JPH10176264A - 誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲット - Google Patents

誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲット

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JPH10176264A
JPH10176264A JP8353263A JP35326396A JPH10176264A JP H10176264 A JPH10176264 A JP H10176264A JP 8353263 A JP8353263 A JP 8353263A JP 35326396 A JP35326396 A JP 35326396A JP H10176264 A JPH10176264 A JP H10176264A
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dielectric thin
pzt
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芳男 酒井
Shinji Nishihara
晋治 西原
Hisayuki Kato
久幸 加藤
Masahiro Kodera
正裕 小寺
Masaharu Oshiro
正晴 大城
Yoshiharu Nozawa
義晴 野沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電気的特性が均一で、かつ、異物の付着の少な
い誘電体薄膜を形成しうる誘電体薄膜形成用スパッタリ
ングターゲットを提供する。 【解決手段】本発明の誘電体薄膜形成用スパッタリング
ターゲットは、化学式ABO3 で表されるペロブスカイ
ト型の一体型成形のスパッタリングターゲットであっ
て、Bに少なくともチタン(Ti)を含み、相対密度が
95%以上で、かつ、直径が300mm以上500mm
以下であることを特徴とする。Aとしては、鉛(Pb)
が好ましく、Bにジルコニウム(Zr)を含むことが好
ましい。また、湿式の研削及び研磨によってターゲット
の表面粗さ(RY)が10μm以下となるように構成さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、LSIメ
モリー等の半導体装置に用いられる誘電体薄膜形成用ス
パッタリングターゲットに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、LSIメモリー等におけるメモリ
ーセルの高集積化に伴い、誘電体に比誘電率の大きな材
料を用いることが要望されており、その好ましい材料と
して、例えば、PZT等の強誘電体を用いることが提案
されている。
【0003】従来、このような強誘電体は、例えば、常
圧焼結法(Cip and Sinter)、熱間等方加圧法(Heat Is
ostatic Pressing)、ホットプレス法等によってターゲ
ットを形成しておき、このターゲットを用いたスパッタ
リングによって基板上に薄膜を形成することにより得ら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな従来のスパッタリングターゲットの場合、Siウェ
ハー等の半導体基板上において均一な電気的特性を有す
る誘電体薄膜を形成することは困難であるという問題が
あった。
【0005】特に、近年、半導体基板の大径化が進展し
ているが、従来のスパッタリングターゲットを用いて基
板上に誘電体薄膜を形成した場合には、基板の周縁部分
において残留分極値が低下するという問題があった。
【0006】また、従来のスパッタリングターゲットの
場合、特に、分割型のものにおいては、突き合わせ部分
におけるパーティクルや欠けの発生に起因して、成膜上
にパーティクルと呼ばれる異物が付着しやすいという問
題もあった。
【0007】本発明は、このような従来の技術の課題を
解決するためになされたもので、電気的特性が均一で、
かつ、異物の付着の少ない誘電体薄膜を形成しうる誘電
体薄膜形成用スパッタリングターゲットを提供すること
を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、スパッタリングタ
ーゲットを高密度化し、かつ、大径一体化とすること
が、成膜された誘電体薄膜の電気的特性が均一になり、
しかも異物の付着が減少することを見い出し、本発明を
完成するに至った。
【0009】かかる知見に基づいてなされた請求項1記
載の発明は、化学式ABO3 で表されるペロブスカイト
型のスパッタリングターゲットであって、Bに少なくと
もチタン(Ti)を含み、相対密度(結晶構造から導き
出される理論的な密度に対する実際の密度)が95%以
上で、かつ、直径が300mm以上500mm以下であ
ることを特徴とする。
【0010】この場合、請求項2記載の発明のように、
請求項1記載の発明において、Aに少なくとも鉛(P
b)、ランタン(La)、バリウム(Ba)、ストロン
チウム(Sr)、ナトリウム(Na)又はカルシウム
(Ca)のうちのいずれかを含み、Bに少なくともチタ
ン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、コバルト(C
o)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、ビスマス
(Bi)、アンチモン(Sb)、ニオブ(Nb)、スズ
(Sn)又は鉄(Fe)のうちのいずれかを含むことも
効果的である。
【0011】特に、請求項3記載の発明のように、請求
項1記載の発明において、Aが鉛(Pb)であり、Bに
ジルコニウム(Zr)を含む場合に最も効果的である。
【0012】また、請求項4記載の発明のように、請求
項3記載の発明において、鉛(Pb)が0.05〜0.
5モル、好ましくは0.1〜0.2モル添加され、ター
ゲットにおける濃度分布の精度が±0.01モル、好ま
しくは±0.005モル以下である場合にも効果的あ
る。
【0013】一方、請求項5記載の発明のように、請求
項1乃至4のいずれかに記載の発明において、一体型成
形のスパッタリングターゲットである場合にも効果的で
ある。
【0014】さらに、請求項6記載の発明のように、請
求項1乃至5のいずれかに記載の発明において、ターゲ
ットの表面粗さ(RY)が10μm以下、好ましくは5
μm以下である場合にも効果的である。
【0015】かかる構成を有する請求項1〜3記載の発
明の場合、相対密度が95%以上であり、しかも、直径
が300mm以上の大径であることから、スパッタリン
グの際、強誘電体の原子が分散せずに均一の状態で基板
の全域にわたって到達し、強誘電体の薄膜が均一な状態
で形成される。その結果、本発明によれば、従来のもの
のような基板の周縁部における残留分極値の低下は生じ
なくなり、また、相対的に異物の混入する割合も低下す
る。
【0016】この場合、請求項3記載の発明のように、
請求項1記載の発明において、Aが鉛(Pb)であり、
Bジルコニウム(Zr)を含む場合、特に、請求項4記
載の発明のように、鉛(Pb)が0.05〜0.5モ
ル、好ましくは0.1〜0.2モル添加され、ターゲッ
トにおける濃度分布の精度が±0.01モル、好ましく
は±0.005モル以下である場合より均一な強誘電体
の薄膜が形成される。
【0017】一方、請求項3記載の発明において、鉛
(Pb)の添加量が0.05モルより少ないと、基板の
終縁部における残留分極値が低下し、0.5モルより多
くても、同じく基板の終縁部における残留分極値が低下
する。
【0018】また、請求項5記載の発明のように、請求
項1乃至4のいずれか1項記載の発明において、一体型
成形のスパッタリングターゲットである場合には、スパ
ッタリングの際に、分割型の場合のように突き合わせ部
分におけるパーティクルや欠けが発生することはない。
【0019】本発明に係る誘電体薄膜形成用スパッタリ
ングターゲットは、例えば、以下に述べるような方法に
よって製造することが好ましい。
【0020】まず、使用原料の仮焼及び粉砕によって粒
径を制御した粉末を用いて焼結工程を行う。すなわち、
大きな粒子の空間を小さな粒子が埋めることにより、粒
子の充墳率を上げる。特に、PZTターゲットについて
は、PbO粉末の粒径はPZT粉末より小さくなるよう
に制御された原料を用いることが好ましい。
【0021】また、本発明においては、ホットプレス法
を用いることが好ましい。すなわち、真空ホットプレス
は真空中での焼結であるため、内部の残留空間(クロー
ズドポア)は、真空またはターゲットの構成元素の蒸気
が存在するのみであり、高純度の製品が期待される方法
の一つである。炉内の型及び押型は、カーボンダイスを
用いることが好ましい。そして、カーボン型の内側を例
えばカーボンシートで内張りし、閉空間(クローズド
化)とし、PZT原料及びPbO原料等の焼結工程での
蒸発を極力抑えるようにする。
【0022】さらに、焼結温度は原料粉末が溶融する程
度の低い温度で行うことが好ましい。特に、PZT及び
PbO粉末の型込後のホットプレスは、PbOの融点
(880℃)直上の約900℃で行う。この低い温度で
もPbO、ZrO2、TiO2の各原料を前もって仮焼工
程と粉砕工程でPZT粉末にしてあるため、過剰に添加
した酸化鉛による液相焼結が可能である。
【0023】しかも、一軸加圧方式のホットプレスにお
いては、このような液相を利用すれば全体に均一に加圧
され、直径が300mm以上の大型品に対しても容易に
高密度化を図ることができる。特に、真空ホットプレス
においては、前述の構成元素の蒸発を極力押さえる養生
を行うことにより、密度95%以上のオープンポアのな
い緻密なPZTターゲットが得られる。
【0024】また、ターゲットの大きさについては、本
発明のような酸化物ターゲットの場合、厚みが8mm以
上では、スパッタ面で発熱する一方、反対側の冷却面側
からの冷却効率が金属ターゲットの場合と比較して良く
ないため熱が蓄積され、ターゲットの剥がれ、割れ等の
発生の危険が大きくなる。
【0025】その一方、酸化物のターゲットであるた
め、3mm以下では製作上困難であることのほかに、強
度上の観点から割れやすい。また、ターゲットの使用効
率の面からも実用的でない。したがって、ターゲットの
厚みは、3mmから8mmの間とすることが好ましい。
【0026】他方、ターゲットの直径については、25
0mm以下の円板状のものであれば比較的容易に高密度
の焼結品が得られるが、300mm以上のものは望まれ
てはいるものの、従来、一体物での高密度品は得られて
いない。
【0027】殊に、2分割以上の分割タイプでは、スパ
ッタリングによる成膜において、突き合わせ部における
パーティクルの発生や欠けの発生等、成膜にとって好ま
しくない現象が現れるため、一体物のターゲットが望ま
れている。
【0028】上述の方法によれば、直径300mm以上
の高密度品が得られるようになる。特に、本発明の場
合、液相を利用するため、直径500mmまで高密度の
ものを作製することが可能である。ただし、それ以上の
直径のものについては、厚みとの関係から高密度で一体
物を作製することは困難である。
【0029】ところで、この種のターゲットにおいて
は、相対密度95%を境に、それ以上の高密度では5%
未満の内部空間が存在するが、これはクローズドポアと
呼ばれ、外部とは独立した閉じた空間となっていること
が知られている。
【0030】これに対し、95%に満たない低密度で
は、5%以上の空間が外部とつながって存在しており、
これはオープンポアと呼ばれている。このことは一体成
形品のターゲットにおいて、95%以下では水分等の吸
着が表面のみならず、内部でも生じていることを意味し
ている。これは、またターゲット表面の研削加工や洗浄
処理等において液体を使用する場合は、液体の種類や純
度、使用条件が制限されてしまうことになる。すなわ
ち、高純度ターゲットにおいては、相対密度85%程度
の低密度では、湿式工程の導入は不可能である。
【0031】研磨加工によれば、たとえ前工程で微少ク
ラックの発生があったとしても除去することが可能であ
る。ターゲットの表面状態はスパッタリングによる成膜
に大きな影響を与える。特に、スパッタリングの初期に
おいては、ターゲットの表面状態が強く反映されるの
で、基本的にはターゲット内部と同じ状態が望ましくク
ラックは無論のこと、表面の加工変質層も可能な限り薄
い方が良い。したがって、表面粗さも小さい方が良く、
切削加工により普通に得られる表面での最大高さ(JI
S・B・0601にRYで規定されている。)、すなわ
ち、谷底から山頂の高さは、大略50〜100μm位で
あるが、スパッタリングターゲットでは10μm以下に
することが望ましい。
【0032】本発明の場合は、上述したように、相対密
度が95%以上であり、オープンボアが存在しないた
め、湿式の研削及び研磨加工が可能である。
【0033】そして、湿式の研削及び研磨加工によれ
ば、請求項6記載の発明のように、請求項1乃至5のい
ずれか1項記載の発明において、ターゲットの表面粗さ
(RY)を10μm以下、好ましくは5μm以下とする
ことができ、これにより、加工変質層を薄く押さえるこ
とができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る誘電体薄膜形
成用スパッタリングターゲットの好ましい実施の形態を
図面を参照して詳細に説明する。
【0035】図1は、本実施の形態に係るPZTターゲ
ットの製造工程の一例の概略を示すものである。まず、
PZTターゲットPb1.1(Zr0.5Ti0.5)O3.1を製
作するにあたり、PbO,ZrO2及びTiO2の粉末原
料を、所望の組成になるように用意し、これら原料をよ
く混合する(工程1)。
【0036】次いで、この粉末原料を約1000〜13
00℃程度の温度で大気仮焼を行った(工程2)後に粉
砕し、PZT粉末を所定量調製する。この粉末に0.1
モルのPbOを加えて十分に混合し(工程3)、本焼前
原料粉末とする。そして、この原料粉末をカーボン型に
セットし、以下に述べるような真空ホットプレス法によ
って、原料粉末の本焼を行う(工程4)。
【0037】図2は、本実施の形態において本焼を行う
ための真空ホットプレス装置を示すものである。この真
空ホットプレス装置1は、真空容器1A内に、上下一対
のホットプレス2、3を有し、真空バルブ4を介して図
示しない真空排気系に連結されている。なお、真空容器
1A内には、図示しない加熱装置が設けられている。
【0038】図2(a)(b)に示すように、カーボン
製の中空円筒状の成形型5と、この成形型5と同じ直径
を有するカーボン製の円盤状の底型6とを用意し、下型
ホットプレス3上に底型6を設置し、その底型6の上に
成形型5を設置する。なお、この際、上側ホットプレス
2は上昇させておく。
【0039】そして、底型6の表面上に、厚み約0.5
〜3mm、好ましくは2mm程度のカーボン製の箔(カ
ーボンシート)7を内張りするとともに、成形型5の内
側壁にも全周にわたってカーボンシート8を配置し、こ
れらのカーボンシート7、8の一部が重なるように配置
する。
【0040】さらに、成形型5の空間部内に原料粉末1
0を充填した後、その原料粉末10の上側にカーボンシ
ート9の一部が、成形型5の内側壁1のカーボンシート
と側壁で重なるように設置する。
【0041】すなわち、図2(c)に示すように、原料
粉末10がカーボンシート7、8、9によって完全に包
み込まれた状態にする。そして、カーボンシート9の上
にカーボン型の上板11を設置し、上側ホットプレス2
を下降させ、上下のホットプレス2、3間を20〜50
MPa程度の加圧状態としながら、図示しない加熱装置
により温度約900〜1000℃程度で約2時間の真空
ホットプレスを行い、円板状の焼結体を作製する。な
お、この真空ホットプレスにおいては、真空容器1A内
の圧力を約10-1Pa程度に保持する。
【0042】その後、このようにして得られたターゲッ
トの表面に湿式による研削及び研磨加工を加えて平面度
を上げ(工程5)、目的とするターゲットを得る(工程
6)。
【0043】以上述べたような本実施の形態の方法によ
れば、底型6及び成形型5の部分のカーボンシート7、
8及び9による気密性向上により酸化鉛(PbO)の蒸
発が極力押さえられ、ほぼ仕込原料と同一組成の焼結体
を得ることができる。
【0044】このような方法によれば、相対密度が95
%以上であり、しかも、直径が300mm以上の大径の
スパッタリングターゲットを作製することができる。そ
して、かかるスパッタリングターゲットによれば、スパ
ッタリングの際、PZTの原子が分散せずに均一の状態
で基板の全域にわたって到達するようになる。その結
果、従来のもののような基板の周縁部における残留分極
値の低下は生じなくなり、均一な電気的特性を有するP
ZT薄膜を形成することができる。また、相対的に異物
の混入する割合も低下するため、成膜上の異物を大幅に
減少させることができる。
【0045】一方、本実施の形態によれば、一体型成形
の大径のスパッタリングターゲットが得られるため、ス
パッタリングの際に、分割型の場合のような突き合わせ
部分におけるパーティクルや欠けが発生せず、異物の少
ない成膜を行うことができる。
【0046】
【実施例】以下、本発明に係る誘電体薄膜形成用スパッ
タリングターゲットの実施例を比較例とともに詳細に説
明する。
【0047】〔実施例〕以下に述べるような方法によっ
て、PZTターゲットPb1.1(Zr0.5Ti0.5)O3.1
製作した。
【0048】まず、PbO、ZrO2、TiO2の粉末原
料をPb(Zr0.5Ti0.5)O3の組成になるように、す
なわち、PbO:ZrO2:TiO2=1(モル):0.5
(モル):0.5(モル)に相当する量の各粉末原料を用
意した。そして、これらの原料をよく混合し、約100
0〜1300℃の温度で大気仮焼を行った後に粉砕し、
PZT粉末を約10Kg得た。
【0049】この粉末にPbOの粉末を0.1モル加え
て十分に混合し、本焼前原料粉末とした。この原料粉末
を、図2(b)(c)に示すように、厚みが約2mmの
カーボンシート7、8、9によって原料粉末が完全に包
み込まれた状態で、下型ホットプレス3上の底型6の上
に設置した成形型5の空間部内にセットした。なお、成
形型5としては、内径が350mmのものを用いた。
【0050】そして、カーボンシート9の上からカーボ
ン型の上板11を設置し、その上方から上側ホットプレ
ス2を下降させ、上下のホットプレス2、3間を20〜
50MPaの加圧状態としながら、図示しない加熱装置
により温度約900〜1000℃で約2時間の真空ホッ
トプレスを行い、円板状の焼結体を作製した。なお、真
空ホットプレスにおける真空容器1内の圧力は約10-1
Paとした。
【0051】得られたターゲットは、直径が330m
m、厚さが6mmの一体物であり、密度は95%と高密
度(相対密度)であった。このターゲットの表面に湿式
による研削及び研磨加工を加えて平面度を上げた。この
ターゲットについて表面粗さ計によって表面粗さ(R
Y)を測定したところ、最大5μmであった。
【0052】また、このターゲットの表面についてX線
回折法による分析を行ったところ、その回折像におい
て、PZTの結晶系と過剰鉛のピークが観察された。
【0053】本焼結工程において、炉内の型及び押型の
部分のカーボンシートによる気密性向上により酸化鉛の
蒸発が極力押さえられ、ほぼ仕込原料と同一組成の焼結
体が得られる。
【0054】図3は、本実施例の方法によって形成され
たPZTターゲットにおける表面及び内部での酸化鉛の
分布を示すものである。この場合、PZTターゲットと
して、直径350mm、厚み8mmの円板状のものを作
製し、その表面において、ターゲットの中心部と、中心
部から直径方向に±80mm、及び±160mm離れた
計5ヶ所の地点において、直径20mm、厚み2mmの
範囲を削り出して分析用試料とした。
【0055】さらに、ターゲット内部の酸化鉛の分布を
確認するため、上述のターゲットの表面を3mm削って
厚さを5mmとし、上述した5ヶ所の地点において、直
径20mm、厚み2mmの範囲を削り出して分析用試料
を採取した。このようにして、ターゲット表面とターゲ
ット厚みの1/2の内部について、酸化鉛の分布をIC
P分析法にて分析・評価した。
【0056】本実施例は、酸化鉛を0.1モル添加した場
合、したがって、全体としてPbOが1.1モル存在す
る場合であるが、図3に示すように、ターゲットの表面
及び内部において、±0.01モル以内の均一性の良い酸
化鉛の分布が得られていることが理解される。
【0057】なお、このターゲットの表面付近の試料の
断面の電子顕微鏡写真を図4(a)に示す。
【0058】図5は、本実施例のターゲットを用いて6
インチサイズのSiウェハーにPZT薄膜を形成した場
合に付着する異物の数を示すものである。図5に示すよ
うに、本実施例の場合、Siウェハー上に付着するパー
ティクルと呼ばれる異物の数は、平均して約10個程度
で非常に少なかった。
【0059】図6(a)(b)は、本実施例のターゲッ
トを用いてSiウェハー上に形成したPZT薄膜の電気
的特性を測定する方法を示す説明図である。図6(a)
に示すように、6インチサイズのSiウェハー12の全
面に、スパッタリングによって、厚み100〜200n
mの白金(Pt)からなる電極13を形成し、この電極
13の全面に、本実施例のターゲットを用い、スパッタ
リングによって、厚み200〜300nmのPZT薄膜
14を形成した。
【0060】さらに、図6(a)(b)に示すように、
このPZT薄膜14上に、その直径方向に並び、かつ、
中心部を通る位置(1〜5)に、スパッタリングによっ
て、厚み100〜200nmの白金(Pt)からなる電
極15を形成した。そして、各位置における残留分極値
Pr(μc/cm2)を測定した。その結果を図7に示
す。
【0061】図7に示すように、Siウェハー12上の
各位置における残留分極値は、約20μc/cm2と安定
しており、位置による差は認められなかった。よって、
本実施例のスパッタリングターゲットによれば、均一な
電気的特性を有するPZT薄膜を形成できることが明ら
かになった。
【0062】〔比較例1〕以下に述べるような方法によ
って、PZTターゲットPb1.1(Zr0.5Ti0.5)O3.1
を作製した。
【0063】まず、上述の実施例の場合と同様に、Pb
O、ZrO2、TiO2の粉末原料をPb(Zr0.5Ti
0.5)O3の組成になるように、即ち、PbO:ZrO2
TiO2=1(モル):0.5(モル):0.5(モル)に相当す
る量の各粉末原料を用意した。そして、これらの原料を
よく混合し、約1000〜1300℃の温度で大気仮焼
を行った後に粉砕し、PZT粉末を約10Kg得た。
【0064】この粉末にPbOの粉末を0.1モル加え
て十分に混合し、本焼前原料粉末とした。この原料粉末
を、上記実施例の場合と同様に、カーボンシート7、
8、9によって原料粉末が完全に包み込まれた状態で、
下型ホットプレス3上の底型6の上に設置した内径35
0mmの成形型5の空間部内にセットした。
【0065】そして、カーボンシート9の上からカーボ
ン型の上板11を設置し、真空容器1内の圧力を約10
-1Paとして、上板11の上方から上側ホットプレス2
を下降させ、上下のホットプレス2、3間を20〜50
MPaの加圧状態としながら、図示しない加熱装置によ
り温度約850〜870℃で約2時間の真空ホットプレ
スを行い、円板状の焼結体を作製した。
【0066】このようにして得られたターゲットは、直
径が330mm、厚さが6mmの一体物であるが、密度
(相対密度)は85%と低密度であった。
【0067】このターゲットの表面に対しては湿式によ
る研削加工が使用できないため、切削加工仕上げを行っ
た。そして、このターゲットについて表面粗さ計によっ
て表面粗さ(RY)を測定したところ、最大70μmと
実施例の場合よりもかなり大きかった。
【0068】一方、このターゲットの表面についてX線
回折法による分析を行ったところ、その回折像におい
て、PZTの結晶系と過剰鉛のピークが観察された。
【0069】なお、このターゲットの表面付近の試料の
断面の電子顕微鏡写真を図4(b)に示す。
【0070】また、このターゲットを用いて6インチサ
イズのSiウェハーに実施例と同一の条件で成膜を行っ
たところ、図5に示すように、Siウェハー上に付着す
る異物の数は、平均で約50個と非常に多かった。
【0071】一方、図6(a)(b)に示すように、上
記実施例と同様の方法により、各位置における残留分極
値Pr(μc/cm2)を測定したところ、図7に示すよ
うに、Siウェハー12の外周に近い部分において、残
留分極値Prが低くなる傾向が現れ、ウエハー内での電
気特性の不均一性が認められた。
【0072】〔比較例2〕常圧焼結法によって、PZT
ターゲットPb1.1(Zr0.5Ti0.5)O3.1を作製した。
このターゲットは、直径が330mm、厚さが6mmの
一体物であるが、密度(相対密度)は75%であった。
【0073】このターゲットを用いて6インチサイズの
Siウェハーに上記実施例と同一の条件で成膜を行った
ところ、図5に示すように、Siウェハー上に付着する
異物の数は、平均で約100個と非常に多かった。
【0074】また、図6(a)(b)に示すように、上
記実施例と同様の方法により、各位置における残留分極
値Pr(μc/cm2)を測定したところ、図7に示すよ
うに、Siウェハー12の外周に近い部分において、残
留分極値Prが低くなる傾向が現れ、しかも、相対密度
が85%の比較例1の場合よりも残留分極値Prの値が
小さく、ウエハー内での電気特性の不均一性が認められ
た。
【0075】
【発明の効果】以上述べたように、相対密度が95%
で、直径が300mm以上500mm以下の本発明に係
るスパッタリングターゲットによれば、スパッタリング
の際、強誘電体の原子が分散せずに均一の状態で基板の
全域にわたって到達するようになるため、従来のものの
ような基板の周縁部における残留分極値の低下は生じな
くなり、均一な電気的特性を有する強誘電体薄膜を形成
することができる。
【0076】また、本発明によれば、スパッタリングの
際に、相対的に異物の混入する割合も低下するため、成
膜上の異物を大幅に減少させることができる。
【0077】しかも、本発明によれば、一体型成形の大
径のスパッタリングターゲットが得られるため、スパッ
タリングの際に、分割型の場合のような突き合わせ部分
におけるパーティクルや欠けが発生せず、異物の少ない
成膜を行うことができる。
【0078】さらにまた、本発明によれば、ターゲット
の表面粗さ(RY)を10μm以下とすることにより、
加工変質層を薄く押さえることができ、成膜の均一性を
高めることができる。
【0079】このように、本発明によれば、スパッタリ
ングによって誘電体薄膜を形成する場合の製造歩留りを
大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係るPZTターゲット
の製造工程の一例の概略を示す工程図
【図2】(a):同実施の形態において本焼を行うため
の真空ホットプレス装置を示す概略構成図 (b):同実施の形態における原料粉末の成形型及び底
型を示す斜視図 (c):同実施の形態において原料粉末を包み込む状態
を示す説明図
【図3】本発明の実施例のPZTターゲットにおける表
面及び内部での酸化鉛の分布を示すグラフ
【図4】(a):本発明の実施例に係るPZTターゲッ
トの表面付近の粒子構造を示す電子顕微鏡写真 (b):本発明の比較例に係るPZTターゲットの表面
付近の粒子構造を示す電子顕微鏡写真
【図5】本発明の実施例のPZTターゲットを用いて6
インチサイズのSiウェハーにPZT薄膜を形成した場
合に付着する異物の数を示すグラフ
【図6】同実施例のPZTターゲットを用いてSiウェ
ハー上に形成したPZT薄膜の電気的特性を測定する方
法を示す説明図で、図6(a)は正面図、図6(b)は
平面図
【図7】同実施例及び比較例のPZTターゲットを用い
てSiウェハー上に形成したPZT薄膜の電気的特性を
示すグラフ
【符号の説明】
1……真空ホットプレス装置 1A……真空容器
2……上側ホットプレス 3……下側ホットプレス 5……成形型 6……底
型 7、8、9……カーボンシート 10……原料
粉末 11……上板 12……Siウェハー 13、15……白金電極 14……PZT薄膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI H01L 21/31 C04B 35/49 A (72)発明者 加藤 久幸 東京都小平市上水本町5丁目20番地1号 株式会社日立製作所内 (72)発明者 小寺 正裕 千葉県山武郡山武町横田516 真空冶金株 式会社内 (72)発明者 大城 正晴 千葉県山武郡山武町横田516 真空冶金株 式会社内 (72)発明者 野沢 義晴 千葉県山武郡山武町横田516 UMAT株 式会社内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】化学式ABO3 で表されるペロブスカイト
    型のスパッタリングターゲットであって、 Bに少なくともチタン(Ti)を含み、相対密度が95
    %以上で、かつ、直径が300mm以上500mm以下
    であることを特徴とする誘電体薄膜形成用スパッタリン
    グターゲット。
  2. 【請求項2】Aに少なくとも鉛(Pb)、ランタン(L
    a)、バリウム(Ba)、ストロンチウム(Sr)、ナ
    トリウム(Na)又はカルシウム(Ca)のうちのいず
    れかを含み、Bに少なくともチタン(Ti)、ジルコニ
    ウム(Zr)、コバルト(Co)、タンタル(Ta)、
    ニッケル(Ni)、ビスマス(Bi)、アンチモン(S
    b)、ニオブ(Nb)、スズ(Sn)又は鉄(Fe)の
    うちのいずれかを含むことを特徴とする請求項1記載の
    誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲット。
  3. 【請求項3】Aが鉛(Pb)であり、Bにジルコニウム
    (Zr)を含むことを特徴とする請求項1記載の誘電体
    薄膜形成用スパッタリングターゲット。
  4. 【請求項4】鉛(Pb)が0.05〜0.5モル添加さ
    れ、ターゲットにおける濃度分布の精度が±0.01モ
    ル以下であることを特徴とする請求項3記載の誘電体薄
    膜形成用スパッタリングターゲット。
  5. 【請求項5】一体型成形のスパッタリングターゲットで
    あることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記
    載の誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲット。
  6. 【請求項6】ターゲットの表面粗さ(RY)が10μm
    以下であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか
    1項記載の誘電体薄膜形成用スパッタリングターゲッ
    ト。
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