JPH10223481A - 電解コンデンサ - Google Patents

電解コンデンサ

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JPH10223481A
JPH10223481A JP4170597A JP4170597A JPH10223481A JP H10223481 A JPH10223481 A JP H10223481A JP 4170597 A JP4170597 A JP 4170597A JP 4170597 A JP4170597 A JP 4170597A JP H10223481 A JPH10223481 A JP H10223481A
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JP
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separator
capacitor
electrolytic capacitor
electrolytic solution
electrolytic
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Application number
JP4170597A
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Toshitaka Yoshioka
利恭 吉岡
Makoto Shimizu
誠 清水
Takahito Ito
隆人 伊藤
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Nippon Chemi Con Corp
Original Assignee
Nippon Chemi Con Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長寿命特性、および高過電圧特性を有し、か
つ、小型化が可能な電解コンデンサの提供する。 【解決手段】 ポリビニルアルコールが付着したセパレ
ータを介して、陰極箔および表面に形成されたピットの
径が0.1μm以上の陽極箔を巻回してコンデンサ素子
を形成し、このコンデンサ素子がエチレングリコールを
含む電解コンデンサ用の電解液に接触するとともに、電
解液がゲル化することによって、陽極箔のピットの内部
まで誘電体皮膜との密着性のよいゲル状電解質が得ら
れ、寿命特性、過電圧特性が向上する。また、電解液が
40重量%以下のほう酸を含有する場合は、さらに過電
圧特性が向上する。さらに、厚みの薄いセパレータを用
いることができるので、小型化が図れる。また、低密度
のセパレータを用いることができるので、tanδを低
くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電解コンデンサに
関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の電解コンデンサは、アルミニウム
などの弁金属箔の表面積をエッチング処理によって拡大
し、誘電体層を形成して陽極とし、エッチング処理を施
した同種または他の金属の箔を陰極とし、セパレータ
(電解紙)を両極間に配置した構造となっている。
【0003】このセパレータは、陽極箔と陰極箔がショ
ートするのを防止し、併せてこの電解液を保持するもの
であり、クラフト紙、マニラ紙等の薄く低密度の紙が用
いられている。
【0004】そして、リード線を接合した陽極箔と陰極
箔をセパレータを介して重ね合わせ、巻回してコンデン
サ素子を作成し、このコンデンサ素子にセパレータを含
浸させ、ケースに入れて封口し、電解コンデンサが製造
される。
【0005】このような従来の電解コンデンサにおいて
は、電解液が液状であるため、長期あるいは高温で使用
すると、電解液が封口材を透過して蒸発し、静電容量の
低下、tanδの上昇等、特性の劣化をきたしていた。
【0006】また、このように、電解コンデンサは、シ
ョート防止の発セパレータを両極間に配置しているの
で、このセパレータを薄くすれば、両極間の距離が短く
なり、電解コンデンサ素子の外径を小さくでき、コンデ
ンサを小型化できる。しかしながら、セパレータを薄く
しすぎると、両極が接近しすぎることになり、両極がシ
ョートしてしまうので、現状では、セパレータとしてど
のような材質のものを用いても、両極間の距離を40μ
m以下にすることは困難であり、電解コンデンサの小型
化には限界があった。
【0007】また、近年、過電圧印加時において、ショ
ート、発火などの発生のない安全な電解コンデンサの要
求が高まり、さらに過電圧特性の良好な電解コンデンサ
が望まれていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上のような液状電解
液の問題点を改良する方法として、電解液をゲル化する
方法が提案されており、ゲル化剤としては、ゼラチン、
セルロース等の天然物の他、ポリビニルアルコール、ポ
リメタクリル酸メチル、ポリエチレンオキシド等の合成
高分子が知られている。一方、適量のポリビニルアルコ
ールを添加することによって、電解液の耐電圧が向上す
ることが知られている。
【0009】本発明は、この点に着眼し、ポリビニルア
ルコールをゲル化剤として用い、電解液のゲル化による
液状電解液の問題点の解決と過電圧特性の向上を同時に
図る研究の結果なされたもので、長寿命特性、および高
過電圧特性を有し、かつ、小型化が可能な電解コンデン
サの提供をその目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本発明は、ポリビニルアルコールが付着したセパレ
ータを介して、陰極箔および表面に形成されたピットの
径が0.1μm以上の陽極箔を巻回してコンデンサ素子
を形成し、このコンデンサ素子がエチレングリコールを
含む電解コンデンサ用の電解液に接触するとともに、電
解液がゲル化していることを特徴としている。
【0011】また、電解コンデンサ用電解液が40重量
%以下のほう酸を含有することを特徴とする。
【0012】さらに、セパレータに付着されるポリビニ
ルアルコールの付着量が0.1〜50.0g/m2 であ
ることを特徴とする。
【0013】また、セパレータの密度が0.15〜0.
9g/cm2 であることを特徴とする。
【0014】さらにセパレータの厚みが20〜150μ
mであることを特徴とする。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明にあたって、ポリビニルア
ルコール(以下PVA)をゲル化剤として添加した電解
液を作成し、この電解液を巻回したコンデンサ素子に含
浸し、ケースに封入した後に、加熱して電解液をゲル化
させてアルミニウム電解コンデンサを作成した。そし
て、このコンデンサの諸特性を調査したところ、静電容
量が低く、tanδが高く、耐電圧の向上も見られない
という結果が得られた。そこで、この現象は、ゲル化し
た電解質が誘電体皮膜へ良好な状態で密着していないこ
とが原因であると考えて、本発明にいたったものであ
る。
【0016】すなわち、本発明の電解コンデンサは、ポ
リビニルアルコールが付着したセパレータを介して、陰
極箔および表面に形成されたピットの径が0.1μm以
上の陽極箔を巻回してコンデンサ素子を形成し、このコ
ンデンサ素子がエチレングリコールを含む電解コンデン
サ用の電解液に接触するとともに、電解液がゲル化して
いる。すなわち、本発明では、陽極箔のピットに含浸し
た電解液に、セパレータに付着させたPVAが接触し
て、PVAと電解液中のエチレングリコールによりゲル
化する。この際に、陽極箔の表面のピットの径が0.1
μm以上に形成されているので、ゲルがピット内部まで
進行するのに十分な空隙が存在し、ピットの内部にまで
PVAが浸透して誘電体皮膜との密着性の良いゲルを形
成することができるものと考えられる。このように、本
発明による電解コンデンサにおいては、誘電体と密着面
積が広く、かつ、密着性の良好な電解質が形成されの
で、静電容量、tanδとも良好な特性が得られる。ま
た、過電圧特性も電解液のみで作成した電解コンデンサ
よりも向上する。さらに、電解液のゲル化によって、電
解液中の溶媒の蒸発が抑制され、高温負荷試験後の静電
容量変化、tanδ特性も向上する。
【0017】また、電解液が40%以下のほう酸を含有
した場合は、さらに、過電圧特性が向上する。
【0018】そして、過電圧特性が向上することによっ
て、セパレータの密度を低くくしてもショートが発生す
ることがなくなり、その結果、コンデンサのtanδを
低くすることができる。また、電解液のゲル化によって
陽極箔と陰極箔が接触することがなくなるので、セパレ
ータを薄くすることができ、小型化が可能になる。
【0019】次に、本発明をさらに詳しく説明する。
【0020】本発明に用いる陰極箔は通常の電解コンデ
ンサに使用するアルミニウム等の金属箔であればよい。
【0021】また、陽極箔は以下のように作成したもの
を用いる。電解コンデンサ用の金属箔を酸性溶液中で、
通電処理して、金属箔の表面にピットを生成させ、その
後に、高温の酸性溶液中での化学溶解によってピットの
径を拡大させて表面積を拡大するエッチングを行う。次
いで、このエッチング箔を前処理し、ほう酸、りん酸等
の酸あるいはこれらの塩の水溶液中で、所定の電圧にい
たるまで電圧を印加し、所定の電圧に達してからはこの
電圧を一定時間保持し、その後に減極処理を行い、再度
電圧を印加して、金属箔に誘電体酸化皮膜を形成する。
この際には、エッチングによって拡大された金属箔の表
面に酸化皮膜が形成されるので、ピット内部にも酸化皮
膜が形成される。したがって、酸化皮膜形成後の陽極箔
のピットの径は、エッチング後の金属箔のピットの径よ
りも小さくなる。本発明においては、この陽極箔の酸化
皮膜が形成された後のピットの径が、0.1μm以上の
ものを用いる。
【0022】セパレータには、不織布、マニラ紙、クラ
フト紙、セルロース紙等が使用され、また、ガラス、合
成高分子の繊維を用いたセパレータを使用することもで
きる。セパレータの密度は、0.15〜0.9g/cm
2 であり、好ましくは、0.15〜0.65g/cm2
である。この範囲未満ではセパレータの強度が不十分で
あり、この範囲を越えると、コンデンサのtanδが大
きくなる。また、セパレータの厚みは、20〜150μ
mであり、好ましくは20〜80μmである。この範囲
未満では、強度が不十分であり、この範囲を越えると、
tanδが大きくなる。
【0023】セパレータに付着させるPVAは、市販の
PVAを用いることができ、重合度は、400〜350
0、けん化度については、75mol%の部分けん化し
たものから、99.5mol%以上の完全けん化したも
のを用いることができる。
【0024】そして、セパレータにPVAを付着させる
方法としては、PVA粉末をセパレータに混抄する方
法、すなわち、セパレータの原料のパルプにPVA粉末
を添加して混合し、この混合物を抄紙機で抄造する方
法、PVAの水溶液にセパレータを浸漬するか、もしく
は塗布した後に加熱、減圧等で乾燥する方法などが挙げ
られる。
【0025】電解液は、エチレングリコールが含まれた
電解コンデンサ駆動用電解液を用いる。そして、電解液
にはエチレングリコールが含まれていればよく、その他
の溶媒を併用してもよい。その溶媒としては、プロトン
性の有機極性溶媒として、一価アルコール類(エタノー
ル、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサ
ノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、シク
ロヘキサノール、ベンジルアルコール等)、多価アルコ
ール類およびオキシアルコール化合物類(プロピレング
リコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロ
ソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプ
ロパノール等)などが挙げられる。また、非プロトン性
の有機極性溶媒としては、アミド系(N−メチルホルム
アミド、N,N─ジメチルホルムアミド、N─エチルホ
ルムアミド、N,N─ジエチルホルムアミド、N─メチ
ルアセトアミド、N,N─ジメチルアセトアミド、N─
エチルアセトアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、
ヘキサメチルホスホリックアミド等)、ラクトン類、環
状アミド系(γ─ブチロラクトン、N─メチル─2─ピ
ロリドン、エチレンカルボネイト、プロピレン─カルボ
ネート、イソブチレンカルボネート、イソブチレンカル
ボネート等)、ニトリル系(アセトニトリル等)、オキ
シド系(ジメチルスルホキシド等)などが代表として挙
げられる。電解液に含まれる溶質としては、通常電解コ
ンデンサ駆動用電解液に用いられる、酸の共役塩基をア
ニオン成分とする、アンモニウム塩、アミン塩、4級ア
ンモニウム塩および環状アミジン化合物の四級塩が挙げ
られる。アミン塩を構成するアミンとしては1級アミン
(メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチ
ルアミン、エチレンジアミン等)、2級アミン(ジメチ
ルアミン、ジエチルアミン、ジプロピルアミン、メチル
エチルアミン、ジフェニルアミン等)、3級アミン(ト
リメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミ
ン、トリフェニルアミン、1,8─ジアザビシクロ
(5,4,0)─ウンデセン─7等)が挙げられる。第
4級アンモニウム塩を構成する第4級アンモニウムとし
てはテトラアルキルアンモニウム(テトラメチルアンモ
ニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルア
ンモニウム、テトラブチルアンモニウム、メチルトリエ
チルアンモニウム、ジメチルジエチルアンモニウム
等)、ピリジウム(1─メチルピリジウム、1─エチル
ピリジウム、1,3─ジエチルピリジウム等)が挙げら
れる。また、環状アミジン化合物の四級塩を構成するカ
チオンとしては、以下の化合物を四級化したカチオンが
挙げられる。すなわち、イミダゾール単環化合物(1─
メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、
1,4─ジメチル─2─エチルイミダゾール、1─フェ
ニルイミダゾール等のイミダゾール同族体、1−メチル
−2−オキシメチルイミダゾール、1−メチル−2−オ
キシエチルイミダゾール等のオキシアルキル誘導体、1
−メチル−4(5)−ニトロイミダゾール、1,2−ジ
メチル−4(5)−ニトロイミダゾール等のニトロおよ
びアミノ誘導体)、ベンゾイミダゾール(1−メチルベ
ンゾイミダゾール、1−メチル−2−ベンジルベンゾイ
ミダゾール等)、2−イミダゾリン環を有する化合物
(1─メチルイミダゾリン、1,2−ジメチルイミダゾ
リン、1,2,4−トリメチルイミダゾリン、1,4−
ジメチル−2−エチルイミダゾリン、1−メチル−2−
フェニルイミダゾリン等)、テトラヒドロピリミジン環
を有する化合物(1−メチル−1,4,5,6−テトラ
ヒドロピリミジン、1,2−ジメチル−1,4,5,6
−テトラヒドロピリミジン、1,8−ジアザビシクロ
〔5.4.0〕ウンデセン−7、1,5−ジアザビシク
ロ〔4.3.0〕ノネン等)等である。
【0026】アニオン成分としては、カルボン酸、フェ
ノール類、りん酸、炭酸、けい酸等の酸の共役塩基が例
示される。
【0027】また、電解液にほう酸を含有する場合、ほ
う酸の量は、電解液に対して40重量%以下である。こ
の範囲を越えると、PVAのゲル化が良好な状態で進行
せず、特性が劣化する。
【0028】次に、本発明の電解コンデンサの製造方法
を説明する。陰極箔、表面に形成されたピットの径が
0.1μm以上である陽極箔、PVAを付着したセパレ
ータを規定の寸法に裁断し、陰極箔、陽極箔にはリード
線を接合する。そして、陰極箔、陽極箔の間にセパレー
タを挟んで巻回し、コンデンサ素子を作成する。次い
で、このコンデンサ素子にエチレングリコールを含む電
解液を含浸させ、ケース内に入れて、封口材でシールす
る。その後に高温で直流電流を印加して再化成を行う
が、この再化成工程でPVAによる電解液のゲル化が進
行する。また、ゲル化は高温保持によって促進するの
で、場合によっては再化成工程の前後に高温保持工程を
設けてもよい。
【0029】このゲル化の挙動は以下のように推察され
る。本発明によるコンデンサ素子を電解液に接触させる
ことによって、まず、電解液が、陽極箔のピットに含浸
する。そして、その後に、含浸した電解液にセパレータ
に付着させたPVAが接触して、電解液中のエチレング
リコールとPVAによるゲル化が進行し、誘電体皮膜と
の密着性の良いゲル状電解質が得られる。この場合、ピ
ットの径が0.1μm以上の場合にピット内部に良好な
ゲルが形成される。このことによって、静電容量、ta
nδとも良好な特性が得られる。ピットの径が0.1μ
m未満では、ピットが狭いのでPVAが接触しつつゲル
化する反応が良好な状態で進行せず、ゲルの誘電体皮膜
への密着性が低下して、静電容量、tanδとも、満足
な特性が得られない。
【0030】また、この方法によれば、電解液とPVA
とのゲル化が良好な状態で進行するので、PVAが電解
質中に均一に分散した状態となり、このPVAの作用に
よるものと思われるが、過電圧特性が向上する。
【0031】ここで、電解液が40%以下のほう酸を含
有している場合には、PVAが電解液に浸透した際に、
PVAと電解液中のほう酸とのゲルが得られ、過電圧特
性はさらに向上する。
【0032】
【実施例】以下に実施例をあげて、本発明を更に具体的
に説明する。
【0033】(実施例1)PVA(けん化度99mol
%、重合度1700)を5%溶解した水溶液をセパレー
タ(マニラ紙、密度0.25g/cm2 、厚み40μ
m)に塗布し、加熱乾燥させて、PVAが付着したセパ
レータを得た。PVAの付着量は、10g/m2 であっ
た。このセパレータを陰極箔、表面に形成されたピット
の径が0.1μm以上である陽極箔の間に挟み、巻回し
て、400V−10μFのコンデンサ素子を作成した。
また、エチレングリコール100部、1,6−デカンジ
カルボン酸アンモニウム15部の電解液を作成した。そ
して、この電解液をコンデンサ素子に含浸し、アルミニ
ウムケースに入れてゴム封口し、次いで、105℃で、
3時間、425V印加して、再化成するとともに、電解
液をゲル化して、アルミニウム電解コンデンサを作成し
た。
【0034】(実施例2)実施例1において、セパレー
タ(クラフト紙、密度0.60g/cm2 、厚み20μ
m)を用いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作
成した。
【0035】(実施例3)実施例1において、エチレン
グリコール100部、1,6−デカンジカルボン酸アン
モニウム15部、ほう酸3部の電解液を用いて、同様に
アルミニウム電解コンデンサを作成した。
【0036】(実施例4)実施例2において、PVAの
付着量が0.05g/m2 のセパレータを作成し、同様
にアルミニウム電解コンデンサを作成した。
【0037】(比較例1)セパレータ(クラフト紙、密
度0.60g/cm2 、厚み40μm)を陰極箔、表面
に形成されたピットの径が0.1μm以上である陽極箔
に挟み、巻回して、400V−10μFのコンデンサ素
子を作成した。また、エチレングリコール100部、
1,6−デカンジカルボン酸アンモニウム15部の電解
液を作成した。そして、この電解液をコンデンサ素子に
含浸し、アルミニウムケースに入れてゴム封口し、そし
て、105℃で、3時間、425V印加して、再化成し
て、アルミニウム電解コンデンサを作成した。
【0038】(比較例2)比較例1において、セパレー
タ(クラフト紙、密度0.60g/cm2 、厚み20μ
m)を用いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作
成した。
【0039】(比較例3)比較例1において、セパレー
タ(マニラ紙、密度0.25g/cm2 、厚み40μ
m)を用いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作
成した。
【0040】(比較例4)実施例1において、表面に形
成されたピットの径が0.1μm未満である陽極箔を用
いて、同様にアルミニウム電解コンデンサを作成した。
【0041】(比較例5)比較例3において、電解液
に、エチレングリコール100部、1,6−デカンジカ
ルボン酸アンモニウム15部、PVA(けん化度99m
ol%、重合度1700)11部を用い、この電解液を
コンデンサ素子に含浸し、アルミニウムケースにゴム封
口し、そして、105℃で、3時間、425V印加し
て、再化成するとともに、電解液をゲル化して、アルミ
ニウム電解コンデンサを作成した。
【0042】これらのアルミニウム電解コンデンサに4
00Vを印加し、105℃で2000時間の高温負荷試
験を行った。その試験結果を(表1)に示した。試験数
は20個として、特性は20個のコンデンサの平均値で
示した。
【0043】
【表1】
【0044】(表1)から明らかなように、実施例1〜
4は、従来のアルミニウム電解コンデンサである比較例
1より、105℃─1000時間後の静電容量変化率、
tanδとも良好であり、寿命特性が向上している。
【0045】また、従来のアルミニウム電解コンデンサ
で低密度のセパレータを用いた比較例3では再化成中に
ショートが発生しているが、低密度(0.25g/cm
2 )のセパレータを用いた、実施例1、3では初期特
性、寿命特性ともに異常はなく、本発明のコンデンサで
は、低密度のセパレータを用いることができることが判
る。さらに、実施例1、3では、通常の密度(0.60
g/cm2 )のセパレータを用いた実施例2より、ta
nδが低く、低密度のセパレータを用いることによって
tanδが低下している。
【0046】なお、表面に形成されたピットの径が0.
1μm未満である陽極箔を用いた比較例4、および、P
VAを含有した電解液を含浸してコンデンサ組立後にゲ
ル化した比較例5では、初期の静電容量は低く、tan
δは高く、通常のアルミニウム電解コンデンサの特性が
得られていない。
【0047】次に、実施例1〜4、比較例1、2のアル
ミニウム電解コンデンサに、480Vおよび500Vを
印加し、105℃で100時間の過電圧試験を行った。
その試験結果を(表2)に示した。試験数は20個とし
て、ショートが発生した個数を表中に示した。
【0048】
【表2】
【0049】(表2)から明らかなように、480V−
100時間の過電圧試験においては、従来のアルミニウ
ム電解コンデンサ及び、従来のアルミニウム電解コンデ
ンサで厚みの薄い(20μm)セパレータを用いた、比
較例1、2ではショートが発生しているのに比べて、実
施例1〜4ではショートの発生がなく、過電圧特性が向
上している。
【0050】また、厚みの薄い(20μm)セパレータ
を用いた実施例2、4において、ショート発生がなく、
本発明のコンデンサでは、厚みの薄いセパレータを用い
ることができ、そのことによって小型化が可能である。
【0051】また、500V−100時間の過電圧試験
においては、低密度(0.25g/cm2 )のセパレー
タを用いた実施例1、3において、通常の電解液を用い
た実施例1ではショートが発生しているが、ほう酸を含
有した電解液を用いた実施例3ではショート発生がな
く、電解液にほう酸を含有させることによって過電圧特
性が向上している。
【0052】なお、0.05g/m2 のセパレータを用
いた実施例4ではショートが発生しているが、PVAの
付着量が10g/m2 のセパレータを用いた実施例2に
おいてはショートの発生がなく、PVAの付着量が過電
圧特性に影響することがわかる。
【0053】
【発明の効果】以上のように、本発明による電解コンデ
ンサは、ポリビニルアルコールが付着したセパレータを
介して、陰極箔および表面に形成されたピットの径が
0.1μm以上の陽極箔を巻回してコンデンサ素子を形
成し、このコンデンサ素子がエチレングリコールを含む
電解コンデンサ用の電解液に接触するとともに、電解液
がゲル化しているので、陽極箔のピットの内部まで、誘
電体皮膜との密着性の良い、PVAが均一に分散したゲ
ル状電解質が得られ、静電容量、tanδとも良好で、
過電圧特性も向上する。また、電解液のゲル化によっ
て、電解液中の溶媒の蒸発が抑制され、高温負荷試験後
の静電容量変化、tanδ特性も向上する。
【0054】また、電解液が40%以下のほう酸を含有
した場合は、PVAと電解液中のほう酸とのゲルが生成
し、過電圧特性はさらに向上する。
【0055】また、過電圧特性が向上することによっ
て、低密度のセパレータを用いることができるようにな
り、tanδを低くくすることができる。
【0056】また、電解液のゲル化によって、陽極箔と
陰極箔が接触することがなくなるので、セパレータの厚
みを薄くすることができ、小型化が可能になる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリビニルアルコールが付着したセパレ
    ータを介して、陰極箔および表面に形成されたピットの
    径が0.1μm以上の陽極箔を巻回してコンデンサ素子
    を形成し、このコンデンサ素子がエチレングリコールを
    含む電解コンデンサ用の電解液に接触するとともに、電
    解液がゲル化した電解コンデンサ。
  2. 【請求項2】 電解コンデンサ用の電解液が40重量%
    以下のほう酸を含有する、請求項1記載の電解コンデン
    サ。
  3. 【請求項3】 セパレータに付着されるポリビニルアル
    コールの付着量が0.1〜50.0g/m2 である、請
    求項1記載の電解コンデンサ。
  4. 【請求項4】 セパレータの密度が0.15〜0.9g
    /cm2 である、請求項1記載の電解コンデンサ。
  5. 【請求項5】 セパレータの厚みが20〜150μmで
    ある、請求項1または4記載の電解コンデンサ。
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