JPH11279623A - 精錬容器の耐火物溶損を抑えた製造性の良い高Al含有フェライト系ステンレス鋼の溶製方法 - Google Patents

精錬容器の耐火物溶損を抑えた製造性の良い高Al含有フェライト系ステンレス鋼の溶製方法

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JPH11279623A
JPH11279623A JP9991198A JP9991198A JPH11279623A JP H11279623 A JPH11279623 A JP H11279623A JP 9991198 A JP9991198 A JP 9991198A JP 9991198 A JP9991198 A JP 9991198A JP H11279623 A JPH11279623 A JP H11279623A
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輝義 飯田
Takashi Yamauchi
隆 山内
Nobukazu Fujimoto
延和 藤本
Naoto Hiramatsu
直人 平松
Toshiaki Miyamoto
敏明 宮本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ヘゲ疵の発生しない高Al含有フェライト系
ステンレス鋼を、MgO系耐火物で内張りされた精錬容
器の耐火物溶損を抑えた方法で溶製する。 【解決手段】 質量%で、C≦0.03%,Si≦1.0%,
Cr:15〜26%,Al:2〜6%,Ti:0〜0.5%(無添
加を含む)を含み、必要に応じて希土類元素のうち1種
または2種以上:合計で0.02〜0.12%を含み、残部Fe
および不可避的不純物からなる高Al含有フェライト系
ステンレス鋼を、MgO系耐火物で内張りされた精錬容
器を用いて製造するにあたり、溶鋼と接するスラグをC
aF2が実質的に含まれないCaO−MgO−Al23
系とし、かつ鋼成分調整後・鋳造前におけるスラグ組成
が(質量%CaO)/(質量%Al23)≦0.8となるよう
にコントロールする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スラグ組成をコン
トロールすることにより精錬容器のMgO系耐火物の溶
損を抑えた高Al含有フェライト系ステンレス鋼の溶製
方法であって、ヘゲ疵が発生しにくく製造性の良い高A
l含有フェライト系ステンレス鋼を得るための溶製方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高Al含有フェライト系ステンレス鋼は
耐高温酸化性に優れた材料であり、従来から電熱材,高
温炉部材,燃焼排気系部材,自動車排ガス系部品などに
使用されている。しかし、この系統の鋼種は一般的に熱
延時にヘゲ疵が発生しやすく、これがしばしば歩留りの
著しい低下を招いて問題になる。一例を示せば、連続鋳
造法により得られた高Al含有フェライト系ステンレス
鋼スラブの表層下には深さ20〜30mmにわたって管状の気
泡が生成し、熱延前のスラブ研削によってこれらは開放
疵となり、スラブ加熱時に疵内部が酸化され、それが熱
延時にヘゲ疵となって現れる。ヘゲ疵の発生したコイル
は表面研削工程で重研削を余儀なくされ、製品歩留りは
著しく低下する。ヘゲ疵が重度の場合にはコイル自体を
屑処理化しなければならない。
【0003】ステンレス鋼の量産プロセスとしてAOD
やVODがよく知られており、近年これらのプロセスの
発達により各種ステンレス鋼が経済的に量産できるよう
になった。これらのプロセスでは、脱硫,脱酸を促進し
鋼の品質を高めるため、精錬容器の内張り耐火物には一
般的に塩基性耐火物が使用される。例えば、マグクロれ
んが(代表的組成;MgO:60%,Al23:10%,C
23:19%,FeO:6%)、マグドロれんが(同;
MgO:57%,CaO:39%)など、MgOを主要成分
として含有する耐火物がよく使われている。これらのM
gO系耐火物は、耐スラグ侵食性,耐スポーリング性,
耐磨耗性等に優れており、一般的なステンレス鋼精錬に
は非常に適したものである。しかし、高Al含有フェラ
イト系ステンレス鋼の溶製においては、これらの耐火物
は侵食を受けやすく、また耐火物中のMgOが前述のよ
うな「管状気泡」の生成に関与することもわかってき
た。
【0004】通常、高Al含有フェライト系ステンレス
鋼の溶鋼中にはかなりの濃度のMgが溶解しており、鋳
造時の凝固の際、過飽和となったMgがガス化して鋳造
材中に気泡を作ることが判明した。溶鋼中のMgは、主
としてスラグ中のMgOが溶鋼中のAlや希土類元素
(Re)によって以下のように還元されて増加する。 3(MgO)+2[Al]=(Al23)+3[Mg] 3(MgO)+2[Re]=(RE23)+3[Mg]
【0005】一方、スラグ中のMgO成分は、造滓剤や
MgO系耐火物から供給される。また、耐火物の侵食防
止の観点から、スラグ中にMgOを意図的に存在させる
ことも多い。このため、MgO系耐火物容器を用いた通
常の溶製方法に従う限り、高Al含有鋼や希土類元素添
加鋼の溶鋼中のMg濃度が増加することは、ある程度避
けられない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高Al含有フェライト
系ステンレス鋼の溶鋼中のMg濃度増加を防止する手段
として、例えば特開平7−116779号公報には以下のよう
な方法が提案されている。CaO−CaF2−Al2
3系スラグを使用する方法。CaF2はスラグ中のMgO
溶解度を大幅に減少させる作用を呈する。精錬容器の
耐火物をアルミナ系耐火物でライニングする方法。これ
により耐火物からのMgOの溶出が避けられる。
【0007】しかし、上記の方法ではCaF2含有ス
ラグを使用するので、MgO系耐火物は著しい損傷を受
ける。そのためMgO系耐火物の精錬容器を用いた場合
は耐火物補修コストがかさみ、容器自体も劣化しやす
い。一方、上記の方法ではアルミナ系耐火物でライニ
ングするためのコストが高くつき、かつ、高Al鋼を溶
製する毎に特殊な容器を準備することは操業上の様々な
制約を招く。本発明は、従来法のこれらの欠点を解消
し、通常の精錬容器を用いて経済的に管状気泡のない健
全な高Al含有フェライト系ステンレス鋼の鋳造材が得
られる、実用性の高い溶製方法を提供することを目的と
する。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1の発明は、質量%で、C≦0.03%,Si≦
1.0%,Cr:15〜26%,Al:2〜6%,Ti:0〜0.5
%(無添加を含む)を含み、残部Feおよび不可避的不純
物からなる高Al含有フェライト系ステンレス鋼を、M
gO系耐火物で内張りされた精錬容器を用いて製造する
にあたり、溶鋼と接するスラグをCaF2が実質的に含
まれないCaO−MgO−Al23系とし、かつ鋼成分
調整後・鋳造前におけるスラグ組成が(質量%CaO)/
(質量%Al23)≦0.8となるようにコントロールす
る、精錬容器の耐火物溶損を抑えた製造性の良い高Al
含有フェライト系ステンレス鋼の溶製方法である。
【0009】ここで、「MgO系耐火物」とはMgOを
概ね50質量%以上含有する耐火物であり、例えば先述の
マグクロれんがやマグドロれんがはこれに該当する。
「CaF2が実質的に含まれない」とはCaF2を含まな
いようにスラグの組成がコントロールされている(注意
がはらわれている)ことを意味し、不可避的に不純物と
して混入するCaF2は概ね1質量%以下の範囲で許容
される。「鋼成分調整後・鋳造前」とは、精錬および成
分元素の添加を全て終え、鋳造が開始できる状態にある
時期をいう。
【0010】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、鋼成分調整後・鋳造前におけるスラグ組成が、Ca
O:25〜40質量%,MgO≦15質量%,(質量%CaO)
/(質量%Al23)≦0.8となるように、造滓剤の組成
および投入量をコントロールするものである。
【0011】請求項3の発明は、質量%で、C≦0.03
%,Si≦1.0%,Cr:15〜26%,Al:2〜6%,T
i:0〜0.5%(無添加を含む),希土類元素のうち1種ま
たは2種以上:合計で0.02〜0.12%を含み、残部Feお
よび不可避的不純物からなる高Al含有フェライト系ス
テンレス鋼を、MgO系耐火物で内張りされた精錬容器
を用いて製造するにあたり、溶鋼と接するスラグをCa
2が実質的に含まれないCaO−MgO−Al23
とし、かつ希土類元素添加時期におけるスラグ組成が
(質量%CaO)/(質量%Al23)≦0.8となるように
コントロールする、精錬容器の耐火物溶損を抑えた製造
性の良い高Al含有フェライト系ステンレス鋼の溶製方
法である。
【0012】ここで、希土類元素はY,La,Ce,N
d等である。「希土類元素添加時期」とは希土類元素を
溶鋼に添加する直前を意味し、複数回に分けて添加する
場合は最初の添加の直前である。希土類元素の添加方法
は特に問わない。一般的に溶鋼への希土類元素の添加
は、他の鋼成分を全て調整した後、鋳造前に行われるこ
とが多い。
【0013】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、希土類元素添加時期におけるスラグ組成が、Ca
O:25〜40質量%,MgO≦15質量%,(質量%CaO)
/(質量%Al23)≦0.8となるように、造滓剤の組成
および投入量をコントロールするものである。
【0014】請求項5の発明は、請求項1〜4の発明に
おいて、特に鋳造材中のMg濃度を0.014質量%以下に
するものである。
【0015】請求項6の発明は、精錬中、請求項1〜5
の発明において、精錬容器に設けられたガス吹き込み装
置から溶鋼中に不活性ガスを0.4〜20Nl/min・Tの供
給速度で吹き込んで溶鋼中のH(水素)濃度を低減し、
鋳造材中のH含有量を6質量ppm以下にするものである。
【0016】ここで、「精錬容器に設けられたガス吹き
込み装置」とは、例えばポーラスプラグ,羽口,ノズル
などが挙げれれる。「Nl/min・T」とは、溶鋼1T
(トン)あたりの標準状態でのガス供給速度である。
【0017】請求項7の発明は、請求項6の発明におい
て、特に不活性ガスがArである点を規定したものであ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は、高Al含有フェライト系
ステンレス鋼のスラブに気泡が発生しない限界のMg含
有量およびH含有量を調査した結果である。図1から、
Mg含有量が0.014質量%以下で、かつH含有量が6質量
ppm以下のスラブにおいて、気泡が見られないことがわ
かる。Mg含有量,H含有量がこれらの限界値を多少上
回った場合でも、そのスラブに気泡が少なければ熱延で
のヘゲ疵は大幅に減少するが、特にMg≦0.014質量、
かつH≦6質量ppmとしたとき、本系鋼に特有のヘゲ疵の
問題は生じない。
【0019】図2は、鋼中のAl含有量とMg含有量の
関係を調べたものである。この実験は、Fe−18〜21質
量%Cr鋼においてAl量を種々変化させた鋼をMgO
るつぼ中で溶解し、溶鋼温度を1600℃とし、溶鋼表面に
は(質量%CaO)/(質量%Al23)を0.6〜0.8に調整
したCaO−MgO−Al23系スラグを浮かべた状態
で所定時間保持したのち鋳造し、得られた鋳塊の成分を
分析したものである。図2から、Al含有量が6質量%
以下において、Mg≦0.014質量%のものが安定的に得
られることがわかる。
【0020】図3は、鋼中の希土類元素(Re)含有量
とMg含有量の関係を調べたものである。この実験は、
Fe−18〜21質量%Cr−5〜6質量%Al鋼において希
土類元素の合計含有量を種々変化させた鋼をMgOるつ
ぼ中で溶解し、図2の場合と同様に得られた鋳塊の成分
を分析したものである。図3から、希土類元素の合計含
有量が0.12質量%以下において、Mg≦0.014質量%の
ものが安定的に得られることがわかる。
【0021】図4は、MgOるつぼ中で溶解した高Al
含有フェライト系ステンレス鋼のMg含有量に及ぼす、
CaO−MgO−Al23系スラグの(質量%CaO)/
(質量%Al23)値の影響を調べた実験例である。この
実験は、Fe−20質量%Cr−5質量%Al鋼をMgO
るつぼ中で30kg溶解し、溶鋼温度を1600℃とし、(質量
%CaO)/(質量%Al23)値を種々に変化させたC
aO−MgO−Al23系スラグを溶鋼表面に浮かべ、
希土類元素としてLaを添加し、La添加後0min(添加
直後),3min,6minの溶鋼をサンプリングして、Mg濃
度を調べたものである。図4中、横軸のC/Aは(質量
%CaO)/(質量%Al23)値を表す。図4から、(質
量%CaO)/(質量%Al23)値が1.0以下になると鋼
中Mg濃度が急激に低下し、0.8以下において低い値に
安定する傾向がわかる。このようなMg濃度の急激な低
下が生じる理由としては、(質量%CaO)/(質量%A
23)値の低下により、スラグ中のMgO溶解度が小
さくなるとともにスラグの粘性が増加し、これらの特性
がある臨界点を境にして、スラグ中MgOの還元反応を
鈍らせるように作用するのではないかと推測される。な
お、この実験では鋼中Mg濃度が0.005質量%程度以下
の極めて低い値が得られているが、これは、実験上の都
合により高純度原料を使用したこと等によるものであ
る。
【0022】本発明では、希土類元素を添加しない場合
は「鋼成分調整後・鋳造前」の時点におけるスラグ組成
を規定する。この時点の溶鋼温度は、鋳造するのに最適
な温度に調整されており、鋼種毎にほぼ一定している。
このため、この時点でのスラグ組成を規定することでス
ラグ物性への温度の影響を実際上問題にする必要がな
く、現に、この時点でのスラグ組成を適正化することに
より気泡のない健全なスラブが得られる。本発明で規定
する範囲の鋼成分では、この時点の溶鋼温度は概ね1600
℃±15℃となる。
【0023】希土類元素を添加する場合は「希土類元素
添加時期」、すなわち、最初の希土類元素の添加直前に
おけるスラグ組成を規定する。希土類元素は極めて酸化
され易いため、鋼中に所望量を確実に歩留らせるには、
他の鋼成分調整後・鋳造前に添加するのが通常である。
上記のように、この時点の溶鋼温度はほぼ一定してお
り、現に、希土類元素添加直前のスラグ組成を適正化す
ることにより気泡のない健全なスラブが得られる。
【0024】上記の時点におけるスラグ組成は、(質量
%CaO)/(質量%Al23)≦0.8であることが必要で
あるが、具体的には特にCaO:25〜40質量%,MgO
≦15質量%とすることが望ましい。本発明では精錬容器
にMgO系耐火物を用いるので、スラグ中のMgO濃度
は耐火物から溶け出すMgOの影響を受ける。また、精
錬の進行に伴い、スラグ組成は変化する。上記時点にお
けるスラグ組成を規定範囲内に調整するには、耐火物の
溶出や精錬反応の影響を考慮しながら、精錬中などに投
入する造滓剤の組成および投入量をコントロールするこ
とが好ましい。
【0025】以上のようにスラグ組成を適正化すること
によって、鋼中のMg含有量を低減することができる
が、前述のように鋼中のH含有量を低減することも本系
鋼のヘゲ疵を防止するうえで非常に有効である。このた
め、精錬段階で積極的に溶鋼中のHを除去することが望
ましい。その方法として、溶鋼中に不活性ガスを吹き込
むことが効果的である。溶鋼中のHは、この吹き込みガ
スの気泡中に拡散されることにより除去される。実験の
結果、精錬容器に設けられたガス吹き込み装置から不活
性ガスを0.4Nl/min・T以上の供給速度で吹き込むこ
とにより、鋼中のH含有量を6質量ppm以下に低減できる
ことがわかった。不活性ガスの供給速度を大きくするこ
とによりHの除去速度は向上するが、過剰となると溶鋼
のスプラッシュが多くなり、溶鋼中のAl等が酸化され
るようになる。このため、不活性ガスの供給速度は20N
l/min・T以下とすることが望ましい。吹き込むガス
の種類は、Hの拡散・希釈に有効なガスならば利用可能
であるが、Al等の酸化を防止するためにAr等の不活
性ガスを用いることが好ましい。
【0026】本系鋼はHを吸収しやすい性質を有するの
で、用いる原料,材料の湿分管理に注意を払う必要があ
る。
【0027】次に、本発明で対象とする鋼の成分元素に
ついて説明する。 C:多すぎると鋼材の靭性が低下し、また高温で異常酸
化が生じやすくなるので、0.3質量%以下の含有量とす
る。
【0028】Si:耐高温酸化性に有効な元素である
が、多すぎると鋼材の靭性が低下するので、1.0質量%
以下の含有量とする。
【0029】Cr:耐高温酸化性に有効な基本的成分で
あり、燃焼排気系部材その他の高温用途において優れた
耐高温酸化性を得るために、15質量%以上の含有量とす
る。しかし、多すぎると鋼材の靭性が低下するので、26
質量%を上限とする。
【0030】Al:耐高温酸化性の改善に不可欠の元素
であり、上記Cr含有量のフェライト系ステンレス鋼に
おいて2質量%以上の含有でその効果を発現する。しか
し、多すぎると鋼中Mg濃度が増加し、製造性が著しく
劣化するので、6質量%を上限とする。
【0031】Ti:C,Nの固定に有効な元素である
が、過剰となると耐高温酸化性を損なうので、添加する
場合は0.5質量%以下の含有量になるようにする。
【0032】希土類元素:代表的なものとしてY,C
e,La,Nd等の元素が挙げられる。これらは異常酸
化の防止に極めて有効であり、異常酸化防止効果を発現
するうえでいずれもほぼ均等作用を有する。このため、
単独で用いてもよいし、複合で用いてもよい。異常酸化
防止効果は、希土類元素の合計含有量が0.02質量%以上
で発揮される。しかし、過剰となると鋼中Mg濃度の増
加を招き、製造性が著しく劣化するので、0.12質量%を
上限とする。
【0033】Mg:鋳塊中の気泡生成元素であり、ヘゲ
疵の原因になるので、0.014質量%以下に抑えることが
望ましい。
【0034】H:これも鋳塊中の気泡生成元素であり、
ヘゲ疵の原因になるので、6質量ppm以下に抑えることが
望ましい。
【0035】これらの元素の他に、不可避的不純物とし
て、例えば、Mn,Ni,P,S,Cu,Mo,N,O
などを含有してもよい。
【0036】
【実施例】〔実施例1〕真空誘導溶解炉を用い、Ar雰
囲気下で、底部にポーラスプラグを取り付けたMgOる
つぼ中で所定の組成のFe−Cr合金30kgを溶解し、C
aO−MgO−Al23系スラグ4.5kgを添加し、溶鋼
温度を1600℃に保持し、所定量のAl,Tiを添加し
た。希土類元素を添加する場合はAl,Ti添加の5分
後に所定量の希土類元素を添加し、3分間保持した後、
鋳造した。希土類元素を添加しない場合はAl,Ti添
加の5分後に鋳造した。なお、溶鋼中にポーラスプラグ
を通じて所定量のArガスを吹き込んだ。得られた鋳塊
の成分分析を行うとともに、鋳塊の縦断面にて気泡の生
成有無を調査した。表1に結果を示す。
【0037】
【表1】
【0038】鋼組成、およびスラグ組成とも本発明規定
範囲内としたものは、いずれも鋳塊中に気泡の生成が無
かった(No.1〜7)。これに対し、スラグの(質量%Ca
O)/(質量%Al23)値が0.8を超えるものは、Mg含
有量が0.014質量%を超え、気泡の発生が見られた(No.
9,10,14,15)。希土類元素の含有量が0.12質量%を超え
るものは、スラグ組成が適正であってもMg含有量が0.
014質量%を超え、気泡の発生が見られた(No.11)。A
l含有量が6質量%を超えるものも同様であった(No.1
2)。No.13だけが溶鋼中へのArガス供給速度が0.4N
l/min・Tに満たなかったものであるが、これは他の
条件が適正であったにもかかわらず、H含有量が6質量p
pmを超えて高くなり、気泡の発生が見られた。
【0039】〔実施例2〕VODプロセスで、20Cr−
5Al鋼(希土類元素添加)と18Cr−3Al鋼(希土類
元素無添加)をそれぞれ70トン溶製した。VOD鍋の内張
り耐火物はマグドロれんがであり、VODで仕上脱炭,
合金添加を行った後、連続鋳造法によりスラブ形状に鋳
造した。20Cr−5Al鋼では鋼成分調整後・鋳造前、1
8Cr−3Al鋼では希土類元素添加直前のスラグ組成
が、それぞれ本発明規定範囲になるように、造滓剤の組
成および投入量をコントロールした。スラグ成分として
CaF2は添加しなかった。VODでの精錬中、ポーラ
スプラグを通じて200Nl/min(2.9Nl/min・T)の
Arガスを溶鋼中に吹き込んだ。得られたスラブを温間
で表面から深さ5mmまで表面研削し、直ちに加熱炉に送
り、熱間圧延し、熱延鋼帯におけるヘゲ疵の有無を調べ
た。また、スラブを切り出したサンプルについて、気泡
の生成有無を調べた。その結果をスラグ組成とともに表
2に示す。
【0040】
【表2】
【0041】いずれのチャージも、スラブに気泡は無
く、ヘゲ疵も発生しなかった。また、使用した鍋の耐火
物の溶損は、通常のステンレス鋼精錬時の2〜3倍程度
に抑えられ、再使用が十分可能な状態であった。なお、
実施例2と同様の溶製を、15質量%のCaF2を添加し
たスラグを用いて試みた。その結果、鍋の内張りに使用
したマグドロれんがはスラグライン部での溶損が顕著で
あり、再使用に耐えない程度のダメージを受けた。
【0042】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、通常の
MgO系耐火物で内張りした精錬容器を用いて、ヘゲ疵
の発生しない高Al含有フェライト系ステンレス鋼が容
易に、かつ安定して製造できるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】高Al含有フェライト系ステンレス鋼の鋳塊中
の気泡生成に及ぼす、鋼中Mg含有量およびH含有量の
影響を表すグラフである。
【図2】高Al含有フェライト系ステンレス鋼の、鋼中
Al含有量とMg含有量の関係を表すグラフである。
【図3】高Al含有フェライト系ステンレス鋼の、鋼中
希土類元素含有量とMg含有量の関係を表すグラフであ
る。
【図4】高Al含有フェライト系ステンレス鋼の鋼中M
g濃度に及ぼす、スラグの(質量%CaO)/(質量%A
23)値の影響を表すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 38/28 C22C 38/28 (72)発明者 平松 直人 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社技術研究所内 (72)発明者 宮本 敏明 山口県新南陽市野村南町4976番地 日新製 鋼株式会社内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 質量%で、C≦0.03%,Si≦1.0%,
    Cr:15〜26%,Al:2〜6%,Ti:0〜0.5%(無添
    加を含む)を含み、残部Feおよび不可避的不純物から
    なる高Al含有フェライト系ステンレス鋼を、MgO系
    耐火物で内張りされた精錬容器を用いて製造するにあた
    り、溶鋼と接するスラグをCaF2が実質的に含まれな
    いCaO−MgO−Al23系とし、かつ鋼成分調整後
    ・鋳造前におけるスラグ組成が(質量%CaO)/(質量
    %Al23)≦0.8となるようにコントロールする、精錬
    容器の耐火物溶損を抑えた製造性の良い高Al含有フェ
    ライト系ステンレス鋼の溶製方法。
  2. 【請求項2】 鋼成分調整後・鋳造前におけるスラグ組
    成が、CaO:25〜40質量%,MgO≦15質量%,(質
    量%CaO)/(質量%Al23)≦0.8となるように、造
    滓剤の組成および投入量をコントロールする、請求項1
    に記載の高Al含有フェライト系ステンレス鋼の溶製方
    法。
  3. 【請求項3】 質量%で、C≦0.03%,Si≦1.0%,
    Cr:15〜26%,Al:2〜6%,Ti:0〜0.5%(無添
    加を含む),希土類元素のうち1種または2種以上:合
    計で0.02〜0.12%を含み、残部Feおよび不可避的不純
    物からなる高Al含有フェライト系ステンレス鋼を、M
    gO系耐火物で内張りされた精錬容器を用いて製造する
    にあたり、溶鋼と接するスラグをCaF2が実質的に含
    まれないCaO−MgO−Al23系とし、かつ希土類
    元素添加時期におけるスラグ組成が(質量%CaO)/
    (質量%Al23)≦0.8となるようにコントロールす
    る、精錬容器の耐火物溶損を抑えた製造性の良い高Al
    含有フェライト系ステンレス鋼の溶製方法。
  4. 【請求項4】 希土類元素添加時期におけるスラグ組成
    が、CaO:25〜40質量%,MgO≦15質量%,(質量
    %CaO)/(質量%Al23)≦0.8となるように、造滓
    剤の組成および投入量をコントロールする、請求項3に
    記載の高Al含有フェライト系ステンレス鋼の溶製方
    法。
  5. 【請求項5】 鋳造材中のMg濃度を0.014質量%以下
    にする、請求項1〜4に記載の高Al含有フェライト系
    ステンレス鋼の溶製方法。
  6. 【請求項6】 精錬中、精錬容器に設けられたガス吹き
    込み装置から溶鋼中に不活性ガスを0.4〜20Nl/min・
    Tの供給速度で吹き込んで溶鋼中のH濃度を低減し、鋳
    造材中のH含有量を6質量ppm以下にする、請求項1〜5
    に記載の高Al含有フェライト系ステンレス鋼の溶製方
    法。
  7. 【請求項7】 不活性ガスがArである請求項6に記載
    の高Al含有フェライト系ステンレス鋼の溶製方法。
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