JPH10195433A - 抗酸化剤 - Google Patents

抗酸化剤

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JPH10195433A
JPH10195433A JP8359009A JP35900996A JPH10195433A JP H10195433 A JPH10195433 A JP H10195433A JP 8359009 A JP8359009 A JP 8359009A JP 35900996 A JP35900996 A JP 35900996A JP H10195433 A JPH10195433 A JP H10195433A
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JP
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antioxidant
capsanthin
extract
paprika
extracted
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JP8359009A
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Koichi Mochida
晃一 持田
Yoko Okuda
葉子 奥田
Takashi Maoka
孝至 眞岡
Yoshihiro Ito
義博 伊藤
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NIPPON NOUKEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】抗酸化作用を有する植物抽出エキス及び当該植
物抽出エキスを有効成分とする抗酸化剤を提供する。 【解決手段】パラディチョンパプリカの抽出エキスから
抽出することができるカプサンチンまたはその脂肪酸エ
ステルを有効成分とする抗酸化剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は抗酸化剤に関するも
のである。さらに詳しくは、パラディチョン・パプリカ
から抽出されたエキス中に含まれるカロテノイドを有効
成分とする抗酸化剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】過酸化物摂取に対する生体への影響は細
胞の遺伝子の変異という観点からみて重要な問題となっ
ている。すなわち、過酸化物が体内中でフリーラジカル
を形成し、活性酸素等となって生体細胞に作用し、ガン
などの原因になると考えられている。
【0003】また、酸化変性した低密度リボタンパク質
は血管内皮下でマクロファージに取り込まれて泡沫細胞
となって沈着することが動脈硬化の発症に深く関わりを
持つことが報告されている(Steinberg,
D.,N.Engl.J.Med,320,(198
9))。
【0004】さらに、過酸化脂質を含むフリーラジカル
が、真皮細胞外マトリックスのエラスチン皮膚沈着をま
ねき、しわやたるみの原因となることも報告されている
(Okada,T.,J.Clin.Biochem.
Nutr.,9,(1990))。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、過酸化物
を摂取した場合、極めて悪い影響を生体へ与えるが、生
命維持のための呼吸をしている以上、過酸化物を体内に
おいて完全に取り除くことは困難である。したがって、
抗酸化剤を用いることによって体内で酸素のフリーラジ
カルへの形成を防ぐ研究が広くされており、安価でかつ
安全性の高い抗酸化剤の提供がされつつある。
【0006】本発明の課題は、食用植物を起源とする安
全な抗酸化作用を有する植物抽出エキス及び当該植物抽
出エキスを有効成分とする抗酸化剤を提供する点にあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者はこのような概
念に沿って、多くの植物からエキスを採取し、抗酸化作
用を測定した結果、パラディチョン・パプリカから抽出
されるエキス、及びそれらから得られるカロテノイドが
強い抗酸化活性を有するという知見を得、本発明を完成
したものである。
【0008】本発明でいうパラディチョン・パプリカ
(paradicsom paprika)は、ハンガリーを原産とする野
菜である。実はクローバ型で、深い赤色であり、表面は
光沢がありロウ質で、加熱しても色が抜けない性質を有
している。また、果肉が厚く、糖度が高く、青臭さがな
い。また、その成分分析例としては、可食部100g当
りビタミンA効力(IU)が780、ビタミンB2
0.23mg、ビタミンCが189mg、鉄が0.62
mgである。本発明でいうパラディチョン・パプリカ
(paradicsom paprika)は、この原種パラディチョン・
パプリカを意味するが、さらに本発明ではこの原種の中
のうち、特定の果実をつけるものの選抜を繰り返し行い
これを固定し、稔実の確かさを向上させた品種(以下、
純系種という。)をも含めて定義づけられる。なお、純
系種には、上記の分類学による学名Capsicumannuum L.v
ar.grossumに分類される新品種も含まれる。また、かか
る純系種のパラディチョン・パプリカにラージベルタイ
プ、ピメント系タイプ、ハンガリアンパプリカタイプ、
ラージネアポリタン系タイプのいずれかのピーマンを交
配させた種(以下、F1種という。)及びF1種同志の
交配による種(以下、四元交配種という。)及びこれら
の交配種のとりもどし種(以下、F2種という。)をも
含めて定義される。すなわち、本発明でいうパラディチ
ョン・パプリカとは、原種のほか、純系種、および、F
1種、四元交配種、F2種並びにそれ以降の交配種のパ
ラディチョン・パプリカを意味する。
【0009】本発明者は、上記パラディチョン・パプリ
カをアセトンで抽出したエキスをt−ブチルヒドロペル
オキシドとメトヘモグロビンによるリポソームの過酸化
反応の抑制作用および、α,α−ジフェニル−2−ピク
リルハイドラジル(以下、DPPHと略記する。)ラジ
カルの還元作用を示すことを見いだした。さらにそのエ
キスの有効成分を分析したところ、含有されるカプサン
チンまたはその脂肪酸エステルが2,2’−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)(以下、AMVN
と略記する。)によるリノール酸メチルの過酸化抑制効
果を示すことを見いだした。
【0010】すなわち、請求項1の発明は、カプサンチ
ンまたはその脂肪酸エステルを有効成分とする抗酸化剤
である。請求項2の発明は、パラディチョン・パプリカ
の抽出物を用いる抗酸化剤である。請求項3の発明は、
パラディチョン・パプリカから抽出されるカロテノイド
を有効成分とする抗酸化剤である。請求項4の発明は、
パラディチョン・パプリカから抽出された抗酸化作用を
持つ植物抽出エキスである。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明においてはパラディチョン
・パプリカをアセトン又はメタノールで抽出したエキス
及びこれらのエキスをさらにヘキサンで抽出したエキス
が好適に用いられる。但し、抽出溶媒はこれらのものに
限定されるものではない。
【0012】また、上記抽出エキスの成分を明確にすべ
く、液体クロマトグラフィーにより分離し、核磁気共鳴
スペクトル(以下、NMRと略記する。)、及びマスス
ペクトル(以下、MSと略記する。)により構造を分析
したところ、ヘキサン抽出物の主成分はカロテノイドで
あり、中でもカプサンチン、カプサンチンモノエステ
ル、カプサンチンジエステルが抗酸化作用を奏している
ことを見いだした。すなわち、カプサンチンまたはその
脂肪酸エステルは抗酸化剤としての効果を顕著に発揮す
ることができるものであり、本発明で抽出したパラディ
チョン・パプリカから抽出されるもののみならず、一般
に植物などから抽出されるエキスや合成物であってもカ
プサンチンまたはその脂肪酸エステルを含むものであれ
ば抗酸化剤としての効果を奏する。
【0013】具体的にはパラディチョン・パプリカをア
セトンで抽出したエキス、及びさらにそのエキスをヘキ
サンで抽出したものはt−ブチルペルオキシドとメトヘ
モグロビンによるフォスファチジルコリンの過酸化抑制
効果を示し、また、DPPHラジカルを濃度依存的に消
去した。また、上述したとおり、これらのエキスから分
離したカロテノイドはAMVNによるリノール酸メチル
の過酸化を抑制した。したがってこれらのエキスもしく
はエキスから得られるカロテノイドは抗酸化作用を奏
し、過酸化物が生体に与える影響を阻止することができ
ると考えられる。よって抽出エキスは医薬品、化粧品、
健康食品等の分野に広く応用することができる。
【0014】なお、t−ブチルペルオキシドとメトヘモ
グロビンによるフォスファチジルコリンの過酸化抑制効
果は公知の方法(日野宏一郎ら、医学と生物学、13
1、59(1995))で測定し、DPPHラジカルの
還元作用も同様に公知の方法(内山 充ら、薬学雑誌、
88、678、(1968))で観察した。同様にAM
VNによるリノール酸メチルの過酸化反応も(J.TE
RUO,Lipid,24,659(1989))に記
載の方法により測定した。
【0015】
【実施例】本発明の植物エキスは次のような手順により
抽出される。本実施例の抽出には、前述の純系種(学名
Capsicumannuum L.var.grossumに分類される品種)を
用いた。パラディチョン・パプリカの可食部800gを
裁断し、アセトンに浸漬して室温で暗所に静止し、時々
浸透して赤色のアセトン抽出物を得た。抽出残渣に再び
アセトンを加えて同じ操作をさらに3回繰り返してアセ
トン抽出液を集めた。この抽出液を減圧濃縮し赤色のア
セトンエキスを得た。このエキスをさらにヘキサンで抽
出しヘキサン抽出物を得た。
【0016】このアセトンエキスを用いてt−ブチルヒ
ドロペルオキシドとメトヘモグロビンによるフォスファ
チジルコリンの過酸化抑制効果を次の条件により測定し
た。卵黄フォスファチジルコリン:ジセチルフォスフェ
ート(9:1)(M/M)に5mMNa2HPO4/KH
2PO4+0.15MNaCl(pH7.4)緩衝液を加
え超音波処理を行い懸濁しリポソームを作成した。な
お、脂質濃度は卵黄フォスファチジルコリンあたり3.
75mMとした。上記リポソーム0.85mlに被験物
溶液0.1mlを加えて37℃で10分間インキュベー
トした後1mg/mlメトヘモグロビン0.1ml及び
1mMt−ブチルペルオキシド0.05mlを加え37
℃で30分間インキュベートした。その後、反応液に
2.0Mトリクロロ酢酸−1.7M塩酸1mlおよび
0.67%2−チオバルビツール酸水溶液2mlを加え
よく混和し、沸騰水浴中で15分間加熱した。溶液を8
μmのフィルターで濾過し、チオバルビツール酸(TB
A)反応物質を532nmにおける吸光度で測定した。
なお、過酸化反応抑制率は次の色で表した。ここでO.
D.532nmは532nmにおける吸光度を表してい
る。 過酸化反応抑制率(%)=100−(O.D.532n
m試験区)/(O.D. 5
32nmコントロール区)×100
【0017】この結果、パラディチョンパプリカのアセ
トンエキスはt−ブチルヒドロペルオキシドとメトヘモ
グロビンによるリポソーム脂質の過酸化反応を抑制する
ことが判明した。この結果を表1に示す。
【0018】
【表1】
【0019】またパラディチョン・パプリカアセトンエ
キスを用いてDPPHラジカルの還元作用について次の
条件により測定した。50μMDPPHのメタノール溶
液1.9mlに被験物質溶液0.1mlを加え室温で放
置し10分ごとに517nmの吸光度を測定し、DPP
Hラジカルの濃度を測定した。ラジカルの消去率は次の
式で求めた。ここで、コントロール区とは抗酸化剤無添
加区を意味する。 ラジカル消去率(%)=100−(O.D.517nm
試験区)/(O.D.5 17
nmコントロール区)×100
【0020】この結果、パラディチョン・パプリカのア
セトンエキスはDPPHラジカルを濃度依存的に消去す
ることが判明した。30分後のラジカル消去率を表2に
示す。
【0021】
【表2】
【0022】さらにこれらのエキスを定量した結果、パ
ラディチョン・パプリカの可食部800gから120m
gのカロテノイドを抽出物として取り出すことができる
ことが判明した。これらの成分を分析するため、ヘキサ
ンエキスをシリカゲルを吸着剤とするカラムクロマトグ
ラフィーに付し、ヘキサン−エーテル(8:2)で溶出
したフラクションによりカプサンチンジエステルを40
mg、ヘキサン−エーテル(5:5)で溶出したフラク
ションによりカプサンチンモノエステルを24mg、エ
ーテル−アセトン(8:2)で溶出したフラクションに
よりカプサンチンを12mgを分離した。
【0023】これらのカロテノイドを用いて2−2’ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)によるリノ
ール酸メチルの過酸化に対する抑制作用を次の条件で測
定した。あらかじめシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ーによって過酸化物を取り除いたリノール酸メチル(S
IGMA CHEMICAL社製)の0.1Mヘキサン
/2−プロパノール(1/1,vol/vol)溶液1
mlに試料の2mMメタノール溶液(過酸化反応時の試
料濃度167μM)(試験区)又はメタノール0.1m
l(抗酸化剤無添加区)を加えて37℃で5分間インキ
ュベートした。その後、100mMのAMVN(ナカラ
イテスク社製)のヘキサン溶液0.1mlを加え37
℃、遮光下で振とうして酸素と接触させ過酸化反応を行
った。経時的に反応溶液20μlを取り、高速シリカゲ
ルクロマトグラフィーで生成したリノール酸メチルヒド
ロペルオキシド(以下、と略記する。)量を測定した。
なお、LOOHの定量は日立L−6000ポンプ、L−
4250UV−VIS検出器を用い、固定相には登録商
標「LiChrosorb Si 100」(5μm)
(Merck社製)を、移動相には2−プロパノール/
ヘキサン(1/99,vol/vol)を用い、流速
1.0ml/min、検出UV230nmで行った。過
酸化抑制率は次の式により表した。ここでコントロール
区とは抗酸化剤無添加区を意味する。 過酸化抑制率(%)=100−(LOOH含量試験区)
/(LOOH含量コントロ ール
区)×100
【0024】この結果これらのカロテノイドはAMVN
によるリノール酸メチルの過酸化を抑制することが判明
した。中でもカプサンチン及びカプサンチンモノエステ
ルは過酸化抑制剤として用いられているβ−カロテンよ
りも強い過酸化抑制効果を示した。この結果を表3に示
す。
【0025】
【表3】
【0026】カプサンチンは次に示す構造式において、
1及びR2がH原子である構造を有する化合物である。
本発明のパラディチョン・パプリカから抽出して得られ
るエキスにはカプサンチンのモノエステル及びジエステ
ルの誘導体が含まれ、R1及びR2にはそれぞれ脂肪酸又
はH原子が結合している。カプサンチン、カプサンチン
モノエステル及びカプサンチンジエステルを、UV−V
IS、MS、1HNMR及び13CNMRによってこれら
の構造を同定した。
【0027】
【化1】
【0028】図1はカプサンチンのMSデータ、図2は
カプサンチンの1HNMRデータ、図3はカプサンチン
モノエステルの13CNMRデータを示している。
【0029】カプサンチンモノエステルはMS及びNM
Rの結果よりカプサンチン−3’−エステルであってR
1はHであることが判明した。図4はカプサンチンモノ
エステルのMSデータ、図5はカプサンチンモノエステ
ルの1HNMRデータ、図6はカプサンチンモノエステ
ルの13CNMRデータを示している。これらのデータよ
り判明するR2の構成脂肪酸及びその組成比は表4に示
す通りである。
【0030】
【表4】
【0031】カプサンチンジエステルはMS及びNMR
の結果より構成脂肪酸が判明した。但し、これらのデー
タのみではR1とR2それぞれの構成脂肪酸までは同定で
きず、単に組み合わせを示すにすぎない。図7はカプサ
ンチンジエステルのMSデータ、図8はカプサンチンジ
エステルの1HNMRデータを示している。これらのデ
ータより判明するR1及びR2の構成脂肪酸の組み合わせ
及びその組成比は表5に示す通りである。
【0032】
【表5】
【発明の効果】本発明は、パラディチョン・パプリカか
ら抽出されるカロテノイドを有効成分とする抗酸化剤で
あるから、簡便に高性能の抗酸化剤を作り出すことがで
きる。したがってこれらのカロテノイド及びその主成分
たるカプサンチンまたはその脂肪酸エステルは過酸化物
が生体に与える影響を阻止することができると考えら
れ、医薬品、化粧品、健康食品等の分野に広く応用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】カプサンチンのMSデータ
【図2】カプサンチンの1HNMRデータ
【図3】カプサンチンモノエステルの13CNMRデータ
【図4】カプサンチンモノエステルのMSデータ
【図5】カプサンチンモノエステルの1HNMRデータ
【図6】カプサンチンモノエステルの13CNMRデータ
【図7】カプサンチンジエステルのMSデータ
【図8】カプサンチンジエステルの1HNMRデータ
フロントページの続き (72)発明者 伊藤 義博 京都府京都市左京区高野竹屋町37番3号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カプサンチンまたはその脂肪酸エステルを
    有効成分とする抗酸化剤。
  2. 【請求項2】パラディチョン・パプリカの抽出物を用い
    る抗酸化剤。
  3. 【請求項3】パラディチョン・パプリカから抽出される
    カロテノイドを有効成分とする抗酸化剤。
  4. 【請求項4】パラディチョン・パプリカから抽出された
    抗酸化作用を持つ植物抽出エキス。
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