JPH10153726A - 光学素子姿勢調整装置 - Google Patents

光学素子姿勢調整装置

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JPH10153726A
JPH10153726A JP32913596A JP32913596A JPH10153726A JP H10153726 A JPH10153726 A JP H10153726A JP 32913596 A JP32913596 A JP 32913596A JP 32913596 A JP32913596 A JP 32913596A JP H10153726 A JPH10153726 A JP H10153726A
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JP
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optical element
axis
optical
adjusting
attitude
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Application number
JP32913596A
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English (en)
Inventor
Masayuki Kawai
正之 河合
Fumihiko Oda
史彦 小田
Sho Kanazawa
祥 金澤
Minoru Yokoyama
横山  稔
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Kawasaki Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Kawasaki Heavy Industries Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 超高真空空間中に設けられた光学素子の姿勢
調整が容易で素子本体を取り替えるのも容易にできる光
学素子調整装置であって、特に自由電子レーザ装置の主
共振器ミラーに適合した装置を提供する。 【解決手段】 光学素子62の面の入射光軸にほぼ垂直
な第1の回転軸を光軸に対して傾ける機構と第1回転軸
の方向に並進運動して第1回転軸にほぼ垂直な第2回転
軸の周りに光学素子面を傾ける機構とから成る傾斜調整
機構60と、その光学素子62と傾斜調整機構60を直
交する3軸方向に平行移動させて光学素子面の位置を光
軸に対して調整する並進調整機構20を備える光学素子
調整装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空機器内に設置
される光学素子の姿勢調整装置に関し、特に超高真空を
必要とする自由電子レーザの光共振系に組み込まれる主
共振器ミラー等の光学素子の姿勢調整装置に関する。
【0002】
【従来の技術】光学素子を組み合わせて高度な光学系を
構成する場合は設置された光学素子の面方向を精密に調
整する必要がある。例えば、自由電子レーザ装置は超高
真空中を光速に近い速さで走行する電子ビームを周期磁
場中に通して自由電子光を発生させる。アンジュレータ
の周期磁場を用いるときは、アンジュレータ中で発生し
た放射光をアンジュレータを挟んで設置された対向する
主共振器ミラーの間で往復させて共振させ、単一波長の
光を発生させる。自由電子レーザ装置では電子バンチの
投入時期と共振している放射光の存在位置が一致しなけ
ればならないという条件があるため、主共振器ミラーの
反射面の向きと2枚のミラー間の距離は極めて精密に調
整する必要がある。
【0003】共振器ミラー表面の法線方向は、共振器ミ
ラーの裏側からヘリウムネオンレーザのような可視光レ
ーザを入射してその反射光を観察してチューニングする
ことができる。また、共振器ミラーが可視光を透過しな
いものである場合には、共振器ミラー間の光路中に45
度の角度で平行平板のビームスプリッタを挿入し、可視
光レーザを光路に対して垂直に導入してチューニングす
るようにする。このビームスプリッタは自由電子レーザ
発振中は光路から退避させる必要がある。共振器ミラー
は表面の法線方向を調整した後、実際の自由電子レーザ
を発生させ出力を観察しながら面間距離の調整を行う。
自由電子レーザ装置では、精密な光学系が超高真空系内
に設置されるため、光学系を真空容器に格納して気密を
維持しながら真空容器自体を駆動して光学素子を精密に
調整する機構が用いられており、駆動機構が調整対象と
なる光学素子に対比して大規模になり、また光学素子の
交換などの取り扱いが困難であった。
【0004】自由電子レーザ装置に用いるアンジュレー
タ光共振系等の超高真空容器の中に設置された光学素子
の素子面の向きを調整する装置として、従来知られてい
るものに、例えば、主共振器ミラーを格納した真空容器
をアンジュレータ側とベローズで連結し、該真空容器を
水平面上XYの2軸と垂直方向Z軸に位置調整すると共
に、X軸とY軸方向に揺動するようにして収納した光学
素子面の法線方向を微調整する方法がある。自由電子レ
ーザ装置では電子軌道および光学系が納められる部分を
超真空状態に保持する必要があるため、光学系真空容器
部分の端部に設けられる上記方法による光学素子姿勢調
整装置は、真空による吸引力に抗して正しい姿勢を維持
する必要から、対応する反力を発生できるか、十分な重
量を有していなければならない。このため、本姿勢調整
装置は駆動機構を真空容器の外部に有し、真空度の維持
に適しているが、装置が大きくなり設備費用が過大にな
る欠点があった。
【0005】また、上記方法より真空吸引力の影響を小
さくした方法として、光学系の端部に別途固定フランジ
を設置し、アンジュレータと固定フランジの間にベロー
ズを介して主共振器ミラーを封じ込めた真空容器を配置
する方法がある。この方法によれば該真空容器に働く真
空吸引力は相殺されるため、容器は小さくてよく、容器
を直交3軸方向と2軸方向に揺動させるための駆動機構
も小規模でよい。しかし、主共振器ミラーは経時により
表面状態が劣化するため時々磨き直したり取り替えたり
する必要が生じる。上記方法は真空容器に光学素子が固
定されているので、光学素子を取り出したりセットし直
すと入射光軸に対する真空容器の位置が狂い、一旦調整
し終えた光学素子面の向きが大幅に変化してしまうた
め、再度精密な調整を始めから行う必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで、本発明の解決
しようとする課題は、真空容器中にセットする光学素子
の姿勢を容易に調整することができ、しかも光学素子の
交換が簡単で交換を行っても光学素子の姿勢の変化が小
さくてわずかに補正すればすむような小型の光学素子姿
勢調整装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の光学素子姿勢調
整装置は上記課題を解決するため、光学素子を囲繞し真
空を保持する格納容器で光学素子に入射光を導入する開
口を有する格納容器と、特殊な傾斜調整機構と、特殊な
位置調整機構とを備える。この傾斜調整機構は、光学素
子を回動可能に保持するホルダーと入射光の光軸に対し
てほぼ垂直の1方向から作用して光学素子の向きを2次
元的に調整する作用軸と、作用軸を囲繞する支持筒であ
って気密を保持する可撓性の膜を介して作用軸を支持す
る支持筒とを備える。
【0008】また、位置調整機構は、上記の格納容器を
取り外し可能に固定するベースフランジと、上記の支持
筒を支持するステージと、そのステージの位置をベース
フランジに対して3次元的に調整する機構とを備える。
さらに、支持筒は気密を保持する可撓性膜を介してベー
スフランジに相対運動可能に支持され、ベースフランジ
は傾斜調整機構の作用軸が貫通する開口を有し、また格
納容器は光学素子を通す開口を有する固定用フランジを
備え、その固定用フランジにより本体フランジに固定さ
れることを特徴とする。
【0009】なお、光学素子に入射光軸に対してほぼ垂
直で上記の作用軸に対しほぼ平行な回動軸を有し、傾斜
調整機構が作用軸を軸方向に変位させることにより光学
素子面を回動軸の周りに回動させる機構と、回動軸のほ
ぼ中央を中心として作用軸を揺動させる機構とを備え、
これら機構により光学素子面の傾きを2次元的に調整す
るようにしてもよい。また、光学素子が入射光軸と作用
軸に対しほぼ垂直な回動軸を有し、傾斜調整機構が作用
軸を軸方向に変位させることにより光学素子面を回動軸
の周りに回動させる機構と回動軸を軸の周りに回転させ
る機構とを備えて、これら機構により光学素子面の傾き
を2次元的に調整するようにしてもよい。
【0010】なお、調整対象の光学素子が自由電子レー
ザ光共振系における主共振器ミラーとして自由電子レー
ザ装置に使用してもよい。さらに、傾斜調整機構におけ
る駆動をステッピングモータにより遠隔制御で行うよう
にすることができる。また、位置調整機構における入射
光軸方向の並進駆動をステッピングモータとその先端に
固定したピエゾ素子により遠隔的に制御するようにして
もよい。
【0011】本発明の光学素子姿勢調整装置によれば、
光学素子が格納容器でなく作用軸に固定されていて、格
納容器の固定用フランジが光学素子の径より大きな開口
を持つため、光学素子に触れないで格納容器をベースフ
ランジから取り外すことができるから、格納容器を真空
系から切り離しても光学素子の位置が変わらず、光学素
子の汚れを取ったり素子の取り替えをしたりしても、光
学素子の入射光軸に対する姿勢を以前のままに保つこと
が容易である。また、光学素子の面の傾きを調整する傾
斜調整機構がステージに固定されていて、このステージ
の3次元位置を位置調整機構で調整するように構成して
いるから、光学素子姿勢調整装置自体は本体構造体に対
して固定して、ステージを並進運動させ、光学素子面を
回動調整するだけでよく、調整装置全体の構造が簡単に
なる。
【0012】なお、光学素子の回動軸が入射光軸に対し
てほぼ垂直で作用軸に対しほぼ平行であって、傾斜調整
機構がこの作用軸を軸方向に変位させることにより光学
素子面を回動軸の周りに回動させ、回動軸のほぼ中央を
中心として作用軸を揺動させることにより、光学素子面
の傾きを2次元的に調整するように構成したものは、簡
単な構造でありながら素子面の傾斜調整が可能でしかも
動きが数量的に把握しやすいから、自由電子レーザ装置
における主共振器ミラー等の光学素子を微細に姿勢調整
することができる。また、光学素子が入射光軸と作用軸
に対しほぼ垂直な回動軸を有し、傾斜調整機構が作用軸
を軸方向に変位させることにより光学素子面を回動軸の
周りに回動させ、回動軸を軸の周りに回転させることに
より、光学素子面の傾きを2次元的に調整するようにし
たものも、簡単でありながら真空系中の光学素子の姿勢
調整に適した装置を得ることができる。
【0013】このように、本発明の光学素子姿勢調整装
置は自由電子レーザ光共振系における主共振器ミラーの
位置と法線方向を調整するために最適に使用することが
できる。なお、傾斜調整機構における駆動をステッピン
グモータで制御するようにすると、光学素子の法線方向
を遠隔操作で極微細に調整することができる。また、位
置調整機構における入射光軸方向の並進駆動をステッピ
ングモータとその先端に固定したピエゾ素子により制御
すれば、ステッピングモータにより1/100mmの精
度で位置調整した上でさらに微小な変位を生じるピエゾ
素子により調整することにより、共振器ミラー間距離を
サブミクロンの精度で調整することができる。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る光学素子姿勢
調整装置を、図面を用いて実施例に基づき詳細に説明す
る。図1は本実施例の光学素子姿勢調整装置の一部断面
正面図、図2は本実施例の光学素子姿勢調整装置の使用
状況を示す平面図、図3は装置の一部を拡大して示した
斜視図、図4は本実施例の光学素子姿勢調整装置の別の
態様を示す一部断面図である。
【0015】本実施例は、自由電子レーザ装置において
放射光を発生させるために用いる主共振器ミラーの調整
装置に本発明を使用したものである。自由電子レーザ装
置では、リニアックあるいは電子蓄積リングで相対論的
に加速された電子ビームをアンジュレータやウィグラな
どで生成される周期的な磁場で蛇行させて横方向の速度
成分を与え、光のビームと重畳させると光の電磁場との
相互作用が誘起され、光が増幅されコヒーレントにな
る。このように、自由電子レーザにおいては、共振器内
を往復する光パルスと電子バンチが正確に重畳すること
が必要で、共振器長は好ましくはサブミクロン単位で極
めて精密な調整が要求される。また、共振器長を調整す
る前に、対向する共振器ミラーからなる光軸と電子ビー
ム軸が正確にアライメントされていなければならない。
【0016】図2は、本実施例の光学素子姿勢調整装置
を自由電子レーザ装置の主共振器ミラーに組み込んだ状
況を示す平面図である。図外の電子蓄積リングあるいは
直線加速器から供給される相対的速度を有する電子ビー
ムを偏向磁石1によりアンジュレータ2に導入して放射
光を発生させ、アンジュレータ2の両端に対向して設け
られた真空容器3、4に格納された主共振器ミラーで共
振させる。アンジュレータ2を通過した電子ビームは偏
向磁石5により向きを変えて電子蓄積リングに戻される
か電子吸収器に投入される。
【0017】主共振器ミラーは経時により表面が劣化す
るので、時々真空容器3、4を解放してミラーを取り出
して表面処理したり、新しいミラーと取り替える必要が
ある。このため真空容器3、4とアンジュレータ2の間
にはそれぞれ、電子ビームが走行する真空系と縁を切る
ゲートバルブ6が設けられている。また、ミラーのセッ
ト後に電子ビームの真空系と真空度を合わせてからゲー
トバルブ6を開けるようにするためT字管7で図外の真
空ポンプと接続されている。
【0018】真空容器3、4は外側の端面に、自由電子
レーザを取り出したりHe−Neレーザ等のアライメン
ト用可視光レーザを導入するための窓を備えている。1
対の共振器ミラー真空容器のうち一方には、光学窓を通
って放射光軸に対して垂直に入射するHe−Neレーザ
を偏向させて光路を光軸に合致させるアライメント用ビ
ームスプリッタを格納する真空容器8を付帯させてい
る。共振器ミラーのアライメントが完全であれば、アラ
イメント用ビームスプリッタに入射した可視光レーザが
共振器ミラーの間を往復した後、再び全く同じ光路を通
って光学窓から出射してくるので、この光強度を観測す
ることによりアライメントの状態を判断することができ
る。なお、図中9は装置の据付調整を容易にするために
設けたベローズである。
【0019】図1は、本実施例の光学素子姿勢調整装置
について、一部断面図で表した図面である。図面は、ア
ンジュレータ2に繋がる真空系に真空用フランジで固定
される真空容器4と、真空容器4に納められたミラーホ
ルダーを頂部に備えミラーホルダー内に固設された主共
振器ミラーの表面の向きを調整する傾斜調整機構と、傾
斜調整機構の位置を調整することにより主共振器ミラー
の位置を調整する位置調整機構を表している。重力の影
響をできるだけ受けないようにして駆動精度を確保する
ため、装置の主要部は主共振器ミラーに対して垂直下方
に設置されており、位置調整機構の基板部分が定盤等、
アンジュレータ2から放射されてくる放射光の光軸に対
して相対的に固定された構造部分に固設されている。以
下、簡単のため、入射光軸の方向をZ軸、図中上下方向
をX軸、Z軸とX軸に垂直の方向をY軸として説明す
る。
【0020】真空容器4は筒体で、アンジュレータ2に
繋がる側に真空用フランジ11を備えると共に、その反
対側の端にも光出射用の放射窓12を備えた真空用フラ
ンジ13を設けている。また、光学素子姿勢調整装置の
固定部分に固設するための真空用フランジ14が設けら
れており、このフランジ14には、傾斜調整機構60の
ミラーホルダー61を含む真空容器4内に収納される部
分を通す大きさを持った開口15を有する。
【0021】位置調整機構20は、図外の定盤に固定さ
れる固定基盤21と、固定基盤21に対して垂直方向で
あるX軸方向に並進して位置調整する第1のステージ3
1と、第1ステージ31に対し光軸に対して水平面内垂
直方向であるY軸方向に並進して位置調整する第2のス
テージ41と、第2ステージ41に対し入射光軸方向で
あるZ軸方向に並進して調整する第3ステージ51とか
ら構成され、傾斜調整機構の位置を3次元的に調整す
る。
【0022】固定基盤21は、上端に真空用フランジ2
2を有し、これに真空容器4の真空用フランジ14を圧
接して固定し真空容器内の真空を保持する。真空用フラ
ンジ22の上端面は初めのアライメント調整で確定した
まま、アンジュレータ2から放出される放射光の光軸に
対する相対的関係を保持している。また、固定基盤21
の下端にはX軸駆動用のマイクロアクチュエータ23が
上向きに固定されている。X軸マイクロアクチュエータ
23は、マイクロメータに用いられていると同様の回転
並進変換機構が用いられており、ピッチの小さい雄ねじ
を切った軸棒に嵌合した雌ねじを手動操作で回転運動さ
せると軸棒が極めて微細に並進運動する。本実施例にお
いては10μmの精度で6mmの範囲を並進するものを
使用している。
【0023】マイクロアクチュエータ23の先端にホル
ダ32を介して第1ステージ31が固定されている。第
1ステージ31は案内盤33とフランジ34を有する。
案内盤33は固定基盤21に対して正確に並進運動する
ようにするため、固定基盤21に垂直に設置されたクロ
スローラガイド35介在させている。クロスローラガイ
ド35は非循環式ころがり案内の一種で高い送り精度を
得ることができる。もちろん他の種類の直動案内機構を
ここに使用してもよい。
【0024】フランジ34は中心に開口が設けられてい
て、開口部分に傾斜調整機構が挿入されている。フラン
ジ34には、Y軸方向に図面に現れない梁が突設されて
いて、その梁にマイクロアクチュエータがY軸方向に並
進運動するように固定されている。このY軸駆動用マイ
クロアクチュエータは向きの関係で図示されていない
が、X軸マイクロアクチュエータと同じ構造のものであ
る。
【0025】第2ステージ41は、第1ステージ31の
フランジ34の下側に配設され、Y軸マイクロアクチュ
エータに当接して第1ステージ31に対して相対的にY
軸方向に並進運動する。第2ステージ41は第1ステー
ジ31のフランジ34の開口と整合し傾斜調整機構が挿
入されている開口部を持っている。第1ステージ31と
第2ステージ41の間にはクロスローラガイド42がY
軸方向に設けられていて、X軸方向の場合と同様、Y軸
方向の並進運動量は手動操作により精密に調整すること
ができる。
【0026】第2ステージ41には、Z軸方向に梁43
が突設されていて、この梁43にステッピングモータ4
4がZ軸方向に並進運動するように固定されている。ス
テッピングモータ44は、電気的に供給されるパルス信
号により微小角度ずつ回転運動し、この回転運動を軸棒
の並進運動に変換する。並進範囲は約10mmで位置精
度は10μmである。ステッピングモータ44の軸先端
には並進方向の案内45を有する摺動ピース46が固定
され、摺動ピース46の先端に電気的に長さを制御する
ピエゾ素子要素47を固定してある。ピエゾ素子要素4
7の他端は第3ステージ51の外壁に固定されている。
ピエゾ素子要素47は0.2mmの行程を有し、0.2
0μmの並進精度を持っている。
【0027】第3ステージ51は、Z軸方向に並進運動
を許すクロスローラガイド52を第2ステージ41との
間に設けており、ステッピングモータ44とピエゾ素子
要素47からなるZ軸駆動モータにより、第2ステージ
41に対してZ軸方向に0.20μmの並進精度をもっ
て遠隔的に位置調整することができることになる。第3
ステージ51の位置は、第3ステージ51はX軸アクチ
ュエータ23、Y軸アクチュエータ、およびZ軸駆動モ
ータ44,47の働きにより、固定基盤21に対し、あ
るいは真空用フランジ22に対して相対的に、精度よく
調整することができる。
【0028】第3ステージ51は中心軸に開口部を有
し、ここに傾斜調整機構60が挿入されている。また、
Z軸方向に平行な2つの内壁面に案内溝53が形成され
ている。案内溝53は傾斜調整機構60が標準位置にあ
る場合の主共振器ミラーの中心を中心とする円弧を描く
ように形成されている。また、外壁に鍔54を有し、こ
の鍔54に取付アダプタ55を固定してあり、この取付
アダプタ55に傾斜調整機構のYα軸駆動モータ56を
Z軸方向に取り付けてある。
【0029】傾斜調整機構60は、ミラーホルダー6
1、作用軸71、支持筒81、Xα軸駆動モータ85、
Yα軸駆動モータ56とから構成される。ここでXα軸
駆動モータ85は光学素子を作用軸の周りに回転させる
モータ、Yα軸駆動モータ56は傾斜調整機構60をZ
軸に対して傾けるモータである。
【0030】図3は、ミラーホルダー61の部分を拡大
して示した斜視図である。ミラーホルダー61は、共振
器ミラー62を入射光軸に対して一定の姿勢に保持する
もので、必要に応じてミラー62を差し替えることがで
きるようになっている。共振器ミラー62は、例えばア
ルミ蒸着膜と誘電体多層膜でコーティングされた曲率約
8m、直径約25mmの凹面鏡である。共振器ミラー6
2はミラー保持板63に嵌合して固定され、ミラー保持
板63は上下をピボット64で軸支されている。この回
動軸は傾斜調整機構60の軸のほぼ延長上に位置し、ミ
ラー表面の法線が回動軸に垂直の面内で回動するように
なっている。
【0031】ピボット64は、枠板65にミラー保持板
63の上下を挟むように形成された鍔に取り付けられて
おり、枠板65はベースフランジ66に固定されてい
る。共振器ミラー61を透過する光は枠板65に設けら
れた窓を通って、真空容器4の放射窓12の方向に射出
する。ベースフランジ66には開口が設けられていて傾
斜調整装置30の作用軸71が貫通している。
【0032】作用軸71の先端に取り付けられたレバー
72と当接するレバー67が回転軸68に軸支されてい
る。レバー67の対極にある腕がミラー保持板63の端
部に当接していて、作用軸71のレバー72が上下運動
するのに合わせてミラー保持板63が回動する。ミラー
保持板63の裏面と枠板65の間にスプリング69が設
けられていて、レバー67とミラー保持板63の接触を
確保して、共振器ミラー62が回動するときに遊びがな
いようにしてある。
【0033】ベースフランジ66は支持筒81の上端フ
ランジに固定されていて、ミラーホルダー21の傾きは
支持筒81を傾けることにより調整ができる。支持筒8
1は、フランジ82を有し、このフランジ82と位置調
整機構20の真空用フランジ21の間にベローズ83を
配設して、位置調整機構20と傾斜調整機構60の相対
的な3次元位置変位と傾き変化を気密下でできるように
なっている。支持筒81の下端部には取付アダプタ84
を介してXα軸駆動モータ85が取り付けられている。
Xα軸駆動モータ85はZ軸駆動用のステッピングモー
タ44と同じ構造を有し、電気的パルスにより軸棒を微
細に並進運動させる。
【0034】Yα軸駆動モータ85の軸は、作用軸71
と一体に接続されていて、遠隔的操作により作用軸71
を軸方向に変位させることができる。この軸方向の変位
は、先に説明したように、作用軸71の先端に付いたレ
バー72とミラーホルダー61のレバー67を介して、
共振器ミラー62をY軸に対して水平方向に回動させ
る。回転の範囲は6度で、回転角精度は1/6000r
adである。作用軸71は支持筒81に対して軸方向に
変位するので、軸心の位置を確保するためパッキン86
が用いられ、また、真空容器4内の気密を確保するため
作用軸71に固定されたフランジ87と支持筒81の間
にべローズ88が設けられている。また真空系の真空吸
引力を相殺するために、作用軸71と支持筒81の間に
スプリング89を配設してある。
【0035】支持筒81の下方部には、さらに、第3ス
テージ51の案内溝53に対応する位置にH形の鍔91
が固定されている。H形鍔91の中央にはY軸方向に伸
展し中心に孔を有する梁を有し、この孔に支持筒81を
同心状に挿入してボルト等で止めてある。また、梁の両
端には腕92を有し、それぞれが案内溝53に嵌合させ
て、溝の間を摺動できるようになっている。腕92には
ボール93が回転自在に嵌入されていて、これが案内溝
53に設けられたボール受け溝にはまっている。
【0036】また、一方の腕92の端部にレバー94が
取り付けられていて、これにYα軸駆動モータ56の軸
の先端が当接するようになっている。Yα軸駆動モータ
56は、傾斜調整機構60をZ軸に対して傾けるモータ
であり、Xα軸駆動モータ85と同じ構造を有し、電気
的パルスにより軸棒を並進運動させる。レバー94がY
α軸駆動モータ56の軸に押されると、H形鍔91が案
内溝53に沿ってZ方向に容易に移動する。すると、傾
斜調整機構60は案内溝53に案内されて共振器ミラー
62の中心を中心としてスムーズに傾きを変え、共振器
ミラー62は位置を変えずに面の向きをZ軸方向に変化
させることができる。
【0037】以上説明した光学素子姿勢調整装置は、X
軸とY軸上の位置を手動で調整した後、アライメント用
のレーザ光を放射窓をから照射し共振器ミラーを透過さ
せて共振器ミラー間に導入し、このレーザ光が正確に元
の光路を通って帰ってくるように二つの共振器ミラーの
面の向きを調整する。最後に、蓄積リング等で発生され
る高速な電子ビームをアンジュレータやウィグラーで放
射光変換して発生した光を二つの共振器ミラー間で共振
させながら、直動モータとピエゾ素子を使用して微細に
Z軸方向の位置調整をして、共振器ミラー間距離を共振
に対して最適な値にする。なお、共振器ミラーが可視光
レーザに対して透明性を有しない場合は、共振器ミラー
間に半透明ミラーを光軸に対して45度の角度になるよ
うに設置し、ここに外部から可視光レーザを導入して、
共振器ミラー間を往復し再び半透明ミラーで反射してく
るレーザを観察することにより、共振器ミラー間のアラ
イメントの状態を推定しながら調整することができる。
【0038】なお、本実施例では共振器ミラーが凹面鏡
である場合について記述しているが、共振器ミラーの組
み合わせ形式は特定する必要がなく、ファブリペロー型
であっても、また別の形式であっても同様に使用できる
ことは明らかである。本実施例の光学素子姿勢調整装置
によれば、光学素子を収納した真空容器を動かすことな
く、光学素子自体の位置や姿勢を直接的に調整すること
が可能であるため、従来のような大規模な調整機構を必
要とせず、極めて小型で簡便な装置により目的を達成す
ることができる。また、光学素子を取り替える場合に
も、光学素子および位置調整機構や傾斜調整機構に触れ
ずに真空容器を真空系から取り外して光学素子を露出さ
せることができるため、容易に光学素子を処理すること
ができ、また処理した場合にも光学素子の姿勢が変化し
ないから再度組み立てたときの再調整も簡単である。
【0039】なお、本実施例では各軸方向における駆動
装置を適用の目的に合わせて手動用または遠隔操作用の
機器から選択しているが、リニアモータなど別の形式の
ものを使用しても、それぞれの働きを相互に入れ替えて
も本発明の構成から逸脱するものでないことは勿論であ
る。作用軸の軸方向の動きを光学素子の回動に変換する
方法として、例えば作用軸の先端を円錐状に形成し、ミ
ラー保持板に突設した梁を作用軸先端の円錐側面で押す
ことにより光学素子の向きを変化させるものなど、各種
方法を採用することができる。また、直線的移動や円弧
状の移動を案内する器具にベアリングを使用した直動式
案内を用いているが、他の構造を持った部品を用いても
差し支えない。さらに、駆動装置の構造あるいは調整範
囲や精度について挙げた具体的な値等は単なる例示であ
って、発明として限定されるものではない。また、本発
明の光学素子姿勢調整装置は自由電子レーザ装置に限ら
ず、真空系内で用いられて姿勢調整が必要な光学素子な
らば発明の効果があることは明らかである。
【0040】図4は、本実施例における傾斜調整機構の
別の態様を表した一部断面図である。図中参照番号10
0は傾斜調整機構を包括的に表す。傾斜調整機構100
は、ミラーホルダー110、作用軸120、支持筒13
0、Xα軸駆動モータ140、Yα軸駆動モータ150
とから構成される。作用軸120は2重になっていて、
Xα軸駆動モータ140は外側にある第1の作用軸12
1に作用して光学素子を軸の周りに回転させるモータ、
Yα軸駆動モータ150は内側にある第2の作用軸12
2に作用して光学素子をZ軸に対して傾けるモータであ
る。いずれのモータも先の実施例で説明したものと同じ
ように、微細ピッチのねじを介してステップモータによ
る回転運動を軸の精密な並進運動に変換する。
【0041】傾斜調整機構100の支持筒130の下端
部に垂直に固定された筒状の室131を有し、この筒状
室131が基盤132に固設されている。Xα軸駆動モ
ータ140は基盤132に固定された支持梁133に水
平方向に向かって固定されており、Yα軸駆動モータ1
50は基盤132の下端に固定された支持梁134に上
方に向いて固定されている。基盤132は上記説明した
位置調整機構の3軸方向に駆動する第3ステージ51に
固定されていて、光学素子面の傾きを保持したまま3次
元位置が調整できるようになっている。また、基盤に固
定された真空用フランジ22と支持筒130の外側を気
密性のベローズ135を介して接続していて、傾斜調整
機構100が並進的に移動できかつ真空容器の真空が漏
れないようになっている。
【0042】ミラーホルダー110は、共振器ミラー1
11を入射光軸に対して一定の姿勢に保持するもので、
共振器ミラー111はミラー保持板112に嵌合して固
定され、ミラー保持板112は左右をピボット113で
軸支されて、回動軸を形成している。この回動軸は作用
軸120の軸に対して垂直になっており、ミラー表面の
法線が回動軸に垂直の面内で回動するようになってい
る。ピボット113は、ミラー保持板112の左右を挟
むように形成された枠体114に取り付けられており、
枠体114は第1作用軸121に固定されている。第1
作用軸121は、下端に梁123が固着されていて、梁
123の先端部の片面を押し棒124が当接している。
押し棒124は筒状室131の壁に取り付けられたボス
に対してベローズを介して水平方向に動くことができる
底板に固定されている。該底板はXα軸駆動モータ14
0の駆動軸に固定されている。従って、Xα軸駆動モー
タ140が作動すると押し棒124が動いて第1作用軸
が軸の周りに回転し枠体114が回転して、共振器ミラ
ー111の面が水平面内を回動する。
【0043】また、梁123を挟んでXα軸駆動モータ
140の押し棒124に対向する位置にベローズ125
を介して受け棒126が設けられていて、Xα軸駆動モ
ータ140を駆動して押し棒124を引き込むときは、
真空により生ずるベローズ125の収縮力により受け棒
126が梁123を押し返すから、共振器ミラー111
はXα軸駆動モータ140の作動に追従して回動するこ
とができる。なお、ミラー保持板112の表面には上記
回動軸の位置にレバー115が突設されていて、このレ
バー115が第2作用軸122の先端に取り付けられた
レバー127と当接している。したがって、Yα軸駆動
モータ150により第2作用軸122が上下運動する
と、レバー115が上下に駆動されミラー保持板112
が回動軸を中心として回動して、共振器ミラー111の
法線方向が変化する。
【0044】筒状室131の下端には第2作用軸122
との間を気密に保ちながら軸方向の並進運動を許すため
のベローズ136が設けられている。上記のような実施
態様の傾斜調整機構100を用いた光学素子姿勢調整装
置は、超高真空系内に据えられた共振器ミラー111の
入射光軸に対する傾きを電気的手段により極精密に調整
して、その後共振器ミラー間距離を調整して自由電子レ
ーザの共振を可能にすることができる。
【0045】
【発明の効果】以上詳細に説明した通り、本発明によれ
ば、真空容器中にセットする光学素子の姿勢を容易に調
整することができ、しかも光学素子の交換が簡単で交換
を行っても光学素子の姿勢の変化が小さくてわずかに補
正すればすむような小型の光学素子姿勢調整装置を得る
ことができる。したがって、特に自由電子レーザ装置の
共振器ミラーに適用することにより、従来極めて複雑で
熟練を要していたミラーの取り替え作業が格段に容易に
なると共に、調整装置を極めて簡便な構造で経済的に提
供することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光学素子姿勢調整装置の実施例を示す
一部断面正面図である。
【図2】本実施例の使用状況を示す平面図である。
【図3】本実施例の部分を拡大して示した斜視図であ
る。
【図4】本実施例の傾斜調整機構の別態様を示す一部断
面図である。
【符号の説明】
1、5 偏向磁石 2 アンジュレータ 3、4 共振器用真空容器 6 ゲートバルブ 7 T字管 8 アライメント用真空容器 9 ベローズ 12 放射窓 20 位置調整機構 21 固定基盤 23 X軸マイクロアクチュエータ 31 第1ステージ 35、42、52 クロスローラガイド 41 第2ステージ 44 ステッピングモータ 45 案内 46 摺動ピース 47 ピエゾ素子要素 51 第3ステージ 53 案内溝 54 鍔 56 Yα軸駆動モータ 60 傾斜調整機構 62 共振器ミラー 67 レバー 69 スプリング 60 傾斜調整機構 71 作用軸 72 レバー 81 支持筒 83 ベローズ 85 Xα軸駆動モータ 88 べローズ 91 H形鍔 92 腕 93 ボール 100 傾斜調整機構 110 ミラーホルダー 111 共振器ミラー 115、127 レバー 120 作用軸 121 第1の作用軸 122 第2作用軸 123 梁 124 押し棒 125 ベローズ 126 受け棒 130 支持筒 131 筒状室 132 基盤 135、136 ベローズ 140 Xα軸駆動モータ 150 Yα軸駆動モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金澤 祥 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工業 株式会社野田工場内 (72)発明者 横山 稔 千葉県野田市二ツ塚118番地 川崎重工業 株式会社野田工場内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光学素子を囲繞し該光学素子に入射光を
    導入する開口を有し真空を保持する格納容器と傾斜調整
    機構と位置調整機構とを備える光学素子姿勢調整装置で
    あって、前記傾斜調整機構が前記光学素子を回動可能に
    保持するホルダーと前記入射光の光軸に対してほぼ垂直
    の1方向から作用して該光学素子の向きを2次元的に調
    整する作用軸と該作用軸を囲繞し気密を保持する可撓性
    の膜を介して作用軸を支持する支持筒とを備え、前記位
    置調整機構が前記格納容器を取り外し可能に固定するベ
    ースフランジと前記支持筒を支持するステージと該ステ
    ージの位置を前記ベースフランジに対して3次元的に調
    整する機構を備え、前記支持筒が気密を保持する可撓性
    膜を介して前記ベースフランジに相対運動可能に支持さ
    れ、前記ベースフランジが前記傾斜調整機構の作用軸が
    貫通する開口を有し、前記格納容器が前記光学素子を通
    す開口を有する固定用フランジを備え該固定用フランジ
    によりベースフランジに固定されることを特徴とする光
    学素子姿勢調整装置。
  2. 【請求項2】 前記光学素子が前記入射光軸に対してほ
    ぼ垂直で前記作用軸に対しほぼ平行な回動軸を有し、前
    記傾斜調整機構が前記作用軸を軸方向に変位させること
    により該光学素子面を前記回動軸の周りに回動させる機
    構と、前記光学素子における前記入射光の入射位置近傍
    を中心として前記作用軸を揺動させる機構を備えて、前
    記光学素子面の傾きを2次元的に調整することを特徴と
    する請求項1記載の光学素子姿勢調整装置。
  3. 【請求項3】 前記光学素子が前記入射光軸と前記作用
    軸に対しほぼ垂直な回動軸を有し、前記傾斜調整機構が
    前記作用軸を軸方向に変位させることにより該光学素子
    面を前記回動軸の周りに回動させる機構と、前記回動軸
    を軸の周りに回転させる機構を備えて、前記光学素子面
    の傾きを2次元的に調整することを特徴とする請求項1
    記載の光学素子姿勢調整装置。
  4. 【請求項4】 前記光学素子が自由電子レーザ光共振系
    における主共振器ミラーであることを特徴とする請求項
    1ないし3のいずれかに記載の光学素子姿勢調整装置。
  5. 【請求項5】 前記傾斜調整機構における駆動をステッ
    ピングモータにより制御すること特徴とする請求項4記
    載の光学素子姿勢調整装置。
  6. 【請求項6】 前記位置調整機構における入射光軸方向
    の並進駆動をステッピングモータとその先端に固定した
    ピエゾ素子により制御すること特徴とする請求項4また
    は5に記載の光学素子姿勢調整装置。
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