JPH10222944A - 磁気記録媒体及び磁気記録再生装置並びにディスク成型用金型の作製方法 - Google Patents

磁気記録媒体及び磁気記録再生装置並びにディスク成型用金型の作製方法

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JPH10222944A
JPH10222944A JP18016797A JP18016797A JPH10222944A JP H10222944 A JPH10222944 A JP H10222944A JP 18016797 A JP18016797 A JP 18016797A JP 18016797 A JP18016797 A JP 18016797A JP H10222944 A JPH10222944 A JP H10222944A
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JP
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width
groove
track
land
magnetic
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JP18016797A
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Nobuhiro Nagano
信広 永野
Hiroshi Uchiyama
浩 内山
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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  • Adjustment Of The Magnetic Head Position Track Following On Tapes (AREA)
  • Moving Of The Head To Find And Align With The Track (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 サーボ信号に対応したピットが形成されると
ともに、記録トラックに沿ってグルーブが形成された磁
気記録媒体として、記録再生時に磁気ヘッドの浮上量変
動が少なくて済み、オフトラック特性に優れた磁気記録
媒体を提供する。 【解決手段】 サーボ信号に対応した凹凸が形成される
とともに、記録トラックに沿ってグルーブ3が形成され
た磁気記録媒体において、グルーブ3とグルーブ3の間
の凸部であるランド4の幅Lwと、グルーブ3の幅Gw
との比Lw/Gwを2.0以上とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トラッキング制御
用の案内溝であるグルーブが形成された磁気記録媒体に
関するとともに、そのような磁気記録媒体に対して記録
再生を行う磁気記録再生装置に関する。また、磁気記録
媒体の基板の原盤であるディスク成型用金型の作製方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気記録媒体の分野において、更なる高
記録密度化を図るために、サーボ信号に対応したピット
を予め形成した磁気記録媒体の開発が進められている。
ここで、サーボ信号に対応したピットとは、サーボ信号
に応じて磁気記録媒体の基板成型時に予め形成される凹
凸のことである。
【0003】このようなピットが形成された磁気記録媒
体では、記録再生に使用する前に、それらの凹部と凸部
とで極性が逆となるように着磁し、これにより、サーボ
信号を書き込む。このようなピットは非常に微細に精度
良く形成することが容易にできるので、このようにサー
ボ信号に応じたピットを予め基板に形成しておくことに
より、サーボ信号を非常に精度良く書き込むことが可能
となる。すなわち、記録トラックに対してサーボ信号を
非常に正確な位置に書き込むことが可能となり、その結
果、従来の磁気記録媒体に比べて容易に高密度記録化を
図ることが可能となる。なお、以下の説明では、このよ
うなサーボ信号が書き込まれる領域のことをサーボゾー
ンと称する。
【0004】このようなピットが形成された磁気記録媒
体では、通常、記録トラックに沿ってグルーブが形成さ
れる。ここで、グルーブとは、記録トラックに沿って形
成される溝状の凹部のことであり、サーボゾーン以外の
領域に形成される。すなわち、グルーブは、記録トラッ
クのうち、ユーザによってデータの記録再生がなされる
領域に沿って形成される。そして、グルーブとグルーブ
の間の凸部はランドと呼ばれており、ユーザによって記
録再生されるデータは、主にランドの部分に記録され
る。なお、以下の説明では、このようなグルーブが形成
され、ユーザによってデータの記録再生がなされる領域
のことをデータゾーンと称する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】磁気記録媒体に対して
磁気ヘッドを用いて記録再生する際は、磁気記録媒体上
に磁気ヘッドを配して、磁気記録媒体を高速に回転させ
る。このとき、磁気ヘッドは、回転によって生じる空気
の流れの影響により、僅かに浮上する。そして、磁気記
録媒体に対して安定に記録再生を行うためには、この浮
上量を一定にすることが望まれる。
【0006】しかしながら、上述のようにピットやグル
ーブが形成された磁気記録媒体では、媒体表面に凹凸が
あるため、磁気ヘッドの浮上量を一定とすることは困難
である。特に、サーボゾーンとデータゾーンを有する磁
気記録媒体では、ピットが形成された領域であるサーボ
ゾーンにおける凸部と凹部の比率と、グルーブが形成さ
れた領域であるデータゾーンにおける凸部と凹部の比率
とが異なるため、サーボゾーン上における磁気ヘッドの
浮上量と、データゾーン上における磁気ヘッドの浮上量
とは異なるものとなる。
【0007】ここで、ピットの高さは、従来のハードデ
ィスク装置等において記録媒体上に形成されているテク
スチャーの高さと同等かそれ以上であり、また、ピット
の大きさも、数μm程度であり、テクスチャーと同等程
度である。したがって、ピットが形成された領域である
サーボゾーンにおける凸部と凹部の比率と、グルーブが
形成された領域であるデータゾーンにおける凸部と凹部
の比率とが異なるような磁気記録媒体は、テクスチャー
が不均一に形成されたような状態となる。
【0008】この結果、上述のように、サーボゾーン上
における磁気ヘッドの浮上量と、データゾーン上におけ
る磁気ヘッドの浮上量とが異なるものとなり、記録再生
時に磁気ヘッドの浮上量に変動が生じ、安定した記録再
生を行なうことが難しくなる。このような問題は、ピッ
トが予め形成された磁気記録媒体に固有の問題であり、
全面にわたって平面とされた磁気記録媒体では起こり得
ないことである。すなわち、ピットやグルーブを予め形
成しておくような磁気記録媒体においては、磁気ヘッド
の浮上量変動を抑えることが大きな課題となっている。
【0009】そして、グルーブを形成してデータゾーン
に凹凸を付けたような磁気ヘッドでは、凹凸の影響によ
って磁気ヘッドの浮上量が変化し、これにより、オフト
ラック特性も大きく変化する。このことは、凹部である
グルーブの部分では、磁気ヘッドとの距離が大きくな
り、出力が小さくなることからも容易に想像できる。し
たがって、グルーブを形成してデータゾーンに凹凸を付
けたような磁気ヘッドでは、グルーブの影響によってオ
フトラックマージンが少なくなってしまうのを防ぐ必要
がある。
【0010】本発明は、以上のような従来の実情に鑑み
て提案されたものであり、サーボ信号に対応したピット
が形成されるとともに、記録トラックに沿ってグルーブ
が形成された磁気記録媒体であって、記録再生時に磁気
ヘッドの浮上量変動が少なくて済み、オフトラック特性
に優れた磁気記録媒体を提供すること、並びに、そのよ
うな磁気記録媒体に対して記録再生を行う際に好適な磁
気記録再生装置を提供することを目的としている。ま
た、上述のような磁気記録媒体の基板を作製する際に好
適なディスク成型用金型の作製方法を提供することを目
的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】浮上する磁気ヘッドによ
って磁気記録媒体に対してデータを記録再生する際、そ
の記録再生特性と、磁気ヘッドの浮上量との関係は、計
算によって求めることができる。例えば、Williams-Com
stockらによる“An Analytical Model of theWrite Pro
cess in Digitak Magnetic Recording”17th Annu. AIP
Conf.Proc. Part 1,738-742, 1990に記載されているよ
うに、浮上する磁気ヘッドによって磁気記録媒体に対し
てデータを記録する際のスペーシング量、すなわち磁気
ヘッドと磁気記録媒体との間の距離に基づいて、磁気記
録媒体の磁化の遷移幅を計算することが可能であり、こ
れから、記録された信号を再生したときの出力を推定す
ることができる。
【0012】すなわち、このような計算により、ピット
やグルーブが形成されたような磁気記録媒体であって
も、磁気記録媒体上の任意の場所から得られる再生信号
の出力の大きさを知ることが可能である。したがって、
例えば、新規にデータを記録したトラックからの再生信
号と、ノイズとなる信号との比を求めることができる。
ここで、ノイズとなる信号とは、例えば、新規にデータ
を記録したトラックに隣接したトラックからの信号や、
データを記録したトラックに残存している古いデータに
起因する信号等である。そして、本発明者は、このよう
な計算により、ピットやグルーブが形成された磁気記録
媒体に関し、再生信号とノイズの比と、ピットやグルー
ブの形状との関係等についての検討を行った。
【0013】ところで、磁気記録媒体から得られる再生
信号の出力は、当然の事ながら、凸状の部分からの出力
が最も大きく、次いで、凸状の部分と凹状の部分との間
の段差部分からの出力が大きく、凹状の部分からの出力
が最も小さくなるが、記録再生特性を調べるときには、
このような各部分から得られる出力の大小を考慮するだ
けでなく、当該再生出力がデータ再生可能な適正な信号
となっているかを吟味する必要がある。そこで、本発明
者は、後述するように、ピットやグルーブの形状の異な
る複数の磁気記録媒体を作製して、実際にそれらのビッ
トエラーレートを測定し、ビットエラーレートが十分に
小さくなる条件を調べた。
【0014】以上のような検討の結果、本発明者は、ピ
ットやグルーブが形成された磁気記録媒体において、オ
フトラック特性は、グルーブとグルーブの間の凸部であ
るランドの幅Lwと、グルーブの幅Gwとの割合に大き
く依存しており、これらの比Lw/Gwを適切な値とす
ることにより、オフトラック特性を向上することができ
ることを見いだした。
【0015】本発明は、このような知見に基づいて成さ
れたものであり、本発明に係る磁気記録媒体は、サーボ
信号に対応した凹凸が形成されるとともに、記録トラッ
クに沿ってグルーブが形成された磁気記録媒体であっ
て、グルーブとグルーブの間の凸部であるランドの幅L
wと、グルーブの幅Gwとの比Lw/Gwが2.0以上
であることを特徴とするものである。ここで、トラック
ピッチをTpとし、上記ランドと上記グルーブの境界に
おける斜面部分の幅をtとしたとき、上記比Lw/Gw
は、下記式(1−1)で示す範囲内であることが好まし
く、具体的には、上記比Lw/Gwは7.26以下であ
ることが好ましい。なお、このような比Lw/Gwの規
定は、グルーブとランドの段差が100nm以上あるよ
うな磁気記録媒体に対して特に好適である。
【0016】 Lw/Gw≦(4/5×Tp+t)/(1/5×Tp−t)・・・(1−1) 一方、本発明に係る磁気記録再生装置は、記録トラック
に沿ってグルーブが形成された磁気記録媒体に対して磁
気記録を行う記録用磁気ヘッドを備え、上記記録用磁気
ヘッドのトラック幅Tが、グルーブとグルーブの間の凸
部であるランドの幅Lw以上であり、トラックピッチT
pとグルーブの幅Gwの合計以下であることを特徴とす
るものである。
【0017】ここで、上記ランドの幅をLw、上記グル
ーブの幅をGw、上記トラックピッチをTp、磁気記録
時のサーボエラーマージンをEmとしたとき、上記記録
用磁気ヘッドのトラック幅Tは、下記式(1−2)で示
す範囲内であることが好ましい。
【0018】 Lw+Em×2≦T≦Tp+Gw−Em×2 ・・・(1−2) また、本発明のディスク成型用金型の作製方法は、基材
上に金属材料を被着して金属膜を形成する金属膜形成工
程と、上記金属膜形成工程で形成された上記金属膜上に
フォトレジストを塗布し、フォトレジストを所定のパタ
ーンに応じて露光および現像することにより、ピット及
び/又はグルーブ相当部だけを残したレジストパターン
を形成するカッティング工程と、上記カッティング工程
で残された上記フォトレジストをマスクとして上記金属
膜に反応性イオンエッチングを施し、上記金属膜のうち
上記フォトレジストの上記ピット及び/又はグルーブ相
当部と対応する部分を凸状に形成してディスク成型用金
型とするエッチング工程とを備えることを特徴とする。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明を適用した具体的な
実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明す
る。なお、本発明は以下の例に限定されるものではな
く、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、材料や形状等を
任意に変更可能であることは言うまでもない。
【0020】本実施の形態に係る磁気記録媒体は、プラ
スチックからなる2.5インチ径のディスク基板上に磁
気記録層が形成された磁気ディスクであり、図1に示す
ように、サーボ信号に対応したピット1が形成されたサ
ーボゾーン2と、記録トラックに沿ってグルーブ3が形
成されたデータゾーン4とを有している。なお、図1に
おいて、黒い部分が凸部を示しており、その他の部分が
凹部を示している。
【0021】そして、この磁気ディスクは、記録再生を
行う前に、それらの凹部と凸部とで極性が逆となるよう
に着磁する。これにより、サーボゾーン2に形成された
ピット1の部分にサーボ信号が書き込まれる。
【0022】この磁気ディスクにおいて、データゾーン
4には、図1のA−A線における断面図である図2に示
すように、所定のトラックピッチTpにてグルーブ3が
形成されており、グルーブ3とグルーブ3の間の丘状の
領域がランド4となる。ここで、グルーブ3は、グルー
ブ3とランド4の段差t0が100nm以上となるよう
に形成する。そして、この磁気ディスクでは、ランド4
の中心がトラック中心となり、データ信号は、ランド4
の部分を中心として記録される。
【0023】そして、本発明を適用した磁気ディスクで
は、ランド4の幅Lwと、グルーブの幅Gwとの比Lw
/Gwを2.0以上とする。ここで、ランド4やグルー
ブ3を完全に矩形状に形成することは困難であり、通常
は、図2に示すように、ランド4とグルーブ3の境界が
斜面になっている。そこで、以下の説明では、図2に示
すように、ランド4の上面部分の幅をt1、グルーブ3
の底面部分の幅をt2、ランド4とグルーブ3の境界に
おける斜面部分の幅をt3とし、ランド4とグルーブ3
の境界における斜面の中心をランド4とグルーブ3の境
界とする。すなわち、本明細書では、t1+t3をランド
4の幅と称し、このランド4の幅をLwとしており、ま
た、t2+t3をグルーブ3の幅と称し、このグルーブ3
の幅をGwとしている。
【0024】以上のような磁気ディスクについて、ラン
ド4の幅Lwとグルーブ3の幅Gwとの比Lw/Gw
と、オフトラック特性との関係を調べるために、ランド
4の幅Lwやグルーブ4の幅Gwを変えて複数の磁気デ
ィスクを作製した。
【0025】ここで、ディスク基板の凹凸パターンは、
光ディスクの作製において通常使用されている方法と同
様の方法を用いて形成した。すなわち、先ず、基準面と
なるガラス基板の表面にフォトレジストを塗布し、この
フォトレジスト上にカッティングデータに基づいてグル
ーブパターンの露光を行った。そして、グルーブパター
ンを露光した後、フォトレジストを現像し、グルーブパ
ターンに対応したレジストパターンを形成した。次に、
レジストパターン上にNiメッキを施し、その後、この
Niメッキをレジストパターンから剥離するとともに、
その裏面を研磨して所望の厚みに整えた。これがディス
ク基板の原盤となるディスク成型用金型となる。そし
て、このディスク成型用金型を用いて射出成型を行うこ
とにより、上述のようなディスク基板を作製した。
【0026】ただし、このようにディスク基板を作製す
るにあたって、グルーブ3は、ディスク基板の全面にわ
たって形成するのではなく、ディスク基板の半径20.
0mmから25.0mmの間の部分にだけ形成し、その
他の部分は平坦なままとした。
【0027】そして、後述するオフトラック特性の評価
では、グルーブ3が形成された磁気ディスクにおけるオ
フトラック特性を、半径24.0mmのところで測定し
た。また、後述するオフトラック特性の評価では、オフ
トラック特性を平坦な磁気ディスクにおけるオフトラッ
ク特性と比較するが、平坦な磁気ディスクにおけるオフ
トラック特性については、上述のように形成したディス
ク基板上の平坦な部分、すなわちディスク基板の半径2
0.0mmから25.0mmの間以外の部分におけるオ
フトラック特性を調べることで代用した。
【0028】そして、以上のように作製したディスク基
板上に、Arをスパッタガスとして用いたスパッタリン
グ法により、磁気記録層を形成した。ここで、磁気記録
層は、磁性層の下地となる下地層と、Crからなる膜厚
0.5mmの中間層が中間に配された磁性層と、磁性層
を保護するために保護層とを、この順に積層して形成し
た。そして、このような磁気記録層上に更に潤滑剤層を
形成して、磁気ディスクとした。
【0029】具体的には、下地層は、スパッタガス圧を
0.1Pa、成膜速度を2nm/secとして、Crを
10nm成膜して形成した。また、磁性層は、スパッタ
ガス圧を0.1Pa、成膜速度を2nm/secとし
て、Co64Pt20Cr16を24nm成膜して形成した。
また、保護層は、スパッタガス圧を0.5Pa、成膜速
度を0.5nm/secとして、Cを13nm成膜して
形成した。また、潤滑剤層は、FomblinZ−Do
lをdipping法により、膜厚が2nm程度となる
ように形成した。
【0030】なお、以上のように作製された磁気ディス
クについて、その磁気記録層の磁気特性を、振動試料型
磁力計(VSM)を用いて測定したところ、残留磁化厚
みMr・t=9mA、保磁力Hc=167kA/m、保
磁力角形比S*=0.8であった。
【0031】以上のような磁気ディスクについて、ラン
ド4の幅Lwやグルーブ3の幅Gwを変えたときの特性
を調べるために、第1乃至第3の実施例として、ランド
4の幅Lwとグルーブ3の幅Gwとの比Lw/Gwを
2.0以上とした磁気ディスクを作製するとともに、比
較例として、ランド4の幅Lwとグルーブ3の幅Gwと
の比Lw/Gwを2.0未満とした磁気ディスクを作製
した。なお、以下の実施例及び比較例において、グルー
ブ4やランド3の形状を示す数値は、原子間力顕微鏡
(AFM)を用いて実際に出来上がった磁気ディスクに
形成されたグルーブ4やランド3の形状を実測した値で
ある。
【0032】実施例1 本実施例の磁気ディスクにおいて、グルーブ3とランド
4の段差t0は100nm、ランド4の上面の幅t1
2.3μm、ランド4とグルーブ3の境界における斜面
部分の幅t3は0.3μm、グルーブ3の底面の幅t3
0.9μmである。このとき、ランド4の幅Lw=t1
+t3は2.6μmであり、グルーブ3の幅Gw=t2
3は1.2μmであり、これらの比Lw/Gwは2.
17である。
【0033】実施例2 本実施例の磁気ディスクにおいて、グルーブ3とランド
4の段差t0は100nm、ランド4の上面の幅t1
2.5μm、ランド4とグルーブ3の境界における斜面
部分の幅t3は0.3μm、グルーブ3の底面の幅t3
0.7μmである。このとき、ランド4の幅Lw=t1
+t3は2.8μmであり、グルーブ3の幅Gw=t2
3は1.0μmであり、これらの比Lw/Gwは2.
80である。
【0034】実施例3 本実施例の磁気ディスクにおいて、グルーブ3とランド
4の段差t0は100nm、ランド4の上面の幅t1
2.8μm、ランド4とグルーブ3の境界における斜面
部分の幅t3は0.3μm、グルーブ3の底面の幅t3
0.4μmである。このとき、ランド4の幅Lw=t1
+t3は3.1μmであり、グルーブ3の幅Gw=t2
3は0.7μmであり、これらの比Lw/Gwは4.
43である。
【0035】比較例1 本比較例の磁気ディスクにおいて、グルーブ3とランド
4の段差t0は100nm、ランド4の上面の幅t1
2.0μm、ランド4とグルーブ3の境界における斜面
部分の幅t3は0.3μm、グルーブ3の底面の幅t3
1.2μmである。このとき、ランド4の幅Lw=t1
+t3は2.3μmであり、グルーブ3の幅Gw=t2
3は1.5μmであり、これらの比Lw/Gwは1.
53である。
【0036】オフトラック特性の評価 以上のように作製した磁気ディスクに対して実際に記録
再生を行い、それらのオフトラック特性を測定した。
【0037】ここで、記録再生には、記録用磁気ヘッド
として機能するインダクティブ型磁気ヘッドと、再生用
磁気ヘッドとして機能する磁気抵抗効果型磁気ヘッドと
を組み合わせた複合磁気ヘッドを使用した。そして、イ
ンダクティブ型磁気ヘッドからなる記録用磁気ヘッドに
は、トラック幅が3.8μm、磁気ギャップの間隔が
0.5μmのものを使用し、磁気抵抗効果型磁気ヘッド
からなる再生用磁気ヘッドには、トラック幅が3.0μ
m、磁気抵抗効果素子を挟持する磁気シールドの間隔が
0.36μmのものを使用した。
【0038】また、上記複合磁気ヘッドは、磁気ディス
クに対する当たりを確保するために、いわゆる50%ナ
ノスライダーに組み込んで使用した。ここで、当該スラ
イダーのスライダー長は2.0mm、スライダー幅は
1.6mmとした。そして、記録再生は、磁気ディスク
を線速7.36m/secにて回転させて行った。この
とき、複合磁気ヘッドの浮上量は約60nmとなる。
【0039】そして、オフトラック特性の測定は、図3
に示すように、記録用磁気ヘッドを用いて磁気ディスク
にデータD1,D2,D3,D4,D5を書き込んだ
後、再生用磁気ヘッド10でデータD3を再生すること
により行った。
【0040】すなわち、先ず、オフトラック特性の測定
の対象となるトラック(以下、記録トラックと称す
る。)から、図3中のt11,t12に示すように、それぞ
れ1.52μmずらした左右2つのトラックに、記録用
磁気ヘッドを用いて仮のデータD1,D2を書き込ん
だ。
【0041】次に、記録トラックに、検出するべきデー
タD3を、記録用磁気ヘッドを用いて書き込んだ。この
とき、記録トラックに書き込まれた部分の幅t13は、記
録用磁気ヘッドのトラック幅Tに相当し、3.8μmで
ある。なお、記録トラックに記録したデータD3のデー
タ長は9628Bytesとした。
【0042】次に、記録用磁気ヘッドを、記録トラック
の中心からトラックピッチTpの95%に相当する分の
幅だけずらして、隣接した左右2つのトラックにデータ
D4,D5を上書きした。すなわち、図3中のt14,t
15に示すように、記録トラックの中心から3.6μmだ
け離れた左右2つのトラックに、記録用磁気ヘッドを用
いてデータD4,D5を上書きした。
【0043】そして、以上のようにデータが書き込まれ
た領域に対して、トラック幅t16が3.0μmの再生用
磁気ヘッド10を、記録トラックの中心から少しづつず
らしながら再生を繰り返し行い、再生されたデータと、
元の記録データとを比較して、ビットエラーレートを測
定した。ここで、ビットエラーレートの基準は10-7
した。すなわち、10-7のビットエラーレートを満足す
る最大オフトラック量を評価の基準とした。なお、以下
の説明では、10-7のビットエラーレートを満足する最
大オフトラック量のことを、単に最大オフトラック量と
称する。そして、グルーブ3が形成されておらずディス
ク表面が平面の場合、最大オフトラック量は約1.3μ
mであった。
【0044】比較例として作製した磁気ディスクについ
て、上述のようにビットエラーレートを測定した結果を
図4に示す。なお、図4において、横軸は、オフトラッ
ク量、すなわち再生用磁気ヘッドのずれ量について、記
録トラックに対して左側に再生用磁気ヘッド10がずれ
たときに最大オフトラック量を示す位置を0として示し
ている。
【0045】図4からも分かるように、比較例の磁気デ
ィスクでは、最大オフトラック量が約1.28μmであ
った。このように、比較例の磁気ディスクでは、グルー
ブ3が形成されておらずディスク表面が平面のときより
も最大オフトラック量が小さくなっており、オフトラッ
ク特性が悪くなってしまっている。
【0046】そして、実施例1乃至実施例3として作製
した磁気ディスクについても同様に最大オフトラック量
を測定した。それらの測定結果を比較例とともにグラフ
にまとめたものを図5に示す。
【0047】なお、図5において、横軸はランド4の上
面の幅t1を示しており、縦軸は最大オフトラック量を
示している。そして、H1が比較例の磁気ディスク、J
1が実施例1の磁気ディスク、J2が実施例2の磁気デ
ィスク、J3が実施例3の磁気ディスクをそれぞれ示し
ている。
【0048】そして、ディスク表面が平面の場合のとき
の最大オフトラック量は約1.3μmであったので、デ
ィスク表面が平面の場合よりもオフトラック特性が向上
するのは、ランド4の上面の幅t1が約2.23μm以
上のときであることが図5から分かる。
【0049】ランド4の上面の幅t1が2.23μmと
いうのは、ランド4の幅Lw=t1+t3が2.26μ
m、グルーブ3の幅Gw=t2+t3が1.27μmに相
当し、これらの比Lw/Gwは1.99となる。すなわ
ち、この比Lw/Gwが、約2.0以上であれば、ディ
スク表面が平面の場合のときよりも最大オフトラック量
が大きくなり、オフトラック特性が向上することとな
る。
【0050】以上のことから、ランド4の幅Lwとグル
ーブ3の幅Gwとの比Lw/Gwが約2.0以上のとき
にオフトラック特性が向上することが分かったが、この
ような特性は、少なくともランド4の全体が記録用磁気
ヘッドによってカバーされたときに始めて実現される。
そして、記録用磁気ヘッドがランド4を必ずカバーする
ためには、ランド4の幅Lwよりも記録用磁気ヘッドの
トラック幅Tが大きいことが必要である。したがって、
グルーブ3が形成された磁気ディスクに対して記録再生
を行う磁気記録再生装置では、記録用磁気ヘッドのトラ
ック幅Tを、ランド4の幅Lwよりも大きくすることが
必要となる。
【0051】一方、図6に示すように、記録用磁気ヘッ
ド11のトラック幅Tが、ランド4の幅Lwと、ランド
4の右側に形成されたグルーブ3の幅Gwと、ランド4
の左側に形成されたグルーブ3の幅Gwとの合計よりも
大きくなると、必ず隣のトラックのランド4の部分にも
データを書き込むようになってしまう。ここで、ランド
4の幅Lwとグルーブ3の幅Gwとの合計は、トラック
ピッチTpに相当する。したがって、記録用磁気ヘッド
11のトラック幅Tは、トラックピッチTpとグルーブ
3の幅Gwの合計以下であることも必要である。
【0052】以上をまとめると、記録トラックに沿って
グルーブ3が形成された磁気ディスクに対して磁気記録
を行う記録用磁気ヘッドを備えた磁気記録再生装置で
は、記録用磁気ヘッドのトラック幅Tが、ランド4の幅
Lw以上であり、且つ、トラックピッチTpとグルーブ
3の幅Gwの合計以下であることが望ましい。
【0053】更に、実際の磁気記録再生装置を考える
と、記録用磁気ヘッドのトラック幅Tがランド4の上面
の幅t1と同じでは、書き込み時に記録用磁気ヘッドに
サーボエラーが生じたときに、直ぐにランド4の部分を
カバーできなくなってしまう。したがって、ランド4の
部分を十分にカバーするためには、記録時のサーボエラ
ーを加味して、記録用磁気ヘッドのトラック幅Tを、ラ
ンド4の上面の幅t1よりも、若干広くしておいたほう
が好ましく、具体的には、記録用磁気ヘッドのトラック
幅Tに、記録時のサーボエラーマージンの2倍程度の幅
を加えたおいたほうが好ましい。
【0054】したがって、記録時のサーボエラーマージ
ンをEmとしたとき、記録用磁気ヘッドのトラック幅T
は、下記式(2−1)を満たすようにすることが好まし
い。
【0055】t1+Em×2≦T ・・・(2−1) 一方、記録用磁気ヘッドのトラック幅Tが広すぎると、
隣接するトラックのランド4の部分に侵入してしまうた
め、当該トラック幅Tは、トラックピッチTpにグルー
ブ3の幅Gwを加えたものよりも小さくする必要があ
る。そして、このときも、記録時のサーボエラーを加味
する必要があり、記録用磁気ヘッドのトラック幅Tは、
下記式(2−2)を満たすようにすることが好ましい。
【0056】 T≦Tp+Gw−Em×2 ・・・(2−2) したがって、上記式(2−1)及び(2−2)から、記
録用磁気ヘッドのトラック幅Tは、下記式(2−3)を
満たすように設定することが好ましいこととなる。
【0057】 Lw+Em×2≦T≦Tp+Gw−Em×2 ・・・(2−3) ところで、上述のように、サーボエラーに関わらず記録
用磁気ヘッドがランド4の部分をカバーするようにする
ためには、記録用磁気ヘッドのトラック幅Tを(t1
Em×2)以上とする必要がある。そして、通常の磁気
記録再生装置では、記録用磁気ヘッドのサーボエラーマ
ージンは、トラックピッチTpの1/10以下程度が目
安となる。したがって、記録用磁気ヘッドのトラック幅
Tは、(t1+Tp/5)以上とする必要がある。
【0058】そして、隣接するトラックのランド4の部
分に記録用磁気ヘッドが侵入することは許されないの
で、トラック幅Tが(t1+Tp/5)とされた記録用
磁気ヘッドを用いる場合には、図7からも分かるよう
に、下記式(2−4)を満たす必要がある。
【0059】 t3+t2+t3≧Tp/5 ・・・(2−4) ここで、ランド4の幅Lwは(t1+t3)で表され、グ
ルーブ3の幅Gwは(t2+t3)で表されるので、上記
式(2−4)から、ランド4の幅Lwとグルーブ3の幅
Gwとの比Lw/Gwは、下記式(2−5)を満たす必
要があることが分かる。
【0060】 Lw/Gw≦(4/5×Tp+t3)/(1/5×Tp−t3) ・・・(2−5) そして、上述の例では、トラックピッチTp=3.8μ
mであり、ランド4とグルーブ3の境界における斜面部
分の幅t3=0.3μmであるので、上記式(2−5)
から、ランド4の幅Lwとグルーブ3の幅Gwとの比L
w/Gwは、7.26以下であることが好ましいことと
なる。
【0061】ただし、上記式(2−5)は、トラックピ
ッチTpの値に関わらず、一般に言えることである。し
たがって、本発明は、トラックピッチTpを3.8μm
とした上述の各実施例に限定されるものではない。
【0062】なお、このような比Lw/Gwの規定は、
図8に示すように、ランド101とグルーブ102の境
界における斜面103と、ランド101とのなす角度θ
が90゜以上、105゜以下であるような磁気ディスク
に対して特に好適である。θが90゜以上、105゜以
下のとき、オフトラック特性がより優れた磁気ディスク
が得られる。
【0063】後述するように、このような磁気ディスク
の基板は射出成型により作製されるため、θが90゜以
下にはならない。またθが105゜以上であると、オフ
トラック特性が悪くなってしまう。
【0064】θが90゜以上、105゜以下である磁気
ディスクの基板は、以下のようなディスク成型用金型を
用いて射出成型することにより作製される。
【0065】上記ディスク成型用金型は、基材と基材上
に形成された金属膜とからなる。そして上記ディスク成
型用金型の作製方法は、金属膜形成工程と、カッティン
グ工程と、エッチング工程とを備える。
【0066】金属膜形成工程では、基材上に金属材料を
被着して金属膜を形成し、この金属膜表面に研磨を施し
鏡面とする。
【0067】この金属材料としては、イオンプラズマに
対して反応性を有するものが好ましく、具体的にはTi
などがあげられる。
【0068】カッティング工程では、上記金属膜形成工
程で形成された上記金属膜上にフォトレジストを塗布
し、上記フォトレジストを所定のパターンに応じて露光
および現像する。上記所定のパターンに応じてピット及
びグルーブ相当部だけを残したレジストパターンが形成
される。
【0069】エッチング工程では、上記カッティング工
程で残された上記フォトレジストをマスクとして、上記
金属膜に反応性イオンエッチングを施す。上記金属膜の
うち上記フォトレジストの上記ピット及びグルーブ相当
部と対応する部分が凸状に形成されてディスク成型用金
型となる。
【0070】上記反応性イオンエッチングは、BCl3
などの反応性ガスプラズマを利用し、金属膜の金属との
化学反応によりエッチングを行う化学的エッチングであ
る。
【0071】Tiは、BCl3などの気体との化学反応
によりエッチングが可能である。そして本発明のように
基材にTi膜を形成した場合、イオンを金属膜上に叩き
付けて溝をほる従来の物理的エッチングに比べて、反応
性イオンエッチングは凹凸をよりシャープに形成するこ
とができる。
【0072】以上のような方法により、ディスク成型用
金型を作製した。このディスク成型用金型を用いて射出
成型によりディスク基板を作製し、ディスク基板上に磁
気記録層を形成して磁気ディスクを作製した。
【0073】実施例4 まず、Arをスパッタガスとして用いたスパッタリング
法により、基材上にTi膜を形成した。
【0074】具体的には、真空度5×10-5Pa、スパ
ッタガス圧0.2Pa、投入電力800W、成膜速度1
0μm/3000sの条件下で行った。
【0075】次に、その表面に研磨を施し鏡面とした上
記Ti膜上に、フォトレジストを塗布した。
【0076】上記フォトレジストを所定のパターンに応
じて露光および現像することにより、所定のパターンに
応じてピット及びグルーブ相当部だけを残したレジスト
パターンを形成した。
【0077】残された上記フォトレジストをマスクとし
て、上記Ti膜にエッチングを施した。上記Ti膜のう
ち上記フォトレジストの上記ピット及びグルーブ相当部
と対応する部分を凸状に形成してディスク成型用金型と
した。
【0078】具体的には、エッチングは、BCl3の反
応性ガスプラズマイオンによる化学的エッチングであ
る。ArとBCl3との圧力比は1:5、ガス圧2×1
-4Torr、イオンビームの入射角75゜、加速電圧
100mA/300V、マグネット電流2Aの条件下で
行った。
【0079】このようにして作製されたディスク成型用
金型を用いてプラスチックを射出成型することによりデ
ィスク基板を作製した。
【0080】そして、以上のように作製したディスク基
板上に、Arをスパッタガスとして用いたスパッタリン
グ法により、磁気記録層を形成した。ここで、磁気記録
層は、磁性層の下地となる下地層と、Crからなる膜厚
0.5mmの中間層が中間に配された磁性層と、磁性層
を保護するために保護層とを、この順に積層して形成し
た。そして、このような磁気記録層上に更に潤滑剤層を
形成して、磁気ディスクとした。
【0081】具体的には、下地層は、スパッタガス圧を
0.1Pa、成膜速度を2nm/secとして、Crを
10nm成膜して形成した。また、磁性層は、スパッタ
ガス圧を0.1Pa、成膜速度を2nm/secとし
て、Co64Pt20Cr16を24nm成膜して形成した。
また、保護層は、スパッタガス圧を0.5Pa、成膜速
度を0.5nm/secとして、Cを13nm成膜して
形成した。また、潤滑剤層は、FomblinZ−Do
lをdipping法により、膜厚が2nm程度となる
ように形成した。
【0082】なお、以上のように作製された磁気ディス
クについて、その磁気記録層の磁気特性を、振動試料型
磁力計(VSM)を用いて測定したところ、残留磁化厚
みMr・t=9mA、保磁力Hc=167kA/m、保
磁力角形比S*=0.8であった。
【0083】実施例4の磁気ディスクにおいて、グルー
ブ102とランド101の段差t100は200nm、ラ
ンド101の上面の幅t101は3.77μm、ランド1
01とグルーブ102の境界における斜面103の幅t
103は0.03μm、グルーブ102の底面の幅t102
0.97μmである。このとき、ランド101の幅Lw
=t101+t103は3.80μmであり、グルーブ102
の幅Gw=t102+t103は1.00μmであり、これら
の比Lw/Gwは3.80である。
【0084】なお、グルーブ102やランド101の形
状を示す数値は、原子間力顕微鏡(AFM)を用いて実
際に出来上がった磁気ディスクに形成されたグルーブ1
02やランド101の形状を実測した値である。
【0085】比較例2 まず、Arをスパッタガスとして用いたスパッタリング
法により、基材上にIr膜を形成した。
【0086】具体的には、真空度5×10-5Pa、スパ
ッタガス圧0.2Pa、投入電力800W、成膜速度1
0μm/3000sの条件下で行った。
【0087】次に、その表面に研磨を施し鏡面とした上
記Ir膜上に、フォトレジストを塗布した。
【0088】上記フォトレジストを所定のパターンに応
じて露光および現像することにより、所定のパターンに
応じてピット及びグルーブ相当部だけを残したレジスト
パターンを形成した。
【0089】残された上記フォトレジストをマスクとし
て、上記Ir膜にエッチングを施した。上記Ir膜のう
ち上記フォトレジストの上記ピット及びグルーブ相当部
と対応する部分を凸状に形成してディスク成型用金型と
した。
【0090】具体的には、エッチングは、イオンを叩き
つけて溝を掘る物理的エッチングであり、Ar圧2×1
-4Torr、イオンビームの入射角75゜、加速電圧
100mA/300V、マグネット電流2Aの条件下で
行った。
【0091】このようにして作製されたディスク成型用
金型を用いてプラスチックを射出成型することによりデ
ィスク基板を作製した。
【0092】そして、以上のように作製したディスク基
板上に、実施例と同様にして磁気記録層を形成し、磁気
記録層上に更に潤滑剤層を形成して、磁気ディスクとし
た。
【0093】比較例2の磁気ディスクにおいて、グルー
ブ102とランド101の段差t100は200nm、ラ
ンド101の上面の幅t101は3.38μm、ランド1
01とグルーブ102の境界における斜面103の幅t
103は0.56μm、グルーブ102の底面の幅t102
0.30μmである。このとき、ランド101の幅Lw
=t101+t103は3.94μmであり、グルーブ102
の幅Gw=t102+t103は0.86μmであり、これら
の比Lw/Gwは4.58である。
【0094】オフトラック特性の評価 以上のように作製した磁気ディスクに対して実際に記録
再生を行い、それらのオフトラック特性を測定した。
【0095】ここで、記録再生には、記録用磁気ヘッド
として機能するインダクティブ型磁気ヘッドと、再生用
磁気ヘッドとして機能する磁気抵抗効果型磁気ヘッドと
を組み合わせた複合磁気ヘッドを使用した。そして、イ
ンダクティブ型磁気ヘッドからなる記録用磁気ヘッドに
は、トラック幅が4.4μm、磁気ギャップの間隔が
0.5μmのものを使用し、磁気抵抗効果型磁気ヘッド
からなる再生用磁気ヘッドには、トラック幅が3.6μ
m、磁気抵抗効果素子を挟持する磁気シールドの間隔が
0.36μmのものを使用した。
【0096】また、上記複合磁気ヘッドは、磁気ディス
クに対する当たりを確保するために、いわゆる50%ナ
ノスライダーに組み込んで使用した。ここで、当該スラ
イダーのスライダー長は2.0mm、スライダー幅は
1.6mmとした。そして、記録再生は、磁気ディスク
を線速7.36m/secにて回転させて行った。この
とき、複合磁気ヘッドの浮上量は約60nmとなる。
【0097】そして、オフトラック特性の測定は、図9
に示すように、記録用磁気ヘッドを用いて磁気ディスク
にデータD101,D102,D103,D104,D
105を書き込んだ後、再生用磁気ヘッド104でデー
タD103を再生することにより行った。
【0098】すなわち、先ず、オフトラック特性の測定
の対象となるトラック(以下、記録トラックと称す
る。)から、図9中のt111,t112に示すように、それ
ぞれ1.92μmずらした左右2つのトラックに、記録
用磁気ヘッドを用いて仮のデータD101,D102を
書き込んだ。
【0099】次に、記録トラックに、検出するべきデー
タD103を、記録用磁気ヘッドを用いて書き込んだ。
このとき、記録トラックに書き込まれた部分の幅t113
は、記録用磁気ヘッドのトラック幅Tに相当し、4.4
μmである。なお、記録トラックに記録したデータD1
03のデータ長は8528Bytesとした。
【0100】次に、記録用磁気ヘッドを、記録トラック
の中心からトラックピッチTpの95%に相当する分の
幅だけずらして、隣接した左右2つのトラックにデータ
D104,D105を上書きした。すなわち、図9中の
114,t115に示すように、記録トラックの中心から
4.56μmだけ離れた左右2つのトラックに、記録用
磁気ヘッドを用いてデータD104,D105を上書き
した。
【0101】そして、以上のようにデータが書き込まれ
た領域に対して、トラック幅t116が3.6μmの再生
用磁気ヘッド104を、記録トラックの中心から少しづ
つずらしながら再生を繰り返し行い、再生されたデータ
と、元の記録データとを比較して、ビットエラーレート
を測定した。ここで、ビットエラーレートの基準は10
-7とした。すなわち、10-7のビットエラーレートを満
足する最大オフトラック量を評価の基準とした。
【0102】実施例4の磁気ディスク、比較例2の磁気
ディスクについて、オフトラック量を測定した結果をそ
れぞれ図10、図11に示す。
【0103】また、図12は、ランド101上面の幅t
101に対する最大オフトラック量の理論曲線である。実
線Aおよび実線Bは、それぞれ実施例4および比較例2
のディスク成型用金型を用いて作製された磁気ディスク
についての理論曲線である。また、実線Cは、表面が平
面である磁気ディスクについての理論曲線である。
【0104】比較例2の磁気ディスクは、ランド上面の
幅t101が3.38μmであり、最大オフトラック量が
1.34μmであった。この結果は図12の理論曲線と
ほぼ一致している。図12より、比較例2の磁気ディス
クは、表面が平面の磁気ディスクよりも最大オフトラッ
ク量がかなり小さく、オフトラック特性が悪くなってし
まった。
【0105】一方、実施例4の磁気ディスクは、ランド
上面の幅t101が3.77μmであり、最大オフトラッ
ク量が1.59μmであった。この結果は図12の理論
曲線とほぼ一致している。図12より、実施例4の磁気
ディスクは、表面が平面の磁気ディスクよりも最大オフ
トラック量が大きく、優れたオフトラック特性が得られ
た。
【0106】比較例2および実施例4の結果は、図12
の理論曲線とほぼ一致しており、ランド上面の幅t101
を変えて同様に実験を行っても、理論曲線と近似した結
果が得られるものと類推される。
【0107】図12からも明らかなように、Ti膜を形
成し、反応性イオンエッチングにより作製されたディス
ク成型用金型を用いて作製された磁気ディスクは、表面
が平面の磁気ディスクよりも優れたオフトラック特性を
もつことがわかった。
【0108】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、記録トラックに沿ってグルーブが形成された
磁気記録媒体として、記録再生時に磁気ヘッドの浮上量
変動が少なくて済み、オフトラック特性に優れた磁気記
録媒体、並びに、そのような磁気記録媒体に対して記録
再生を良好に行うことができる磁気記録再生装置を提供
することができる。そして、本発明によれば、オフトラ
ック特性を改善できるので、更なる高トラック密度化を
図ることが可能となる。さらに、本発明によれば、ピッ
トやグルーブが予め形成された磁気ディスクに、ディス
ク表面が平面のときよりも優れたオフトラック特性を付
与することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用した磁気ディスクの一例につい
て、そのデータゾーン及びサーボゾーンの凹凸の様子を
模式的に示す平面図である。
【図2】図1のA−A線におけるデータゾーン及びサー
ボゾーンの凹凸の様子を模式的に示す断面図である。
【図3】ビットエラーレート測定時の記録パターンを模
式的に示す図である。
【図4】再生用磁気ヘッドのオフトラック量と、ビット
エラーレートとの関係を測定した結果を示す図である。
【図5】ランド上面の幅t1と、最大オフトラック量と
の関係を示した図である。
【図6】トラック幅Tが大きすぎる記録用磁気ヘッド
と、ランド及びグルーブとの関係を示す図である。
【図7】トラック幅Tが(t1+Tp/5)とされた記
録用磁気ヘッドと、ランド及びグルーブとの関係を示す
図である。
【図8】本発明を適用した磁気ディスクの一例につい
て、そのデータゾーン及びサーボゾーンの凹凸の様子を
模式的に示す断面図である。
【図9】ビットエラーレート測定時の記録パターンを模
式的に示す図である。
【図10】再生用磁気ヘッドのオフトラック量と、ビッ
トエラーレートとの関係を測定した結果を示す図であ
る。
【図11】再生用磁気ヘッドのオフトラック量と、ビッ
トエラーレートとの関係を測定した結果を示す図であ
る。
【図12】ランド上面の幅t101と、最大オフトラック
量との関係を示した図である。
【符号の説明】
1 ピット、 2 サーボゾーン、 3 グルーブ、
4 データゾーン、10 再生用磁気ヘッド、 11
記録用磁気ヘッド、 Lw ランドの幅、Gw グルー
ブの幅、 t1,t101 ランド上面の幅、 t2,t102
グルーブ底面の幅、 t3,t103 ランドとグルーブ
の境界における斜面部分の幅

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 サーボ信号に対応した凹凸が形成される
    とともに、記録トラックに沿ってグルーブが形成された
    磁気記録媒体において、 グルーブとグルーブの間の凸部であるランドの幅Lw
    と、グルーブの幅Gwとの比Lw/Gwが2.0以上で
    あることを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 トラックピッチをTpとし、上記ランド
    と上記グルーブの境界における斜面部分の幅をtとした
    とき、 Lw/Gw≦(4/5×Tp+t)/(1/5×Tp−
    t) であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  3. 【請求項3】 上記比Lw/Gwが7.26以下である
    ことを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記グルーブと上記ランドの段差が10
    0nm以上であることを特徴とする請求項1記載の磁気
    記録媒体。
  5. 【請求項5】 上記ランドと上記グルーブの境界におけ
    る斜面部分と、上記ランドとのなす角度が90゜以上、
    105゜以下であることを特徴とする請求項1記載の磁
    気記録媒体。
  6. 【請求項6】 記録トラックに沿ってグルーブが形成さ
    れた磁気記録媒体に対して磁気記録を行う記録用磁気ヘ
    ッドを備え、 上記記録用磁気ヘッドのトラック幅Tが、グルーブとグ
    ルーブの間の凸部であるランドの幅Lw以上であり、ト
    ラックピッチTpとグルーブの幅Gwの合計以下である
    ことを特徴とする磁気記録再生装置。
  7. 【請求項7】 上記ランドの幅をLw、上記グルーブの
    幅をGw、上記トラックピッチをTp、磁気記録時のサ
    ーボエラーマージンをEmとしたとき、上記記録用磁気
    ヘッドのトラック幅Tが、 Lw+Em×2≦T≦Tp+Gw−Em×2 であることを特徴とする請求項6記載の磁気記録再生装
    置。
  8. 【請求項8】 基材と基材上に形成された金属膜とから
    なるディスク成型用金型を作製するに際し、 基材上に金属材料を被着して金属膜を形成する金属膜形
    成工程と、 上記金属膜形成工程で形成された上記金属膜上にフォト
    レジストを塗布し、フォトレジストを所定のパターンに
    応じて露光および現像することにより、ピット及び/又
    はグルーブ相当部だけを残したレジストパターンを形成
    するカッティング工程と、 上記カッティング工程で残された上記フォトレジストを
    マスクとして、上記金属膜に反応性イオンエッチングを
    施し、上記金属膜のうち上記フォトレジストの上記ピッ
    ト及び/又はグルーブ相当部と対応する部分を凸状に形
    成してディスク成型用金型とするエッチング工程と、 を備えることを特徴とするディスク成型用金型の作製方
    法。
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