JPH10181197A - 画像記録方法及び画像記録装置 - Google Patents

画像記録方法及び画像記録装置

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JPH10181197A
JPH10181197A JP8349020A JP34902096A JPH10181197A JP H10181197 A JPH10181197 A JP H10181197A JP 8349020 A JP8349020 A JP 8349020A JP 34902096 A JP34902096 A JP 34902096A JP H10181197 A JPH10181197 A JP H10181197A
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JP
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porous layer
image
transparent
substance
transparent substance
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JP8349020A
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English (en)
Inventor
Minoru Koshimizu
実 小清水
Takashi Uematsu
高志 植松
Tomoko Miyahara
知子 宮原
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 記録画像の維持性に優れ、コントラストの
高い、高品位な画像の表示が可能であり、ハードコピー
として取り扱いがし易く、再生が容易な画像の記録方法
及びそれに用いる画像記録装置を提供する。 【解決手段】 光散乱性の多孔質層の所定の領域に、該
多孔質層を形成する物質の屈折率と近い屈折率を有する
常温で固体の透明物質を加熱溶融して浸透させて多孔質
層内の空隙を充填した後、空隙内の透明物質を、多孔質
層表面から内部の空隙へ空気が侵入しない状態で冷却固
化することで画像を記録する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハードコピー技術に
関する。さらに詳しくは、画像維持性に優れ、高い画像
コントラストを有し、基本的に画像の消去による記録媒
体の再利用が容易な構成を有する記録媒体における画像
記録方法とその方法に好適に使用しうる画像記録装置に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の紙媒体を用いたハードコピー技術
は、文書情報に従って紙の上に色材を含有するインクや
トナー等を付与し、熱による溶融/再固化や、紙繊維へ
の浸透/乾燥によって半永久的に画像を定着することを
前提としている。従って文書情報の利用が終了しても、
紙媒体上から印字された情報だけを消去して紙を再利用
することは困難で、紙を再びパルプ繊維化して脱墨し、
再生紙として作り直すという大規模なリサイクルルート
を必要とする。さらに、オフィスから排出される紙文書
は、機密情報が多いため、シュレッダーなどで用紙が細
分化され、かさ高になって輸送コストを押し上げ、この
リサイクルルートにも乗りにくい状況になっている。近
年、このようなリサイクルルートの規模を少しでも縮小
し、効率的なハードコピー媒体の再利用を実現するため
に、電子写真装置によって一度紙の上に定着されたトナ
ーを、剥離して、用紙を再利用する技術が提案されてい
る(紙パ技協誌第47巻第12号p74−76)。しか
し、このように基本的に色材やバインダー樹脂を紙から
分離する方法は、もともと紙の繊維に強固に付着した色
材や接着している樹脂を除去する必要があるため、繰り
返し印字および消去を行う段階で完全に除去しきれない
色材が繊維に残留した場合、画像の履歴として検出され
やすい。また、色材を除去する工程で加わる熱および引
きはがす時に加わる機械的ストレスなどによる紙繊維へ
のダメージで通常10回程度のくり返しにしか耐えられ
ないという問題がある。
【0003】そこで、通常の紙の上にマーキング用の色
材を物理的に定着する方式ではなく、全く新しい用紙状
の表示記録媒体において、一時的な画像の形成ができ、
かつ不要時には消去できるようにしたさまざまなタイプ
の可逆表示記録媒体が提案されている。このような技術
の代表的なものとして、ロイコ染料と顕減色剤とを組合
せたもの(電子写真学会1995年度第2回研究会予稿
集p11−20)や高分子/有機低分子複合膜(特開昭
55−154198、特開昭58−7683、特開昭6
3−221087など)などが提案されている。ロイコ
染料を用いるタイプの可逆性記録媒体は、発消色反応の
反応速度差や、溶融後の冷却過程におけるロイコ染料と
顕色剤の結晶化による相分離などを、加熱温度や冷却方
法によって制御しようとするもので、無色のロイコ染料
の黒発色による画像は、極めて通常の紙ハードコピーに
近い白黒コントラストを有している点が優れている。ま
た、高分子/有機低分子複合膜は、加熱温度に依存する
有機低分子の過冷却現象によって逆転する、バインダー
である高分子と有機低分子との固体化時の体積収縮タイ
ミングを利用し、有機低分子周囲に空隙の生成を制御す
ることによって、透明状態と光散乱状態を作り出してい
る。この方式は、現象に化学反応が関与せず、物理的な
メカニズムで表示を行っているため画像の安定性や保存
性の点で優れている。但し、前述したロイコ染料を用い
るタイプの可逆性記録媒体は、発色/消色がロイコ染料
分子と顕減色剤分子との可逆的な電子供与・授受によっ
て起こる化学反応に大きく依存しているため、消色刺激
による画像の不安定性や、反応物質の劣化による印字部
の濃度低下などの経時変化が問題になる。また、高分子
/有機低分子複合膜を利用したタイプの可逆性記録媒体
は、透明な高分子物質のマトリクス内に分散された屈折
率のほぼ等しい有機低分子とのわずかな隙間で起こる光
散乱によって白さを表しているために、通常の紙ハード
コピーのような背景の白さが出にくいといった問題があ
る。
【0004】さらに、光散乱性の多孔質体に屈折率の近
い物質を充填し、その領域を透明化する現象を利用し
た、記録表示方式や記録媒体も知られている。外部から
液体を光散乱体に浸潤、揮発させて屈折率整合によって
背景色を可逆表示する方式(特開昭61−20288
2、特公平4−48349)はその代表的な例である。
このような方式による表示記録の原理を図を用いて簡単
に説明する。例えば図1に示すような支持基板上に、空
隙を有する多孔質層が形成された構造を有する表示記録
媒体がある場合、多孔質層は多数の空隙を内部に有して
いるため、通常は空隙と隠蔽層材料との界面で強い光散
乱が起こり白濁している。この空隙を持った多孔質体
に、多孔質体を構成する物質の屈折率とほぼ同じ屈折率
を有する液体をしみ込ませると、その部分が固体−空気
界面の消失した光学的に均質な構造になり、透過率が上
昇する。すなわち、白濁領域(空隙を有した光散乱領
域)の中に部分的に透明な領域(光学的均質構造領域)
が生じ、そのコントラストによって情報を表示記録する
ことができる。多孔質体への液体浸潤による光散乱性制
御方式を用いて、背景に黒色層を置いた構成で表示を行
った場合、先の高分子/有機低分子複合膜を利用した光
散乱性制御方式に比べ、十分な白さにもとづく高い白黒
コントラスト表示が可能である。また、画像の形成に
は、色材を全く含まない透明な液体を用いているため、
画像消去時においても、色材を除去する必要はなく、用
紙に定着されたトナーを除去する必要がある前記した記
録表示媒体の再利用方法に比べ、繰り返し使用時の履歴
が残りにくく、記録媒体へ与えるダメージも少ない。但
し、このように液体を多孔質体の空隙に浸潤させ、光散
乱/透過を制御する方式では、表示記録媒体中に液体を
保持しているために、i)経時的な画像の濃度変化や形
状変化がある、ii)浸潤液体が媒体表面へ滲み出して
しまい、ハードコピー表示記録媒体として取扱いづら
い、iii)記録時の画像の滲みが大きく印字解像度が
悪くなる等の問題点があり、通常のハードコピーの様に
表面を手で触ったり、積み重ねたりといった使い方や、
通常のオフィスで用いられている電子写真方式などの従
来のマーキング方式で印字されるハードコピーの要求プ
リント画質を満足させることは困難であった。
【0005】一方、光散乱性の多孔質体に屈折率の近い
物質を充填し、その領域を透明化する現象を利用した記
録媒体の中には、多孔質層の上に低融点物質層を一体的
に設けて、低融点物質を熱溶融させて多孔質層に充填す
る構成の記録媒体(特公昭60−40995)も知られ
ており、この場合は、常温で充填物質は流動しない状態
になるためので画像の経時変化は起こらない。但し、こ
の記録媒体は通常のハードコピーの様な直視型の表示記
録媒体ではなく、光学的な読み取り装置で記録された情
報を読み取るような使い方をする追記型情報記録媒体の
例であり、記録された多孔質内の充填物質を外部に除去
して、何度でも使うような構成になっていない。また、
この例で開示されている限りの知見に従って、ただ単に
低融点の固体物質を加熱溶融して、空隙にしみ込ませる
だけでは、充填物質が冷却して再固体化した時に、多く
の種類の充填物質材料において、海島状に透過率が著し
く低い白濁領域と、透明な領域が不規則に出現し、これ
が致命的な画像欠陥になってハードコピー媒体への適用
ができないという大きな問題がある。この海島状の白濁
領域は、この先行例の記録媒体のように、光学的な読み
取り装置で記録された情報を読み取るような目的の情報
記録媒体では、問題として認識されてもおらず、この問
題を解決するための特別な工夫はなんら開示されていな
い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の画
像記録の方式では前記のごとき問題点があり、これらの
欠点を解消した新しい画像記録方法や画像記録装置が切
望されている。
【0007】即ち、本発明の目的は、記録された画像の
経時変化がなく画像維持性に優れ、画像コントラストが
高く、高画質な画像の表示記録が可能であって、ハード
コピーとして取扱いがし易く、かつ記録表示媒体の再利
用が容易なように、記録された画像の消去における媒体
からの色材の分離を必要としない画像記録方法と、その
方法に好適に使用しうる画像記録装置を提供するもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の画像記録方法
は、光散乱性の多孔質層の所定の領域に、該多孔質層を
形成する物質の屈折率と近い屈折率を有する常温で固体
の透明物質(以下、適宜、透明物質と称する)を加熱溶
融して浸透させて多孔質層内の空隙を充填し、その後、
該多孔質層の表面から内部への空気の侵入がなされない
状態で透明物質を冷却固体化させることにより画像を記
録する、ことを特徴とする。
【0009】また、本発明の画像記録装置は、少なくと
も、光散乱性の多孔質層から成る記録媒体と、該記録媒
体外部から該多孔質層を形成する物質の屈折率とほぼ等
しい屈折率を有する常温で固体の透明物質を加熱溶融
し、画像状に該多孔質層中の空隙に充填する手段と、充
填された加熱溶融状態の透明物質を多孔質層内部で冷却
固体化する過程において、少なくとも空隙を充填した領
域の多孔質層表面から、加熱溶融状態の透明物質で満た
された多孔質層内部に空気の侵入がなされないように空
気の侵入を遮断する手段と、を備えたことを特徴とす
る。
【0010】ここで、前記透明物質を加熱溶融し、画像
状に多孔質層中の空隙に充填する手段が、前記透明物質
を多孔質層中の空隙に充填される過程において、均一な
厚さの状態で空隙に浸透させ得る手段であることを特徴
とする。また、具体的には、前記透明物質を多孔質層中
の空隙に充填される過程において、均一な厚さの状態で
空隙に浸透させ得る手段が、多孔質層内の空隙を充填し
うる量以上の透明物質を多孔質層に供給し、過剰分の透
明物質によって多孔質層表面の開放空間への開口を閉塞
させた状態で、前記透明物質を多孔質層内部で冷却固体
化する手段であることが好ましい。
【0011】本発明の画像記録方法においては、前記多
孔質層内部で冷却固体化した透明物質を再度加熱して流
動化させ、多孔質層外部へ転移せしめることによって画
像の消去を行った後、再度同様の方法で新たな画像の記
録を行うことにより、簡易に再利用が可能となる。
【0012】この再利用に好適に使用しうる画像記録装
置は、前記多孔質層内部で冷却固体化した透明物質を再
度流動化し、多孔質層外部へ転移させる手段を備えるこ
とが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】まず、本発明に用いられる光散乱
性の多孔質層について詳細に説明する。本発明の多孔質
層は内部に多数の微細な空隙が形成されてなるものであ
る。この多孔質層を形成する材料に要求される主な特性
としては、光学特性と耐熱性が挙げられる。光学特性と
しては、透光性が良い材料が好ましく用いられる。透光
性が悪い材料で多孔質層を作成すると、多孔質層へこの
多孔質層を形成する物質の屈折率と近い屈折率を有する
常温で固体の透明物質を加熱溶融して浸透させたとして
も、その部分の透明性が低下し、透明部(即ち、画像
部)と白濁部分(即ち、光散乱性の背景部)とのコント
ラストが悪化する。
【0014】また、多孔質層を形成する材料自身の耐熱
性としては、軟化点として100℃以上、好ましくは1
50℃以上の材料が用いられる。軟化点として100℃
未満の材料では、多孔質層が熱変形しやすく、多孔質層
内の空隙構造が変化してしまうため、繰り返し使用性が
悪化する虞がある。
【0015】また本発明の多孔質層は、形成後に良好な
光散乱性を有するものであれば、前記の要求特性を満た
す材料を用いて、いかなる方法で作られたものであって
もよい。材料として有機樹脂を用いて前記の如き多孔質
層を形成する方法としては、例えば、相転換法、延伸
法、フィラー充填法等がある。
【0016】相転換法は、有機樹脂を溶媒に溶解させ、
平板上に流延・展開して製膜する方法であり、溶媒の一
部を蒸発させ、浴中に浸漬して凝固させて多孔質層を製
膜する方法である。フィラー充填法は、有機樹脂をバイ
ンダーとして、製膜に使用する支持基板やバインダーと
は反応および溶解しない溶液に可溶であるフィラーを分
散させ、この溶液を支持基板上に塗布して、フィラーの
みを溶媒除去して多孔質層を製膜する方法である。延伸
法は結晶性の有機樹脂を製膜した後に、熱を加えたり可
塑剤を添加して可塑化状態にして、1軸あるいは2軸に
延伸し、フィルムに歪みを与えることにより孔を開けて
多孔質層を製膜する方法である。
【0017】前記の要求特性を満足する具体的な材料と
して、相転換法やフィラー充填法で製膜される有機樹脂
としては、例えば、セルロース、ニトロセルロース、ア
セチルセルロース、ポリアミド、ポリメタクリル酸メチ
ル、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリウ
レタン等が挙げられる。また、延伸法で製膜される有機
樹脂としては、例えば、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、PTFE(四フッ化エチレン)等が挙げられる。
【0018】さらに、多孔質層の強度を増すために有機
樹脂とフィラーを組み合せて多孔質層を作製することも
できる。この際に用いられるフィラーとしては、上記有
機樹脂と屈折率が近い材料としてシリカや重合メラミ
ン、炭酸カルシウムなどの材料が好ましく用いられる。
フィラーの大きさは0.1μm〜5μmが好ましい。フ
ィラーの大きさが0.1μm未満だと多孔質層の強度を
増す効果はなく、5μmより大きなフィラーでは多孔質
層の白濁度を低下させてしまう。多孔質層の有機樹脂と
フィラーを組み合せて多孔質層を作製する場合は、膜の
上記の相交換法で多孔質層を作製することができる。フ
ィラーの有機樹脂に対する混合比は重量で5%〜70%
が好ましい。フィラーが5%未満でも、70%より大き
くても、多孔質層の強度を増す効果は小さくなる。
【0019】本発明の多孔質層の厚みは、50μm以下
であることが望ましい。より好ましくは5μm〜50μ
mの範囲が適用でき、さらに好ましくは10μm〜30
μmである。5μm以下であると光散乱層である多孔質
層が薄すぎて白濁度が低下し表示品質が低下する。ま
た、50μmより厚いと表示の視野角依存性が無視でき
なくなり表示品質の低下を招く。
【0020】多孔質層の厚みが5μm〜50μmである
場合は、多孔質層内の空隙の容積が20〜80%で、か
つ多孔質層内の空隙の平均ポア径が0.01μm〜10
μmであることが、白濁度の点で好ましい。容積率が2
0%以下であると白濁度が低下し、高コントラストの表
示は困難となる。また容積率が80%以上であると、白
濁度は大きくなるものの、表示記録層の強度が低下し、
安定な画像記録や、画像の維持が困難になる。
【0021】また、多孔質層内の空隙の平均ポア径は
0.01μm〜10μm、より好ましくは0.1μm〜
5μmの範囲が好ましい。平均ポア径は0.01μmよ
り小さくても、10μmより大きくても白濁度が低下
し、高コントラスト表示は困難となる。前記多孔質層の
厚みとポア径が前記好ましい範囲内にあっても、両者の
関係は、空隙の平均ポア径が多孔質層の厚みよりも小さ
いものであることを要する。これは、空隙の平均ポア径
が多孔質層の厚みよりも大きいと、光散乱層である多孔
質層は少なくともその一部に光の直進透過が可能な貫通
孔を有することになり、地肌の白色度が低下するためで
ある。
【0022】このような光散乱性の多孔質層は、自己支
持が可能な程度に十分な強度を有するように作製するこ
とができれば、単独で用いることも出来るが、ハードコ
ピー媒体としてのハンドリングのしやすさの点で、強度
や厚みなどの制御がしやすい、なんらかの支持基板上に
形成する方が望ましい。この様な支持基板材料として
は、ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフ
タレートなどの透明な各種有機樹脂フィルムなどが用い
られる。
【0023】図1に、本発明の画像記録方法に用いる記
録媒体の構成の模式図を示す。この表示記録媒体10
は、透明な支持基板12上に多孔質層14が形成されて
なるものである。また、これらの表面に着色層を設けた
り、材料自身に色素を加えて着色した材料も使用でき
る。支持基板を着色したり、着色層を設ける場合には紙
などの不透明材料も支持基板として用いることができ
る。さらに、この支持基板の色として、黒を用いた場
合、表示記録される画像は白黒画像になる。
【0024】この表示方式は、基本的に透明状態と白濁
状態のコントラストを利用するものであるため、黒以外
の色を用いてももちろん構わない。その場合、黒以外の
単色を用いても良いが、C(シアン)、M(マゼン
タ)、Y(イエロー)の3原色からなる画素セグメント
を規則的に配列し、それらの領域を選択的に透明化する
ことで、多色表示をすることも可能である。このような
着色層を有した媒体構成、および着色支持基板を用いた
媒体構成の一例を図2(A)、図2(B)、図3
(A)、図3(B)にそれぞれ示す。図2(A)は支持
基板12上に単色の着色層16を有し、その上に多孔質
層14が形成されてなるものである。また、図2(B)
は支持基板12上に規則的に配列されたシアン(C)、
マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3原色からなる画素
セグメント16C、16M、16Yが配置され、その上
に多孔質層14が形成されたものである。図3(A)は
着色された支持基板18の上に多孔質層14が形成され
た態様を示し、図3(B)は画素セグメントに対応する
シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の3原
色に着色され、規則的に配列された支持基板18C、1
8M、18Y上に多孔質層14が形成された態様を示す
ものである。
【0025】また、多孔質層は表示記録媒体の表裏両面
に形成されていてもよく、その場合、画像の表示は表裏
の各面に行うことができる。そのような構成例を図4、
5に示した。図4は支持基板12の両面に単色の着色層
16が形成され、その表面にそれぞれ多孔質層14が積
層されている態様を示し、図5は着色された支持基板1
8の両面に多孔質層14が形成された態様を示してい
る。
【0026】なお、ここで用いられる支持基板の厚みと
しては、20μm〜150μmが好ましい。支持基板の
厚みが20μm未満だと媒体自身の強度が低下して、耐
久性が悪くなる。また、厚みが150μm以上だと媒体
自身のフレキシブル性が損なわれて、通常の紙媒体のよ
うなハードコピーとしてのハンドリング性が劣ってく
る。
【0027】本発明では、前記の光散乱性の多孔質層
に、該多孔質層を形成する物質の屈折率とほぼ等しい屈
折率を有する常温で固体の透明物質を加熱溶融して充填
することで、画像の形成を行う記録方法を用いている。
ここで、”多孔質層を形成する物質の屈折率と近い屈折
率”とは、多孔質材料と固体物質の屈折率差で0.1以
下、好ましくは0.05以下の材料の組合せを示す。多
孔質材料と固体物質の屈折率差が0.1より大きいと、
加熱溶融状態の透明物質を多孔質層内に充填しても、両
者の界面において光の屈折、反射が起こり透明性が低下
し、高コントラストな表示は困難となる。また、ここで
いう”常温で固体の透明物質”とは融点が40℃以上の
物質を示す。特に印字の際のエネルギーの大きさや、画
像表示の環境依存性を考えると、これらの物質の好まし
い融点範囲は50℃〜120℃、さらに好ましくは60
℃〜80℃である。また、これらの物質としては、後
に、固体冷却化した透明物質を再度流動化して多孔質層
外部へ分離することで、画像を消去する手段についての
詳細な説明の項でも述べるが、多孔質層への浸透が速や
かに行われる点や、冷却時において多孔質層内部で結着
しにくく、固体状態で充填後に再度加熱溶融状態に戻
し、流動化した上で、多孔質層外部へ分離のしやすさと
いう点で、溶融粘度が高い高分子性の樹脂などではな
く、比較的溶融粘度が低い低分子量の結晶性物質などが
好ましく用いられる。
【0028】これらの具体的な材料としては例えばマイ
クロクリスタリンワックス、カルナバワックス、ライス
ワックスなどの植物系ワックス、キャンデリラワック
ス、パラフィンワックスなどの石油ワックス、モンタン
ワックスなどの鉱物系ワックスなどに代表される天然ワ
ックス類、またポリエチレンワックスなどの合成炭化水
素類、モンタンワックス誘導体、パラフィンワックス誘
導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体、ポリエチ
レンワックス誘導体などの変性ワックス、硬化ヒマシ
油、水添ホホバ油などの水素化ワックスなどに代表され
る合成ワックス類、その他ステアリン酸、パルミチン
酸、ミリスチン酸、ベヘン酸などの脂肪酸、オレイン酸
アミド、ステアロアミドなどの脂肪酸アミド、ポリオー
ルエステル、二塩基酸エステルなどの脂肪酸エステル、
脂肪酸ケトンなどの脂肪酸誘導体、ステアリルアルコー
ルなどの脂肪族アルコール、ステブリン酸モノグリセロ
ールなどのアシルグリセロール、ビニルエーテル、高分
子複合エステル、尿素等が挙げられる。さらにはポリエ
チレングリコールなどのグリコールエーテルやベンズア
ミド、フェナセチンなどの芳香族アミドなどが挙げられ
る。またさらにはこれらから選択された物質を混合する
ことにより得られる組成物であってもよい。ここで列挙
したように充填する透明物質は常温で液体ではなく、固
体の物質であることから、多孔質に充填した状態のまま
冷却固体化することで、その画像には通常のハードコピ
ーと同等の良好な維持性を持たせることができる。
【0029】上記の常温で固体の透明物質と前述した多
孔質材料の組合せは、それぞれいずれの組合せでも屈折
率差がほぼ0.1以下であり、加熱溶融状態の透明物質
を多孔質層に充填した時に透明状態が得られ、本発明に
好ましく使用できる。
【0030】ところで、先に解決すべき課題で述べたよ
うに、我々がさまざまな透明物質を用いて、加熱溶融後
に光散乱性の多孔質層に充填した後に、冷却固体化によ
って実際に画像形成の検討を行ったところ、透明物質が
液相を示している充填状態では、非常に透明な系の組合
せであっても、冷却固体化した時に、強い光散乱を伴う
不規則な形状の白濁領域が充填部分に島状に出現し、背
景色の透過を妨げる致命的な画像欠陥になることが明ら
かになった。この問題は、特に結晶性を有する低分子の
透明材料とその混合物に観察され、それらの透明物質の
化学構造や、加熱溶融時の粘度や冷却固体化するときの
速度などにも影響を受けて程度は異なるが、前記した比
較的低分子のほとんどの透明物質に関し、それらを多孔
質層に充填した時に観察されることがわかった。この問
題を解決するために、さらに検討を加えた結果、我々は
この白濁現象のきっかけが、透明物質の液相から固相へ
の相変化に伴う体積収縮にあることをほぼ突き止めた。
そして、白濁の直接的な原因が、多孔質内部の冷却過程
で起こる充填された物質の体積収縮により、液相状態で
充填され、ぬれにより接していた多孔質内部の空隙内壁
と透明物質間に、瞬間的に大気圧より低い圧力状態の空
間が生じ、その減圧空間へ多孔質層外部から急激に空気
が吸い込まれ、そこに空気が充填されて、結果的にこの
多孔質層内部に形成された空気で満たされた空隙による
界面が強い光散乱の核となることが分かった。
【0031】このため、本発明の記録方法の好ましい態
様としては、少なくとも多孔質層表面から加熱溶融状態
の該固体透明物質で満たされた多孔質層内部に、空気の
侵入がなされないような状態で加熱溶融状態の該固体透
明物質を冷却固体化させることが記録画像の画質上重要
である。
【0032】このような多孔質層表面から加熱溶融状態
の透明物質で満たされた多孔質層内部に、空気の侵入が
なされないようにする手段としては、加熱溶融状態の透
明物質で多孔質層内部を充填後に、冷却固体化の過程に
おいて少なくとも多孔質層表面の開口部を閉塞できる手
段を適用すればよく、この目的に適合しうるものであれ
ばいずれの手段を用いてもよい。具体的には、加熱溶融
状態の該固体透明物質を多孔質層に充填し、少なくとも
その部分の多孔質層表面を、可撓性に優れ、開口部に密
着して空気の侵入を遮断できるような薄いシート状の部
材で覆いながら冷却固体化する方法などが挙げられる。
このような画像形成の基本的な状態を模式的に表したも
のを図6(A)〜(C)に示す。図に従って、簡単にそ
の状態を説明すると、図6(A)に示すように、まず最
初に着色された支持基板18上に形成された多孔質層1
4の表面に、外部からなんらかの手段で画像を形成する
ために必要な常温で固体の透明物質20を与える。次
に、図6(B)に示すように、透明物質20の上に、空
気の侵入を遮断する手段として透明なシート材料22を
重ね、次に図6(C)に示すように、その状態で透明物
質20を加熱溶融し、多孔質内に浸透させるヒーター2
4等の加熱手段を用いて画像記録を行い、そのまま空気
の侵入を遮断しながら冷却固体化することで画像が形成
されることになる。このようなシートの材料としては、
ポリエチレン、ポリエステル、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリイミドなどのような熱可塑性の有機樹脂材料
などが好ましく適用できる。
【0033】この時、シートの大きさは、少なくとも加
熱溶融状態の該固体透明物質を充填した領域の多孔質表
面を覆えるものであれば良く、記録媒体全体に重ねられ
る大きさのものであっても構わない。その場合は、より
空気の侵入を遮断する効果が高い点で好ましい。また、
この時のシートの表面は密閉性を良くするために最大表
面粗さが5μm以下のものが好ましく、2μm以下のも
のが特に好ましい。また、比較的ガラス転移点(以下、
Tgと称する)が低いポリエチレンやポリエチレンテレ
フタレートなどのフィルムで開口部を覆う時は、Tg以
上でかつ融点以下の温度範囲でこれらのフィルムを用い
ればより多孔質表面の凹凸に沿って密着するため好まし
い。また、この場合は、透明物質を冷却固体化する過程
で、樹脂フィルム自身も冷却硬化し、多孔質表面上に薄
い透明な平滑な被膜を形成する。これを画像形成後も残
しておいた場合は、光沢のあるオーバーコート層の役割
を果たし、画像品質や画像の維持性が向上するといった
効果があるが、画像の消去時において再度、充填した透
明物質を多孔質層外部に除去する場合の手間を省くため
に、画像形成時のみ重なるように密着させて、画像形成
後は表面から剥がして繰り返し利用するような構成でも
良い。また、Tg以上、融点以下の温度範囲の熱可塑性
樹脂に限定されず、多孔質内部に浸透しない程度の高い
粘度を有し、かつ多孔質表面を覆って外部からの空気の
侵入を遮断するような、流動性を有する材料を用いても
良い。具体的には、ポリエチレンを融点以上に加熱して
溶融し、透明物質を既に充填している多孔質表面の開口
部分を覆うような場合が挙げられる。但し、この場合
は、画像形成後にも多孔質表面付近にポリエチレンが固
体化して残留することになる。また、この様な密閉の目
的に常温においても液相を示す物質を用いてもよい。そ
の場合は、画像形成後にこれらの物質をふき取るなどし
て、除去する必要がある。
【0034】また、以上の空気の侵入を遮断する別の手
段として、多孔質層内の空隙を充填しうる量以上の透明
物質を加熱溶融状態で予め多孔質層に供給し、液相では
多孔質層内に浸透しきれない過剰分の透明物質によって
多孔質層表面に存在する開放空間への開口を閉塞させる
方法を用いても良い。ここで、多孔質層に供給する過剰
部分の透明物質の量としては、少なくとも、加熱溶融状
態で多孔質層内の空隙を充填しうる量以上であって、多
孔質層表面に存在する開放空間への開口部を浸透せずに
残っている透明物質で閉塞させるのに十分な量が与えら
れる必要がある。また、この過剰分としてちょうど透明
物質が冷却固体化した時の体積収縮量に相当する分の量
が与えられる場合は、冷却固体化する過程で、多孔質層
内部に空気を侵入させないと同時に、体積収縮によって
生じた内部の減圧状態によって流動可能な状態にある透
明物質を多孔質外部から呼び込み、体積収縮分を逐次補
充しながら固体化させることができるので、冷却固体化
時に大気圧以下の空間がもたらす応力によって多孔質層
内部の空隙構造の変形を起こすこともなく、かつ最終的
に空隙に充填されなかった余分な固体が多孔質表面に著
しく盛り上がらないような状態で画像を形成することが
できるため、特に好ましい。
【0035】この時の画像形成の状態を模式的に図7
(A)〜(C)に示した。図7(A)に示すように、最
初に着色された支持基板18上に形成された多孔質層1
4の表面に、外部からなんらかの手段で画像を形成する
ために必要な常温で固体の透明物質20を与える。図7
(B)に示すように、この透明物質20は固体状態にお
いては多孔質層14の所定位置の空隙を満たす量よりも
過剰に供給されているため、透明物質20を加熱溶融
し、多孔質内に浸透させるヒーター24等の加熱手段を
用いて画像記録を行う際に、過剰の透明物質20Aが多
孔質層14の表面に存在することになる。この記録媒体
を冷却すると多孔質層内の空隙に充填された透明物質2
0は冷却、固化される際に体積収縮し、それに伴って多
孔質層14の表面に存在する過剰の透明物質20Aが空
隙内に浸透され、図7(C)に示すように、多孔質層1
4の表面に過剰な透明物質20Aは殆ど残存せず、空隙
内に透明物質20の体積収縮による空隙が形成されるこ
ともなく、良好な画質の画像が形成される。
【0036】また、多孔質層を形成する物質の屈折率と
ほぼ等しい屈折率を有する常温で固体の透明物質を加熱
溶融し、画像状に該多孔質層中の空隙に充填する手段
が、透明物質が多孔質層中の空隙に充填される過程にお
いて、均一な厚さの状態で該多孔質層中に浸透させうる
手段を備える場合は、多孔質層へ充填する透明物質が浸
透すべき領域(画像領域)における全ての多孔質表面か
ら、等しい速度で、しかも最短の時間で多孔質層底部ま
で到達し、その画像形成領域に対して均一な透過率の変
化を同時に起こすことができる。それにより、その時点
を基準にして冷却固体化のタイミングが制御しやすく、
過剰な加熱による多孔質層内の面方向への毛管力による
浸透現象が最小限に抑えられ、画像領域のエッジがシャ
ープで、均一な濃度になるという効果がある。また、結
果的に所望の画像を得るための透明物質の浸透に要する
時間が最短になるため、画像形成に要する時間を最短に
できるという別の効果もある。そのため、これを本発明
の他の特徴としている。
【0037】この加熱溶融状態の透明物質を、均一な厚
さの状態で該多孔質層中に浸透させうる手段としては、
固体粒子の集合体やドロップ状の塊などのように厚さが
不均一な形状の常温で固体の透明物質を、画像情報に従
って固体状態のまま該多孔質上に付与後に、多孔質層表
面で加熱手段によって加熱溶融すると同時に、平坦化し
得る手段を用いても良い。例えば熱容量の非常に小さな
シート状部材などを透明物質に載せながら、その部分を
なんらかの加熱手段で加熱すると、固体状態の透明物質
が加熱溶融し、さらに、該シート自身も加熱され、溶融
状態を保持しながらシート状部材の重さによって、加熱
溶融状態の透明物質を押しつぶし、シートと多孔質層表
面との間が非常に狭いギャップになると、そのギャップ
に発生する毛管力によってさらに透明物質が薄く広が
り、平坦化する方法などが挙げられる。
【0038】この時の画像形成の基本的な状態を模式的
に図8(A)〜(C)に示した。この方法は、シート状
部材として、可撓性に優れ、多孔質表面の開口部に密着
して空気の侵入を遮断できるような表面が平滑な薄いシ
ートを用いる場合を示している。このシート状部材は、
前記した充填後の透明物質を冷却固体化する過程におい
て、空気の侵入を遮断する手段としての機能をも有して
いる。図8(A)に示すように、多孔質層14表面に透
明物質を20を配置したのち、多孔質層14表面の開口
部を、可撓性を有し、空気を遮断できるような薄いシー
ト状部材22によって被覆し、透明物質20をヒーター
24等の加熱手段により溶融状態としながら均一な厚さ
に平坦化しつつ、図8(B)に示すように多孔質層14
に浸透さる。透明物質20が多孔質層14内に浸透し、
多孔質層14表面が透明シート22で被覆されるととも
に、多孔質層14表面の開口部は透明シート22により
空気の侵入が遮断されているので、このまま加熱を停止
して冷却させることで、単一の手段で多孔質層の空隙内
に形成される空気層に起因する白濁がなく、かつエッジ
がシャープな画像を得ることができる。このように、透
明シートを多孔質層表面に適用することにより、画像形
成領域における空隙内の気泡形成の防止と、透明物質の
画像部周囲への拡散の防止という2つの効果を得るため
の装置構成が容易になるため好ましい。
【0039】また、同じく固体粒子の集合体やドロップ
レット形状の塊などのように厚さが不均一な形状の透明
物質を、画像情報に従って固体状態のまま該多孔質上に
付与後に、前記した熱容量の非常に小さなシート状部材
の代わりとして、該固体状態の透明物質を加熱溶融させ
得る温度以上に加熱された部材で、多孔質層表面に存在
する該固体状態の透明物質を加熱溶融させると同時に平
坦化する方法を用いても良い。このような固体状態の透
明物質を加熱溶融させると同時に平坦化し得る手段とし
て、弾性材料からなるロール状部材やシート状部材にハ
ロゲンランプや発熱抵抗体のような発熱源を内蔵もしく
は接触させて、表面が加熱された構造のものなどを利用
することができる。これらは、すくなくとも耐熱性の良
い材料からなることが望ましい。耐熱性に優れたゴム材
料としてフッ素系ゴムやシリコンゴムなどが好ましく用
いられる。これらの平坦化する部材のゴム硬度は、通常
の電子写真装置でよく用いられる定着ロールのものと同
様に、アスカーC硬度30〜70度、より好ましくは、
30〜60度のものが用いられる。また、表面最大粗さ
は10μm程度までのものを用いることができるが、望
ましい表面最大粗さは5μm以下である。
【0040】また、上記のような加熱と平坦化を同時に
行う加熱ロール以外にも、まず、弾性ロールで加圧して
固体物質を平坦化したのちに、なんらかの加熱手段でそ
れらを加熱溶融し、多孔質層内に浸透させるような構成
でも構わない。但し、前記した加熱ロールや弾性ロール
で透明物質を平坦化すると同時に多孔質層内に浸透させ
る場合において、特別に空気の侵入を遮断する部材など
を用いない場合は、画像を形成したい領域において、加
熱溶融した透明物質が多孔質層に充填された状態で、未
充填の透明物質が多孔質表面の開口部を覆いながら、空
気の侵入を遮断できるようなレベルで、冷却固体化が行
われるように、予め画像形成のために供給する透明物質
の量、ロールの接触時間、加熱温度、加熱の際の加圧条
件などのプロセス条件を適切に制御する必要がある。特
にこの場合においては、あらかじめ与える透明物質の量
を最適化し、最小の透明物質量で表面開口部を密閉しな
がら空気の侵入を遮断できれば、画素として得られる画
像領域の広がりを最小に制御でき、高解像度の画像が形
成できるという効果があるためより望ましい。また、加
熱溶融状態の透明物質を均一な厚さに、多孔質層中に浸
透させうる別の方法として、あらかじめ厚さが均一な状
態に固体状態で成形した透明物質を多孔質表面に密着性
良く接触させ、サーマルヘッドやレーザービームなどの
局所的な熱アドレス手段で、透明物質を加熱溶融し、そ
の部分だけを多孔質層内に浸透させる手段が挙げられ
る。あらかじめ均一な厚さに成形された透明物質の具体
的な形態としては、熱転写印字のドナーフィルムのよう
に支持フィルム上に均一な膜厚で塗布されたものでも良
いし、また、厚さの均一な多孔質体に透明物質をあらか
じめ加熱浸透させて作製した多孔質フィルム層のような
ものを用いても良く、この場合には印字後、その多孔質
フィルム層に透明物質を再度充填して繰り返し利用する
ことによって、熱転写印字のドナーフィルムのように印
字時に加熱溶融されなかった非画像部に相当するインク
層分を消耗品として無駄にしてしまうことが防止できる
といった効果を有するため、特に好ましい。また、一度
フィルムなどに均一な厚さの透明物質を画像状に形成し
たものを、多孔質層表面に密着性良く重ね、一度に加熱
して浸透させる方法でも構わない。この場合は、潜像と
してフィルム上に均一な厚さで画像状に透明物質を載せ
る工程と、画像状の透明物質を多孔質層に浸透させる工
程を分離できるため、画像形成速度を高速化する上で有
利であり、好ましい。但し、上記したいずれの場合にお
いても、透明物質の充填後に冷却固体化する過程におい
て、特別に空気の侵入を遮断する部材などを用いない場
合は、画像を形成したい領域において、加熱溶融した透
明物質が多孔質層に充填された状態で、未充填の透明物
質が多孔質表面の開口部を覆いながら、空気の侵入を遮
断できるようなレベルで、冷却固体化が行われるよう
に、あらかじめ与える透明物質の量(すなわちドナーフ
ィルム上に形成された透明物質からなる膜厚)などを制
御することが重要である。
【0041】この時の画像形成の状態を模式的に図9
(A)〜(C)に示した。図9(A)はフィルム基材2
6の表面の所定位置に予め透明物質20の層が形成され
たドナーフィルム28を着色された支持体18上に多孔
質層14が形成されてなる記録媒体表面に配置した状態
を示す。次に、図9(B)にあるようにドナーフィルム
28の透明物質20が付着した面を多孔質層14に積層
した状態でヒーター24等の加熱手段を作動させて透明
物質20を多孔質層14内部に浸透させ、浸透が完了し
た後、そのまま冷却して透明物質20を固形化して画像
を記録する(図9(C)参照)。
【0042】次に、本発明の画像記録方法の他の特徴で
もある、該多孔質層内部に充填され、一旦冷却固体化し
た透明物質を再度流動可能な状態にし、多孔質層外部へ
分離することで画像の消去を行う方法について、以下に
詳細を説明する。
【0043】多孔質層に充填する常温で固体の物質は、
加熱溶融状態で比較的低粘度な低分子量の結晶性物質が
好ましく用いられる。従って一旦冷却固体化した透明物
質を再度流動可能な状態にする最も容易な方法として
は、再度融点以上に加熱することが挙げられる。多孔質
層内部で充填時と同様に加熱溶融状態になった透明物質
を、多孔質層外部へ分離する方法としては、真空ポンプ
やアスピレーターなどで発生させた減圧状態の吸引力を
利用する事ができる。この場合、その吸引力は、多孔質
層内部の毛管力を十分上回る強さに調整される必要があ
る。また、さらに、透明物質の除去率を挙げる点で好ま
しい手段として、多孔質層内部で固体化した透明物質を
融点以上に熱せられた熱水にさらして溶融すると同時
に、適度な機械的振動や水流を発生させて熱水中に分散
させ、その分散状態の液体を吸引力で外部で吸引する方
法が挙げられる。本発明で用いられる常温で固体の物質
は、ほとんど融点100℃以下のものが使用できるの
で、加熱分散媒として安全性の高い水を利用することが
可能である。
【0044】前記熱水を利用する方法は、多孔質層に充
填する常温で固体の物質の種類に関わらずそれらを多孔
質層外部へ分離できる点で優れており、仮に多孔質内部
の透明物質を100%外部へ分離できなくとも、多孔質
層の白さが、背景の着色層を十分に隠蔽する程度に回復
するまで、分離できれば画像の消去が行われる。
【0045】また、これらの方法の他にも、常温で固体
の物質の種類に合わせた洗浄方法を用いることで、多孔
質層外部に透明物質を分離することができる。例えば多
孔質層を形成する材料は溶かさないが、透明物質は溶解
することができる有機溶媒によって、同様に透明物質を
多孔質層外部へ洗い流す方法などである。具体的には、
ヘキサンはパラフィン系物質を溶かすが、多孔質層の材
料であるニトロセルロースを溶かすことはないため、多
孔質層内のパラフィン系透明物質を洗い流すことができ
る。
【0046】前記の洗浄による除去方法は、固体状態の
透明物質を再度融点以上に加熱して流動化し、なんらか
の吸引力で外部へ分離する方法と、固体状態の透明物質
を溶媒に溶解して流動化させ、外部へ洗い流すような方
法に大別できるが、いずれにしても分離後の透明物質
は、基本的に単一種類の色材を含まない低分子量の結晶
性材料であるので、溶媒などに溶解後に析出させる等の
処理を施すことで、容易に高純度の透明インクとして回
収し、再利用可能な状態に戻すことができる。
【0047】従ってこれらの方法は、通常のハードコピ
ーの再生時に着色インクを適用した場合に行う、染料や
顔料などの色材、顔料系インクのバインダーである高分
子樹脂などを、紙のセルロース繊維から分離する工程
や、分離したそれらのインクを、再利用を前提にして各
成分ごとに分離する工程などを必要としていないため、
容易に再利用を実現することができる。
【0048】一方、多孔質層内部への空気の侵入を遮断
した状態で加熱溶融状態の透明物質を冷却固体化させる
ためには、もちろん特別な手段を用いないで加熱を停止
することで、室温環境における自然冷却が行われる。但
し、この場合は、透明物質が冷却固体化するまで、空気
の侵入を遮断しつづけることが必要である。また、空気
の侵入を遮断した状態で加熱溶融状態の透明物質を強制
的に冷却するために、透明物質の融点以下で、望ましく
は常温もしくはそれ以下の温度に制御された冷却用の部
材を透明物質を充填した多孔質層部分の近傍に接触させ
て、熱を奪うことによりその冷却固体化のタイミングを
早めても良い。このような材料としては、熱伝導性の良
い金属材料や、密着して熱を奪うことのできる熱容量の
大きな弾性ロールなどを接触させても良い。このとき冷
却部材は多孔質表示記録媒体の支持体側から接触させる
ことが望ましい。すなわち冷却固体化する過程におい
て、先に述べたように透明物質の体積収縮分を液相では
多孔質層内に浸透しきれない過剰分の透明物質によって
補充する場合、支持体側から冷却することにより多孔質
内部に充填した部分を先に固体化し、その体積収縮分を
媒体上部に存在するまだ溶融状態で流動可能な透明物質
により充填することができる。適切なタイミングで、冷
却用の部材の接触を制御することで、空気の侵入を遮断
した状態を保持する時間を最短に最適化でき、画像形成
までの時間を最短にできるという利点がある。
【0049】記録表示媒体へ透明物質を画像状に与える
方法には、特に限定はないが、例えば具体的な方式とし
て、該透明物質を加熱溶融し、ノズル状の噴出口から静
電的な吸引力もしくはノズル内部における急激な圧力の
発生よる吐出力によって多孔質表面に液滴状にして噴射
し、そのまま多孔質体に浸透させるか、一旦多孔質表面
付近で画像状に冷却固体化したものを再び全体に加熱
し、多孔質内に浸透させる方法などが利用できる。ま
た、該透明物質を均一な厚さの薄膜に形成し、サーマル
ヘッドのような加熱デバイスによって、画像状に薄膜を
加熱溶融し、そのまま多孔質層内に浸透させる方法、サ
ーマルヘッドで画像状に加熱溶融した透明物質を、一旦
多孔質表面に転移し、再度その転移した透明物質を加熱
し、多孔質内に浸透させる方法、さらには透明物質を用
いて作成した透明な微細粉体粒子を、画像状に隙間があ
いたマスクパターンを介して、多孔質層表面に与え、そ
れを別工程で加熱して浸透させる方法や、同様な透明物
質を用いて作成した透明な微細粉体粒子を電子写真プロ
セスにおけるトナーと同様に、静電潜像に従って感光体
もしくは誘電体上に現像し、それを多孔質層表面に転写
することで画像状に付与し、それを別工程で加熱して浸
透させる方法などを用いことができる。
【0050】
【実施例】以下に本発明の実施例を例示するが、本発明
はこれに限定されるものではない。 (実施例1)多孔質層形成材料としてニトロセルロース
をメチルイソブチルケトン(MIBK)に溶解させて8
重量%の塗布溶液を作製した。この塗布溶液を厚さ75
μmの黒色PETフィルム支持基板(ルミラーX−3
0:東レ社製)18を適度なサイズに切り出したものに
ウェット膜厚で約400μm塗布し、乾燥工程を設けず
に、支持基板ごと塗布膜をニトセルロースの貧溶媒であ
るヘキサン溶液の中ヘ5分間浸した。5分後に支持基板
をヘキサン溶液から引上げ、乾燥させて、乾燥膜厚30
μmの多孔質層14が支持基板18上に形成された表示
記録媒体30を作製した。
【0051】図10は、本発明の実施例1の印字プロセ
ス部分を表す概略断面図である。この表示記録媒体30
に、常温で固体の透明物質である水添ホホバ油M−1
(エヌエスケミカル有限会社製)20を、電界印加によ
り熱溶融インクを飛翔させる静電吸引を利用したホット
メルトインクジェットヘッド32と背面電極33よりな
るホットメルトインクジェット印字装置により画像信号
に基づいて表示記録媒体30に噴射し、表示記録媒体3
0上に固着した。その後、搬送ローラ31によって表示
記録媒体30を20mm/secで搬送しながら、厚さ
30μmのポリエチレンシート22Aをインクを固着し
た表示記録媒体30と図10のように重ねるとともに、
設定温度100℃に設定した加熱ローラー34およびバ
ックアップローラー35の間を圧接力2kgf/cm2
で通して、図11に示すように多孔質層14内部へ透明
物質20を過不足なく浸透させた状態で充填し、ポリエ
チレンシート22Aと密着させた状態で自然冷却させた
後シート22Aを記録媒体からはがし、印字画像を得
た。ここで、図11(A)は、前記図10における加熱
ローラー34近傍の画像記録媒体の状態を示す部分的な
拡大断面図であり、図11(B)は自然冷却過程にある
画像記録媒体の状態を示す部分的な拡大断面図である。
【0052】次に、この形成された画像の消去について
説明する。図12に示すようにこの画像記録が行われた
記録表示媒体30の多孔質層14側を90℃に加熱した
適度な水流を有する熱水36中にさらし、多孔質層14
内部の透明物質を流動可能な溶融状態にすると同時に、
熱水36中に分散させ、それら全体を減圧アスピレータ
ー37により吸引後に、記録表示媒体30を乾燥させる
ことで、記録表示媒体の多孔質層14における空隙が再
発生し、隠蔽性が回復して画像の消去が行われた。図1
2において流動可能な溶融状態となった透明物質を20
Bとして模式的に示した。 (実施例2)実施例1と同様の表示記録媒体30を作製
した。図13は実施例2に用いる画像記録装置の概略断
面図である。表示記録媒体30に透明物質である水添ホ
ホバ油20を実施例1と同様にして静電インクジェット
ヘッド32と背面電極33よりなるインクジェット印字
装置で画像状に印字を行い、表示記録媒体30透明物質
である水添ホホバ油20を配置した。水添ホホバ油20
は100℃に設定した加熱ローラー34によって溶融さ
れ表示記録媒体30の多孔質層14に浸透して、画像を
形成した。表示記録媒体30の搬送速度は20mm/s
ecであった。図13に示したように表示記録媒体30
の多孔質層14の表面に溶融した水添ホホバ油20が残
るように過剰に配置し、冷却して多孔質層14に浸透さ
せ白濁のない印字画像を得た。図14は加熱ローラ35
によって水添ホホバ油20が溶融して表示記録媒体30
の多孔質層14に浸透していく様子を示した拡大断面図
である。また、画像の消去は実施例1と同様に行った。 (実施例3)実施例1と同様に表示記録媒体30を作製
した。さらに、透明物質である水添ホホバ油20を10
0℃まで加熱溶融し、厚さ5μmのポリエチレンテレフ
タレートシート(フィルム基材)26に塗布することで
膜厚約30μmの水添ホホバ油20層を成膜したポリエ
チレンテレフタレート製転写シ−ト(ドナーフィルム)
28を作製した。図15は実施例3に適用した画像記録
装置の概略断面図である。
【0053】図15に示すように作製した転写シート2
8を供給し、搬送ローラ38で20mm/secで搬送
しながら表示記録媒体30に転写シート28の水添ホホ
バ油20が成膜された側が表示記録媒体30の多孔質層
14側に面するように重ねた。その後、プラテンローラ
40によって表示記録媒体30を搬送しながらサーマル
ヘッド42によって水添ホホバ油20の加熱印字を行っ
た。サーマルヘッド42で水添ホホバ油20が加熱され
溶融すると、加熱された所のみが表示記録媒体30の多
孔質層14に浸透し、さらに、溶融した水添ホホバ油2
0の一部(過剰部分)が多孔質層14の表面に残るよう
に浸透させ印字画像を得た。図16はサーマルヘッド4
2によって水添ホホバ油20が溶融して表示記録媒体3
0の多孔質層14浸透していく様子を示した部分的な拡
大断面図である。また、画像の消去は実施例1と同様に
行った。 (実施例4)実施例1と同様にして作製した表示記録媒
体30に水添ホホバ油20を溶融インクジェット印字装
置を用い画像信号に基づいて画像形成し、表示記録媒体
上に固着した。その後、搬送ローラ31によって表示媒
体を50mm/secで搬送しながら、厚さ30μmの
ポリエチレンシート22をインク20を固着した表示記
録媒体30とを図17のように重ねるとともに、設定温
度100℃に設定したアスカーC硬度40度のシリコー
ンゴム製加熱ローラー34とバックアップローラー35
の間を圧接力0.5kgf/cm2 で通して多孔質層1
4内部へ水添ホホバ油20を未浸透分が媒体30表面上
に存在するように充填し、ポリエチレンシート22と密
着させた状態でステンレススチール製の冷却プレート4
4上を通した後、シート22を記録媒体30からはが
し、印字画像を得た。また、画像の消去は実施例1と同
様に行った。 (比較例)比較例の画像記録装置の断面図は、図13で
示した実施例2の画像記録装置の断面図とほぼ同じ構成
を有する。また、図19は加熱ローラ35によって水添
ホホバ油20が溶融して表示記録媒体30の多孔質層1
4に浸透し、冷却固体化した様子を示した図である。
【0054】加熱ローラ35の設定温度を120℃に設
定したことと搬送ローラ31A、31Bによる搬送速度
を10mm/secにする以外は実施例2と同じように
実施した。その時、図19のように表示記録媒体30の
多孔質層14の表面は、多孔質内へ浸透した水添ホホバ
油20が残ることなく、多孔質層表面の開口部を閉塞し
ていない状態で、溶融した水添ホホバ油20が表示記録
媒体30の多孔質層14内で冷却固化した。また、画像
の消去は実施例1と同様に行った。 [表示品質の評価]上記の様な実施例、比較例の印字プ
ロセスによって、作製した表示記録媒体の画像形成後の
表示品質として 非印字部の光学濃度、 印字部の最
高光学濃度、 にじみ、 印字部の空隙を以下のよう
にして評価した。
【0055】 非印字部の光学濃度と 印字部の最高
光学濃度は、印字後の光学濃度をX−rite404
(X−rite社製)で測定した。 にじみは画像の
エッジ部分をマイクロハイスコープMODEL KH−
2200(HIROX製)で読み込み、その画像から画
像処理ソフト『Image ProPlus』(Med
ia−Cybernetics製)によって相対的な反
射光強度プロファイルを求め、そのプロファイルの傾き
の程度から1.にじみなし、2.にじみややあり、3.
にじみありの3段階のグレードに分類した。それぞれの
グレードに対応する画像周辺部のプロファイルを図20
〜22に示した。 印字部の空隙は印字部の断面のS
EM写真をとり空隙の生成の程度を観察した。結果を下
記表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】実施例1においては、実施例1と比較例の
の評価結果の比較から、表示記録媒体の開口部がシ
ート部材により密閉されたために表面からの空気の侵入
が遮断され、良好な印字部の光学印字濃度が得られたこ
とが分かる。実施例2においては、実施例2と比較例の
の評価結果の比較から、表示記録媒体の開口部が多
孔質層内に浸透していない透明固体により密閉されたた
めに表面からの空気の侵入が遮断され、良好な印字部の
光学印字濃度が得られることが分かる。
【0058】また、実施例3と4においては、実施例
3、4と比較例の の評価結果の比較から、表示記録
媒体表面の開口部がシート部材により密閉されたために
表面からの空気の侵入が遮断され、さらに表示記録媒体
表面をまだ浸透していない透明物質によって覆うことに
より、多孔質層表面の開口部が密閉され、かつ多孔質内
部に体積収縮による空間を充填する透明物質が供給でき
たことから、良好な印字部の光学印字濃度が得られたこ
とが分かる。また、実施例3、4と比較例のの評価結
果の比較から、シート部材により均一な厚さで透明固体
が供給されるので多孔質内部での横方向への浸透が最小
限におさえられ、にじみのない良好な印字画像が得られ
ることが明らかになった。
【0059】実施例1〜4と比較例の の、評価結果
の比較から、印字部の空隙が印字部の光学印字濃度に大
きく関係しており、本発明の画像記録方法および画像記
録装置によって印字した表示記録媒体の印字部にほとん
ど空隙が存在しないために、良好な印字部の光学印字濃
度が得られることが分かる。
【0060】
【発明の効果】本発明を採用することによって、通常の
ハードコピーと同等以上の良好な画像の濃度コントラス
トが安定に得られ、経時変化もない高画質な画像の表示
記録が行える。また、画像部の充填物質は常温で固体で
あるために、通常のハードコピーの様に表面を手で触っ
たり、積み重ねたり、持ち運んだりといった使い方が可
能である。
【0061】さらに、画像を可視化するために多孔質層
に与える物質が色材を一切含んでおらず、隠蔽性が回復
する程度に透明物質を再び多孔質内部の空隙から除去す
ることで、画像が消去できるので、通常のハードコピー
を再生する際に生じる色材残留による画像の履歴が検出
されにくい。また、画像の可視化は、色材を媒体表面に
定着して行うものではなく、多孔質層を透明化すること
によるため、トナー剥離による用紙再生などのように、
定着用の高分子樹脂に、定着性と剥離性といった相反す
る特性の両立を要求する必要がなくなり、インク材料選
択の自由度が広がる。さらに、多孔質層外部に除去した
透明物質は色材を含まない単物質で済むことから、再利
用時の成分分離工程が不要になり、純度の高いインクを
簡単に再生することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 支持体上に多孔質層が形成された記録媒体例
の模式図である。
【図2】 (A)は本発明に用いられる着色層を有した
表示記録媒体例の模式図であり、(B)は本発明に用い
られるCMYカラーセグメント着色層を有した記録媒体
例の模式図である。
【図3】 (A)は本発明に用いられる着色基板を有し
た表示記録媒体例の模式図であり、(B)は、本発明に
用いられるCMYカラーセグメント着色基板を有した表
示記録媒体例の模式図である。
【図4】 本発明に用いられる両面に多孔質層を有する
表示記録媒体例の模式図である。
【図5】 本発明に用いられる両面に着色層と多孔質層
を有する表示記録媒体例の模式図である。
【図6】 (A)〜(C)は、空気遮断用フィルムを用
いた画像記録方法のプロセスを模式的に表した図であ
る。
【図7】 (A)〜(C)は、過剰に透明物質を供給し
た画像記録方法のプロセスを模式的に表した図である。
【図8】 (A)〜(C)は、空気遮断及び透明物質の
拡散防止用のフィルムを用いた画像記録方法のプロセス
を模式的に表した図である。
【図9】 (A)〜(C)は、透明物質層を有するドナ
ーフィルムを用いた画像記録方法のプロセスを模式的に
表した図である。
【図10】 実施例1に用いた画像記録装置の構成を表
す概略断面図である。
【図11】 実施例1に用いた画像記録装置の印字部分
の拡大図である。
【図12】 実施例1において形成した画像の消去状態
を説明するモデル図である。
【図13】 実施例2に用いた画像記録装置の構成を表
す概略断面図である。
【図14】 実施例2に用いた画像記録装置の印字部分
の拡大図である。
【図15】 実施例3に用いた画像記録装置の構成を表
す概略断面図である。
【図16】 実施例3に用いた画像記録装置の印字部分
の拡大図である。
【図17】 実施例4に用いた画像記録装置の構成を表
す概略断面図である。
【図18】 実施例4に用いた画像記録装置の印字部分
の拡大図である。
【図19】 比較例に用いた画像記録装置の印字部分の
拡大図である。
【図20】 エッジににじみがない画像の相対反射光強
度のプロファイルである。
【図21】 エッジににじみがややある画像の相対反射
光強度のプロファイルである。
【図22】 エッジににじみがある画像の相対反射光強
度のプロファイルである。
【符号の説明】
10 記録媒体 14 多孔質層 12 透明支持基板 16 着色層 16C、16M、16Y カラー着色層 18 着色支持基板 16C、16M、16Y カラー着色支持基板 20 常温で固体の透明物質(水添ホホバ油) 24 透明物質を加熱溶融して多孔質層に充填する手段
(ヒーター) 22 空気の侵入を遮断する手段(ポリエチレンシー
ト) 22A 空気の侵入を遮断しながら透明物質を平坦化す
る手段 20A 加熱溶融状態で多孔質層に充填されない過剰の
透明物質 28 ドナーフィルム(転写シート) 30 表示記録媒体 31 搬送ローラー 32 ホットメルトインクジェットヘッド 33 背面電極 34 加熱ローラー 35 バックアップローラー 36 熱水 37 減圧アスピレーター 20B 熱水に分散した溶融状態の透明物質 38 搬送ローラ 40 プラテンローラ 42 サーマルヘッド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光散乱性の多孔質層の所定の領域に、該
    多孔質層を形成する物質の屈折率と近い屈折率を有する
    常温で固体の透明物質を加熱溶融して浸透させて多孔質
    層内の空隙を充填し、 その後、該多孔質層の表面から内部への空気の侵入がな
    されない状態で該透明物質を冷却固体化させることによ
    り画像を記録する、 ことを特徴とする画像記録方法。
  2. 【請求項2】 少なくとも、光散乱性の多孔質層から成
    る記録媒体と、 該記録媒体外部から該多孔質層を形成する物質の屈折率
    とほぼ等しい屈折率を有する常温で固体の透明物質を加
    熱溶融し、画像状に該多孔質層中の空隙に充填する手段
    と、 充填された加熱溶融状態の透明物質を多孔質層内部で冷
    却固体化する過程において、少なくとも空隙を充填した
    領域の多孔質層表面から、加熱溶融状態の透明物質で満
    たされた多孔質層内部に空気の侵入がなされないように
    空気の侵入を遮断する手段と、 を備えたことを特徴とする画像記録装置。
  3. 【請求項3】 前記透明物質を加熱溶融し、画像状に多
    孔質層中の空隙に充填する手段が、前記透明物質を多孔
    質層中の空隙に充填される過程において、均一な厚さの
    状態で空隙に浸透させ得る手段であることを特徴とする
    請求項2記載の画像記録装置。
  4. 【請求項4】 前記透明物質を多孔質層中の空隙に充填
    される過程において、均一な厚さの状態で空隙に浸透さ
    せ得る手段が、多孔質層内の空隙を充填しうる量以上の
    透明物質を多孔質層に供給し、過剰分の透明物質によっ
    て多孔質層表面の開放空間への開口を閉塞させた状態
    で、前記透明物質を多孔質層内部で冷却固体化する手段
    であることを特徴とする請求項3記載の画像記録装置。
  5. 【請求項5】 前記多孔質層内部で冷却固体化した透明
    物質を再度加熱して流動化させ、多孔質層外部へ転移せ
    しめることによって画像の消去を行った後、、再度請求
    項1に記載の方法で新たな画像の記録を行うことを特徴
    とする請求項1記載の画像記録方法。
  6. 【請求項6】 前記多孔質層内部で冷却固体化した透明
    物質を再度流動化し、多孔質層外部へ転移させる手段を
    備えたことを特徴とする請求項2乃至4に記載の画像記
    録装置。
JP8349020A 1996-12-26 1996-12-26 画像記録方法及び画像記録装置 Pending JPH10181197A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001277460A (ja) * 2000-03-30 2001-10-09 Daiken Trade & Ind Co Ltd 化粧板の製造方法

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