JPH10158720A - ステンレス鋼の高清浄化精錬法 - Google Patents
ステンレス鋼の高清浄化精錬法Info
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- JPH10158720A JPH10158720A JP33018696A JP33018696A JPH10158720A JP H10158720 A JPH10158720 A JP H10158720A JP 33018696 A JP33018696 A JP 33018696A JP 33018696 A JP33018696 A JP 33018696A JP H10158720 A JPH10158720 A JP H10158720A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ステンレス鋼の精錬法において、硬質介在物
の発生を抑制し、かつ介在物個数を低減させて、加工時
における介在物の延性を向上させることにより、介在物
起因の表面疵や割れ等を低減させる。 【解決手段】 ステンレス鋼の精錬において、還元精錬
時に還元剤としてSiを用い、Al含有物質を無添加とし
て、鋼中のT.[Al]濃度を50ppm 以下に制御し、かつ還元
精錬後のスラグ組成をmass%で、下記条件に制御するこ
とを特徴とするステンレス鋼の高清浄化精錬法。 1.4≦T.(CaO)/(SiO2)≦2.0 、 (Al2O3)≦6 、 7≦(MgO)
≦15
の発生を抑制し、かつ介在物個数を低減させて、加工時
における介在物の延性を向上させることにより、介在物
起因の表面疵や割れ等を低減させる。 【解決手段】 ステンレス鋼の精錬において、還元精錬
時に還元剤としてSiを用い、Al含有物質を無添加とし
て、鋼中のT.[Al]濃度を50ppm 以下に制御し、かつ還元
精錬後のスラグ組成をmass%で、下記条件に制御するこ
とを特徴とするステンレス鋼の高清浄化精錬法。 1.4≦T.(CaO)/(SiO2)≦2.0 、 (Al2O3)≦6 、 7≦(MgO)
≦15
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼の精
錬法において、鋼中のTotal[Al](以下、単にT.[Al]とい
う) 濃度およびスラグ組成を制御することにより、溶鋼
中の非金属介在物(以下、単に介在物という)の無害化
をはかる高清浄度ステンレス鋼の製造方法に関するもの
である。
錬法において、鋼中のTotal[Al](以下、単にT.[Al]とい
う) 濃度およびスラグ組成を制御することにより、溶鋼
中の非金属介在物(以下、単に介在物という)の無害化
をはかる高清浄度ステンレス鋼の製造方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼中の介在物は、その量が多
すぎたり、融点が高く硬質の場合には、製品の介在物起
因の表面疵や加工時の割れの発生原因となる。一般に介
在物を除去したり、介在物の融点を下げ軟質化する処理
はステンレス鋼の精錬ではAOD,VOD等のいわゆる
二次精錬炉で実施している。
すぎたり、融点が高く硬質の場合には、製品の介在物起
因の表面疵や加工時の割れの発生原因となる。一般に介
在物を除去したり、介在物の融点を下げ軟質化する処理
はステンレス鋼の精錬ではAOD,VOD等のいわゆる
二次精錬炉で実施している。
【0003】すなわち、酸素ガスを含むガスを吹込み、
脱炭等の処理を行う酸化精錬の終了後、酸化精錬時に生
成したクロム酸化物を含むスラグを還元するために、Ca
Oを主体とする塩基性フラックスと共に、SiやAl等を含
む還元剤を添加し、Arガスや窒素ガス等の不活性ガスを
吹込むことにより撹拌し、脱酸および介在物の除去を促
進させている。特殊な成分や介在物等の規制がない限り
は、一般的には還元剤としては金属SiやFe-Si等のSiを
含む金属(以下、単にSiという)がコスト的にも有利な
ことから使用されている。
脱炭等の処理を行う酸化精錬の終了後、酸化精錬時に生
成したクロム酸化物を含むスラグを還元するために、Ca
Oを主体とする塩基性フラックスと共に、SiやAl等を含
む還元剤を添加し、Arガスや窒素ガス等の不活性ガスを
吹込むことにより撹拌し、脱酸および介在物の除去を促
進させている。特殊な成分や介在物等の規制がない限り
は、一般的には還元剤としては金属SiやFe-Si等のSiを
含む金属(以下、単にSiという)がコスト的にも有利な
ことから使用されている。
【0004】還元剤にSiを用いて、介在物起因の製品欠
陥を防止する精錬法として、特開平3−267312号
公報、特開平4−99215号公報および特開平8−1
04915号公報に記載の精錬法が知られている。これ
らの方法はいずれも介在物起因の地疵が発生しやすい鏡
面仕上げ用ステンレス鋼素材の製造に適用されているも
のであり、介在物中のAl2O3濃度を皆無とし、かつ、介
在物を素材の圧延時に線状に展伸されないものとする方
法である。しかし、これらの方法では、介在物の個数お
よび量には着目しておらず、かつ介在物が圧延時に展伸
されないために製品表面に点状欠陥として残存しやす
い。そのために、鏡面仕上げ用ステンレス鋼以外では十
分な効果が得られていない。
陥を防止する精錬法として、特開平3−267312号
公報、特開平4−99215号公報および特開平8−1
04915号公報に記載の精錬法が知られている。これ
らの方法はいずれも介在物起因の地疵が発生しやすい鏡
面仕上げ用ステンレス鋼素材の製造に適用されているも
のであり、介在物中のAl2O3濃度を皆無とし、かつ、介
在物を素材の圧延時に線状に展伸されないものとする方
法である。しかし、これらの方法では、介在物の個数お
よび量には着目しておらず、かつ介在物が圧延時に展伸
されないために製品表面に点状欠陥として残存しやす
い。そのために、鏡面仕上げ用ステンレス鋼以外では十
分な効果が得られていない。
【0005】一方、還元剤としてSiを用い、硬質の介在
物であるMgO-Al2O3スピネル系介在物の生成を防止する
方法として、特開平6−306438号公報の精錬法が
知られている。この方法は精錬炉の内張り耐火物にマグ
ネシア・クロマイト系を用い、かつ精錬後のスラグ組成
を(MgO)濃度で7mass%以下、(Al2O3)濃度で5mass%以
下、スラグ塩基度T.(CaO)/(SiO2)を1.3から1.9の範囲に
コントロールする方法である。しかし、この方法ではマ
グネシア・クロマイト系の内張り耐火物を用いた中で(M
gO)濃度を7mass%以下にすることは非常に難しいため
に、安定して制御することが出来ない。
物であるMgO-Al2O3スピネル系介在物の生成を防止する
方法として、特開平6−306438号公報の精錬法が
知られている。この方法は精錬炉の内張り耐火物にマグ
ネシア・クロマイト系を用い、かつ精錬後のスラグ組成
を(MgO)濃度で7mass%以下、(Al2O3)濃度で5mass%以
下、スラグ塩基度T.(CaO)/(SiO2)を1.3から1.9の範囲に
コントロールする方法である。しかし、この方法ではマ
グネシア・クロマイト系の内張り耐火物を用いた中で(M
gO)濃度を7mass%以下にすることは非常に難しいため
に、安定して制御することが出来ない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はステンレス鋼
の精錬法において、還元剤にSiを用い、鋼中のT.[Al]濃
度を制御し、かつ還元後のスラグ組成を制御することに
より、硬質のAl2O3 およびMgO-Al2O3系介在物の生成を
安定して防止して、製品の表面疵や加工時の割れを防止
することを目的とするものである。
の精錬法において、還元剤にSiを用い、鋼中のT.[Al]濃
度を制御し、かつ還元後のスラグ組成を制御することに
より、硬質のAl2O3 およびMgO-Al2O3系介在物の生成を
安定して防止して、製品の表面疵や加工時の割れを防止
することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成
するために、下記手段を採用するものである。すなわ
ち、ステンレス鋼の精錬において、酸化精錬時に生成し
たクロム酸化物を含むスラグの還元剤としてSiを用い、
Al含有物質を無添加として、鋼中のT.[Al]濃度を50ppm
以下に制御し、かつ還元精錬後のスラグ組成をmass%
で、下記条件に制御することを特徴とするステンレス鋼
の高清浄化精錬法にある。 1.4≦T.(CaO)/(SiO2)≦2.0 (Al2O3)≦6 7≦(MgO)≦15
するために、下記手段を採用するものである。すなわ
ち、ステンレス鋼の精錬において、酸化精錬時に生成し
たクロム酸化物を含むスラグの還元剤としてSiを用い、
Al含有物質を無添加として、鋼中のT.[Al]濃度を50ppm
以下に制御し、かつ還元精錬後のスラグ組成をmass%
で、下記条件に制御することを特徴とするステンレス鋼
の高清浄化精錬法にある。 1.4≦T.(CaO)/(SiO2)≦2.0 (Al2O3)≦6 7≦(MgO)≦15
【0008】
【発明の実施の形態】本発明者らは、還元精錬時の還元
剤にSiを用いる場合には、製品の表面疵や加工時の割れ
に対して硬質の介在物であるAl2O3系介在物およびMgO-A
l2O3系介在物の影響が極めて大きいことを見い出した。
さらにステンレス鋼の精錬工程および鋳造工程における
介在物の生成要因について種々の調査、解析を重ねた結
果、下記知見を得た。
剤にSiを用いる場合には、製品の表面疵や加工時の割れ
に対して硬質の介在物であるAl2O3系介在物およびMgO-A
l2O3系介在物の影響が極めて大きいことを見い出した。
さらにステンレス鋼の精錬工程および鋳造工程における
介在物の生成要因について種々の調査、解析を重ねた結
果、下記知見を得た。
【0009】還元精錬時に還元剤にSiを用いた場合で
も、Al含有物質の添加があった場合および鋼中T.[Al]濃
度が一定値を超えた場合には、硬質のAl2O3系介在物お
よびMgO-Al2O3系介在物が生成することがある。
も、Al含有物質の添加があった場合および鋼中T.[Al]濃
度が一定値を超えた場合には、硬質のAl2O3系介在物お
よびMgO-Al2O3系介在物が生成することがある。
【0010】一般的に、還元精錬時の還元剤にSiを用
いた場合、介在物は還元精錬時および取鍋への出鋼時
に、溶鋼中へ懸濁したスラグを核に成長する。
いた場合、介在物は還元精錬時および取鍋への出鋼時
に、溶鋼中へ懸濁したスラグを核に成長する。
【0011】出鋼から鋳造工程において、溶鋼中の懸
濁したスラグは、溶鋼温度の低下にともない進行する脱
酸反応で生成するSiO2やAl2O3と結合して、組成変化を
起こし、Al2O3、SiO2濃度が上昇する。特にAl2O3濃度の
上昇量は溶鋼中T.[Al]濃度およびスラグ塩基度T.(CaO)/
(SiO2)(以下、T.(CaO)/(SiO2)という)に依存する。
濁したスラグは、溶鋼温度の低下にともない進行する脱
酸反応で生成するSiO2やAl2O3と結合して、組成変化を
起こし、Al2O3、SiO2濃度が上昇する。特にAl2O3濃度の
上昇量は溶鋼中T.[Al]濃度およびスラグ塩基度T.(CaO)/
(SiO2)(以下、T.(CaO)/(SiO2)という)に依存する。
【0012】MgO-Al2O3は介在物中のMgO、Al2O3濃度
が高い場合に球状のスラグ質の介在物(CaO-SiO2主体)の
中の一部分に析出した状態で生成する。
が高い場合に球状のスラグ質の介在物(CaO-SiO2主体)の
中の一部分に析出した状態で生成する。
【0013】鋼中介在物の個数および量は基本的には
鋼中のT.[O]濃度に依存するが、T.[O]濃度はスラグ塩基
度に依存するために、T.(CaO)/(SiO2)により介在物量を
コントロールすることができる。
鋼中のT.[O]濃度に依存するが、T.[O]濃度はスラグ塩基
度に依存するために、T.(CaO)/(SiO2)により介在物量を
コントロールすることができる。
【0014】以上より、Al2O3系およびMgO-Al2O3系介在
物の生成を抑制し、介在物量を減少させるためには、還
元精錬時のAl含有物質の添加を回避して、溶鋼中T.[Al]
濃度を一定値以下とし、かつ還元精錬後のスラグ組成を
制御することが重要であることがわかった。上記の結果
に基づき、還元精錬時のAl含有物質を無添加とした条件
下で、Al2O3系およびMgO-Al2O3系介在物の生成を防止
し、かつ介在物量を減少させる条件について検討した。
物の生成を抑制し、介在物量を減少させるためには、還
元精錬時のAl含有物質の添加を回避して、溶鋼中T.[Al]
濃度を一定値以下とし、かつ還元精錬後のスラグ組成を
制御することが重要であることがわかった。上記の結果
に基づき、還元精錬時のAl含有物質を無添加とした条件
下で、Al2O3系およびMgO-Al2O3系介在物の生成を防止
し、かつ介在物量を減少させる条件について検討した。
【0015】図1には、Siによる還元精錬後の溶鋼中T.
[Al]濃度と硬質介在物の発生率の関係を示す。なお、硬
質介在物の発生率とは鋳片内に存在する5μm以上の介
在物の10個以上について組成分析を行い、その中でAl2O
3系およびMgO-Al2O3 系介在物の単体あるいはスラグ系
介在物の中にこれらの介在物の晶出相が認められた介在
物の比率である。
[Al]濃度と硬質介在物の発生率の関係を示す。なお、硬
質介在物の発生率とは鋳片内に存在する5μm以上の介
在物の10個以上について組成分析を行い、その中でAl2O
3系およびMgO-Al2O3 系介在物の単体あるいはスラグ系
介在物の中にこれらの介在物の晶出相が認められた介在
物の比率である。
【0016】図1より、T.[Al]濃度が50ppmを超えると
硬質介在物の発生率が急激に増大する。したがって、硬
質介在物の発生率を低位に抑えるためには、鋼中T.[Al]
濃度を50ppm以下にする必要がある。
硬質介在物の発生率が急激に増大する。したがって、硬
質介在物の発生率を低位に抑えるためには、鋼中T.[Al]
濃度を50ppm以下にする必要がある。
【0017】図2には、還元精錬後の最終のT.(CaO)/(S
iO2)と鋳片内の5μm以上の介在物の発生指数の関係を
示す。なお、T.(CaO)濃度はスラグ内に存在する(Ca)の
存在形態をすべて(CaO)として算出した濃度であり、5
μm以上の介在物の発生指数はT.(CaO)/(SiO2)が1.4の
時の平均の介在物個数を1.0として比例換算した値であ
る。また、この時のスラグ中(Al2O3)濃度は6mass%以
下、(MgO) 濃度は7〜15mass%の範囲にあった。図2よ
り、T.(CaO)/(SiO2)の増大と共に、5μm以上の介在物
の発生指数は低下する傾向にあり、介在物個数(量)を
低位に安定させるためには、T.(CaO)/(SiO2)は1.4以上
とする必要がある。
iO2)と鋳片内の5μm以上の介在物の発生指数の関係を
示す。なお、T.(CaO)濃度はスラグ内に存在する(Ca)の
存在形態をすべて(CaO)として算出した濃度であり、5
μm以上の介在物の発生指数はT.(CaO)/(SiO2)が1.4の
時の平均の介在物個数を1.0として比例換算した値であ
る。また、この時のスラグ中(Al2O3)濃度は6mass%以
下、(MgO) 濃度は7〜15mass%の範囲にあった。図2よ
り、T.(CaO)/(SiO2)の増大と共に、5μm以上の介在物
の発生指数は低下する傾向にあり、介在物個数(量)を
低位に安定させるためには、T.(CaO)/(SiO2)は1.4以上
とする必要がある。
【0018】図3には、Siによる還元精錬後のスラグ組
成が(Al2O3)濃度で6mass%以下、(MgO)濃度で7〜15ma
ss%の範囲にあった場合のT.(CaO)/(SiO2)とAl2O3系お
よびMgO-Al2O3系介在物の硬質介在物の発生率の関係を
示す。なお、鋼中の T.[Al]濃度は50ppm以下であり、
硬質介在物の発生率は図1の場合と同様にし て求めた
ものである。図3より、T.(CaO)/(SiO2)が2.0を超える
と硬質介在物 が急激に増大する。したがって、硬質介
在物の発生率を低位に抑えるためには 、T.(CaO)/(SiO
2)は2.0以下とする必要がある。なお、T.(CaO)/(SiO2)
が2.0 を超えたところで認められた硬質介在物はMgO-
Al2O3系介在物が殆どであった 。
成が(Al2O3)濃度で6mass%以下、(MgO)濃度で7〜15ma
ss%の範囲にあった場合のT.(CaO)/(SiO2)とAl2O3系お
よびMgO-Al2O3系介在物の硬質介在物の発生率の関係を
示す。なお、鋼中の T.[Al]濃度は50ppm以下であり、
硬質介在物の発生率は図1の場合と同様にし て求めた
ものである。図3より、T.(CaO)/(SiO2)が2.0を超える
と硬質介在物 が急激に増大する。したがって、硬質介
在物の発生率を低位に抑えるためには 、T.(CaO)/(SiO
2)は2.0以下とする必要がある。なお、T.(CaO)/(SiO2)
が2.0 を超えたところで認められた硬質介在物はMgO-
Al2O3系介在物が殆どであった 。
【0019】図4には、Siによる還元精錬後のスラグ中
の(Al2O3)濃度と(MgO)濃度の関係における鋳片内介在物
の形態を示す。図中の○印はAl2O3系およびMgO-Al2O 3
系の硬質介在物の発生率が5%未満のもの、×印は硬質
介在物の発生率が5 %以上のものを示す。なお、この
時の鋼中T.[Al]濃度は50ppm以下, スラグ中 T.(CaO)/
(SiO2)は1.4以上、2.0以下であった。また、(MgO)濃度
が9mass%以下のデータは精錬中にMgOの添加のないも
の、(MgO)濃度が9mass%を超えるデータは耐火物の溶
損を抑えるためにMgOの添加を行ったものである。図4
より、○印の範囲、つまり硬質介在物の発生率が5%未
満の範囲は(Al2O3)濃度6mass%以下、かつ(MgO)濃度15
mass%以下の範囲にある。また、(MgO)濃度7mass%未
満のデータは2点しかなく、非常に少ない。これはMgO
の添加無しでも耐火物等の溶損により(MgO)濃度が上昇
するためであり、(MgO)濃度7mass%未満を達成するこ
とは難しく、かつ、MgOの添加無しの場合では耐火物溶
損量が増大するためにコスト的にも不利である。
の(Al2O3)濃度と(MgO)濃度の関係における鋳片内介在物
の形態を示す。図中の○印はAl2O3系およびMgO-Al2O 3
系の硬質介在物の発生率が5%未満のもの、×印は硬質
介在物の発生率が5 %以上のものを示す。なお、この
時の鋼中T.[Al]濃度は50ppm以下, スラグ中 T.(CaO)/
(SiO2)は1.4以上、2.0以下であった。また、(MgO)濃度
が9mass%以下のデータは精錬中にMgOの添加のないも
の、(MgO)濃度が9mass%を超えるデータは耐火物の溶
損を抑えるためにMgOの添加を行ったものである。図4
より、○印の範囲、つまり硬質介在物の発生率が5%未
満の範囲は(Al2O3)濃度6mass%以下、かつ(MgO)濃度15
mass%以下の範囲にある。また、(MgO)濃度7mass%未
満のデータは2点しかなく、非常に少ない。これはMgO
の添加無しでも耐火物等の溶損により(MgO)濃度が上昇
するためであり、(MgO)濃度7mass%未満を達成するこ
とは難しく、かつ、MgOの添加無しの場合では耐火物溶
損量が増大するためにコスト的にも不利である。
【0020】以上より、硬質介在物の発生を抑え、かつ
介在物量を低減するためには、還元精錬時の還元剤とし
てSiを用い、Al含有物質を無添加として、鋼中のT.[Al]
濃度を50ppm以下に制御し、かつ還元精錬後のスラグ組
成を、T.(CaO)/(SiO2)で1.4以上、2.0以下、(Al2O3)濃
度6mass%以下、(MgO)濃度を7mass%以上、15mass%
以下とする必要がある。
介在物量を低減するためには、還元精錬時の還元剤とし
てSiを用い、Al含有物質を無添加として、鋼中のT.[Al]
濃度を50ppm以下に制御し、かつ還元精錬後のスラグ組
成を、T.(CaO)/(SiO2)で1.4以上、2.0以下、(Al2O3)濃
度6mass%以下、(MgO)濃度を7mass%以上、15mass%
以下とする必要がある。
【0021】
【実施例】SUS304ステンレス鋼(18mass%Cr-8mass%Ni)
をスクラップ、フェロクロム、フェロニッケルを原料と
して、60t電気炉にて溶解し、AOD炉にてO2-Ar混合ガ
スによる脱炭精錬を行った。脱炭精錬後、酸化したクロ
ムを還元回収するために、Si(Fe-Si)を添加し、合わせ
てCaO,CaF2を添加して、Arガスを吹込みながら還元精錬
を行い、取鍋に出鋼した。取鍋ではArガス吹込みによる
撹拌を行いながら、最終の成分・温度の微調整を行い、
その後、連続鋳造により断面サイズ178mmφのビレット
に鋳造した。得られたビレットは線材圧延により、 5.
5mmφの線材とし、この線材を0.5mmφに冷間伸線加工し
た。表1にAl含有物質の添加有無、鋼中のT.[Al]濃度、
還元後のスラグ組成および線材品質をまとめて示す。な
お、No. 1〜6の例は本発明の例、No. 7〜12は本発明
の条件外の比較例を示す。
をスクラップ、フェロクロム、フェロニッケルを原料と
して、60t電気炉にて溶解し、AOD炉にてO2-Ar混合ガ
スによる脱炭精錬を行った。脱炭精錬後、酸化したクロ
ムを還元回収するために、Si(Fe-Si)を添加し、合わせ
てCaO,CaF2を添加して、Arガスを吹込みながら還元精錬
を行い、取鍋に出鋼した。取鍋ではArガス吹込みによる
撹拌を行いながら、最終の成分・温度の微調整を行い、
その後、連続鋳造により断面サイズ178mmφのビレット
に鋳造した。得られたビレットは線材圧延により、 5.
5mmφの線材とし、この線材を0.5mmφに冷間伸線加工し
た。表1にAl含有物質の添加有無、鋼中のT.[Al]濃度、
還元後のスラグ組成および線材品質をまとめて示す。な
お、No. 1〜6の例は本発明の例、No. 7〜12は本発明
の条件外の比較例を示す。
【0022】介在物の調査は、線材の圧延方向の横断面
10cm2を光学顕微鏡により観察し、5μm以上の介在物
個数を測定すると共に、20個以上の介在物について、X
線マイクロアナライザーによる組成分析を行い、Al2O3
系、MgO-Al2O3系の硬質介在物の発生率を求めた。
10cm2を光学顕微鏡により観察し、5μm以上の介在物
個数を測定すると共に、20個以上の介在物について、X
線マイクロアナライザーによる組成分析を行い、Al2O3
系、MgO-Al2O3系の硬質介在物の発生率を求めた。
【0023】
【表1】
【0024】本発明の例では硬質介在物の発生率が低位
に安定しており、かつ線材中の5μm以上の介在物個数
も低減しているために、伸線加工時の介在物起因の割れ
をなくすことができた。
に安定しており、かつ線材中の5μm以上の介在物個数
も低減しているために、伸線加工時の介在物起因の割れ
をなくすことができた。
【0025】
【発明の効果】本発明では、ステンレス鋼の精錬におい
て、Al含有物質の回避、鋼中のT.[Al]濃度および還元精
錬後の最終のスラグ組成を制御することによって、硬質
介在物の発生率および介在物個数(量)を低位に安定さ
せることができるので、介在物の高清浄化を達成でき
る。これにより、製品の表面疵や加工時の割れのない材
料を製造することができ、冷間加工性の優れた細線、極
細線などの製造が可能になった。
て、Al含有物質の回避、鋼中のT.[Al]濃度および還元精
錬後の最終のスラグ組成を制御することによって、硬質
介在物の発生率および介在物個数(量)を低位に安定さ
せることができるので、介在物の高清浄化を達成でき
る。これにより、製品の表面疵や加工時の割れのない材
料を製造することができ、冷間加工性の優れた細線、極
細線などの製造が可能になった。
【図1】溶鋼中T.[Al]濃度と硬質介在物の発生率の関係
を示す図である。
を示す図である。
【図2】還元精錬後のスラグの塩基度T.(CaO)/(SiO2)と
鋳片内の5μm以上介在物の発生指数の関係を示す図で
ある。
鋳片内の5μm以上介在物の発生指数の関係を示す図で
ある。
【図3】還元精錬後のスラグ塩基度T.(CaO)/(SiO2)と硬
質介在物の発生率の関係を示す図である。
質介在物の発生率の関係を示す図である。
【図4】還元精錬後のスラグ中(Al2O3)濃度と(MgO)濃度
の関係における鋳片内介在物の発生形態の関係を示す図
である。
の関係における鋳片内介在物の発生形態の関係を示す図
である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉村 裕二 山口県光市大字島田3434番地 新日本製鐵 株式会社光製鐵所内
Claims (1)
- 【請求項1】 ステンレス鋼の精錬において、酸化精錬
時に生成したクロム酸化物を含むスラグの還元剤として
Si含有物質を用い、Al含有物質を無添加として、鋼中の
Total[Al]濃度を50ppm以下に制御し、かつ還元精錬後の
スラグ組成をmass%で、下記条件に制御することを特徴
とするステンレス鋼の高清浄化精錬法。 1.4≦T.(CaO)/(SiO2)≦2.0 (Al2O3)≦6 7≦(MgO)≦15
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33018696A JPH10158720A (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | ステンレス鋼の高清浄化精錬法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33018696A JPH10158720A (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | ステンレス鋼の高清浄化精錬法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10158720A true JPH10158720A (ja) | 1998-06-16 |
Family
ID=18229801
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP33018696A Pending JPH10158720A (ja) | 1996-11-27 | 1996-11-27 | ステンレス鋼の高清浄化精錬法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10158720A (ja) |
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100429158B1 (ko) * | 1999-10-20 | 2004-04-28 | 주식회사 포스코 | 오스테나이트계 스테인레스강의 탈산방법 |
| KR100729123B1 (ko) | 2005-12-01 | 2007-06-14 | 주식회사 포스코 | 저탄소 오스테나이트계 스테인레스강의 제조방법 |
| KR100889685B1 (ko) * | 2002-12-24 | 2009-03-19 | 주식회사 포스코 | 스테인레스강의 고청정 정련방법 |
| JP2009114491A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Jfe Steel Corp | Rh真空脱ガス装置による溶鋼の精錬方法 |
| KR100941841B1 (ko) | 2007-12-18 | 2010-02-11 | 주식회사 포스코 | 오스테나이트계 스테인리스강 제조방법 |
| KR101441302B1 (ko) * | 2012-12-24 | 2014-11-03 | 주식회사 포스코 | 스테인레스 강 및 그 제조 방법 |
-
1996
- 1996-11-27 JP JP33018696A patent/JPH10158720A/ja active Pending
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100429158B1 (ko) * | 1999-10-20 | 2004-04-28 | 주식회사 포스코 | 오스테나이트계 스테인레스강의 탈산방법 |
| KR100889685B1 (ko) * | 2002-12-24 | 2009-03-19 | 주식회사 포스코 | 스테인레스강의 고청정 정련방법 |
| KR100729123B1 (ko) | 2005-12-01 | 2007-06-14 | 주식회사 포스코 | 저탄소 오스테나이트계 스테인레스강의 제조방법 |
| JP2009114491A (ja) * | 2007-11-05 | 2009-05-28 | Jfe Steel Corp | Rh真空脱ガス装置による溶鋼の精錬方法 |
| KR100941841B1 (ko) | 2007-12-18 | 2010-02-11 | 주식회사 포스코 | 오스테나이트계 스테인리스강 제조방법 |
| KR101441302B1 (ko) * | 2012-12-24 | 2014-11-03 | 주식회사 포스코 | 스테인레스 강 및 그 제조 방법 |
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