JPH1017824A - リン酸カルシウム系無機接着剤 - Google Patents

リン酸カルシウム系無機接着剤

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JPH1017824A
JPH1017824A JP17671296A JP17671296A JPH1017824A JP H1017824 A JPH1017824 A JP H1017824A JP 17671296 A JP17671296 A JP 17671296A JP 17671296 A JP17671296 A JP 17671296A JP H1017824 A JPH1017824 A JP H1017824A
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organic
water
phosphate
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Makoto Watanabe
誠 渡邉
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 無機接着剤と有機接着剤の特性を兼ね備える
と共に、高い圧縮強度と優れた耐久性を発揮し得るリン
酸カルシウム系無機接着剤を提供すること。 【解決手段】 α型リン酸三カルシウム及び/又はリン
酸四カルシウムからなるリン酸カルシウム成分と、ポリ
アクリル酸及びポリビニルアルコールのうちの少なくと
も一つのの水溶性ポリマー及び/又は有機酸(但し、ポ
リアクリル酸を除く)からなる有機硬化促進成分とから
構成し、それらリン酸カルシウム成分と有機硬化促進成
分とを、水の存在下において反応、硬化せしめるように
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明は、リン酸カルシウム系無機接着剤
に係り、特に無機接着剤と有機接着剤の特性を兼ね備え
ていると共に、高い圧縮強度と優れた耐久性を発揮し得
るリン酸カルシウム系無機接着剤に関するものである。
【0002】
【背景技術】従来から、α型リン酸三カルシウム[α−
Ca3 (PO4 2 ]、リン酸四カルシウム[Ca4
(PO4 2 ]、リン酸水素カルシウム二水和物(Ca
HPO4 ・2H2 O)、或いはそれらの成分の複数が混
合された系からなるリン酸カルシウム質材料にあって
は、水を添加して練和せしめることによって硬化する反
応、所謂、水和硬化反応を伴って、リン酸カルシウム硬
化体を形成する性質を有していることが知られており、
かかる性質を利用することによって、リン酸カルシウム
質材料を、無機接着剤として利用することが可能とな
る。
【0003】しかしながら、そのようなリン酸カルシウ
ム質材料を、そのまま水和硬化させるだけでは、無機接
着剤としての使用には問題があった。即ち、通常、前記
リン酸カルシウム質材料を硬化させる成分(硬化成分)
には、水のみが用いられるのであるが、そのように、水
のみを用いて、前記リン酸カルシウム質材料を硬化せし
める場合には、硬化時間が長くなったり、充分な硬化体
強度を得ることが困難であったりして、接着剤として使
用するには、適当ではなかったのである。
【0004】また、一般に、無機質材料からなる無機接
着剤は、耐火性、耐熱性、耐久性において優れていると
共に、安価であるという利点を有するものの、有機接着
剤と比べると、耐水性、耐化学性、耐衝撃性において劣
っており、収縮ひび割れを発生し易い等の問題を有して
いたのである。
【0005】従って、リン酸カルシウム質材料を接着剤
として実用に供するためには、高い圧縮強度を発揮し得
ると共に、耐久性、耐衝撃性において優れているリン酸
カルシウム系無機接着剤の開発が望まれているのであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ここにおいて、本発明
は、かかる事情を背景にして為されたものであって、そ
の課題とするところは、無機接着剤と有機接着剤の特性
を兼ね備えると共に、高い圧縮強度と優れた耐久性を発
揮し得るリン酸カルシウム系無機接着剤を提供すること
にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、α
型リン酸三カルシウム及び/又はリン酸四カルシウムか
らなるリン酸カルシウム成分と、ポリアクリル酸及びポ
リビニルアルコールのうちの少なくとも一つの水溶性ポ
リマーからなる有機硬化促進成分とから構成され、それ
らリン酸カルシウム成分と有機硬化促進成分とが、水の
存在下において反応、硬化せしめられるリン酸カルシウ
ム系無機接着剤を、その要旨とする。
【0008】また、本発明は、α型リン酸三カルシウム
及び/又はリン酸四カルシウムからなるリン酸カルシウ
ム成分と、有機酸(但し、ポリアクリル酸を除く。以
下、同じ)からなる有機硬化促進成分とから構成され、
それらリン酸カルシウム成分と有機硬化促進成分とが、
水の存在下において反応、硬化せしめられるリン酸カル
シウム系無機接着剤も、その要旨とする。
【0009】そして、このような本発明に従うリン酸カ
ルシウム系無機接着剤にあっては、無機成分としてのリ
ン酸カルシウム成分に対して、有機成分としての有機硬
化促進成分が配合せしめられているところから、優れた
特性を発揮し得ることとなるのである。即ち、本発明に
従うリン酸カルシウム系無機接着剤には、硬化成分とし
て、水溶性ポリマーからなる有機硬化促進成分、或いは
有機酸からなる有機硬化促進成分が用いられているので
あり、そのような有機硬化促進成分と、リン酸カルシウ
ム成分とが、水の存在下において反応、硬化せしめられ
ると、前記有機硬化促進成分とリン酸カルシウム成分が
複合化せしめられた形態において、リン酸カルシウム硬
化体が得られることとなる。従って、そのような本発明
に従う接着剤にあっては、それが接着剤として用いられ
る際に、無機成分に由来する、優れた耐熱性、耐火性及
び耐久性に加えて、有機成分に由来する優れた耐衝撃
性、耐水性及び耐薬品性が有利に発揮され得るのであ
る。
【0010】また、本発明に従うリン酸カルシウム系無
機接着剤にあっては、前記有機硬化促進成分を用いて、
リン酸カルシウム成分が硬化せしめられるところから、
それが接着剤として適用される場合に、高い圧縮強度が
得られることとなる。
【0011】さらに、本発明は、α型リン酸三カルシウ
ム及び/又はリン酸四カルシウムからなるリン酸カルシ
ウム成分と、ポリアクリル酸及びポリビニルアルコール
のうちの少なくとも一つの水溶性ポリマー及び有機酸か
らなる有機硬化促進成分とから構成され、それらリン酸
カルシウム成分と有機硬化促進成分とが、水の存在下に
おいて反応、硬化せしめられるリン酸カルシウム系無機
接着剤も、その要旨とするものである。
【0012】このように、有機硬化促進成分として、水
溶性ポリマー及び有機酸が共に用いられている、本発明
に従うリン酸カルシウム系無機接着剤にあっては、それ
が接着剤として適用される際に、より一層高い圧縮強度
が有利に得られることとなるのである。
【0013】
【発明の実施の形態】ところで、本発明に従うリン酸カ
ルシウム系無機接着剤は、前述せる如く、所定のリン酸
カルシウム成分と所定の有機硬化促進成分とから構成さ
れ、それらリン酸カルシウム成分と有機硬化促進成分と
が、水の存在下において反応、硬化せしめられるように
するものであるが、そのうち、リン酸カルシウム成分と
しては、α型リン酸三カルシウム[α−Ca3 (P
4 2 ;以下、α−TCPと略称する]、リン酸四カ
ルシウム[Ca4 O(PO4 2 ;以下、TeCPと略
称する]、或いはそれらの混合物が用いられることとな
る。そして、これらのα−TCPやTeCPには、従来
から公知の各種の手法を用いて製造されたものが利用さ
れ得るのである。例えば、α−TCPとしては、γ−ピ
ロリン酸カルシウム(γ−Ca2 2 7 )と炭酸カル
シウム(CaCO3 )とを等モル混合し、それを125
0℃の温度で、2時間焼成することによって得られるも
のを使用することが出来、またTeCPとしては、γ−
ピロリン酸カルシウムと炭酸カルシウムとを、1:2の
モル比において混合し、それを1500℃の温度で、2
時間焼成することによって得られるものを使用すること
が出来るのである。
【0014】なお、この本発明に用いられるリン酸カル
シウム成分は、一般に粉末形態を呈し、その平均粒径
は、通常、10μm〜50μm程度とされることとな
る。何故なら、かかる平均粒径が50μmより大きい場
合には、水和硬化時間が長くなると共に、硬化体の強度
も低くなり易いからであり、またかかる平均粒径が10
μmより小さい場合には、硬化時間が短縮して、得られ
る硬化体を成形することが困難となったり、反応が激し
いために気泡が入り、充分な強度が得られなかったりす
る等の問題を生じ易いからである。
【0015】また、本発明に従うリン酸カルシウム系無
機接着剤には、前記リン酸カルシウム成分の硬化を促進
すると共に、得られるリン酸カルシウム硬化体の耐衝撃
性や圧縮強度を向上させる目的で、特定の有機硬化促進
成分が用いられている。より詳細には、前記リン酸カル
シウム成分が硬化する際に、所定の有機硬化促進成分が
存在すると、得られるリン酸カルシウム硬化体が微細な
針状晶の集合から形成され易く、そのように硬化体が微
細な針状晶の集合とされることによって、その圧縮強度
が向上すると考えられるのであり、また、リン酸カルシ
ウム成分が硬化する際に、そのような有機硬化促進成分
が存在すると、該有機硬化促進成分が含有せしめられた
状態で、リン酸カルシウム硬化体が得られるところか
ら、含有せしめられる有機硬化促進成分によって、硬化
体が耐衝撃性を発揮し得るようになるのである。
【0016】そして、本発明では、そのような有機硬化
促進成分として、水溶性ポリマーや有機酸が用いられる
のである。より具体的には、かかる水溶性ポリマーとし
ては、ポリアクリル酸或いはポリビニルアルコールが用
いられ、また有機酸としては、クエン酸、マロン酸、リ
ンゴ酸等の、従来から公知の種々の有機酸が用いられ
る。なお、ポリアクリル酸や有機酸は、酸そのままの形
態で用いられるだけではなく、塩の形態として用いられ
ても、何等差支えない。
【0017】なお、かかる有機硬化促進成分は、後述す
るように、通常、水溶液の形態で与えられるものである
ところから、水溶液として調製し易いものを用いること
が好ましい。例えば、前記水溶性ポリマーとしてポリア
クリル酸やポリビニールアルコールを用いる場合におい
て、その重合度は、特に限定されるものではないが、重
合度が高過ぎる場合には、それらを水溶液にした際に、
水溶液の粘度が高くなって、取扱いが困難となるところ
から、重合度がそれ程高くないものを用いることが好ま
しく、また有機酸は、高い濃度の水溶液を容易に得るこ
とが出来るところから、水に対する溶解度の高い有機酸
を用いることが好ましいのである。
【0018】また、リン酸カルシウム成分の質量に対す
る、前記有機硬化促進成分の質量の比率は、一般に、
0.05〜0.5程度とされる。けだし、かかる比率が
0.05より小さい場合には、水和硬化時間が長くなる
と共に、硬化体の強度も低下し易いからであり、また、
かかる比率が0.5より大きい場合には、硬化時間が短
くなり過ぎて、取扱いが困難となり易いからである。
【0019】そして、本発明に従うリン酸カルシウム系
無機接着剤は、上述したリン酸カルシウム成分と有機硬
化促進成分とから構成されるものであるが、接着剤とし
て用いられる場合には、更に水が存在せしめられて、そ
の状態において反応、硬化せしめられることとなる。ま
た、そのような水の、リン酸カルシウム成分に対する使
用量は、適当な量とされるものであるが、かかる使用量
が多過ぎる場合には、水和硬化に長い時間を必要とし、
硬化体の強度も低くなり、また、かかる使用量が少な過
ぎる場合には、リン酸カルシウム成分と有機硬化促進成
分とを練和して、ペースト状にすることが困難となる。
更に、本発明に従うリン酸カルシウム系無機接着剤を使
用する際に用いられる水は、リン酸カルシウム成分と有
機硬化促進成分とを混合した後に添加されても、有機硬
化促進成分を水に溶解せしめて、有機硬化促進成分の水
溶液とされて添加されても、何等差支えない。但し、有
機硬化促進成分は、水溶液で添加する方が、均一な濃度
で添加することが可能となるところから、水溶液の形態
で添加されることが、一般的である。
【0020】また、そのように、有機硬化促進成分を水
溶液として用意する場合には、その濃度は、5重量%〜
50重量%程度とされる。けだし、かかる濃度が5重量
%より低い場合には、硬化反応が進行し難くなり、硬化
時間が長くなり易いからであり、またかかる濃度が50
重量%より高い場合には、硬化時間が短くなり過ぎて、
取扱いが困難となり易いからである。
【0021】さらに、この有機硬化促進成分の水溶液の
pHは、何等限定されるものではないが、一般に、pH
3〜12、好ましくはpH5〜11とされる。けだし、
有機硬化促進成分をpH3〜12に調整することによっ
て、得られるリン酸カルシウム硬化体の圧縮強度がより
一層高い値となって、望ましいからである。なお、有機
硬化促進成分として、ポリアクリル酸や有機酸を用いる
場合は、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等を用い
て、pHを適当な値にすれば良いが、ポリアクリル酸塩
や有機酸塩を用いて、適当なpHの水溶液を調製するこ
とも可能である。
【0022】また、本発明に従うリン酸カルシウム系無
機接着剤を硬化させる温度は、特に限定されるものでは
ないが、かかる温度が低過ぎる場合には、硬化時間が長
くなり易く、またかかる温度が高過ぎる場合には、反応
の進行が速くなり過ぎて、充分な圧縮強度を有する硬化
体が得られ難くなるところから、一般に10℃〜80℃
程度とされる。また、pHが高い場合等のように、反応
が進行し難い場合には、加熱して、反応を進み易くする
ことが好ましい。
【0023】さらに、本発明に従うリン酸カルシウム系
無機接着剤を硬化させる時間は、各反応条件によって決
定されるものであるが、通常の接着剤で採用されるもの
と同程度であればよい。但し、余りにも硬化時間が短く
なり過ぎると、充分な圧縮強度を有する硬化体が得られ
なくなるので、好ましくない。
【0024】ところで、上記の如き本発明に従うリン酸
カルシウム系無機接着剤が対象とするのは、一般に、無
機質材料である。具体的には、石膏ボード、押出し成形
セメント板、石綿セメントケイ酸カルシウム板、パーテ
ィクルボード、ロックウール板、グラスウール板、繊維
板、合板、プレキャストコンクリート、プレストレスト
コンクリート、ALC、石綿セメント、木毛、木片セメ
ント板、人造石、木れんが、モルタル板、サイディング
材、パーライト、磁器質タイル、陶器質タイル、せっ器
質タイル等を挙げることが出来る。
【0025】そして、これら無機質材料に対して、本発
明に従うリン酸カルシウム系無機接着剤を適用するに際
しては、通常の接着剤の適用方法と同様な方法が採用さ
れることとなる。例えば、先ず、本発明に係る接着剤を
構成するリン酸カルシウム成分と有機硬化促進成分とを
合わせたものを、水の存在下において、練和して、ペー
スト状にする。次いで、その得られたペーストを、第一
の無機質材料の接着面に塗布した後、該ペーストの塗布
された接着面に第二の無機質材料を張り付けて、前記ペ
ースト状の接着剤を、硬化せしめればよいのである。
【0026】
【実施例】以下に、本発明の代表的な実施例を示し、本
発明を更に具体的に明らかにすることとするが、本発明
が、そのような実施例の記載によって、何等の制約をも
受けるものでないことは、言うまでもないところであ
る。また、本発明には、以下の実施例の他にも、更には
上記した具体的記述以外にも、本発明の趣旨を逸脱しな
い限りにおいて、当業者の知識に基づいて種々なる変
更、修正、改良等を加え得るものであることが、理解さ
れるべきである。
【0027】実施例 1 ───圧縮強度試験─── 先ず、有機硬化促進成分としてのクエン酸を水に溶解せ
しめて、50重量%の濃度において、クエン酸水溶液を
調製した。次いで、この得られた水溶液:50重量部
と、別途用意したα−TCPからなるリン酸カルシウム
成分:75重量部とを練和して、硬化せしめることによ
り、目的とするリン酸カルシウム硬化体を得た。また、
同様にして、各種の有機硬化促進成分とリン酸カルシウ
ム成分としてのα−TCP若しくはTeCPとを組み合
わせて、リン酸カルシウム硬化体を作製した。そして、
この得られた各種の硬化体について、圧縮強度を測定し
て、得られた結果をグラフにして、図1に示した。
【0028】なお、かかる図1において、PAAはポリ
アクリル酸を表わし、PVAはポリビニルアルコールを
表わしている(以下の実施例でも同様である)。また、
グラフの縦軸には、用いられたリン酸カルシウム成分と
有機硬化促進成分との組み合わせが示されている。但
し、有機硬化促進成分の水溶液のpHを調整したものに
ついては、そのpHを続く括弧内に併記した。更に、グ
ラフの横軸には、最大の圧縮強度が示されている。更に
また、圧縮強度の測定には、オリエンテック・テンシロ
ン(UTM−10T:株式会社東洋ボールドウィン製)
を用いて、ロードセル・フルスケール:5t、チャート
スピード:20mm/分、クロスヘッドスピード:1m
m/分の条件を採用して、圧縮試験中に試験片に加わる
最大圧縮応力を圧縮強度とした。
【0029】この図1に示されるグラフから明らかなよ
うに、本発明に従うリン酸カルシウム系無機接着剤を硬
化させて得られるリン酸カルシウム硬化体は、非常に高
い圧縮強度を有し、本発明に従うリン酸カルシウム系無
機接着剤は、高い圧縮強度を発揮し得るものであること
が理解されるのである。より詳細には、水のみを用いて
α−TCPを硬化せしめて得られたリン酸カルシウム硬
化体は、110kgf/cm2 程度の圧縮強度を有する
だけであるのに対して、本発明に従うリン酸カルシウム
系無機接着剤を硬化せしめて得られるリン酸カルシウム
硬化体は、低いものでも140kgf/cm2 程度、高
いものでは600〜700kgf/cm 2 程度と、非常
に高い圧縮強度を有するのである。
【0030】実施例 2 ───耐久性試験─── この実施例では、本発明に従うリン酸カルシウム系無機
接着剤を硬化せしめて得られる、リン酸カルシウム硬化
体の耐久性について調べた。具体的には、下記表1に示
されるような組合せにおいて、リン酸カルシウム成分:
1重量部と有機硬化促進成分の水溶液(1〜30重量
%):1〜0.5重量部とを練和することにより、リン
酸カルシウム成分と有機硬化促進成分とを反応、硬化せ
しめた。そして、硬化反応を開始してから、所定日数経
過したリン酸カルシウム硬化体について圧縮強度を測定
して、その結果を、下記表1に示した。なお、圧縮強度
の測定は、前記実施例1と同様にして行なった。
【0031】
【表1】
【0032】かかる表1に示される結果から明らかなよ
うに、本発明に従うリン酸カルシウム系無機接着剤を硬
化せしめて得られるリン酸カルシウム硬化体の圧縮強度
にあっては、時間の経過による変化が、非常に少ないの
である。より具体的には、例えばα−TCPとクエン酸
水溶液とを混合せしめて得られるリン酸カルシウム硬化
体では、硬化開始から180日経過した後でも、硬化直
後の圧縮強度を維持しているのである。また、本発明に
従うリン酸カルシウム系無機接着剤を硬化させた、その
他のリン酸カルシウム硬化体にあっても、少なくとも9
0日程度は、圧縮強度が同程度に維持されている。従っ
て、本発明に従うリン酸カルシウム系無機接着剤は、優
れた耐久性を発揮し得るものであることが理解されるの
である。
【0033】実施例 3 ───接着強度試験─── 本実施例では、本発明に従うリン酸カルシウム系無機接
着剤を用いて、実際に無機材料を接着して、その接着強
度について調べることとする。先ず、α−TCPと30
%クエン酸水溶液とを、重量比で1:1となるように練
和して、ペースト状にした。そして、この得られたペー
スト状のリン酸カルシウム系無機接着剤を、下地材とし
てのケイ酸カルシウム板に塗布して、塗布されたリン酸
カルシウム系無機接着剤を間に挟むように、被着材とし
ての磁器質タイルを貼り付けた。そして、これを、常
態、即ち温度:20℃、相対湿度:60%の条件で、7
日間養生した。養生後、本発明に係るリン酸カルシウム
系無機接着剤が硬化した、リン酸カルシウム硬化体を介
して接着されている下地剤と被着材に対して、JISA
5548に準拠して、単軸引っ張り試験を施して、接
着強度を調べた。そして、その結果を、下記表2に示
す。
【0034】
【0035】この表2に示されるように、本発明に従う
リン酸カルシウム系無機接着剤を用いて、下地材と被着
材を接着した場合には、優れた接着強度が発揮され得る
ことが明らかとなったのである。即ち、本発明に従うリ
ン酸カルシウム系無機接着剤は、その接着強度が強いた
めに、単軸引っ張り試験において、強度の劣る下地材が
破壊されることとなったのである。
【0036】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明
に従うリン酸カルシウム系無機接着剤によれば、それが
接着剤として用いられる際に、無機成分の性質に由来す
る耐熱性や耐火性だけではなく、有機成分に由来する耐
水性や耐衝撃性等が、有利に発揮され得ると共に、優れ
た耐久性や高い圧縮強度が発揮され得るのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例で得られた各リン酸カルシウム硬化体
の最大の圧縮強度を示すグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 α型リン酸三カルシウム及び/又はリン
    酸四カルシウムからなるリン酸カルシウム成分と、ポリ
    アクリル酸及びポリビニルアルコールのうちの少なくと
    も一つの水溶性ポリマーからなる有機硬化促進成分とか
    ら構成され、それらリン酸カルシウム成分と有機硬化促
    進成分とが、水の存在下において反応、硬化せしめられ
    ることを特徴とするリン酸カルシウム系無機接着剤。
  2. 【請求項2】 α型リン酸三カルシウム及び/又はリン
    酸四カルシウムからなるリン酸カルシウム成分と、有機
    酸(但し、ポリアクリル酸を除く)からなる有機硬化促
    進成分とから構成され、それらリン酸カルシウム成分と
    有機硬化促進成分とが、水の存在下において反応、硬化
    せしめられることを特徴とするリン酸カルシウム系無機
    接着剤。
  3. 【請求項3】 α型リン酸三カルシウム及び/又はリン
    酸四カルシウムからなるリン酸カルシウム成分と、ポリ
    アクリル酸及びポリビニルアルコールのうちの少なくと
    も一つの水溶性ポリマー及び有機酸(但し、ポリアクリ
    ル酸を除く)からなる有機硬化促進成分とから構成さ
    れ、それらリン酸カルシウム成分と有機硬化促進成分と
    が、水の存在下において反応、硬化せしめられることを
    特徴とするリン酸カルシウム系無機接着剤。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100836951B1 (ko) 2007-06-20 2008-06-11 한국화학연구원 혼합형 인산칼슘 시멘트
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