JPH10218000A - 自動車の舵取装置 - Google Patents

自動車の舵取装置

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JPH10218000A
JPH10218000A JP9025660A JP2566097A JPH10218000A JP H10218000 A JPH10218000 A JP H10218000A JP 9025660 A JP9025660 A JP 9025660A JP 2566097 A JP2566097 A JP 2566097A JP H10218000 A JPH10218000 A JP H10218000A
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steering motor
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秀起 東頭
Manabu Takaoka
学 高岡
Yutaka Kawaguchi
裕 川口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 操舵手段を舵取機構と機械的に連結せずに備
える自動車の舵取装置において、舵取機構の周辺におけ
る操舵モータの配設を容易とする。 【解決手段】 舵取機構1と機械的に連結されていない
ステアリングホイール2を備える構成において、舵取機
構1の相異なる位置に主操舵モータM1 と副操舵モータ
2 とを配する。舵取制御部3は、操舵角センサ23,24
により検出されるステアリングホイール2の操作位置
と、タイロッド変位センサ16により検出される舵取機構
1の実動作位置との偏差に基づいて必要操舵力を求め、
これを所定の比率にて配分して主操舵モータM1 及び副
操舵モータM2 の出力の目標値を定め、この出力を得る
べく両操舵モータM1 ,M2 を駆動制御して、これらの
出力の合力を舵取機構1に加えて舵取りを行わせる。ま
た主操舵モータM1 又は副操舵モータM2 が故障した場
合、故障側の動作を禁じ、非故障側の出力を高めるよう
に配分の比率を変え、主操舵モータM1 又は副操舵モー
タM2 のいずれか一方の発生力により操舵力を確保す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、運転者の操作に応
じて舵取用の車輪を操向させるための自動車の舵取装置
に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車の舵取りは、車室の内部に配され
た操舵手段の操作(一般的にはステアリングホイールの
回転操作)を、舵取り用の車輪(一般的には前輪)の操
向のために車室の外部に配された舵取機構に伝えて行わ
れる。
【0003】自動車用の舵取機構としては、ボールねじ
式、ラック・ピニオン式等の種々の形式のものが実用化
されており、例えば、車体の前部に左右方向に延設され
たラック軸の軸長方向の摺動を、左右の前輪に付設され
たナックルアームにタイロッドを介して伝える構成とし
たラック・ピニオン式の舵取機構は、車室外に延びるス
テアリングホイールの回転軸(ステアリングコラム)の
先端に嵌着されたピニオンを前記ラック軸の中途に形成
されたラック歯に噛合させ、ステアリングホイールの回
転をラック軸の軸長方向の摺動に変換して、ステアリン
グホイールの回転操作に応じた舵取りを行わせる構成と
なっている。
【0004】また近年においては、舵取機構の中途に、
油圧シリンダ、電動モータ等の操舵補助用のアクチュエ
ータを配し、このアクチュエータを、舵取りのためにス
テアリングホイールに加えられる操舵力の検出結果に基
づいて駆動して、ステアリングホイールの回転に応じた
舵取機構の動作を前記アクチュエータの出力により補助
し、舵取りのための運転者の労力負担を軽減する構成と
した動力舵取装置(パワーステアリング装置)が広く普
及している。
【0005】ところが、以上の如き従来の舵取装置にお
いては、動力舵取装置としての構成を有するか否かに拘
わらず、ステアリングホイールと舵取機構とが機械的に
連結されていることから、車室内でのステアリングホイ
ールの配設位置が限定され、車室内部のレイアウトの自
由度が制限されるという問題があり、また、前記連結の
実現のために大嵩の連結部材を必要とし、車両の軽量化
の実現を阻害するという問題がある。
【0006】このような問題を解消するため、従来か
ら、操舵手段としてのステアリングホイールを舵取機構
と機械的に連結せずに配する一方、動力舵取装置におけ
る操舵補助用のアクチュエータと同様に、舵取機構の中
途に操舵用のアクチュエータを配し、このアクチュエー
タを、前記操舵手段の操作方向及び操作量の検出結果に
基づいて動作させ、舵取機構に操舵力を加えて、前記操
舵手段の操作に応じた舵取りを行わせる構成とした分離
型の舵取装置が提案されている。
【0007】以上の如き分離型の舵取装置は、前述した
問題を解消し得るという利点に加えて、操舵手段の操作
量と操舵アクチュエータの動作量との対応関係が機械的
な制約を受けずに設定できることから、車速の高低、旋
回程度、加減速の有無等、自動車の走行状態に応じた操
舵特性の変更に柔軟に対応できると共に、ステアリング
ホイールに代えて、レバー、ハンドグリップ、ペダル等
の適宜の操舵手段を採用でき、設計自由度が向上すると
いう利点を有している。
【0008】更には、自動車の前面衝突に伴うステアリ
ングホイールの突き上げを略完全に防止でき、衝突安全
性の向上を図り得る上、ITS(Interigent Transport
Systems)、AHS(Automated Highway Systems )
等、近年その開発が進められている自動運転システムへ
の対応が容易であるという利点を有する等、従来の舵取
装置において実現不能な多くの利点を有しており、自動
車技術の発展のために有用なものとして注目されてい
る。
【0009】なお、舵取機構に操舵力を加える操舵アク
チュエータとしては、走行状態に応じた操舵特性の変更
制御の容易性を考慮して、一般的に、電動モータ(操舵
モータ)が用いられており、また、舵取機構から切り離
された操舵手段には、モータ及びギア機構を備えてなる
反力付与手段を付設し、操舵手段に適度の反力を加える
ことにより、該操舵手段と舵取機構とが機械的に連結さ
れたかの如き感覚での舵取操作を行わせ得るようにして
ある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】さて、以上の如く構成
された分離型の舵取装置を、従来広く用いられている動
力舵取装置と比較した場合、後者における舵取りが、操
舵手段たるステアリングホイールに加えられる操作力
と、舵取機構に付設された操舵補助用のモータの出力と
の合力によって行われるのに対し、前者における舵取り
は、舵取機構に付設された操舵モータの出力のみによっ
て行われるという相違がある。
【0011】従って、分離型の舵取装置において使用さ
れる操舵モータとしては、動力舵取装置において使用さ
れる操舵補助用のモータに比して大出力のモータが必要
であり、出力の増大に伴って大嵩となる操舵モータの配
設位置を舵取機構の周辺に確保することが難しいという
問題があった。
【0012】更には、動力舵取装置において操舵補助用
のモータが故障した場合、操舵補助力が失われるに過ぎ
ず、ステアリングホイールに加えられる操作力により舵
取りを行わせ得るのに対し、分離型の舵取装置において
操舵モータが故障した場合には、舵取りが困難となる虞
れがあった。
【0013】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、舵取機構の周辺における操舵モータの配設位置
の確保が容易であり、また、操舵モータが故障した場合
においても舵取りが困難となることを未然に防止し得る
分離型の舵取装置を提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明に係る自動車の舵
取装置は、舵取機構と機械的に連結されていない操舵手
段と、前記舵取機構にその出力を加える操舵モータとを
備え、前記操舵手段の操作位置と前記舵取機構の実動作
位置との偏差に基づいて求めた必要操舵力を得るべく前
記操舵モータを駆動し、前記操舵手段の操作に応じた舵
取りを行わせるようにした自動車の舵取装置において、
前記舵取機構の相異なる位置に前記操舵モータを一対配
し、これら夫々の出力の目標値を、前記必要操舵力を所
定の比率にて配分して決定する舵取制御部を具備するこ
とを特徴とする。
【0015】この発明においては、舵取機構の異なる位
置に一対の操舵モータを配し、これらの夫々の出力の目
標値を、操舵手段の操作位置と舵取機構の実動作位置と
の偏差に基づいて求めた必要操舵力を所定の比率にて配
分して決定し、これらの目標値を得るべく両操舵モータ
を駆動して、これらの出力の合力を舵取機構に加えて舵
取りを行わせる。これにより、両操舵モータを小型化す
ることができ、舵取機構の周辺への夫々の配設が容易と
なる。
【0016】更に加えて、前記舵取制御部は、前記一対
の操舵モータの故障の有無を判定する手段と、この判定
に応じて、故障側の操舵モータの出力を禁じ、非故障側
の操舵モータの出力を増すべく、前記配分の比率を変更
するフェイルセーフ手段とを備えることを特徴とする。
【0017】この発明においては、一対の操舵モータの
一方が故障した場合、故障判定に従う配分比率の変更に
より、故障した操舵モータの動作を禁じると共に、非故
障側の操舵モータの出力を増し、該操舵モータ単独での
舵取りを行わせる。
【0018】また、前記舵取制御部は、前記一対の操舵
モータの夫々に対し、前記配分の比率に応じた通常出力
と共に、前記必要操舵力の全量に相当するフェイル出力
を求めており、前記フェイルセーフ手段は、非故障側の
操舵モータに対し、前記通常出力から前記フェイル出力
への切り換え動作を行う構成としてあることを特徴とす
る。
【0019】この発明においては、通常動作中に一対の
操舵モータの夫々に対し、必要操舵力の全量に相当する
フェイル出力を求めておき、一方の操舵モータが故障し
たとき、他方の操舵モータの出力の目標値を前記フェイ
ル出力に切り換え、この操舵モータが、故障前に一対の
操舵モータが分担して発生していた必要操舵力の全量を
直ちに発生するようにし、切り換えに伴う操舵力の急変
を防ぐことができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下本発明をその実施の形態を示
す図面に基づいて詳述する。図1は、本発明に係る自動
車の舵取装置(以下本発明装置という)の全体構成を示
すブロック図である。
【0021】この舵取装置は、車体の左右に配された一
対の舵取用の車輪10,10に舵取動作を行わせるための舵
取機構1と、該舵取機構1から切り離して配された操舵
手段たるステアリングホイール2と、該ステアリングホ
イール2の操作に応じて前記舵取機構1を動作させるべ
く、後述する制御動作を行う舵取制御部3とを備えてな
る。
【0022】前記舵取機構1は、公知のラック・ピニオ
ン式の舵取機構であり、車体の左右方向に延設されて軸
長方向に摺動するラック軸11の両端部を、舵取用の車輪
10,10のナックルアーム12,12に各別のタイロッド13,
13を介して連結し、ラック軸11の両方向への摺動により
タイロッド13,13を介してナックルアーム12,12を押し
引きし、前記車輪10,10を左右に操向させる構成となっ
ている。
【0023】この操向を行わせるため本発明装置は、ラ
ック軸11を軸長方向への摺動自在に支承するラックハウ
ジング14の中途に一体的に構成された主操舵モータM1
と、ラックハウジング14の一部に交叉する態様に連設さ
れたピニオンハウジング4に取り付けた副操舵モータM
2 とを備えており、車輪10,10の操向は、主操舵モータ
1 及び副操舵モータM2 の回転を、各別の運動変換機
構によりラック軸11の摺動に変換して行われる。
【0024】図2は、主操舵モータM1 及び運動変換機
構の構成を示す縦断面図である。本図に示す如く主操舵
モータM1 は、前記ラック軸11を軸長方向への摺動自在
に支承するラックハウジング14の中途に一体的に構成さ
れたモータハウジング50の内部に、これの内面に周設さ
れたステータ51と、該ステータ51の内側にわずかな間隙
を隔てて対向するロータ52とを備え、3相ブラシレスモ
ータとして構成されている。
【0025】前記ロータ52は、ラック軸11の外径よりも
大なる内径を有する円筒形をなすロータ筒53の外周に固
設してあり、該ロータ筒53と共に、モータハウジング50
の一側と、該モータハウジング50の他側に連続するラッ
クハウジング14とに夫々内嵌固定された玉軸受54,55に
より両持ち支持され、前記ステータ51の内側にて同軸回
転自在に支承されており、舵取制御部3から後述する如
く与えられる動作指令信号に応じて前記ステータ51への
通電がなされることにより、ロータ筒53と共に正逆両方
向に回転するようになしてある。
【0026】ロータ筒53の一側(玉軸受55による支持部
側)外周にはギヤ56が取り付けてあり、該ギヤ56は、ラ
ックハウジング14の対応部位の外側に固設されたロータ
リエンコーダを用いてなる回転角センサ15の入力ギヤ 1
5aに噛合させてあり、該回転角センサ15の出力として、
ロータ筒53と一体回転するロータ52の回転位置が得られ
るようになしてある。なお、回転角センサ15の構成はこ
れに限るものではなく、例えば、前記ギヤ56の外周に臨
ませて磁電型のピックアップを配し、このピックアップ
により前記ギヤ56の歯を検出し、この歯数を計数して回
転位置を知る構成とすることも可能である。
【0027】ロータ筒53の他側は、玉軸受54による支持
部を超えて延長され、延長端に一体形成された玉軸受57
により同側のラックハウジング14内に支持させてあり、
この延長部、即ち、玉軸受54,57による支持部間は、そ
の内面にボールねじの軌条が形成されたボールナット58
となっている。一方ラック軸11の中途部には、その外周
にボールねじの軌条を所定の長さに亘って備えるボール
ねじ部59が形成されており、このボールねじ部59と前記
ボールナット58とを多数のボールを介して螺合させてボ
ールねじ機構が構成されている。
【0028】ラック軸11は、ラックハウジング14との間
に介装された図示しない回転拘束手段により軸回りの回
転を拘束されており、主操舵モータM1 の回転、即ち、
ステータ51への通電に伴うロータ52の回転は、ロータ筒
53の一側に連設されたボールナット58と、ラック軸11と
一体形成されたボールねじ部59との螺合により、該ラッ
ク軸11の軸長方向の摺動に直接的に変換されるようにな
っている。このようにして、主操舵モータM1 の回転に
応じた舵取り(舵取用の車輪10,10の操向)が行われ
る。
【0029】図3は、副操舵モータ(DCモータ)M2
の取り付け位置近傍の縦断面図、図4は、図3のIV−IV
線による横断面図である。ラックハウジング14と交叉す
るピニオンハウジング4の内部には、軸心回りでの回動
自在にピニオン軸40が支承されている。該ピニオン軸40
は、ラックハウジング14との交叉部において、ラック軸
11の対応部分に形成されたラック歯に噛合するピニオン
41を一体的に備えており、ピニオン軸40の回転は、ピニ
オン41とラック歯との噛合により、ラック軸11の軸長方
向の摺動に変換されるようになしてある。この実施の形
態においては、ラック軸11に噛合するピニオン41を前記
副操舵モータM2 の運動変換機構としている。
【0030】ピニオン軸40の中途部には、ピニオンハウ
ジング4の一部を大径化して形成されたギヤ室4aの内部
において、ウォームホイール42が同軸的に嵌着固定さ
れ、該ウォームホイール42には、その外周の適宜位置
に、ギヤ室4aの内部に枢支されたウォーム43が噛合させ
てある。副操舵モータM2 は、ギヤ室4aの外側に固定さ
れており、ギヤ室4a内に進入せしめたその出力軸44の先
端は、スリーブ状の継手45を介して、前記ウォーム43の
基端部に同軸的に連結されている。
【0031】以上の構成により副操舵モータM2 が回転
した場合、ウォーム43がその軸回りに回転し、この回転
がウォームホイール42を介してピニオン軸40に伝達され
て、これと一体形成されたピニオン41が回転し、この回
転がラック軸11の軸長方向の摺動に変換される。このよ
うにして副操舵モータM2 の回転に応じた舵取りが行わ
れる。
【0032】主操舵モータM1 及び副操舵モータM2
は、前記舵取制御部3からの動作指令が、図示しない各
別の駆動回路を介して与えられており、この動作指令に
従って両操舵モータM1 ,M2 が各別に駆動されるよう
になしてある。この駆動に応じた舵取機構1の動作量
は、ラック軸11と一側のタイロッド13との連結部の変位
を検出するタイロッド変位センサ16により検出され、舵
取用の車輪10,10の実舵角θ2 を示す信号として、舵取
制御部3に与えられている。
【0033】タイロッド変位センサ16は、図1に略示す
るように、前記連結部とラックハウジング14の外側との
間に検出シリンダを介装し、該検出シリンダの進退量を
媒介として、所望の変位量を検出する構成とすることが
できる。本図には、一側のタイロッド13に単一のタイロ
ッド変位センサ16が取り付けてあるが、実舵角θ2 の検
出値は、後述する本発明装置の動作において重要なもの
であり、一側又は両側のタイロッド13に複数のタイロッ
ド変位センサを設け、夫々の故障に備えるのが望まし
い。
【0034】また、両側のタイロッド13,13には、これ
らの軸方向に作用する軸力(引張力又は圧縮力)を検出
するタイロッド軸力センサ17,17が付設されており、こ
れらの検出結果は、舵取に伴って舵取用の車輪10,10に
加わる路面反力を示す信号として、舵取制御部3に与え
られている。タイロッド軸力センサ17,17は、例えば、
タイロッド13,13の表面に歪ゲージを貼着し、前記路面
反力を、これの作用により夫々のタイロッド13,13に生
じる歪みを媒介として検出する構成とすることができ
る。
【0035】以上の如き舵取動作をなす舵取機構1と機
械的に連結せずに配されたステアリングホイール2は、
図1中に模式的に示す如く、その回転軸となるコラム軸
20を回転自在に保持するコラムハウジング21を介して、
図示しない車体の適宜部に支持されており、コラムハウ
ジング21の外側には、これと軸心を交叉させた態様に反
力モータ(DCモータ)M3 が取り付けてある。該反力
モータM3 は、ピニオンハウジング4に取り付けた副操
舵モータM2 とピニオン軸40との関係と同様、コラムハ
ウジング21の内部において、その出力端に連結された図
示しないウォームをコラム軸20の中途に嵌着された図示
しないウォームホイールに噛合させ、これらを介してコ
ラム軸20に回転力を加え、該コラム軸20の上端に固定さ
れたステアリングホイール2に、その操作方向と逆向き
の反力を付与するようになしてある。
【0036】反力モータM3 によるステアリングホイー
ル2への反力付与は、舵取に伴って舵取用の車輪10,10
に実際に加わる路面反力をステアリングホイール2に模
擬的に加え、運転者に体感せしめるべく行われるもので
あり、反力モータM3 には、前記舵取制御部3からの動
作指令が、図示しない駆動回路を介して与えられてお
り、この動作指令に従って駆動される。
【0037】従って、ステアリングホイール2の回転操
作には、反力モータM3 が発生する反力に抗する操舵ト
ルクを加える必要があり、このようにしてステアリング
ホイール2に加えられる操舵トルクは、コラムハウジン
グ21の中途部に付設されたトルクセンサ22により検出さ
れ、またステアリングホイール2の操作量は、反力モー
タM3 の両側に配した一対の操舵角センサ23,24によ
り、操作方向を含めて検出され、これらの検出結果は、
ステアリングホイール2の操作状態を示す信号として前
記舵取制御部3に与えられている。
【0038】操舵角センサ23,24の検出値として与えら
れるステアリングホイール2の操舵角θ1 は、舵取制御
部3において、後述の如く、前記タイロッド変位センサ
16により検出される実舵角θ2 との偏差に基づいて主操
舵モータM1 及び副操舵モータM2 の夫々が発生すべき
駆動トルクの目標値を得るために用いられる重要な検出
値である。この実施の形態において一対の操舵角センサ
23,24が設けてあるのは、夫々の故障時に、誤った検出
結果に基づく制御動作が行われることを防ぐためであ
り、通常時は一方の操舵角センサ23の検出値を用い、他
方の操舵角センサ24は、通常使用される操舵角センサ23
の故障時におけるフェイルセーフ用として用いられる。
なお、トルクセンサ22により検出される操舵トルクは、
反力モータM3 が発生する反力のフィードバック信号と
して、反力モータM3 の故障判定に用いられる。
【0039】なお、ステアリングホイール2を支持する
コラム軸20は、コラムハウジング21の内部に配した図示
しないセンタリングばねにより付勢されており、ステア
リングホイール2は、その回転操作が停止されたとき、
コラム軸20に作用する前記センタリングばねのばね力に
より中立位置に復帰せしめられるようになしてある。こ
の復帰は、舵取機構1側において生じる車輪10,10の直
進方向への復帰に伴ってステアリングホイール2を戻す
ために必要なものである。
【0040】以上の如く舵取制御部3には、舵取機構1
の側にて実際に生じている舵取の状態が、回転角センサ
15、タイロッド変位センサ16及びタイロッド軸力センサ
17,17からの入力として与えられ、また操舵手段として
のステアリングホイール2の操作の状態が、トルクセン
サ22及び操舵角センサ23,24からの入力として与えられ
ており、これらに加えて舵取制御部3の入力側には、車
両の走行速度を検出する車速センサ5,6の出力、車両
のヨーレートを検出するヨーレートセンサ7の出力、車
両の横加速度を検出する横加速度センサ8の出力、及び
車両の前後加速度を検出する前後加速度センサ9の出力
が夫々与えられている。
【0041】車速センサ5,6は、例えば、車速に対応
する前輪又は後輪の回転速度を検出する回転速度センサ
であればよい。一対の車速センサ5,6を設けたのは、
タイロッド変位センサ16及び操舵角センサ23,24と同
様、一方の故障時に他方をフェイルセーフ用として用い
るためである。また、ヨーレートセンサ7及び横加速度
センサ8は、共に車両の旋回状態を知るためのものであ
り、これらもまた、一方の故障時に他方をフェイルセー
フ用として用いるようにしてある。通常時には、ヨーレ
ートセンサ7の出力を旋回状態を示す信号として用い
る。
【0042】一方、舵取制御部3の出力は、前述した如
く、舵取機構1に舵取動作を行わせるための主操舵モー
タM1 及び副操舵モータM2 と、ステアリングホイール
2に反力を付与する反力モータM3 とに各別の駆動回路
を介して与えられており、主操舵モータM1 、副操舵モ
ータM2 及び反力モータM3 は、舵取制御部3からの動
作指令に応じて各別に駆動されるようになしてある。
【0043】舵取制御部3による主操舵モータM1 及び
副操舵モータM2 の制御は、図5及び図6に示すフロー
チャートに従って行われる。舵取制御部3は、エンジン
始動のためのキースイッチのオン操作に応じてその動作
を開始し、入力側に接続された操舵角センサ23(又は操
舵角センサ24)及びタイロッド変位センサ16の出力を所
定のサンプリング周期にて取り込み(ステップ1)、同
じく車速センサ5(又は車速センサ6)、及びヨーレー
トセンサ7(又は横加速度センサ8)の出力を取り込む
(ステップ2)。
【0044】次いで舵取制御部3は、操舵角センサ23か
らの入力によりステアリングホイール2の操作量を示す
操舵角θ1 を求め(ステップ3)、得られた操舵角θ1
を次式に適用して目標舵角Θを演算する(ステップ
4)。
【0045】 Θ=K0 ・K1 ・K2 ・θ1 …(1)
【0046】(1)式中のK0 は、操舵角θ1 と目標舵
角Θとを対応づけるための比例定数であり、K1 ,K2
は、夫々補正係数である。K1 は、車速の高低に応じて
操舵特性を変えるための補正係数であり、車速が所定速
度を超えている高速走行中には小さく、車速が前記所定
速度以下となる低速走行中には、例えば、車速の低下に
応じて比例的に増大するように、前記車速センサ5によ
る検出車速の高低に応じて設定される。またK2 は、車
両の旋回の状態に応じて操舵特性を変えるための補正係
数であり、旋回程度が大となるに従って小さくなるよう
に、前記ヨーレートセンサ7により検出される実ヨーレ
ートの大小に応じて設定される。
【0047】即ち、ステップ4において得られる目標舵
角Θは、ステアリングホイール2の操作量を示す操舵角
θ1 に対し、高速走行中には小さく、低速走行中には大
きくなり、また旋回中には、急旋回になるに従って小さ
くなる。
【0048】次いで舵取制御部3は、タイロッド変位セ
ンサ16からの入力により舵取機構1において実際に生じ
ている実舵角θ2 を求め(ステップ5)、前記目標舵角
Θとの偏差(舵角偏差Δθ=Θ−θ2 )を算出し(ステ
ップ6)、この舵角偏差Δθに基づくPID演算によ
り、前記目標舵角Θを実現するために必要となる必要操
舵力Fを求める(ステップ7)。
【0049】その後、舵取制御部3は、前記必要操舵力
Fを主操舵モータM1 と副操舵モータM2 とに配分し、
夫々の配分力に対応する通常出力F1 ,F2 を求め(ス
テップ8)、更には、主操舵モータM1 と副操舵モータ
2 とが前記必要操舵力Fの全量を夫々単独にて発生す
るために必要なフェイル出力F1 ′,F2 ′を求める
(ステップ9)。
【0050】主操舵モータM1 及び副操舵モータM2
の必要操舵力Fの配分は、例えば、主操舵モータM1
2とし、副操舵モータM2 を1とする等、予め設定され
た所定の配分比率にて行われる。また、フェイル出力F
1 ′,F2 ′は、夫々のモータに最大定格電流を流した
ときに得られる最大出力を上限として設定される。
【0051】以上の如く、通常出力F1 ,F2 及びフェ
イル出力F1 ′,F2 ′を算出した後、舵取制御部3
は、主操舵モータM1 及び副操舵モータM2 の夫々に対
しフェイルの有無を判定する(ステップ10,11)。この
判定の結果、両者が共に正常である判定された場合、通
常出力F1 及びF2 を発するために必要な主操舵モータ
1 及び副操舵モータM2 の駆動電流A1 及びA2 を夫
々求め(ステップ12)、これらを出力して、主操舵モー
タM1 及び副操舵モータM2 を通常駆動する動作をなす
(ステップ13)。この動作は、キースイッチがオフ操作
されるまで繰り返し行われる。
【0052】なお、主操舵モータM1 に付設された回転
角センサ15からの舵取制御部3への入力は、駆動電流A
1 の出力に際して主操舵モータM1 の回転位置を認識
し、駆動電流A1 の位相調整を行うために用いられる。
【0053】以上の動作により、主操舵モータM1 及び
副操舵モータM2 が共に正常動作可能な状態にある場合
(一般的にはこの状態にある)、舵取機構1には、主操
舵モータM1 の出力F1 と副操舵モータM2 の出力F2
との合力として必要操舵力Fが加えられる。従って、主
操舵モータM1 及び副操舵モータM2 は、必要操舵力F
の一部を負担すれば良く、両モータM1 ,M2 を小型化
することができ、舵取機構1の周辺への配設が容易に行
えるようになる。
【0054】主操舵モータM1 は、図2に示す如く、ラ
ック軸11を支承するラックハウジング14の中途部に一体
的に構成されており、ラック軸11の周囲に大なる空間を
占めることなく配設し得る。また副操舵モータM2 は、
図3及び図4に示す如く、舵取機構1とステアリングホ
イール2とが連結された連結型のラック・ピニオン式舵
取装置において、ラック軸11の中途部に噛合するピニオ
ン軸40を利用し、該ピニオン軸40に回転力を加える構成
としてあり、既存の舵取機構1に無理なく配設すること
が可能である。
【0055】なお、主操舵モータM1 及び副操舵モータ
2 の構成は、以上の実施の形態に示す構成に限らず、
他の構成を採用し得ることは言うまでもない。またステ
ップ10及びステップ11における主操舵モータM1 及び副
操舵モータM2 のフェイル判定は、これらの駆動電流の
時間的な変化を監視する等、各種のモータにおいて通常
行われているフェイル判定の手法を用いて行えばよい。
【0056】ステップ10での前記判定の結果、主操舵モ
ータM1 がフェイル状態にあると判定された場合、舵取
制御部3は、非故障側の副操舵モータM2 が前記フェイ
ル出力F2 ′を発するために必要な駆動電流A2 ′を求
め(ステップ14)、副操舵モータM2 への動作指令とし
て出力し、これをフェイル駆動する動作を行い(ステッ
プ15)、また、ステップ11での前記判定の結果、副操舵
モータM2 がフェイル状態にあると判定された場合、非
故障側の主操舵モータM1 が前記フェイル出力F1 ′を
発するために必要な駆動電流A1 ′を求め(ステップ1
6)、主操舵モータM1 への動作指令として出力し、こ
れをフェイル駆動する動作を行う(ステップ17)。そし
てこれらの場合、出力側に接続された図示しない警報手
段を動作させ、警報を出力する(ステップ18)。
【0057】以上の動作により、主操舵モータM1 及び
副操舵モータM2 のいずれかがフェイル状態に陥った場
合、他方がフェイル駆動される結果、舵取不能の発生を
未然に防止することができる。またこのとき、非故障側
の操舵モータM1 又はM2 に対し、必要操舵力Fの全量
を単独にて発生することを前提として予め算定されたフ
ェイル出力F1 ′,F2 ′への切り換えが行われるか
ら、故障前に両操舵モータM1 及びM2 が分担して発生
していた必要操舵力Fを速やかに発生することができ、
操舵力の急変を防止することができる。
【0058】但し、フェイル出力F1 ′,F2 ′の算定
は、前述の如く、主操舵モータM1及び副操舵モータM
2 の最大出力を上限として設定されるから、一般的な走
行状態での舵取りは支障なく行えるが、悪路での急旋回
等、特殊な走行状態下において必要操舵力Fの全量の発
生が困難となる場合が生じる。ステップ18での警報出力
は、十分な操舵力が得られない虞れがあることを運転者
に報知するためになされるものである。
【0059】このように本発明装置においては、舵取機
構1の相異なる位置に一対の操舵モータ(主操舵モータ
1 及び副操舵モータM2 )を配し、これらの出力の合
力により舵取りを行わせる構成としてあるから、両操舵
モータM1 ,M2 を小型化することができ、舵取機構1
の周辺の限られた空間への配設が容易となる上、一方が
故障した場合であっても舵取不能に陥る虞れがなく、安
全性の向上に寄与できる。更に、一対の操舵角センサ2
3,24を配する等、主操舵モータM1 及び副操舵モータ
2 の制御において使用する各値を検出するためのセン
サは夫々二重系とし、一方を他方のフェイルセーフ用と
して用いることにより、誤った検出結果に基づく制御動
作がなされることを防ぐ構成となっている。
【0060】舵取制御部3は、以上の如き主操舵モータ
1 及び副操舵モータM2 の制御に加えて、反力モータ
3 の制御動作を行う。この制御は、車輪10,10に実際
に作用する路面反力をタイロッド軸力センサ17,17から
の入力として認識し、基本的には、これに所定の係数を
乗じて得られる疑似反力をステアリングホイール2に付
与すべく反力モータM3 の駆動トルクの目標値を定め、
この目標値を得るべく反力モータM3 に動作指令を発す
る手順にて行われる。
【0061】このとき、車速センサ5による車速の検出
値、ヨーレートセンサ7によるヨーレートの検出値、及
び前後加速度センサ9による前後加速度の検出値は、前
記係数の補正に用いられる。例えば、車速及びヨーレー
トの検出値は、これらの増大に応じて前記係数を増量補
正すべく用いられ、前後加速度の検出値は、減速状態の
検出時に、その程度に応じて前記係数を増量補正すべく
用いられて、このように補正された係数を用いて決定さ
れた疑似反力がステアリングホイール2に加えられる。
【0062】この結果、ステアリングホイール2は、車
速の上昇に応じて重く、車速の低下に応じて軽くなり、
高速走行時における直進安定性の向上と、低速走行時又
は停車時における操作力の軽減とが合わせて達成され
る。またステアリングホイール2は、旋回程度が大とな
るに従って重くなり、旋回状態にあった重さを与えるこ
とができる。更にステアリングホイール2は、減速時に
は重くなり、減速に伴う前輪荷重の増大を運転者に体感
させることができる。
【0063】なお以上の実施の形態は、本発明装置の一
例を示すものであり、前述の如く、主操舵モータM1
び副操舵モータM2 の構成、並びに配設態様を限定する
ものではなく、また、反力モータM3 の構成及び配設態
様についても同様である。また、操舵手段として、ステ
アリングホイール2に代えて、レバー、ハンドグリッ
プ、ペダル等、他の手段を用い得ることは言うまでもな
い。
【0064】
【発明の効果】以上詳述した如く本発明装置において
は、舵取機構の異なる位置に一対の操舵モータを配し、
これら夫々を、必要操舵力を所定の比率にて配分して得
られる出力を得るべく駆動して、両者の出力を合わせて
舵取りを行わせる構成としてあるから、両操舵モータを
共に小型化することができ、舵取機構の周辺の限られた
空間内への夫々の配設が容易となり、無理のない構成が
可能となる。
【0065】また、一対の操舵モータの故障の有無を判
定し、この判定がなされたとき、故障側の操舵モータの
出力を禁じ、非故障側の操舵モータの出力を増すように
したから、操舵が困難となることを防止できる。
【0066】更に、前記一対の操舵モータの夫々に対
し、必要操舵力の配分に応じた通常出力と共に、必要操
舵力の全量に相当するフェイル出力を常時求めておき、
一方の操舵モータの故障時には、他方の操舵モータの出
力の目標値を前記フェイル出力に切り換えて対応するか
ら、故障前後における操舵力の急変を防ぐことができる
等、本発明は優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る自動車の舵取装置の全体構成を示
すブロック図である。
【図2】主操舵モータ及び運動変換機構の一例を示す要
部の縦断面図である。
【図3】副操舵モータの取り付け位置近傍の縦断面図で
ある。
【図4】図3のIV−IV線による横断面図である。
【図5】主操舵モータ及び副操舵モータの制御内容を示
すフローチャートである。
【図6】主操舵モータ及び副操舵モータの制御内容を示
すフローチャートである。
【符号の説明】 1 舵取機構 2 ステアリングホイール 3 舵取制御部 5 車速センサ 6 車速センサ 7 ヨーレートセンサ 8 横加速度センサ 9 前後加速度センサ 10 車輪 11 ラック軸 13 タイロッド 15 回転角センサ 16 タイロッド変位センサ 17 タイロッド軸力センサ 22 トルクセンサ 23 操舵角センサ 24 操舵角センサ M1 主操舵モータ M2 副操舵モータ M3 反力モータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B62D 137:00 (72)発明者 高岡 学 大阪府大阪市中央区南船場三丁目5番8号 光洋精工株式会社内 (72)発明者 川口 裕 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 舵取機構と機械的に連結されていない操
    舵手段と、前記舵取機構にその出力を加える操舵モータ
    とを備え、前記操舵手段の操作位置と前記舵取機構の実
    動作位置との偏差に基づいて求めた必要操舵力を得るべ
    く前記操舵モータを駆動し、前記操舵手段の操作に応じ
    た舵取りを行わせるようにした自動車の舵取装置におい
    て、前記舵取機構の相異なる位置に前記操舵モータを一
    対配し、これら夫々の出力の目標値を、前記必要操舵力
    を所定の比率にて配分して決定する舵取制御部を具備す
    ることを特徴とする自動車の舵取装置。
  2. 【請求項2】 前記舵取制御部は、前記一対の操舵モー
    タの故障の有無を判定する手段と、この判定に応じて、
    故障側の操舵モータの出力を禁じ、非故障側の操舵モー
    タの出力を増すべく、前記配分の比率を変更するフェイ
    ルセーフ手段とを備える請求項1記載の自動車の舵取装
    置。
  3. 【請求項3】 前記舵取制御部は、前記一対の操舵モー
    タの夫々に対し、前記配分の比率に応じた通常出力と共
    に、前記必要操舵力の全量に相当するフェイル出力を求
    めており、前記フェイルセーフ手段は、非故障側の操舵
    モータに対し前記通常出力から前記フェイル出力への切
    り換え動作を行う構成としてある請求項2記載の自動車
    の舵取装置。
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