JPH1017534A - 飽和脂肪族カルボン酸アミドの製造方法 - Google Patents

飽和脂肪族カルボン酸アミドの製造方法

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JPH1017534A
JPH1017534A JP18400296A JP18400296A JPH1017534A JP H1017534 A JPH1017534 A JP H1017534A JP 18400296 A JP18400296 A JP 18400296A JP 18400296 A JP18400296 A JP 18400296A JP H1017534 A JPH1017534 A JP H1017534A
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正明 片山
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度なカルボン酸アミドを、副生物が少な
く、工程のシンプルさ、製造設備の建設費、運転操作
性、ユーティリティーコストなど高収得率、高選択率で
工業的有利に製造することが可能な連続的な製造方法の
提供。 【解決手段】 反応容器に式RCOOH(式中、Rは
炭素数1〜4の飽和アルキル基を示す。)で表されるカ
ルボン酸及びアンモニアと共に後の工程において回収さ
れる該カルボン酸のアンモニウム塩を含む成分を供給
し、アンモニウム塩の脱水反応を行い該カルボン酸アミ
ドを含む混合成分を得る第1工程、第1工程で得られ
たカルボン酸アミドを含む混合成分を蒸留して該混合成
分から該カルボン酸アミドを分離する第2工程、および
第2工程で低沸点留分として回収された混合物から水
を留去し、該カルボン酸のアンモニウム塩を回収する第
3工程からなることを特徴とするカルボン酸アミドの製
造方法、

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、溶剤、可溶化剤、
可塑剤の安定剤、染料、医薬品、その他の有機合成用材
料に広く用いられている飽和脂肪族カルボン酸アミド
(以下単にカルボン酸アミドという。)の製造方法に関
する。更に詳しく述べれば、対応する飽和脂肪族カルボ
ン酸(以下カルボン酸という。)とアンモニアから得ら
れるアンモニウム塩の脱水反応を水の存在下にて行いカ
ルボン酸アミドを得、水をカルボン酸のアンモニウムと
共に分離して副生物の生成量を抑え、効率よく高純度な
カルボン酸アミドを製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】カルボン酸アミドは、カルボン酸とアン
モニアからカルボン酸のアンモニウム塩を合成し、これ
を脱水反応させることによって製造しうることが知られ
ている。工業的製造方法においては、目的とするカルボ
ン酸アミド、個々の出発原料や副生物の種類、物性等に
よって、目的物であるカルボン酸アミドの分離精製条件
や副生物、未反応原料の除去やリサイクルの条件が大き
く左右され、特に、原料のコストや入手の容易性、分離
精製後の目的の最終収得率、分離精製系を含めた全生産
工程のシンプルさ、製造設備の建設費、運転操作性、ユ
ーティリティーコストなども極めて重要な要因であり、
これら全てを総合的に見てプロセスを決定する必要があ
る。カルボン酸アミドはカルボン酸とアンモニアから得
られるカルボン酸アンモニウムの脱水反応によって製造
されている。操作はバッチ式、反応温度150〜220
℃、反応時間12〜30時間で行われ、副生する水を低
沸点留分として反応装置上部から取り除きながら運転さ
れる。
【0003】この方法でカルボン酸アミドを製造した場
合、カルボン酸アンモニウムの転化率が90%以上と高
転化率で反応を行うことが可能である。しかし、ニトリ
ル化合物、カルボン酸アミド2量化物などの副生物が比
較的多く生成するため、カルボン酸アミド選択率が90
〜95%と低く、目的物の最終的な収得率も満足できる
ものではない。更にバッチ反応であること、処理時間が
長いこと、副生物生成量が多いことなどを考慮すると、
生産性、経済性から判断して、上記製造方法は工業的に
有利な製造方法とは言えないものである。
【0004】英国特許第935391号公報、特開昭5
7−38754号公報などには、カルボン酸アミドの連
続的製造法として、カルボン酸、またはカルボン酸アン
モニウムを反応塔上部、または中央部分から、アンモニ
ウムを反応塔下部から連続的に供給し、カルボン酸アミ
ドを製造する方法が開発されている。この製造方法で
は、反応原料としてアンモニウムをカルボン酸に対して
過剰に使用している。その余乗分のアンモニアは水と共
に反応塔上部から留出するが、その留分を凝縮するため
には極めて低い温度の冷媒を用いなければならない。更
に、留分として回収されるアンモニア水から水を留去す
るための分離装置、その分離操作によって得られるアン
モニアガスを回収するための吸収塔が必要であり、経済
性、操作性といった点で満足できる製造方法とは言えな
い。また、カルボン酸アンモニウムの分解反応によって
生じるアンモニアガスの多くは反応塔上部から系外に留
出する。そのため、原料として加えたアンモニア量に対
するカルボン酸アミドの収率は満足できるものとは言え
ず、更にニトリル化合物、カルボン酸アミド2量化物な
どの副生物も比較的多く生成する欠点がある。
【0005】一方、カルボン酸アミドの脱水縮合触媒と
して、酸化モリブデン、アルキルスズ系触媒、シリカゲ
ル−アルミナ混合物、四塩化チタン触媒を用いたカルボ
ン酸アミドの製造方法が開発されている。この方法は比
較的低温下で反応が行えるため、ニトリル化合物、カル
ボン酸アミド2量化物等の副生物の生成を抑制でき、反
応時間も短縮化される。しかし反応に触媒を用いた場
合、得られた目的物中に触媒が溶解することが懸念され
るため、反応終了後製品化合物から触媒を分離する工程
が必要となってくる。触媒使用に伴う触媒製造、触媒除
去コストも考慮すると、この方法もまた満足できる製造
方法とは言えない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、高純度なカ
ルボン酸アミドを副生物が少なく、分離精製後の目的の
最終収得率、分離精製系を含めた全生産工程のシンプル
さ、製造設備の建設費、運転操作性、ユーティリティー
コストなど簡単、高収得率、高選択率で工業的有利に製
造することが可能な連続的な製造方法を提供することを
目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意研究を行った結果、本発明のカル
ボン酸アミドの製造方法を完成するに至った。即ち本発
明は、 1)第1工程として、反応容器に式RCOOH(式
中、Rは炭素数1〜4の飽和アルキル基を示す。)で表
されるカルボン酸及びアンモニアを供給するかまたはそ
れらと共に第2工程及び/または第3工程において回収
される該カルボン酸のアンモニウム塩を含む成分を供給
し、該カルボン酸とアンモニアから得られる該カルボン
酸のアンモニウム塩の脱水反応を行い該カルボン酸アミ
ドを含む混合成分を得る工程、 第2工程として、第1工程で得られたカルボン酸アミ
ドを含む混合成分を蒸留して該混合成分から該カルボン
酸アミドを分離する工程、および 第3工程として、第2工程で低沸点留分として回収さ
れた混合物から水を留去し、該カルボン酸のアンモニウ
ム塩を回収する工程からなることを特徴とするカルボン
酸アミドの製造方法、
【0008】2)第1工程において、脱水反応を反応温
度130〜250℃、反応圧力2〜20kg/cm2
行う(1)記載のカルボン酸アミドの製造方法、 3)第2工程において、蒸留を減圧度1〜400Tor
rにて行う(1)記載のカルボン酸アミドの製造方法
法。 4)第3工程において、第2工程で低沸点留分として回
収された留分に、カルボン酸アンモニウム塩とカルボン
酸のモル比がアンモニウム塩/カルボン酸=10/1〜
20となるようにカルボン酸またはアンモニアを加えて
調整し、水を留去する(1)ないし3のいずれかに記載
のカルボン酸アミドの製造方法、及び 5)カルボン酸が酢酸であり、カルボン酸アミドがアセ
トアミドである請求項1〜3のいずれかに記載のカルボ
ン酸アミドの製造方法を開発することにより上記の目的
を達成した。 以下、本発明ついて、更に詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】第1工程は、反応容器にカルボン
酸とアンモニアを供給するかまたはそれらと第2工程及
び/または第3工程において回収されるカルボン酸のア
ンモニウム塩を主成分とする成分を反応容器に供給し脱
水反応を水の存在下で行い、目的物であるカルボン酸ア
ミドを含む成分を得る工程である。目的とするカルボン
酸アミドとしてはアセトアミド、プロピオンアミド、i
so−ブチルアミド、n−ブチルアミド、tert- ブチル
アミド、2−メチル−n−ブチルアミドなどが挙げられ
るが、特にアセトアミドが好ましい。
【0010】反応に用いるカルボン酸、あるいはそのア
ンモニウム塩のカルボン酸は、カルボン酸アミドに対応
するカルボン酸であり、具体的には酢酸、プロピオン
酸、iso−酪酸、n−酪酸、ピバリン酸、iso−吉
草酸、n−吉草酸などが挙げられる。
【0011】第1工程における脱水反応は、130〜2
50℃の範囲にて行い、特に160〜200℃で行うの
が望ましい。反応温度が130℃より低くなると、アン
モニウム塩の転化率が十分上がらず、処理時間も長期化
する事になる。反応温度が250℃より高くなると、副
生物の生成が大きくなり、反応系の圧力が高くなり、装
置的により高価な反応容器が必要であり、コスト的に不
利となる。反応時間は、反応温度などの反応条件にもよ
るが、通常は滞留時間1〜10時間が妥当である。
【00012】反応に供する原料のモル比は、カルボン
酸(第2工程及び第3工程よりサイクルされるアンモニ
ウム塩のカルボン酸分も含む)/アンモニア(第2工程
または第3工程よりリサイクルされるアンモニウム塩の
アンモニア分も含む)=0.1〜10/1の範囲が好ま
しく、より好ましくはカルボン酸/アンモニア=0.5
〜2/1、更にカルボン酸/アンモニア=0.8〜1.
2/1であるのが特に好ましい。上記した割合よりカル
ボン酸の配合比を少なくしたり、または多く加えても反
応成績等に及ぼす影響は少ないが、リサイクルするアン
モニア、またはカルホン酸の量が増加するだけであり、
装置的にもエネルギー的にも無駄になる。また、カルボ
ン酸供給モル量/アンモニア供給モル量を1より小さい
条件で脱水反応を行う場合には、第2工程の蒸留操作に
おいて、低沸点留分の過剰な遊離のアンモニア成分を回
収しなければならない。その場合、アンモニアを回収す
るため、アンモニア吸収塔などの特別な措置を講じる必
要が生じてくる。カルボン酸供給モル量/アンモニア供
給モル量の値が1に近いと導入する装置は簡易なものと
なるが、上に示した値より低いと特別な装置が必要とな
る。
【0013】反応原料の供給方法には特に制限はない。
反応容器内に別々に直接供給しても良いし、予め別の混
合槽で混合しカルボン酸アンモニウムを主成分とする混
合液を作成した後、その混合液を容器内に供給し、脱水
反応を進行させても良い。反応容器内に直接供給した場
合は、反応装置内でカルボン酸とアンモニアからそのカ
ルボン酸のアンモニウム塩が直ちに生成し、そのアンモ
ニウム塩から脱水してカルボン酸アミドが合成される。
【0014】この脱水反応を行う際の圧力に特に制限は
ないが、脱水反応により副生する水をできるだけ除去す
ることなくその存在下で脱水反応を効率的進めるために
は、より高温下で操作を行うのが望ましい。そのため、
一般的に反応は加圧下で行われる。その圧力は、原料と
して加えるカルボン酸、アンモニア、そのカルボン酸の
アンモニウム塩等の供給モル比、操作温度等に依存する
が、2〜20kgf/cm2 が一般的である。第1工程
において用いられる反応装置としては、上記の脱水反応
を行うに必要とされる最高圧力に耐えうる容器であれば
特に制限はなく、その構造様式に厳密な条件はない。
【0015】第2工程は、第1工程で得られたカルボン
酸アミドを含む混合成分を蒸留し、精留塔底部から高純
度なカルボン酸アミドを、精留塔塔頂から低沸騰点物を
回収する工程である。第2工程の操作は一般的な蒸留分
離法で行われる。蒸留装置内の圧力は、減圧、常圧、加
圧のいずれの場合も差し支えがないが、蒸留温度を低下
させ、ニトリル化合物やカルボン酸アミド2量化物など
の副生成物が多量に生成するのを防ぐため減圧下で行う
のが望ましい。本発明のカルボン酸アミドにおいては、
操作圧力は減圧度1〜400Torr、特に10〜10
0Torrで行うのが好ましい。また、その操作圧力に
よって精留塔内の温度分布は決定され、精留塔底部の温
度が操作圧力に於けるカルボン酸アミドの沸騰点となる
ように蒸留操作を行うのが望ましい。
【0016】第2工程の精留塔に供給される、蒸留原料
としての第1工程で得られたカルボン酸アミドを含む混
合成分の組成は、主として第1工程にフィードされた原
料の配合比及びその反応条件によって決定される。通
常、第1工程からカルボン酸アミドとして、濃度40〜
70重量%の反応混合物が第2工程に供給される。本発
明の実施においてはカルボン酸アミドの濃度に特に制限
はないが、一般にカルボン酸アミド濃度の高い原料を用
いた方が製造されるカルボン酸アミドの純度が高く、か
つ同一装置であっても処理能力が大きくなるので望まし
い。反応混合物のその他成分としては、水、カルボン酸
アンモニウム、カルボン酸アミドの2量化物、アミジン
系化合物などが挙げられるが、第1工程の原料フィード
の配合組成によっては、更にカルボン酸またはアンモニ
アのいずれかが含まれることになる。
【0017】アンモニアが含まれる混合成分を第2工程
の原料として用いる場合、未凝縮ガスとしてアンモニア
ガスが減圧ラインへ流れ込む可能性がある。この場合に
は、蒸留装置と真空ポンプを結ぶ減圧ラインの途中にア
ンモニアガスを吸収するアンモニア吸収設備を設けるこ
とが望ましい。そのアンモニアガス吸収設備の構造、様
式には特に制限はないが、本発明をより効率的に実施す
るためにアンモニアの吸収を行うのに、カルボン酸アミ
ドの原料と同一なカルボン酸をトラップ剤として用いる
のが望ましい。例えば、簡易なタワーを用い、カルボン
酸を塔上部から、アンモニアを主成分とする未凝縮ガス
を塔下部から供給し、気液接触させ、アンモニア等を吸
収させる。その設備で回収されたアンモニアは第1工程
へ送られ、反応原料として再利用する。このような操作
を行うことによって、真空ポンプへのアンモニガスの流
入を防止すると共に、原単位の向上も可能となすること
ができる。
【0018】第1工程の混合成分を、第2工程の精留塔
のいかなる位置に供給するかは特に制限はないが、供給
位置と精留塔塔頂部の間には、カルボン酸アミドが精留
塔塔頂から留出しないように、カルボン酸アミドと留出
物が充分分離できるだけの分離性能を持った精留部分を
設け、供給位置と精留塔塔底部の間には精留塔塔底から
カルボン酸やそのアンモニウム塩などの低沸点物が許容
量以上に留出しないように、カルボン酸アミドと低沸点
物が充分分離できるだけの分離性能を持った精留部分を
設けることが必要である。
【0019】本発明に於いて用いられる蒸留装置として
は特に制限はなく、その構造様式に厳密な条件はない。
通常は精留塔部分として1〜100段、好ましくは5〜
50段の理論段数を有するものを用いる。精留塔の構造
は任意の物が用いられ、例えば棚段塔としては、泡鐘ト
レー、ユニフラックストレー、フレキシトレー、ナッタ
ーフロートレー、バラストトレー、多孔板トレー、カス
ケードトレー、ベンチュリートレー、キッテルトレー、
リサイクリングトレー、チムニートレー、ジェットトレ
ー、ターボグリッドトレー、リップルトレー、デュアル
フロートレー、バッフルトレー等を用いた棚段塔が挙げ
られる。また、充填塔としてはリング型充填物、サドル
型充填塔、スプレーパック、パナパック、グッドロイパ
ッキング、ステッドマンパッキング、マクマホンパッキ
ング、スルザーパッキング、ヘリクス、垂直平板充填物
等を用いた充填塔が挙げられる。
【0020】第2工程における還流比は、精留塔塔頂か
らのカルボン酸アミドの留出を可能な限り抑え、塔頂か
らの留出物がアンモニウム塩と水を主成分とする混合物
となるように設定すれば良く、制限するわけではないが
0.2〜10が望ましい。精留塔塔頂からの回収される
混合物の主成分は第1工程の反応原料であるカルボン酸
のアンモニウム塩と水であり、第3工程へ送られる。精
留塔塔底からの缶出物は、カルボン酸アミド濃度が95
〜99.9重量%の高純度なカルボン酸アミドである。
これはそのまま製品として使用しても良いが、この分離
したカルボン酸アミドを再度蒸留精製法、抽出蒸留精製
法、各種晶折装置を用いた晶折精製法、吸着分離法また
は膜分離法など、一般的な精製方法でより高純度のカル
ボン酸アミドに精製しても良い。
【0021】第3工程は、第2工程で精留塔塔頂から回
収される、主成分が水とカルボン酸アンモニウム塩であ
る混合成分から水を留去し、分離した主としてカルボン
酸のアンモニウム塩からなる回収成分を第1工程へリサ
イクルする工程である。操作は、第2工程と同様に一般
的な蒸留分離法で行われる。蒸留装置内の圧力は、減
圧、常圧、加圧のいずれの場合でも差し支えがないが、
減圧下で行うのが望ましい。蒸留する際の温度が高くな
ると、カルボン酸アンモニウムの分解反応が促進され、
装置上部から水とともにアンモニアが留出することにな
り、その留分からアンモニアを留去するアンモニア水分
離工程が別に必要となる。操作圧力は、減圧度1〜60
0Torr、特に50〜300Torrで行うのが好ま
しい。また、その操作圧力によって精留等塔内の温度分
布は決定される。
【0022】第3工程に供給される、第2工程の精留塔
塔頂からの回収成分である蒸留原料の組成は、主に第1
工程の原料の供給配合比及び反応条件によって決定され
る。通常、カルボン酸のアンモニウム塩、水、およびカ
ルボン酸若しくはアンモニアの混合液であり、第2工程
より供給される。その原料をそのまま蒸留装置内に供給
し操作を行っても良いが、その混合液にカルボン酸また
はアンモニアを、該混合液中のアンモニウム塩に対する
カルボン酸のモル比がアンモニウム塩/カルボン酸=1
0/1〜20、好ましくは10/5〜10となるよう
に、フリーのアンモニアが存在せずに、カルボン酸が若
干過剰の条件になるように調整の上使用することが好ま
しい。
【0023】カルボン酸がアンモアに対し過剰に加えた
時はアンモニウム塩の分解反応が抑制され、更に分解反
応によってアンモニアガスが発生してもトラップ剤とし
ての作用をするため、蒸留装置上部からのアンモニアの
留出を抑えられる。また、装置下部から回収される第1
工程へリサイクルされるカルボン酸のアンモニウム塩成
分に含まれる水量を減少させることができ、更に本工程
で使用される蒸留塔の理論段数も低くすることが可能で
ある。しかしカルボン酸を上記した割合より多く加える
とカルボン酸が装置上部から留出することとなり、また
カルボン酸と水を分離する工程が別に必要となりるため
コスト的に不利である。
【0024】本第3工程において用いられる蒸留装置に
は特に制限はなく、その構造様式に厳密な条件はない。
通常は、精留塔部分として1〜100段、好ましくは5
〜50段の理論段数を有するものを用い、精留塔の構造
は任意の物が用いられ、例えば棚段塔、充填塔が挙げら
れる。原料の供給位置には特に制限はないが、供給位置
と精留塔塔頂部の間には、カルボン酸、またはアンモニ
アが精留塔塔頂から許容量以上留出しないような分離性
能を持った精留部分を設け、供給位置と精留塔塔底部の
間には、精留塔塔底から水が許容量以上に缶出しないよ
うな分離性能を持った精留部分を設けるのが望ましい。
【0025】この精留においては、精留塔塔頂からのカ
ルボン酸、アンモニアの留出を抑え、塔頂から可能な限
り水のみが流出するように設定すれば良く、通常還流比
としては0.2〜10となるものが望ましい。精留塔塔
底からの回収物は、カルボン酸のアンモニウム塩と水、
場合によっては更にカルボン酸を含む混合物を主成分と
する混合物である。この混合物は、第1工程へ送られ再
利用される。
【0026】以上の説明からわかるように、本発明方法
では、カルボン酸とアンモニウムから得られるカルボン
酸アンモニウムの脱水反応が、第2工程及び/または第
3工程からのリサイクル成分及び反応の進行に伴い生成
した大量の水の存在下で進行させるところに特徴を有
し、カルボン酸アミドの2量体、ニトリル化合物、アミ
ジン系化合物の副生を抑制した条件下での脱水縮合反応
を進行させる点にある。この結果、高選択率でカルボン
酸アミドを製造することが可能となった。またカルボン
酸アミドの製造の際、副生する水は従来法ではカルボン
酸、またはアンモニアとともに回収されていたのに対し
て、本発明方法においては、水とカルボン酸アンモニウ
ムを主成分とする混合液として分離し、この水とカルボ
ン酸アンモニウムを主成分とする混合液からの水の分離
は、カルボン酸のアンモニウム塩の分解速度が遅い比較
的低温下で蒸留操作を行うことによって副生物の生成を
抑えると共に、この分離操作をカルボン酸存在下で行う
ことによって、より効率的に、簡易な装置で水を能率よ
く除去することが可能となった。
【0027】
【実施例】以下、本発明の実施例を挙げて更に詳しく説
明するが、本発明は下記の例によって何ら限定されるも
のではない。 (実施例1) [第1工程]温度170℃、圧力5kgf/cm2 に保
たれた1m3 撹拌機付反応容器に、酢酸を61.2kg
/時間、アンモニアを24.5kg/時間、第3工程よ
り供給された、酢酸アンモニム/酢酸/水=20/15
/10(モル比)の混合液を73.3kg/時間の割合
で連続的に供給し、同時にアセトアミド濃度54重量%
の混合成分(液)を159kg/時間の割合で連続的に
抜き出した。この混合成分の酢酸アンモニウム転化率は
72%であり、アセトアミド選択率99%であった。
【0028】[第2工程]マクマホン充填物が充填され
た理論段数22段の充填式精留塔の中央部に、第1工程
から抜き出されたアセトアミド濃度54重量%の混合成
分(液)を159kg/時間の割合で連続的に供給し
た。蒸留操作は圧力50Torr、還流比2で行い、蒸
留塔塔底温度は142℃であった。濃縮物は、塔底より
85.0kg/時間の割合で回収され、濃縮物のアセト
アミド濃度は99重量%であった。また、塔頂からは酢
酸アンモニウムと水の混合物が74.1kg/時間の割
合で回収された。 [第3工程]第2工程の低沸点成分として精留塔塔頂物
として得られた酢酸アンモニウムと水の混合物に酢酸を
モル比が酢酸アンモニウム/酢酸/水=28/21/8
6となるように加える。それをマクマホン充填物が充填
された理論段数10段の充填式精留塔の下段に99.3
kg/時間の割合で連続的に供給した。蒸留操作は圧力
200Torr、還留比2で行い、蒸留塔ボトム温度は
100℃であった。その結果、塔底から酢酸アンモニウ
ム濃度59重量%の酢酸アンモニウム/酢酸/水混合成
分が73.4kg/時間の割合で回収され、塔頂からは
水濃度99.5重量%の成分が25.9kg/時間で回
収された。その缶出物は第1工程の反応原料として再利
用した。
【0029】(実施例2) [原料合成工程]温度80℃に保たれた、酢酸アンモニ
ウムの供給管が取り付けられた1m3 撹拌機付反応容器
に、酢酸を61.2kg/時間、アンモニアを24.5
kg/時間、第3工程より供給された酢酸アンモニウム
/酢酸/水=20/15/10(モル比)の混合液を7
3.3kg/時間の割合で連続的に供給し、同時にモル
比酢酸アンモニウム/水=100/10の混合物(液)
を159kg/時間の割合で連続的に抜き出した。 [第1工程]原料合成工程で得られた混合物(液)を、
温度170℃、圧力5kgf/cm2 に保たれた1m3
撹拌機付反応容器に、159kg/時間の割合で連続的
に供給し、同時に反応容器部からはアセトアミド濃度5
4重量%の反応物(液)を159kg/時間の割合で連
続的に抜き出した。酢酸アンモニウム転化率72%であ
り、アセトアミド選択率99%であった。 [第2工程]実施例1と同じ装置を用い、同様の操作に
よって蒸留操作を行った結果、塔底よりアセトアミド濃
度99重量%の濃縮物が85kg/時間の割合で回収さ
れ、また塔頂からは、酢酸アンモニムと水の混合物が得
られた。 [第3工程]実施例1と同じ装置を用い、同様の操作に
よって蒸留操作を行った結果、塔底より酢酸アンモニウ
ム濃度59重量%の酢酸アンモニウム、酢酸と水の混合
成分が得られた。塔底より回収された混合成分は第1工
程の反応原料として再利用した。
【0030】(比較例)マクマホン充填物を充填した理
論段数14段の充填式精留塔が付いた2m3 の撹拌機付
反応容器に、酢酸アンモニウムを1000kg仕込み、
徐々に加熱する。脱水反応の進行にともない生成した水
を装置上部から回収しながら操作は行い、最終的に約1
80℃まで反応容器内の温度を上昇させた。回収した反
応液のアセトアミド濃度は約60重量%であり、酢酸ア
ンモニウム転化率95%。アセトアミド選択率94%で
あった。
【0031】
【発明の効果】本発明方法では、カルボン酸とアンモニ
ウムから得られるカルボン酸アンモニウムの脱水反応
を、水の存在下で進行させることにより、副生するカル
ボン酸アミドの2量体、ニトリル化合物、アミジン系化
合物などの副生生物の生成量を極めて低く抑えることに
より、高選択率でカルボン酸アミドが製造できた。更に
水とカルボン酸のアンモニウム塩ととの分離を遊離のカ
ルボン酸存在下でその操作を行うことによって、より効
率的に、簡易な装置で水を除去することができた。本発
明はその結果副生成物を極度に低く抑え、選択率を高
く、分離精製後の目的の最終収得率の高い方法であり、
かつ、分離精製系を含めた全生産工程のシンプルさ、製
造設備の建設費、運転操作性、ユーティリティーコスト
なども極めて有利な操作性の優れたカルボン酸アミドの
製造方法を確立できた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相沢 利行 大分県大分市大字中の洲2 昭和電工株式 会社大分工場内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1工程として、反応容器に式RCO
    OH(式中、Rは炭素数1〜4の飽和アルキル基を示
    す。)で表される飽和脂肪族カルボン酸及びアンモニア
    を供給するかまたはそれらと共に第2工程及び/または
    第3工程において回収される該カルボン酸のアンモニウ
    ム塩を含む成分を供給し、該カルボン酸とアンモニアか
    ら得られる該カルボン酸のアンモニウム塩の脱水反応を
    行い該カルボン酸アミドを含む混合成分を得る工程、 第2工程として、第1工程で得られたカルボン酸アミ
    ドを含む混合成分を蒸留して該混合成分から該カルボン
    酸アミドを分離する工程、および 第3工程として、第2工程で低沸点留分として回収さ
    れた混合物から水を留去し、該カルボン酸のアンモニウ
    ム塩を回収する工程からなることを特徴とする飽和脂肪
    族カルボン酸アミドの製造方法。
  2. 【請求項2】 第1工程において、脱水反応を反応温度
    130〜250℃、反応圧力2〜20kg/cm2 で行
    う請求項1記載の飽和脂肪族カルボン酸アミドの製造方
    法。
  3. 【請求項3】 第2工程において、蒸留を減圧度1〜4
    00Torrにて行う請求項1記載の飽和脂肪族カルボ
    ン酸アミドの製造方法法。
  4. 【請求項4】 第3工程において、第2工程で低沸点留
    分として回収された留分に、飽和脂肪族カルボン酸アン
    モニウム塩とカルボン酸のモル比がアンモニウム塩/カ
    ルボン酸=10/1〜20となるようにカルボン酸また
    はアンモニアを加えて調整し、水を留去する請求項1な
    いし3のいずれかに記載の飽和脂肪族カルボン酸アミド
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 飽和脂肪族カルボン酸が酢酸であり、カ
    ルボン酸アミドがアセトアミドである請求項1〜3のい
    ずれかに記載の飽和脂肪族カルボン酸アミドの製造方
    法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008501737A (ja) * 2004-06-11 2008-01-24 デグサ ゲーエムベーハー アミドカルボニル化反応(1)を使用するアミノ酸の製造方法
JP2008501738A (ja) * 2004-06-11 2008-01-24 デグサ ゲーエムベーハー アミドカルボニル化反応を使用するアミノ酸の製造方法
WO2013153754A1 (ja) * 2012-04-11 2013-10-17 出光興産株式会社 β-アルコキシプロピオンアミド類の製造方法

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