JPH10169699A - 液体封入ブッシュ - Google Patents

液体封入ブッシュ

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JPH10169699A
JPH10169699A JP32955296A JP32955296A JPH10169699A JP H10169699 A JPH10169699 A JP H10169699A JP 32955296 A JP32955296 A JP 32955296A JP 32955296 A JP32955296 A JP 32955296A JP H10169699 A JPH10169699 A JP H10169699A
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JP
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orifice
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Application number
JP32955296A
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English (en)
Inventor
Mitsuhiko Harayoshi
光彦 原良
Tsutomu Matsukawa
勉 松川
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、本体部の大形化を抑制しつつ、低周
波数、特に10Hz付近の防振特性を高めることができ
る液体封入ブッシュを提供する。 【解決手段】本発明は、外周面に軸方向に沿って往復す
るようなU字状のオリフィス路23を有したスプール1
9を液体封入ブッシュ5の中心に在る軸状部材11に回
転自在に嵌挿し、スプール19の回動で、軸状部材11
を挟む両側の弾性体部分に形成した一対の流体室16
a,16bに対してU字状のオリフィス路23の通路端
を連通・遮断することにより、困難とされていた通路長
の長いオリフィス路23で、低周波数域、特に10Hz
付近の低周波数域で防振をもたらす減衰力を発生させる
ようにしたことにある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、振動に応じて防振
特性が切換えられるようにした液体封入ブッシュに関す
る。
【0002】
【従来の技術】自動車のサスペション装置では、同サス
ペンション装置を構成するアームと車体側との枢支部に
ゴム製(弾性体)のブッシュを介装して、アームから加
わる前輪の振動を吸収することが行われている。具体的
には、それぞれア−ム、車体に対する支持部材となる軸
部材とその外周側の円筒状の外筒部材との間に円筒状の
弾性体を介装して、アームから伝わる前輪の振動を吸収
するようにしている。
【0003】ところで、サスペンションからは、走行状
態に応じて、シミー振動(走行中における前輪の横ぶ
れ)をもたらす低周波数域の振動から、ハーシュネス
(路面の小さい凸凹を前輪が越えるときの衝撃が車体に
伝わる振動)をもたらす高周波数域の振動が入力され
る。
【0004】ところが、ゴム製のブッシュは、ゴム部材
のばね定数で防振性能が定まる構造なので、低周波数
域、高周波数域、それら中間の周波数域のいずれにかに
対応する防振特性に対応させることが余儀なくされる。
そのため、防振性能は十分ではない。
【0005】そこで、他の周波数域の防振特性が得られ
るブッシュとして、特開昭63−176843号公報に
開示されているように、軸部材を挟んだ弾性体部分の内
部に液体を封入した一対の流体室を設け、これら一対の
流体室をオリフィス路を介して連通させたり遮断したり
する構造の液体封入ブッシュが提案されている。
【0006】こうした液体封入ブッシュは、オリフィス
路端と流体室とを連通するように切換えることにより、
振動で生じる軸部材と外筒部材との間の相対変位を利用
して、液体がオリフィス路を通過するようになり、その
とき発生する減衰力にて、同振動を減衰する機能を有し
ている。そして、この振動の減衰により、ブッシュの動
的ばね定数を低減して、防振特性の周波数域の設定を広
げようとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、液体の流動
で減衰力を発生させるブッシュで、低周波数(10Hz
付近)における防振特性を得るためには、オリフィス路
の流路長さを、流路断面積が一定としたときその設定周
波数比の約二乗の長さ寸法を確保する必要がある。
【0008】ところが、液体封入ブッシュ自体は、制約
された支持構造の中で用いられるので、本体部の外形を
大きくすることができず、オリフィス路の流路長さを低
周波数域の防振特性に対応させて長くするのは難しい。
【0009】そこで、上記特開昭63−176843号
公報では、軸部材の外周面にならう円弧形のオリフィス
路を用いて、流路長さをかせぐことが行われている。と
ころが、この流路長さでも、10Hz付近の低周波数域
の防振特性を得るには、不十分である。
【0010】そこで、オリフィス路の流路断面積を、で
きるだけ小さくすることも行われているが、それでも十
分な流路長さが確保できない。しかも、逆に流路断面積
を小さくし過ぎると、液体の流動が損なわれ、振動を吸
収する特性を切換えること自体ができなくなる。
【0011】このため、10Hz付近の低周波数域の防
振特性を確保するのが困難で、同領域の防振特性を向上
させるのに有効な液体封入ブッシュが要望されている。
本発明は上記事情に着目してなされたもので、その目的
とするところは、本体部の大形化を抑制しつつ、低周波
数、特に10Hz付近の防振特性を高めることができる
液体封入ブッシュを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1に記載した発明は、軸状の第1の支持部材と
この支持部材の外周側の配置された筒状の第2の支持部
材との間に弾性体を設けて構成される本体部と、第1の
支持部材を挟む弾性体部分に形成され流体が封入されて
なる一対の流体室と、第1の支持部材の軸心方向に沿っ
て形成され両端を一対の流体室の各々に接続したオリフ
ィス路と、一対の流体室同士あるいはオリフィス路と一
対の流体室とを選択的に連通・遮断する流路切換手段と
を有して液体封入ブッシュを構成したことにある。
【0013】この請求項1に記載の発明によると、液体
封入ブッシュは、既存の第1の支持部材の軸方向長さを
利用して、通路長さの長いオリフィス路を容易に確保さ
れる。
【0014】このことは、低周波数域の防振特性をもた
らすオリフィス路を設定することができる。これによ
り、流体室内の液体は、かなり長い通路長を有するオリ
フィス路を流動するので、液体封入ブッシュからは低周
波数域の防振特性に優れた減衰作用を発生することにな
る。
【0015】したがって、液体封入ブッシュは、低周波
数域における防振特性が向上する。特10Hz付近の低
周波数域に有効な防振性能をもたらす。しかも、オリフ
ィス路は、既存の第1の支持部材に設けられるので、液
体封入ブッシュの本体部を大形化せずにすむ。
【0016】請求項2に記載の発明は、上記目的に加
え、簡単な構造でオリフィス路の切換えが行えるように
するために、請求項1に記載の流路切換手段を、外周面
にオリフィス路が形成され、第1の支持部材の内部に同
支持部材の軸心回りに回転自在に嵌挿された軸状の回転
部材と、第1の支持部材に設けられオリフィス路端と流
体室とを連通させる出入口と、回転部材を回動変位させ
る駆動手段とを有して構成したことにある。
【0017】請求項3に記載の発明は、上記目的に加
え、複数種の防振特性の設定が一度に行え、かつ回転部
材の変更で様々な防振特性に変更できるようにするため
に、請求項2に記載の回転部材をオリフィス路と異なる
部位に直径方向に貫通するオリフィス孔を有して構成
し、さらに駆動手段をオリフィス路とオリフィス孔とを
一対の流体室に対して連通・遮断させるモータで構成し
たことにある。
【0018】請求項4に記載の発明は、上記目的に加
え、車両のサスペンション装置に求められる走行状態に
適した種々の防振性能を確保するために、請求項3に記
載のモータを、車両の走行状態に応じてオリフィス路と
オリフィス孔との連通・遮断を行う制御手段で制御する
ようにしたことにある。
【0019】請求項5に記載の発明は、上記目的に加
え、減衰特性をハードとした時の操縦安定性の向上と、
ソフトとした時の乗り心地の向上とともに、高速直進時
には減衰特性をミディアムの状態にしてシミー振動を低
減し直進安定性の向上が図れるようにするため、軸状の
第1の支持部材とこの支持部材の外周側の配置された筒
状の第2の支持部材との間に弾性体を設けて構成される
本体部と、第1の支持部材を挟む弾性体部分に形成され
流体が封入されてなる一対の流体室とを有し、この一対
の流体室を連通・遮断可能として減衰特性をハード・ソ
フトに可変できるようにした液体封入ブッシュにおい
て、さらに第1の支持部材の軸心方向に沿って形成され
両端を一対の流体室の各々に接続したオリフィス路を設
け、該オリフィス路と一対の流体室とを選択的に連通・
遮断し低周波数域のシミー振動を減衰させるようにした
ことにある。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図1ないし図6に
示す一実施形態にもとづいて説明する。図1は本発明を
適用した自動車(車両)のフロントサスペンション装置
を示し、図中1は例えば車体(図示しない)に支持され
たストラット形のサスペンションアッセンブリである。
【0021】このサスペンションアッセンブリ1は、上
端部が車体に支持されて、車体下方へ延びるショックア
ブソーバ1aと、このショックアブソーバ1a一体に組
み込まれたコイルスプリング1bとを有して構成されて
いる。
【0022】このショックアブソーバ1aの下端部に
は、前輪2を支持するナックルアーム3が固定してあ
る。また車体(図示しない)からは、ロアアーム、例え
ば車両前側のラテラルアーム4aと車両後側のコンプレ
ッションアーム4bとをA形に組み合わせて構成される
ロアアームアッセンブリ4が突き出ていて、ナックルア
ーム2の下部を車幅方向に回転自在に枢支している。
【0023】ラテラルアーム4a、コンプレッションア
ーム4bの各基端部は、いずれも車体に対して上下方向
に回動自在に枢支され、サスペンションアッセンブリ1
と共に前輪2を上下方向に変位可能に懸架している。
【0024】そして、ロアアームアッセンブリ4を構成
する例えばコンプレッションアーム4bの基端部の枢支
部4cには、液体封入ブッシュ5が介装され、前輪2か
ら伝わる振動を吸収するようにしてある。
【0025】図1中の拡大図は、この液体封入ブッシュ
5回りの外形を示している。また図2には同液体封入ブ
ッシュ5回りの構造が示してある。ここで、本発明の要
部となる液体封入ブッシュ5回りの構造について説明す
れば、図1および図2中10は液体封入ブッシュ5の本
体部である。
【0026】本体部10は、有底筒形を呈した所定長さ
の軸状部材11(第1の支持部材に相当)と、この軸状
部材11の外周側に配置された短筒状の外筒部材12
(第2の支持部材に相当)と、これら軸状部材11と外
筒部材12との間に介装された短筒形の弾性体13(例
えばゴム部材などの弾性部材からなるもの)と有して構
成してある。
【0027】そして、軸状部材11の開口側の端部外周
に設けた例えば矩形フランジ状の座部材14aと、軸状
部材11の底側の端部に形成された偏平な座部14bと
が、それぞれボルト15で車体部材、例えばクロスメン
バー(図示しない)に固定してある。
【0028】また外筒部材12は、コンプレッションア
ーム4bの基端部に形成された目玉部4d内に回転自在
に嵌挿されていて、コンプレッションアーム4bの基端
部を車体に回動自在に支持させている。
【0029】軸状部材11を挟む180°位相した弾性
体13の内部には、軸状部材11の周壁部分に設けてあ
る一対の出入口13a,13aを露出させるように一対
の流体室16a,16bが形成してある。これら流体室
16a,16bは、いずれも周方向に拡がる扇形をなし
ていて、内部には流体、例えばシリコーンなどの液体1
7が封入してある。
【0030】また他の部分より大径に形成してある軸状
部材11の内腔部の端には、有底形のシール部材18が
着脱可能に嵌挿されていて、軸状部材11の内腔部をシ
ールしている。
【0031】そして、このシール部材18および軸状部
材11の各周壁で形成される円筒形の内腔には、その内
腔形状と対応した軸状のスプール19(回転部材に相
当)が回転自在に嵌挿してある。なお、スプール19の
シール部材18側の角部には面取り部19a(傾斜面)
が施してある。
【0032】出入口13a,13aと対応するスプール
19の先端部分には、図3〜図5にも示されるように直
径方向に貫通する貫通孔で形成されるオリフィス孔20
が穿設されている。
【0033】またこのオリフィス孔20の開口端から周
方向へ所定の角度ずれたスプール部分の外周面には、図
4および図5にも示されるように軸心方向に延びる一対
の長溝21a,21bが形成されている。
【0034】これら長溝21a,21bは、いずれも出
入口13a,13aと面取り部19aとの間に渡り形成
してある。そして、長溝21a,21bの相互は、面取
り部19aとシール部材18の端面との間に形成されて
いる環状の空間22を介して連通していて、軸状部材1
1の内部に軸心方向に向くU字状のオリフィス路23を
形成している。なお、長溝21a,21bは、いずれも
液体17の流動を妨げない範囲の通路断面積を有してい
る。
【0035】この既存の軸状部材11を軸心方向沿いに
往復するようなオリフィス路23にて、低周波数域の防
振特性に求められる通路長さを確保している。またスプ
ール19の基部側の端部中央から突き出た小径な連結杆
部19bは、シール部材18の底部分を貫通して、座部
材14aの端面に着脱可能に固定された回転駆動源、例
えばステップモータ24の出力軸に着脱可能に連結して
あり、ステップモータ24から伝達される回転力によっ
てスプール19を回転させるようにしてある。
【0036】そして、このステップモータ24にて、ス
プール19をそれぞれ、図2に示されるような出入口1
3a,13aとオリフィス路20とが連通するポジショ
ンa、図4に示されるような出入口13a,13aと長
溝21a,21bとが連通するポジションb、図3に示
されるような出入口13a,13bとオリフィス路20
および長孔21a,21bのいずれもが連通しない、す
なわち流体室16a,16b間を遮断するポジションc
に位置決めされるようにしてある。
【0037】つまり、スプール19とステップモータ2
4とで構成される切換機構25にて、ゴム部材の静的ば
ね定数をもたらす流体室16a,16b間を遮断する状
態から、低周波数域で防振特性をもたらす通路長の長い
オリフィス路20で流体室16a,16b間を連通させ
る状態に切換えたり、他の周波数域、すなわち高周波数
域で防振特性をもたらす通路長の短いオリフィス路20
で流体室16a,16b間を連通させる状態に切換える
ようにしてある(切換手段)。
【0038】またステップモータ24は、図1に示され
るように例えばマイクロコンピュータで構成されるEC
U26(制御手段に相当)に接続してある。ECU26
には、車両の走行状態を検知するセンサとして例えば自
動車の車速センサ27(車両速度を検知するセンサ)、
ハンドル角センサ28(ハンドルの角を検知するセン
サ)、路面センサ29(路面の凹凸を検知するセン
サ)、横Gセンサ30(車体に発生する横Gを検知する
センサ)が接続されている。
【0039】またECU26には、例えば車速、ハンド
ル角、悪路、緩〜急操舵の状況で自動車の走行状態に応
じたブッシュの剛性値を定めるマップ(図示しない)
と、これらマップにしたがってオリフィス孔20、オリ
フィス路23の連通・遮断の制御を行う機能とが設定さ
れていて、自動車の走行状態に応じて最適な防振特性が
発揮されるようにしてある。
【0040】すなわち、今、自動車が例えば道路を中・
高速で直進走行しているとする。このとき、ECU26
は、各種センサ27,28,29,30からの検知信号
を受けていて、車速、ハンドル状態、路面、横Gの状態
から平坦な路面を高速直進走行していると判断して、マ
ップにしたがい、ブッシュの剛性値を例えば中間(ミデ
ィアム)に設定していく。
【0041】ついで、ECU26は、この設定にしたが
ってステップモータ24を作動(回転)させ、図4に示
されるようにスプール19をポジションb(ミディア
ム)に位置決める。
【0042】これにより、各長溝21a,21bの端
部、すなわち軸状部材9の内部に形成されているU字状
のオリフィス路23が、出入口13a,13aを介して
各流体室16a,16bに連通していく。
【0043】ここで、図5(c)に示されるようにU字
状のオリフィス路23は、軸状部材11の軸方向長さを
利用して、出入口13a,13aから軸状部材11の端
部までを往復するように形成されているから、かなり長
い通路長が確保される。
【0044】つまり、流体室16a,16b間は、低周
波数域の防振特性に対応した通路長を有するオリフィス
路23で連通される。このことは、同走行中、コンプレ
ッションアーム4bから代表的な低周波数域の振動、例
えばシミー振動(走行中の前輪2の横振れ)が加わると
する。
【0045】すると、軸状部材11と外筒部材12との
間で相対変位が生じて、流体室16a,16b内の液体
17がオリフィス路23を流動していく。そして、液体
17がオリフィス路23を通る際、シミー振動の抑制に
適した減衰力が発生し、自動車の直進安定性を高めてい
く。
【0046】実験によれば、図6の「液体封入ブッシュ
の動特性」を表わす線図の破線で示されるようにU字状
のオリフィス路23を用いる(図4状態)ことにより、
シミー振動が見られる低周波数域を有効に減衰させる減
衰力が発生されるのが確認された。特に、10Hz付近
の低周波数域の振動に有効な防振性能が得られるもので
あった。なお、図6中の太線はオリフィス路20を開い
た状態(図2状態)の特性を示し、図6中の細線はオリ
フィス路20を閉じた状態(図3状態)の特性を示す。
【0047】また走行中、急操舵すると、ECU26
は、横Gセンサ30からの検知信号により、急操舵と判
定し、マップにしたがい、ブッシュの剛性値を例えばハ
ードに設定していく。
【0048】すると、ECU26は、この設定したがっ
てステップモータ24を作動(回転)させ、図3に示さ
れるようにスプール19をポジションc(ハード)に位
置決める。
【0049】これにより、図3および図5(b)に示さ
れるように流体室16a,16b間は遮断され、弾性体
自体がもたらす静的ばね定数にて、液体封入ブッシュ5
を高剛性に保ち、操縦安定性を確保する。
【0050】また走行中、路面センサ29が路面上の小
突起を検知し、ECU26にてハーシュネスをもたらす
と判定されると、ステップモータ23を作動(回転)さ
せ、一瞬の間、図2および図5(a)に示されるように
スプール19をポジションa(ソフト)に位置決める。
【0051】つまり、オリフィス孔20が、出入口13
a,13aを介して各流体室16a,16bに連通して
いく。ここで、オリフィス孔20は、軸状部材11の直
径方向の長さを利用して短く形成されているから、流体
室16a,16b間は、高周波数域の防振特性に対応し
た通路長のオリフィス路で連通される。
【0052】すると、流体室16a,16b間の液体1
7は流動しやすくなり、前輪2が小突起を乗り越える際
に生じる高周波数域の振動が低減される。これにより、
ハーシュネスは減衰されて良好な乗り心地が確保され
る。
【0053】実験によれば、図6の「液体封入ブッシュ
の動特性」を表わす線図の実線で示されるように通路長
の短いオリフィス孔20を用いることにより、ハーシュ
ネスが見られる高周波数域を有効に減衰させる減衰力が
発生されるのが確認された。
【0054】このように軸状部材11内に軸方向に沿う
U字状のオリフィス路23を形成した構造の液体封入ブ
ッシュ5によると、優れた低周波数域の防振特性を得る
ことができるのである。むろん、支持部材として用いて
いる軸状部材11を利用してオリフィス路23を設けて
いるので、本体部10が大形にせずにすむ。
【0055】しかも、オリフィス路23の切換えは、軸
状部材11内に、長溝21a,21bを外周面にもつス
プール19を回転自在に嵌挿し、このスプール19をス
テップモータ24で回転駆動させる構造なので、構造的
に簡単である。特に駆動部分が占める占有スペースは少
なくてすむので、ブッシュ周辺に各種部材が配置される
といった据付け上の制約が強いられるサスペンション装
置には好適である。
【0056】そのうえ、スプール19には、低周波数域
の防振に有効なオリフィス路23だけでなく、高周波数
域の防振に有効な通路長の短いオリフィス孔20を設け
て、高周波数域の防振特性をもたらす減衰力を発生させ
るようにしてあるので、一つの液体封入ブッシュ5で複
数種の防振特性の設定を一度に行うことができる。
【0057】またスプール19の採用は、本体部10は
そのままに、異なる通路長が設定されたオリフィス路2
3、オリフィス孔20を有するスプール19と交換すれ
ば、様々の防振特性を得ることができる利点がある。し
かも、本体部10は共用化されるので、自動車の異車種
間で流用しやすい。
【0058】さらに自動車の走行状態に応じてスプール
19の切換えを行う構造としたので、自動車のサスペン
ション装置に求められる走行状態に適した防振性能、例
えば操縦安定性能と乗り心地性能との両立に貢献するソ
フト、ミディアム、ソフトといった3段階の防振性能を
得ることができる。すなわち、減衰特性をハードとした
時の操縦安定性の向上と、ソフトとした時の乗り心地の
向上とともに、高速直進時には減衰特性をミディアムの
状態にしてシミー振動を低減し直進安定性の向上が図れ
るようになる。
【0059】なお、一実施形態では、スプールを周方向
に回転させて流路を切換える構造を採用しているが、ス
プールを軸心方向にスライドさせて流路を切換える構造
としてもよい。
【0060】また一実施形態では、サスペンション装置
のアームの枢支部に液体封入ブッシュを設けた例を挙げ
たが、これに限らず、例えばエンジンなど振動が発生し
やすい機器のマウントに用いられるブッシュに適用して
もよい。
【0061】
【発明の効果】以上説明したように請求項1に記載の発
明によれば、第1の支持部材の軸方向長さを利用して、
通路長の長いオリフィス路を容易に確保できる。したが
って、低周波数域の防振特性をもたらす通路長の長いオ
リフィス路を液体封入ブッシュに設定することができ
る。
【0062】よって、困難とされていた低周波数域、特
に10Hz付近の低周波数域の防振特性に優れる液体封
入ブッシュを提供できる。しかも、既存の第1の支持部
材内にU字状のオリフィス路を形成するので、液体封入
ブッシュの本体部が大形にならずにすむ。
【0063】請求項2に記載の発明によれば、請求項1
の発明の効果に加え、簡単な切換構造でオリフィス路の
切換えを行うことができる。しかも、駆動部分が占める
占有スペースは少ないので、液体封入ブッシュ全体の大
形化を抑制できる利点もある。
【0064】請求項3に記載の発明によれば、請求項2
の発明の効果に加え、一つの液体封入ブッシュで複数種
の防振特性の設定を一度に行うことができる。しかも、
異なる通路長が設定されたオリフィス路、オリフィス孔
を有する回転部材と交換すれば、様々の防振特性を得る
ことができる利点がある。
【0065】請求項4に記載の発明によれば、請求項3
の発明の効果に加え、車両のサスペンション装置に求め
られる走行状態に適した種々の防振性能を確保すること
ができる。
【0066】請求項5に記載の発明によれば、減衰特性
をハードとした時の操縦安定性の向上と、ソフトとした
時の乗り心地の向上とともに、高速直進時には減衰特性
をミディアムの状態にしてシミー振動を低減し直進安定
性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の液体封入ブッシュを、同
ブッシュを適用した自動車のフロントサスペンション装
置と共に示す斜視図。
【図2】(a)は、同液体封入ブッシュの側面図。
(b)は、同液体封入ブッシュの内部構造を、通路長の
短いオリフィス孔で流体室間が連通した状態と共に示す
断面図。(c)は、図2(b)中のA〜A線に沿う流体
室,スプール回りの側断面図。
【図3】同液体封入ブッシュの流体室間が遮断されたと
きの状態を説明するための断面図。
【図4】同液体封入ブッシュの流体室間が、スプールに
形成されたU字状のオリフィス路を介して連通したとき
の状態を説明するための断面図。
【図5】同液体封入ブッシュの出入口に対するスプール
の切換えの態様を説明するための斜視図。
【図6】同液体封入ブッシュのオリフィス孔、オリフィ
ス路がもたらす防振特性を説明するための線図。
【符号の説明】
5…液体封入ブッシュ 10…液体封入ブッシュの本体部 11…軸状部材(第1の支持部材) 12…外筒部材(第2の支持部材) 13…弾性体 13a…一対の出入口 16a,16b…一対の流体室 17…液体 19…スプール(回転部材) 20…オリフィス孔 23…U字状のオリフィス路 24…ステップモータ(回転駆動源、駆動手段) 26…ECU(制御部) 27、28、29、30…車速センサ、ハンドル角セン
サ、路面センサ、横Gセンサ(車両の走行状態を検知す
る検知手段)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸状の第1の支持部材とこの支持部材の
    外周側の配置された筒状の第2の支持部材との間に弾性
    体を設けて構成される本体部と、 前記第1の支持部材を挟む弾性体部分に形成され流体が
    封入されてなる一対の流体室と、 前記第1の支持部材の軸心方向に沿って形成され両端を
    前記一対の流体室の各々に接続したオリフィス路と、 前記一対の流体室同士あるいは前記オリフィス路と前記
    一対の流体室とを選択的に連通・遮断する流路切換手段
    と、 を具備してなることを特徴とする液体封入ブッシュ。
  2. 【請求項2】 前記流路切換手段は、 外周面に前記オリフィス路が形成されて、前記第1の支
    持部材の内部に同支持部材の軸心回りに回転自在に嵌挿
    された軸状の回転部材と、 前記第1の支持部材に設けられ、前記オリフィス路端と
    前記流体室とを連通させる出入口と、 前記回転部材を回動変位させる駆動手段とを有して構成
    されることを特徴とする請求項1に記載の液体封入ブッ
    シュ。
  3. 【請求項3】 前記回転部材は、前記オリフィス路と異
    なる部位に直径方向に貫通するオリフィス孔を有し、 前記駆動手段は、回転部材を駆動して、前記オリフィス
    路と前記オリフィス孔とを前記一対の流体室に対して連
    通・遮断させるモータで構成されることを特徴とする請
    求項2に記載の液体封入ブッシュ。
  4. 【請求項4】 前記モータは、車両の走行状態に応じて
    前記オリフィス路と前記オリフィス孔との連通・遮断を
    行う制御手段で制御されることを特徴とする請求項3に
    記載の液体封入ブッシュ。
  5. 【請求項5】 軸状の第1の支持部材とこの支持部材の
    外周側の配置された筒状の第2の支持部材との間に弾性
    体を設けて構成される本体部と、前記第1の支持部材を
    挟む弾性体部分に形成され流体が封入されてなる一対の
    流体室とを有し、この一対の流体室を連通・遮断可能と
    して減衰特性をハード・ソフトに可変できるようにした
    液体封入ブッシュにおいて、さらに前記第1の支持部材
    の軸心方向に沿って形成され両端を前記一対の流体室の
    各々に接続したオリフィス路を設け、該オリフィス路と
    前記一対の流体室とを選択的に連通・遮断し低周波数域
    のシミー振動を減衰させるようにしたことを特徴とする
    液体封入ブッシュ。
JP32955296A 1996-12-10 1996-12-10 液体封入ブッシュ Withdrawn JPH10169699A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP4102099A1 (de) * 2021-06-07 2022-12-14 Trelleborg Antivibration Solutions Germany GmbH Hydrobuchse

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