JPH11172106A - 水分散系離型剤 - Google Patents

水分散系離型剤

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JPH11172106A
JPH11172106A JP34549297A JP34549297A JPH11172106A JP H11172106 A JPH11172106 A JP H11172106A JP 34549297 A JP34549297 A JP 34549297A JP 34549297 A JP34549297 A JP 34549297A JP H11172106 A JPH11172106 A JP H11172106A
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JP
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acid
group
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JP34549297A
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English (en)
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Tsunehisa Ueda
倫久 上田
Ikusuke Shimizu
郁輔 清水
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速剥離時においても展開力、展開音が小さ
く、しかも描画性にも優れた離型剤を得る。 【解決手段】 アルキル基の炭素数が6〜30の長鎖ア
ルキル基を側鎖に有する有機離型剤を主成分とする離型
剤組成物が水に分散されている水分散系有機離型剤と、
シリコーン離型剤を主成分とする離型剤組成物が水に分
散されている水分散系シリコーン離型剤とが混合されて
なる水分散系離型剤とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、粘着テープやラベ
ルの粘着面を保護し、使用時にたやすく剥離する事が出
来、更に剥離する際、静電気の発生が少ない離型シー
ト、及び、そのための離型剤組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着テープや粘着ラベルは、それが使用
されるまで粘着面は保護されなければならない。そのた
めに、保護フィルム等をその粘着面に貼り合わせるが、
粘着剤は本来、物質を強固に接着する物質であるため、
保護フィルムに特別な処理を施さなかったり、特殊な材
質の物を用いなければ粘着テープ等を使用する時、保護
フィルムを剥せないという事態に陥る。そういう事態を
避け、保護フィルムを剥離する際の剥離力を軽くするた
めに、通常離型剤を保護フィルムに塗設する離型処理を
行う。
【0003】離型剤に要求される離型性能としては、上
記で述べた離型性のほか、粘着面に離型剤が移行して粘
着剤の粘着力を低減しないような非移行性がある。これ
らの他には、温度を上げた時や経時した後の離型性、非
移行性が実質上変化しない事を示す耐熱性や経時安定性
も必要である。これらの要請を満たす離型剤としては、
ポリジオルガノシロキサンを主成分とするシリコーン系
化合物(シリコーン離型剤)や、側鎖に長鎖アルキル基
を有する化合物(有機離型剤)が用いられる。
【0004】また、粘着テープに離型剤が用いられる場
合、上記のような基本的な要求性能以外に、近年は、段
ボールを梱包する際等でテープ同士が重なった場合、剥
がれにくいといった重ね貼り性や、字が書けると言った
描画性、テープの離型剤面同士がすべりにくいといった
非滑り性も要請される。これらの要請に対しては、シリ
コーン離型剤は用いることが出来ず、有機離型剤が用い
られる。特開平3−86778号や特開平6−7335
1号公報には、ポリビニルアルコール−長鎖アルキルイ
ソシアネート変性物やポリエチレンイミン−長鎖アルキ
ルイソシアネート変性物を水に溶解または分散させた水
分散系離型剤が開示されており、上記要請とともに近年
の無溶剤化の要請にも応えている。
【0005】しかし、有機離型剤にはテープを展開する
際の展開音が大きいという欠点がある。一方、描画性に
劣るシリコーン系離型剤は一般的に展開音が小さい。そ
こで、シリコーン系離型剤の離型剤成分を化学変性した
ものが、特開平1−210460号で開示されているも
のをはじめ、各種提示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの化学
変性を行ったシリコーン系離型剤は、有機離型剤に比
べ、特に高速でテープを巻きほぐしたときの展開力が重
くなり、離型性と描画性とのバランスがとりにくい。そ
こで、本発明の目的はこれらの欠点を改善し、剥離力が
小さく(離型性が高く)、展開音が小さく、かつ描画性
の高い離型シートとそれを得る為の水分散系離型剤を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、アルキ
ル基の炭素数が6〜30の長鎖アルキル基を側鎖に有す
る有機離型剤を主成分とする離型剤組成物が水に分散さ
れている水分散系有機離型剤と、シリコーン離型剤を主
成分とする離型剤組成物が水に分散されている水分散系
シリコーン離型剤とを混合して水分散系離型剤とするこ
とで達成される。以下に本発明を詳述する。
【0008】水分散系有機離型剤 水分散系有機離型剤は、アルキル基の炭素数が6〜30
の長鎖アルキル基を側鎖に有する有機離型剤とその他任
意に添加される添加物質とが水に分散されているもので
ある。
【0009】アルキル基の炭素数が6〜30の長鎖アル
キル基を側鎖に有する有機離型剤 本発明の有機離型剤としては、長鎖アルキルアクリレー
ト共重合体、長鎖アルキルビニルエステル共重合体、長
鎖アルキルアクリルアマイド共重合体、マレイン酸の長
鎖アルキル誘導体の共重合体、長鎖アルキルアリルエス
テル共重合体、カルボン酸基含有共重合体(エチレン−
アクリル酸共重合体等)の長鎖アルキルカルバメート、
水酸基含有共重合体(ポリビニルアルコールやポリアリ
ルアルコール等)の長鎖アルキルカルバメート、ポリア
ルキレンイミンの長鎖アルキル変性物、ポリアリルアミ
ンの長鎖アルキル変性物、ポリアミンの長鎖アルキル変
性物等が挙げられるが、それらの長鎖アルキル基の炭素
数が6〜30のアルキル基である。
【0010】また、これらの有機離型剤は、水酸基等の
官能基を有する高分子を、反応性官能基と長鎖アルキル
基とを有する化合物と反応させる(エステル化反応、ウ
レタン化反応、尿素化反応等を利用)ことで得たり、長
鎖アルキル基を有するモノマーを重合することで得る。
これらの有機離型剤は、重ね貼り性、筆記性、非滑り
性という機能面において、シリコン系離型剤に比べ、優
れているので好ましいが、その中で、下記に述べるよう
な有機離型剤は離型性、非移行性という観点から更に好
ましい。
【0011】すなわち、(a) 重合度が300〜5000
で鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル共重合体の水酸基
1等量に対して、(b) イソシアネート基、カルボン酸
基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基、エポキシ
基からなる群より選択される1種以上の水酸基と反応す
る官能基を有しアルキル基の炭素数が6〜30の長鎖ア
ルキル化合物を0.5当量以上の割合で反応させて得ら
れるものや、(c) 活性水素含有アミノ基を有するポリア
ミン化合物の活性水素1当量に対して、(d) イソシアネ
ート基、カルボン酸基、酸ハライド基、ケテン基、アル
デヒド基、エポキシ基からなる群より選択される1種以
上の活性水素含有アミノ基と反応する官能基を有しアル
キル基の炭素数が6〜30の長鎖アルキル化合物を0.
5当量以上の割合で反応させて得られるものである。
【0012】酢酸ビニル共重合体 上記の鹸化される前の酢酸ビニル共重合体としては、エ
チレンやアクリル酸等のビニル系化合物と酢酸ビニルの
共重合体であって、具体的にはエチレン−酢酸ビニル共
重合体、アクリル酸−酢酸ビニル共重合体が挙げられ
る。これらの重合度は、低すぎるとこの重合体を用いて
得られる有機離型剤の離型性能が悪化し、高すぎると離
型剤が水に分散しがたくなるので、300〜5000、
好ましくは800〜2500である。
【0013】鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル共重合
体とは、上記の酢酸ビニル共重合体の酢酸ビニル部分が
鹸化されたものである。この鹸化度は低すぎると反応性
を有する水酸基の量が減りこの鹸化物を用いて得られる
離型剤の離型性能が悪化するので50%以上、好ましく
は60%以上である。なお、ここで言う鹸化度とは、酢
酸ビニル共重合体を構成するモノマーの総ユニット数に
対する、鹸化された酢酸ビニル部分のユニット数のモル
比(%)を指すこととする。
【0014】水酸基と反応する官能基を持つ炭素数が6
〜30の長鎖アルキル化合物 上記の長鎖アルキル化合物は、長鎖アルキル基の部分の
炭素数が6〜30で、それに水酸基と反応する官能基が
結合している化合物である。炭素数6未満であると離型
性能が悪く、30より大きいと長鎖アルキル化合物自身
の水酸基との反応性が悪くなるので8〜28が好まし
い。水酸基と反応する官能基は、イソシアネート基、カ
ルボン酸基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基、
エポキシ基からなる群より1種以上が選択される。
【0015】具体的には、イソシアネート基を有するも
のとしては、オクチルイソシアネート、ドデシルイソシ
アネート、オクタデシルイソシアネート、ドコサニルイ
ソシアネート;カルボン酸基を有するものとしてはオク
タン酸、ドデカン酸、オクタデカン酸、ドコサン酸;酸
ハライド基を有するものとしてはオクタノイルクロライ
ド、ドデカノイルクロライド、オクタデカノイルクロア
イド、ドコサノイルクロライド;ケテン基を有するもの
としてはオクチルケテンダイマ、ドデシルケテンダイ
マ、オクタデシルケテンダイマ、ドコサニルケテンダイ
マ;アルデヒド基を有するものとしてはオクチルアルデ
ヒド、ドデシルアルデヒド、オクタデシルアルデヒド、
ドコサニルアルデヒド;エポキシ基を有するものとして
はオクチルグリシジルエーテル、ドデシルグリシジルエ
ーテル、オクタデシルグリシジルエーテル、ドコサニル
グリシジルエーテルが挙げられる。
【0016】なお、上記の化合物を水酸基と反応させる
と、イソシアネート基の場合はウレタン結合が、カルボ
ン酸基、酸ハライド基、ケテン基の場合はエステル結合
が、アルデヒド基の場合はアセタール結合が、エポキシ
基の場合はエーテル結合が生じる。
【0017】活性水素含有アミノ基を有するポリアミン
化合物 上記の活性水素含有アミノ基を有するポリアミン化合物
とは、2個以上の第1級アミノ基(−NH2 )または第
2級アミノ基(−NH−)を有する化合物である。この
際、活性水素を含有する他の官能基(例えば、水酸基
等)が含まれていても良い。また、活性水素基含有アミ
ノ基は側鎖に結合していても良いし、第2級アミノ基の
場合、主鎖中に含まれていても良い。
【0018】具体的には、ポリエチレンイミン、ポリプ
ロピレンイミン等のポリアルキレンイミン;ジエチレン
トリアミン、トリエチレンテトラミン、ペンタエチレン
ヘキサミン、エチレンジアミンとエピクロルヒドリンと
の縮合物等のポリアルキレンポリアミン;無変性のポリ
ビニルアミン;共重合性モノマーとして、エチレン、プ
ロピレン等のオレフィン、ブチルアクリレート等の(メ
タ)アクリル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルア
ミド、(メタ)アクリル酸、マレイン酸等の不飽和カル
ボン酸(無水物も含む)、ビニルホスホン酸、ビニルピ
ロリドン、アリルアルコール等のモノマーが共重合され
たポリビニルアミン共重合体;無変性のポリアリルアミ
ン;共重合性モノマーとして、エチレン、プロピレン等
のオレフィン、ブチルアクリレート等の(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステル、(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリル酸、マレイン酸等の不飽和カルボン酸(無
水物も含む)、ビニルホスホン酸、ビニルピロリドン、
アリルアルコール等のモノマーが共重合されたポリアリ
ルアミン共重合体;上記のポリアミン化合物にアルキレ
ンオキシドを開環付加させた化合物;上記のポリアミン
化合物をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートにマ
イケル付加させた化合物が挙げられる。これらは単独で
用いられてもよいし、2種以上混合して用いられてもよ
い。
【0019】これらの化合物の分子量(重量平均分子
量)は、低すぎるとこの重合体を用いて得られる有機離
型剤の離型性能が悪化し、高すぎると有機離型剤が水に
分散しがたくなるので、500〜100万、好ましくは
1000〜50万である。
【0020】活性水素含有アミノ基を有するポリアミン
化合物中の、活性水素含有アミノ基の含有量は、少なく
すぎるとるとこのポリアミン化合物に反応する後述の長
鎖アルキル化合物の量が減り得られる有機離型剤の離型
性能が悪化するので、50モル%以上、好ましくは60
モル%以上である。
【0021】活性水素含有アミノ基と反応する官能基を
持つ炭素数が6〜30の長鎖アルキル化合物 上記の長鎖アルキル化合物は長鎖アルキル基の部分の炭
素数が6〜30で、それに活性水素含有アミノ基と反応
する官能基が結合している化合物である。炭素数6未満
であると離型性能が悪く、30より大きいと長鎖アルキ
ル化合物自身の活性水素含有アミノ基との反応性が悪く
なるので8〜28が好ましい。活性水素含有アミノ基と
反応する官能基は、イソシアネート基、カルボン酸基、
酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基、エポキシ基か
らなる群より1種以上が選択される。具体的には、上記
の水酸基と反応する官能基を持つ炭素数が6〜30の長
鎖アルキル化合物と同じ化合物が使用できる。
【0022】有機離型剤の合成方法 上記の有機離型剤は、溶剤中で、(a) 重合度が300〜
5000で鹸化度50モル%以上の酢酸ビニル共重合体
の水酸基1等量に対して、(b) イソシアネート基、カル
ボン酸基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒド基、エ
ポキシ基からなる群より選択される1種以上の水酸基と
反応する官能基を有しアルキル基の炭素数が6〜30の
長鎖アルキル化合物を0.5当量以上の割合で反応させ
たり、(c) 活性水素含有アミノ基を有するポリアミン化
合物の活性水素1当量に対して、(d) イソシアネート
基、カルボン酸基、酸ハライド基、ケテン基、アルデヒ
ド基、エポキシ基からなる群より選択される1種以上の
活性水素含有アミノ基と反応する官能基を有しアルキル
基の炭素数が6〜30の長鎖アルキル化合物を0.5当
量以上の割合で反応させて得られる。0.5等量未満で
あると、離型性能が悪く、好ましくは0.6当量以上で
ある。
【0023】(b) や(d) の化合物の官能基がイソシアネ
ート基やケテン基である場合、イソシアネートやケテン
と反応しないトルエンやジメチルスルホキシドの様な不
活性な溶剤中で懸濁または溶解させて反応を行う。カル
ボン酸基の場合、トルエンのような通常のエステル化反
応に用いられる溶媒で、反応が行われる。酸ハライド基
の場合、不活性な溶媒中で反応させるが、この反応の際
にはピリジンの様な脱ハロゲン化水素剤を添加すること
が好ましい。アルデヒド基の場合も不活性な溶媒中で反
応させるが、この反応の際には塩酸の様な酸触媒を添加
することが好ましい。エポキシ基の場合も不活性な溶媒
中で反応させるが、この反応の際には水酸化ナトリウム
の様なアルカリ触媒を添加することが好ましい。これら
の反応は、赤外吸収などで、水酸基あるいは水酸基と反
応する官能基やポリアミン化合物の活性水素あるいは活
性水素と反応する官能基が事実上消失したことでもっ
て、終点を確認できる。
【0024】その他任意に添加される添加物質 本発明の水分散系有機離型剤には、有機離型剤以外に、
有機離型剤の水中での分散安定性を高めたりするため
に、高分子界面活性剤、炭素数が10〜30の1種以上
の脂肪酸、酸変性ポリオレフィン(共)重合体、その他
が任意に添加される。
【0025】高分子界面活性剤 本発明の高分子界面活性剤は、従来の界面活性剤(重量
平均分子量:イオン系で1000未満、ノニオン系で2
000未満)に比べて高分子量の界面活性を有する物質
である。具体的には、ポリアクリル酸、ポリマレイン
酸、酢酸ビニル−マレイン酸共重合体、スチレン−マレ
イン酸共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、ジイ
ソブチレン−マレイン酸無水物共重合体等のポリカルボ
ン酸型ビニル重合体((メタ)アクリル酸、(無水)マ
レイン酸等のカルボン酸基を有するビニル系モノマー
と、それと共重合しうるエチレン、イソブチレン、スチ
レン、酢酸ビニル、アクリル酸アルキルエステル、塩化
ビニル等のビニル系モノマーとの共重合体);ナフタリ
ンスルホン酸ホルマリン縮合物、ブチルナフタリンスル
ホン酸ホルマリン縮合物、クレゾールスルホン酸ホルマ
リン縮合物等の芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物;ポ
リN−メチルビニルピリジニウムクロライド等のポリア
ルキルビニルピリジニウム塩(ビニルピリジンと共重合
しうるスチレン等のモノマーとの共重合体からの誘導体
も含む);ポリアクリルアミド、ポリビニルピロリド
ン、ポリアクリルピロリドン、ポリビニルアルコール、
ポリエチレングリコール;ポリオキシエチレンとポリオ
キシプロピレンのブロックポリマー(プルロニック);
セルロース誘導体(メチルセルロース、カルボキシメチ
ルセルロース等)やアラビアゴム、アラビノガラクタン
等の多糖類誘導体が挙げられる。
【0026】なお、上記の具体例中のポリカルボン酸型
ビニル重合体や芳香族スルホン酸ホルマリン縮合物は、
ナトリウムやカリウム、アンモニウム等の陽イオンでイ
オン交換されていてもかまわない。これらの高分子界面
活性剤の分子量(重量平均分子量)は、小さすぎると従
来の界面活性剤と同様、有機離型剤の水に対する分散安
定化効果に乏しく、大きすぎると分散する際の粘度が高
くなりすぎるなど分散が困難になるので、イオン系では
1000〜300万、好ましくは2000〜40万で、
ノニオン系では2000〜300万、好ましくは400
0〜40万である。
【0027】また、これらの高分子界面活性剤の配合量
は、少なくなると水分散系離型剤を製造する際、有機離
型剤を水に乳化・分散しがたくなったり、得られた水分
散系離型剤の安定性が低下したりし、多くなると(水分
散系離型剤を使用する時に粘着剤層への)移行が激しく
なるなど好ましくない影響が出るので、有機離型剤10
0重量部に対して1〜100重量部で、好ましくは10
〜70重量部である。
【0028】炭素数が10〜30の1種以上の脂肪酸 本発明で使用される脂肪酸は、炭素数が10〜30の飽
和脂肪酸や不飽和脂肪酸であるが、これらは単独で用い
られても混合物として用いられてもよい。この脂肪酸の
炭素数は、多すぎると極性が低くなりすぎて水に分散し
がたくなったり、溶融粘度が高くなりすぎて水分散型離
型剤組成物を基材に塗付した後、離型性能が発現するま
での加熱が長時間に及ぶなど好ましくない影響が出、小
さすぎると極性が高すぎて有機離型剤と分離したり融点
が低くなり、離型性能に悪影響を及ぼすので、10〜3
0が好ましく、特に12〜26が好ましい。具体的に
は、ドデカン酸(ラウリン酸)、ヘキサデカン酸(パル
ミチン酸)、オクタデカン酸(ステアリン酸)、オクタ
デセン酸(オレイン酸)、イコサン酸(アラキジン
酸)、ドコサン酸(ベヘン酸)などが挙げられる。
【0029】なお、これらの脂肪酸は水酸化ナトリウ
ム、水酸化バリウムなどのアルカリ金属やアルカリ土類
金属の水酸化物の共存下では、その形態がその金属の塩
となっていることもあり、本発明での脂肪酸はこの様な
状態となった脂肪酸も含むこととする。また、これらの
脂肪酸の配合量は、少なくなると水分散型離型剤を製造
する際、有機離型剤を水に乳化・分散しがたくなった
り、多くなると(本水分散型離型剤を使用する時に粘着
剤層への)移行が激しくなるなど好ましくない影響が出
るので、有機離型剤100重量部に対して1〜50重量
部で、好ましくは3〜40重量部である。
【0030】酸変性ポリオレフィン(共)重合体 本発明で使用される酸変性ポリオレフィン共重合体は、
酸価が0.2〜800のポリオレフィン共重合体であっ
て、エチレン、プロピレン、1−ブテンの様なオレフィ
ンと、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコ
ン酸、ビニルピロリドンの様な極性基を持つビニルモノ
マーとの共重合体や、化学的・物理的に酸化処理された
ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテンの様なポリ
オレフィン共重合体である。
【0031】これらの酸変性ポリオレフィン共重合体の
酸価は、小さすぎると水に分散しがたくなり(凝集・沈
降しやすくなり)、大きすぎると離型剤と分離するの
で、0.2〜800が適当であり、10〜200が好ま
しい。極性基を持つビニルモノマーとの共重合体の場
合、共重合量は、0.01〜40モル%が適当であり、
0.5〜10モル%が好ましい。また、重合度は、高す
ぎると水に分散しがたくなったり、水分散系離型剤組成
物を基材に塗付した後、離型性能が発現するまでの加熱
が長時間に及ぶなど好ましくない影響が出、重合度が低
すぎると室温でも軟化状態となり、離型性能に悪影響を
及ぼすので、10〜2000で、好ましくは20〜10
00である。
【0032】この酸変性ポリオレフィン共重合体の融
点、溶融粘度に関しては、融点が低すぎると離型性能に
悪影響を及ぼし、融点が高く高温での溶融粘度が高すぎ
ると、水に分散しがたくなったりするので、融点が40
℃以上で、140℃での溶融粘度が10000(Pa・
s)以下であることが好ましく、更には、融点が60℃
以上で、140℃での溶融粘度が5000(Pa・s)
以下が好ましい。具体的には、マレイン酸変性のポリエ
チレンワックスやアクリル酸変性のポリエチレンワック
スが挙げられる。また、これらの酸変性ポリオレフィン
共重合体の配合量は、少なくなると水分散型離型剤組成
物を製造する際、有機離型剤を水に乳化・分散しがたく
なったり、多くなると(本水分散型離型剤を使用する時
に粘着剤層への)移行が激しくなるなど好ましくない影
響が出るので、有機離型剤100重量部に対して1〜5
0重量部で、好ましくは3〜40重量部である。
【0033】ワックス 本発明で使用されるワックスは、本発明の水分散系離型
剤を用い離型シートを作製する際の加熱時には、離型剤
組成物の溶融を促進し、分散された離型剤組成物の粒子
が熱溶融し基材上に広がり、離型剤塗膜をつくるのを容
易にし(造膜性を高め)、短時間の加熱で離型性能の優
れた離型シートを作製する目的で配合される。その為、
これらのワックスは離型シートの保管時には離型剤組成
物を軟化させ、離型性能を悪化させることがない様な融
点を持ち(50℃以上)、(熱)可塑性を有し融点以上
の温度で溶融粘度が極めて低い(1〜5000(cp
s))、中分子化合物(オリゴマー)であって、具体的
には以下のようなものが挙げられる。
【0034】これらのワックス(蝋)には、大きくは、
天然ロウと合成ロウがある。天然ロウとしては、みつロ
ウ、鯨ろう、史那昆虫ロウ、セラックロウ等の動物系ワ
ックス;カルナバワックス、オリキュリーワックス、キ
ャンデリラワックス、木ロウ、ケーンワックス等の植物
系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシ
ン等の鉱物系ワックス;パラフィンワックス、マイクロ
クリスタリンワックス等の石油系ワックスが挙げられ
る。
【0035】合成ロウとしては、フィッシャー・トロプ
シュワックスやその誘導体、低分子ポリエチレンやその
誘導体、アタクティックポリプロピレン、α−オレフィ
ンワックス等の合成炭化水素系ワックス;モンタン誘導
体のワックス、マイクロワックス誘導体、合成酸化ワッ
クス等の変性ワックス;ポリエチレングリコール、ステ
アリン酸ソルビトール等のエステルワックス;カストー
ルワックス、オパールワックス等の水素化ワックス;ア
クラワックス、アーモワックス、モノステアリル尿素、
ジステアリル尿素、N,N−エチレン・ビス・ステアリ
ルアミド等のアミン、アミド系ワックス;ハロゲン化炭
化水素系ワックスが挙げられる。
【0036】これらの配合量は、少なくなると造膜性を
向上させる効果が無くなり、多すぎると離型性能が悪化
するので、有機離型剤100重量部に対して1〜50重
量部、好ましくは3〜40重量部である。
【0037】その他 本発明の水分散系離型剤組成物には、水中に樹脂を分散
させるのを更に容易にしたり、水分散系離型剤組成物を
基材に塗付する際の塗れ性を向上させたり、発泡を抑え
たりするための以下で説明する溶剤や高沸点液状物質や
一般的な(低分子)界面活性剤や、塗付後の膜強度を上
げるための架橋剤を添加することも可能である。
【0038】溶剤としては、炭化水素系の溶剤(オクタ
ン等)や芳香族系の溶剤(トルエン等)等、通常の溶剤
が用いられる。なお、これらは多量に用いると安全上ま
た環境上好ましくなく、本発明の目的に添わないので、
水分散系離型剤の溶液全体に対して、10重量%以下と
されるのが好ましい。高沸点液状物質は大気圧下での沸
点が100℃より高く、常温での粘度が100(Pa・
s)以下の物質が好ましい。さらに、高沸点液状物質が
粘着剤層中に含有されるものであれば、水分散系離型剤
組成物を塗付乾燥して得た塗膜中に高沸点液状物資が残
存し、それが粘着剤層へ移行することになっても、粘着
剤の粘着性能を著しく落とすことはないので好ましい。
【0039】これらには、粘着剤層中で、通常、軟化剤
として使用される物質が挙げられる。具体的には、ナフ
テン系オイルやラノリン、オレフィン類のオリゴマー、
植物油、動物油、鉱物(石油)油等のプロセスオイル
や、液状ロジンやテレビン油等の液状粘着付与樹脂、ポ
リブテンやジイソデシルフタレート等の可塑剤等が使用
できる。これらは、沸点が100℃以下であると乾燥さ
せる際揮発するので、安全上、環境上の問題が生じ本発
明の目的に添わず、粘度が100(Pa・s)より高け
れば流動性が低いので造膜性を向上させる効果が少な
い。
【0040】一般的な界面活性剤としては、以下に示す
ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、カチオ
ン系界面活性剤、両性界面活性剤等の界面活性剤が使用
できる。ノニオン系界面活性剤としては、ポリオキシエ
チレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン
アルキルエーテル等のエーテル型、グリセリン脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エス
テル等のエステル型、ポリエチレングリコール脂肪酸エ
ステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル
等のエステルエーテル型、脂肪酸アルカノールアミド型
が挙げられる。アニオン系界面活性剤としては、脂肪酸
モノカルボン酸塩、N−アシロイルグルタミン酸塩等の
カルボン酸型、アルキルベンゼンスルホン酸塩、ナフタ
レンスルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物、スルホこ
はく酸ジアルキルエステル等のスルホン酸型、硫酸アル
キル塩等の硫酸エステル型、リン酸アルキル塩等のリン
酸エステル型が挙げられる。カチオン系界面活性剤とし
ては、アルキルアミン塩等のアミン塩型、アルキルトリ
メチルアンモニウム塩、ジアルキルジメチルアンモニウ
ム塩、アルキルジメチルベンジルアンモニウム塩等の第
4級アンモニウム塩型が挙げられる。両性界面活性剤と
しては、N,N−ジメチル−N−アルキルアミノ酢酸ベ
タイン等のカルボキシベタイン型、2−アルキル−1−
ヒドロキシエチル−1−カルボキシメチルイミダゾリニ
ウムベタイン等のグリシン型が挙げられる。
【0041】架橋剤は、塗付後の造膜中に熱、光等で有
機離型剤と反応し架橋させるものであればよい。具体的
には、多価イソシアネート化合物、ブロックド多価イソ
シアネート化合物、多価エポキシ化合物、多価アクリロ
イル化合物、多価メチロール化合物、多価イオン金属、
多価アジリジン化合物が挙げられる。
【0042】水分散系有機離型剤の製造方法 本発明の水分散系離型剤は、有機離型剤と高分子界面活
性剤と(その他任意に添加される添加物質)からなる離
型剤組成物を有機溶剤に溶解した後、高速乳化機で撹拌
しながら水と混合し、乳化分散させ、その後有機溶剤を
除く溶剤溶解法や、有機溶剤を使用せず離型剤組成物を
熱溶融させ、加圧ニーダー、コロイドミル、高速撹拌シ
ャフト等で高剪断をかけながら水と混合し乳化分散させ
る高圧乳化法によって得られる。
【0043】本発明においては、どちらの方法において
も、離型剤組成物の平均粒子径(体積平均粒子径)が
1.0μm以下になるまで乳化分散処理を行う事が好ま
しい。1.0μmより大きいままだと、離型性能、特に
非移行性能が劣ったり、離型性能を発現するための必要
塗付量が増加したり、更には、水分散系離型剤自身の安
定性が損なわれる等の問題が発生する。離型性能が低下
したり、必要塗付量が増加したりする理由は、平均粒子
径が1.0μmより大きいと、離型剤粒子による基材表
面の被覆率が、粒子が凝集しやすくなるなどの為に小さ
くなり、離型剤によって被覆されていない基材面が生じ
るためだと考えられる。また、乳化分散の際の水との混
合比は、離型剤組成物の含有量が少なすぎると剪断効果
が減じられ効率が低下し、多すぎると粘度が高くなりす
ぎ、剪断による乳化分散が困難になるので、離型剤組成
物の含有量が5〜50wt%になるようにすることが好
ましい。なお、乳化分散後は、水分散系離型剤の安定性
が損なわれない範囲で、水により任意に希釈できる。
【0044】上記の乳化分散方法の中では、脱有機溶剤
を行わなくて済み工程が簡略化できるので高圧乳化法が
好ましい。高圧乳化は、具体的には次のような手順で行
う。例えば、まず、有機離型剤と高分子界面活性剤(そ
の他任意に添加される添加物質)とを混合、加熱溶融
し、次いでその溶融液中に加熱された水(加圧すれば1
00℃以上も可能)とを、高剪断力をかけながら分散さ
せ、まず、W/Oエマルジョンを作り、更に熱水を添加
することで転相させ(O/Wエマルジョンとし)、水中
に離型剤組成物を分散させる。その後、それらの分散さ
れた粒子が融着凝集しない様に冷却する。
【0045】あるいは、水中に有機離型剤と高分子界面
活性剤とを一挙に投入し、60℃以上で高剪断をかけ分
散させる。なお、平均粒子径は、「新実験化学講座18
(界面とコロイド)」368〜407頁にある様な様々
な方法で測定、決定できるが(例、電子顕微鏡法、レー
ザー回折光散乱法、動的光散乱法等)、本発明での平均
粒子径は、体積基準の平均粒子径であって、レーザー回
折光散乱法を用いて測定した粒子径分布(粒度分布)曲
線における(下限、または上限からの)頻度の累積値が
50%になったところの粒子径を指すこととする。この
レーザー回折光散乱法で粒子径分布や平均粒子径を測る
装置としては、例えば、MICROTRAC社の「92
20FRA」がある。
【0046】水分散系シリコーン離型剤 水分散系シリコーン系有機離型剤は、シリコーン離型剤
とその他任意に添加される添加物質とが水に分散されて
いるものである。
【0047】シリコーン離型剤 シリコーン離型剤としては、- Si(CH3)2O)n -Xm - (X:
共重合モノマー)で表されるポリジメチルシロキサン共重合
体が挙げられる。 但し、共重合モノマー(X):-(SiR1R2O)- (式中、R1 、 R2 はアルキル基、アリール基、アルケニ
ル基、オキシアルキレン基を示す。)
【0048】具体的には、両末端シラノールポリジメチ
ルシロキサンとポリメチルハイドロジェンシロキサンも
しくは、ポリメチルメトキシシロキサンとからなる縮合
反応型シリコーンや、ジメチルシロキサン・メチルビニ
ルシロキサン共重合体とポリメチルハイドロジェンシロ
キサンからなる付加反応型シリコーンや、環状シロキサ
ン(モノマー)が挙げられる。
【0049】その他任意に添加される添加物質 水分散系有機離型剤に添加される添加物質と同様なもの
が用いられる。
【0050】水分散系シリコーン離型剤の製造方法 水分散系有機離型剤を製造する方法と同様な方法で製造
される。また、シリコーン離型剤がモノマーである場合
は、乳化重合で水分散系シリコーン離型剤を得ることも
できる。
【0051】水分散系離型剤 水分散系離型剤は、水分散系有機離型剤と水分散系シリ
コーン離型剤を1:9〜9:1の範囲で混合することで
得られる。この範囲をはずれると、描画性が悪化した
り、展開音がうるさくなったりする。あるいは、水分散
系離型剤は、有機離型剤とシリコーン離型剤とを混合し
離型剤組成物とした後、水分散系有機離型剤を製造する
方法と同様な方法でも製造できる。
【0052】水分散系離型剤の使用例(離型シートの製
造方法) 本発明の水分散系離型剤は、通常離型シートを作製する
のに使用される。離型シートは基材に塗付、加熱乾燥
し、基材上に離型層を設けることで製造する。基材とし
ては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、
セロファン等のプラスチックフィルムや、上質紙、クラ
フト紙、クレープ紙、グラシン紙等の紙や、含浸紙、プ
ラスチックコート紙等の目止めを施した紙や、布等が用
いられる。なお、これらの基材は、離型剤と基材との密
着性を高めるため、コロナ処理、プラズマ処理、プライ
マー処理等を行っている事が好ましい。
【0053】基材に水分散系離型剤組成物を塗付する方
法としては、ロールコーター、グラビアコーター、メイ
ヤーバーコーター、リップコーター等の一般的な塗付装
置を用いる方法がある。塗付量は、多すぎるとコストア
ップになるだけでなく、離型性能、特に非移行性能が低
下したり、乾燥しにくくなったりするので、(加熱乾燥
することで水を主成分とする揮発成分が除去されて得ら
れる)加熱乾燥後の塗膜の平均塗付厚みが1.0μm以
下になるような量で塗付する事が好ましい。
【0054】これらの塗付装置で基材上に塗付された水
分散系離型剤は、乾燥炉を通すことで溶剤である水が蒸
発し除去される。通常、水分散系離型剤は、水を蒸発さ
せただけでは、離型剤は、水に分散されている離型剤の
微粒子の形として基材上にそのまま残り、基材との密着
性が悪くなる。こうなると、離型性や非移行性等の性能
が悪化する。そこで性能を発現させるため、これらの微
粒子を溶融、平滑化し離型層とするのに、さらに乾燥炉
を通すか、更に好ましくは、加圧、加熱を行うことによ
って、短時間で基材上に残った離型剤微粒子を溶融、平
滑化し離型層とする。
【0055】この離型剤組成物(離型剤微粒子)が塗設
された基材に加圧、加熱を行う方法としては、高温プレ
スなどの間に挟んで加圧しながら加熱する方法等がある
が、生産性の面からは加圧加熱ロールの間を通し、加
圧、加熱する方法が好ましい。加熱温度は有機離型剤の
微粒子の軟化点より高くなければならず、通常60℃以
上、好ましくは80℃以上である。上限温度は基材の耐
熱性に依存する。加圧の際の圧力は基材の耐圧性に依存
するが、通常0.01〜500kg/cm3 である。
【0056】加圧加熱ロールの材質は、加圧加熱時に
(離型剤微粒子が溶融した状態で)、離型剤と基材の密
着性より、離型剤と加圧加熱ロールの密着性が高けれ
ば、加圧加熱ロールに離型剤が転写され基材上に離型剤
が残らず好ましくないので、離型剤との密着性が低くな
るような材質が好ましい。また、離型剤に均一に圧力を
かけるため、ゴムのような弾性を有することが好まし
い。具体的には、耐熱性シリコンライニングゴムローラ
ーや、耐熱性テフロンライニングゴムローラー等が挙げ
られる。このような加熱ロールは、生産性の観点から
は、乾燥に引き続いて加圧加熱処理を1段階で連続して
行うため、上記乾燥炉のすぐ後ろに設置することが好ま
しく、そのため、そのロールの周速度はライン速度と同
調することが好ましい。従って、加圧加熱ロールの径
は、加圧加熱処理に要する時間とそのライン速度とで決
定される。
【0057】
【発明の実施の形態】以下に本発明を実施例に基づいて
説明する。 [水分散系有機離型剤]本発明の実施例で使用される水
分散系有機離型剤をまず説明する。撹拌機、冷却器、滴
下ロートを持つ反応容器中にポリビニルアルコール(重
合度1100,鹸化度98モル%)10gを、脱水した
キシレン50g中に分散させる。還流温度で、オクタデ
シルイソシアネート67gと触媒(ジラウリン酸ジブチ
ル錫)0.01gを加え、ポリビニルアルコールと反応
させる。反応の進行に伴い、ポリビニルアルコールの粉
末が無くなっていくが、完全に消失してから、更に2時
間反応させる。その後、40℃まで冷却し、反応溶液
を、1000gのメタノール中に注いで、白色沈殿物を
得る。これを、メタノール次いでヘキサンで洗浄し、乾
燥させ、有機離型剤(R1)を得た。 有機離型剤(R1) 135g 高分子界面活性剤 カルボン酸型ビニル重合体(ナトリウム塩、 Mw=4,000) 49g パラフィンワックス(融点75℃) 15g 一般界面活性剤(ソルビタンモノステアレート、Mw=430) 1 g 高沸点溶剤(ケロシン) 15g 水 775g (上記配合量は、いずれも有効成分の配合量を示す)
【0058】有機離型剤、高分子界面活性剤、ワック
ス、高沸点溶剤からなる上記の組成物を、95℃で溶融
し、ゆっくりと(500(rpm))10分間撹拌し混合する。
その溶融混合物に、高圧式乳化機中で、撹拌(1000(rp
m) )しながら、100℃の加熱・加圧された界面活性
剤が入った水(50g)をゆっくりと滴下し、組成物中
に水を分散させ、W/Oエマルジョンを作る。その後、
撹拌速度を、5000(rpm) にし、更に残りの水を滴下
することで転相乳化を行い、O/Wエマルジョンを得
る。その後冷却して、水分散系有機離型剤を得る。この
平均粒子径は、0.39μmであった。この水分散系有
機離型剤の安定性を後述の方法で評価したが、長期間、
沈降や凝集が無く安定であった。
【0059】(実施例1)水分散系有機離型剤150g
と信越化学社製シリコーン離型剤( X-52-170(固形分30
%、ノニオン系)99g及び同社製触媒(CAT-PM-4)1
gからなる水分散系シリコーン離型剤とを混合した。上
記の水分散系離型剤を固形分が2重量%になる様に、基
材への濡れ性を向上させる為、ジオクチルスルホこはく
酸ナトリウム0.04wt%を含有させた水で希釈す
る。ついで、その水分散系離型剤希釈液を、坪量75m
g/m2 のクルパッククラフト紙にポリエチレンを厚み
20μmで押し出しラミネートし、コロナ処理した(4
4dyn/cm)目止め紙のポリエチレン面上に、#6
のメイヤーバーコーターで塗付する(乾燥後の塗布量
0.20g/m2 )。その後、水分散系離型剤が塗付さ
れた基材を、炉長1m、温度120℃の乾燥炉中に、ラ
イン速度2m/分で通し、乾燥・造膜する(単位長さ
(1m)を処理するのにかかった時間は30秒)。この
ようにして、離型シートを製造した。
【0060】この離型シートに、粘着テープ(積水化学
社製;クラフトテープ#500)を貼り付けて、後述の
方法で性能を測定した。その結果、展開力220g/2
5mm、残存接着力97%と、良好な離型性能を持つ離
型紙が得られた。また、油性マジック(マジックインク
No.500)で離型面に字を書いてもはじき等は起こ
らず、粘着テープを引き剥がす際の展開音もほとんどし
なかった。
【0061】(比較例1)特開平1−210460の実
施例1の変性シリコーン離型剤を用いて得た離型シート
(基材は実施例1と同じものを用いた)は、油性マジッ
クによる印字性は良好で、展開音もほとんどしなかった
が、展開力800g/25mm、残存接着力97%と展
開が重たかった。
【0062】(比較例2)水分散系有機離型剤を添加せ
ずに実施例1と同様な方法で離型シートを得た。その結
果、展開力170g/25mm、残存接着力92%と、
良好な離型性能を持つ離型紙が得られた。また、粘着テ
ープを引き剥がす際の展開音もほとんどしなかった。し
かし、油性マジック(マジックインクNo.500)で
離型面に字を書くとはじきが生じ印字性に劣っていた。
【0063】(比較例3)水分散系シリコーン離型剤を
添加せずに実施例1と同様な方法で離型シートを得た。
その結果、展開力230g/25mm、残存接着力96
%と、良好な離型性能を持つ離型紙が得られた。また、
油性マジックによる印字性は良好で、展開音もほとんど
しなかった。しかし、粘着テープを引き剥がす際の展開
音が生じた。
【0064】[離型紙の性能測定方法] ・展開力 実施例、比較例で得られた離型紙に、25mm幅に短冊
状に切断された粘着テープ(積水化学社製クラフトテー
プ#500)を、圧着ローラー(JIS Z0237準
拠)で貼り付け23℃で24時間放置する。その後、高
速剥離試験機を用い10m/minの速度で「180度
引き剥がし試験」を行う。この時の引き剥がし力を展開
力とする。この力は、離型剤の離型性を示す。 ・残存接着力 実施例、比較例で得られた離型紙に、25mm幅に短冊
状に切断された粘着テープ(積水化学社製クラフトテー
プ#504)を、圧着ローラー(JIS Z0237準
拠)で貼り付け23℃で24時間放置する。その後、粘
着テープを引き剥がし、JIS Z 0237準拠の方
法で、このような履歴を受けた粘着テープをステンレス
板に貼り付け、23℃で24時間放置後300mm/m
inの速度で「180度引き剥がし粘着力」を測定す
る。この粘着力の、履歴を受けない粘着テープ(離型紙
に貼り合わされなかった粘着テープ)の粘着力(測定す
ると2010gであった)に対する比を残存接着力とす
る。この比は、離型剤の粘着剤面への非移行性を示し、
100%に近い方が性能がよいことを表している。
【0065】[水分散系離型剤の安定性評価方法]水分
散系離型剤を固形分が1重量%になる様にイオン交換水
で希釈し、23℃で72時間放置する。放置後、目視
で、沈殿・凝集や分離があるかどうかを観察すると共
に、その溶液を200メッシュのステンレスフィルター
で濾過し、乾燥後、重量を測定し、経時前の希釈溶液中
の全固形分に対する重量比を計算する。この重量比が0
に近い方、すなわち沈殿がない方が安定性に優れてい
る。
【0066】[平均粒子径](体積平均粒子径) レーザー回折散乱式粒度分布計(MICROTRAC社
「9220FRA」)を用いて、水分散系離型剤を所定
濃度になるように希釈して測定した。
【0067】
【発明の作用及び効果】本発明の水分散系離型剤を用い
ると、離型性が高く、展開音が小さく、かつ描画性の高
い離型シートが得られる。この様に離型性と描画性、展
開性のバランスがとれる理由は明らかではないが、溶剤
系等の均一系と違って、水分散系を用いたためと考えら
れる。すなわち、均一系の変性シリコーン系離型剤で
は、基材上に塗布されると、分子分散(nm)オーダー
で描画性に寄与する部分と離型性に寄与する部分ができ
るので、離型性と軽展開音性が相殺されてしまう。シリ
コーン離型剤と有機離型剤とを有機溶剤等により溶解し
塗工したときも同様である。これに対し、水分散系で
は、描画性に寄与する有機離型剤部分と、展開音を小さ
くする事に寄与するシリコーン系離型剤部分とが、μm
からmmオーダーで微細に入り交じった不均一構造が生
じる。これにより、両者の特長を併せ持った離型シート
が得られるためと考えられる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキル基の炭素数が6〜30の長鎖ア
    ルキル基を側鎖に有する有機離型剤を主成分とする離型
    剤組成物が水に分散されている水分散系有機離型剤と、
    シリコーン離型剤を主成分とする離型剤組成物が水に分
    散されている水分散系シリコーン離型剤とが混合されて
    なる水分散系離型剤。
JP34549297A 1997-12-15 1997-12-15 水分散系離型剤 Pending JPH11172106A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008007681A (ja) * 2006-06-30 2008-01-17 Goyo Paper Working Co Ltd 易剥離性不織布及びその製造方法
TWI823899B (zh) * 2018-02-28 2023-12-01 美商陶氏全球科技有限責任公司 水系離型塗層組成物

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