形態1に係る車両側部のエネルギ吸収装置における自動車の前席左側のシート1を示し(尚、以下の説明では、自動車の前後左右を単に前後左右という)、このシート1は、シートクッション2、シートバック3及びヘッドレスト4を有する。上記シートクッション2の左右両端部の下部には、前後方向に延びるスライダ7,7がそれぞれ設けられ、この各スライダ7は、前後部でレール取付部材10,10を介してフロアに固定した左右の各スライドレール8に係合されてシート1の前後位置を調節することができるようになっている。また、シートクッション2の後部には、ナックル部材9が左右方向に延びる回転軸11を中心として回転可能に設けられ、このナックル部材9を介してシートバック3がシートクッション2に対して上記回転軸11回りに回転可能に連結されて、シートバック3の角度調整を行うことができるようになっている。
【0040】
上記ヘッドレスト4は、その下端面から突出したフレーム5,5が上記シートバック3の上端面に形成した2つの穴にそれぞれ差し込まれてそのシートバック3に取り付けられている。
【0041】
上記シートバック3内の後部外周部には、鋼製パイプ材からなる上下部及び左右両側部を有する枠状のシートバックフレーム13(シートフレーム)が設けられ、このシートバックフレーム13の上部には、上記ヘッドレスト4の下端面から突出した各フレーム5とそれぞれ嵌合してヘッドレスト4の上下方向の位置を調節することができる2つのヘッドレスト調節部材14,14が取付固定されている。
【0042】
上記シートバックフレーム13の左右両側部間には、シートバックフレーム13よりも細い径の線材からなる左右方向に延びる複数本のワイヤフレーム18,18,…が設けられている。この各ワイヤフレーム18は、その両端部がシートバックフレーム13の左右両側部前側にそれぞれ溶接により取付固定されている。
【0043】
上記各ワイヤフレーム18よりも前側にはパッド15が設けられ、このパッド15は、乗員がシートバック3に凭れたときに後方に逃げないように各ワイヤフレーム18によって支持されている。また、このパッド15は、その端部がシートバックフレーム13の外側から後方に回り込むようにされてそのシートバックフレーム13に支持されている。このパッド15のシート外側表面は、布地からなる表皮材19で覆われている。つまり、シート1の最外側には表皮材19が被装されている。
【0044】
上記シートクッション2の左右両端部には上方に膨らんだサイドサポート部2a,2aが、またシートバック3の左右両端部には前方に膨らんだサイドサポート部3a,3aがそれぞれ設けられ、乗員が左右方向に動かないようにサポートする役目をしている。
【0045】
上記シートバック3内においてそのシート1に近いサイドドア側の側部近傍部つまり左側のサイドサポート部3a内にエアバッグユニット21が配設されている。このエアバッグユニット21は、断面略U字状のモジュールカン22を有し、このモジュールカン22内には、奥側に点火部と爆薬とを内蔵した円筒缶状のインフレータ23が、また開口側に折り畳まれたエアバッグ24がそれぞれ収容されている。上記インフレータ23の点火部には、図示しないが、自動車の左側部への側突を検知する加速度センサから点火信号が供給されるようになっており、その点火信号により点火部が点火して爆薬が高速燃焼し、そのとき発生する多量のガスによりエアバッグ24が膨脹展開する。
【0046】
上記エアバッグユニット21は、その長手方向がシートバック3の上下方向と略一致するように配置され、そのモジュールカン22の側面にて上下2組のボルト27,27及びナット28,28で取付部材26の一端部に締結されている。この取付部材26の他端部はシートバックフレーム13に溶接により取付固定されている。このことで、エアバッグユニット21は取付部材26を介してシートバックフレーム13に固定されている。また、このエアバッグユニット21は、そのモジュールカン22の開口方向つまりエアバッグ24が展開する方向が前方に対して左側に傾くように配置されている。
【0047】
上記パッド15のシート内側表面部におけるエアバッグユニット21に対応した部位つまりエアバッグユニット21におけるモジュールカン22開口の略前方部位には、エアバッグ24の展開圧を受けて上記パッド15が破断し始める起点部となる切込溝部33が設けられ、この切込溝部33が他の部分よりも脆弱となるようにされている。この切込溝部33は、エアバッグユニット21のモジュールカン22とシートバック3の上下方向において略同じ高さの位置でかつ略同じ長さに亘って設けられている。そして、エアバッグ24が展開するとき、その展開圧によってパッド15がその切込溝部33から破断し始め、その切込溝部33の延長線上の箇所が破断するようになっている。
【0048】
上記エアバッグユニット21に対応する表皮材19つまり上記切込溝部33の略延長線上の表皮材19には、エアバッグ24の展開圧を受けて開口するように脆弱部19aが設けられている。すなわち、この脆弱部19aは、図1及び図4に示すように、上記切込溝部33とシートバック3の上下方向において略同じ高さの位置でかつ略同じ長さに亘って略直線状にその表皮材19の開口部を縫製により閉塞してなり、エアバッグ24の展開圧を受けたときにその閉塞された脆弱部19aが開口し、その開口した脆弱部19a及び上記パッド15の破断部から、エアバッグ24がシートバック3の外方でかつこのシート1の乗員と左側サイドドアとの間に展開するようになっている。
【0049】
この脆弱部19aの縫製部は、その開口部両端の表皮材19がそれぞれ折り返されて第1の縫製糸35,35により縫い合わされていて、その表皮材19の両折返部の先端同士が第2の縫製糸36により縫い合わされているダブルステッチとされている。そして、この縫製部の第1及び第2縫製糸35,36の強度は、表皮材19において他の縫製部よりも低く設定されている。
【0050】
上記表皮材19には、エアバッグユニット21のエアバッグ24の展開圧により上記脆弱部19aが開口する前に表皮材19が伸張するのを制限する伸張制限手段が設けられている。すなわち、この伸張制限手段は、表皮材19よりも伸張率の低い複数枚の低伸張シート状部材38,38,…からなり、この各低伸張シート状部材38が脆弱部19a近傍の表皮材19裏面にその表皮材19と一体に接着により接合されている。そして、その複数枚の低伸張シート状部材38,38,…が、脆弱部19aを挟んでその脆弱部19aの対向方向両側に、直線状とされた脆弱部19aの長手方向に略沿って所定間隔を空けて配置されている。この脆弱部19aの一方の側の各低伸張シート状部材38は、その脆弱部19a近傍からシートバック3の座面側(前側)における左側サイドサポート部3a基部近傍まで延び、他の側の各低伸張シート状部材38は、脆弱部19a近傍から左側サイドサポート部3aの後側近傍まで延びている。
【0051】
上記エアバッグ24は、図3に示すように、シートバック3から前方にかつこのシート1に座っている乗員とサイドドア40との間でその乗員の腹部から頭部に亘って展開するようになっており、乗員の胸部に対応する胸部保護部24aと、その胸部保護部24aの略上方に連続してその乗員の頭部に対応する頭部保護部24bとを備えている。上記胸部保護部24aはエアバッグユニット21のインフレータ23に直接接続され、このインフレータ23から略前方に延びるようにされている。そして、上記頭部保護部24bは、エアバッグ展開気体としての上記ガスが上記胸部保護部24aを経由して流入するように該胸部保護部24aに接続され、略上方に延びるようにされている。
【0052】
以上の構成からなる車両側部のエネルギ吸収装置において、側突によりエアバッグ24が展開するときの動作について説明する。先ず、自動車の左側部への側突を加速度センサが検知すると、展開信号がインフレータ23の点火部に供給されて点火部が点火する。このことで、インフレータ23内の爆薬が高速燃焼してエアバッグ24に多量のガスが供給され、エアバッグ24が膨脹展開しようとする。そして、このエアバッグ24は、モジュールカン22の開口方向である略前方に展開しようとし、パッド15のシート内側表面に当接してその展開圧によりパッド15をシート内側から外側に押す。このため、パッド15はその脆弱な部分すなわち切込溝部33から破断し始め、切込溝部33の延長線上に略沿ってパッド15が破断される。
【0053】
次に、表皮材19の脆弱部19aが開口されるが、その前に脆弱部19a近傍の表皮材19がエアバッグ24の展開圧を受けてシート外側に伸張され、その伸張される時間だけその開口が遅くなる。しかし、この実施形態1では、表皮材19自体の伸張が各低伸張シート状部材38によって制限されているので、表皮材19の伸張量は小さくなり、開口までの時間は短い。そして、その脆弱部19aにおけるダブルステッチとされた縫製部の第1及び第2縫製糸35,36の強度が表皮材19において他の縫製部よりも低く設定され、しかも、第1縫製糸35よりも第2縫製糸36にエアバッグ24の展開圧が大きく加わるので、第2縫製糸36のみが切断して脆弱部19aが開口する。さらに、第1縫製糸35によりその脆弱部19a周囲の表皮材19が補強されていることになるので、脆弱部19a周囲の表皮材19自体が破断することにより表皮材19がその縫製前の開口部からずれて開口するということはなく、その縫製前の開口部からエアバッグ24を確実にかつ早期に展開させることができる。
【0054】
続いて、その開口した脆弱部19a及び上記パッド15の破断部からエアバッグ24がシートバック3の外側前方に展開する。このとき、エアバッグユニット21のインフレータ23に接続されている胸部保護部24aが最初に展開し、続いて頭部保護部24bにガスが流れてその頭部保護部24bが展開する。このことで、頭部保護部24bの展開が僅かに遅くなるが、表皮材19の脆弱部19aが開口するまでの時間が短いので、頭部保護部24bが完全に展開するまでの時間も短くて済む。この結果、このような頭部保護部24bを有する容量の大きいエアバッグ24を備えていても、そのエアバッグ24を短時間で展開させることができ、このシート1に座っている乗員の胸部及び頭部が左側サイドドアに衝突するのを防止することができる。よって、この車両側部のエネルギ吸収装置の有効な利用を図ることができると共に、乗員の安全性を向上させることができる。
【0055】
したがって、上記実施形態1では、エアバッグユニット21のエアバッグ24の展開圧により脆弱部19aが開口する前に表皮材19が伸張するのを制限する伸張制限手段として、脆弱部19a近傍の表皮材19裏面に表皮材19よりも伸張率の低い複数枚の低伸張シート状部材38,38,…が設けられ、その低伸張シート状部材38,38,…は、脆弱部19aを挟んでその脆弱部19aの対向方向両側にその表皮材19と一体に接着により接合されているので、簡単な構成で表皮材19自体の伸張を有効に制限することができ、その伸張量を小さくすることができる。このため、エアバッグ24の展開圧による脆弱部19aの開口作用が促進され、その脆弱部19aが開口するまでの時間が短くなり、その開口した脆弱部19aからエアバッグ24はスムーズにシートバック3の外方に展開する。よって、エアバッグ24のシートバック3外方への展開を容易に短時間で行わせることができる。
【0056】
また、複数枚の低伸張シート状部材38,38,…が、直線状とされた脆弱部19aの長手方向に略沿って所定間隔を空けて配置されているので、表皮材19の表面に皺が発生するのを有効に抑えることができると共に、表皮材19が有する柔らかい感触を維持することもできる。よって、外観上の見映えや座り心地性を向上させることができる。
【0057】
さらに、エアバッグユニット21がシートバック3の左側サイドサポート部3a内に配設されているので、自動車の左側部への側突により乗員と左側サイドドアとの間にエアバッグ24を容易に展開させることができ、乗員の左側サイドドアへの衝突を確実に防ぐことができる。しかも、シートバック3のサイドサポート部3aには、比較的大きな空間を設けることができる。よって、乗員の座り心地性を阻害することなくエアバッグユニット21をシート1内に収容することができ、側突時の乗員のより一層の安全化を図ることができる。
【0058】
尚、上記実施形態1では、脆弱部19aの縫製部をダブルステッチとしたが、上記第2縫製糸36のみで縫製したシングルステッチであっても本発明を適用することができる。その場合、その脆弱部19aの縫製部の糸の強度をさらに低くしたり、表皮材19のシート内側面に通常接合されているラミネートの基布の強度を高くしたりすることによって、脆弱部19a周囲の表皮材19を破断させることなくその縫製部の糸のみを切断させることができ、脆弱部19aにおける縫製前の開口部から確実にエアバッグ24をシートバック3外方に展開させることができる。
【0059】
(実施形態2)
図5は、本発明の実施形態2を示し(尚、以下の各実施形態では、図1と同じ部分については同じ符号を付してその詳細な説明は省略し、他の異なる箇所のみを説明する)、脆弱部19aにおけるダブルステッチとされた縫製部の構成を実施形態1と異ならせたものである。
【0060】
すなわち、この実施形態では、脆弱部19aにおける表皮材19の各折返部間に樹脂板43がそれぞれ介在され、その樹脂板43を挟んで各折返部が第1の縫製糸35により縫い合わされ、その表皮材19の両折返部の先端同士が第2の縫製糸36により縫い合わされている。
【0061】
したがって、上記実施形態2では、各樹脂板43によって脆弱部19aの周囲の表皮材19がより一層補強されるので、より確実に第2縫製糸36を切断させることができ、脆弱部19aにおける縫製前の開口部からのエアバッグ24の展開をより確実なものとすることができる。
【0062】
尚、上記実施形態1,2では、複数枚の低伸張シート状部材38,38,…を接着により表皮材19に接合したが、各低伸張シート状部材38を縫製により接合してもよく、脆弱部19a周囲全体の表皮材19に1つの低伸張シート状部材を接合しても、本発明を適用することができる。
【0063】
また、上記実施形態1,2では、パッド15が破断し易いようにパッド15のシート内側表面部に切込溝部33を設けたが、パッド15がその切込溝部33の延長線上に確実に破断するように、その延長線上にスリットを設けてパッド15を切離しておくようにしてもよい。
【0064】
(実施形態3)
図6は本発明の実施形態3を示し、脆弱部19aにおける縫製部の構成を上記実施形態1,2と異ならせたものである。
【0065】
すなわち、この実施形態では、脆弱部19aにおける開口部両端の表皮材19が繰返縫いを施されて閉塞され、脆弱部19aの長手方向における縫製ピッチが上記実施形態1,2よりも小さくされている。また、その縫製部の糸は、その強度が他の縫製部よりも強いものが使用されている。このことで、脆弱部19aにおける開口部両端の表皮材19の強度が縫製により開けられる孔によって他の部分よりも低下し、エアバッグ24の展開圧を受けたとき、その縫製部の糸は切断されず、脆弱とされた表皮材19が破断するようになっている。
【0066】
したがって、上記実施形態3では、脆弱部19aにおける開口部両端の表皮材19の強度が縫製によって低下されているので、エアバッグ24の展開圧を受けると、脆弱部19a周囲の表皮材19が確実に破断し、その開口した箇所からエアバッグ24を確実に展開させることができる。
【0067】
(実施形態4)
図7は本発明の実施形態4を示し、エアバッグ24の展開圧により脆弱部19aが開口する前に表皮材19が伸張するのを制限する伸張制限手段の構成が上記実施形態1と異なる。
【0068】
すなわち、この実施形態では、脆弱部19aの縫製部はシングルステッチとされ、その縫製部の糸の強度は表皮材19において他の縫製部よりも低く設定されている。また、脆弱部19a両側近傍つまりその縫製された開口部両端の表皮材19に、表皮材19よりも伸張率の低い低伸張シート状部材39の両端部がそれぞれ縫製により取付固定されている。この低伸張シート状部材39は、その中間部がエアバッグユニット21のエアバッグ24の展開側と反対側(後側)を回るように配置され、エアバッグユニット21及びシートバックフレーム13の左側部をその低伸張シート状部材39で囲むように配置されている。この低伸張シート状部材39は、その中間部つまりエアバッグユニット21の後側で2分割されてなり、その分割された両シート状部材39a,39bが縫製により結合されて一体とされている。そして、この低伸張シート状部材39が伸張制限手段とされている。
【0069】
尚、パッド15には、エアバッグユニット21に対応する部位に開口部15aが形成され、その開口部15a内を上記低伸張シート状部材39の中間部が通ってエアバッグユニット21の後側に回るようにされている。
【0070】
以上の構成からなる車両側部のエネルギ吸収装置において、側突によりエアバッグ24が展開すると、エアバッグ24はその低伸張シート状部材39に案内されながら脆弱部19aの表皮材19に当接し、その表皮材19をシート外側に押そうとする。このとき、低伸張シート状部材39は、殆ど延びることがなく、エアバッグユニット21及びシートバックフレーム13に遮られて前側に移動することもできないので、脆弱部19aの表皮材19は伸張することができない。このため、脆弱部19aの縫製部の糸は、エアバッグ24が脆弱部19aの表皮材19に当接した後すぐに切断される。また、パッド15を破断させる必要はなく、エアバッグ24はその展開時にパッド15の影響を受けることはない。よって、脆弱部19aからのエアバッグ24の展開をより一層早期に行わせることができる。
【0071】
ここで、上記構成からなる装置におけるシート1のシートバック3を製造する方法について説明する。先ず、低伸張シート状部材39を中間部で2分割しておき、その分割された各シート状部材39a,39bの一端部をそれぞれ脆弱部19aにおける縫製により閉塞した開口部両端の表皮材19に取付固定する。その後、その表皮材19をパッド15に組み付けて分割された両シート状部材39a,39bをパッド15の開口部15aの左右両側面にそれぞれ粘着テープ等により仮止めしておく。
【0072】
そして、上記組み付けた表皮材19及びパッド15を、予めエアバッグユニット21を取付固定したシートバックフレーム13に組み付けた後、上記分割された両シート状部材39a,39bの他端部同士を、エアバッグユニット21を挟むようにそのエアバッグユニット21のエアバッグ24の展開側と反対側(後側)で縫製により結合することで、このシートバック3は完成する。尚、上記分割された両シート状部材39a,39bの他端部同士をエアバッグユニット21の後側で縫製により結合するためには、例えばシートバック3後側の表皮材19の一部にファスナー等を設け、そのファスナーを外した状態でシートバック3の内部で上記結合作業を行うことができるようにしておき、結合後にファスナーを締めるようにすればよい。
【0073】
上記方法でシートバック3を製造することにより、パッド15をシートバックフレーム13に組み付けた後に表皮材19を組み付ける従来の方法よりも容易にこのシートバック3を製造することができる。すなわち、エアバッグユニット21が取付固定されたシートバックフレーム13に対してパッド15を組み付けた後に表皮材19を被装するには、低伸張シート状部材39の少なくとも一端部を表皮材19に固定しない状態で、その端部をエアバッグユニット21の後側に回して表皮材19に固定する必要があり、その作業は非常に困難である。しかし、この製造方法によると、低伸張シート状部材39が2分割されて予めパッド15に組み付けられて仮止めされているので、端部をエアバッグユニット21の後側に回して表皮材19に固定する必要はなく、表皮材19及びパッド15をシートバックフレーム13に容易に組み付けることができる。そして、シートバック3の後側からその分割された両シート状部材39a,39bの他端部同士を容易に結合することができる。よって、このシートバック3の組付作業性を向上化させることができる。
【0074】
(実施形態5)
図8は本発明の実施形態5を示し、エアバッグ24の展開圧により脆弱部19aが開口する前に表皮材19が伸張するのを制限する伸張制限手段が、低伸張シート状部材38,39からなる上記各実施形態と異なり、表皮材19とその表皮材19裏側のパッド15とを係止するようにしたものである。
【0075】
すなわち、この実施形態では、脆弱部19aないしその脆弱部19a近傍において表皮材19とその表皮材19裏側のパッド15とが接着剤によって略全面的に貼り付けられている。詳しくは、脆弱部19aを挟んでその脆弱部19aの対向方向両側であって左側サイドサポート部3aの基部から後側までの略全体に亘って表皮材19とパッド15とが貼り付けられている。
【0076】
したがって、上記実施形態5では、脆弱部19aないしその脆弱部19a近傍の表皮材19は、エアバッグ24の展開圧を受けるとシート1外側に押されるが、その表皮材19はその裏側の殆ど伸張しないパッド15に貼り付られているので、表皮材19の伸張はパッド15によって制限され、脆弱部19aが短時間で開口する。よって、簡単な構成でエアバッグ24を早期に展開させることができる。
【0077】
尚、上記実施形態5では、接着剤によって脆弱部19aないしその脆弱部19a近傍において表皮材19をパッド15に略全面的に貼り付ける(係止する)ようにしたが、このように略全面的に係止可能であればどのような方法であってもよく、例えば表皮材19をパッド15の成形型内にセットしておき、パッド15を表皮材19と一体発泡成形することにより表皮材19をパッド15に係止するようにしても、本発明を適用することができる。
【0078】
(実施形態6)
図9は本発明の実施形態6を示し、上記実施形態3と同様に、脆弱部19aの縫製部の糸を切断するのではなく、縫製により脆弱とされた表皮材19を破断するようにしたものであるが、強度の強い糸で繰返縫いをしたり縫製ピッチを小さくしたりしない点で実施形態3と異なる。
【0079】
すなわち、この実施形態では、脆弱部19aにおける開口部両端の表皮材19の縫製は他の縫製部と同じであり、その脆弱部19aの上端部のみにおいて、ポリ塩化ビニルの押出し品からなる補強プレート45が開口部一端側の表皮材19に合せ縫いされている。このことで、この補強プレート45よりも下側の表皮材19が補強プレート45を合せ縫いした箇所よりも相対的に弱くなり、エアバッグ24の展開圧を受けると、その補強プレート45の真下部が破断の起点部となって表皮材19自体が下側に向かって破断していくことになる。
【0080】
したがって、この実施形態においても、上記実施形態3と同様に、脆弱部19a周囲の表皮材19を確実に破断させることができ、その破断した箇所からエアバッグ24を確実に展開させることができる。
【0081】
尚、上記実施形態6では、脆弱部19aの上端部に補強プレート45を設けたが、図10に示すように、脆弱部19aの上端部のみにおいて開口部両端の表皮材19に対し、それを覆うようにU字状とした補強パッチ46を合せ縫いするようにしてもよい。
【0082】
(実施形態7〜11)
以下の各実施形態7〜11は、伸張制限手段及び脆弱部19aの構成が上記各実施形態と基本的に異なるものである。
【0083】
図11は本発明の実施形態7を示し、伸張制限手段としての開口板47がその周囲で表皮材19に縫製により取り付けられ、この開口板47自体が上記各実施形態における脆弱部19aとされている。上記開口板47は、熱可塑性エラストマーからなり、互いに略直角をなす2つの突起部47a,47aがパッド15側中央部に形成されている。このことで、この開口板47は、左右方向の引張力に対しては強いが、パッド15側からの押圧力に対しては弱くなり、通常使用時に破断することはないが、その2つの突起部47a,47a間にエアバッグ24の展開圧を受けると、表皮材19が伸張する間も無くすぐに中央部で2つに折れて破断し、エアバッグ24がシート1外部に早期に展開する。
【0084】
図12は本発明の実施形態8を示し、伸張制限手段としての前後方向に嵌め合せ可能な1組のファスナー48が開口部両端の表皮材19にそれぞれ縫い合わされている。この1組のファスナー48は、一方が中央部に嵌合孔48aを有するものと、他方が中央部にその嵌合孔48aに嵌合する突部48bを有するものとからなり、このファスナー48自体が脆弱部19aとされている。このファスナー48は、左右方向の引張力には強くて外れないが、突部48bがパッド15側から押圧力を受けると外れ易くなっているので、エアバッグ24の展開圧を受けると、表皮材19が伸張する間も無くすぐにファスナー48が外れ、実施形態7と同様の作用効果を奏する。
【0085】
図13は本発明の実施形態9を示し、エアバッグユニット21に対応する表皮材19には、伸張制限手段としての縫製されていない開口部19bが設けられ、この開口部19bは、塩化ビニルシートからなる保護板49によって覆われている。この保護板49は、一端部が表皮材19側に折り曲げられてその開口部19b近傍にて表皮材19にウエルダー接着されている。このことで、表皮材19が伸張することなくその開口部19bからエアバッグ24は早期に展開する。一方、開口部19bは保護板49によって覆われているので、外観の見映えを良好にすることができ、通常使用時に乗員がその開口部19bに何かを引っ掛けたりして表皮材19を破ってしまうのを防止することができる。
【0086】
図14は本発明の実施形態10を示し、上記実施形態9と同様に、表皮材19には開口部19bが設けられている。この開口部19bの両端の表皮材19は、上記実施形態2と同様に、それぞれ樹脂板43を挟んで折り返されて縫い合わされているが、その両折返部の先端同士は縫い合わされずに開口部19bを形成している。上記折返部の一方(図14では右側)は、シートバック3の後側から前側に延びる表皮材19が折り返されて縫い合わされている箇所に同時に縫い合わされている。上記開口部19bは、このシートバック3の後側から前側に延びる表皮材19の折返部によって、外部から見えないように覆われている。このことにより、上記実施形態9と同様の作用効果を得ることができる。尚、開口部19b両端の表皮材19の各折返部にそれぞれ樹脂板43を設けたが、これは、各折返部の強度を高めることにより通常使用時に開口部19bが容易に開かないようにするためのもであり、樹脂板43はなくてもよい。
【0087】
図15は本発明の実施形態11を示し、上記実施形態9,10と同様に、表皮材19には開口部19bが設けられている。この開口部19bの両側の表皮材19は、折り返されて縫い合わされ、その両折返部が互いに前後方向に重ね合わされている。そして、両折返部の前後方向の対向面には、1組の面ファスナー50がそれぞれ取付固定されて互いに係止されるようになっている。こうすることで、上記実施形態9,10と同様の作用効果を得ることができると共に、通常使用時に開口部19bをより一層開き難くすることができる。
【0088】
尚、上記各実施形態では、エアバッグユニット21をシートバック3の左側サイドサポート部3a内に配設するようにしたが、シートバック3の右側サイドサポート部3a内に配設する場合も本発明を適用することができ、乗員同士の衝突を防止することができる。そして、シートクッション2のサイドサポート部2a内に、エアバッグユニット21をそのモジュールカン22の開口が略上方を向くようにして、エアバッグ24が該シートクッション2の略上方側に展開するように配設する場合も、シートバック3のサイドサポート部3a内に配設する場合と同様に、本発明を適用することができる。また、ヘッドレスト4の左右両側部にサイドサポート部を設け、そのサイドサポート部に、エアバッグが略前方に展開するように小型のエアバッグユニットを配設して乗員の頭部等を保護する場合にも、本発明を適用することができる。
【0089】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によると、表皮材が被装されてなるシート内の側部近傍部にエアバッグユニットを備え、その表皮材に、エアバッグ展開圧を受けて開口する脆弱部が設けられ、その開口した脆弱部からエアバッグがシート外方に展開するように構成された車両側部のエネルギ吸収装置に対して、エアバッグユニットのエアバッグ展開圧により上記脆弱部が開口する前に表皮材が伸張するのを制限する伸張制限手段を設けたことにより、エアバッグのシート外方への展開の早期化を図ることができる。
【0090】
請求項2の発明によると、伸張制限手段を、脆弱部近傍の表皮材裏面にその表皮材と一体に接合されかつ表皮材よりも伸張率の低い低伸張シート状部材としたことにより、簡単かつ汎用性の高い伸張制限手段の具体的構成を容易に得ることができる。
【0091】
請求項3の発明によると、低伸張シート状部材を、脆弱部を挟んでその脆弱部の対向方向両側に接合したことにより、エアバッグのシート外方への展開のさらなる早期化を図ることができる。
【0092】
請求項4の発明によると、脆弱部を略直線状とし、複数枚の低伸張シート状部材を、その脆弱部の長手方向に略沿って所定間隔を空けて配置したことにより、外観上の見映えや座り心地性の向上化を図ることができる。
【0093】
請求項5の発明によると、伸張制限手段を、両端部が脆弱部両側近傍の表皮材にそれぞれ取付固定される一方、中間部がエアバッグユニットのエアバッグ展開側と反対側を回るように配置されかつ表皮材よりも伸張率の低い低伸張シート状部材としたことにより、エアバッグのシート外方への展開をより一層早期に行わせることができる。
【0094】
請求項6の発明によると、脆弱部ないし該脆弱部近傍において表皮材と該表皮材裏側のパッドとを略全面的に係止するようにしたことにより、請求項2の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0095】
請求項7の発明によると、脆弱部を挟んで該脆弱部の対向方向両側において表皮材と該表皮材裏側のパッドとを貼り付けるようにしたことにより、請求項3の発明と同様の作用効果が得られる。
【0096】
請求項8の発明によると、脆弱部は、表皮材の開口部を縫製により閉塞してなり、上記縫製部の糸の強度は、表皮材において他の縫製部よりも低く設定されているものとしたことにより、エアバッグのシート外方への展開をより早期かつ安定的に行わせることができる。
【0097】
請求項9の発明によると、縫製部を、開口部両端の表皮材がそれぞれ折り返されて第1の縫製糸により縫い合わされていて、上記表皮材の両折返部の先端同士が第2の縫製糸により縫い合わされているダブルステッチとしたことにより、請求項8の発明の作用効果をより助長することができる。
【0098】
請求項10の発明によると、エアバッグは、シートに座っている乗員の胸部に対応する胸部保護部と、該胸部保護部の略上方に連続して該乗員の頭部に対応する頭部保護部とを備えているものとしたことにより、この車両側部のエネルギ吸収装置の有効な利用を図ることができると共に、乗員の安全性の向上化を図ることができる。
【0099】
請求項11の発明によると、エアバッグの胸部保護部を、エアバッグユニットに接続する一方、頭部保護部を、エアバッグ展開気体が上記胸部保護部を経由して流入するようにその胸部保護部に接続したことにより、請求項10の発明の作用効果をより助長することができる。
【0100】
請求項12の発明によると、エアバッグユニットを、シートにおいて該シートに近いサイドドア側の側部に配設したことにより、側突時の乗員のより一層の安全化を図ることができる。
【0101】
請求項13の発明によると、エアバッグユニットをシートバック内に、エアバッグが該シートバックの略前方側に展開するように配設したことにより、乗員の座り心地性を良好に維持しつつ、エアバッグユニットをシート内に収容することができる。
【0102】
請求項14の発明によると、エアバッグユニットをシートクッション内に、エアバッグが該シートクッションの略上方側に展開するように配設したことにより、請求項13の発明と同様の作用効果が得られる。
【0103】
請求項15の発明によると、請求項5の発明の車両側部のエネルギ吸収装置の製造方法として、低伸張シート状部材を中間部で2分割しておき、その分割された各シート状部材の一端部をそれぞれ脆弱部両側近傍の表皮材に取付固定した後、その表皮材をパッドに組み付けて分割された両シート状部材をパッドに仮止めし、その組み付けた表皮材及びパッドをシートフレームに組み付けた後、上記分割された両シート状部材の他端部同士を、エアバッグユニットを挟むようにエアバッグユニットのエアバッグ展開側と反対側で結合するようにしたことにより、この装置の組付作業性の向上化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図2のI−I線断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係る車両側部のエネルギ吸収装置におけるシートを示す斜視図である。
【図3】エアバッグの展開状態を示すシートの左側面図である。
【図4】シートバックにおける表皮材の脆弱部を示す斜視図である。
【図5】実施形態2における図1相当図である。
【図6】実施形態3における図1相当図である。
【図7】実施形態4における図1相当図である。
【図8】実施形態5における図1相当図である。
【図9】実施形態6における図1相当図である。
【図10】実施形態6の変形例を示す図1相当図である。
【図11】実施形態7における図1相当図である。
【図12】実施形態8における図1相当図である。
【図13】実施形態9における図1相当図である。
【図14】実施形態10における図1相当図である。
【図15】実施形態11における図1相当図である。
【符号の説明】
1 シート
2 シートクッション
3 シートバック
13 シートバックフレーム(シートフレーム)
15 パッド
19 表皮材
19a 脆弱部
21 エアバッグユニット
24 エアバッグ
35 第1縫製糸
36 第2縫製糸
38,39 低伸張シート状部材(伸張制限手段)
JP01504097A 1996-09-27 1997-01-29 車両側部のエネルギ吸収装置及びその装置の製造方法 Expired - Lifetime JP3804144B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01504097A JP3804144B2 (ja) 1996-09-27 1997-01-29 車両側部のエネルギ吸収装置及びその装置の製造方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8-255709 1996-09-27
JP25570996 1996-09-27
JP01504097A JP3804144B2 (ja) 1996-09-27 1997-01-29 車両側部のエネルギ吸収装置及びその装置の製造方法

Related Child Applications (4)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005298796A Division JP4225308B2 (ja) 1996-09-27 2005-10-13 車両側部のエネルギ吸収装置
JP2006042113A Division JP4186996B2 (ja) 1996-09-27 2006-02-20 車両側部のエネルギ吸収装置
JP2006042121A Division JP4186997B2 (ja) 1996-09-27 2006-02-20 車両側部のエネルギ吸収装置
JP2006042134A Division JP4254789B2 (ja) 1996-09-27 2006-02-20 車両側部のエネルギ吸収装置

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JPH10152013A JPH10152013A (ja) 1998-06-09
JPH10152013A5 true JPH10152013A5 (ja) 2004-11-25
JP3804144B2 JP3804144B2 (ja) 2006-08-02

Family

ID=26351102

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01504097A Expired - Lifetime JP3804144B2 (ja) 1996-09-27 1997-01-29 車両側部のエネルギ吸収装置及びその装置の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3804144B2 (ja)

Families Citing this family (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000001153A (ja) * 1998-06-16 2000-01-07 Fuji Heavy Ind Ltd エアバッグを有する車両用シート
JP3738561B2 (ja) * 1998-07-06 2006-01-25 マツダ株式会社 自動車のサイドエアバッグ装置
JP2000052912A (ja) * 1998-08-12 2000-02-22 Fuji Heavy Ind Ltd エアバッグ内蔵シート
WO2009011083A1 (ja) * 2007-07-13 2009-01-22 Autoliv Development Ab エアバッグ装置用パッドの革製カバーの製造方法、および革製カバーのエアバッグ装置用パッドへの取付方法
JP5692197B2 (ja) 2012-10-10 2015-04-01 トヨタ自動車株式会社 サイドエアバッグ装置を備えた車両用シート及びサイドエアバッグ装置の車両用シートへの組付方法
JP6385162B2 (ja) * 2014-06-26 2018-09-05 ダイハツ工業株式会社 車両のサイドエアバッグ設計方法
JP7507112B2 (ja) * 2021-03-09 2024-06-27 日本発條株式会社 車両用シート
JP2025058840A (ja) * 2023-09-28 2025-04-09 テイ・エス テック株式会社 乗物用シート

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1023206B1 (en) Seat mounted airbag with deployment force concentrator
US7134686B2 (en) Vehicle seat assembly
EP0963310B1 (en) Seat mounted side air bag with deployment force concentrator
EP2199158B1 (en) Side airbag structure and method of assembling it
US7922197B2 (en) Vehicle airbag device
US5997032A (en) Seat with side air bag
GB2420746A (en) Vehicle seat with airbag and flexible cover panel
KR102803045B1 (ko) 사이드 에어백 장치
CN103108781A (zh) 车辆用后部侧面安全气囊装置的固定结构
JP7722318B2 (ja) エアバッグ装置及び乗員保護装置
JP3834936B2 (ja) 車両のサイドエアバッグ装置
US10773674B2 (en) Vehicle seat
KR100502549B1 (ko) 사이드 에어백 장치
JPH10152013A5 (ja)
JP3804144B2 (ja) 車両側部のエネルギ吸収装置及びその装置の製造方法
JP3119820B2 (ja) 車両用シートのエアバッグ装置
JP3732307B2 (ja) サイドエアバッグ内蔵シートのシートバック構造
JP7089754B2 (ja) シートカバー
JP4225308B2 (ja) 車両側部のエネルギ吸収装置
JP4186997B2 (ja) 車両側部のエネルギ吸収装置
JP7353553B2 (ja) 車両用シート
WO2007080683A1 (ja) 座席シート
JP7203501B2 (ja) サイドエアバッグ装置
JP3722563B2 (ja) 車両側部のエネルギ吸収構造
JP4186996B2 (ja) 車両側部のエネルギ吸収装置