JPH10176065A - 球状ポリマー微粉末の製造方法 - Google Patents

球状ポリマー微粉末の製造方法

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JPH10176065A
JPH10176065A JP33678096A JP33678096A JPH10176065A JP H10176065 A JPH10176065 A JP H10176065A JP 33678096 A JP33678096 A JP 33678096A JP 33678096 A JP33678096 A JP 33678096A JP H10176065 A JPH10176065 A JP H10176065A
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JP
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polymer
solvent
spherical
thermoplastic polymer
thermoplastic
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JP33678096A
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English (en)
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Takumi Yanagida
拓巳 柳田
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DIC Corp
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Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】球状樹脂微粒子を安定して得ることが出来る簡
便な方法を提供する。 【解決手段】次の(イ)〜(ハ)の工程からなることを
特徴とする球状ポリマー微粉末の製造方法。 (イ)微粉末化する熱可塑性ポリマー(a)に他の1種類
以上の熱可塑性ポリマー(b)を加えて溶融混練し、ポリ
マー(a)が分散相(島)、他のポリマー(b)がマトリック
ス(海)となる様な海島構造を持った樹脂組成物を得
る。 (ロ)該樹脂組成物を、ポリマー(a)は溶解せず、他ポ
リマー(b)が溶解するような溶媒(c)及び条件にて洗浄す
る。 (ハ)ポリマー(a)と溶媒の混合物より、該溶媒(c)を除
去し、球状微粉末を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、球状熱可塑性ポリ
マー微粉末の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性ポリマー粒子の製造方法として
は様々な方法が知られている。例えば、a)ボールミ
ル、ジェットミル等を用いる機械的粉砕法、b)乳化重
合、非水系分散重合、シード乳化重合及び懸濁重合法等
特殊な重合方法を用いて、重合性モノマーを粒子状に重
合させる方法、c)スプレードライ法、d)ポリマーを
そのガラス転移点や融点以上の高温で溶媒に溶解後、冷
却することによってポリマーを晶析させる方法、e)ポ
リマーを溶媒に溶解後、該ポリマーの貧溶媒でありかつ
該ポリマーの溶媒に相溶性のある溶媒を添加混合するこ
とによってポリマーを析出させる方法、f)ポリマーを
溶媒に溶解して得られた溶液を、該ポリマーの貧溶媒で
かつ該溶媒に非相溶性の溶媒中に添加混合し、強く撹拌
させ分散状態とした後、該分散液中の溶媒を除去し、ポ
リマーを取り出す方法、g)ポリマーを溶媒に溶解して
得られた溶液に、乳化剤の含有した水を撹拌下で添加し
O/W型エマルジョンに乳化した後に、撹拌しながら有
機溶媒を飛散させてポリマーを得る方法等ポリマーを溶
媒に溶解させた後に析出させる化学的粉砕法等が挙げら
れる。
【0003】上記a)〜g)の方法の中で、比較的球状
のポリマー微粉末が得られる方法としてはf)、g)が
挙げられ、f)法については例えば、特公昭61−28
688号、特開昭62−1728号、特開昭62−32
124号等に開示され、g)法については例えば、特公
平7−47643号等に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、熱可塑
性ポリマーは、a)法の機械的粉砕では球状微粒子化す
ることが困難であり、また、b)〜e)法においても、
再現性に劣る、球状微粒子を得ることが困難である等の
問題を有していた。
【0005】また、f)法においては、撹拌の調整条件
が複雑であること、粒子径の小さい球状微粉末を得るた
めにはポリマー溶液粘度を著しく低くする必要があり、
有機溶媒を多量に使用する必要があること、特に本発明
に適応される熱可塑性ポリマーにおいてはポリマー溶液
の粘度が著しく高く実質的に球状微粒子を得ることは困
難であること、等の欠点を有している。
【0006】さらに、g)法においては、水溶性のポリ
マーは使用できないこと、また、水と相容する(水に溶
解する)溶媒は使用できないこと、各種溶媒への溶解度
が低いエンジニアリングプラスチックや熱可塑性エラス
トマー等への応用は、g)法の条件である100℃以下
でのポリマー溶液を得ることが不可能であったり、仮に
可能であったとしても多量の溶媒が必要となり、球状粒
子が得られない、乳化液が得られない等の問題が発生す
ることより困難であること、等の理由により、実施可能
なポリマーが一部非晶性ポリマー等に限定されるもので
あった。
【0007】以上のように、熱可塑性ポリマー、特に耐
溶剤性の高い結晶性ポリマーについては、未だ球状微粒
子を安定して得ることが難しい状況にある。本発明は、
この様な熱可塑性ポリマーの球状微粒子を製造する方法
に関するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決すべく
鋭意検討した結果、次の構成を有する方法にて目的とす
る熱可塑性ポリマーの球状微粒子が得られることを見い
出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は次の
工程を当該順序で行う発明を提供する。
【0009】(イ)微粉末化する熱可塑性ポリマー(a)
に他の1種類以上の熱可塑性ポリマー(b)を加えて溶融
混練し、ポリマー(a)が島、他のポリマー(b)が海となる
様な海島構造を持った樹脂組成物を得る。 (ロ)該樹脂組成物を、ポリマー(a)は溶解せず、他ポ
リマー(b)が溶解するような溶媒(c)及び条件にて洗浄す
る。 (ハ)ポリマー(a)と溶媒の混合物より、該溶媒(c)を除
去し、必要に応じて溶媒除去前後に分級処理を行うこと
によって、球状微粉末を得る。
【0010】尚、本発明におけるポリマー(a)とポリ
マー(b)とからなる樹脂組成物においては、ポリマー
(a)が分散相、ポリマー(b)がマトリックス相とな
る。本発明では、この分散相を島、マトリックス相を海
と呼ぶ。
【0011】本発明に使用する熱可塑性ポリマー(a)
は、微粉末化すべき方のポリマーであり、基本的に、上
記工程(ロ)の洗浄条件において後述する溶媒(c)に実
質的に溶解しないものであればよく、具体的には、ポリ
イミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、スチレンブタジエン共重合体、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレン
スルフィド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリアリレート、ポリアセタール、ポリエーテルケ
トン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリ
マー、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、及びそ
れらの変性物、共重合体、混合物が挙げられるがこれら
に限定されるものではない。
【0012】最終的に得られる、熱可塑性ポリマー
(a)微粒子集合体からなる微粉末の耐溶剤性を考慮す
ると、これらのポリマーの中では、結晶性ポリマーが好
ましく、特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフェ
ニレンスルフィド、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
ブチレンナフタレート、ポリエチレンテレフタレート、
ポリエチレンナフタレート等が好ましい。
【0013】本発明に使用する他の熱可塑性ポリマー
(b)は、上記工程(ロ)の洗浄条件において後述する溶
媒(c)に溶解する必要があり、かつ熱可塑性ポリマー(a)
と非相容であることが必要である。
【0014】本発明において、非相容とは、マクロレベ
ルでは混合されている様に見えても、ポリマー(a)と
ポリマー(b)とが分子レベルでは完全に混合されてい
ないこと意味する。相容、すなわちポリマー(a)とポ
リマー(b)とが分子レベルで完全に混合されている場
合には、ポリマー(b)は容易には溶媒(c)で抽出で
きない。この状態以外の状態全てを総称して、非相容と
いう。本発明においては、ポリマー(a)とポリマー
(b)からなる樹脂組成物の全体全てが、非相容でなく
ともよく、非相容部分が含まれていればよい。本発明に
おいて、非相容という状態には、非相溶のポリマー
(a)と(b)とが、相溶化剤によって、相容までいか
ないが相溶している状態をも含む。
【0015】ポリマー(b)としては、具体的には、ポ
リイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、スチレンブタジエン共重合体、ポリアミド、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレン
スルフィド、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォ
ン、ポリアリレート、ポリアセタール、ポリエーテルケ
トン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリブチレンテレ
フタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、液晶ポリ
マー、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、及びそ
れらの変性物、共重合体、混合物が挙げられるがこれら
に限定されるものではない。
【0016】また、これらの熱可塑性ポリマー(b)は、
熱可塑性ポリマー(a)の種類により、融点、軟化点、混
練温度での溶融粘度、相溶性を考慮した上で、適宜選択
される。
【0017】ポリマー(a)とポリマー(b)とが非相
容となる様に各々を選択すると、それらを溶融混練した
樹脂組成物は、ポリマー(b)からなるマトリック相に
ポリマー(a)分散相が形成された、海島構造を呈する
様になる。
【0018】ここで比較的海島構造を容易に形成する様
なポリマー(a)及び(b)の組み合わせとしては、例
えば、次の様な対が挙げられる。以下の1−4の場合に
おけるポリマー(a)は、代表的な結晶性ポリマーの例
である。
【0019】
【表1】
【0020】本発明に使用する溶媒(c)は、上記工程
(ロ)の洗浄条件において、熱可塑性ポリマー(a)を溶
解せず、他の熱可塑性ポリマー(b)を溶解するようなも
のであれば特に限定されない。溶媒(c)は、ポリマー
(b)のみを選択的に溶解するものであることが好まし
い。具体的には、例えば水;メタノール、エタノール、
プロパノール、イソプロパノール、ベンジルアルコール
等のアルコール類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸等カルボ
ン酸及びフェノール等の有機酸類;酸、アルカリ、その
他の電解質を含む水溶液やアルコール溶液;ペンタン、
ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、
ベンゼン、キシレン等の炭化水素類;塩化メチレン、ク
ロロホルム、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、トリ
クロロエタン、トリクロロエチレン、四塩化炭素、α−
クロロナフタレン等のハロゲン化炭化水素類;ジエチル
エーテル、ジフェニルエーテル、アニソール等のエーテ
ル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン等
のエステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等のケトン類;ホルムアルデヒド、ア
セトアルデヒド、プロピオンアルデヒド等のアルデヒド
類及びその水溶液;トリエチルアミン、ベンジルアミ
ン、アニリン、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロ
リドン、N−シクロヘキシルピロリドン、N−メチルカ
プロラクタム、ピリジン、ピロリジン、ピペリジン等の
アミン、アミド類;その他ジメチルスルホキシド等及び
これらの混合物が挙げられる。また、ここでいう溶媒と
は、上記工程(ハ)の洗浄条件において流動するもので
あればよく、例えばビフェニル、ジフェニルスルホン、
ポリテトラメチレンエーテルグリコール等、常温で固体
のモノマー、オリゴマー、ポリマー等も使用可能であ
る。
【0021】溶媒(c)は、より低温でポリマー(b)
のみをより高濃度で溶解出来るものであって、かつ低沸
点又は高蒸気圧であるものを、使用量がより少量で済む
ものを用いるのが、後述する洗浄工程(ロ)の条件をよ
り簡便とし緩和できる点から、またポリマー(a)微粉
末の生産性の点からも好適である。
【0022】好適な溶媒(c)は、それにポリマー
(b)を混合し、必要であれば加熱等をしてみれば容易
に選択出来る。ポリマー(b)の種類により、好適な溶
媒(c)は適宜選択可能であるが、例えばポリマー
(b)が、アクリル系樹脂の場合には、メチルエチルケ
トン、アセトン、酢酸エチル等が、ポリアルキレンテレ
フタレートの場合には、イソプロピルアルコール、ブチ
ルアルコール、ベンジルアルコール等が、ポリオレフィ
ンの場合は、トルエン、キシレン等、ポリスチレンの場
合は、トルエン、ポリアクリル酸の場合は、低級アルコ
ールが、各々好適である。
【0023】溶媒(c)としては、前記した条件のみな
らず、さらに、毒性や環境への悪影響が出来るだけ低い
点を考慮して選択できれば最も好ましい。大量に溶剤を
取り扱う場合には、極力クローズドシステムとして回収
するのがよい。
【0024】本発明では、最初に工程(イ)にて、ポリ
マー(a)と(b)とを溶融混練して、海島構造の樹脂
組成物が調製される。樹脂組成物が海島構造を呈するか
否かは、それらを適宜溶融混練してみればよく、容易に
確認できるが、例えば次の様な技術的観点を尺度とし
て、条件の選択が可能である。
【0025】本発明に使用する熱可塑性ポリマー(a)/
(b)の重量比は、各々のポリマーの比重にもよるが、5
/95〜80/20とすることが好ましく、10/90
〜70/30とすることがより好ましい。重量比が5/
95より小さくなると、目的とする球状微粒子ポリマー
の収率が小さくなるため好ましくなく、逆に80/20
より大きくなると、熱可塑性ポリマー(a)を島とする海
島構造が得られにくくなり好ましくない。
【0026】本発明に使用する熱可塑性ポリマー(a)、
(b)について、本発明の工程(イ)の溶融混練時の条件
における両ポリマーの溶融粘度比は、特に制限されるも
のではない。しかしながら、ポリマー(a)、(b)の重量比
が70/30〜80/20の範囲にある場合において
は、本発明の工程(イ)の溶融混練時の条件における両
ポリマーの溶融粘度比は、1/1以上であることが好ま
しく、より好ましくは3/1以上である。すなわち、一
般的には、該条件下における熱可塑性ポリマー(a)の溶
融粘度は、熱可塑性ポリマー(b)の溶融粘度よりも高い
方が好ましい。しかしながら、ポリマー粒子径をコント
ロールする上で、この溶融粘度比を意識的に逆転させる
こともあり得る。
【0027】本発明の工程(イ)の溶融混練は、バッチ
式、連続式いずれの方法でもよく、バッチ式では例えば
ブラベンダー等、連続式では、ベント有していてもよ
い、一軸押出機、二軸押出機等が好ましく用いられる。
勿論、工程(イ)を行うに先立って、両ポリマーを、熱
履歴のかからない状態、例えば常温にて予備混合してお
いてもよい。
【0028】本発明の工程(イ)では溶融状態にて、両
ポリマーの混練が行われる。この溶融混練温度は使用す
る熱可塑性ポリマー(a)、(b)の両方の融点(融点を持つ
場合)もしくはガラス転移温度(融点を持たない場合)
より高い温度である必要があり、各ポリマーの組み合わ
せによって適した温度があるが、一般に本条件を満たす
最低温度+5〜50℃程度が好ましい。溶融混練温度が
高すぎると、一方もしくは両方のポリマーが熱分解を起
こす可能性があり、好ましくない。両ポリマーの融点又
はガラス転移点の温度差が著しく大きい場合において、
より低い分解温度を有するポリマーの熱分解を極力防止
するために、必要であれば、酸化防止剤等を両ポリマー
に含ませることも出来る。溶融混練時間は、特に制限さ
れるものではないが、通常1分〜2時間である。
【0029】この様にして得られた海島構造を有する、
ポリマー(a)と(b)とからなる樹脂組成物は、次の
洗浄工程(ロ)で、ポリマー(a)と極少量の溶媒
(c)の混合物〔実質的にポリマー(a)のみ〕と、ポ
リマー(b)と大部分の溶媒(c)との混合物とに分け
られる。
【0030】洗浄工程(ロ)の溶媒(c)及び条件は、
用いるポリマー(a)及び(b)により、適宜選択され
るものである。通常は、海島構造の樹脂組成物を溶媒
(c)中で撹拌することにより行うことが出来る。必要
であれば、それを加圧状態で行うことも可能である。低
温少量の溶媒(c)にて、充分な洗浄が行えない場合に
は、さらに例えば溶媒使用量を増量したり、ポリマー
(b)の溶媒(c)の溶解度がより高くなる温度条件を
選択したり、洗浄回数を増やしたり、それらを組み合わ
せたりすることにより、より短時間で充分な洗浄を行う
ことが出来る。
【0031】本発明の工程(ロ)の洗浄工程を、例えば
バッチ式で行う場合、使用する溶媒(c)の量は、熱可塑
性ポリマー(b)との重量比で1/1〜100/1が好ま
しく、2/1〜50/1がより好ましい。溶媒量がこれ
よりも少ないと、熱可塑性ポリマー(b)が十分に分離で
きず好ましくなく、溶媒量がこれよりも多いと溶媒の回
収に多大なコストが必要となるため好ましくない。しか
しながら、熱可塑性ポリマー(b)の溶媒(c)への溶解度が
低い場合には、溶媒量はこれよりも多くすることが出来
る。また、この様な洗浄工程を2回以上繰り返し行うこ
とは、洗浄効率を向上させる等の意味で好ましい手段で
ある。
【0032】本発明の工程(ロ)の洗浄温度は、特に制
限されないが、球形の微粒子を得る上で好ましくは熱可
塑性ポリマー(a)が実質的に流動しない温度である。例
えば耐圧容器中で洗浄を行えば、溶媒(c)の沸点以上の
温度であってもかまわない。一般的に、熱可塑性ポリマ
ー(a)の融点(融点を持つ場合)もしくはガラス転移温
度(融点を持たない場合)より10℃以上低い温度であ
ることが好ましい。洗浄温度がこれよりも高いと、球状
微粒子化した熱可塑性ポリマー(a)が融着を起こすため
に好ましくない。洗浄時間は、制限されるものではない
が、通常3分〜4時間であり、この範囲から極力短時間
となる様に選択される。
【0033】尚、本発明の工程(ロ)の洗浄工程は、バ
ッチ式、連続式等いずれの方法で行ってもかまわない。
【0034】この様にして工程(ロ)では、溶媒(c)
とポリマー(a)との混合物が得られるが、混合物と言
っても、上記した通り、溶媒(c)は極少量となるのが
一般的である。同時に、ポリマー(b)の溶媒(c)溶
液も得られる。
【0035】上記工程(ロ)にて得られたポリマー
(a)と溶媒(c)との混合物は、次の工程(ハ)で溶
媒(c)が完全に除去され、ポリマー(a)の球状微粒
子からなる微粉末が得られる。
【0036】本発明の工程(ハ)の溶媒除去工程は、前
記混合物中の溶媒(c)の含有量にもよるが、溶媒
(c)が除去される条件で行われる。この工程(ハ)
は、例えばメッシュ、ろ布等によるろ過、遠心分離、常
圧、減圧下での蒸留等の分離工程や常圧、減圧下での乾
燥工程等からなり、通常は、後者の乾燥工程のみでよい
が、これら分離工程及び乾燥工程は組み合わせて行うこ
とができる。また、この溶媒除去工程後、熱可塑性ポリ
マー(b)が残存し、本来の熱可塑性ポリマー(a)の性質が
損なわれるような場合には、再び工程(ロ)に戻って洗
浄を繰り返してもよい。
【0037】本発明の工程(ロ)及び(ハ)の工程中に
は、熱可塑性ポリマー(b)を含む溶媒(c)の溶液が得られ
る。ここで得られた溶液は、好適にはさらにメッシュ、
ろ布等によるろ過、遠心分離、常圧、減圧下での蒸留等
の工程を経て、溶媒(c)と熱可塑性ポリマー(b)とに分離
される。また、分離された溶媒(c)及び熱可塑性ポリマ
ー(b)は、それぞれ洗浄溶媒、海成分となる熱可塑性ポ
リマーとして再生利用され得る。また、回収熱可塑性ポ
リマー(b)中に一部熱可塑性ポリマー(a)が、回収溶媒
(c)中に一部各熱可塑性ポリマーが混在することがある
が、工程的にもしくは物性的に問題とならない範囲であ
れば、そのまま使用することも可能である。
【0038】さらに、工程(ロ)で用いた溶媒(c)
は、ポリマー(a)を溶解しない低沸点有機溶媒や水に
予め置換してから除去することもできる。
【0039】本発明は、上記工程(イ)〜(ハ)をこの
順に行うことを必須とし、これら工程のみで、充分に球
形度が高く、粒子径分布が狭い単分散のポリマー微粒子
を得ることが出来るが、必要であれば、溶媒除去前後、
例えば工程(イ)の終了後かつ工程(ハ)の実施前、及
び/又は工程(ハ)終了後に、分級処理を更に行う様に
してもよい。
【0040】即ち、本発明の工程(イ)〜(ハ)によっ
て得られた球状微粒子の熱可塑性ポリマー(a)は、結果
的に、一部球状でない粗大な粒子を含む場合がありうる
ため、必要に応じて分級処理を行うことができる。この
分級処理は、メッシュ等を用いて行われるが、乾燥した
状態、溶媒を含んだ状態いずれにおいても行うことがで
きる。また、分級された後の残査は、再び溶融混練用の
原料として再利用できる。
【0041】ポリマー(a)と溶媒(c)とからなる混
合物から、溶媒(c)を除去するに当たっては、溶媒
(c)の含まれる量にもよるが、例えば熱風乾燥、減圧
乾燥、スプレードライヤー等の手段を採用できる。
【0042】本発明の工程(イ)〜(ハ)を行う際、必
要に応じて、例えば顔料、染料、酸化防止剤、滑材、帯
電防止剤、可塑剤、相溶化剤等の各種添加剤を必要量添
加してもかまわない。特に酸化防止剤は、最終ポリマー
(a)微粉末の着色防止や劣化防止や、熱可塑性ポリマ
ー(b)の再利用の観点からも加える方が好ましい。酸
化防止剤は、ヒンダードフェノール系、ヒンダードアミ
ン系、リン系、チオール系等、使用する熱可塑性ポリマ
ーの種類によって適宜選択され、また併用され得る。ま
た、得られた球状微粒子の表面に、シリカやアルミナ等
の超微粉末を吸着あるいは付着させることによって分散
性や流動性を向上させることも可能である。
【0043】本発明では、任意の特定粒子径の球形の熱
可塑性ポリマー(a)の微粒子粉末が、より容易に製造
出来る。具体的には、平均粒子径にして、0.1〜50
0μmの範囲で特定粒子径となる様にすることができ
る。あまり細かい超微粒子は、大気中に粉塵として浮遊
しやすく、あまり大きくとも広範は使用用途にそのまま
適用しくくなるので、上記した範囲であることは有用で
ある。
【0044】具体的に得られた熱可塑性ポリマー(a)
粒が、球形微粒子か否かは、例えばワーデルの実用球形
度で定義することができる。ここで、ワーデルの実用球
形度とは、粒の投影面積に等しい面積を持つ円の直径と
粒子の投影像に外接する最小円の直径との比で表される
値である。
【0045】ワーデルの実用球形度測定法は例えば次の
ようにして行われる。最初にスライドガラス上に、ポリ
マー(a)粒を適当量とり、個々の粒が相互に接触した
り重なったりしないように分散させる。これら粒をビデ
オマイクロスコープ(KEYENCE社製)により、C
RT画面上に適当な倍率にて写し出す。投影面積の測定
値を基に等しい面積に対応する円の直径を算出する。
【0046】一方、このCRT画面をそのまま写真投影
し、粒の投影像に外接する最小円の直径を作図より求め
る。上記の比の値をランダムに選んだ粒100個につい
て計算し、その平均値を球形度として採用する。
【0047】したがってワーデルの球形度1.00とは
真球を意味するものであり、値が小さくなるに従って不
定形度が増すことになる。一般にワーデルの球形度が
0.75以上であれば、その粒子は球形とみなすことが
できるが、本方法にて製造したポリマー(a)粒の球形
度は0.80以上の値を示す。従って、球形微粒子とい
える。球形度が高いほど、微粒子粉末の流動性はより良
好となる。
【0048】一方、粒子径のばらつきを表す指数とし
て、標準偏差が挙げられる。しかし、この値は平均粒子
径が異なる場合単純に比較できない。そこで、粒子径の
ばらつきを比較する際には、標準偏差を粒子径の算術平
均値で除した値、即ち相対標準偏差(変動係数)を用い
ることが出来る。この値が0に近いほど単分散に近づく
事を示す。本発明方法により相対標準偏差0.3以下の
粒子の製造が可能である。
【0049】本発明によって得られた熱可塑性ポリマー
の球状微粒子は、塗料、パウダーコーティング用材料、
触媒担体、添加剤、化粧品等各種方面に好適に利用する
ことができる。
【0050】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態を好適な実
施態様に基づいて説明する。本発明の好適な実施態様
は、上記で詳細に説明した各技術的事項の好ましい条件
を全て結合することによって実施可能であるが、具体的
には、次の通りである。
【0051】まず結晶性の熱可塑性ポリマー(a)と、
それとは非相容の異種の熱可塑性ポリマー(b)とを、
(a)/(b)重量比=10/90〜70/30となる
様に選択し、熱履歴のかかからない状態で予備混合す
る。
【0052】次いで、ポリマーの両方が熱分解しにく
い、ポリマー(a)及び(b)の両方が溶融する最低温
度+5℃から+50℃の範囲で、10〜60分間溶融混
練して、ポリマー(a)が分散相(島)、ポリマー
(b)がマトリックス相(海)のポリマーアロイからな
る海島構造を有する樹脂組成物を得る〔以上工程
(イ)。〕。
【0053】上記工程(イ)で得た樹脂組成物と、ポリ
マー(a)を溶解せず、ポリマー(b)が溶解する、よ
り低温でポリマー(b)のみをより高濃度で溶解出来る
ものであって、かつ低沸点又は高蒸気圧である溶媒
(c)の熱可塑性ポリマー(b)との重量比2/1〜50
/1となる量とを、ポリマー(b)が充分に溶解するま
で、混合撹拌して、ポリマー(b)を抽出する。こうし
て、ポリマー(a)は溶解しておらず、ポリマー(b)
のみが前記溶媒(c)に溶解した、ポリマー(a)が分
散したポリマー(b)の溶媒(c)溶液を得る。この溶
液から、分散しているポリマー微粒子を濾別する。濾別
されたポリマー(a)の湿潤ケーキを、溶媒(c)で洗
浄する〔以上工程(ロ)。〕。
【0054】こうして得られたポリマー(a)微粒子の
湿潤ケーキを、ポリマー(a)の融点又はガラス転移点
(融点が存在しない場合)より充分に低い温度で乾燥す
ることにより、平均粒子径にして、0.1〜500μm
の範囲で特定平均粒子径を有し、相対標準偏差0.3以
下かつ球形度が0.80以上のポリマー(a)の球形微
粒子粉末を得る。
【0055】
【実施例】以下に実施例を挙げ本発明をより具体的に説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0056】実施例1 熱可塑性ポリマー(a)としてPBT(ポリブチレンテレ
フタレート)、熱可塑性ポリマー(b)としてPP(ポリ
プロピレン)、洗浄溶媒(c)としてキシレンを用いた。
PBT(M−128;大日本インキ化学工業(株)製)
3kg、PP(J−106P;グランドポリマー(株)
製)3kg及びヒンダードフェノール系酸化防止剤(Irga
nox-1010;チバ・ガイギー(株)製)10gをヘンシェ
ルミキサーで均一混合した後、35mmφの2軸押出機に
て240℃で溶融混練してペレットを得た。
【0057】このペレット200g及びキシレン2kgを
4Lのオートクレーブに入れ、130℃にて1時間加熱
撹拌した。内容物を熱時ろ過した後、さらに125℃の
キシレン1kgでシャワーリングした。
【0058】残査を50Pa、80℃にて5時間減圧乾
燥し、200メッシュスクリーンパスのポリマー粉末9
5.3gを得た。得られた粉末はIR分析にて、PBT
であることを確認した。この粒子の粒度分布を堀場製作
所レーザー回折散乱式粒度分布測定装置LA−500を
用いて測定し、その平均粒径は20.1μm、標準偏差
3.1μmであった。さらに粉末を光学顕微鏡で観察
し、粒子が球形であることを確認した。
【0059】実施例2 熱可塑性ポリマー(a)としてPBT(M−128)1k
g、熱可塑性ポリマー(b)としてPP(J−106P)4
kgを用いたこと以外は実施例1と同様の操作を行い、2
00メッシュスクリーンパスのポリマー粉末38.9g
を得た。
【0060】得られた粉末はIR分析にて、PBTであ
ることを確認した。また、堀場製作所レーザー回折散乱
式粒度分布測定装置LA−500を用いて測定された平
均粒径は、6.2μm、標準偏差1.8μmであった。
さらに粉末を光学顕微鏡で観察し、粒子が球形であるこ
とを確認した。
【0061】実施例3 熱可塑性ポリマー(a)としてPP(B−105;グラン
ドポリマー(株)製)、熱可塑性ポリマー(b)としてP
BT(M−124;大日本インキ化学工業(株)製)、
洗浄溶媒(c)としてベンジルアルコールを用いた。PB
T4kg、PP1kg及びIrganox-1010 10gをヘンシェ
ルミキサーで均一混合した後、35mmφの2軸押出機に
て245℃で溶融混練してペレットを得た。
【0062】このペレット200g及びベンジルアルコ
ール3kgを4Lのオートクレーブに入れ、140℃にて
1時間加熱撹拌した。内容物を熱時ろ過した後、さらに
135℃のベンジルアルコール1kgでシャワーリングし
た。
【0063】残査を30Pa、50℃にて5時間減圧乾
燥し、200メッシュスクリーンパスのポリマー粉末3
9.2gを得た。得られた粉末はIR分析にて、PPで
あることを確認した。また、堀場製作所レーザー回折散
乱式粒度分布測定装置LA−500を用いて測定された
平均粒径は、5.7μm、標準偏差1.5μmであっ
た。さらに粉末を光学顕微鏡で観察し、粒子が球形であ
ることを確認した。
【0064】実施例4 熱可塑性ポリマー(a)として酸変性PP(MH−25
0;大日本インキ化学工業(株)製)1.5kg、熱可塑
性ポリマー(b)としてPBT(M−124)、3.5kg
を用いたこと以外は実施例3と同様の操作を行い、20
0メッシュスクリーンパスのポリマー粉末52.6gを
得た。
【0065】得られた粉末はIR分析にて、酸変性PP
であることを確認した。また、堀場製作所レーザー回折
散乱式粒度分布測定装置LA−500を用いて測定され
た平均粒径は、0.7μm、標準偏差0.2μmであっ
た。さらに粉末を光学顕微鏡で観察し、粒子が球形であ
ることを確認した。
【0066】尚、各実施例で得た熱可塑性ポリマー
(a)の微粉末はいずれも、相対標準偏差0.3以下
で、ワーデルの球形度も0.90以上で実質的に真球状
であった。
【0067】比較例1 PBT(M−128)をハンマ−ミルで粗粉砕し、さら
にミクロパルペライザ−で微粉砕して200メッシュス
クリ−ンパスのPBTパウダ−を調製した。堀場製作所
レーザー回折散乱式粒度分布測定装置LA−500を用
いて測定された平均粒径は、23.8μm、標準偏差1
2.5μmであり、その形状は不定形で0.2μm以下
の微粉末を多量に含んでいた。
【0068】比較例2 PP(J−105P)100g及びキシレン1kgを4L
のオートクレーブに入れ、130℃にて加熱撹拌しPP
溶液を調製した。その後高速撹拌下、130℃に加熱し
たベンジルアルコール2kgを添加し、PPを析出させ
た。
【0069】その後撹拌下冷却し、ろ過した後、残査を
30Pa、50℃にて5時間減圧乾燥し、200メッシ
ュスクリーンパスのポリマー粉末72.9gを得たが、
副生成物として1cm程度の繊維状PPも多数得られた。
堀場製作所レーザー回折散乱式粒度分布測定装置LA−
500を用いて測定された粉末の平均粒径は、粉末の平
均粒径は10.7μm、標準偏差は4.5μmであっ
た。さらに粉末を光学顕微鏡で観察したが、粒子は不定
形であり0.2μm以下の微粉末を多く含んでいた。
【0070】
【発明の効果】本発明の方法によれば、球状微粒子を安
定して得ることが難しい、熱可塑性ポリマー、特に耐溶
剤性の高いエンジニアリングプラスチック、熱可塑性エ
ラストマー等の球状微粒子を比較的容易に得ることが出
来る。従って、それを安定的にまた経済的に供給するこ
とができる。また、本発明によって得られた熱可塑性ポ
リマーの球状微粒子は、塗料、パウダーコーティング用
材料、触媒担体、添加剤、化粧品等各種方面に好適に利
用することができる。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 次の(イ)〜(ハ)の工程からなること
    を特徴とする球状ポリマー微粉末の製造方法。 (イ)微粉末化する熱可塑性ポリマー(a)に他の1種類
    以上の熱可塑性ポリマー(b)を加えて溶融混練し、ポリ
    マー(a)が分散相(島)、他のポリマー(b)がマトリック
    ス(海)となる様な海島構造を持った樹脂組成物を得
    る。 (ロ)該樹脂組成物を、ポリマー(a)は溶解せず、他ポ
    リマー(b)が溶解するような溶媒(c)及び条件にて洗浄す
    る。 (ハ)ポリマー(a)と溶媒の混合物より、該溶媒(c)を除
    去し、球状微粉末を得る。
  2. 【請求項2】 熱可塑性ポリマー(a)が結晶性ポリマー
    であることを特徴とする請求項1記載の球状ポリマー微
    粉末の製造方法。
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