JPH10197309A - 熱式空気流量計用の測定素子及び熱式空気流量計 - Google Patents

熱式空気流量計用の測定素子及び熱式空気流量計

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JPH10197309A
JPH10197309A JP9005292A JP529297A JPH10197309A JP H10197309 A JPH10197309 A JP H10197309A JP 9005292 A JP9005292 A JP 9005292A JP 529297 A JP529297 A JP 529297A JP H10197309 A JPH10197309 A JP H10197309A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】流量計測精度に優れた熱式空気流量計用の測定
素子を提供する。 【解決手段】熱式空気流量計用の測定素子1は、空気流
量を計測するための発熱抵抗体3及び温度補償抵抗体4
aなどが形成された同じ基板2上の、基板2が他の構成
体に支持されたときに伝わる熱によって引き起こされる
発熱抵抗体3への影響を表わす代表温度が検出可能な熱
伝導経路部位としての発熱抵抗体3と端子電極8の間
に、該代表温度を検出する基板温度センサ5を形成した
ものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱式空気流量計用
の測定素子及び熱式空気流量計に係り、特に、内燃機関
の吸入空気量を測定するのに好適な熱式空気流量計及び
その測定素子に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より自動車などの内燃機関の電子制
御燃料噴射装置に設けられ吸入空気量を測定する空気流
量計として、熱式のものが質量空気量を直接検知できる
ことから主流となってきている。この中で、特に半導体
マイクロマシニング技術により製造された熱式空気流量
計及びその測定素子が、コストが低減でき且つ低電力で
駆動することが出来ることから注目されてきた。このよ
うな従来の半導体基板を用いた熱式空気流量計として
は、例えば、特開昭60−142268号公報に開示さ
れているものがある。そして、上記公報に開示された技
術は、製造コストの低減に重きを置いているものであ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】したがって、上記従来
技術では、吸入空気量の測定に際しての流量−温度特性
に関して考慮されていない点があり、流量計測の精度が
十分でないという課題が残っている。即ち、上記特開昭
60−142268号公報に記載の従来技術の課題につ
いて図16を参照して説明する。図16は従来の熱式空
気流量計用の測定素子の平面図であり、該公報に記載の
第2図である。図において、1が熱式空気流量計用の測
定素子で、シリコンなどの半導体基板を異方性エッチン
グにより形成した空洞22a,22b,22cを架橋す
る電気絶縁膜からなる2本の橋23a,23bを有し、
空気の流れの上流側が橋23a、下流側が橋23bとな
っている。
【0004】2本の橋23a,23bの間の開口した空
洞22cを挟んで発熱抵抗体20を配置し、これらの橋
23a,23bには発熱抵抗体20の側部に各々測温抵
抗体21a,21bが配置され、更に、電気絶縁膜の空
洞22aの上流側の一部に空気温度を測定する温度補償
抵抗体4aを配設している。また、空洞22a,22b
および22cは、電気絶縁膜の開口部を利用して半導体
基板を異方性エッチングすることから、電気絶縁膜の橋
23a,23b下で連続した一体の空洞となっている。
この空気流量計では、温度補償抵抗体4aにより定めら
れる空気温度よりも一定温度高い温度となるように発熱
抵抗体20が加熱駆動される。空気流量は、空気の熱運
搬効果を利用して、流路の上流側の測温体抵抗21aと
下流側の測温抵抗体21bとの間に生じる温度差から計
測される。
【0005】このように構成された従来例では、空気温
度としての吸気温度の変化に対しては温度補償抵抗体4
aと発熱抵抗体20とでブリッジ回路を構成して吸気温
度の補正をしているのみであり、空気の物性値である密
度、動粘性係数、熱伝導率等の温度変化に関しては考慮
されておらず、十分な空気流量−空気温度特性が得られ
ていないものである。さらにまた、自動車等の過酷な条
件で使用される場合、内燃機関の温度上昇により熱式空
気流量計の前記発熱抵抗体20、温度補償抵抗体4a及
び測温抵抗体21a,21bに熱が伝導し、該熱が計測
精度に悪影響を与えることにも考慮されていないことか
ら、満足のいく空気流量−基板温度特性が得られていな
いものでもある。
【0006】従って、本発明の目的は、上記課題を解決
して、流量計測精度に優れた熱式空気流量計用の測定素
子及び熱式空気流量計を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する熱式
空気流量計用の測定素子の特徴は、空気流量を計測する
ための発熱抵抗体が形成された同じ基板上の、前記基板
を支持した他の構成体の熱が伝わる熱伝導経路部位に、
該熱の前記発熱抵抗体への影響を表わす代表温度を検出
する基板温度センサを形成することにある。
【0008】また、他の特徴は、空気流量を計測するた
めの発熱抵抗体を形成した同じ基板上の前記基板が他の
構成体に支持されて伝わる熱の前記発熱抵抗体への影響
を表わす代表温度が検出可能な熱伝導経路部位に形成し
て該代表温度を検出する基板温度センサと、前記発熱抵
抗体が触れる空気の流線領域から外れた前記基板上に形
成して前記空気の温度を検出する空気温度センサとを備
えるところにある。
【0009】そして、上記目的を達成する熱式空気流量
計は、請求項1または請求項3または請求項4または請
求項5記載のいずれかの熱式空気流量計用の測定素子
と、該測定素子に電流を供給し空気流量信号を検出する
駆動回路と、該空気流量信号から空気流量を演算する制
御回路と、空気流量−基板温度特性の補正データを記憶
しているメモリとを備え、前記制御回路は、前記測定素
子が有する基板温度センサから得られた代表温度と前記
補正データとから、前記空気流量を補正するものであ
る。
【0010】さらには、請求項2または請求項3または
請求項4または請求項5記載のいずれかの熱式空気流量
計用の測定素子と、該測定素子に電流を供給し空気流量
信号を検出する駆動回路と、該空気流量信号から空気流
量を演算する制御回路と、空気流量−基板温度特性およ
び空気流量−空気温度特性の補正データを記憶している
メモリとを備え、前記制御回路は、前記測定素子が有す
る基板温度センサから得られた代表温度と、前記測定素
子が有する空気温度センサから得られた空気の温度と、
前記補正データとから、前記空気流量を補正するもので
あっても良い。本発明によれば、基板温度補正または空
気温度補正を可能とするので、流量計測精度が向上す
る。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照し説明する。 図1は、本発
明による第一実施例の熱式空気流量計用の測定素子を示
す平面図である。図2は、図1の測定素子のA−A’断
面を示す図である。図1,2において、測定素子1は、
下面より異方性エッチングにより電気絶縁膜7aの境界
面まで穿孔形成した空洞6を有するシリコン等の半導体
基板2( 以下、基板2)と、 空洞6部位の電気絶縁膜7
a上に形成された発熱抵抗体3と、空気温度を計測する
と共に発熱抵抗体3とブリッジ回路を構成する温度補償
抵抗体4aと、更に空気温度(即ち、吸気温度)を計測す
るために基板2の先端部に形成した空気温度センサとし
ての第2温度センサ4bと、一般的には基板の支持部に
あって 測定素子1の空気流量信号を外部回路と接続す
るための端子電極8(端子電極群8a〜8h)と、 基板
2の他の構成体に支持される部位としての支持部2aの
基板温度(または支持部温度)を計測するために発熱抵抗
体3と端子電極8との間に形成した基板温度センサとし
ての第1温度センサ5と、各抵抗体を保護するための電
気絶縁膜7bとを含み構成される。
【0012】このような構成において、発熱抵抗体3に
は、空気流9の流路先端に配置された温度補償抵抗体4
aの温度より一定温度高くなるように加熱電流が流され
ている。空気流量は、空気流9による発熱抵抗体3の強
制冷却による熱伝達効果に基づき、発熱抵抗体3に流れ
る加熱電流値から計測される。また、空洞6および発熱
抵抗体3近傍の電気絶縁膜7は、発熱抵抗体3から基板
2に至る熱の熱絶縁を図り、計測精度を確保するために
形成される。
【0013】そして、温度補償抵抗体4aおよび第2温
度センサ4bは、図1に示す様に、基板2の先端の空気
流9の流路に突き出た位置に配置されている。この理由
は、空気流9が順流または逆流のいずれの場合において
も発熱抵抗体3に加熱された空気流の影響を受けないよ
うにするからである。また、第2温度センサ4bも基板
2の先端部に形成されているのは、即ち、発熱抵抗体3
が触れる空気の流線領域から外れた基板2上に第2温度
センサ4bが形成されているのは、発熱抵抗体3の熱の
影響を回避して、所望する空気の温度を正しく検出する
ようにするためであり、正しく検出した空気温度で補正
して、精度の高い空気流量の計測を可能とするものであ
る。
【0014】図3は、本発明による第1実施例の熱式空
気流量計を示す断面図である。すなわち、図1の測定素
子1を熱式空気流量計に実装した実施例を示す図であ
る。例えば、自動車等の内燃機関の吸気通路に実装し吸
入空気(吸気と呼称する)の流量を計測する熱式空気流量
計の実施例を示す断面図である。 本実施例の熱式
空気流量計は、図のように、測定素子1と支持体12と
外部回路13とを含み構成される。そして、吸気通路1
0の内部にある副通路11に測定素子1が配置される。
外部回路13は支持体12を介して測定素子1の端子電
極8と電気的に接続されている。ここで、通常では吸入
空気は空気流9で示された矢印の方向に流れており、内
燃機関の所定条件によって空気流9とは逆の方向(逆流)
に吸入空気が流れる場合がある。
【0015】図4は、図3の測定素子部を示す拡大図で
ある。即ち、図3の測定素子1および支持体12の拡大
図である。図5は、図4の測定素子部のB−B’断面を
示す図である。図4および図5に見るように、測定素子
1は、温度補償抵抗体4a及び第2温度センサ4bの表
裏面が空気流9に直接晒されるようにして基板2の支持
部2aにおいて、支持体12に支持される。更に、アル
ミナ等の電気絶縁基板上に端子電極14及び信号処理回
路(後述する駆動回路や制御回路など)を形成してなる外
部回路13が、同じく支持体12に固定される。
【0016】測定素子1と外部回路13とは、即ち、端
子電極8と端子電極14とは、金線15のワイヤボンデ
ィングを介して電気的に接続される。その後、金線1
5、電極端子8,14および外部回路13と共に第1温
度センサ5は、第1温度センサ5が支持部2aの基板温
度を空気流9の影響を受けずに正しく計測するために空
気との直接接触を回避するようにして、保護体12aに
よって密封保護される。即ち、第1温度センサ5の空気
からの熱伝達の影響による温度計測のバラツキを回避す
るものである。
【0017】ところで、実装された測定素子1は、図
4,5に見るように、空洞6は下面が蓋板12b(支持
体12と一体または分離したもの)により、上面が電気
絶縁膜7aにより、空気流9に対して完全に隔離されて
いる。従って、上記した従来例のように空洞が空気流に
開口部を持たないことから、自動車等の内燃機関の空気
流量を計測する際に問題となる塵埃等が、空洞あるいは
開口部に蓄積することがなく信頼性の高い計測が可能と
なる構成となっている。
【0018】次に、図6,図7,図8,図9および図1
0を参照し、本発明の実施例の動作について説明する。
まず、各図面について説明する。図6は、本発明による
熱式空気流量計を示すブロック構成図である。第1実施
例の熱式空気流量計24ならびに後述する第2実施例及
び第3実施例の熱式空気流量計の構成を示したブロック
図である。熱式空気流量計24は、図1に示した測定素
子1と、外部回路13とを含み構成される。そして、外
部回路13は、測定素子1に電流を供給し空気流量信号
を検出するための駆動回路13aと、測定素子1からの
空気流量信号をA/D変換器を通して入力する入力回路
と空気流量信号を演算処理するCPUと出力のための出
力回路とから構成される制御回路13bと、第1温度セ
ンサ5から検出される基板温度(例えば、支持部温度)ま
たは/および第2温度センサ4bから検出される空気温
度(例えば、吸気温度)に基づいて計測した空気流量(ま
たは 空気流量信号 )を補正するための補正データが予
め記憶されているメモリ13cとからなっている。
【0019】図7は、第1実施例の熱式空気流量計の流
量計測電気回路を示す図である。発熱抵抗体3と温度補
償抵抗体4aと駆動回路13a(の一部)とから構成する
流量計測のブリッジ回路を示したものである。そして、
駆動回路13a(の一部)は、差動増幅噐16と、トラン
ジスタ17と、電源18と、抵抗19a,19bとを含
み構成する。図8は、第1実施例の熱式空気流量計の温
度計測電気回路を示す図である。第1温度センサ5と第
2温度センサ4bと駆動回路13a(の一部)とからなる
計測回路を示したものである。
【0020】図9は、図1の測定素子を用いた熱式空気
流量計の測定素子部と、該測定素子部のB−B’線上の
温度分布とを示す図である。すなわち、測定素子1と外
部回路13および支持体12における温度分布を示した
説明図である。図10は、本発明による一実施例の基板
温度補正及び空気温度補正を示す図である。即ち、熱式
空気流量計24の空気流量−支持部温度特性(図10a)
および空気流量−吸気温度特性(図10b)を示したもの
である。
【0021】次ぎに動作について説明する。空気流量は
以下の様に計測される。図7に示すブリッジ回路におい
て、測定素子1の中心部に位置する発熱抵抗体3の温度
( 抵抗値)が空気温度に対応する温度補償抵抗体4aの
温度( 抵抗値)よりある一定値(例えば150℃)高くな
るよう各抵抗19a,19bの抵抗値が設定される。発
熱抵抗体3の温度が、設定値より低い場合にはブリッジ
回路の中点の電位AとB間に差が生じ、差動増幅噐16
の出力Cによりトランジスタ17がオンし、発熱抵抗体
3に加熱電流が流れる。発熱抵抗体3の温度が設定値に
達すると、差動増幅噐16の出力Cにより、トランジス
タ17がオフし加熱電流が遮断される。このように、発
熱抵抗体3の温度が設定値に一定になるようにフィード
バック制御されており、空気流量の増大に伴い増加する
加熱電流をブリッジ回路のA点の電位が空気流量信号と
して、制御回路13bに出力される。
【0022】一方、吸気温度(空気温度)及び支持部温度
(基板温度)の計測は、図8に示す様に、測定素子1の先
端に形成した第2温度センサ4b及び発熱抵抗体3と端
子電極8間に形成した第1温度センサ5に基準電圧(Vr
ef)を印加し、 各温度センサの端子電圧D,Eの電圧信
号を空気温度(Ta)及び基板温度(Tw)の温度信号とし
て制御回路13bに出力して行われる。
【0023】本実施例では、第2温度センサ4b,第1
温度センサ5には発熱抵抗体3および温度補償抵抗体4
aと同じ白金等の金属薄膜を用いており、温度と電気抵
抗が比例することから、図8のD,E点の第2温度セン
サ4b,第1温度センサ5の端子電圧から温度を計測す
ることができるものである。図8の回路例では、基準電
圧(Vref)を用いたが、 当然のことながら定電流源を用
いても温度計測は可能である。また、本実施例では、上
記の様に発熱抵抗体3および温度補償抵抗体4aと同じ
白金等の金属薄膜を用いたが、第2温度センサ4b,第
1温度センサ5としてサーミスタ、ダイオード及トラン
ジスタ等の半導体温度センサを用いても温度計測は可能
である。換言すれば、本実施例では、製作上の利点か
ら、第2温度センサ4b,第1温度センサ5を、 発熱
抵抗体3および温度補償抵抗体4aと同種の(白金等の
同じ材質でかつ同じ工程で薄膜形成した)抵抗体センサ
形態の構成としたが、 温度検出の感度上の利点から、
サーミスタ、ダイオードまたはトランジスタなどと同じ
材質や同じ工程等で形成した同種の半導体センサ形態の
構成としても可である。
【0024】ところで、自動車等の内燃機関では、内燃
機関の熱により図3に示す吸気通路10および支持体1
2の温度が上昇し、この熱が測定素子1に伝わり空気流
量の計測に誤差を生じさせ温度特性を悪くすることがあ
る。このように測定素子1を支持する支持体12が温度
上昇した時の、支持体12、外部回路13および測定素
子1の温度分布状態を図9に示した。図9では、支持体
12のB-B’線上の温度分布を示している。 図に示す
ように、内燃機関の熱が支持体12から外部回路13
へ、更に、測定素子1の端子電極8、第1温度センサ
5、発熱抵抗体3、温度補償抵抗体4a、第2温度セン
サ4bなどへ伝搬している。このため、空気流量を計測
する発熱抵抗体3および温度補償抵抗体4aに不要な熱
が伝搬し、空気流量の計測精度に悪影響を与える。
【0025】また、外部回路13自身の発熱も加わり、
同様に不要な熱伝搬がおきて計測精度に悪影響を与える
ことがある。この影響を考慮するものが空気流量−基板
温度特性であり、本発明では発熱抵抗体3と端子電極8
間に第1温度センサ5を形成した測定素子1を用いて、
空気流量の基板温度補正を行うことにより上記特性を改
善している。すなわち、本実施例では、図1に示すよう
に基板2の支持部2aとしての端子電極8と発熱抵抗体
3との間に、または基板2の支持部2aに、または発熱
抵抗体3の近傍に(測定素子1の構造によっては 温度補
償抵抗体4aの近傍に)、第1温度センサ5を形成し、
該第1温度センサ5からの検出温度と空気流量−基板温
度特性とを利用して、空気流量を補正するものである。
【0026】換言すれば、空気流量を計測するための発
熱抵抗体が形成された同じ基板上における不要な熱伝搬
の影響が空気流量の計測に与える値を検知することがで
きる部位、即ち、測定素子自体が他の構成体に取付けら
れたときに該他の構成体からの伝導熱の上記発熱抵抗体
への影響を表わす因子としての温度、 即ち、「代表温
度」(換言すれば、基板が他の構成体に支持されたときに
伝わる熱によって発生する発熱抵抗体への影響が現われ
る代表因子としての温度 )を検出するに好適な熱伝導経
路部位としての、(1)支持部2a(測定素子が他の構成体
に取付けられたときに支持される部位)に、または、(2)
該支持部と発熱抵抗体との間の部位に、または、(3)発
熱抵抗体の近傍部位に、代表温度(例えば、基板温度や
支持部温度などと呼称する温度 )を検出する基板温度セ
ンサとしての第1温度センサ5を形成し、該第1温度セ
ンサ5からの検出温度を用いて、空気流量の補正を行う
ことにより流量計測の精度改善を図るものである。上記
の部位であれば、外乱に影響されずに適正に容易に代表
温度を検出することができると言える。
【0027】なお、空気流量の計測に関して、不要な熱
伝搬の影響を受けるものとしては、発熱抵抗体以外に温
度補償抵抗体や後述する測温抵抗体などがある。従っ
て、発熱抵抗体の代わりに温度補償抵抗体や測温抵抗体
等に置き換えても可であると言える。しかしながら、こ
れらのうちの流量計測の主体を成す発熱抵抗体が最も望
ましいと言える。
【0028】そして、図10(a)は、空気流量−基板温
度特性を示したものである。図中、横軸が空気流量(Q)
で縦軸が基板温度(Tw)が25℃を基準とした空気流量
の計測誤差(ΔQ/Q)を示している。従来技術の基板温
度補正をしない場合であれば基板温度(Tw)が80℃の
ときには、特に低流量側において誤差が10%程度発生
している。これに対し本発明の構成では、先に示したよ
うに第1温度センサ5を発熱抵抗体3と端子電極8間に
形成した測定素子1を用いて、基板温度(Tw)が計測可
能であり、一方、制御回路13bには測定素子1の発熱
抵抗体3で計測された空気流量(Q)が入力されているの
で、図10(a)に示した空気流量−基板温度特性から作
成し予め記憶した補正データをメモリ13cから呼び出
して、制御回路13bのCPUにて演算処理することに
より、 空気流量の基板温度補正(または、支持部温度
補正)が可能となる。
【0029】本発明の基板温度補正を適用した場合、図
10(a)の矢印で示したようにほぼ流量誤差を零とする
(基板温度が25℃の基準に合わせる)ことができる。
なお、上記メモリ13cに、個々の熱式空気流量計毎に
固有の空気流量−基板温度特性を予め記憶して置いて、
基板温度補正することが可能である。この場合に、計測
空気流量(Q)と基板温度(Tw)と補正値とをマップとし
て記憶しても、また、近似的な誤差関数として記憶して
も可である。
【0030】次に、空気温度補正(または、吸気温度補
正)について説明する。前述のように従来技術の空気温
度としての吸気温度に関する補正では、空気温度の変化
に対しては温度補償抵抗体4aと発熱抵抗体3とでブリ
ッジ回路を構成して空気温度の補正をしているのみであ
り、空気の物性値である密度、動粘性係数、熱伝導率等
の温度変化に関しては考慮されておらず十分な空気流量
−空気温度特性が得られていなかった。
【0031】図10(b)において、従来技術の空気温度
補正を行っていないブリッジ回路構成の場合の空気流量
−空気温度特性を実線で示した。横軸が空気流量(Q)で
縦軸が空気温度(Ta)が25℃基準の計測誤差(ΔQ/
Q)である。図において、空気温度(Ta)が低温(-30
℃)では、 空気流量が低流量域ではマイナス誤差で高流
量域ではプラス誤差となり、一方高温(80℃)では、低
温の場合の逆傾向の誤差になる。これに対し本発明の構
成によれば、第2温度センサ4bから空気温度(Ta)が
計測可能であり、一方、制御回路13bには測定素子1
の発熱抵抗体3で計測された空気流量(Q)が入力されて
いるので、図10(b)に示した空気流量−空気温度特性
から作成し、予め記憶した補正データをメモリ13cか
ら呼び出して、制御回路13bのCPUにて演算処理す
ることにより、空気流量の空気温度補正が可能となる。
【0032】本発明の空気温度補正を適用した場合、図
10(b)の矢印で示したようにほぼ流量誤差を零とする
(空気温度が25℃の基準に合わせる)ことができる。な
お、メモリ13cに、個々の熱式空気流量計毎に固有の
空気流量−空気温度特性を予め記憶して置いて、空気温
度補正することが可能である。この場合に、計測空気流
量(Q)と、空気温度(Ta)と、補正値とをマップとして
記憶しても、また、近似的な誤差関数として記憶しても
可である。さらに、本実施例では、空気温度(Ta)の計
測に専用の第2温度センサ4bを用いたが、場合によっ
ては第2温度センサ4bを用いずに温度補償抵抗体4a
の抵抗値の変化から、空気温度(Ta)を制御回路13b
のCPUにて演算処理して計測することも可である。
【0033】次に、本発明による第二実施例の測定素子
と該測定素子を用いた第2実施例の熱式空気流量計につ
いて説明する。図11は、本発明による第二実施例の熱
式空気流量計用の測定素子を示す平面図である。図12
は、第二実施例の熱式空気流量計用の測定素子を用いた
第2実施例の熱式空気流量計の流量計測電気回路(その
1)を示す図である。即ち、発熱抵抗体20および温度
補償抵抗体4aのブリッジ回路からなる駆動回路であ
る。図13は、第2実施例の熱式空気流量計の流量計測
電気回路(その2)を示す図である。即ち、発熱抵抗体2
0の上下流に配置された測温抵抗体21a、21bと駆
動回路13aとのブリッジ回路からなる測温出力回路で
ある。
【0034】第二実施例の熱式空気流量計用の測定素子
の第一実施例との異なる点は、第一実施例が発熱抵抗体
3に流れる加熱電流を空気流量信号とした直熱型方式で
あったのに対して、 第二実施例は 発熱抵抗体20の上
下流に配置された測温抵抗体21aと21bとの温度差
から流量および流れ方向を出力するもので、図16に示
した従来例と同じ温度差検知型方式である点である。
【0035】この方式の空気流量計測の動作は、図12
に示すブリッジ回路により発熱抵抗体20が 温度補償
抵抗体4aの温度より一定温度高くなるように設定さ
れ、 図13に示した発熱抵抗体20の上下流に配置さ
れた測温抵抗体21a,21bのブリッジ回路のF,G
点の電位差(温度差に対応)を差動増幅器16aにより増
幅しH点より流れ方向信号(H点電圧の符号に対応)と
空気流量信号(H点電圧の絶対値に対応)とを制御回路1
3bに出力するものである。
【0036】上記構成の第二実施例は流量検出方式が第
一実施例と異なっているが、測定素子1上に第1温度セ
ンサ5および第2温度センサ4bが第一実施例と同じよ
うに形成されて、基板温度(Tw)および空気温度(Ta)
が制御回路13bに入力されることから、第二実施例の
測定素子1の空気流量−基板温度特性及び空気流量−空
気温度特性から作成した補正データをメモリ13cに予
め記憶して置くことにより、第一実施例と同じく基板温
度補正および空気温度補正が可能である。
【0037】更に、本発明による第三実施例の測定素子
と該測定素子を用いた第3実施例の熱式空気流量計につ
いて説明する。図14は、本発明による第三実施例の熱
式空気流量計用の測定素子を示す平面図である。図15
は、第三実施例の熱式空気流量計用の測定素子を用いた
第3実施例の熱式空気流量計の流量計測電気回路を示す
図である。すなわち、発熱抵抗体20、温度補償抵抗体
4aおよび測温抵抗体21aからなる駆動回路である。
第三実施例の熱式空気流量計用の測定素子の第一実施例
との異なる点は、第一実施例が、発熱抵抗体3自身で加
熱、温度検知する直熱型方式であったのに対して、第三
実施例は、発熱抵抗体20の近傍に配置された測温抵抗
体21aにより発熱抵抗体20の温度を検知する傍熱型
方式である点である。
【0038】この方式の空気流量計測の動作は、図15
に示すブリッジ回路において発熱抵抗体20により傍熱
された測温抵抗体21aが温度補償抵抗体4aの温度よ
り一定温度高くなるように設定され、この時に加熱抵抗
体20の流れる加熱電流に対応するI点の電位が空気流
量信号になり制御回路13bへ出力される。
【0039】上記第三実施例は、流量検出方式が第一実
施例と異なっているが、測定素子1上に第1温度センサ
5および第2温度センサ4bが第一実施例と同じように
形成されており、基板温度(Tw)および空気温度(Ta)
が制御回路13bに入力されるので、第三実施例の測定
素子1の空気流量−空気温度特性及び空気流量−基板温
度特性に関連した補正データをメモリ13cに予め記憶
しておくことにより、第一実施例と同じく空気温度補正
および基板温度補正が可能である。
【0040】以上、3つの実施例について説明したが、
空気流量の検知方式が上記以外の方法であっても、少な
くとも発熱抵抗体5及び温度補償抵抗体4aを有する検
知方式であれば、発熱抵抗体3と端子電極8間に形成す
る第1温度センサ5からの基板温度(Tw)と、第2温度
センサ4b(または、温度補償抵抗体4a)からの空気温
度(Ta)とを制御回路13bに入力して、且つ、対象と
する測定素子1の空気流量−空気温度特性または/およ
び基板温度特性に関して予め記憶した補正データをメモ
リ13cから呼び出して、第一実施例と同じように空気
温度補正または/および基板温度補正が可能である。
また、本実施例
では制御回路13bとメモリ13cとが分離された構成
となっているが、制御回路13bにメモリ13cを内蔵
した構成でも本発明の効果に変わりがない。
【0041】次に、本発明の熱式空気流量計用の測定素
子の具体例について、図1,2を参照して説明する。ま
ず、シリコン半導体から成る基板2上に電気絶縁膜7a
として二酸化ケイ素、窒化ケイ素等を約0.5ミクロン
の厚さで、熱酸化あるいはCVD等の方法で形成する、
更に、抵抗体群としての発熱抵抗体3,温度補償抵抗体
4a,第2温度センサ4b,第1温度センサ5としての
白金を、同じ基板2上に約0.2ミクロンの厚さで、ス
パッタ等の方法で形成した後に、公知のホトリソグラフ
ィ技術により、レジストを所定の形状に形成し、その
後、イオンミリング等の方法により、白金をパターニン
グする。
【0042】次に、端子電極8を金メッキ等で形成した
後、端子電極8以外の部分を保護膜として電気絶縁体7
bを前述と同様に約0.5ミクロンの厚さに形成する。
最後に、シリコン基板2の裏面より二酸化ケイ素等を
マスク材として、異方性エッチングすることにより空洞
6を形成し、チップに切断することにより測定素子1が
得られる。
【0043】
【発明の効果】本発明によれば、半導体基板2上に電気
絶縁膜7を介して少なくも発熱抵抗体3及び温度補償抵
抗体4aと、発熱抵抗体3と端子電極8間に第1温度セ
ンサ5を形成した測定素子1と、電流を供給するための
駆動回路13aと測定素子1の信号を演算処理し出力す
る制御回路13bと、第1温度センサ5と第2温度セン
サ4b(または温度補償抵抗体4a)とから検出される基
板温度及び空気温度から温度補正するための補正データ
が予め記憶されているメモリ13cとから構成したこと
により、空気流量の基板温度または空気温度補正が確実
に実現でき測定精度の優れた熱式空気流量計用の測定素
子及び熱式空気流量計が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による第一実施例の熱式空気流量計用の
測定素子を示す平面図である。
【図2】図1の測定素子のA−A’断面を示す図であ
る。
【図3】本発明による第1実施例の熱式空気流量計を示
す断面図である。
【図4】図3の測定素子部を示す拡大図である。
【図5】図4の測定素子部のB−B’断面を示す図であ
る。
【図6】本発明による熱式空気流量計を示すブロック構
成図である。
【図7】第1実施例の熱式空気流量計の流量計測電気回
路を示す図である。
【図8】第1実施例の熱式空気流量計の温度計測電気回
路を示す図である。
【図9】図1の測定素子を用いた熱式空気流量計の測定
素子部と、該測定素子部のB−B’線上の温度分布とを
示す図である。
【図10】本発明による一実施例の基板温度補正及び空
気温度補正を示す図である。
【図11】本発明による第二実施例の熱式空気流量計用
の測定素子を示す平面図である。
【図12】第2実施例の熱式空気流量計の流量計測電気
回路(その1)を示す図である。
【図13】第2実施例の熱式空気流量計の流量計測電気
回路(その2)を示す図である。
【図14】本発明による第三実施例の熱式空気流量計用
の測定素子を示す平面図である。
【図15】第3実施例の熱式空気流量計の流量計測電気
回路を示す図である。
【図16】従来の熱式空気流量計用の測定素子の平面図
である。
【符号の説明】
1…測定素子、2…半導体基板、2a…支持部、3,2
0…発熱抵抗体、4a…温度補償抵抗体、4b…第2温
度センサ、5…第1温度センサ、6…空洞、7,7a,
7b…電気絶縁膜、8,8a〜8h,8i〜8l,14
…端子電極、9…空気流、10…吸気通路、11…副通
路、12…支持体、12a…保護体、12b…蓋板、1
3…外部回路、13a…駆動回路、13b…制御回路、
13c…メモリ、15…金線、16,16a…差動増幅
器、17…トランジスタ、18…電源、19a,19
b,19c,19d,19e…抵抗、21a,21b…
測温抵抗体、22a,22b,22c…空洞、23a,
23b…橋、24…熱式空気流量計。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気流量を計測するための発熱抵抗体が形
    成された同じ基板上の、前記基板を支持した他の構成体
    の熱が伝わる熱伝導経路部位に、該熱の前記発熱抵抗体
    への影響を表わす代表温度を検出する基板温度センサを
    形成したことを特徴とする熱式空気流量計用の測定素
    子。
  2. 【請求項2】空気流量を計測するための発熱抵抗体を形
    成した同じ基板上の前記基板が他の構成体に支持されて
    伝わる熱の前記発熱抵抗体への影響を表わす代表温度が
    検出可能な熱伝導経路部位に形成して該代表温度を検出
    する基板温度センサと、前記発熱抵抗体が触れる空気の
    流線領域から外れた前記基板上に形成して前記空気の温
    度を検出する空気温度センサとを備えたことを特徴とす
    る熱式空気流量計用の測定素子。
  3. 【請求項3】請求項1または請求項2において、前記熱
    伝導経路部位は、前記他の構成体によって支持される前
    記基板の支持部、または該支持部と前記発熱抵抗体間の
    部位であることを特徴とする熱式空気流量計用の測定素
    子。
  4. 【請求項4】請求項1または請求項2において、前記基
    板温度センサまたは前記空気温度センサの少なくとも一
    方は、前記発熱抵抗体と同種の抵抗体センサ形態で形成
    されていることを特徴とする熱式空気流量計用の測定素
    子。
  5. 【請求項5】請求項1または請求項2において、前記基
    板温度センサまたは前記空気温度センサの少なくとも一
    方は、サーミスタ、ダイオードまたはトランジスタなど
    と同種の半導体センサ形態で形成されていることを特徴
    とする熱式空気流量計用の測定素子。
  6. 【請求項6】請求項1または請求項3または請求項4ま
    たは請求項5記載のいずれかの熱式空気流量計用の測定
    素子と、該測定素子に電流を供給し空気流量信号を検出
    する駆動回路と、該空気流量信号から空気流量を演算す
    る制御回路と、空気流量−基板温度特性の補正データを
    記憶しているメモリとを備え、前記制御回路は、前記測
    定素子が有する基板温度センサから得られた代表温度と
    前記補正データとから、前記空気流量を補正することを
    特徴とする熱式空気流量計。
  7. 【請求項7】請求項2または請求項3または請求項4ま
    たは請求項5記載のいずれかの熱式空気流量計用の測定
    素子と、該測定素子に電流を供給し空気流量信号を検出
    する駆動回路と、該空気流量信号から空気流量を演算す
    る制御回路と、空気流量−基板温度特性および空気流量
    −空気温度特性の補正データを記憶しているメモリとを
    備え、前記制御回路は、前記測定素子が有する基板温度
    センサから得られた代表温度と、前記測定素子が有する
    空気温度センサから得られた空気の温度と、前記補正デ
    ータとから、前記空気流量を補正することを特徴とする
    熱式空気流量計。
  8. 【請求項8】請求項6または請求項7において、前記基
    板温度センサは、前記空気との直接接触を回避するため
    の保護体により覆われていることを特徴とする熱式空気
    流量計。
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