JPH10168405A - 水分散系離型剤組成物 - Google Patents

水分散系離型剤組成物

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JPH10168405A
JPH10168405A JP8331247A JP33124796A JPH10168405A JP H10168405 A JPH10168405 A JP H10168405A JP 8331247 A JP8331247 A JP 8331247A JP 33124796 A JP33124796 A JP 33124796A JP H10168405 A JPH10168405 A JP H10168405A
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倫久 上田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な起泡抑制性や消泡性を有すると共に、
優れた離型性能や非移行性を発揮する水分散系離型剤組
成物を提供することを課題とする。 【解決手段】 アルキル基の炭素数が6〜30の長鎖ア
ルキル基を側鎖に有する有機離型剤が水に分散され、且
つ、疎水性シリカ微粒子が添加されていることを特徴と
する水分散系離型剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水分散系離型剤組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、粘着テープ、粘着ラベル等は、
使用する時まで、粘着層を保護する目的で、保護シート
が貼り付けられ、使用する時に剥離される。従って、保
護シートは粘着層から容易に剥離できることが必要であ
り、保護シートと粘着層との間の粘着力が強すぎるのは
好ましくない。かかる観点より、保護シートと粘着層と
の剥離を容易にする目的で、通常、保護シートの粘着層
との接触面には、離型剤が塗工されている。
【0003】上記離型剤の役割として、粘着層の保護と
粘着剤からの剥離を容易にすること以外に、剥離する時
に、離型剤層が凝集破壊して粘着層に移行し、粘着層の
粘着力を低下させない性能、所謂、非移行性が要求され
る。又、この非移行性は、時間が経過しても、温度が高
い状態が続いても、実質的に変化しないことが要求され
る。
【0004】離型剤としては、一般的に、ポリオルガノ
シロキサンからなるシリコーン系離型剤、ポリビニルア
ルコールの長鎖アルキル変性物、ポリエチレンイミンの
長鎖アルキル変性物等が用いられており、これらは、通
常、有機溶剤を溶媒とする溶液の形態で使用される。
【0005】しかし、近年、安全環境上の問題から、無
溶剤化が推進されており、水を溶媒とする水分散系離型
剤や加熱溶融して用いるホットメルト型離型剤、ラジカ
ル重合、カチオン重合、重縮合反応等により離型性モノ
マーを硬化させるモノマー型離型剤等の各種離型剤が検
討されている。
【0006】上記ホットメルト型離型剤やモノマー型離
型剤は、基材上に薄く均一に塗工することが困難である
ため、水分散系離型剤が強く要求されており、種々の提
案が成されている。例えば、特開平3−86778号公
報には、ポリビニルアルコール、ポリアリルアルコール
もしくはその変性物とアルキルイソシアネートを反応さ
せることによって得られる長鎖アルキルグラフトポリマ
ーを後乳化することによって得られる水分散体を用いる
ことを特徴とする水系離型剤が開示されている。又、特
開平6−73351号公報には、ポリビニルアルコール
やポリエチレンイミンなどに長鎖アルキルイソシアネー
トを反応させ、これらの変性物を、界面活性剤と共に、
水に溶解もしくは分散させて得られる離型剤が開示され
ている。
【0007】しかし、上記提案にあるような従来の水分
散系離型剤は、希釈時や塗工時に泡の発生(起泡)が激
しく、容器から泡が横溢したり、泡により塗工面があれ
て均一な塗工面を得られ難い等の問題点がある。
【0008】上記起泡による問題点に対応するため、水
分散系離型剤に消泡剤を添加することが一般的に行われ
ている。上記消泡剤としては、植物油、鉱物油、脂肪
酸、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シ
リコーン系界面活性剤、アルコール等が通常使用され
る。
【0009】しかし、一般的に、消泡剤は少量の添加で
は消泡効果が乏しく、消泡効果が得られるほどの量を添
加すると、水分散系離型剤の離型性能に悪影響を及ぼし
たり、特にアルコールの場合は水分散系離型剤の貯蔵安
定性が低下する等、消泡剤添加に伴う問題点があり、起
泡が少なく、しかも優れた離型性能を有する水分散系離
型剤は実用化されていないのが現状である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題点を解決するため、良好な起泡抑制性や消泡性を有
すると共に、優れた離型性能や非移行性を発揮する水分
散系離型剤組成物を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明による水分散系離
型剤組成物は、アルキル基の炭素数が6〜30の長鎖ア
ルキル基を側鎖に有する有機離型剤が水に分散され、且
つ、疎水性シリカ微粒子が添加されていることを特徴と
する。
【0012】本発明による水分散系離型剤組成物を構成
するアルキル基の炭素数が6〜30の長鎖アルキル基を
側鎖に有する有機離型剤とは、アルキル基の炭素数が6
〜30の長鎖アルキル基(以下、単に「長鎖アルキル
基」と記す)を側鎖に有する高分子化合物であって、特
に限定されるものではないが、例えば、(1)長鎖アル
キル基を含有するビニルモノマーの(共)重合体、
(2)カルボキシル基を含有するビニルモノマーの共重
合体の長鎖アルキル変性体、(3)水酸基を含有するビ
ニルモノマーの(共)重合体の長鎖アルキル変性体、
(4)活性水素を含有するポリアミン化合物の長鎖アル
キル変性体等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以
上が好適に用いられる。尚、ここで言う「(共)重合
体」とは「重合体」もしくは「共重合体」を意味する。
【0013】上記長鎖アルキル基の炭素数が6未満であ
ると、得られる有機離型剤の離型性能が不十分となり、
逆に長鎖アルキル基の炭素数が30を超えると、ビニル
モノマーの(共)重合体やポリアミン化合物と長鎖アル
キル基を含有する化合物との反応性が低下する。
【0014】以下、これらの有機離型剤(1)〜(4)
を、順次、説明する。
【0015】(1)長鎖アルキル基を含有するビニルモ
ノマーの(共)重合体 長鎖アルキル基を含有するビニルモノマーの(共)重合
体とは、炭素数6〜30の長鎖アルキル基を含有するビ
ニルモノマーの(共)重合体を意味し、特に限定される
ものではないが、例えば、オクチルメタアクリレート、
ステアリルアクリレート等の長鎖アルキル(メタ)アク
リレートの(共)重合体;ビニルオクチレート、ビニル
ステアレート等の長鎖アルキルビニルエステルの(共)
重合体;ビニルステアリルエーテル等の長鎖アルキルビ
ニルエーテルの(共)重合体;ステアリルアクリルアマ
イド等の長鎖アルキル(メタ)アクリルアマイドの
(共)重合体;マレイン酸モノステアレート等のマレイ
ン酸の長鎖アルキル誘導体の(共)重合体;アリルステ
アレート等の長鎖アルキルアリルエステルの(共)重合
体等が挙げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適
に用いられる。尚、ここで言う「(メタ)アクリレー
ト」とは、「アクリレート」もしくは「メタクリレー
ト」を意味する。
【0016】これらの(共)重合体は、長鎖アルキル基
を含有するビニルモノマーを50モル%以上含有してい
ることが好ましく、50モル%未満であると、得られる
有機離型剤の離型性能が不十分となる。
【0017】上記長鎖アルキル基を含有するビニルモノ
マーと共重合されるビニルモノマーとしては、特に限定
されるものではないが、エチレン、スチレン、メチルア
クリレート、ブチルアクリレート、酢酸ビニル、アクリ
ロニトリル等の通常のビニルモノマーが挙げられ、長鎖
アルキル基を含有するビニルモノマーも含め、得られる
共重合体を構成するビニルモノマーが2種類以上であっ
ても、本発明を何ら制限するものではない。
【0018】上記(1)の有機離型剤の合成方法は、通
常のビニルモノマーの(共)重合の場合と同様で良く、
得られる(共)重合体は、主鎖である高分子の側鎖に長
鎖アルキル基が多数結合しており、そのまま有機離型剤
として使用される。
【0019】(2)カルボキシル基を含有するビニルモ
ノマーの共重合体の長鎖アルキル変性体 カルボキシル基を含有するビニルモノマーの共重合体と
しては、特に限定されるものではないが、例えば、(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等からなる群
より選択される少なくとも1種のカルボキシル基を含有
するビニルモノマー50モル%以上と、エチレン、スチ
レン、メチル(メタ)アクリレート、酢酸ビニル、ブチ
ルアクリレート等からなる群より選択される少なくとも
1種の通常のビニルモノマーとの共重合体が挙げられ、
具体的には、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン
−マレイン酸共重合体、ブチルアクリレート−アクリル
酸−マレイン酸共重合体等が挙げられ、これらの1種も
しくは2種以上が好適に用いられる。
【0020】カルボキシル基を含有するビニルモノマー
の共重合体の長鎖アルキル変性体とは、カルボキシル基
と反応する官能基を有する長鎖アルキル化合物を変性剤
として、上記共重合体のカルボキシル基と反応させて、
側鎖に長鎖アルキル基を多数結合させた有機離型剤を意
味する。
【0021】上記長鎖アルキル化合物による共重合体の
変性量は、特に限定されるものではないが、共重合体に
含有されるカルボキシル基1当量に対し、カルボキシル
基と反応する長鎖アルキル化合物を官能基換算で0.5
当量以上反応させることが好ましく、0.5当量未満で
あると、得られる有機離型剤の離型性能が不十分とな
る。
【0022】共重合体に含有されるカルボキシル基と反
応する長鎖アルキル化合物としては、特に限定されるも
のではないが、例えば、オクチルアミン、オクチルメチ
ルアミン、ステアリルアミン等のアミン類;オクチルア
ルコール、ステアリルアルコール等のアルコール類;オ
クチルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテ
ル等のエポキシ類;ヘキシルイソシアネート、オクチル
イソシアネート、ドデシルイソシアネート等のイソシア
ネート類;オクチルケテンダイマー、ドデシルケテンダ
イマー、オクタデシルケテンダイマー、ドコサニルケテ
ンダイマー等のケテン類;オクチルオキサゾリン、ステ
アリルオキサゾリン等のアルキルオキサゾリン類等が挙
げられ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いら
れる。
【0023】(3)水酸基を含有するビニルモノマーの
(共)重合体の長鎖アルキル変性体 水酸基を含有するビニルモノマーの(共)重合体として
は、特に限定されるものではないが、例えば、酢酸ビニ
ル重合体の鹸化物、ポリビニルアルコール、ポリアリル
アルコール、エチレン−酢酸ビニル共重合体の鹸化物、
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートとアルキル
アクリレート等のビニルモノマーとの共重合体等が挙げ
られ、これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられ
る。
【0024】上記水酸基を含有するビニルモノマーは5
0モル%以上が(共)重合体に含有されていることが好
ましく、50モル%未満では、長鎖アルキル化合物を側
鎖に反応させた場合、得られる有機離型剤の離型性能が
不十分となる。
【0025】水酸基を含有するビニルモノマーの(共)
重合体の長鎖アルキル変性体とは、イソシアネート基、
カルボキシル基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド
基及びエポキシ基からなる群より選択される、水酸基と
反応し得る少なくとも1種の官能基を有し、アルキル基
の炭素数が6〜30の長鎖アルキル化合物を、上記水酸
基を含有するビニルモノマーの(共)重合体の水酸基と
反応させて得られる、側鎖に長鎖アルキル基を有する有
機離型剤を意味する。
【0026】上記長鎖アルキル化合物としては、特に限
定されるものではないが、ヘキシルイソシアネート、オ
クチルイソシアネート、ドデシルイソシアネート、オク
タデシルイソシアネート、ドコサニルイソシアネート等
のイソシアネート基を有する化合物;オクタン酸、ドデ
カン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸等のカルボキシル
基を有する化合物;オクタノイルクロライド、ドデカノ
イルクロライド、オクタデカノイルクロライド、オクタ
デシロイルクロライド、ドコサノイルクロライド等ノ酸
ハライド基を有する化合物;オクチルケテンダイマー、
ドデシルケテンダイマー、オクタデシルケテンダイマ
ー、ドコサニルケテンダイマー等のケテン基を有する化
合物;ヘキシルアルデヒド、オクチルアルデヒド、ドデ
シルアルデヒド、オクタデシルアルデヒド、ドコサニル
アルデヒド等のアルデヒド基を有する化合物;オクチル
グリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエーテル、オ
クタデシルグリシジルエーテル、ドコサニルグリシジル
エーテル等のエポキシ基を有する化合物等が挙げられ、
これらの1種もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0027】上記長鎖アルキル化合物による(共)重合
体の変性量は、特に限定されるものではないが、(共)
重合体に含有される水酸基1当量に対し、水酸基と反応
する長鎖アルキル化合物を官能基換算で0.5当量以上
反応させることが好ましく、0.5当量未満であると、
得られる有機離型剤の離型性能が不十分となる。
【0028】上述した(1)〜(3)の有機離型剤の合
成に用いられる(共)重合体の重合度は、特に限定され
るものではないが、300〜5000であることが好ま
しく、800〜2500であることがより好ましい。
(共)重合体の重合度が300未満であると、得られる
有機離型剤の離型性能が不十分となり、逆に(共)重合
体の重合度が5000を超えると、得られる有機離型剤
の水への分散が困難となり、水分散系離型剤組成物の塗
工性が低下する。
【0029】(4)活性水素を含有するポリアミン化合
物の長鎖アルキル変性体 活性水素を含有するポリアミン化合物とは、第1級アミ
ノ基(−NH2 )及び/又は第2級アミノ基(−NH
−)を含有するポリアミン化合物を意味し、活性水素と
は、アミノ基の窒素原子に直接結合している水素原子、
又は、該アミノ基によって活性が誘起されるα位の水素
原子を意味する。
【0030】従って、活性水素を含有するアミノ基は、
ポリアミン化合物の主鎖、側鎖いずれに含まれていても
良い。又、上記ポリアミン化合物には、アミノ基以外に
由来する活性水素(例えば、−OH、−SH、−COO
H等に由来する活性水素等)が含まれていても良い
【0031】上記活性水素を含有するポリアミン化合物
としては、特に限定されるものではないが、例えば、ポ
リエチレンイミン、ポリプロピレンイミン等のポリアル
キレンイミン;ジエチレントリアミン、トリエチレンテ
トラミン、ペンタエチレンヘキサミン、エチレンジアミ
ンなどのアルキル多価アミンとエピクロルヒドリンとの
縮合物等のポリアルキレンポリアミン;アリルアミンの
単独重合体;エチレン、プロピレンなどのオレフィン、
ブチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸アルキル
エステル、(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリル
酸、マレイン酸などの不飽和カルボン酸もしくはその無
水物、ビニルホスホン酸、ビニルピロリドン、アリルア
ルコールなどのビニルモノマーとアリルアミンとの共重
合体;これらのポリアミン化合物にアルキレンオキサイ
ドを開環付加させた化合物;さらに、これらのポリアミ
ン化合物をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに
マイケル付加させた化合物等が挙げられ、これらの1種
もしくは2種以上が好適に用いられる。
【0032】上記ポリアミン化合物の数平均分子量は、
特に限定されるものではないが、500〜100000
0であることが好ましく、1000〜500000であ
ることがより好ましい。ポリアミン化合物の数平均分子
量が500未満であると、得られる有機離型剤の離型性
能が不十分となり、逆に1000000を超えると、得
られる有機離型剤の水への分散が困難となり、水分散系
離型剤組成物の塗工性が低下する。
【0033】活性水素を含有するポリアミン化合物の長
鎖アルキル変性体とは、活性水素と反応する官能基を有
する長鎖アルキル化合物を変性剤として、上記ポリアミ
ン化合物の活性水素と反応させて、側鎖に長鎖アルキル
基を多数結合させた有機離型剤を意味する。
【0034】上記長鎖アルキル化合物によるポリアミン
化合物の変性量は、特に限定されるものではないが、ポ
リアミン化合物に含有される活性水素1当量に対し、活
性水素と反応する長鎖アルキル化合物を官能基換算で
0.5当量以上反応させることが好ましく、0.5当量
未満であると、得られる有機離型剤の離型性能が不十分
となる。
【0035】上述した(1)〜(4)の有機離型剤のな
かでも、本発明においては(3)水酸基を含有するビニ
ルモノマーの(共)重合体の長鎖アルキル変性体がより
好ましく用いられる。
【0036】本発明による水分散系離型剤組成物を構成
する疎水性シリカ微粒子とは、シリカ(SiO2 )の表
面にシラノール基(Si−OH)が残存した親水性シリ
カ微粒子を、トリフルオロアルキルアルコール等でトリ
フルオロアルキル化したり、アルキルアルコキシシラン
等でアルキル化して、表面を疎水化したシリカ微粒子で
ある。
【0037】親水性シリカ微粒子は、コロイダルシリカ
(pHを調節したコロイド状態の無水珪酸超微粒子)か
らや、四塩化珪素を酸素もしくは水素の炎中で加水分解
して得られる。
【0038】本発明による水分散系離型剤組成物におい
ては、主成分である前述の有機離型剤に対し、上記疎水
性シリカ微粒子を添加することにより、優れた起泡抑制
効果や消泡効果を得ることが出来る。
【0039】上記疎水性シリカ微粒子添加による効果
は、起泡が生じても、疎水性シリカ微粒子が泡の液壁に
容易に付着し、付着することにより泡の液壁を容易に破
る、即ち、容易に破泡させることにより得られるものと
思考される。
【0040】上記疎水性シリカ微粒子の1次粒子径は、
特に限定されるものではないが、1nm〜10μmであ
ることが好ましい。疎水性シリカ微粒子の1次粒子径が
1nm未満であると、十分な起泡抑制効果や消泡効果を
得られず、逆に10μmを超えると、水分散系離型剤組
成物中で沈殿したり、水分散系離型剤組成物を塗工する
時に塗工ムラを生じ易くなる。
【0041】又、水分散系離型剤組成物中における上記
疎水性シリカ微粒子の添加量は、特に限定されるもので
はないが、0.0001〜1重量%であることが好まし
い。疎水性シリカ微粒子の添加量が0.0001重量%
未満であると、十分な起泡抑制効果や消泡効果を得られ
ず、逆に1重量%を超えると、水分散系離型剤組成物を
塗工して得られる離型剤層の離型性能が低下する。
【0042】本発明による水分散系離型剤組成物の製造
方法としては、特に限定されるものではないが、例え
ば、有機離型剤を予め加熱溶融し、この加熱溶融物と水
とを、例えば加圧ニーダー、コロイドミル、高速攪拌シ
ャフト等の従来公知の混合機を用いて、高剪断力をかけ
て均一に乳化分散させた後、疎水性シリカ微粒子を添加
し、均一に攪拌混合して所望の水分散系離型剤組成物を
得る方法(高圧乳化法)や、有機離型剤を予め有機溶剤
に溶解し、この溶液と水とを、例えば高速乳化機を用い
て、高剪断力をかけて均一に乳化分散させた後、有機溶
剤の除去前もしくは除去後に、疎水性シリカ微粒子を添
加し、均一に攪拌混合して所望の水分散系離型剤組成物
を得る方法(溶剤溶解法)等が挙げられ、いずれの方法
も好適に採用されるが、なかでも有機溶剤の除去が不要
で工程の簡略な高圧乳化法がより好適に採用される。
【0043】上記水分散系離型剤組成物の製造工程にお
いて、疎水性シリカ微粒子は、予め添加混合しておいて
も良いが、より優れた起泡抑制効果や消泡効果を得るた
めには、水分散系離型剤組成物を使用する直前に添加混
合することが好ましい。水分散系離型剤組成物に疎水性
シリカ微粒子を予め添加混合しておくと、乳化分散され
た有機離型剤の微粒子中に疎水性シリカ微粒子が取り込
まれて、起泡抑制効果や消泡効果が低下することがあ
る。
【0044】又、上記疎水性シリカ微粒子は、水分散系
離型剤組成物中に直接添加混合しても良いが、より良好
な分散性を得るためには、疎水性シリカ微粒子を予めケ
ロシン、スピンドル油、流動パラフィン等の鉱物油やア
ニオン系、ノニオン系、シリコーン系等の界面活性剤等
に分散させた状態で、水分散系離型剤組成物中に添加混
合することが好ましい。
【0045】上記高圧乳化法もしくは溶剤溶解法のいず
れの方法においても、有機離型剤と水との混合割合は、
特に限定されるものではないが、有機離型剤5〜50重
量%、水95〜50重量%であることが好ましい。有機
離型剤の混合割合が5重量%未満であると、乳化分散時
の剪断効果が減殺されて製造効率が低下し、逆に有機離
型剤の混合割合が50重量%を超えると、粘度が高くな
り過ぎて均一な乳化分散を行うことが困難となる。
【0046】又、上記で得られた本発明による水分散系
離型剤組成物は、貯蔵安定性等が損なわれない範囲で必
要に応じて、水で希釈されていても良い。
【0047】本発明による水分散系離型剤組成物には、
必須成分である有機離型剤及び疎水性シリカ微粒子以外
に、本発明の課題達成を阻害しない範囲で必要に応じ
て、脂肪酸もしくはその金属塩、酸変性ポリオレフィン
(共)重合体、低分子界面活性剤、高分子界面活性剤、
軟化剤、可塑剤、充填剤、顔料、染料、ワックス類、導
電化剤、架橋剤、消泡剤、溶剤等の各種添加剤の1種も
しくは2種以上が含有されていても良い。
【0048】本発明による水分散系離型剤組成物の使用
方法は、特に限定されるものではないが、ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリエステル、セロファン等のフ
ィルム類、上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン
紙等の紙類、含浸紙、プラスチックコート紙等の目止め
処理を施した紙類、不織布、布等の布類等から成る基材
上に、ロールコーター、グラビアコーター、メイヤーバ
ーコーター、リップコーター等の従来公知の塗工装置を
用いて、水分散系離型剤組成物を塗工し、乾燥すること
により所望の塗工品を得れば良い。尚、上記基材には、
乾燥後に形成される離型剤組成物層との密着性を高める
ために、予め、コロナ処理、プラズマ処理、プライマー
処理等の表面処理が施されていても良い。
【0049】基材に対する水分散系離型剤組成物の塗工
量は、特に限定されるものではないが、乾燥後の重量で
0.01〜5g/m2 であることが好ましい。上記塗工
量が0.01g/m2 未満であると、十分な離型性能を
得られず、逆に5g/m2 を超えると、離型剤層の非移
行性が低下する。
【0050】本発明による水分散系離型剤組成物は、ア
ルキル基の炭素数が6〜30の長鎖アルキル基を側鎖に
有する有機離型剤を主成分とし、これに疎水性シリカ微
粒子が添加されているので、良好な起泡抑制性や消泡性
を有すると共に、優れた離型性能や非移行性を発揮す
る。
【0051】
【発明の実施の形態】本発明をさらに詳しく説明するた
め以下に実施例を挙げるが、本発明はこれら実施例に限
定されるものではない。
【0052】
【実施例】
【0053】1.有機離型剤の合成 以下に示す方法で3種類の有機離型剤を合成した。有機離型剤(R−1) 攪拌機、冷却器、滴下漏斗及び温度計を備えた反応容器
中に、脱水したキシレン50gを投入した後、酢酸ビニ
ル(共)重合体として、鹸化された酢酸ビニル重合体
〔ポリビニルアルコール(重合度1100、鹸化度98
モル%)〕10gを加えて均一に分散させた。次いで、
還流温度で、長鎖アルキル化合物として、オクタデシル
イソシアネート67g(水酸基に対する官能基量1当
量)、及び、反応触媒として、ジラウリン酸ジブチル錫
0.01gを加え、上記ポリビニルアルコールと反応さ
せた。反応が進行し、ポリビニルアルコールの粉末が完
全に消失した後、さらに2時間反応を継続した。反応終
了後、40℃まで冷却し、反応溶液を1000gのメタ
ノール中に注いで、白色沈殿物を得た。得られた白色沈
殿物をメタノール、次いで、n−ヘキサンで洗浄した
後、乾燥して、有機離型剤(R−1)を得た。
【0054】有機離型剤(R−2) 酢酸ビニル(共)重合体として、ポリビニルアルコール
の代わりに、鹸化されたエチレン−酢酸ビニル共重合体
〔エチレン−ビニルアルコール共重合体(重合度150
0、鹸化度69モル%、エチレン共重合比30モル
%)〕10gを使用し、オクタデシルイソシアネートの
使用量を57g(水酸基に対する官能基量1当量)とし
たこと以外はと同様にして、有機離型剤(R−2)を
得た。尚、ここで言う鹸化度は、ビニルアルコール共重
合比を意味する。
【0055】有機離型剤(R−3) 攪拌機、冷却器、滴下漏斗及び温度計を備えた反応容器
中に、脱水したピリジン300gを投入した後、酢酸ビ
ニル(共)重合体として、エチレン−ビニルアルコール
共重合体(重合度1500、鹸化度69モル%、エチレ
ン共重合比30モル%)10gを加えて均一に分散させ
た。次いで、80℃で、長鎖アルキル化合物として、オ
クタデシロイルクロライド80g(水酸基に対する官能
基量1当量)を加え、上記エチレン−ビニルアルコール
共重合体と反応させた。反応が進行し、エチレン−ビニ
ルアルコール共重合体の粉末が完全に消失した後、さら
に2時間反応を継続した。反応終了後、40℃まで冷却
し、反応溶液を1500gのメタノール中に注いで、白
色沈殿物を得た。得られた白色沈殿物をメタノール、次
いで、n−ヘキサンで洗浄した後、乾燥して、有機離型
剤(R−3)を得た。
【0056】2.疎水性シリカ微粒子溶液の調製 以下に示す3種類の疎水性シリカ微粒子溶液を調製し
た。 (イ) 疎水性シリカ微粒子溶液(S−1) 疎水性シリカ微粒子(メチル化品、1次粒径0.5μ
m)2重量%とトリデカン98重量%の混合溶液 (ロ) 疎水性シリカ微粒子溶液(S−2) 疎水性シリカ微粒子(メチル化品、1次粒径0.01μ
m)2重量%とトリデカン98重量%の混合溶液 (ハ) 疎水性シリカ微粒子溶液(S−3) 疎水性シリカ微粒子(メチル化品、1次粒径0.5μ
m)2重量%と界面活性剤(ポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテル、商品名「エマルゲン903」、HL
B7.8、花王社製)98重量%の混合溶液
【0057】3.消泡剤の準備 以下に示す3種類の消泡剤を準備した。 (x) 消泡剤(DF−1) 界面活性剤「エマルゲン903」 (y) 消泡剤(DF−2) トリデカン (z) 消泡剤(DF−3) ジメチルポリシロキサン(商品名「KS604」、信越
化学社製)
【0058】(実施例1)
【0059】(1)水分散系離型剤組成物の作製 有機離型剤の合成で得られた有機離型剤(R−1)1
35g、高分子界面活性剤(カルボン酸型ビニル重合体
のナトリウム塩、重量平均分子量4000)49g、ワ
ックス(モノステアリル尿素、融点100℃)5g及び
トリデカン15gから成る離型剤組成物を95℃で溶融
し、攪拌速度500rpmで10分間攪拌・混合した。
次に、高圧式乳化機中で、得られた溶融混合物を攪拌速
度1000rpmで攪拌しながら、100℃に加熱・加
圧された界面活性剤水溶液〔ソルビタンモノステアレー
ト(重量平均分子量430)1g+水49g〕50gを
ゆっくり滴下し、離型剤組成物中に水を分散させ、W/
O型の水分散系離型剤組成物を得た。その後、攪拌速度
を5000rpmに上げ、水745gを順次滴下して転
相乳化を行い、O/W型の水分散系離型剤組成物の原液
(A)を得た。次いで、得られた原液(A)を有機離型
剤含有量が2重量%となるように、水(基材への濡れ性
向上のため、ジオクチルスルホ琥珀酸0.04重量%含
有)で希釈した後、疎水性シリカ微粒子溶液(S−1)
1gを添加し、均一に攪拌混合して、塗工可能な状態に
ある水分散系離型剤組成物の希釈液(B)を作製した。
【0060】(2)離型シートの製造 上記で得られた水分散系離型剤組成物の希釈液(B)
を、ポリエチレン加工紙(坪量75g/m2 のクルパッ
ククラフト紙にポリエチレンを厚み20μmで押出しラ
ミネートし、ポリエチレン面を44dyn/cmの条件
でコロナ処理したもの)のポリエチレン面上に、#6の
メイヤーバーコーターを用いて、塗布量10g/m
2 (wet)、0.2g/m2 (dry)となるように
塗工した。次いで、水分散系離型剤組成物の希釈液
(B)が塗工されたポリエチレン加工紙を、炉長1m、
温度120℃の乾燥炉中をライン速度2m/分で通し、
水分散系離型剤組成物の希釈液(B)を乾燥・造膜させ
て、離型シートを製造した。
【0061】(3)評価 上記で得られた水分散系離型剤組成物及び離型シートの
性能〔(a)平均粒子径、(b)貯蔵安定性、(c)消泡性、(d)
展開力、(e)残存接着力〕を以下の方法で評価した。そ
の結果は表1に示すとおりであった。
【0062】(a)平均粒子径:水分散系離型剤組成物の
原液(A)を所定濃度になるまで水で希釈し、レーザー
回折散乱式粒度分布計(型式「9220FRA」、MI
CROTRAC社製)を用いて、体積平均粒子径(μ
m)を測定した。
【0063】(b)貯蔵安定性:水分散系離型剤組成物の
原液(A)を固形分が1重量%となるようにイオン交換
水で希釈し、23℃で72時間放置した後、沈殿、凝
集、相分離等の有無を目視で観察し、下記判定基準で貯
蔵安定性を評価した。
【判定基準】
○‥‥沈殿、凝集、相分離のいずれも認められず、貯蔵
安定性良好 △‥‥沈殿、凝集、相分離が認められ、貯蔵安定性不十
分 ×‥‥乳化分散直後に凝集が発生し、水分散系離型剤組
成物を得られなかった
【0064】(c)消泡性:水分散系離型剤組成物の希釈
液(B)を、試験管(直径10mm、高さ10cm)
に、底面からの液面の高さが5cmとなるように入れた
後、試験管の口をパラフィルムで覆い、手で20秒間
(往復50振り以上)激しく振って、30秒後及び5分
後の液面からの泡の高さ(mm)を測定した。泡の高さ
が0mmに近づく時間が速いほど消泡性に優れているこ
と示す。
【0065】(d)展開力:JIS Z−0237「粘着
テープ・粘着シート試験方法」に準拠し、離型シートの
離型剤組成物塗工面に、幅25mmに切断された粘着テ
ープ(商品名「クラフトテープ#504」、積水化学工
業社製)を圧着ローラーで貼り付けて試験片を作製し、
23℃−65%RHの雰囲気下に24時間放置した。そ
の後、同雰囲気下で、高速剥離試験機を用い、10m/
分の剥離速度で、180度引き剥がし試験を行い、展開
力(g/25mm)を求めた。展開力が低いほど離型剤
組成物の離型性が優れていることを示す。
【0066】(e)残存接着力:(d)展開力の場合と同様の
方法で作製した試験片を23℃−65%RHの雰囲気下
に24時間放置した後、粘着テープを離型シートから剥
離した。次いで、JIS Z−0237に準拠し、剥離
された粘着テープをステンレス板に圧着ローラーで貼り
付け、23℃−65%RHの雰囲気下に24時間放置し
た後、同雰囲気下で、300mm/分の剥離速度で、1
80度引き剥がし試験を行い、剥離強度P(g/25m
m)を測定した。
【0067】別途、離型シートに貼り付けなかった粘着
テープを用い、同様にしてステンレス板に貼り付け、同
様の条件で剥離強度を測定したところ、2010(g/
25mm)であった。 両方の剥離強度の比〔(P/2
010)×100〕を算出し、残存接着力(%)を求め
た。残存接着力が100%に近いほど粘着剤層に対する
離型剤組成物の移行量が少なく、非移行性に優れている
ことを示す。
【0068】(実施例2〜9)
【0069】水分散系離型剤組成物の配合組成を表1に
示す配合組成としたこと以外は実施例1と同様にして、
8種類の水分散系離型剤組成物を作製した。次いで、得
られた8種類の水分散系離型剤組成物を用い、実施例1
と同様にして、8種類の離型シートを製造した。
【0070】上記で得られた8種類の水分散系離型剤組
成物及び離型シートの性能を実施例1と同様の方法で評
価した。その結果は表1に示すとおりであった。
【0071】(比較例1〜9)水分散系離型剤組成物の
配合組成を表2に示す配合組成としたこと以外は実施例
1と同様にして、9種類の水分散系離型剤組成物を作製
した。次いで、得られた9種類の水分散系離型剤組成物
を用い、実施例1と同様にして、9種類の離型シートを
製造した。
【0072】上記で得られた9種類の水分散系離型剤組
成物及び離型シートの性能を実施例1と同様の方法で評
価した。その結果は表2に示すとおりであった。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】表1に示されるように、疎水性シリカ微粒
子を添加した本発明による実施例1〜9の水分散系離型
剤組成物は、良好な消泡性を有すると共に、優れた離型
性能や非移行性を発揮する。
【0076】これに対し、表2に示されるように、疎水
性シリカ微粒子も消泡剤も添加していない比較例1、2
及び比較例6〜9の水分散系離型剤組成物は、消泡性が
著しく劣ると共に、離型性能もやや劣る。又、疎水性シ
リカ微粒子は添加していないが消泡剤を添加した比較例
3〜5の水分散系離型剤組成物も、消泡性や非移行性が
劣る。
【0077】
【発明の効果】以上述べたように、本発明による水分散
系離型剤組成物は、良好な起泡抑制性や消泡性を有する
と共に、優れた離型性能や非移行性を発揮するので、主
として粘着テープ、粘着シート、粘着ラベル等の粘着加
工品を対象とする離型シート用等として好適に用いられ
る。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル基の炭素数が6〜30の長鎖ア
    ルキル基を側鎖に有する有機離型剤が水に分散され、且
    つ、疎水性シリカ微粒子が添加されていることを特徴と
    する水分散系離型剤組成物。
  2. 【請求項2】 有機離型剤が、重合度300〜500
    0、鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル(共)重合体の
    水酸基1当量に対し、イソシアネート基、カルボキシル
    基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基及びエポキ
    シ基からなる群より選択される、水酸基と反応し得る少
    なくとも1種の官能基を有し、アルキル基の炭素数が6
    〜30の長鎖アルキル化合物を官能基換算で0.5当量
    以上の割合で反応させて得られる有機ポリマーであるこ
    とを特徴とする請求項1記載の水分散系離型剤組成物。
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