JPH10222371A - 知識ベースの作成装置及び実行装置並びにこれらを用いた知識ベースシステム - Google Patents

知識ベースの作成装置及び実行装置並びにこれらを用いた知識ベースシステム

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JPH10222371A
JPH10222371A JP9038307A JP3830797A JPH10222371A JP H10222371 A JPH10222371 A JP H10222371A JP 9038307 A JP9038307 A JP 9038307A JP 3830797 A JP3830797 A JP 3830797A JP H10222371 A JPH10222371 A JP H10222371A
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清太郎 松下
Kimitoshi Ito
公俊 伊藤
Mamoru Kawanobe
衛 川野邊
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    • GPHYSICS
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    • G06NCOMPUTING ARRANGEMENTS BASED ON SPECIFIC COMPUTATIONAL MODELS
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    • G06NCOMPUTING ARRANGEMENTS BASED ON SPECIFIC COMPUTATIONAL MODELS
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    • G06N5/02Knowledge representation; Symbolic representation
    • G06N5/022Knowledge engineering; Knowledge acquisition

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 知識ベースの実行順序を考慮することなく知
識ベースを構築すると共に、当該知識ベースの項目間の
関係にとって正しい順序で当該知識ベースを実行するこ
と。 【解決手段】 知識ベース作成装置が、外部出力の対象
となる出力用の計算項目と、この計算項目を導くための
入力用及び中間用の計算項目と、各計算項目のそれぞれ
の値の求めかたを他の計算項目との演算関係で定義され
た計算手法とがそれぞれ知識シートとして入力される知
識シート入力部と、この知識シートに基づいて計算項目
の属性に関する属性情報を生成すると共に計算手順を計
算機命令に翻訳する計算機命令生成部とを備えた。しか
も、知識ベース実行装置が、シート翻訳機能によって生
成された属性情報に基づいて計算機命令の実行順序を特
定する実行時順序特定部と、この実行時順序特定部によ
って特定された実行順序に基づいて計算機命令を順次実
行する実行部とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、知識ベースシステ
ムに係り、特に、定型化された業務知識もとづく演算を
システム化する知識ベースシステムに関する。さらに、
本発明は、知識ベースシステムに用いられる知識ベース
作成装置に係り、特に、設計者等の業務担当者がその業
務知識を知識ベースとして構築しさらにメンテナンスす
る知識ベース作成装置に関する。また、本発明は、知識
ベース実行装置に係り、予め定められた知識ベースに基
づいて業務上の判断を支援する演算を行う知識ベース実
行装置に関する。
【0002】本発明による知識ベースシステムの対象と
なる業務知識としては、例えば、機械設計など各種の設
計、積算・見積、受発注、納期管理、納品/請求、スケ
ジュール管理、配置問題、輸送ルート、種々のレイアウ
トなどに関する知識が該当する。
【0003】具体的には、例えば、「バネのたわみは、
荷重/バネ定数により求められる」との知識や、「予め
定められるバネの形式ごとのバネ定数」などから知識ベ
ースを作成する。そして、個々の業務(設計)で荷重が
変化するとき、この知識ベースを実行することにより、
荷重の入力に対して、バネのたわみを最大にするバネの
形式を出力する。このように、本発明は、業務知識を有
するものが自ら知識ベースを構築し、そのような業務知
識を有さないものであっても、当該知識ベースを実行す
ることにより当該業務知識を有するものと同様の判断を
可能とする知識ベースシステムに関する。
【0004】
【従来の技術】従来、業務上の知識に基づく判断の自動
化を行う場合には、業務知識に基づいてプログラムを作
成する必要があった。一般に、業務知識を有する担当者
がその業務知識を大量の書類にし、この書類に基づいて
プログラムに精通した者がプログラムを作成するという
手順を踏んでいた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来例では、業務知識を有する者自身がプログラムを作成
することができない場合が多く、このため、知識ベース
を実行するプログラムの作成に多大な時間と費用とが必
要となり、また、一旦作成したプログラムの変更につい
ても同様に書類の作成とプログラムの変更という多大な
労力と時間とが必要となってしまう、という不都合があ
った。
【0006】しかも、システム化したい業務知識が専門
的である場合には、有効に動作する知識ベースを構築す
るには、プログラマの側がその専門知識を学習する必要
があり、この点からも、プログラムの作成に多大な労力
と時間とが必要となる、という不都合があった。
【0007】さらに、システム化が求められる知識は複
数の項目が複雑に関連する場合が多く、一般的な手続型
プログラム言語の場合、プログラムの記述の順序を誤る
と正しい結果を得ることができなくなる。このため、複
数の項目の計算の順序を正しくプログラムに反映させる
ためには、極めて複雑な作業が必要となってしまう、と
いう不都合があった。また、このようなプログラムの可
読性は悪化する傾向にあるため、一旦構築した業務知識
によるプログラムの改良、変更等が簡単に行えない、と
いう不都合があった。
【0008】
【発明の目的】本発明は、係る従来例の有する不都合を
改善し、特に、知識ベースの実行順序を考慮することな
く知識ベースを構築すると共に、当該知識ベースの項目
間の関係にとって正しい順序で当該知識ベースを実行す
ることのできる知識ベースシステムを提供することを、
その目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、知
識ベースを作成する知識ベース作成装置と、この知識ベ
ース作成装置で作成された知識ベースを実行する知識ベ
ース実行装置とを備えている。しかも、知識ベース作成
装置が、知識ベースが入力される知識ベース入力部と、
この知識ベース入力部に入力された知識ベースに基づい
て計算機命令を生成する計算機命令生成部とを備えてい
る。そして、知識ベース入力部が、外部出力の対象とな
る出力用の計算項目と、この計算項目を導くための入力
用及び中間用の計算項目と、各計算項目のそれぞれの値
の求めかたを他の計算項目との演算関係で定義された計
算手法とがそれぞれ知識シートとして入力される知識シ
ート入力機能を備えている。さらに、計算機命令生成部
が、知識シート入力機能によって入力された知識シート
に基づいて計算項目の属性に関する属性情報を生成する
と共に計算手順を計算機命令に翻訳するシート翻訳機能
を備えている。しかも、知識ベース実行装置が、シート
翻訳機能によって生成された属性情報に基づいて計算機
命令の実行順序を特定する実行時順序特定部と、この実
行時順序特定部によって特定された実行順序に基づいて
計算機命令を順次実行する実行部とを備えた、という構
成を採っている。これにより前述した目的を達成しよう
とするものである。
【0010】本発明では、知識ベースの作成時には、計
算順序を特定しない。このため、知識ベースの作成者
は、具体的な計算順序を意識することなく、従って、プ
ログラムを構築する際の詳細な知識を必要とすることな
く、計算項目とその計算手法を入力していくことで、知
識ベースが作成される。一方、知識ベースを実行すると
きに、計算項目とその計算手法から、計算の順序を特定
する。
【0011】面積の計算を例にすると、面積は「縦」×
「横」により求められる。この面積の求め方を業務知識
として有する者は、「縦」と「横」と「面積」との計算
項目を入力し、それぞれの計算手法を定義する。例え
ば、計算項目「縦」の計算手法を「入力」とし、計算項
目「横」の計算手法を予め定められた値「10」とする
と、出力用の計算項目「面積」の計算手法は、「(入力
される計算項目である)「縦」×(10である)横」と
なる。
【0012】この単純な例であっても、計算項目「面
積」の演算は、計算項目「縦」の入力よりも後に行われ
なければならないという手続上の実行順序の制約があ
る。本発明では、計算項目のそれぞれの値の求めかたを
他の計算項目との演算関係で定義された計算手法を入力
するのみで、実行上の順序の入力を必要とせずに、知識
ベースの構築を行う。面積は「縦」×「横」により算出
される点は業務知識そのものであるから、業務知識を、
計算項目とその計算項目を導く他の計算項目間の関係を
計算手法として表現し、入力されると、これにより知識
ベースの構築は終了する。従って、本発明では、業務担
当者の最低限の労力で知識ベースの構築が行われる。計
算手法は、この例での数値演算の他、論理演算、選択、
条件、最適化など、通常のコンピュータプログラムで実
行可能な種々の計算式により表現される。
【0013】本発明では、知識ベース入力部に知識シー
トが入力されると、計算機命令生成部が、計算項目の属
性に関する属性情報を生成し、計算手順を計算機命令に
翻訳する。計算項目の属性としては、当該計算項目名
や、実行時に参照される「計算済み/未計算」の属性
や、選択、条件又は最適化などの特殊な計算手法である
ことを示す情報などがある。一方、各計算項目ごとの各
計算手順は、コンピュータで実行可能な形式の計算機命
令(プログラム)に翻訳される。
【0014】知識ベース実行装置では、実行時順序特定
部が、属性情報に基づいて、計算機命令の実行順序を特
定する。このため、計算項目の種類に応じて、自動的に
実行順序を定める。例えば、実行時順序特定部は、属性
情報に基づいて、最終出力項目の計算機命令をまず実行
させ、この実行中に未計算の計算項目が現れた場合に
は、実行時順序特定部が属性情報から当該計算項目名の
計算機命令を実行させる。このため、最終出力の計算手
法で使用された計算項目が未計算の場合に当該未計算の
計算項目を算出し、さらに、この未計算の計算項目中に
も未計算の計算項目があれば当該計算項目の計算機命令
を実行させと、最終の出力項目に必要な計算が順次行わ
れる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。本実施形態では、知識ベースの入
力に際して、知識ベースの実行順序をなんら考慮するこ
となく、業務知識を計算項目の依存関係として表現する
ことで、知識ベースの構築を可能とする。さらに、この
ように作成された知識ベースの実行順序を、その計算項
目の依存関係に従って特定しながら実行する。これによ
り、業務知識を有する担当者が特別なプログラム作成の
知識及び労力を必要とすることなく知識ベースをシステ
ム化することができる。
【0016】このような知識ベースシステムの実施形態
としては、知識ベース実行装置側で実行時に実行順序を
特定する形態と、知識ベース作成装置側で実行前に実行
順序を特定する形態と、知識ベース作成装置側で中間的
な知識ベースを作成し、知識ベース実行装置側で実行時
に実行順序を特定する形態とがある。
【0017】知識ベース作成装置側で実行順序を事前に
特定する実施形態では、知識ベース作成装置が、知識ベ
ースが入力される知識ベース入力部と、この知識ベース
入力部に入力された知識ベースに基づいて計算機命令を
生成する計算機命令生成部とを備える。
【0018】そして、知識ベース入力部が、外部出力の
対象となる出力用の計算項目と、この計算項目を導くた
めの入力用及び中間用の計算項目と、各計算項目のそれ
ぞれの値の求めかたを他の計算項目との演算関係で定義
された計算手法とがそれぞれ入力される領域を備える。
中間用及び出力用の計算項目は、他の計算項目を用いた
計算手法を有する。
【0019】さらに、計算機命令生成部が、出力用の計
算項目を算出するまでの各計算項目の演算関係の定義に
基づいて計算機命令の実行順序を特定する作成時実行順
序特定機能を備える。この作成時実行順序特定機能は、
出力対象となる計算項目に至る計算項目の依存関係に基
づいて、実行順序を特定する。
【0020】具体的には、例えば、出力対象の計算項目
の計算手順で用いられている出力項目算出用の計算項目
を特定し、次いでこの出力項目算出用の計算項目の計算
手順で用いられる計算項目を順次特定する。さらに、順
次特定した計算項目の計算手順が入力に至るまで当該計
算項目の依存関係を遡及し、出力項目の計算に必要な入
力対象となる計算項目を特定する。そして、この入力要
求処理を先頭に、順次遡及した逆の順序で計算の順序を
特定する。
【0021】この実施形態では、知識ベースの入力時に
実行順序を考慮せずに入力でき、さらに、コンピュータ
で実行可能な状態の計算機命令を自動的に生成するた
め、知識ベースの構築が容易となり、この場合、実行側
の環境をなんら特定することなく知識ベースシステムの
構築が可能となる。
【0022】また、知識ベース実行装置側で実行時に実
行順序を特定する実施形態では、知識ベース実行装置
が、知識ベースが定義された知識ベースデータを記憶し
た知識ベース記憶部と、この知識ベース記憶部に格納さ
れた知識ベースを実行する知識ベース実行部とを備え
る。この知識ベース記憶部に格納される知識ベース情報
は、外部出力の対象となる出力用の計算項目と、この計
算項目を導くための入力用及び中間用の計算項目と、各
計算項目のそれぞれの値の求めかたを他の計算項目との
演算関係で定義された計算手法とを有する。すなわち、
この知識ベース情報は実行時の順序に関する指定を必要
としない。
【0023】さらに、知識ベース実行部は、出力用の計
算項目を算出するまでの各計算項目の演算関係の定義に
基づいて知識ベースの実行順序を特定する実行時実行順
序特定機能と、この実行時実行順序特定機能によって特
定された実行順序に基づいて知識ベースを実行する実行
機能とを備えた。
【0024】実行順序の特定の仕方としては、例えば、
まず出力項目対象となる計算項目の演算が可能か否か確
認し、未計算の計算項目がある場合には知識ベース記憶
部に問い合わせを発行するという手続を繰り返す手法が
ある。
【0025】この場合、知識ベース情報の内容は実行時
まで固定する必要がなくなるため、知識ベースの一部の
情報が商品の価格情報など一定期間ごとに変更するもの
であっても、知識ベース情報の変更のみで最新の情報に
基づく業務上の判断の支援を行うことができる。
【0026】また、知識ベース作成装置が中間的な計算
機命令を作成する実施形態では、知識ベース実行装置側
に当該中間的な計算機命令を実行するプログラムをイン
ストールすることで、コンピュータの種別にかかわら
ず、知識ベース実行装置とすることができる。
【0027】以下、この知識ベースシステムの実施形態
を図1乃至図15を参照して説明する。図1乃至図4に
示す例では、体積の計算を行うための知識を知識ベース
として作成すると共に実行する。すなわち、「縦」と
「横」の入力から「面積」を求め、さらに「高さ」の入
力と既に算出した「面積」とから「体積」を求めるとい
う知識をシステム化するものである。実際に実用となる
例については、多種多様な分野に及び出力対象とする計
算項目も様々であるが、いくつかの例を実施例として後
述する。この図1乃至図4に示す体積の例は、あくまで
も説明を容易ならしめるための例示であり、本発明の適
用分野をなんら限定するものではない。
【0028】本実施形態による知識ベースシステムは、
知識ベースを作成する知識ベース作成装置2と、この知
識ベース作成装置2で作成された知識ベースを実行する
知識ベース実行装置4とを備える。しかも、知識ベース
作成装置2が、知識ベースが入力される知識ベース入力
部6と、この知識ベース入力部6に入力された知識ベー
スに基づいて計算機命令を生成する計算機命令生成部8
とを備える。
【0029】さらに、知識ベース入力部6が、図2に示
すように、外部出力の対象となる出力用の計算項目26
と、この出力用の計算項目26を導くための入力用及び
中間用の計算項目30、28と、各計算項目26、2
8、30のそれぞれの値の求めかたを他の計算項目との
演算関係で定義された計算手法32とがそれぞれ知識シ
ート20として入力される知識シート入力機能を備えて
いる。
【0030】図2に示す例では、出力用の計算項目26
は「体積」であり、中間用の計算項目28は「面積」で
あり、入力用の計算項目30は「高さ」「縦」「横」で
ある。それぞれの計算手法は、計算項目「体積」につい
ては「面積×高さ」であり、計算項目「面積」について
は、「縦×横」であり、他の計算手法は入力要求であ
る。この複数の計算項目及び計算手法は、知識シート2
0として入力される。この入力のためのインタフェース
は種々の態様をとることができ、スプレッドシート型で
の入力や、タブやコンマなどの区切りを付けてのテキス
トでの入力や、また、テキストにコントロールコードを
付しての入力でも良い。
【0031】この図2に示す例では、ひとつの計算項目
に対してひとつの計算手法を定義しているが、複数の計
算手法を入力し実行時に選択するようにしても良い。
【0032】計算機命令生成部8は、図3に示すよう
に、知識シート入力機能によって入力された知識シート
に基づいて計算項目の属性に関する属性情報24を生成
し、さらに、計算手順32を計算機命令22に翻訳する
シート翻訳機能を備える。計算機命令22は、図3
(A)に示すように、インタプリタにより実行可能なプ
ログラムか、又は直接実行装置が実行可能な機械語での
プログラムか、さらにコンパイラによりコンパイル可能
なプログラムか、またたのプログラムにさらなる変更が
容易なプログラムとする。例えば図3に示す逆ポーラン
ド記法によるプログラムは、実行部12のインタプリタ
が実行可能な記述である。
【0033】また、属性情報24としては、例えば、図
3(B)に示すように、計算項目名と、計算済み/未計
算の属性と、入出力の指定とにより構成される。この属
性情報は、個々の計算項目の計算機命令22の実行順序
を特定するために用いられる。
【0034】さらに、知識ベース実行装置4は、シート
翻訳機能によって生成された属性情報24に基づいて計
算機命令の実行順序を特定する実行時順序特定部14
と、この実行時順序特定部14によって特定された実行
順序に基づいて計算機命令を順次実行する実行部12と
を備えた。
【0035】また、実施形態によっては、実行時順序特
定部14が、各計算項目26、28、30毎に計算済み
又は未計算の属性を属性情報24を用いて管理する計算
状態属性管理機能と、実行部12によって計算機命令2
2が演算されるときに計算状態属性管理機能によって未
計算とされる計算項目があるときには当該未計算の計算
項目の計算機命令の実行順序を繰り上げる未計算項目優
先実行機能とを備える。
【0036】さらに、実行順序特定部14が、未計算項
目優先実行機能によって実行する未計算項目の値の求め
方が知識シート内で定義されていなかった場合には、当
該未計算項目の値の入力を促す制御をする入力要求制御
機能を備える。
【0037】図4は、図1乃至図3に示す構成による知
識ベース実行装置の動作を示すフローチャートである。
図4に示すように、実行時順序特定部14は、まず、出
力指定された計算項目を、属性情報24から読み出して
特定する(ステップS1)。図3に示す例では、計算項
目名「体積」が特定される。次いで、実行時順序特定部
14は、ステップS1で特定した計算項目(ここでは、
「体積」)の計算手法が翻訳された計算機命令22を実
行させる制御をする(ステップS2)。このとき、当該
計算機命令の実行に必要な計算項目について、未計算の
計算項目があるか否かを確認する(ステップS3)。図
3に示す例では、属性情報24によると、「面積」の値
が未計算であるため、ステップS4に処理を移行する。
【0038】ステップS4では、この未計算である計算
項目「面積」について、計算手法があるか否かを確認す
る。この場合、「縦×横」と定義された計算機命令が存
在するため、ステップS6に進み、当該「面積」の計算
機命令を実行する。この場合、さらに計算項目「縦」及
び「横」が未計算であるため、ステップS3を介してス
テップS4に進む。計算項目「縦」については、計算手
法が定義されておらず、「入力」であるため、当該計算
項目の入力を要求する(ステップS5)。同様に、計算
項目「横」についても入力される。これにより計算項目
「面積」の計算機命令が実行され(ステップS6)、
「体積」の算出に処理が戻る。
【0039】体積の計算機命令では「高さ」が入力指定
であるため、未計算の計算項目に計算手法がないことと
なり、「高さ」の入力が要求される。高さの入力がなさ
れると、未計算の計算項目がないこととなり(ステップ
S3)、計算済みの計算項目を用いて出力項目「体積」
に至る計算機命令を実行する(ステップS7)。この計
算項目「体積」の計算がなされると、「体積」の値を外
部出力して、処理を終了する。
【0040】このように、なんら実行順序が定義されて
いない知識ベースであっても、計算項目の依存関係に基
づいて順次必要な処理を特定し、実行するため、知識ベ
ースの入力時に実行順序の入力を求める必要がなくな
り、プログラム作成の知識がない業務担当者であって
も、容易に知識ベースを構築することができ、さらに知
識シートとして極めて読みやすい状態で知識ベースを構
築するため、業務知識、判断に変更があった場合には短
時間でかつ少ない労力で改良、変更を行うことができ
る。さらに、一旦作成した知識ベースを利用して他の知
識ベースを作成する場合にも、新たな計算項目の依存関
係を定義し、入出力を変更するだけ新しい知識ベースを
作成することができ、プログラムの実行手順を全て変更
する場合と比較して、飛躍的に簡単にシステムの拡張、
変更を行うことができる。これらの利点は、プログラム
作成の知識を有する者であっても、実行順序の特定を考
慮する必要がなくなる点で、有効である。
【0041】図5は計算項目の依存関係の一例を示す説
明図である。図5に示す例では、計算項目「ばねのたわ
み」を導く他の計算項目の関係を示している。まず、
「ばねのたわみ」は、「荷重とばね定数」に依存してい
る。具体的には、ばねのたわみ=荷重/ばね定数であ
る。ばね定数は、さらに、「横弾性計数」と、「線径」
と、「有効巻数」と、「コイル中心径」に依存してい
る。具体的には次式の通りである。 ばね定数=(横弾性計数×線径4)/(8×有効巻数×
コイル中心径3
【0042】この「ばねのたわみ」に至る業務知識(設
計知識)を有する設計者が、ばねのたわみを求める設計
知識を知識ベース化するには、やはり、実行手順をなん
ら特定することなく、図5に示す各計算項目と、「ばね
のたわみ」及び「ばね定数」の計算手法を知識ベース入
力部6に入力すれば良い。
【0043】また、図5のような依存関係があるとき、
「線径」を出力項目とする知識ベースを構築することも
できる。計算項目「線径」を出力項目として、計算項目
「荷重」を入力項目とし、他の計算項目の値を予め定め
ておくと、荷重が入力されたときの「線径」が出力され
る。このように、本実施形態では、計算項目に対する入
出力や値を変更するだけで、知識ベースシステムの改良
を容易に行うことができる。
【0044】さらに、業務上の判断の支援を行うには、
上述したように全て一義的な計算式で表される知識だけ
でなく、種々の制約の下での判断を行う必要がある。例
えば建築物の設計を行う場合、各種の法規制による制約
があり、この制約の中で設計を行わなければならない。
また、果物の配送を行う場合、果物の種類によって配送
に用いることのできる日数が制約されることがある。ま
た、機械設計を行う場合、ばねの形式が3種類あって、
このなかから各種制約の下で当該ばねの形式を選定しな
ければならないこともある。さらに、果物の出荷市場を
定める場合には、利益を最大にする市場を選定する必要
がある。
【0045】これらの業務知識を容易に知識ベース化す
るため、図6乃至図14に示す実施形態では、知識ベー
スの構築の要素として、「選択枝」と、「条件」と、
「最適化」とを導入する。図6に示す例では、横弾性計
数等を固定の値とし、ばねのたわみを100以下とする
条件の下で、荷重を入力項目としたとき、線径が「1
0、12、14」のうちのいずれかの線径のばねを選択
する場合の例を示している。この場合、ばねのたわみが
100以下との条件を満たすまで線径を変化させて知識
ベースを実行することになるが、この場合であっても、
本実施形態では、実行順序をなんら特定することなく知
識ベースを作成することができる。
【0046】また、ばねの形式が予め定められていて、
各ばねごとにばね定数がすでに定められているような場
合には、これをテーブルとして表現できれば、知識ベー
スの構築が極めて容易となる。図7(A)はこのような
テーブルで表現した業務知識の一例を示す説明図であ
る。この知識テーブルを扱う実施形態では、知識ベース
入力部6が、1以上のテーブル用入力条件34によって
特定されるテーブル用出力項目36が当該テーブル用入
力条件34とテーブル用出力項目36との表形式で入力
される知識テーブル入力機能と、この知識テーブル入力
機能によって入力された知識テーブル38を参照する値
の特定が計算手法として入力される表参照項目入力機能
とを備える。
【0047】さらに、計算機命令生成部8は、知識テー
ブル入力機能によって入力された知識テーブルをテーブ
ル用入力条件別の複数のifなどの条件判断文からなる
計算機命令に翻訳するテーブル翻訳機能を備える。さら
に、実行時順序特定部14が、表参照計算項目入力機能
によって入力された表参照計算項目を演算するときにテ
ーブル翻訳機能によって翻訳された計算機命令を実行さ
せる制御をする表参照制御機能を備える。
【0048】図7(A)に示す例では、ばね形式が定ま
ると、その「ばね形式」の「ばね定数」が特定される。
このように、本実施形態では、種々の規格表をそのまま
知識テーブルとして入力することができる。この知識テ
ーブルは、計算機命令生成部8によって、複数の条件判
断文からなる計算機命令18に翻訳される。
【0049】具体的には、図7に示す例では、表参照項
目入力機能によって入力された計算項目を実行するとき
に特定された値と、テーブル用入力条件34の値とを比
較して、一致する場合にそのテーブル用入力条件34の
テーブル用出力項目46の値を返し、一致しない場合に
は別のテーブル用入力条件34を実行させるプログラム
をテーブル用入力条件34すべてについて作成する。
【0050】図8は、テーブル用入力条件が2種類ある
知識テーブルの例を示す説明図である。図8に示す知識
テーブルは、テーブル用入力条件34が「気圧」と「温
度」であり、テーブル用出力項目36が水の圧縮率であ
る。図8中の太線部分は、温度が10出気圧が50以上
75未満の時の「水の圧縮率」は4.58×10-5であ
ることを意味する。通常、このよな知識をプログラムに
するには、ifなどの条件判断文を多用する必要があっ
た。しかしながら、本実施形態では、このような知識テ
ーブルから自動的に複数のifなどの条件判断文からな
る計算機命令に自動翻訳する。この場合、計算機命令生
成部8は、気圧については一定の範囲内か否かを確認す
る計算機命令を生成し、さらに、この気圧と温度の2つ
のテーブル用条件34を満たす値を返すプログラムを生
成する。
【0051】計算機命令生成部8は、この知識テーブル
38についても属性情報16を生成し、実行時順序特定
部14は、この知識テーブル38についての属性情報1
6に基づいて知識テーブル38の計算機命令の実行順序
を特定する。
【0052】次に、知識ベース実行上の条件の扱いにつ
いて説明する。知識条件としては、例えば、機械設計に
ついて「ばねのたわみが100以下」や、建築設計につ
いての容積率の制限や、配送システムについて配送日数
の制限や、年賀状のレイアウトシステムについてレイア
ウトの最大の大きさや最小文字サイズの制限などが該当
する。これら場合、単純な演算では業務上の判断の支援
となる知識ベースの構築ができないため、知識条件を知
識ベースに導入する。この知識条件を与える計算項目
は、出力対象となる項目だけではなく、中間項目に対し
ても設定可能としている。
【0053】この例では、知識ベース入力部6は、知識
シート内の計算項目に対する知識上の条件が計算手法と
して入力される条件入力機能を備える。しかも、実行時
順序特定部14が、条件入力機能によって知識条件が計
算手法として入力された条件計算項目があるときには当
該条件計算項目の演算の順序を出力項目の演算よりも優
先させる条件項目優先処理機能と、この条件項目優先処
理機能によって実行制御された条件計算項目の演算結果
が当該知識条件を満たす場合に出力項目の演算を実行さ
せる出力項目実行制御機能と、条件計算項目の演算結果
が当該知識条件を満たさない場合には計算が失敗したと
して実行を終了させる失敗時終了制御機能とを備える。
【0054】この条件入力機能により条件計算項目が入
力された場合には、計算機命令生成部は、属性情報16
に当該計算項目に条件が課されている旨を表示する。実
行時順序特定機能14は、この属性情報16に記録され
た情報に基づいて、知識条件が付された計算項目を優先
して先に実行させる。
【0055】この実施形態では、失敗時終了制御機能に
より、条件計算項目が知識条件を満たさない場合には処
理を終了し、入力用計算項目について入力された値では
知識条件を満たさない点を実行時に出力する。また、出
力項目の演算に先立ち、知識条件が付された計算項目を
演算するため、知識条件を満たさない値による出力を行
う不都合が生じない。このように実行順序を特定するた
め、知識条件を付した知識ベースの構築を実行順序を考
慮せずに入力することが可能となる。
【0056】また、知識ベースの構築によっては、予め
定められる複数の事項を選択するときに、複雑な業務知
識を必要とする場合がある。例えば、図6に示す線径の
選択などの設計上の部品の選択や、パイプラインの配管
ルートの探索でのルートの選択である。この選択は、数
値について、初期値から最終値まで一定値間隔で増減さ
せることにより複数の選択対象を表現し、また、図7に
示すように、部品の形式をテーブルとして表現して複数
の選択対象を入力し、さらに、計算手順として選択対象
を記述するなど、種々の入力方法により実現できる。ま
た、この選択肢の選択は、知識条件との関係で定義され
る。すなわち、本実施形態は、複数の選択肢の内、知識
条件を満たす選択肢を選択するための業務知識をシステ
ム化するものである。
【0057】この選択肢で扱う実施形態では、知識ベー
ス入力部6が、知識シート20内の計算項目の値につい
て選択肢又は値の増減が計算手法として入力される選択
肢入力機能を備える。
【0058】さらに、実行時順序特定部14が、条件入
力機能によって入力された条件計算項目があるときに当
該条件計算項目の演算結果が当該知識条件を満たさない
場合には選択肢入力機能によって入力された選択肢を順
次入れ替えて当該条件計算項目の演算を再度実行させる
選択肢選択制御機能を備える。
【0059】この場合、計算機命令生成部8は、属性情
報に、計算項目名ごとに選択肢の定義の有無を記録す
る。実行時順序特定部14は、この選択肢の有無と知識
条件の有無に基づいて、実行順序を特定する。
【0060】このように、実行時順序特定部14が、知
識条件を満たさなかったときに別の選択肢を選択するた
め、知識条件を満たす選択肢の選択を実行することがで
き、このため、知識条件及び選択肢がある知識ベースの
構築に際して、実行順序を考慮することなく知識ベース
を作成することが可能となる。
【0061】さらに、知識ベースを利用した業務上の判
断の支援に関しては、最適化を行いたい場合がある。例
えば、商品の出荷を行う市場の選定の場合には、売り上
げが最大となる市場を選択する。また、パイプラインの
配管のラインの選定にあっては、建設費が最小となるラ
インを選定する。さらに、在庫管理システムでは、ある
条件を満たしつつ最小の量で管理することが望まれる。
また、複数の長さの素材を組み合わせて入力される長さ
の部材を設計するときに、素材の余りを最小化したい場
合もある。このような知識ベースを構築するため、実施
形態では、ある計算項目について最適化を行う知識ベー
スを構築する。
【0062】この最適化を行う例では、知識ベース入力
部6が、知識シート20内の計算項目に対する知識上の
最適化が計算手法として入力される最適化入力機能を備
えている。
【0063】しかも、実行時順序特定部14が、最適化
入力機能によって最適化が定められた計算項目である最
適化計算項目があるときには選択肢入力機能によって入
力された選択肢計算項目について全ての選択肢を選択す
る全選択肢選択機能と、この全選択肢選択機能によって
選択された選択肢別に最適化入力機能によって入力され
た最適化項目の計算手法を演算させる選択肢別演算機能
とを備えている。
【0064】さらに、実行部が、選択肢別演算機能によ
って演算された各選択肢ごとの演算結果から最適化条件
に適した値を最適値として出力する最適解選択機能を備
える。
【0065】この選択肢別演算機能により、選択肢別に
最適化入力機能によって入力された最適化項目の計算手
法を演算させるため、最適解を選択するための基礎とな
る複数の値が算出され、次いで、最適解選択機能が、各
選択肢ごとの演算結果から最適化条件に適した値を最適
値として出力する。このため、計算項目の値の最適化に
ついて、実行順序を考慮することなく、選択肢及び最適
化の条件を入力するだけで、知識ベースの作成及びその
実行が可能となる。
【0066】次に、図7に示す知識シート及び知識テー
ブルを例として、選択肢、知識条件、最適化、及び知識
テーブルを使用した知識ベースシステムの動作を詳細に
説明する。
【0067】ここでは、機械設計システムとして、与え
られた荷重に対して、たわみが100以下という条件で、
できるだけたわみ量の多いばねを予め定められた複数の
ばねから選択する知識ベースシステムの作成と実行をお
こなう。
【0068】まず、本実施形態での計算手法の記述例を
定義する。選択肢を表現するものとしては、次のものが
ある。「TAKENFROM 値1,値2」は、値1又は値2を選択す
る。「FOR 開始値 TO 終了値 STEP 刻み値」は、開始値
で指定された値から終了値に至るまで、刻み値ごとに値
を増加させる。TOではなくDOWNTOの場合には、刻み値ご
との降順となる。
【0069】知識条件は、大小を示す「>、<」等で表
現する。最適化は、「MINIMIZE(計算項目名)」とする
最小化と、「MAXIMIZE(計算項目名)」とする最大化と
がある。
【0070】知識テーブルの参照は、次の式で表す。
「SELECT テーブル用出力項目名 FROM 知識テーブル名
USING テーブル用条件名,テーブル用条件名」これは、
知識テーブル名で指定した知識テーブルから、テーブル
用出力項目名で指定した出力項目を、テーブル用条件名
を用いて参照することを意味する。図8に示す例では、
「SELECT 水の圧縮率 FROM 水の圧縮率表USING 気圧,
温度」となる。
【0071】図7(A)は、ばね形式表の一例を示す図
で、設計上選択すべきばねの種類が3種類のとき、それ
ぞれのばね形式に応じたばね定数とともに知識テーブル
38として知識をシステム化したものである。図7
(B)は、入力された荷重に応じて、たわみの最大化を
行いながら、ばねのたわみが100以下となる知識条件
の下で、図7(B)に示すばね形式を選択する知識が入
力された知識シートの例を示す図である。
【0072】図7(B)に示すように、計算項目「荷
重」が入力項目であるため、その計算項目名「荷重」
と、入出力の指定「入力」が知識シートに入力される。
「ばねのたわみ」は「荷重/ばね定数」であるため、こ
れを中間用(ローカル)の計算項目として入力する。こ
の「ばね定数」は図7(A)に示す知識テーブルである
「ばね形式表」を参照して値を得るため、select文によ
り参照を定義する。さらに、最終的な出力の目的は「ば
ね形式」であるため、これを「出力」とし、さらにtake
nfrom文により選択肢であることを表現する。「たわみ
の条件」は100以下であるため、数値演算として表現
する。そして、「たわみ最大」により最適化するため、
最適化を入力する。この最適化は、図7(B)に示す例
では、中間項目に対して最適化を指示している。
【0073】図7(B)に示すように、業務上の知識と
設計上の条件(知識条件)と最適化の指示を入力するだ
けで、知識ベースの作成が終了する。このとき、テーブ
ルの参照後に「ばねのたわみ」を算出する必要があると
か、最適化を行うため選択肢の全てを用いて演算を行う
等の実行順序に関する入力はなんら必要ない。
【0074】知識シート20と知識テーブル38が入力
されると、計算機命令生成部8は、属性情報16と計算
機命令18とを生成する。知識テーブル38の情報は、
知識シート20の翻訳時に用いられるため、本実施形態
では、知識テーブル38の入力を先に行う。
【0075】図9は知識テーブルをの属性情報16aの
例を示す説明図である。1つの知識テーブルからは、テ
ーブル属性記述、テーブル用入力条件記述、テーブル用
出力項目記述とが、知識テーブルの属性情報16aとし
て作成される。
【0076】計算機命令生成部8は、まず、テーブル属
性記述を作成する。テーブル属性記述にはテーブルの名
称、条件の数、出力項目の数などが格納される。次に、
知識テーブルへの入力となる条件値を格納するテーブル
用入力条件記述を作成する(上記の例では「ばね形式名
称」)。この条件記述は、実行装置が知識テーブルを実
行する際に参照される。
【0077】さらに、知識テーブルに設定された出力項
目の数だけ、テーブル用出力項目記述を作成する(上記
の例では、「ばね定数」)。テーブル用出力項目記述に
は出力項目の名称、データ型などが格納される。このテ
ーブル用出力項目記述には、各々の出力項目毎に出力変
数が記述される(上記の例では、0.5,1.04,1.92)。こ
の出力変数は、知識シートの実行時には計算済みの変数
として作成される。この出力変数には、その値算出のた
めの計算機命令として、テーブル用入力条件を参照した
計算機命令が付随する。図9に示す例での知識テーブル
の出力変数値と、その判定命令のPascal言語的な記述
と、翻訳された計算機命令とを図10に示す。
【0078】次に、知識シート20から属性情報16と
計算機命令18とを生成する例を説明する。知識シート
20から属性情報16と計算機命令18とを生成するた
め、計算機命令生成部8は、条件入力機能によって知識
条件が計算手法として入力された条件計算項目の一覧を
条件項目一覧情報として生成する条件項目一覧情報生成
機能と、最適化入力機能によって最適化が計算手法とし
て入力された最適化計算項目の一覧を最適化項目一覧情
報として生成する最適化項目一覧情報生成機能とを備え
ている。
【0079】これに応じて、実行時順序特定部14は、
計算機命令生成部8によって最適化項目一覧情報及び条
件項目一覧情報が属性情報として生成されたときには、
条件項目一覧情報によって特定される全ての条件計算項
目の条件を満たす計算結果を全ての選択肢が選択される
まで演算させる機能と、全ての条件計算項目を満たす一
以上の計算結果があるときに最適化計算項目を演算させ
る機能とを備える。
【0080】図11は知識シートの属性情報16bの一
例を示す説明図である。知識シートの属性情報16b
は、シート属性記述と、計算項目記述とを有する。シー
ト属性記述には、知識シートの名称、知識条件となって
いる条件項目の一覧、最適化項目となっている最適化項
目の一覧、計算項目の一覧が格納される。
【0081】さらに計算項目記述が作成される。計算項
目記述には計算項目名、未計算、計算済の識別、出力項
目の識別、最適化の有無、選択項目の識別、値計算のた
めの計算機命令が格納される。計算機命令を記述する個
々のコマンドを図12に、図11に対応する計算機命令
を図13に示す。
【0082】次に、図14を参照して知識シートの逐次
実行処理を説明する。シート属性記述に格納された計算
項目記述には、知識シートに含まれている計算項目の情
報が格納されている。この情報から、計算項目のデータ
型、選択項目の有無、および最適化の有無を判別する
(ステップS11)。
【0083】知識シートに選択項目が存在する場合、知
識シート内の全ての選択項目を初期化し、最初の選択項
目を計算済みの値として計算項目記述に記憶する(ステ
ップS12)。
【0084】シート属性記述の知識条件の一覧に格納さ
れた全ての計算項目についてその計算項目記述に格納さ
れている「計算機命令の実行」を行い、結果が真である
かどうかを判定する(ステップS14)。全ての結果が
真である場合には「出力項目の計算」を行う。その知識
シートで最適化が指定されている場合には「計算結果の
記憶」を行い、次の選択値が取り出せなくなるまで、
「次の選択値の生成」「知識条件の評価」「出力変数の
計算」「計算結果の記憶」を繰り返す。
【0085】シート属性記述の計算項目一覧に格納され
た計算項目のうち、シートからの出力と指定された計算
項目についてその計算項目記述に格納されている「計算
機命令の実行」を行い、計算結果を計算済みの値として
計算項目記述に記憶する(ステップS15)。
【0086】最適化が指定されている場合には(ステッ
プS16)、シート属性記述の計算項目一覧に格納され
た計算項目記述に記憶された値全てを一時的に割り当て
た記憶域に格納する(ステップS17)。
【0087】知識シート内の選択項目の値を順次、次の
候補に変更してゆく(ステップS18,S19)。この
処理では、設計シート内の選択項目の値の全ての組み合
わせを生成する。
【0088】一時的に割り当てた記憶域に格納されてい
る、全ての計算結果から、最適化を指定された計算項目
とその最適化の方法(最大、最小、操作員の任意)に基
づき、最終的な計算結果の組み合わせを決定する。具体
的には、まず、複数の選択肢によってステップS14で
定めた知識条件を満たす1以上の解が計算されたか否か
を確認する(ステップS21)。1以上の解が計算され
た場合には、最適計算結果の決定を行い(ステップS2
2)、知識ベースの実行に成功したとして処理を終了す
る。一方、設計条件を満たす選択肢がなかった場合に
は、失敗したとして処理を終了する。
【0089】また、ステップS22での最適化が2以上
定められた場合には、先の最適化を満たす複数の選択肢
から、次の最適化を満たす選択肢を選択する。
【0090】次に、計算機命令の実行を説明する。実行
装置4は、計算項目の値を求める必要が生じた場合に、
その項目の計算項目記述に格納された計算機命令列を指
定され、制御を渡される。実行装置4は、この計算機命
令を逐次実行する。
【0091】計算機命令は、図12に示すように、計算
項目の値のロード命令と演算命令とから構成される。さ
らに、値のロード命令は変数のロード命令と定数のロー
ド命令から構成される。本装置は、変数のロード命令を
実行するときに、ロードすべき計算項目の計算項目記述
を参照し、計算項目の値が計算済みであるか否かを判定
する。
【0092】計算項目の値が計算済みの場合には、その
値をロードする。計算項目の値が未計算の場合には、そ
の変数の値を求めるための計算機命令列を指示し、自身
(計算機命令の実行装置)に再帰的に制御を渡す。命令
の実行は、Fail命令(計算の失敗)あるいはStop命令
(計算の成功)が現れるまで行われる。
【0093】この計算機命令の実行を、図7に示す知識
シート「ばねの選択」にある知識条件「たわみの条件」の計
算を例に説明する。この計算機命令を図13に示す。 1) 「たわみの条件」の計算項目記述に格納された計算
機命令列を実行する。 2) 「Loadばねのたわみ」を実行する。変数「ばねのた
わみ」は未計算であるため、その値を求めなければなら
ない。 3) 「ばねのたわみ」の計算項目記述に格納された計算
機命令列を実行する。 4) 「Load荷重」を実行する。変数「荷重」は入力値で
あるのでその値を入力する。 5) 「Loadばね定数」を実行する。変数「ばね定数」は
未計算であるため、その値を求めなければならない。 6) 「ばね定数」の計算項目記述に格納された計算機命
令列を実行する。 7) 「LoadConstN テーブル出力項目記述識別値」を実
行する。 8) 「LoadConstN テーブル記述識別値」を実行する。 9) 「Loadばね形式」を実行する。変数「ばね形式」は
入力値であるのでその値を入力する。 10) 「SelectFromTable」を実行する。 11) 「Stop」を実行し、「ばねのたわみ」の計算に戻
る。 12) 「Diviede」を実行する。結果として「荷重÷ばね
定数」の値が得られる。 13) 「Stop」を実行し、「たわみの条件」の計算に戻
る。 14) 「LoadConstN 100」を実行する。 15) 「LessOrEqual」を実行する。結果として「ばねの
たわみ <= 100」の値が得られる。
【0094】このように計算項目の依存関係を遡及しな
がら計算機命令を実行するため、たわみの条件として数
値と大小とを入力するだけで、実行装置が自動的に実行
順序を特定しながら知識ベースの実行を行うことができ
る。
【0095】次に、他の有用な実施形態について説明す
る。この例では、実行部12に、当該実行部12によっ
て実行された計算機命令及び当該計算機命令の実行結果
を保存する実行結果保存部を併設する。すると、知識ベ
ースを用いて業務上の判断をした場合に、この判断の根
拠となる知識及び入力項目の値とを資料として保存して
おくことができ、このため、例えば、PL法対策などの
抗弁書作成時の元資料を電子的なデータとして保存して
おくことができる。
【0096】また、1つの知識シートで表現するには膨
大な数となる計算項目を用いて知識ベースを作成する場
合には、複数の知識ベースを関連づけるようにするとよ
い。また、1つの計算項目の算出に複数の解法がある場
合には、別々の知識シートで入力し、これを関連づける
とよい。
【0097】この実施形態では、知識ベース入力部6
が、知識シート間の実行順序を特定するシナリオ情報が
入力されるシナリオ入力機能と、このシナリオ入力機能
によって入力されたシナリオ中に知識シートの演算が失
敗したときの別解法となる知識シートが特定される別解
法入力機能とを備える。
【0098】しかも、この場合、実行時順序特定部14
が、シナリオ入力機能によって入力されたシナリオ情報
に基づいて当該シナリオ内の知識シートの実行順序を特
定するシナリオ別順序特定機能と、知識シートの実行が
失敗したときに当該失敗した知識シートに対して別解法
入力機能によって別解法となる知識シートが特定されて
いる場合には当該別解法となる知識シートを実行させる
別解法実行制御機能とを備える。
【0099】この別解法を入力する機能は、例えば、上
述したばね定数を求めるときに、「ばね形式」が入力さ
れる場合には図7(A)に示す知識テーブルにより特定
し、一方、「ばね形式」が不明の場合には図5に示す依
存関係を入力した知識シートを用いるなど、ひとつの計
算項目(例えば、「ばね定数」)に対して、その計算手
法が複数あるときに用いる。通常、このような複数解法
をシステム化する場合には、条件判断文を多用し実行順
序を詳細に考慮したプログラムを作成する必要がある
が、本実施形態では、個々の解法を個別の知識シートで
表現し、シナリオとして複数解法であることを明示する
だけで実現できる。
【0100】計算機命令生成部8は、シナリオ入力機能
によってシナリオが入力されると、その属性情報16と
して、シートセット記述、シート属性記述、計算項目記
述を生成する。シートセット記述には、シートセットの
名前、シートセットに含まれるシート属性記述の情報が
格納される。
【0101】本実施形態では、シナリオ情報によって知
識シートの実行順序が定まる。このため、シナリオ別順
序特定機能は、知識シートの実行順序を特定し、さら
に、1つの知識シートの実行によって計算済みとなった
計算項目の値を次に実行する知識シートに受け渡す。こ
の共通項目は、計算項目名が同一である全ての計算項目
を共通とするようにしても良く、また、知識シート内で
入出力対象とした計算項目を共通項目とするようにして
もよい。
【0102】各知識シートで入出力の対象とした項目の
みを共通項目とすると、この入出力の対象としない項目
については項目名を同一としても正常に動作する。ま
た、入出力の指定を行った場合にのみ知識シート間でそ
の値のメッセージ通信を行うこととすると、プログラム
に関する知識がない業務担当者による知識ベースであっ
ても、オブジェクト指向プログラミングでいうカプセル
化が実現でき、再利用性を飛躍的に高めることができ
る。
【0103】図15はシナリオが入力された時の実行時
順序特定部14の動作を示すフローチャートである。1
つのシナリオに複数のシートセットが含まれている場
合、実行装置は実行の対象となるシートセット名称を入
力し、シートセット記述を特定する。シートセット記述
には、最初に実行するシート属性記述の情報が格納され
ている。このシート属性記述を特定し、知識シートを逐
次実行させる。
【0104】図15に示すように、まず、先頭の知識シ
ートを実行する(ステップS31)。この実行に成功し
た場合(ステップS32)、シナリオの属性情報からシ
ートセット記述を読み出して、次に実行する知識シート
の有無を確認する(ステップS33)。次に実行する知
識シートがある場合には当該知識シートを実行し、一
方、知識シートがない場合にはシートセットの実行を終
了する。
【0105】ステップS31において、実行が成功しな
かった場合には(ステップS32)、別解法となる知識
シートを検索し、別解法となる知識シートがある場合に
はその知識シートを実行する。一方、別解法がない場合
には、シートセットの実行が失敗したとして処理を終了
する。
【0106】
【実施例】以下、上述した知識ベースシステムを用いて
作成した知識ベースの例を説明する。
【0107】図16乃至図29に示す実施例は、四国に
事業所を有する果物の卸業者が、複数の出荷市場がある
ときに、納期の条件を満たしながら、売り上げと必要な
運賃との関係から、利益が最大となる市場を選択するも
のである。
【0108】まず、この出荷市場の選択に関する業務知
識とその表現を図16乃至図23を参照して説明する。
この実施例では、「計算項目」を「設計変数」といい、
「計算手法」を「値の求め方」という。また、「知識条
件」を、ここでは「設計条件」という。
【0109】「入力商品」は、「いちご」と、「ぶど
う」と、「みかん」である。すなわち、この業務ではこ
の3種類の商品を扱う。「入力重量」は、知識ベースの
実行者に対して入力を要求する。日々の業務において、
この入力重量が変化する。
【0110】「納期要求」は、各商品ごとに異なる入荷
してから出荷するまでの納期の要求であり、これを知識
テーブルとして表現する。図17は各商品ごとの納期要
求の値を入力した知識テーブルの内容を示す図である。
ここでは、「いちご」は1日以内に、「みかん」は5日
以内に納品しなければならないという業務知識が入力さ
れている。
【0111】また、各商品ごとに運送時の取り扱いが異
なり、「取扱要求」に応じて割増運賃が必要になる。図
17に取扱種別を0〜2までの数値で表現した。この
「取扱要求」と「納期要求」は、select文により図17
に示す商品表から読み出す。
【0112】この業務知識では、選択肢として市場の候
補を扱う。しかし、この市場候補は文字列であるため、
選択肢であることの表現が冗長になりやすく、また、事
後的な変更の容易性を考慮して、ここでは、市場候補に
市場Noを付している。
【0113】図18は市場Noと市場候補の関係を入力
したテーブルの例を示す説明図である。市場候補をこの
ように定義することで、図16に示すように、市場候補
を選択肢として扱うことを、FOR文により表現してい
る。市場Noを1から8間で1刻みに増加させると、市
場No1から8までを選択させることとなり、この結
果、市場候補が選択肢であることを表現できる。
【0114】市場候補がselect文によりテーブル「市場
候補」から選択されるようにすると、次は、市場納期と
市場距離とを入力する。市場納期は、図19に示す相場
表2(納期)から読み出す。具体的には、北海道までは
3日、九州であれば2日必要であることを、このテーブ
ルに入力し、「市場候補」と「入力商品」とを用いて、
select文により「納期」を特定するようにする。市場距
離についても同様に、図20に示す相場表2(距離)か
ら読み出す。
【0115】ここで、市場納期は、商品に応じた納期要
求を満たさなければならないという条件を入力する。例
えば、図17に示す業務知識によると、商品「ぶどう」
は2日以内に納品しなければならない。一方、東北まで
配送するには、図19に示すように3日必要であるた
め、商品「ぶどう」については市場候補「東北」を選択
できないことになる。このような業務上の判断の条件や
制約を、ここでは数値の大小として図16に示す知識シ
ートに入力する。本実施例では、「市場納期<=納期要
求」と条件を入力するだけでよい。これは、市場納期は
納期要求以下でなければならないことを意味する。
【0116】次に、各市場ごとの相場を入力する。図2
1に示すように、市場候補及び商品に応じて、kg単価
を入力する。北海道ではいちごがkg当たり1500円
であることを意味する。設計変数「相場」は、入力商品
と市場候補から、select文により特定される。
【0117】売り上げは、相場×入力重量である。「入
力重量」は、業務に応じて日々変更するため、ユーザに
入力要求を行う。
【0118】次に、運賃の算出を行う。運賃は、基本運
賃と、割増運賃1と、割増運賃2との合計である。図2
2に示すように、基本運賃及び割増運賃1は距離に応じ
て定まるため、これをテーブルとして表現する。市場距
離は市場候補に依存して定まるため、基本運賃は市場距
離を用いてselect文により読み出す。割増運賃1は、割
増分について入力重量との関係で求められるため、割増
1単価を運賃表から読み出し、さらにこの割増1単価と
入力重量を用いて割増運賃1を求める。
【0119】割増運賃2は、商品の取扱方法と距離とに
より定まる。このため、市場距離と取扱要求とにより、
割増表から求める。運賃は、この基本運賃+割増運賃1
+割増運賃2となる。ここでは、市場候補の変更によ
り、再度運賃の算出をする点など、実行順序の入力は必
要ない。
【0120】利益は、売上−運賃と表現できる。この利
益については市場候補の選択肢の元で最適化を行う。こ
れは、MAXIMIZE文を用いることにより、利益の値を最大
にせよとの入力を行う。
【0121】また、業務知識を入力した後、基本運賃が
実際には入力重量毎の単価であったことに気づいたとす
る。この場合、本実施例では、単純に知識シートの最後
尾に基本運賃に関する依存関係を入力するだけで足り
る。すなわち、設計変数(計算項目)の入力順序はなん
ら限定されない。
【0122】このように、知識ベース入力部6によっ
て、業務知識が知識ベースとして入力される。これ以上
の詳細なプログラムを実行するための指定はなんら必要
とせず、この図16乃至図23に示す知識ベースの実行
は本実施例による知識ベースシステムが自動的に行う。
【0123】知識ベースシステムは、その計算機命令生
成部8が、知識シートと知識テーブル(テーブル)の内
容を計算機命令18と属性情報16に変換する。図24
は属性情報の生成の例を示す説明図である。図24に示
すように、本実施例のシナリオを実行すると、計算機命
令生成部8は、シート数や、テーブル数や、計算項目
(設計変数)の数などを読み取り、各値の求めかたやテ
ーブルの内容を計算機命令に翻訳する。
【0124】さらに、実行時順序特定部14は、まず、
設計条件が定められた項目である「納期条件」の演算を
させる制御をする。納期条件の判定には、「納期条件」
と依存関係にある「入力商品」の入力が必要となるた
め、実行部12は、図25に示す入力パネルを表示し、
入力を促す。さらに、実行時順序特定部14は、設計条
件を満たす場合には、最適化項目を選択するため、設計
条件を満たす全ての値を演算させる制御をする。このた
め、運賃の算出に必要となる入力重量の値を求める。こ
のとき、データ型を入力パネルに表示すると、ユーザの
誤入力が防止できる。
【0125】具体的な実行の経過を図27に示す。
【0126】この例では、本実施例による実行装置がそ
のままユーザと対話する形式としたが、実行装置に他の
アプリケーションとの通信機能を装備することで、より
多様な実行を行うことができる。この例では、実行部1
2に、計算機命令実行による計算項目を外部のアプリケ
ーションソフトウエアと入出力する外部通信機能を備え
る。
【0127】図28は一般的な表計算ソフトウエアをユ
ーザに対する入出力のインタフェースとする場合の例を
示す説明図である。商品名「ぶどう」と、重量「25
0」kgを入力すると、この入力項目が外部通信機能に
より本実施例による実行部に入力される。また、データ
の共有だけでなく、実行の指示等も通信する。この入力
に対する知識ベースの実行が終了すると、図29に示す
ように、表計算ソフトウエアに値が出力される。上述し
た業務知識によると、「ぶどう」が「250」kgのと
きには、近畿市場に出荷すると運賃との関係で利益が最
大となると演算された。
【0128】また、CADソフトウエアとアプリケーシ
ョン間通信を行うことで、例えば、建築基準に適合した
値をCADソフトウエアに逐次出力することができ、こ
のため、極めてラフな形状に対して、本実施例による知
識ベースを実行することで、種々の基準に適合した形状
そのものを自動的に生成することが可能となる。これ
は、見積を支援するソフトウエアや、レイアウトソフト
ウエアなどに対しても適用できる。
【0129】次に、別解法を有する実施例を図30乃至
図31を参照して説明する。図30は本実施例による知
識シート作成の基本画面の表示例を示す説明図である。
ここでは、宅配料金の算出を行う知識ベースが作成され
ている。図30に示すように、知識ベース入力部10
に、シナリオ入力機能によって入力されたシナリオ及び
別解法入力機能によって入力された別解法に基づいて知
識シート名をツリー状に表示する表示部を併設してい
る。
【0130】宅配料金の算出として、「一般」と「冷
蔵」では料金が異なる場合に、第1の「重量による算
出」シートにより「一般」の重量による算出を行い、第
2の「重量による算出(解法2)」で「冷蔵」の重量に
よる算出を行う。その後、地域による算出と、最適な箱
の算出とを行う。図30に示すツリー状の1つのボック
スは、1つの知識シートであることを示す。
【0131】また、本実施例では、「値集合」を用い
る。上述した市場出荷の例では、「みかん」等の入力は
ユーザの任意としたが、当該知識ベースで使用できる果
実は3種類であるため、この3種類を入力画面に表示
し、選択を受け付けるようにすると、より安定した処理
が可能となる。図30に示す例では、「一般」と「宅
配」とを「宅配区分」の値集合として入力を促すように
する。この場合、知識シートには、「SETOF 値集合名」
と入力する。
【0132】図31(A)はこの値集合の例を示す説明
図である。図31(B)に示すようにSETOF文を用いる
ことで、入力時に図31(A)に示す値集合の内容が表
示される。そして、本実施例では、宅配区分が冷蔵であ
るときには設計条件を満たさないこととなり、この場合
図31(C)に示す知識シートが実行される。
【0133】
【発明の効果】本発明は以上のように構成され機能する
ので、これによると、計算項目のそれぞれの値の求めか
たを他の計算項目との演算関係で定義された計算手法を
入力するのみで、実行上の順序の入力を必要とせずに、
知識ベースの構築を行うため、知識ベースの作成時に
は、実行順序を特定する必要がなく、このため、知識ベ
ースの作成者は、具体的な実行順序を意識することな
く、従って、プログラムを構築する際の詳細な知識を必
要とすることなく、計算項目とその計算手法を入力して
いくことで、知識ベースを作成することができ、一方、
知識ベースを実行するときには、実行時順序特定部が、
計算項目とその計算手法の演算関係に基づいて順次実行
順序を特定するため、このように実行順序が予め定めら
れていない知識ベースであっても、良好に実行すること
ができ、しかも、計算項目と計算手法で知識シートを構
成するため、事後的なメンテナンスや改変が極めて容易
となり、このように、業務知識を有する担当者自らが業
務知識をシステム化することができる従来にない優れた
知識ベースシステムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による知識ベースシステムの一実施形態
の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した知識ベース入力部に入力される知
識シートの一例を示す説明図である。
【図3】図1に示した計算機命令生成部によって生成さ
れる情報の一例を示す図で、図3(A)は計算機命令の
一例を示し、図3(B)は属性情報の一例を示す説明図
である。
【図4】図1に示した構成での動作を示すフローチャー
トである。
【図5】計算項目の依存関係を示す説明図である。
【図6】図5に示す依存関係に知識条件を付した例を示
す説明図である。
【図7】知識テーブルとこれを用いる知識シートの一例
を示す説明図であり、図7(A)は「ばね形式表」の知
識テーブルの一例を示す図で、図7(B)は「ばねの選
択」の知識シートの一例を示す図である。
【図8】テーブル用条件項目が2つある知識テーブルの
一例を示す説明図である。
【図9】図1に示す計算機命令生成部によって図7
(A)に示す知識テーブルから生成された知識テーブル
の属性情報の一例を示す説明図である。
【図10】図1に示す計算機命令生成部によって図7
(A)に示す知識テーブルから生成された計算機命令一
例を示す説明図である。
【図11】図1に示す計算機命令生成部によって図7
(B)に示す知識シートから生成された知識シートの属
性情報の一例を示す説明図である。
【図12】図1に示す計算機命令生成部によって生成さ
れる計算機命令で使用される言語の例を示す説明図であ
る。
【図13】図1に示す計算機命令生成部によって生成さ
れる図7(B)に示す知識シートの計算機命令の一例を
示す説明図である。
【図14】図7に示す例での知識ベースの実行例を示す
フローチャートである。
【図15】図1に示す知識ベース入力部にシナリオが入
力された場合の実行例を示すフローチャートである。
【図16】本発明の一実施例による知識シートの一例を
示す説明図である。
【図17】図16の知識シートから参照される商品表を
例示する説明図である。
【図18】図16の知識シートから参照される市場候補
を例示する説明図である。
【図19】図16の知識シートから参照される相場表2
(納期)を例示する説明図である。
【図20】図16の知識シートから参照される相場表2
(距離)を例示する説明図である。
【図21】図16の知識シートから参照される相場表2
(相場)を例示する説明図である。
【図22】図16の知識シートから参照される運賃表を
例示する説明図である。
【図23】図16の知識シートから参照される割増表を
例示する説明図である。
【図24】図16の知識シートの実行による属性情報の
生成の例を示す説明図である。
【図25】入力商品の入力要求の例を示す説明図であ
る。
【図26】入力重量の入力要求の例を示す説明図であ
る。
【図27】図16に示す知識シートの実行結果を示す説
明図である。
【図28】表計算ソフトウエアとの通信例を示す説明図
である。
【図29】図28に示す例の実行結果を示す説明図であ
る。
【図30】他の実施例による表示部の例を示す説明図で
ある。
【図31】図31(A)は値集合の一例を示す図で、図
31(B)は図30に示す「重量による算出」の例を示
す図で、図31(C)は「重量による算出(解法2)」
の例を示す図である。
【符号の説明】
2 知識ベース作成装置 4 知識ベース実行装置 6 知識ベース入力部 8 計算機命令生成部 10 知識ベース 12 実行部 14 実行時順序特定部 16 属性情報 18 計算機命令 20 知識シート 22 計算機命令 24 属性情報
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 公俊 東京都目黒区洗足2丁目26番15号 (72)発明者 川野邊 衛 東京都東大和市湖畔3丁目874番地の7

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 知識ベースが入力される知識ベース入力
    部と、この知識ベース入力部に入力された知識ベースに
    基づいて計算機命令を生成する計算機命令生成部とを備
    え、 前記知識ベース入力部が、外部出力の対象となる出力用
    の計算項目と、この計算項目を導くための入力用及び中
    間用の計算項目と、前記各計算項目のそれぞれの値の求
    めかたを他の計算項目との演算関係で定義された計算手
    法とがそれぞれ入力される領域を備え、 前記計算機命令生成部が、前記出力用の計算項目を算出
    するまでの各計算項目の演算関係の定義に基づいて前記
    計算機命令の実行順序を特定する作成時実行順序特定機
    能を備えたことを特徴とする知識ベース作成装置。
  2. 【請求項2】 知識ベースが定義された知識ベースデー
    タを記憶した知識ベース記憶部と、この知識ベース記憶
    部に格納された知識ベースを実行する知識ベース実行部
    とを備え、 前記知識ベースデータが、外部出力の対象となる出力用
    の計算項目と、この計算項目を導くための入力用及び中
    間用の計算項目と、前記各計算項目のそれぞれの値の求
    めかたを他の計算項目との演算関係で定義された計算手
    法とを有し、 前記知識ベース実行部が、前記出力用の計算項目を算出
    するまでの各計算項目の演算関係の定義に基づいて前記
    知識ベースの実行順序を特定する実行時実行順序特定機
    能と、この実行時実行順序特定機能によって特定された
    実行順序に基づいて前記知識ベースを実行する実行機能
    とを備えたことを特徴とする知識ベース実行装置。
  3. 【請求項3】 知識ベースを作成する知識ベース作成装
    置と、この知識ベース作成装置で作成された知識ベース
    を実行する知識ベース実行装置とを備え、 前記知識ベース作成装置が、知識ベースが入力される知
    識ベース入力部と、この知識ベース入力部に入力された
    知識ベースに基づいて計算機命令を生成する計算機命令
    生成部とを備え、 前記知識ベース入力部が、外部出力の対象となる出力用
    の計算項目と、この計算項目を導くための入力用及び中
    間用の計算項目と、前記各計算項目のそれぞれの値の求
    めかたを他の計算項目との演算関係で定義された計算手
    法とがそれぞれ知識シートとして入力される知識シート
    入力機能を備え、 前記計算機命令生成部が、前記知識シート入力機能によ
    って入力された前記知識シートに基づいて前記計算項目
    の属性に関する属性情報を生成すると共に前記計算手法
    を計算機命令に翻訳するシート翻訳機能を備え、 前記知識ベース実行装置が、前記シート翻訳機能によっ
    て生成された前記属性情報に基づいて前記計算機命令の
    実行順序を特定する実行時順序特定部と、この実行時順
    序特定部によって特定された実行順序に基づいて前記計
    算機命令を順次実行する実行部とを備えたことを特徴と
    する知識ベースシステム。
  4. 【請求項4】 前記実行時順序特定部が、前記各計算項
    目毎に計算済み又は未計算の属性を前記属性情報を用い
    て管理する計算状態属性管理機能と、前記実行部によっ
    て前記計算機命令が演算されるときに前記計算状態属性
    管理機能によって未計算とされる計算項目があるときに
    は当該未計算の計算項目の計算機命令の実行順序を繰り
    上げる未計算項目優先実行機能とを備えたことを特徴と
    する請求項3記載の知識ベースシステム。
  5. 【請求項5】 前記実行時順序特定部が、前記未計算項
    目優先実行機能によって実行する未計算項目の値の求め
    方が前記知識シート内で定義されていなかった場合には
    当該未計算項目の値の入力を促す制御をする入力要求制
    御機能を備えたことを特徴とする請求項4記載の知識ベ
    ースシステム。
  6. 【請求項6】 前記知識ベース入力部が、1以上のテー
    ブル用入力条件によって特定されるテーブル用出力項目
    が当該テーブル用入力条件とテーブル用出力項目との表
    形式で入力される知識テーブル入力機能と、この知識テ
    ーブル入力機能によって入力された知識テーブルを参照
    する値の特定が前記計算手法として入力される表参照項
    目入力機能とを備え、 前記計算機命令生成部が、前記知識テーブル入力機能に
    よって入力された知識テーブルを前記テーブル用入力条
    件別の複数のifなどの条件判断文からなる計算機命令
    に翻訳するテーブル翻訳機能を備え、 前記実行時順序特定部が、前記表参照計算項目入力機能
    によって入力された表参照計算項目を演算するときに前
    記テーブル翻訳機能によって翻訳された計算機命令を実
    行させる制御をする表参照制御機能を備えたことを特徴
    とする請求項3記載の知識ベースシステム。
  7. 【請求項7】 前記知識ベース入力部が、前記知識シー
    ト内の計算項目に対する知識上の条件が計算手法として
    入力される条件入力機能を備え、 前記実行時順序特定部が、前記条件入力機能によって知
    識条件が計算手法として入力された条件計算項目がある
    ときには当該条件計算項目の演算の順序を出力項目の演
    算よりも優先させる条件項目優先処理機能と、この条件
    項目優先処理機能によって実行制御された条件計算項目
    の演算結果が当該知識条件を満たす場合に前記出力項目
    の演算を実行させる出力項目実行制御機能と、前記条件
    計算項目の演算結果が当該知識条件を満たさない場合に
    は計算が失敗したとして実行を終了させる失敗時終了制
    御機能とを備えたことを特徴とする請求項3記載の知識
    ベースシステム。
  8. 【請求項8】 前記知識ベース入力部が、前記知識シー
    ト内の計算項目の値について選択肢又は値の増減が計算
    手法として入力される選択肢入力機能を備え、 前記実行時順序特定部が、前記条件入力機能によって入
    力された条件計算項目があるときに当該条件計算項目の
    演算結果が当該知識条件を満たさない場合には前記選択
    肢入力機能によって入力された選択肢を順次入れ替えて
    当該条件計算項目の演算を再度実行させる選択肢選択制
    御機能を備えたことを特徴とする請求項7記載の知識ベ
    ースシステム。
  9. 【請求項9】 前記知識ベース入力部が、前記知識シー
    ト内の計算項目に対する知識上の最適化が計算手法とし
    て入力される最適化入力機能を備え、 前記実行時順序特定部が、前記最適化入力機能によって
    最適化が定められた計算項目である最適化計算項目があ
    るときには前記選択肢入力機能によって入力された選択
    肢計算項目について全ての選択肢を選択する全選択肢選
    択機能と、この全選択肢選択機能によって選択された選
    択肢別に前記最適化入力機能によって入力された最適化
    項目の計算手法を演算させる選択肢別演算機能とを備
    え、 前記実行部が、前記選択肢別演算機能によって演算され
    た各選択肢ごとの演算結果から前記最適化に適した値を
    最適値として出力する最適解選択機能を備えたことを特
    徴とする請求項8記載の知識ベースシステム。
  10. 【請求項10】 前記計算機命令生成部が、前記条件入
    力機能によって知識条件が前記計算手法として入力され
    た条件計算項目の一覧を条件項目一覧情報として生成す
    る条件項目一覧情報生成機能と、前記最適化入力機能に
    よって最適化が前記計算手法として入力された最適化計
    算項目の一覧を最適化項目一覧情報として生成する最適
    化項目一覧情報生成機能とを備え、 前記実行時順序特定部が、前記計算機命令生成部によっ
    て前記最適化項目一覧情報及び前記条件項目一覧情報が
    前記属性情報として生成されたときには、前記条件項目
    一覧情報によって特定される全ての条件計算項目の条件
    を満たす計算結果を全ての選択肢が選択されるまで演算
    させる機能と、前記全ての条件計算項目を満たす1以上
    の計算結果があるときに前記最適化計算項目を演算させ
    る機能とを備えたことを特徴とする請求項9記載の知識
    ベースシステム。
  11. 【請求項11】 前記実行部に、当該実行部によって実
    行された計算機命令及び当該計算機命令の実行結果を保
    存する実行結果保存部を併設したことを特徴とする請求
    項3記載の知識ベースシステム。
  12. 【請求項12】 前記知識ベース入力部が、前記知識シ
    ート間の実行順序を特定するシナリオ情報が入力される
    シナリオ入力機能と、このシナリオ入力機能によって入
    力されたシナリオ中に知識シートの演算が失敗したとき
    の別解法となる知識シートが特定される別解法入力機能
    とを備え、 前記実行時順序特定部が、前記シナリオ入力機能によっ
    て入力されたシナリオ情報に基づいて当該シナリオ内の
    知識シートの実行順序を特定するシナリオ別順序特定機
    能と、前記知識シートの実行が失敗したときに当該失敗
    した知識シートに対して前記別解法入力機能によって別
    解法となる知識シートが特定されている場合には当該別
    解法となる知識シートを実行させる別解法実行制御機能
    とを備えたことを特徴とする請求項3記載の知識ベース
    システム。
  13. 【請求項13】 前記知識ベース入力部に、前記シナリ
    オ入力機能によって入力されたシナリオ及び前記別解法
    入力機能によって入力された別解法に基づいて前記知識
    シート名をツリー状に表示する表示部を併設したことを
    特徴とする請求項12記載の知識ベースシステム。
  14. 【請求項14】 前記知識ベース入力部が、前記計算項
    目と計算手法とを要素とするスプレッドシートで入力さ
    れるスプレッドシート型入力機能を備えたことを特徴と
    する請求項3記載の知識ベースシステム。
  15. 【請求項15】 前記実行部に、前記計算機命令実行に
    よる計算項目を外部のアプリケーションソフトウエアと
    入出力する外部通信機能を備えたことを特徴とする請求
    項5記載の知識ベースシステム。
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