JPH10169670A - クラッチハブおよび車両用変速機 - Google Patents
クラッチハブおよび車両用変速機Info
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- JPH10169670A JPH10169670A JP8331911A JP33191196A JPH10169670A JP H10169670 A JPH10169670 A JP H10169670A JP 8331911 A JP8331911 A JP 8331911A JP 33191196 A JP33191196 A JP 33191196A JP H10169670 A JPH10169670 A JP H10169670A
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- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
- F16D23/00—Details of mechanically-actuated clutches not specific for one distinct type
- F16D23/02—Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
- F16D23/04—Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch
- F16D23/06—Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches with an additional friction clutch and a blocking mechanism preventing the engagement of the main clutch prior to synchronisation
-
- F—MECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
- F16—ENGINEERING ELEMENTS AND UNITS; GENERAL MEASURES FOR PRODUCING AND MAINTAINING EFFECTIVE FUNCTIONING OF MACHINES OR INSTALLATIONS; THERMAL INSULATION IN GENERAL
- F16D—COUPLINGS FOR TRANSMITTING ROTATION; CLUTCHES; BRAKES
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- F16D23/02—Arrangements for synchronisation, also for power-operated clutches
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- F16D2023/0637—Details relating to the hub member on which the sliding is arranged
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- Mechanical Engineering (AREA)
- Mechanical Operated Clutches (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 車両用変速機に組み込まれる部分のうち比較
的に重量のあるクラッチハブについて軽量化をはかり、
変速機の重量を大きく削減する。 【解決手段】 外周および内周にそれぞれスリーブおよ
び軸と結合するスプライン12・13を有していて、車
両用変速機のシンクロナイザーに組み込まれて軸とスリ
ーブとの間で動力伝達をするクラッチハブ11につい
て、それを高力アルミニウム合金製とするとともに、少
なくとも上記各スプライン12・13の表面に硬質アル
マイト処理を施す。
的に重量のあるクラッチハブについて軽量化をはかり、
変速機の重量を大きく削減する。 【解決手段】 外周および内周にそれぞれスリーブおよ
び軸と結合するスプライン12・13を有していて、車
両用変速機のシンクロナイザーに組み込まれて軸とスリ
ーブとの間で動力伝達をするクラッチハブ11につい
て、それを高力アルミニウム合金製とするとともに、少
なくとも上記各スプライン12・13の表面に硬質アル
マイト処理を施す。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用の変速機に
あって変速比をスムーズに変えるためのシンクロナイザ
ーのクラッチハブ、およびそれを組み込んだ変速機に関
するものである。
あって変速比をスムーズに変えるためのシンクロナイザ
ーのクラッチハブ、およびそれを組み込んだ変速機に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用の変速機は、一般的には図4の
ように構成されている。すなわち、入力軸2と出力軸4
とが相対回転自在に配置(図の例では両者が同心上に配
置)されるとともに、カウンターシャフト3が、インプ
ットギヤ5を介し入力軸2と接続されて配置され、ま
た、出力軸4上に回転自在に設けられた複数のギヤ7
が、カウンターシャフト3上に固定された複数のギヤ6
とそれぞれ噛み合っている。入力軸2の回転は、インプ
ットギヤ5を介してカウンターシャフト3に伝わり、同
シャフト3における各ギヤ6から出力軸4上の各ギヤ7
に伝達されるわけである。出力軸4上でこのように回転
している複数のギヤ7のうちからいずれかを選択して出
力軸4と結合させることにより、入力軸2から出力軸4
まで、特定の変速比で回転が伝わることになる。
ように構成されている。すなわち、入力軸2と出力軸4
とが相対回転自在に配置(図の例では両者が同心上に配
置)されるとともに、カウンターシャフト3が、インプ
ットギヤ5を介し入力軸2と接続されて配置され、ま
た、出力軸4上に回転自在に設けられた複数のギヤ7
が、カウンターシャフト3上に固定された複数のギヤ6
とそれぞれ噛み合っている。入力軸2の回転は、インプ
ットギヤ5を介してカウンターシャフト3に伝わり、同
シャフト3における各ギヤ6から出力軸4上の各ギヤ7
に伝達されるわけである。出力軸4上でこのように回転
している複数のギヤ7のうちからいずれかを選択して出
力軸4と結合させることにより、入力軸2から出力軸4
まで、特定の変速比で回転が伝わることになる。
【0003】出力軸4とその上に設けられている各ギヤ
7との間には、シンクロナイザー10が配置されてい
る。図4の例では、それぞれのギヤ7にクラッチギヤ2
1が一体回転可能に配設されているほか、二つのクラッ
チギヤ21ごとに一つのシンクロナイザー10が設けら
れている。シンクロナイザー10は、上記のようにいず
れかのギヤ7(したがってクラッチギヤ21)と出力軸
4とを噛み合わせる手段であるが、その噛み合わせに先
だって摩擦力により両者を同期させ、それによって変速
をスムーズに行わせるという作用を有する。
7との間には、シンクロナイザー10が配置されてい
る。図4の例では、それぞれのギヤ7にクラッチギヤ2
1が一体回転可能に配設されているほか、二つのクラッ
チギヤ21ごとに一つのシンクロナイザー10が設けら
れている。シンクロナイザー10は、上記のようにいず
れかのギヤ7(したがってクラッチギヤ21)と出力軸
4とを噛み合わせる手段であるが、その噛み合わせに先
だって摩擦力により両者を同期させ、それによって変速
をスムーズに行わせるという作用を有する。
【0004】シンクロナイザー10は、図2のような構
造部分を含んでいる。すなわち、出力軸4の上にスプラ
イン13を介してクラッチハブ11が取り付けられ、そ
のクラッチハブ11の外周に、やはりスプライン12を
介してスリーブ16が設けられている。このスリーブ1
6を、図4に示されるようなシフトフォーク8等によっ
て軸4の長手方向(軸長方向)にスライドさせ、スリー
ブ16の内周のスプライン17(図2)を隣接のクラッ
チギヤ21とクラッチハブ11(スプライン12)との
両方に噛み合わせると、クラッチギヤ21と一体回転す
るギヤ7とクラッチハブ11とが連結され、ギヤ7から
クラッチハブ11を介して出力軸4への動力伝達が実現
する。
造部分を含んでいる。すなわち、出力軸4の上にスプラ
イン13を介してクラッチハブ11が取り付けられ、そ
のクラッチハブ11の外周に、やはりスプライン12を
介してスリーブ16が設けられている。このスリーブ1
6を、図4に示されるようなシフトフォーク8等によっ
て軸4の長手方向(軸長方向)にスライドさせ、スリー
ブ16の内周のスプライン17(図2)を隣接のクラッ
チギヤ21とクラッチハブ11(スプライン12)との
両方に噛み合わせると、クラッチギヤ21と一体回転す
るギヤ7とクラッチハブ11とが連結され、ギヤ7から
クラッチハブ11を介して出力軸4への動力伝達が実現
する。
【0005】ギヤ7と出力軸4とを摩擦力で同期させる
ためには、図2に示すようにクラッチハブ11とスリー
ブ16の間に複数個のインサート(キー)18が設けら
れ、その両側(図2(b)における左右)にシンクロナイ
ザーリング22(図4参照)が配置されている。インサ
ート18は、クラッチハブ11の外周部に形成された軸
長方向の溝14のうちに配置され、内側からスプリング
19で外方へ押され、スリーブ16の内周のスプライン
17の中央部に設けた凹部16aと係合しているため、
スリーブ16の軸長方向の動きに連れてインサート18
も軸長方向へ移動することができる。軸長方向にスリー
ブ16が移動すると、インサート18の端面およびスリ
ーブ16のスプライン17の端面が順にシンクロナイザ
ーリング22を軸長方向に押してシンクロナイザーリン
グ22とクラッチギヤ21との間に摩擦力を発生させ、
シンクロナイザーリング22(したがってスリーブ16
および出力軸4)の回転速度とクラッチギヤ21(した
がってギヤ7)の回転速度とを同期させるのである。こ
うして速度を合わせたのちにスリーブ16がクラッチギ
ヤ21と噛み合うため、変速がスムーズに行われること
になる。
ためには、図2に示すようにクラッチハブ11とスリー
ブ16の間に複数個のインサート(キー)18が設けら
れ、その両側(図2(b)における左右)にシンクロナイ
ザーリング22(図4参照)が配置されている。インサ
ート18は、クラッチハブ11の外周部に形成された軸
長方向の溝14のうちに配置され、内側からスプリング
19で外方へ押され、スリーブ16の内周のスプライン
17の中央部に設けた凹部16aと係合しているため、
スリーブ16の軸長方向の動きに連れてインサート18
も軸長方向へ移動することができる。軸長方向にスリー
ブ16が移動すると、インサート18の端面およびスリ
ーブ16のスプライン17の端面が順にシンクロナイザ
ーリング22を軸長方向に押してシンクロナイザーリン
グ22とクラッチギヤ21との間に摩擦力を発生させ、
シンクロナイザーリング22(したがってスリーブ16
および出力軸4)の回転速度とクラッチギヤ21(した
がってギヤ7)の回転速度とを同期させるのである。こ
うして速度を合わせたのちにスリーブ16がクラッチギ
ヤ21と噛み合うため、変速がスムーズに行われること
になる。
【0006】図4のような変速機においては、軸2・3
・4やギヤ6・7のような主要な動力伝達部材だけでな
く、クラッチハブ11やスリーブ16などシンクロナイ
ザー10の部材にも鉄系の材料が使用されている。鉄系
の材料は、化学成分と熱処理とを適切に選ぶことによっ
て引張強さや表面硬さ、耐摩耗性などを高くすることが
でき、すぐれた耐用性を発揮するからである。クラッチ
ハブ11について言えば、たとえばa)炭素鋼鍛造品(S
C材)を材料として必要箇所に部分高周波焼入または軟
窒化処理を施す、b)肌焼鋼を材料として浸炭焼入を施
す、または、c)鉄系の焼結合金に部分高周波焼入または
浸炭焼入を施す、といった材料的選択がなされている。
・4やギヤ6・7のような主要な動力伝達部材だけでな
く、クラッチハブ11やスリーブ16などシンクロナイ
ザー10の部材にも鉄系の材料が使用されている。鉄系
の材料は、化学成分と熱処理とを適切に選ぶことによっ
て引張強さや表面硬さ、耐摩耗性などを高くすることが
でき、すぐれた耐用性を発揮するからである。クラッチ
ハブ11について言えば、たとえばa)炭素鋼鍛造品(S
C材)を材料として必要箇所に部分高周波焼入または軟
窒化処理を施す、b)肌焼鋼を材料として浸炭焼入を施
す、または、c)鉄系の焼結合金に部分高周波焼入または
浸炭焼入を施す、といった材料的選択がなされている。
【発明が解決しようとする課題】ところが、近年、車両
の重量を削減し燃費を改善しようとする要望が強く、変
速機についても軽量化が必要となっている。そのため、
車両用変速機の機能部品であるシンクロナイザーについ
ても軽量化の要望が強く、シンクロナイザー部品のう
ち、強度部品ではあるが比較的重量のあるクラッチハブ
の軽量化をはかり、変速機の重量を大幅に削減すること
が課題となっている。ところが、クラッチハブはシンク
ロナイザーリングのトルク容量の関係から外径を小さく
できないことや、スリーブの移動量の関係から幅も制限
されること等から、形状変更による大幅な重量減を達成
することは困難な状況にある。
の重量を削減し燃費を改善しようとする要望が強く、変
速機についても軽量化が必要となっている。そのため、
車両用変速機の機能部品であるシンクロナイザーについ
ても軽量化の要望が強く、シンクロナイザー部品のう
ち、強度部品ではあるが比較的重量のあるクラッチハブ
の軽量化をはかり、変速機の重量を大幅に削減すること
が課題となっている。ところが、クラッチハブはシンク
ロナイザーリングのトルク容量の関係から外径を小さく
できないことや、スリーブの移動量の関係から幅も制限
されること等から、形状変更による大幅な重量減を達成
することは困難な状況にある。
【0007】本発明は上述のような背景のもとになされ
たもので、鉄系部品で作られた従来のクラッチハブは、
通常、軸またはスリーブとの結合部であるスプラインの
耐面圧強度により最大トルクの伝達容量(能力)が制限
され、スプラインの歯元強度などには強度的に若干の余
裕があることに着目し、スプラインの耐面圧強度と歯元
強度等とのバランスをとることにより、クラッチハブの
材質を軽量なアルミニウム合金(アルミ合金)とするこ
とを可能とし、軽量な変速機を提供しようとするもので
ある。
たもので、鉄系部品で作られた従来のクラッチハブは、
通常、軸またはスリーブとの結合部であるスプラインの
耐面圧強度により最大トルクの伝達容量(能力)が制限
され、スプラインの歯元強度などには強度的に若干の余
裕があることに着目し、スプラインの耐面圧強度と歯元
強度等とのバランスをとることにより、クラッチハブの
材質を軽量なアルミニウム合金(アルミ合金)とするこ
とを可能とし、軽量な変速機を提供しようとするもので
ある。
【0008】なお、実開昭57−105432号公報や
特開昭59−190157号公報には、シンクロナイザ
ー部品の一つであるシンクロナイザーリングをアルミ合
金によって形成する旨が記載されているが、それら公報
に記載の技術が目的とするところは、軽量化により慣性
量を減少してアイドリング時の騒音低減をはかろうとす
るもので、重量の低減量もわずかであるため、本発明が
課題とする上記の点を解決しようとするものではない。
特開昭59−190157号公報には、シンクロナイザ
ー部品の一つであるシンクロナイザーリングをアルミ合
金によって形成する旨が記載されているが、それら公報
に記載の技術が目的とするところは、軽量化により慣性
量を減少してアイドリング時の騒音低減をはかろうとす
るもので、重量の低減量もわずかであるため、本発明が
課題とする上記の点を解決しようとするものではない。
【0009】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、前記のように内周および外周にそれぞれ軸およびス
リーブと結合するスプラインを有していて、車両用変速
機のシンクロナイザーに組み込まれて軸とスリーブとの
間で動力伝達をするクラッチハブについて、それを高力
アルミニウム合金製とするとともに、少なくとも上記各
スプラインの表面に硬質アルマイト処理を施しているこ
とを特徴とする。なお、ここでいう高力アルミニウム合
金とは、引張強さが40kgf/mm2 程度以上のアル
ミニウム展伸材またはアルミニウム鋳物材をいう。
は、前記のように内周および外周にそれぞれ軸およびス
リーブと結合するスプラインを有していて、車両用変速
機のシンクロナイザーに組み込まれて軸とスリーブとの
間で動力伝達をするクラッチハブについて、それを高力
アルミニウム合金製とするとともに、少なくとも上記各
スプラインの表面に硬質アルマイト処理を施しているこ
とを特徴とする。なお、ここでいう高力アルミニウム合
金とは、引張強さが40kgf/mm2 程度以上のアル
ミニウム展伸材またはアルミニウム鋳物材をいう。
【0010】シンクロナイザーに組み込まれるクラッチ
ハブは、その内外周に設けられたスプラインを介してギ
ヤから出力軸へ回転トルクを伝達するが、その伝達可能
な負荷は主としてスプラインの歯面の耐面圧強度と歯元
の曲げ強度に左右され、両者の強度がバランスしている
ことが望ましい。
ハブは、その内外周に設けられたスプラインを介してギ
ヤから出力軸へ回転トルクを伝達するが、その伝達可能
な負荷は主としてスプラインの歯面の耐面圧強度と歯元
の曲げ強度に左右され、両者の強度がバランスしている
ことが望ましい。
【0011】請求項1の発明は、クラッチハブの材質と
してアルミニウムを含有する軽量な合金を用いることに
より、クラッチハブに関して必要な機械的強度と望まし
い軽量化とを同時にもたらすものである。アルミニウム
やそれを含む合金は軽量であるものの一般的には鉄系材
料ほどの引張強度や硬さを有しないが、この発明にこう
した作用があるのは、アルミ材としては比較的強度の
高い高力アルミニウム合金をとくに選択して材料とした
ことにより、部品全体において引張強度が高いこと、
各スプラインの表面等に硬質アルマイト処理を施してい
るため、表面が硬化していること−による。このは
すなわち、各スプラインの表面に硬質アルマイト処理を
施すことにより、鉄系材料の表面を高周波焼入したもの
とほぼ同等のスプラインの耐面圧強度を確保できること
を意味する。歯元強度など鉄系材料で比較的余力のある
点については、材料強度の高い高力アルミ合金を使用す
ることにより対応し、その一方、耐面圧強度については
のとおりの処理をし、それらによって、クラッチハブ
としての強度バランスをとり得るわけである。したがっ
て、鉄系材料なみのトルク伝達能力を発揮する軽量なク
ラッチハブを提供できることになる。そしてクラッチハ
ブは、図4のように車両用変速機のうちに複数組み込ま
れていて、それぞれがかなりの重量を有するため、これ
を鉄系材料からアルミニウム合金に変えることによって
変速機は相当に軽量化される。
してアルミニウムを含有する軽量な合金を用いることに
より、クラッチハブに関して必要な機械的強度と望まし
い軽量化とを同時にもたらすものである。アルミニウム
やそれを含む合金は軽量であるものの一般的には鉄系材
料ほどの引張強度や硬さを有しないが、この発明にこう
した作用があるのは、アルミ材としては比較的強度の
高い高力アルミニウム合金をとくに選択して材料とした
ことにより、部品全体において引張強度が高いこと、
各スプラインの表面等に硬質アルマイト処理を施してい
るため、表面が硬化していること−による。このは
すなわち、各スプラインの表面に硬質アルマイト処理を
施すことにより、鉄系材料の表面を高周波焼入したもの
とほぼ同等のスプラインの耐面圧強度を確保できること
を意味する。歯元強度など鉄系材料で比較的余力のある
点については、材料強度の高い高力アルミ合金を使用す
ることにより対応し、その一方、耐面圧強度については
のとおりの処理をし、それらによって、クラッチハブ
としての強度バランスをとり得るわけである。したがっ
て、鉄系材料なみのトルク伝達能力を発揮する軽量なク
ラッチハブを提供できることになる。そしてクラッチハ
ブは、図4のように車両用変速機のうちに複数組み込ま
れていて、それぞれがかなりの重量を有するため、これ
を鉄系材料からアルミニウム合金に変えることによって
変速機は相当に軽量化される。
【0012】請求項2に記載のクラッチハブは、上記し
た内周または外周のスプラインを、30°〜45°の圧
力角を有するインボリュートスプラインとしたものであ
る。ただし、内周のスプラインは通常は外周のスプライ
ンに比べて径が小さいため、伝達トルクによって大きな
曲げ力を受けるので、外周スプラインよりも内周スプラ
インの圧力角を大きくすることが強度バランス上望まし
い。
た内周または外周のスプラインを、30°〜45°の圧
力角を有するインボリュートスプラインとしたものであ
る。ただし、内周のスプラインは通常は外周のスプライ
ンに比べて径が小さいため、伝達トルクによって大きな
曲げ力を受けるので、外周スプラインよりも内周スプラ
インの圧力角を大きくすることが強度バランス上望まし
い。
【0013】車両の用途や搭載されたエンジンの特性な
どによってはクラッチハブに要求される機械的強度が高
く、高力アルミニウム合金を材料としてスプライン等に
硬質アルマイト処理をしただけでは強度的に不十分な場
合もあり得るが、この請求項2のクラッチハブはスプラ
インの歯形を変更することにより歯元強度を高くしたも
のであるため、かなり高水準の負荷をも受け入れること
ができる。すなわち、インボリュートスプラインの圧力
角を通常(20°前後)よりも大きく30〜45°に設
定することにより、歯先に比べて歯元が一層太くなり歯
元の曲げ強度が増加するので、クラッチハブの歯面の耐
面圧強度に対する歯元強度のバランスが一層よくなり、
車両の用途やエンジン特性に対応させてアルミ材を使用
したクラッチハブの適用範囲が拡大される。さらに、使
用する材料(たとえば、高力アルミ合金としては比較的
材料強度が低いが低コスト化が可能な鋳造アルミ材な
ど)の適用範囲も広げられる。なお、圧力角は強度との
かねあいで適切に選択すればよいが、30°以下にする
とスプライン(とくに内周のスプライン)の曲げ強度が
不足してアルミ合金製のクラッチハブの適用範囲が狭ま
る。また、45°以上にすると、歯元の曲げ強度は大き
くなるが、歯丈が確保できないため、耐面圧強度の点で
望ましくない。
どによってはクラッチハブに要求される機械的強度が高
く、高力アルミニウム合金を材料としてスプライン等に
硬質アルマイト処理をしただけでは強度的に不十分な場
合もあり得るが、この請求項2のクラッチハブはスプラ
インの歯形を変更することにより歯元強度を高くしたも
のであるため、かなり高水準の負荷をも受け入れること
ができる。すなわち、インボリュートスプラインの圧力
角を通常(20°前後)よりも大きく30〜45°に設
定することにより、歯先に比べて歯元が一層太くなり歯
元の曲げ強度が増加するので、クラッチハブの歯面の耐
面圧強度に対する歯元強度のバランスが一層よくなり、
車両の用途やエンジン特性に対応させてアルミ材を使用
したクラッチハブの適用範囲が拡大される。さらに、使
用する材料(たとえば、高力アルミ合金としては比較的
材料強度が低いが低コスト化が可能な鋳造アルミ材な
ど)の適用範囲も広げられる。なお、圧力角は強度との
かねあいで適切に選択すればよいが、30°以下にする
とスプライン(とくに内周のスプライン)の曲げ強度が
不足してアルミ合金製のクラッチハブの適用範囲が狭ま
る。また、45°以上にすると、歯元の曲げ強度は大き
くなるが、歯丈が確保できないため、耐面圧強度の点で
望ましくない。
【0014】請求項3のクラッチハブは、上記した外周
のスプラインのうち前記インサート(キー)用の溝の両
隣では、その溝のために歯厚の不完全な歯を、隣接の歯
に対して歯みぞを介さぬように一体に形成したことをも
特徴とする。
のスプラインのうち前記インサート(キー)用の溝の両
隣では、その溝のために歯厚の不完全な歯を、隣接の歯
に対して歯みぞを介さぬように一体に形成したことをも
特徴とする。
【0015】前述のようにインサートを配置する目的で
クラッチハブの外周部に溝が形成されていると、その溝
によってスプラインの一部が切除され、不完全な歯が含
まれる場合がある。このような場合、その不完全な歯は
他の完全な歯ほどの強度を有しないため、その歯の存在
によってクラッチハブの最大負荷が決定される場合があ
る。その点、この請求項3のクラッチハブでは、そのよ
うな不完全な歯を隣接の歯に対して歯みぞを介さぬよう
に一体に形成した(図3参照)ので、許容される最大負
荷が極めて高く、各種の車両用変速機に内蔵されて十分
な機械的強度を発揮する。
クラッチハブの外周部に溝が形成されていると、その溝
によってスプラインの一部が切除され、不完全な歯が含
まれる場合がある。このような場合、その不完全な歯は
他の完全な歯ほどの強度を有しないため、その歯の存在
によってクラッチハブの最大負荷が決定される場合があ
る。その点、この請求項3のクラッチハブでは、そのよ
うな不完全な歯を隣接の歯に対して歯みぞを介さぬよう
に一体に形成した(図3参照)ので、許容される最大負
荷が極めて高く、各種の車両用変速機に内蔵されて十分
な機械的強度を発揮する。
【0016】請求項4に記載の車両用変速機は、請求項
1〜3のうちいずれかのクラッチハブをシンクロナイザ
ーのうちに組み込んだものである。
1〜3のうちいずれかのクラッチハブをシンクロナイザ
ーのうちに組み込んだものである。
【0017】請求項1〜3のクラッチハブはいずれもア
ルミニウム合金によって形成されており、鉄系材料から
なる従来のものを大幅に軽量化したものであるため、そ
のようなクラッチハブを組み込んだ変速機においても相
当の軽量化が達成される。請求項1〜3のクラッチハブ
のほか、前掲の公報に記載されているアルミニウム合金
製のシンクロナイザーリングや、そのほかにも機械的負
荷の高くない部材(たとえばシフトフォーク(図4にお
ける符号8))等を同様にアルミニウム合金製にして変
速機に組み込むのもよい。
ルミニウム合金によって形成されており、鉄系材料から
なる従来のものを大幅に軽量化したものであるため、そ
のようなクラッチハブを組み込んだ変速機においても相
当の軽量化が達成される。請求項1〜3のクラッチハブ
のほか、前掲の公報に記載されているアルミニウム合金
製のシンクロナイザーリングや、そのほかにも機械的負
荷の高くない部材(たとえばシフトフォーク(図4にお
ける符号8))等を同様にアルミニウム合金製にして変
速機に組み込むのもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】図1および図2に、発明の実施に
ついての一形態を紹介する。図1はクラッチハブ11の
正面図(図1(a))および縦断面図(図1(b))、また
図2は、そのクラッチハブ11を組み込んだシンクロナ
イザー10の正面図(図2(a))および縦断面図(図2
(b))である。クラッチハブ11も、それを含むシンク
ロナイザー10も、図4に示した車両用変速機1(前
述)のうちに内蔵されるものである。
ついての一形態を紹介する。図1はクラッチハブ11の
正面図(図1(a))および縦断面図(図1(b))、また
図2は、そのクラッチハブ11を組み込んだシンクロナ
イザー10の正面図(図2(a))および縦断面図(図2
(b))である。クラッチハブ11も、それを含むシンク
ロナイザー10も、図4に示した車両用変速機1(前
述)のうちに内蔵されるものである。
【0019】前述したように、シンクロナイザー10は
図2に示す構造部分を含んでいる。すなわち、出力軸4
の上にスプライン13を介してクラッチハブ11が取り
付けられ、そのクラッチハブ11の外周に、やはりスプ
ライン12を介してスリーブ16が設けられている。ス
プライン13とスプライン12とは、クラッチハブ11
の内周および外周に一体に形成されたものである(図1
参照)。また、クラッチハブ11の外周部三箇所には軸
長方向に溝14が形成されていて、各溝14内にインサ
ート18が配置され、そのインサート18は、円弧状の
スプリング19で内側から外方へ押されることによりス
リーブ16の内周のスプライン17上の凹部16aと係
合している。
図2に示す構造部分を含んでいる。すなわち、出力軸4
の上にスプライン13を介してクラッチハブ11が取り
付けられ、そのクラッチハブ11の外周に、やはりスプ
ライン12を介してスリーブ16が設けられている。ス
プライン13とスプライン12とは、クラッチハブ11
の内周および外周に一体に形成されたものである(図1
参照)。また、クラッチハブ11の外周部三箇所には軸
長方向に溝14が形成されていて、各溝14内にインサ
ート18が配置され、そのインサート18は、円弧状の
スプリング19で内側から外方へ押されることによりス
リーブ16の内周のスプライン17上の凹部16aと係
合している。
【0020】発明者は、このようなシンクロナイザー1
0について軽量化をはかるべく、それに組み込まれてい
るクラッチハブ11をアルミニウム合金によって形成し
た。ただし、アルミ合金製とするにあたっては、クラッ
チハブ11が必要な強度を満たすように、引張強さの高
いいわゆる高力アルミ合金を材料として成形後に全表面
に硬質アルマイト処理を施すとともに、図1のような形
状的特徴を付与するなど、種々の工夫を施している。詳
しく述べるとつぎのとおりである。
0について軽量化をはかるべく、それに組み込まれてい
るクラッチハブ11をアルミニウム合金によって形成し
た。ただし、アルミ合金製とするにあたっては、クラッ
チハブ11が必要な強度を満たすように、引張強さの高
いいわゆる高力アルミ合金を材料として成形後に全表面
に硬質アルマイト処理を施すとともに、図1のような形
状的特徴を付与するなど、種々の工夫を施している。詳
しく述べるとつぎのとおりである。
【0021】まず、素材として高力アルミ合金展伸材を
選択し、これに所定の加工等を加えてクラッチハブ11
を成形している。具体的には、 JISに規定される2000系(熱処理型のAl−
Cu合金)、5000系(非熱処理型のAl−Mg合
金)、または7000系(熱処理型のAl−Zn−Mg
合金)のアルミ合金を材料とする。具体的にはA201
4−T6、A2017−T4、A2024−T36(以
上2000系)、A5056−H18(5000系)、
またはA7075−T6(7000系)などが適当であ
る。
選択し、これに所定の加工等を加えてクラッチハブ11
を成形している。具体的には、 JISに規定される2000系(熱処理型のAl−
Cu合金)、5000系(非熱処理型のAl−Mg合
金)、または7000系(熱処理型のAl−Zn−Mg
合金)のアルミ合金を材料とする。具体的にはA201
4−T6、A2017−T4、A2024−T36(以
上2000系)、A5056−H18(5000系)、
またはA7075−T6(7000系)などが適当であ
る。
【0022】 これらの素材を冷間引抜きまたは冷間
押出しすることによって、外・内周のスプライン12・
13を含むパイプ状の物を成形したうえ、所定の長さに
切断し、さらに切削加工によって端面を仕上げる。イン
サート18用の溝14は、引抜きや押出しの際に形成し
てもよく、また仕上げの際に切削加工してもよい。引抜
きや押出しに代えて、精密冷間鍛造によりスプライン1
2・13や溝14等を成形するのもよい。引抜きや押出
し・精密冷間鍛造等によって、わずかな切削加工で足り
る程度にまでクラッチハブ11の形状が定まるうえ、材
料が加工硬化して強度が向上するといった効果がもたら
される。
押出しすることによって、外・内周のスプライン12・
13を含むパイプ状の物を成形したうえ、所定の長さに
切断し、さらに切削加工によって端面を仕上げる。イン
サート18用の溝14は、引抜きや押出しの際に形成し
てもよく、また仕上げの際に切削加工してもよい。引抜
きや押出しに代えて、精密冷間鍛造によりスプライン1
2・13や溝14等を成形するのもよい。引抜きや押出
し・精密冷間鍛造等によって、わずかな切削加工で足り
る程度にまでクラッチハブ11の形状が定まるうえ、材
料が加工硬化して強度が向上するといった効果がもたら
される。
【0023】 2000系や7000系の熱処理型合
金を材料とする場合には、上記による成形または温間
押出しもしくは温間プレスによる成形をしたのち必要な
切削加工をし、さらに所定の熱処理をする。熱処理を加
えると、強度はさらに向上することになる。
金を材料とする場合には、上記による成形または温間
押出しもしくは温間プレスによる成形をしたのち必要な
切削加工をし、さらに所定の熱処理をする。熱処理を加
えると、強度はさらに向上することになる。
【0024】 以上によってクラッチハブ11を成形
等し終わったのち、全表面に対して硬質アルマイト処理
を施す。硬質アルマイト処理とは、硫酸やしゅう酸等の
浴中に材料を浸けることによりその材料の表面に硬質陽
極酸化皮膜を形成する公知の処理である。皮膜の厚さは
30μm以上、望ましくは50μm以上とし、スプライ
ン12・13の表面硬度についてはmHv(ビッカース
硬さ)が500以上になるようにする。なお硬質アルマ
イト処理は、クラッチハブの全面にではなく、表面硬度
が必要なスプライン部のみに施すのもよい。
等し終わったのち、全表面に対して硬質アルマイト処理
を施す。硬質アルマイト処理とは、硫酸やしゅう酸等の
浴中に材料を浸けることによりその材料の表面に硬質陽
極酸化皮膜を形成する公知の処理である。皮膜の厚さは
30μm以上、望ましくは50μm以上とし、スプライ
ン12・13の表面硬度についてはmHv(ビッカース
硬さ)が500以上になるようにする。なお硬質アルマ
イト処理は、クラッチハブの全面にではなく、表面硬度
が必要なスプライン部のみに施すのもよい。
【0025】一方、クラッチハブ11に必要な機械的強
度を形状面から補うため、スプライン12・13の歯や
溝14などを図1(a)・(b)のように形成している。す
なわち、イ ) 外周および内周のスプライン12・13をインボリ
ュートスプラインにするとともに、それぞれの圧力角α
およびβを、クラッチハブが鉄製の場合の通常の圧力角
(図1中に仮想線にて示すα’およびβ’)である20
°よりも大きい35°としている。スプライン12・1
3はこのように大きい圧力角をもつインボリュートスプ
ラインであり、歯先に比べて歯元が厚い(歯元の厚さ
は、圧力角が20°の場合よりも1〜2割増大する)た
め、トルクを伝達の際にスプライン歯が受ける曲げ力に
対して強度が高いといえる。したがって、クラッチハブ
として最も強度が必要とされるスプラインの歯元の強度
が補強でき、クラッチハブのアルミ化に関してとくに効
果的に作用する。
度を形状面から補うため、スプライン12・13の歯や
溝14などを図1(a)・(b)のように形成している。す
なわち、イ ) 外周および内周のスプライン12・13をインボリ
ュートスプラインにするとともに、それぞれの圧力角α
およびβを、クラッチハブが鉄製の場合の通常の圧力角
(図1中に仮想線にて示すα’およびβ’)である20
°よりも大きい35°としている。スプライン12・1
3はこのように大きい圧力角をもつインボリュートスプ
ラインであり、歯先に比べて歯元が厚い(歯元の厚さ
は、圧力角が20°の場合よりも1〜2割増大する)た
め、トルクを伝達の際にスプライン歯が受ける曲げ力に
対して強度が高いといえる。したがって、クラッチハブ
として最も強度が必要とされるスプラインの歯元の強度
が補強でき、クラッチハブのアルミ化に関してとくに効
果的に作用する。
【0026】ロ) インサート18を配置するための前記
の溝14について、図1(a)に示す隅の丸みの半径R1
を、従来刃具成形上好都合な0.2mm程度としていた
が、それよりもかなり大きい1.5mm(またはそれ以
上)とした。これにより、その隅における応力集中係数
は従来(約3.7)の半分以下(約1.7)になる。こ
の隅は、クラッチハブ11が動力伝達する際に応力が集
中しがちであり、強度的に最も厳しい部分の一つであっ
たが、このように半径R1を大きくして応力集中係数を
下げたことにより周辺の最大応力が小さくなって、クラ
ッチハブ11の実質的な強度が向上することになり、ク
ラッチハブ11のアルミ化に関してとくに効果が大き
い。
の溝14について、図1(a)に示す隅の丸みの半径R1
を、従来刃具成形上好都合な0.2mm程度としていた
が、それよりもかなり大きい1.5mm(またはそれ以
上)とした。これにより、その隅における応力集中係数
は従来(約3.7)の半分以下(約1.7)になる。こ
の隅は、クラッチハブ11が動力伝達する際に応力が集
中しがちであり、強度的に最も厳しい部分の一つであっ
たが、このように半径R1を大きくして応力集中係数を
下げたことにより周辺の最大応力が小さくなって、クラ
ッチハブ11の実質的な強度が向上することになり、ク
ラッチハブ11のアルミ化に関してとくに効果が大き
い。
【0027】ハ) 図1(b)に示すクラッチハブ11のウ
ェブ部11aの幅Bを、クラッチハブが鉄製である場合
に比べて3割程度以上増す(クラッチハブの大きさをと
くに増加しない範囲)とともに、リム部11bおよびボ
ス部11cがウェブ部11aとの間で形成する隅の丸み
R2についても、半径を従来(0.8mm)よりも大き
い1.5mmとした。幅Bを増すことによりウェブ部に
生じる平均応力を小さくし、また半径R2を大きくして
その付近の応力集中係数を下げることにより最大応力も
小さくしたので、クラッチハブの本体部分(ウェブ・リ
ム・ボス等)を強化でき、クラッチハブのアルミ化を一
層容易にした。
ェブ部11aの幅Bを、クラッチハブが鉄製である場合
に比べて3割程度以上増す(クラッチハブの大きさをと
くに増加しない範囲)とともに、リム部11bおよびボ
ス部11cがウェブ部11aとの間で形成する隅の丸み
R2についても、半径を従来(0.8mm)よりも大き
い1.5mmとした。幅Bを増すことによりウェブ部に
生じる平均応力を小さくし、また半径R2を大きくして
その付近の応力集中係数を下げることにより最大応力も
小さくしたので、クラッチハブの本体部分(ウェブ・リ
ム・ボス等)を強化でき、クラッチハブのアルミ化を一
層容易にした。
【0028】以上のように材料的および形状的な工夫を
施したことにより、クラッチハブ11として、鉄製の場
合よりも大幅に軽量なアルミニウム合金製のものを、鉄
製のものに比べてほぼ同等の大きさで形成することがで
きた。鉄の比重(約7.8)に対する上記アルミ合金の
比重(約2.8)がかなり小さいことから、このクラッ
チハブ11を内蔵したシンクロナイザー10、ならびに
それを3組含む図4の変速機1は、相当に軽量化される
ことになる。
施したことにより、クラッチハブ11として、鉄製の場
合よりも大幅に軽量なアルミニウム合金製のものを、鉄
製のものに比べてほぼ同等の大きさで形成することがで
きた。鉄の比重(約7.8)に対する上記アルミ合金の
比重(約2.8)がかなり小さいことから、このクラッ
チハブ11を内蔵したシンクロナイザー10、ならびに
それを3組含む図4の変速機1は、相当に軽量化される
ことになる。
【0029】なお、上記では素材として展伸材を採用し
たが、クラッチハブ11の使用条件等によっては、高力
アルミニウム合金の鋳物材を採用するのもよい。使用中
の負荷が大きくないために従来も焼結合金や鋼の生材
(表面硬化処理しない材料)を素材としているクラッチ
ハブに対しては、そのようなアルミ鋳物材を採用するこ
とも可能である。ただし、気孔や引け巣を減らして凝固
組織を微細化できる溶湯鍛造や無孔性ダイカストによっ
て成形し、そののちバリ取り程度の仕上げ加工を施して
製品としたうえ、熱処理を加えて母材強度の向上を図る
−といった工程を経ることにより、引張強さを40kg
f/mm2 程度以上にすべきである。また、上述した硬
質アルマイト処理は、この場合にも製品の表面に施すべ
きである。同処理層の厚さ(皮膜厚さ)は、鋳造面に対
しては10〜30μm程度にしか達しないため、スプラ
イン12・13の歯面等については、30μm以上の厚
さを確保すべく鋳肌面を0.4mm程度除去したうえで
当該処理を行う。このように鋳物材を用いる場合にも、
そのクラッチハブ11に対し、上記イ)・ロ)・ハ)に示した
形状的工夫を加えるのが好ましいことは言うまでもな
い。
たが、クラッチハブ11の使用条件等によっては、高力
アルミニウム合金の鋳物材を採用するのもよい。使用中
の負荷が大きくないために従来も焼結合金や鋼の生材
(表面硬化処理しない材料)を素材としているクラッチ
ハブに対しては、そのようなアルミ鋳物材を採用するこ
とも可能である。ただし、気孔や引け巣を減らして凝固
組織を微細化できる溶湯鍛造や無孔性ダイカストによっ
て成形し、そののちバリ取り程度の仕上げ加工を施して
製品としたうえ、熱処理を加えて母材強度の向上を図る
−といった工程を経ることにより、引張強さを40kg
f/mm2 程度以上にすべきである。また、上述した硬
質アルマイト処理は、この場合にも製品の表面に施すべ
きである。同処理層の厚さ(皮膜厚さ)は、鋳造面に対
しては10〜30μm程度にしか達しないため、スプラ
イン12・13の歯面等については、30μm以上の厚
さを確保すべく鋳肌面を0.4mm程度除去したうえで
当該処理を行う。このように鋳物材を用いる場合にも、
そのクラッチハブ11に対し、上記イ)・ロ)・ハ)に示した
形状的工夫を加えるのが好ましいことは言うまでもな
い。
【0030】図3には、発明の実施についての別の形態
を示している。図1に示す上記のクラッチハブ11の場
合、インサート18用の溝14の両隣の歯12’は溝1
4のためスプライン歯が不完全となる。そのため、負荷
の大きさや材料の強度によっては上述の対応だけでは不
十分で、不完全歯が破損したり、あるいは変形してイン
サート18やスリーブ16の作動がスムーズでなくなっ
たりするなど、不具合を生じる場合がある。そこでこの
クラッチハブ31には、上述した対応のほか、以下のよ
うな工夫を加えている。すなわち、図3に示すごとく、
スプライン32のうちインサート挿入用の上記の溝34
の両隣において、その溝34のために本来は歯厚が不完
全になる歯(図3(a)の引出し図に仮想線で示す歯)3
2’を、隣接の歯に対して歯みぞを介さぬよう一体に形
成したのである。溝34の形成のために切除されて歯厚
が不完全になるはずの歯32’がそのまま存在すると、
その歯32’の歯元強度の不足がネックとなって高負荷
への耐用性を発揮できないため、その歯32’を隣接の
歯と一体化して歯元強度を高めたのである。なお、この
ような外周のスプライン32と噛み合うスリーブ(図示
せず)のスプライン(同)においては、該当部分に歯み
ぞを連続させて形成する。
を示している。図1に示す上記のクラッチハブ11の場
合、インサート18用の溝14の両隣の歯12’は溝1
4のためスプライン歯が不完全となる。そのため、負荷
の大きさや材料の強度によっては上述の対応だけでは不
十分で、不完全歯が破損したり、あるいは変形してイン
サート18やスリーブ16の作動がスムーズでなくなっ
たりするなど、不具合を生じる場合がある。そこでこの
クラッチハブ31には、上述した対応のほか、以下のよ
うな工夫を加えている。すなわち、図3に示すごとく、
スプライン32のうちインサート挿入用の上記の溝34
の両隣において、その溝34のために本来は歯厚が不完
全になる歯(図3(a)の引出し図に仮想線で示す歯)3
2’を、隣接の歯に対して歯みぞを介さぬよう一体に形
成したのである。溝34の形成のために切除されて歯厚
が不完全になるはずの歯32’がそのまま存在すると、
その歯32’の歯元強度の不足がネックとなって高負荷
への耐用性を発揮できないため、その歯32’を隣接の
歯と一体化して歯元強度を高めたのである。なお、この
ような外周のスプライン32と噛み合うスリーブ(図示
せず)のスプライン(同)においては、該当部分に歯み
ぞを連続させて形成する。
【0031】
【発明の効果】請求項1に記載のクラッチハブは、アル
ミニウム合金製であり軽いことから、それが組み込まれ
るシンクロナイザーおよび車両用変速機を軽量化するこ
とに役だち、ひいては車両の低燃費化・省エネルギーに
寄与する。このクラッチハブの慣性モーメントは鉄製の
ものよりも当然に小さいので、車両の加・減速のレスポ
ンスを向上させる効果も生じる。なおこのクラッチハブ
は、アルミニウム合金製であるとはいえ必要な機械的強
度を発揮することができる。
ミニウム合金製であり軽いことから、それが組み込まれ
るシンクロナイザーおよび車両用変速機を軽量化するこ
とに役だち、ひいては車両の低燃費化・省エネルギーに
寄与する。このクラッチハブの慣性モーメントは鉄製の
ものよりも当然に小さいので、車両の加・減速のレスポ
ンスを向上させる効果も生じる。なおこのクラッチハブ
は、アルミニウム合金製であるとはいえ必要な機械的強
度を発揮することができる。
【0032】アルミニウム合金製であるため、このクラ
ッチハブは引抜きや押出し・精密冷間プレス等によって
ほとんどの成形を完了することができ、その後のわずか
な切削加工等によって形状を仕上げることができる(し
かもその仕上げ加工も容易である)。したがって、鉄製
である場合よりも製造が簡単である。
ッチハブは引抜きや押出し・精密冷間プレス等によって
ほとんどの成形を完了することができ、その後のわずか
な切削加工等によって形状を仕上げることができる(し
かもその仕上げ加工も容易である)。したがって、鉄製
である場合よりも製造が簡単である。
【0033】請求項2のクラッチハブは、スプラインの
強度を向上させたものであるから、伝達すべきトルクが
高いなど高負荷のクラッチハブとして使用することが可
能である。
強度を向上させたものであるから、伝達すべきトルクが
高いなど高負荷のクラッチハブとして使用することが可
能である。
【0034】請求項3のクラッチハブは、外周のスプラ
インのうち、溝のために歯厚の一部が切除される歯につ
いて強度を補うことにより特別低強度の歯をなくしてい
るから、許容負荷が高い。
インのうち、溝のために歯厚の一部が切除される歯につ
いて強度を補うことにより特別低強度の歯をなくしてい
るから、許容負荷が高い。
【0035】請求項4に記載の車両用変速機は、上記の
ようなアルミニウム合金製の軽量なクラッチハブを組み
込んだものであるため、相当に軽く、したがって車両の
軽量化・低燃費化に貢献する。請求項1について記載し
たように、車両の加・減速レスポンスを向上させる効果
もある。
ようなアルミニウム合金製の軽量なクラッチハブを組み
込んだものであるため、相当に軽く、したがって車両の
軽量化・低燃費化に貢献する。請求項1について記載し
たように、車両の加・減速レスポンスを向上させる効果
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施についての一形態を示す図で、図1
(a)はクラッチハブ11の正面図、同(b)はその縦断面
図である。
(a)はクラッチハブ11の正面図、同(b)はその縦断面
図である。
【図2】図1のクラッチハブ11を組み込んだシンクロ
ナイザー10についての正面図(図2(a))および縦断
面図(図2(b))である。図2(b)は、図4におけるII
部の要部に相当する。
ナイザー10についての正面図(図2(a))および縦断
面図(図2(b))である。図2(b)は、図4におけるII
部の要部に相当する。
【図3】図1および図2とは別の実施形態であるクラッ
チハブ31を示す正面図(図3(a))および縦断面図
(図3(b))である。
チハブ31を示す正面図(図3(a))および縦断面図
(図3(b))である。
【図4】クラッチハブ11やそれを含むシンクロナイザ
ー10などを内蔵した一般的な車両用変速機1の縦断面
図である。
ー10などを内蔵した一般的な車両用変速機1の縦断面
図である。
1 車両用変速機 4 出力軸 10 シンクロナイザー 11・31 クラッチハブ 12・13・32・33 スプライン 14・34 溝 16 スリーブ α 圧力角
Claims (4)
- 【請求項1】 車両用変速機のシンクロナイザーに組み
込まれて軸とスリーブとの間で動力伝達をすべく、当該
軸およびスリーブと結合するスプラインを内周および外
周にそれぞれ有するクラッチハブであって、 高力アルミニウム合金にて形成され、少なくとも上記各
スプラインの表面に硬質アルマイト処理が施されている
ことを特徴とするクラッチハブ。 - 【請求項2】 上記した内周または外周のスプライン
が、30〜45°の圧力角を有するインボリュートスプ
ラインである請求項1に記載のクラッチハブ。 - 【請求項3】 上記した外周のスプラインのうち、スリ
ーブと係合するインサートが配置されるよう外周部に軸
長方向へ向けて形成された溝の両隣では、その溝のため
に歯厚の不完全な歯が、隣接の歯に対して歯みぞを介さ
ず一体に形成されている請求項1または2に記載のクラ
ッチハブ。 - 【請求項4】 請求項1〜3のうちいずれかのクラッチ
ハブがシンクロナイザーのうちに組み込まれていること
を特徴とする車両用変速機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8331911A JP2965921B2 (ja) | 1996-12-12 | 1996-12-12 | クラッチハブおよび車両用変速機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP8331911A JP2965921B2 (ja) | 1996-12-12 | 1996-12-12 | クラッチハブおよび車両用変速機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10169670A true JPH10169670A (ja) | 1998-06-23 |
| JP2965921B2 JP2965921B2 (ja) | 1999-10-18 |
Family
ID=18249021
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP8331911A Expired - Fee Related JP2965921B2 (ja) | 1996-12-12 | 1996-12-12 | クラッチハブおよび車両用変速機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2965921B2 (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| DE10138357A1 (de) * | 2001-08-04 | 2003-02-20 | Ina Schaeffler Kg | Muffenträger einer Schaltkupplung für das Schalten eines Gangrades in einem Schaltgetriebe |
| JP2010276177A (ja) * | 2009-06-01 | 2010-12-09 | Honda Motor Co Ltd | 自動変速機 |
| JP2013108609A (ja) * | 2011-11-24 | 2013-06-06 | Nsk Ltd | ウォーム減速機及び電動パワーステアリング装置 |
| JP2014058990A (ja) * | 2012-09-14 | 2014-04-03 | Isuzu Motors Ltd | シンクロメッシュ機構と、それを搭載する車両用の変速装置 |
| CN105697577A (zh) * | 2014-12-11 | 2016-06-22 | 本田技研工业株式会社 | 同步装置以及变速器 |
-
1996
- 1996-12-12 JP JP8331911A patent/JP2965921B2/ja not_active Expired - Fee Related
Cited By (7)
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| DE10138357B4 (de) * | 2001-08-04 | 2009-10-01 | Schaeffler Kg | Muffenträger einer Schaltkupplung für das Schalten eines Gangrades in einem Schaltgetriebe |
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| CN105697577A (zh) * | 2014-12-11 | 2016-06-22 | 本田技研工业株式会社 | 同步装置以及变速器 |
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