JPH10193786A - 固体物質の移動方法、書替可能な表示記録媒体およびその再生方法 - Google Patents

固体物質の移動方法、書替可能な表示記録媒体およびその再生方法

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JPH10193786A
JPH10193786A JP9000543A JP54397A JPH10193786A JP H10193786 A JPH10193786 A JP H10193786A JP 9000543 A JP9000543 A JP 9000543A JP 54397 A JP54397 A JP 54397A JP H10193786 A JPH10193786 A JP H10193786A
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display recording
solid substance
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JP9000543A
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Takashi Morikawa
尚 森川
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Fuji Xerox Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】再生が容易で、滲みのない画像維持性に優れた
高い画質の表示記録が可能である表示記録媒体、および
表示記録を消去する再生方法を提供する。 【解決手段】表示記録媒体の再生方法は、着色した表裏
が連結した細孔を有する第一の多孔質層4と表裏が連結
した細孔を有する第二の多孔質層5からなり、第二の多
孔質層外部より第二の多孔質層を形成する物質の屈折率
に近い屈折率を有する常温で固体の物質を加熱溶融させ
て第二の多孔質層に加え、第二の多孔質層中の空隙を充
填することにより表示記録を行った表示記録媒体につい
て、第一の多孔質層4を液体で浸潤させ、表裏が連結し
た細孔を有する第三の多孔質層6からなる固体物質受容
シートを第二の多孔質層5に重ねて第一の多孔質層側4
から加熱することにより、第三の多孔質層6からなる固
体物質受容シートに、常温で固体の物質8を移動させて
表示記録の消去を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、積層された多孔質
層を利用して固体物質を移動する方法に関し、より具体
的には、ペーパーライクな表示記録媒体等の多孔質層を
有する表示記録媒体について、表示記録を消去する表示
記録媒体の再生方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在主流となっているマーキング技術
は、色材を記録媒体上に移動させて表示記録を行う方式
であり、例えば、電子写真方式では、記録媒体上にトナ
ーを転写・定着することにより、インクジェット方式で
は記録媒体上にインクを移動・乾燥することにより、感
熱方式ではインクリボンから染料を記録媒体上に溶融転
写して、記録媒体表面に色材をパターニングすることに
より表示記録を行うものである。これはマーキング方式
といわれる技術である。
【0003】これに対し、色材を記録媒体上に移動させ
ない記録方式として、記録媒体表面の多孔質層をパター
ニングすることにより表示記録を行うマーキング方式が
幾つか提案されている。これらは着色層が形成されてい
る支持基板上に、多孔質の白色隠蔽層を形成した構造を
とるものが多い。このような構成の記録媒体へのマーキ
ング方法としては、例えば、放電破壊印字のように白色
隠蔽層を部分的に取り除くことにより、或いは白色隠蔽
層を部分的に透明にすることにより情報の表示記録を行
う。具体的な白色隠蔽層の透明化方法としては、空隙
を有する白色隠蔽層を部分的に圧力で潰し透明化して表
示記録を行う方法(特表平6−505929号公報)、
空隙を有する白色隠蔽層を加熱によって溶融させ、空
隙を潰して表示記録を行う方法(特開平4−24203
9号公報、特開平6−247056号公報)、空隙を
有する白色隠蔽層を加熱と同時に加圧して空隙を潰して
表示記録を行う方法(特開昭59−230786号公
報)、空隙を有する白色隠蔽層を構成する物質に近い
屈折率を有する液体で空隙を充填することにより、光散
乱能を低下させ透明化する方法(特公平4−48349
号公報)等が知られている。
【0004】ところで近年、省エネルギー、省資源の要
請から画像の記録と消去が可逆的に行える可逆表示記録
方式が注目されている。このような方式として、感熱
紙に用いられるロイコ染料の可逆性を利用して可逆表示
を行う方式、有機低分子・樹脂複合膜を用いて加熱温
度により有機低分子の結晶粒径と空隙の有無を変化させ
白濁・透明表示を行う方式、高分子液晶材料のポリド
メイン白濁状態と加熱冷却により生じる等方相透明状態
を用いて印字するマーキング方式が報告されている。
【0005】一方、色材を記録媒体上に移動させて表示
記録を行う方式では、省エネルギー・省資源の要請を受
けて記録媒体の再生が検討・実施されている。具体的な
記録媒体の再生方法としては、大量の使用済みのオフィ
ス用紙を一括回収し、工場で再生する再生紙方式が普及
し実施されている。また、最近オフィス内において使用
済みの用紙を再使用する方法として、電子写真法によ
り形成された画像をその場で用紙から引き剥がし用紙を
再生利用することが提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の記録媒体外部か
ら色材を移動させて表示記録を行うマーキング方式で
は、色材の定着が不十分であると使用上支障をきたすた
め、色材が記録媒体上に強固に固定されており、記録媒
体、例えば用紙の再生を行う際に完全に脱墨を行うこと
が難しく、用紙の再生利用上問題となっている。また、
の方式においても、画像が色材を含むため完全な再生
は困難であり、再生回数は数十回程度に限られている。
【0007】また、従来の色材を移動させずに表示記録
を行うマーキング方式である多孔質層をパターニングす
る方式も、放電破壊記録のように表示記録のため白色隠
蔽層を破壊したり、〜のマーキング方式のように表
示記録のため多孔質層の空隙を潰してしまうため、再生
利用は事実上困難である。
【0008】これに対して、の方式では白色隠蔽層中
の無色液体を蒸発することにより簡単に再生利用が可能
であるが、印字に液体を利用するため滲み等が生じ、画
質上問題がある。また、液体の蒸発により表示記録パタ
ーンの経時的な維持性に乏しいという問題がある。この
問題点を解決する手法として、固体化する物質を利用す
る方式が考えられる。このような方式として、光メモリ
ー技術において、多孔質層と低融点物質層を有し、加熱
溶融により低融点物質で多孔質膜を充填させて記録を行
う方法(特公昭60−40995号公報)が開示されて
いる。しかしながら、この技術は、追記型メモリーを目
的とした発明であり、記録の消去に関しては考慮が払わ
れていない。
【0009】一方、熱の印加だけで白色隠蔽層の透明度
を可逆的に変化させて表示を行う方法である及びの
方式は、十分な白色度が得られず、画質上満足できるも
のではない。また、の方式は、化学反応を伴うため、
消去時の画像後残り等、繰り返し性に問題があり、さら
に、原理的に可逆的な発色反応を用いるため画像の維持
性が悪いという問題がある。
【0010】本発明は上記問題に鑑みてなされたもので
あって、本発明の目的は、表示記録媒体の再生に利用で
きる固体物質の移動方法を提供することにある。本発明
の目的の一つは、再生が容易で、滲みのない高い画質の
表示記録が可能であり、かつ画像維持性に優れた表示記
録媒体を提供することにある。本発明の目的の他の一つ
は、繰り返し使用が可能であり地球環境に優しく、また
ペーパーライクな外観を有し、高精細な表示が可能でユ
ーザーインターフェイスに優れた表示記録媒体を提供す
ることにある。本発明の目的のさらに他の一つは、上記
の表示記録媒体を用いて形成された表示記録を消去し
て、表示記録媒体を再生する方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の固体物質の移動
方法は、表示記録媒体の再生に利用できるものであっ
て、表裏が連結した細孔を有する第一の多孔質層と、常
温で固体の物質で充填された表裏が連結した細孔を有す
る第二の多孔質層と、液体で浸潤させた表裏が連結した
細孔を有する第三の多孔質層とを重ね、液体で浸潤させ
た多孔質層側から加熱することにより、常温で固体の物
質を上記第二の多孔質層から他の側の多孔質層に移動さ
せることを特徴とする。
【0012】上記の固体物質の移動方法を利用する本発
明の表示記録媒体の第一の再生方法は、着色した表裏が
連結した細孔を有する第一の多孔質層と表裏が連結した
細孔を有する第二の多孔質層からなり、上記第二の多孔
質層外部より第二の多孔質層を形成する物質の屈折率に
近い屈折率を有する常温で固体の物質を加熱溶融させて
第二の多孔質層に加え、第二の多孔質層中の空隙を充填
することにより表示記録を行った表示記録媒体につい
て、前記表示記録媒体の少なくとも第一の多孔質層を液
体で浸潤させ、表裏が連結した細孔を有する第三の多孔
質層からなる固体物質受容シートを第二の多孔質層に重
ねて第一の多孔質層側から加熱することにより、第三の
多孔質層からなる固体物質受容シートに、常温で固体の
物質を移動させて表示記録の消去を行うことを特徴とす
る。
【0013】さらに本発明の表示記録媒体の第二の再生
方法は、着色した表裏が連結した細孔を有する第一の多
孔質層と表裏が連結した細孔を有する第二の多孔質層か
らなり、上記第二の多孔質層外部より第二の多孔質層を
形成する物質の屈折率に近い屈折率を有する常温で固体
の物質を加熱溶融させて第二の多孔質層に加え、第二の
多孔質層中の空隙を充填することにより表示記録を行っ
た表示記録媒体について、液体で浸潤させた表裏が連結
した細孔を有する第三の多孔質層からなる多孔質シート
を第二の多孔質層に重ね、上記第三の多孔質シート側か
ら加熱することにより、着色した第一の多孔質層に常温
で固体の物質を移動させて表示記録の消去を行うことを
特徴とする。
【0014】本発明の表示記録媒体は、表示記録および
記録消去を可逆的に実施することが可能であって、着色
した表裏が連結した細孔を有する第一の多孔質層と表裏
が連結した細孔を有する第二の多孔質層とからなること
を特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明の表示記録媒体は、着色した表裏が
連結した細孔を有する第一の多孔質層(着色多孔質層)
と表裏が連結した細孔を有する第二の多孔質層(多孔質
記録層)とからなるものであって、着色多孔質層は、支
持基板の役目を果たすものである。図1は、本発明の表
示記録媒体の構成を示す模式図であって、1は多孔質記
録層、2は着色多孔質基板である。本発明の表示記録媒
体は、着色多孔質層が、図2のように第一の多孔質支持
基板の多孔質記録層と接着する面だけを着色した構成の
ものであってもよい。3は表面を着色した多孔質基板で
ある。ただし、上記第二の再生方法を利用する場合に
は、繰り返し回数に伴い、表示記録媒体裏面の白色度が
低下するので、図1に示す構成の方が好ましい。
【0016】先ず、本発明において、第二の多孔質層
(多孔質記録層)に浸潤させるための固体物質である
「多孔質層を形成する物質の屈折率に近い屈折率を有す
る常温で個体の物質」について述べる。この固体物質
は、加熱溶融されて溶融流動し、多孔質層の空隙を充填
して多孔質層を透明化するものであるから固体物質自身
が無色であることが望ましい。
【0017】ここでいう「多孔質層を形成する物質の屈
折率に近い屈折率」とは、多孔質層を形成する物質材料
(以下、「多孔質材料」という。)と固体物質の屈折率
差が0.1以下、好ましくは0.05以下の場合を意味
する。多孔質材料と固体物質の屈折率差が0.1より大
きいと、多孔質材料と固体物質との界面で光散乱が大き
くなり表示記録の品質が低下する。
【0018】また「常温で固体の物質」(以下、「固体
物質」という。)とは、表示記録時の画像の滲みの点、
表示記録の維持性および表示記録の消去性の点から考え
て、融点が40℃〜100℃の物質が好ましく、さらに
好ましくは、融点60℃〜80℃の物質である。100
℃より高い融点を有する固体物質は、印字に必要なエネ
ルギーが大きくなるだけでなく、本発明の手法による消
去性が悪くなるため好ましくない。また、40℃未満の
融点を有する固体物質は、表示記録時の滲みの発生や表
示記録の維持温度の低下を招くため好ましくない。
【0019】前記の要求を満たす具体的な固体物質とし
ては、例えば脂肪酸アミド化合物および炭化水素系ワッ
クスがあげられる。具体的な化合物としては、飽和脂肪
酸アミド化合物として、ラウリン酸アミド、ペンタデカ
ン酸アミド、パルチミン酸アミド、ヘプタデカン酸アミ
ド、ノナデシル酸アミド、アラキジン酸アミド、ヘンエ
イコサン酸アミド、ベヘン酸アミド、トリコサン酸アミ
ド、リグノセリン酸アミド、ペンタコサン酸アミド、セ
ロチン酸アミド、ヘプタコサン酸アミド、モンタン酸ア
ミド、ノナコサン酸アミド、メリシン酸アミド、ヘント
リアコンタン酸アミド、ドトリアコンタン酸アミド、ト
リトリアコンタン酸アミド、テトラトリアコンタン酸ア
ミド、N−ステアリルステアリン酸アミド、メチロール
ステアリン酸アミド、12−ヒドロキシステアリン酸ア
ミド、不飽和脂肪酸アミド化合物としては、オレイン酸
アミド、エルカ酸アミド、N,N′−ジオレイルアジピ
ン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド、N−オレ
イルステアリン酸アミド、炭化水素系ワックスとしてマ
イクロクリスタリンワックスHi−Mac−3090、
Hi−Mac−1080、Hi−Mac−1070、H
i−Mac−1045、日石マイクロワックス155、
180、パラフィンワックスNMP−5、NMP−10
等があげられるが、上記条件を満たす化合物であるな
ら、これらに限定されるものではない。
【0020】次に、本発明の表示記録媒体における多孔
質記録層である「第二の多孔質層」について説明する。
多孔質層は表裏が連結した細孔よりなる多数の空隙を内
部に有しているため、空隙と多孔質材料との界面で光散
乱が起こり、白濁した状態になっている。多孔質層を形
成する物質に要求される主な特性としては、光学特性と
耐熱性があげられる。光学特性については、空隙をうめ
る無色固体物質に近い屈折率を有し、無色で透明度が高
い材料が好ましく用いられる。透明度が低い材料で表示
記録媒体を作成すると、印字された表示記録パターン部
分が完全に透明にならず、コントラスト低下の大きな原
因となる。また、多孔質材料自身の耐熱性については、
軟化点として100℃以上、好ましくは150℃以上の
材料が用いられる。軟化点が100℃未満の材料の場合
は、多孔質層が熱変形しやすく、多孔構造が変化してし
まう。
【0021】本発明において、多孔質層は、上記の要求
特性を満たす材料を用いて、何如なる方法で作成された
ものであってもよい。上記の要求特性を満たす材料につ
いては後記する有機樹脂が使用されるが、有機樹脂を用
いて多孔質層を形成する方法としては、例えば、相転換
法、延伸法、フィラー充填法等があげられる。
【0022】相転換法は、有機樹脂を溶媒に溶解させ、
平板上に流延、展開して製膜する方法であり、溶媒の一
部を蒸発させ、浴中に浸漬して凝固させて多孔質層を製
膜する方法である。フィラー充填法は、有機樹脂をバイ
ンダーとして、これに支持基板とバインダーには反応及
び溶解しない溶媒に可溶なフィラーを分散させ、塗布液
を支持基板上に塗布した後、フィラーのみを溶媒により
除去して多孔質層を製膜する方法である。延伸法は、結
晶性の有機樹脂を製膜した後に、熱を加えたり可塑剤を
添加して可塑化状態にして、1軸又は2軸に延伸し、フ
ィルムに歪みを与えることにより孔をあけて多孔質層を
製膜する方法である。
【0023】前記の要求特性を満足する具体的な材料と
して、相転換法やフィラー充填法で製膜する場合に使用
する有機樹脂としては、例えば、セルロース、ニトロセ
ルロース、アセチルセルロース、ポリアミド、ポリメタ
クリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコ
ール、ポリウレタン等があげられる。また、延伸法で製
膜する場合に使用される有機樹脂としては、例えば、ポ
リプロピレン、ポリエチレン等があげられる。
【0024】さらに、多孔質層の強度を増すために、有
機樹脂とフィラーを組み合わせて多孔質層を作成するこ
ともできる。この際に用いられるフィラーとしては、上
記有機樹脂と屈折率が近い材料としてシリカや重合メラ
ミン、炭酸カルシウムなどの材料が好ましく用いられ
る。フィラーの大きさは0.1μm〜5μmが好まし
い。フィラーの大きさが0.1μm未満の場合には、多
孔質層の強度を増す効果がなく、5μmより大きなフィ
ラーでは多孔質層の白濁度を低下させてしまう。多孔質
層の有機樹脂とフィラーを組み合わせて多孔質層を作成
する場合は、膜の上記の相転換法で多孔質層を作成する
ことができる。相転換法においては、フィラーの有機樹
脂に対する混合比は重量で5%〜70%が好ましい。フ
ィラーが5%未満でも、70%より大きくても、多孔質
層の強度を増す効果は小さくなる。
【0025】多孔質層の厚みは5μm〜50μmの範囲
が適用でき、好ましくは10μm〜30μmである。5
μm以下であると光散乱層である多孔質層が薄すぎて、
白濁度が低下し、表示品質が低下する。また、50μm
以上の厚さになると、表示の視野角依存性が大きくな
り、表示品質が低下してしまう。多孔質層の厚みが5μ
m〜50μmであって、多孔質層内の空隙の容積が20
〜80%であり、かつ多孔質層内の空隙の平均孔径が
0.01μm〜10μmであることが、白濁度の点で好
ましい。容積率が20%以下であると白濁度が低下し、
高コントラストの表示は困難となる。また容積率が80
%以上であると、白濁度は大きくなるものの、媒体の強
度が低下し、ペーパーライクな表示記録媒体としての取
扱いが難しくなる。
【0026】また、多孔質層内の空隙の平均孔径は、
0.01μm〜10μm、より好ましくは0.1μm〜
5μmの範囲である。平均孔径が0.01μmより小さ
くても、10μmより大きくても白濁度が低下し、高コ
ントラスト表示が困難となる。
【0027】記録のために多孔質層の空隙を埋める無色
固体物質は、多孔質層との屈折率差が0.1以下となる
ように選ばれるが、例えば、前述した脂肪酸アミドある
いは炭化水素系ワックス等を上記多孔質材料よりなる多
孔質層に用いる場合、それぞれいずれの組合せでも屈折
率差がほぼ0.1以下となり、本発明に好ましく使用で
きる。特に好ましい組合せとしては、セルロース、ニト
ロセルロース、アセチルセルロース、ポリアミド等の多
孔質材料とオレイン酸アミド、エルカ酸アミド、N−ス
テアリルエルカ酸アミド、N−オレイルステアリン酸ア
ミド等の固体物質との組合せがあげられる。
【0028】次に表示記録媒体における、着色した表裏
が連結した細孔を有する第一の多孔質層について説明す
る。この層は、支持基板としての役割を果たし、多孔質
記録層である第二の多孔質層におけると同様に、相転換
法やフィラー充填法で製膜されるセルロース、ニトロセ
ルロース、アセチルセルロース、ポリアミド、ポリメタ
クリル酸メチル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコ
ール、ポリウレタン等の有機樹脂、および延伸法で製膜
されるポリプロピレン、ポリエチレン等が用いられる。
また、着色は、図1および図2に記載のように、これら
の表面に着色層を設けたり、材料自身に色素を加えて着
色した材料を用いて行なうことができる。なお着色多孔
質層の厚みは、50μm〜150μmが好ましい。着色
多孔質層の厚みが50μm未満の場合には、表示記録媒
体自身の強度が低下して、耐久性が悪くなる。また、厚
みが150μmより大きくなると、表示記録媒体自身の
フレキシブル性が損なわれて、表示記録媒体としてのハ
ンドリング性が劣ってくる。また、表示記録の消去を第
二の再生方法で実施する表示記録媒体の場合には、着色
多孔質層は、固体物質の受容層としての役割を果たす
が、その厚みにより繰り返し回数が制限を受けるため、
70μm〜150μmの範囲の厚さが好ましい。
【0029】最後に、表裏が連結した細孔を有する第三
の多孔質層について説明する。この第三の多孔質層は、
表示記録の消去に際して、上記した表示記録媒体の多孔
質記録層である第二の多孔質層の上に重ねられるシート
状のものであって、表示記録の消去のために前記第一の
再生方法が採用される場合には、固体物質の受容層とし
ての役割を果たし(固体物質受容シート)、また、前記
第二の再生方法が採用される場合には、液体を浸潤させ
る(多孔質シート)。この第三の多孔質層も、第二の多
孔質層と同様に、相転換法やフィラー充填法で製膜され
るセルロース、ニトロセルロース、アセチルセルロー
ス、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチル、ポリカーボ
ネート、ポリビニルアルコール、ポリウレタン等の有機
樹脂、および延伸法で製膜されるポリプロピレン、ポリ
エチレン等が用いられる。なお第三の多孔質層の厚み
は、第一多孔質層と同様に厚みは50μm〜150μm
の範囲が好ましい。厚みが50μm未満の場合には、多
孔質層シート自身の強度が低下して、耐久性が悪くな
る。また、厚みが150μmより大きいと多孔質シート
自身のフレキシブル性が損なわれて、表示記録媒体への
密着性が低下し、消去が不完全になるという問題があ
る。
【0030】上記の表示記録媒体への表示記録は、溶融
状態で固体物質を第二の多孔質層の中に浸透させること
によって行われる。記録方式は特に限定はしないが、例
えば具体的な方式として、上記固体物質を用いた溶融イ
ンクジェット方式や、固体物質を用いて作成したドナー
フィルムを利用したサーマルヘッド印字方式、固体物質
を用いて作成したトナーを利用した電子写真方式等が採
用される。
【0031】次に、本発明の表示記録媒体の再生方法に
利用される固体物質の移動方法について説明する。本発
明の固体物質の移動方法は、表裏が連結した細孔を有す
る第一の多孔質層と、固体物質で充填された表裏が連結
した細孔を有する第二の多孔質層と、液体で浸潤させた
表裏が連結した細孔を有する第三の多孔質層とを重ね、
この第三の多孔質層側から加熱することにより、細孔に
充填されている固体物質を第二の多孔質層から第一の多
孔質層に移動させることを特徴とするものである。この
場合、第二の多孔質層が、上記表示記録媒体の多孔質記
録層に対応する。また、第一の再生方法が採用される場
合は、第一の多孔質層が支持体である着色多孔質層に対
応し、第三の多孔質層が、固体物質受容シートに対応す
る。また、第二の再生方法が採用される場合は、第一の
多孔質層が支持体である着色多孔質層に対応して、固体
物質の受容体としての役割を果たし、第三の多孔質層
が、液体を浸潤させる多孔質シートに対応する。本発明
の再生方法の原理は定かではないが、急激な加熱により
固体物質が溶融流動状態となり、浸潤させた液体の急激
な気化による圧力で第二の多孔質層の外に押し出される
ことにより達成されると考えられる。
【0032】本発明の第一の再生方法は、上記のように
固体物質を第二の多孔質層の細孔に充填することによっ
て表示記録された表示記録媒体について、その第一の多
孔質層である着色多孔質層を液体で浸潤させる。ここで
使用する液体は無色で気化による除去が可能な物質を意
味し、具体的には、水単独あるいは水とアルコールのよ
うな水に可溶な有機溶媒との混合液体が好ましく使用さ
れる。混合する水に可溶な有機溶媒は上記条件を満た
し、異臭を持たず、多孔質層を浸さないものであれば、
如何なるものでも使用できる。液体による浸潤は、記録
された表示記録媒体を液体中に浸漬することによって行
うことができる。次いで、表示記録媒体の第二の多孔質
層の上に、第三の多孔質層からなる固体物質受容シート
を重ね、着色多孔質側から加熱する。加熱は、ヒートロ
ーラーあるいはホットスタンパーを用いて行い、液体の
沸点以上に急激に加熱すればよい。それにより液体が蒸
発して、第二の多孔質層の細孔に充填されている固体物
質を第三の多孔質層からなる固体物質受容シートに移動
させ、表示記録の消去が行なわれる。
【0033】図3は、その場合を説明する図であって、
表示記録された表示記録媒体は、液体を浸潤させた第一
の多孔質層である着色多孔質層4と、固体物質が細孔に
充填された第二の多孔質層である多孔質記録層5とより
なり、多孔質記録層5に、第三の多孔質層である固体物
質受容シート6を重ね(図3(a))、ホットスタンパ
ー7によって加熱する(図3(b))。それにより、多
孔質記録層5中の固体物質が多孔質固体物質受容シート
に移動する(図3(c)参照)。8は移動した固体物質
を示す。
【0034】本発明の第二の再生方法は、上記のように
固体物質を第二の多孔質層の細孔に充填することによっ
て表示記録された表示記録媒体について、上記の液体で
浸潤させた第三の多孔質層よりなる多孔質シートを第二
の多孔質層の上に重ね、多孔質シート層側から加熱す
る。加熱は、ヒートローラーあるいはホットスタンパー
を用いて行い、液体の沸点以上に急激に加熱すればよ
い。それにより液体が蒸発して、第二の多孔質層の細孔
に充填されている固体物質を着色多孔質層に移動させ、
表示記録の消去が行なわれる。
【0035】図4は、その場合を説明する図であって、
表示記録された表示記録媒体は、第一の多孔質層である
着色多孔質層9と、固体物質が細孔に充填された第二の
多孔質層である多孔質記録層5とよりなり、多孔質記録
層5に、第三の多孔質層である液体で浸潤させた第三の
多孔質層よりなる多孔質シート10を重ね(図4
(a))、ホットスタンパー7によって加熱する(図4
(b))。それにより、多孔質記録層5中の固体物質が
着色多孔質層9に移動する(図4(c))。8は移動し
た固体物質を示す。
【0036】上記第一の再生方法において使用した、固
体物質を移行させた第一の多孔質層からなる受容シー
ト、および第二の再生方法における固体物質を着色多孔
質層に移行させた表示記録媒体は、固体物質の受容量が
限界量に達した時点で、固体物質を洗浄等により多孔質
層内部から除去することにより再生し、再び利用するこ
とができる。
【0037】
【実施例】
実施例1 多孔質層形成材料として、アセチルセルロースを用い、
シクロヘキサノンに溶解させて10重量%の第二の多孔
質層形成用塗布液を作成した。この塗布液をポリエチレ
ンテレフタレート(PET)フィルム上に、ウエット膜
厚で約400μmになるように塗布し、乾燥工程を設け
ずに、形成した塗膜を支持基板ごと、ニトロセルロース
の貧溶媒であるヘキサン溶液の中に5分間浸した。5分
後にヘキサン溶液から引き上げて乾燥させ、PETフィ
ルム上から剥がすことにより、膜厚30μmの多孔質膜
を得た。
【0038】同様にアセチルセルロースを用い、アセチ
ルセルロース70部に対して30部のカーボンブラック
を混合し、シクロヘキサノンに溶解させてペイントシェ
ーカーにより60分間粉砕を行い、13重量%の第一の
多孔質層形成用塗布液を作成した。この塗布液をPET
フィルム上にウエット膜厚で約800μmになるように
塗布し、乾燥工程を設けずに、塗膜を支持基板ごと、ニ
トロセルロースの貧溶媒であるヘキサン溶液の中に5分
間浸した。5分後にヘキサン溶液から引上げて乾燥さ
せ、PETフィルム上から剥がすことにより、膜厚70
μmの着色多孔質基板を得た。
【0039】次に作成した多孔質膜と着色多孔質基板を
重ね、アクリル系紫外線硬化樹脂(DPCA120、日
本化薬(株)製)の60重量%イソプロピルアルコール
溶液中に浸漬した後、引上げて乾燥させ、120W/c
m出力のUVキュア装置で30秒間硬化させて表示記録
媒体を作製した。
【0040】固体物質としてオレイン酸アミド(アルフ
ローE−10:融点70℃〜78℃)を用い、上記作製
した表示記録媒体に溶融インクジェット印字装置により
2cm×2cmのベタ印字を行った。次に表示記録され
た表示記録媒体に水を浸潤させ、アセチルセルロースメ
ンブランフィルター上に表示記録面が下向きとなるよう
に重ね、着色多孔質基板側からホットスタンパー(温度
120℃、圧力1kg/cm2 )により5秒間加熱し
て、表示記録の消去を行った。
【0041】実施例2 実施例1と同様にして作製した表示記録媒体に、固体物
質として実施例1と同様にオレイン酸アミドを用い、溶
融インクジェット印字装置を用いてベタ印字を行った。
次にアセチルセルロースメンブランフィルターを水で浸
潤し、表示記録媒体の表示記録面に重ね、アセチルセル
ロースメンブランフィルター側からホットスタンパー
(温度120℃、圧力1kg/cm2 )により5秒間加
熱して、表示記録の消去を行った。
【0042】実施例3 実施例1と同様にして作製した表示記録媒体に、固体物
質としてマイクロクリスタリンワックス(日石マイクロ
ワックス155:融点69℃)を用い、実施例1と同様
に溶融インクジェット印字装置を用いてベタ印字を行っ
た。次に表示記録媒体を水で浸潤させ、アセチルセルロ
ースメンブランフィルター上に重ねて実施例1と同様に
5秒間加熱し、表示記録の消去を行った。
【0043】実施例4 実施例1と同様にして作製した表示記録媒体に、固体物
質として実施例3と同様にマイクロクリスタリンワック
スを用い、溶融インクジェット印字装置を用いてベタ印
字を行った。次にアセチルセルロースメンブランフィル
ターを水で浸潤し、表示記録媒体の表示記録面に重ね、
実施例2と同様に5秒間加熱して表示記録の消去を行っ
た。
【0044】比較例1 実施例1と同様にして作製した表示記録媒体に、固体物
質として実施例1と同様にオレイン酸アミドを用い、溶
融インクジェット印字装置を用いてベタ印字を行った。
次にアセチルセルロースメンブランフィルター上に、表
示記録媒体の表示記録面が下向きとなるように重ね、着
色多孔質基板側からホットスタンパー(温度120℃、
圧力1kg/cm2 )により5秒間加熱して表示記録の
消去を行った。
【0045】比較例2 実施例1と同様にして作製した表示記録媒体に、インク
材料としてジエチルフタレートを用い、インクジェット
印字装置を用いてベタ印字を行った。次に表示記録媒体
を水で浸潤し、アセチルセルロースメンブランフィルタ
ー上に重ね、実施例1と同様に5秒間加熱して表示記録
の消去を行った。
【0046】評価方法 上記のようにして作製した表示記録媒体の白濁部光学
濃度と印字部光学濃度をX−rite404(X−r
ite社製)で測定した。消去性はホットスタンパー
で5秒間加熱した部分の消去部光学濃度を測定すること
により評価を行った。また、別に2mm幅の細線を印字
して印字後1分の線幅と印字後60分の線幅を光学顕微
鏡を用いて測定し、両者の差を比較して細線幅の経時
変化を測定した。以上の結果を表1にまとめて示す。
【0047】
【表1】 実施例1〜実施例4と比較例1との比較より、本発明に
おける再生方法には水等の液体の存在が必須であること
が分かる。また、実施例1〜実施例4と比較例2との比
較から液体を印字に用いると画像が次第に滲み画像上問
題となることがわかる。
【0048】
【発明の効果】本発明の表示記録媒体は、上記2つの多
孔質層よりなる構成を有するから、表示記録媒体外部よ
り、多孔質層を形成する物質の屈折率に近い屈折率を有
する常温で固体の物質を加熱溶融させて多孔質層中の空
隙を充填することにより、再生が容易で、滲みのない画
像維持性に優れた高い画質の表示記録が可能である。ま
た、本発明の表示記録媒体は、繰り返し使用が可能であ
り、地球環境に優しく、またペーパーライクな外観を有
し、高精細な表示が可能でユーザーインターフェイスに
優れたものである。したがって、従来の液体を用いた方
式の問題点である、i)経時的な画像の濃度変化、形状
変化、ii)浸潤液体が媒体表面へ滲みだしてしまい、表
示記録媒体として取扱いずらい、iii)記録時の画像の滲
みが大きく表示品質が悪い等の点が改善される。また、
本発明の表示記録媒体の再生方法は、上記の構造の表示
記録媒体を用いるため、加熱による溶融状態と液体の気
化による圧力により、固体物質を容易に多孔質記録層中
から多孔質記録層外部に移動させて記録表示を消去する
ことができる。また、使用する液体として、水が使用可
能であるから、環境上の問題がないという利点もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の表示記録媒体の一例の模式的断面図
を示す。
【図2】 本発明の表示記録媒体の他の一例の模式的断
面図を示す。
【図3】 本発明の第一の再生方法を説明するための説
明図である。
【図4】 本発明の第二の再生方法を説明するための説
明図である。
【符号の説明】
1…多孔質記録層、2…着色多孔質基板、3…表面を着
色した多孔質基板、4…着色多孔質層(液体を浸潤させ
たもの)、5…多孔質記録層、6…固体物質受容シー
ト、7…ホットスタンパー、8…移動した固体物質、9
…着色多孔質層、10…多孔質シート(液体を浸潤させ
たもの)。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表裏が連結した細孔を有する第一の多孔
    質層と、常温で固体の物質で充填された表裏が連結した
    細孔を有する第二の多孔質層と、液体で浸潤させた表裏
    が連結した細孔を有する第三の多孔質層とを重ね、液体
    で浸潤させた多孔質層側から加熱することにより、該常
    温で固体の物質を第二の多孔質層から第一の多孔質層に
    移動させることを特徴とする固体物質の移動方法。
  2. 【請求項2】 着色した表裏が連結した細孔を有する第
    一の多孔質層と表裏が連結した細孔を有する第二の多孔
    質層からなり、該第二の多孔質層外部より該第二の多孔
    質層を形成する物質の屈折率に近い屈折率を有する常温
    で固体の物質を加熱溶融させて該第二の多孔質層に加
    え、該第二の多孔質層中の空隙を充填することにより表
    示記録を行った表示記録媒体について、前記表示媒体の
    少なくとも第一の多孔質層を液体で浸潤させ、表裏が連
    結した細孔を有する第三の多孔質層からなる固体物質受
    容シートを第二の多孔質層に重ねて第一の多孔質層側か
    ら加熱することにより、第三の多孔質層からなる固体物
    質受容シートに、常温で固体の物質を移動させて表示記
    録の消去を行うことを特徴とする表示記録媒体の再生方
    法。
  3. 【請求項3】 着色した表裏が連結した細孔を有する第
    一の多孔質層と表裏が連結した細孔を有する第二の多孔
    質層からなり、該第二の多孔質層外部より該第二の多孔
    質層を形成する物質の屈折率に近い屈折率を有する常温
    で固体の物質を加熱溶融させて該第二の多孔質層に加
    え、該第二の多孔質層中の空隙を充填することにより表
    示記録を行った表示記録媒体について、液体で浸潤させ
    た表裏が連結した細孔を有する第三の多孔質層よりなる
    多孔質シートを第二の多孔質層に重ね、該多孔質シート
    側から加熱することにより、該着色した第一の多孔質層
    に常温で固体の物質を移動させて表示記録の消去を行う
    ことを特徴とする表示記録媒体の再生方法。
  4. 【請求項4】 該常温で固体の物質が、融点40℃ない
    し100℃を有することを特徴とする請求項2および3
    に記載の表示記録媒体の再生方法。
  5. 【請求項5】 着色した表裏が連結した細孔を有する第
    一の多孔質層と表裏が連結した細孔を有する第二の多孔
    質層とからなることを特徴とする表示記録および記録消
    去を可逆的に実施することが可能な表示記録媒体。
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