JPH1022351A - Icチップ実装用インターポーザ及びicチップパッケージ - Google Patents

Icチップ実装用インターポーザ及びicチップパッケージ

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JPH1022351A
JPH1022351A JP8188534A JP18853496A JPH1022351A JP H1022351 A JPH1022351 A JP H1022351A JP 8188534 A JP8188534 A JP 8188534A JP 18853496 A JP18853496 A JP 18853496A JP H1022351 A JPH1022351 A JP H1022351A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 導電体パターンを表面に形成したプラスチッ
クフィルムからなるインターポーザにICチップを実装
したICチップパッケージ及び該ICチップパッケージ
を樹脂モールドしてプラスチックモールド型としたIC
チップパッケージにおいて、金属電極部分におけるクラ
ックの発生を防止するとともに、プラスチック型ICチ
ップパッケージにおけるパッケージクラックの発生を防
止することをその課題とし、さらに導電体パターンを表
面に形成した液晶ポリマーフィルムからなるインターポ
ーザを提供する。 【解決手段】 表面に導電体パターンを有する液晶ポリ
マー分子が平面方向にランダムに配向した均方向性を有
する液晶ポリマーフィルムからなり、該液晶ポリマーフ
ィルムは、3〜ppm/℃の線膨張係数と280℃以
上の融点を有し、かつ該フィルムにおける1つの平面方
向の線膨張係数Aと他の平面方向の線膨張係数Bの比A
/Bが0.3〜3の範囲にあることを特徴とするICチ
ップ実装用インターポーザ及び前記インターポーザにI
Cチップを実装したICチップパッケージ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック材料
からなるインターポーザ及びこれにICチップを実装し
たICチップパッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インターポーザとしてポリイミド
フィルムを用い、これにICチップをフリップチップ方
式で実装したICパッケージは知られている。その断面
図を図1に示す。図1において、1はICチップ、2は
半田バンプ、3はインナーパッド、4はアウターパッ
ド、5はポリイミドフィルム、6はスルーホールを示
し、7はそれらから構成されるICパッケージを示す。
このような従来のICパッケージにおいては、そのイン
ターポーザとしてのポリイミドフィルムの線膨張係数
(α)は15〜25ppm/℃の範囲にあり、ICチッ
プ(Si製)の線膨張係数3ppm/℃に比べてかなり
大きいため、電気的な接合部である金属電極部分(半田
バンプ、金バンプ、Alパッド、Alパッド下地、P
d、Ti、W等の電極保護被膜等)にクラックが入り易
く、接合部の信頼性に問題があった。また、急激な温度
差が生じた場合には、ICチップ自体にもクラックを生
じる等の問題もあった。一般的に、接合部の信頼性は、
温度サイクルやヒートショック試験等の加速試験で評価
されるが、接合部のクラックの原因は繰返し応力による
疲労破壊である。この応力は、ICチップとインターポ
ーザの材質との間の線膨張係数(α)の差より生じるも
のである。現在、インターポーザとしては、ポリイミド
フィルム(α=15〜25ppm/℃)、ガラス布BT
レジン基板(α=15ppm/℃)が用いられている
が、ICチップ(α=3ppm/℃)から大きくはなれ
た線膨張係数をもつために、疲労破壊を生じさせる程の
応力が生じるという問題を有している。一方、プラスチ
ックモールドされたCSP(Chip Size Pa
ckage)の場合には、パッケージクラックの問題が
ある。図2に、図1に示したICパッケージを樹脂モー
ルドしてプラスチック型CSPとした製品の断面図を示
す。この図2において、符号1〜7は前記と同じ意味を
有し、9は封止レジン、10はプラスチック型CSPを
示す。このようなCSPにおいては、図2に示すよう
に、プラスチック封止CSPのポリイミドフィルム露出
部(サイド又はパッケージ裏面(外部端子側)から、ポ
リイミドフィルムの吸水率が高い(2.4%程度)ため
に、水分がパッケージ内に浸入し易く、これによりたま
った水分が高温下で水蒸気となり、その応力でパッケー
ジクラックを生じさせる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、導電体パタ
ーンを表面に形成したプラスチックフィルムからなるイ
ンターポーザにICチップを実装したICチップパッケ
ージ及び該ICチップパッケージを樹脂モールドしてプ
ラスチックモールド型としたICチップパッケージにお
いて、金属電極部分におけるクラックの発生を防止する
とともに、プラスチック型ICチップパッケージにおけ
るパッケージクラックの発生を防止することをその課題
とし、さらに導電体パターンを表面に形成した液晶ポリ
マーフィルムからなるインターポーザを提供することを
その課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、表面に導電体パター
ンを有する液晶ポリマー分子が平面方向にランダムに配
向した均方向性を有する液晶ポリマーフィルムからな
り、該液晶ポリマーフィルムは、3〜15ppm/℃の
線膨張係数と280℃以上の融点を有し、かつ該フィル
ムにおける1つの平面方向の線膨張係数Aと他の平面方
向の線膨張係数Bの比A/Bが0.3〜3の範囲にある
ことを特徴とするICチップ実装用インターポーザが提
供される。また、本発明によれば、前記インターポーザ
にICチップを実装したICチップパッケージが提供さ
れる。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いる液晶ポリマー(L
CP)フィルムにおいて、そのLCPとしては、280
℃以上の融点を持つサーモトロピック液晶ポリマーであ
れば従来公知の各種のものを用いることができる。この
ような液晶ポリマーとしては、例えば、芳香族ジオー
ル、芳香族カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸等のモノ
マーから合成される、溶融時に液晶性を示す芳香族ポリ
エステルがあり、その代表的なものとしては、パラヒド
ロキシ安息香酸(PHB)とテレフタル酸とビフェノー
ルからなる第1のタイプのもの(下記式1)や、PHB
と2,6−ヒドロキシナフトエ酸からなる第2のタイプ
のもの(下記式2)がある。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】前記一般式(1)のLCPとしては、例え
ば、スミカスーパー(住友化学社)や、Xyder(A
moco社)等があり、前記一般式(2)のLPCとし
ては、Vectra(ヘキスト社)等がある。
【0009】本発明で用いるLCPフィルムは、LCP
分子が平面方向にランダムに配向したもので、LCPフ
ィルムに通常見られる異方向性の大幅に解消されたもの
(本明細書では等方向性フィルムと言う)である。前記
等方向性LCPフィルムは、LCPフィルムの一方の面
又は両方の面に熱可塑性樹脂多孔質体フィルムを加圧下
及び加熱下で接触させ、少なくとも表面部が軟化した状
態の該LCPフィルムに該多孔質体フィルムを熱圧着さ
せ、必要に応じて冷却して、該多孔質体フィルムが該L
CPフィルムに対して1〜500g/cmの剥離強度で
接合している積層体を得る熱圧着工程と、得られた積層
体を、該LCPフィルムは溶融するが多孔質体フィルム
は軟化するが(ガラス転移点以上の温度)実質的に溶融
しない温度条件下で、該LCPの配向方向に対し垂直の
方向に延伸するか又は該LCPの配向方向と同じ方向に
延伸するとともに、該LCP配向方向に対し垂直の方向
に延伸する延伸工程と、得られた積層体延伸物を冷却す
る工程と、冷却された積層体延伸物から多孔質体フィル
ムを剥離する剥離工程によって工業的に有利に製造する
ことができる。
【0010】前記熱可塑性樹脂多孔質体フィルムとして
は、多孔質構造を有する各種のものが用いられ、その平
均細孔径は0.05〜5.0μm、好ましくは0.2〜
1μmであり、空孔率は40〜95%、好ましくは60
〜85%である。このような多孔質体フィルムを形成す
る熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポエーテルエーテルケトン、ポリエー
テルサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリ
アリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミ
ドの他、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフ
ッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化
エチレン等のフッ素樹脂等を例示することができる。こ
れらの熱可塑性樹脂のうち、フッ素樹脂は、その高い耐
熱性によって熱圧着温度を高くすることができ、使用す
る液晶ポリマーを広く選択できるので好ましい。本発明
で用いる好ましい多孔質体フィルムは、耐熱性、耐薬品
性の点で延伸多孔質フッ素樹脂フィルム、特に、延伸多
孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムである。熱可
塑性樹脂多孔質体フィルムは、発泡法や溶媒抽出法、固
相延伸法、フィブリル化法等の従来公知の方法で得るこ
とができる。
【0011】本発明でインターポーザ用材料として用い
る等方向性LCPのフィルムを得るには、先ず、LCP
又はそのポリマーアロイ(以下、これらを単にLCPと
も言う)の押出し成形フィルムを用意する。この場合の
LCPの押出し成形フィルムは、異方向性を有し、LC
Pの溶融物を、押出機を用い、その先端のTダイやイン
フレーションダイを通してフィルム状に押出し成形する
ことによって得ることができる。前記溶融温度は、液晶
ポリマーが溶融状態を示す温度である。押出し成形装置
としては、二軸押出機や、単軸押出機等の慣用の装置が
用いられる。押出し成形フィルムの厚さは、20μm〜
5mm、好ましくは50〜800μmである。
【0012】前記等方向性LCPフィルムの製造におけ
る各工程について詳述すると、以下の通りである。 (熱圧着工程)この工程は、LCPフィルムAの両方又
は片方の表面、好ましくは両方の面に多孔質体フィルム
B−1及びB−2をそれぞれ熱圧着させる工程である。
熱圧着温度は、多孔質体フィルムB−1、B−2は実質
的に溶融させないが、LCPフィルムAの少なくとも表
面部、即ち、多孔質体フィルムB−1及びB−2に接触
するフィルムAの表面部のみ又は全体を軟化させる温度
である。
【0013】この熱圧着工程においては、LCPフィル
ムAは、2つの多孔質体フィルムB−1、B−2によ
り、両側から挟まれていることから、その表面部のみに
限らず、全体が軟化状態であってもよい。このような熱
圧着により、LCPフィルムAの両面に、多孔質体フィ
ルムB−1、B−2が接合された積層体が形成される。
【0014】前記のようにして積層体を製造する場合、
その熱圧着装置としては、一対の熱圧着ロールや、熱プ
レス装置が用いられる。熱圧着ロールを用いる場合、液
晶ポリマーフィルムAと2枚の多孔質体フィルムB−
1、B−2を、一対の熱圧着ロールの間の間隙部(クレ
アランス)に供給し、この熱圧着ロール間の間隙部で熱
圧着する。この場合、LCPフィルムAの両側に多孔質
体フィルムB−1、B−2を供給する。LCPフィルム
Aは固体フィルム又は押出機のT−ダイから押出された
溶融物フィルム等であることができる。一方、熱プレス
装置を用いる場合、その熱プレス装置の底板上に第1の
多孔質体フィルムを敷設し、その上にLCPフィルムを
重ね、その上に第2の多孔質体フィルムを重ね、その上
から上板で所定時間加圧して熱圧着し、冷却する。この
場合、底板及び/又は上板を加熱し、LCPフィルムの
少なくとも表面部を軟化させる。前記のようにして、L
CPフィルムAと多孔質体フィルムB−1、B−2との
積層体が得られるが、この積層体において、そのLCP
フィルムAと多孔質体フィルムB−1又はB−2との間
の剥離強度は、1〜500g/cm、好ましくは2〜1
00g/cmである。剥離強度が前記範囲よりも小さく
なると、積層体フィルムの延伸に際し、LCPフィルム
と多孔質体フィルムとの間に剥離が生じ、LCPフィル
ムの円滑な延伸を行うことが困難になるので好ましくな
い。一方、剥離強度が前記範囲より大きくなると、延伸
後に、多孔質体フィルムを剥離する場合に、その剥離が
困難になるので好ましくない。LCPフィルムと多孔質
体フィルムとの間の剥離強度は、両者のフィルムの熱圧
着条件により調節することができる。前記で得られた積
層体は、その熱融着の状態のまま又はいったん冷却した
後、次の延伸工程へ送られる。
【0015】(延伸工程)この工程は、前記積層体フィ
ルム形成工程で得られた積層体フィルムを、その多孔質
フィルムは軟化させるが実質的に溶融せずにLCPフィ
ルムを溶融させる温度条件下で、1軸方向、即ち、その
LCPの配向方向とは垂直の方向(TD)へ延伸するか
又は2軸方向、即ち、そのLCPの配向と同じ方向(M
D)へ延伸するとともに、それとは垂直方向(TD)へ
延伸する工程である。1軸延伸の場合、TDへの延伸倍
率は1.5〜10倍、好ましくは2〜5倍である。2軸
延伸の場合、MDへの延伸倍率は1〜10倍、好ましく
は1〜5倍であり、TDへの延伸倍率は1.5〜20
倍、好ましくは3〜15倍である。また、TDへの延伸
倍率は、MDへの延伸倍率の1.0〜5.0倍、好まし
くは1.5〜3.0倍に規定するのがよい。延伸スピー
ドは、1〜200%/秒、好ましくは5〜50%/秒に
するのがよい。延伸装置としては、従来公知の1軸又は
2軸延伸装置を用いることができる。
【0016】(冷却工程)この工程は、前記延伸工程で
得られた積層体フィルム延伸物を冷却し、溶融状態の液
晶ポリマーフィルムを冷却固化する工程であり、一対の
冷却ロールを用いて実施することができる。また自然放
冷で行ってもよい。
【0017】(剥離工程)この工程は、前記冷却工程で
得られた積層体フィルムから、その両表面に熱圧着され
ている多孔質体フィルムを剥離する工程である。前記し
たように、この多孔質体フィルムは、LCPフィルムに
対しては、剥離可能に接合しているので、その多孔質体
フィルムを、LCPフィルムより上方に引張ることによ
り容易に剥離することができる。
【0018】以上のようにして、等方向性LCPフィル
ムを得ることができる。このフィルムは、延伸用原料フ
ィルムとして用いたLCPフィルムにみられる異方向性
の解消されたもので、平面物性の等方向性にすぐれたも
のである。
【0019】前記等方向性LCPフィルムの製造におい
て、その原料LCPフィルムとしては、充填剤を含有す
るLCPの押出し成形フィルムを用いるのが好ましい。
この場合、充填剤には、無機系及び有機系のものが包含
される。無機系充填剤としては、たとえば、シリカ、ア
ルミナ、酸化チタン等の金属酸化物;炭酸カルシウム、
炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム等の金属硫酸塩;タルク、クレー、マイカ、ガラ
ス等のケイ酸塩の他、チタン酸カリウム、チタン酸カル
シウム、ガラス繊維等が挙げられる。有機系充填剤とし
ては、液晶ポリマーの加工温度において溶融しない耐熱
性樹脂粉末や、カーボン、グラファイト、カーボン繊維
等が挙げられる。前記耐熱性樹脂粉末としては、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂(PT
FE、FEP、PFA、ETFE、CTFE、PVD
F、E−CTFE等)、LCP等が挙げられる。前記充
填剤において、その平均粒径は0.01〜50μm、好
ましくは0.1〜10μmである。また、充填剤を含有
するLCP中のその充填剤の含有量は、5〜30容量
%、好ましくは10〜20容量%である。前記押出し成
形フィルムを得るには、LCPに充填剤を加えて溶融混
合し、得られた混合物を押出機を用い、その先端のTダ
イやインフレーションダイを通してフィルム状に押出成
形する。前記溶融混合温度は、LCPが溶融状態を示す
温度である。もちろん、充填剤が樹脂粉末の場合には、
その樹脂粉末が溶融する温度より低い温度である。混合
装置としては、二軸押出機、単軸押出機、ニーダー、ミ
キサー等の慣用の混合装置が用いられる。
【0020】前記のようにして得られる充填剤を含有す
る押出し成形フィルムは、表面状態の良好なフィルムで
あって、厚さ分布の平均値Cに対する厚さ分布の標準偏
差Dの比D/Cが0.2以下という厚さ精度にすぐれた
ものである。そして、このような充填剤を含有する押出
し成形フィルムを原料として用いて得られる等方向性L
CPフィルムは、表面状態の非常にすぐれたもので、そ
のフィルムの厚さ分布の平均値Cに対するその厚さ分布
の標準偏差Dの比D/Cが0.2以下、特に0.15〜
0.02の範囲にある。
【0021】本発明で用いる等方向性LCPフィルム
は、通常のLCPフィルムにみられる平面物性の異方向
性の解消されたものであり、平面物性の等方向性にすぐ
れたものである。この場合の平面物性には、線膨張係
数、熱膨張率、熱収縮率、引張り伸度、引張り強度、引
張り弾性率等が包含される。本発明で用いる等方向性L
CPフィルムは、低められた線膨張係数を有する。即
ち、本発明で用いるLCPフィルムは、3〜15ppm
/℃、好ましくは3〜9ppm/℃の線膨張係数を有す
る。線膨張係数の下限値は、通常、3ppm/℃程度で
ある。本発明で用いるLCPフィルムは、前記のよう
に、低められた線膨張係数を有すると同時に、その線膨
張係数の等方向性にすぐれ、フィルムの1つの平面方向
の線膨張係数Aと他の平面方向の線膨張係数Bとの比の
A/Bは、0.3〜3、好ましくは、0.5〜2の範囲
にある。インターポーザとして用いるLCPフィルムに
おける前記線膨張係数の等方向性は非常に重要であり、
その線膨張係数に大きな異方向性があると、信頼性のあ
るインターポーザ及びICチップパッケージを得ること
ができなくなる。
【0022】本発明のインターポーザとして用いる等方
向性LCPフィルムにおいて、その厚さは10〜100
0μm、好ましくは20〜100μm、その線膨張係数
は、3〜15pppm/℃、好ましくは3〜9ppm/
℃及びその吸水率は0.5重量%以下、好ましくは0.
3重量%以下である。また、その吸湿膨張率(23℃、
80%RH)は、通常、0.1%以下、好ましくは0.
05%以下である。これらの物性は、LCPの種類や、
LCPの押出し成形条件、LCPフィルムの延伸条件等
によって調節することができる。本発明においては、L
CPフィルムには、特に、無機充填剤を含有させること
が好ましい。無機充填剤を含有するLCPフィルムは、
熱伝導性が向上し、高い放熱効果を有することから、イ
ンターポーザとしての機能においてすぐれている。この
場合の無機充填剤としては、特に、シリカ、アルミナ、
チタニア等を粉末状やウイスカー状で用いるのが好まし
く、その含有量は、特に、5〜30容量%、好ましくは
10〜20容量%である。
【0023】本発明で用いる前記LCPフィルムは、そ
の表面に導電体パターンを形成させて、ICチップを実
装する場合のインターポーザとしてすぐれた効果を示
す。即ち、LCPフィルムの線膨張係数(CTE)は、
平面のどの方向をとっても3〜15ppm/℃の範囲に
あり、ICチップの線膨張係数3ppm/℃とほぼマッ
チングしている。従って、ICチップをLCPフィルム
に実装する場合に、半田バンプ等の金属接合部に生じる
熱応力を著しく軽減することができ、接合部の信頼性を
大幅に向上させることができる上、ICチップ自体に生
じる応力を軽減できるので、ICチップの機能低下も防
ぐことができ、さらに、ICチップ自体のクラック(引
張応力で100MPa以上、圧縮応力で500MPa以
上で一般的にはクラックを生じる)も効果的に防止する
ことができる。以上のように、本発明による等方向性L
CPフィルムからなるインターポーザとするICチップ
パッケージは、ICチップとインターポーザとの間の熱
応力の発生を減じ、パッケージ信頼性が著しく向上した
ものである。また、本発明による前記ICチップパッケ
ージをプラスチックモールドしたプラスチック型ICチ
ップパッケージ(CSP、BGA等)は、LCPフィル
ムが非常に低い吸水率(0.1%以下)を示し、PCT
(Pressure Cooker Test)(12
1℃、2atm、湿度100%)、65℃/95%RH
及び85℃/85%RH等の吸湿試験においても、性能
劣化やパッケージクラックを何ら生じることはなく、非
常に高いパッケージ信頼性を有する。
【0024】LCPフィルム上に形成する導電体パター
ンにおいて、その導電体としては、各種の導電性金属、
例えば、銅、42%Ni−Fe合金等のインバー型合金
等が用いられる。インバー型合金としては、特に、線膨
張係数が7ppm/℃以下のものの使用が好ましく、こ
れにより、そりや歪の低減されたインターポーザを得る
ことができる。また、LCPフィルム上にICチップを
実装する場合、その実装方式としては、従来公知の各種
の方式、例えば、ワイヤーボンディングの他、フリップ
チップ方式、ビームリード方式、TAB方式、STD方
式等を採用することができる。本発明によるLCPフィ
ルムからなるインターポーザは、前記のように、線膨張
係数が小さく、ICチップの線膨張係数に近いことか
ら、特に、フリップチップ方式によりICチップを実装
する場合のインターポーザとしてすぐれた効果を示す。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0026】参考例1 サーモトロピック液晶ポリマー(住友化学社製、スミカ
スーパーE6000)を、単軸押出機(スクリュー径5
0mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リップ
長さ300mm、リップクリアランス1.0mm、ダイ
温度350℃)より、フィルム状に押出し、冷却して厚
さ250μmの液晶ポリマーフィルムを得た。この液晶
ポリマーフィルムの両面に、厚さ40μmの多孔質ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム(平均孔
径0.2μm、空孔率80%)を、一対の熱ロール(温
度330℃、ロール周速2m/分)を有するラミネータ
ーで熱圧着した後、一対の冷却ロール(温度150℃)
を通して冷却した。この積層体のPTFEフィルムの剥
離強度は5g/cmであった。次に、このようにして得
た積層体を二軸延伸機で延伸した。この時の延伸条件
は、延伸温度350℃、延伸倍率MD方向1.3倍、T
D方向3.9倍、延伸スピード20%/秒、であった。
最後に、多孔質PTFEフィルムを液晶ポリマーフィル
ムの両面から剥離し、厚さ50μmの液晶ポリマー延伸
フィルム(a−1)を得た。
【0027】参考例2 サーモトロピック液晶ポリマー(住友化学社製、スミカ
スーパーE6000)90重量部と天然シリカ(平均粒
径3μm、電気化学社製FS−15)10重量部とを、
二軸押出機を用いて溶融混合するとともに、その先端の
ストランドダイから押出してペレタイザーでペレットに
成形した。次にこのペレットを単軸押出機(スクリュー
径50mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リ
ップ長さ300mm、リップクリアランス1.0mm、
ダイ温度350℃)より、フィルム状に押出し、冷却し
て厚さ250μmの液晶ポリマーフィルムを得た。この
液晶ポリマーフィルムの両面に、厚さ40μmの多孔質
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム(平
均孔径0.2μm、空孔率80%)を、一対の熱ロール
(温度330℃、ロール周速2m/分)を有するラミネ
ーターで熱圧着した後、一対の冷却ロール(温度150
℃)を通して冷却した。この積層体のPTFEフィルム
の剥離強度は5g/cmであった。次に、このようにし
て得た積層体を二軸延伸機で延伸した。この時の延伸条
件は、延伸温度350℃、延伸倍率MD方向1.3倍、
TD方向3.9倍、延伸スピード20%/秒、であっ
た。最後に、多孔質PTFEフィルムを液晶ポリマーフ
ィルムの両面から剥離し、厚さ50μmの液晶ポリマー
延伸フィルム(a−2)を得た。
【0028】参考例3 サーモトロピック液晶ポリマー(住友化学社製、スミカ
スーパーE6000)90重量部と天然シリカ(平均粒
径3μm、電気化学社製FS−15)10重量部とを、
二軸押出機を用いて溶融混合するとともに、その先端の
ストランドダイから押出してペレタイザーでペレットに
成形した。次にこのペレットを単軸押出機(スクリュー
径50mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リ
ップ長さ300mm、リップクリアランス2.5mm、
ダイ温度350℃)より、フィルム状に押出し、冷却し
て厚さ650μmの液晶ポリマーフィルムを得た。この
液晶ポリマーフィルムの両面に、厚さ40μmの多孔質
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム(平
均孔径0.2μm、空孔率80%)を、一対の熱ロール
(温度330℃、ロール周速2m/分)を有するラミネ
ーターで熱圧着した後、一対の冷却ロール(温度150
℃)を通して冷却した。この積層体のPTFEフィルム
の剥離強度は5g/cmであった。次に、このようにし
て得た積層体を二軸延伸機で延伸した。この時の延伸条
件は、延伸温度350℃、延伸倍率MD方向1.3倍、
TD方向3.9倍、延伸スピード20%/秒、であっ
た。最後に、多孔質PTFEフィルムを液晶ポリマーフ
ィルムの両面から剥離し、厚さ125μmの液晶ポリマ
ー延伸フィルム(a−3)を得た。
【0029】参考例4 サーモトロピック液晶ポリマー(ポリプラスチックス社
製、ベクトラA950)を、単軸押出機(スクリュー径
50mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リッ
プ長さ300mm、リップクリアランス1.0mm、ダ
イ温度300℃)より、フィルム状に押出し、冷却して
厚さ250μmの液晶ポリマーフィルムを得た。この液
晶ポリマーフィルムの両面に、厚さ40μmの多孔質ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム(平均
孔径0.5μm、空孔率80%)を、一対の熱ロール
(温度280℃、ロール周速2m/分)を有するラミネ
ーターで熱圧着した後、一対の冷却ロール(温度100
℃)を通して冷却した。この積層体のPTFEフィルム
の剥離強度は5g/cmであった。次に、このようにし
て得た積層体を二軸延伸機で延伸した。この時の延伸条
件は、延伸温度300℃、延伸倍率MD方向1.6倍、
TD方向3.2倍、延伸スピード20%/秒、であっ
た。最後に、多孔質PTFEフィルムを液晶ポリマーフ
ィルムの両面から剥離し、厚さ50μmの液晶ポリマー
延伸フィルム(a−4)を得た。
【0030】参考例5 サーモトロピック液晶ポリマー(ポリプラスチックス社
製、ベクトラA950)90重量部と天然シリカ(平均
粒径3μm、電気化学社製FS−15)10重量部と
を、二軸押出機を用いて溶融混合するとともに、その先
端のストランドダイから押出してペレタイザーをペレッ
トに成形した。次にこのペレットを単軸押出機(スクリ
ュー径50mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ
(リップ長さ300mm、リップクリアランス2.5m
m、ダイ温度300℃)より、フィルム状に押出し、冷
却して厚さ250μmの液晶ポリマーフィルムを得た。
この液晶ポリマーフィルムの両面に、厚さ40μmの多
孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム
(平均孔径0.5μm、空孔率80%)を、一対の熱ロ
ール(温度280℃、ロール周速2m/分)を有するラ
ミネーターで熱圧着した後、一対の冷却ロール(温度1
00℃)を通して冷却した。この積層体のPTFEフィ
ルムの剥離強度は5g/cmであった。次に、このよう
にして得た積層体を二軸延伸機で延伸した。この時の延
伸条件は、延伸温度300℃、延伸倍率MD方向1.6
倍、TD方向3.2倍、延伸スピード20%/秒、であ
った。最後に、多孔質PTFEフィルムを液晶ポリマー
フィルムの両面から剥離し、厚さ50μmの液晶ポリマ
ー延伸フィルム(a−5)を得た。
【0031】以上で得た各々の液晶ポリマーフィルムの
物性を以下のようにして測定し、その結果を表1に示
す。 (1)TD厚さ分布 ダイヤルゲージのニードル型測定子(ミツトヨ社製、先
端R:0.4mm)を鉛直方向に向かい合わせて固定
し、100gの力で接触させる。つぎにこの測定子間に
サンプルフィルムをはさみ、TD方向に移動させる。こ
のようにして、フィルムのTDの厚さ分布データを得
る。(i)平均値C 1000mm幅、0.5mm間隔で2000ポイント測
定し、その平均値を求めた。 (ii)標準偏差D 前記平均値Cに対する2000ポイントの標準偏差Dを
求めた。 (2)線膨張係数 TMA法:荷重5g、200℃まで昇温後、150℃か
ら25℃への降温時に測定。試料幅4.0mm、チャッ
ク間隔10mm。 (3)吸水率 5×5cmのフィルムを真水中に24時間浸漬し、その
前後の重量を測定して吸水量を算出し、その浸漬前のフ
ィルム重量に対する%で示した。
【0032】
【表1】
【0033】実施例1 参考例1で示した厚さ50μmのLCPフィルムに、図
3に示すように、銅を蒸着して導電体部を形成した。こ
のフィルムの幅は35mmで、導電体部は幅26mm
で、両サイドにスプロケット孔を設けた35mm幅のス
タンダードTABフィルムキャリアの仕様とした。テー
プは長さ20mの長尺で、連続蒸着した後、メッキ法で
厚さ10μmに銅を厚くした。導電体は両面に形成し
た。エキシマレーザを用いて直径40μmのスルーホー
ルをあけ、スルーホールメッキを行い、両面にそれぞれ
電極パターンを形成した。片面の基板実装側の外部端子
には、さらに半田バンプを形成した。以上の工程によ
り、CSP用のインターポーザを得た。
【0034】実施例2 図4に示すように、実施例1で得たインターポーザにI
Cチップをフリップチップ方式で実装した。接合部はP
bリッチの高融点半田バンプとした。さらにこれをエポ
キシ系レジンでトランスファーモールドで封止し、4箇
所の吊り部を切断して、CSPを得た。
【0035】実施例3 図5に示すように、インナーリード部を熱圧着するタイ
プのインターポーザを作製した。これは、参考例2のL
CPフィルムの表面をKOH溶液で処理して、銅を0.
5μm蒸着し、電気メッキで25mm厚にして導電体部
を形成した。エキシマレーザでスルーホールをあけ、ス
ルーホールメッキしたのち、エッチングでパターンを形
成した。さらに、外部端子に半田バンプを形成した。こ
うして、インナーリード付BGAタイプのインターポー
ザを得た。
【0036】実施例4 図6に示すように、実施例3のインターポーザにAuバ
ンプ付ICチップをインターポーザのインナーリード部
に500℃で熱圧着した。これを、エポキシ系レジンで
封止して、BGAタイプのCSPができた。
【0037】実施例5 図7に示すように、ICチップの放熱性を高めるため、
参考例3で得たSiO2フィラー10重量%を含有する
LCPフィルム(厚さ125μm、CTE;X方向:7
ppm/℃、Y方向:8ppm/℃)にスルーホール、
インナーパッド、アウターパッドを設けたものにICチ
ップを熱伝導性の高いダイボンディング樹脂で接着し、
ワイヤーボンディングした後、保護用樹脂で封止して、
ICパッケージを得た。このものは、ICチップに生じ
る熱応力が小さく良好なパッケージである。
【0038】実施例6 図8に示すように、リードフレームタイプのCSPに、
LCPフィルムの保護及び絶縁のための層を設けたもの
である。まず、リードフレームのワイヤーボンディング
のセカンド面に対して裏面に実施例5で示したLCPフ
ィルムを貼り付ける。この絶縁体付リードフレームにI
Cチップをフェースダウンで接着し、ワイヤーボンディ
ングを行う。さらに樹脂で封止してCSPができ上が
る。このものは、ICチップとCTE値が近いLCPフ
ィルムを用いたことで、リードフレームとICチップと
のCTE値のミスマッチによって生じる熱応力が軽減で
き、良好なCSPを得ることができた。
【0039】
【発明の効果】本発明のインターポーザは、融点が28
0℃以上と高く、半田耐熱性にすぐれ、かつ線膨張率を
低くコントロールした特定物性のLCPフィルムを用い
て構成したことから、信頼性の高いICチップパッケー
ジを与えるもので、その産業的意義は非常に高い。本発
明のICチップパッケージは、そのインターポーザに線
膨張係数がICチップの線膨張係数である3ppm/℃
に近いLCPフィルムからなるインターポーザを用いた
ことにより、従来のポリイミドフィルムをインターポー
ザとして用いたものよりも接合部の信頼性が高く、さら
にこれを樹脂モールドしたパッケージにおいては、LC
Pフィルムの吸水率が低いことにより、パッケージクラ
ックを低減できる。また、従来のセラミックスインター
ポーザに比べ、安価でかつ薄いパッケージとすることが
できる。さらに、本発明のICチップパッケージの場
合、そのLCPフィルムの吸水率が低く、かつそのモー
ルド樹脂との接着性が良いことから、モールドする樹脂
の量を少なくでき、安価で、薄く、軽くすることができ
る。そして、軽いCSP、BGAは大変な利点がある。
これはこのようなパッケージを基板に実装する際に行
う、半田バンプを用いたCCB(コントロール、コラッ
プス、ボンディング)法による接合の際、軽い方がより
セルフアライメントがききやすい点である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリイミドフィルムを用いた従来のICチップ
パッケージの断面図を示す。
【図2】図1のICチップパッケージを樹脂モールドし
て形成したプラスチックモール度型CSPの構造説明図
を示す。 a:概略図 b:そのA−A’断面図
【図3】本発明のインターポーザの構造説明図を示す。 a:概略図 b:そのB−B’断面図
【図4】図3に示すインターポーザにICチップを実装
し、さらに樹脂モールドして形成したプラスチックモー
ルド型CSPの断面図を示す。
【図5】本発明によるインナーリード付CSP用インタ
ーポーザの構造説明図を示す。 a:概略図 b:そのB−B’断面図
【図6】図5に示すインターポーザを用いて形成したC
SPの断面図を示す。
【図7】本発明のシリカ含有インターポーザを用いて形
成したICチップパッケージの断面図を示す。
【図8】本発明のインターポーザを用いたリードフレー
ムタイプCSPの断面図を示す。
【符号の説明】
1 ICチップ 2 半田バンプ 3 インナーパッド 4 アウターパッド 5 ポリイミドフィルム 6 スルーホール 7 インターポーザ 8 LCPフィルム 9 封止レジン 10 CSP 11 吊り部 12 スプロケットホール 13 外部端子用半田バンプ 14 インナーリード 15 Auバンプ 16 接着樹脂 17 Auワイヤー 18 ダイボンド樹脂 19 リードフレーム 20 Alパッド
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年2月19日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 ICチップ実装用インターポーザ及び
ICチップパッケージ
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック材料
からなるインターポーザ及びこれにICチップを実装し
たICチップパッケージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、インターポーザとしてポリイミド
フィルムを用い、これにICチップをフリップチップ方
式で実装したICパッケージは知られている。その断面
図を図1に示す。図1において、1はICチップ、2は
半田バンプ、3はインナーパッド、4はアウターパッ
ド、5はポリイミドフィルム、6はスルーホールを示
し、7はそれらから構成されるICパッケージを示す。
このような従来のICパッケージにおいては、そのイン
ターポーザとしてのポリイミドフィルムの線膨張係数
(α)は15〜25ppm/℃の範囲にあり、ICチッ
プ(Si製)の線膨張係数3ppm/℃に比べてかなり
大きいため、電気的な接合部である金属電極部分(半田
バンプ、金バンプ、Alパッド、Alパッド下地、P
d、Ti、W等の電極保護被膜等)にクラックが入り易
く、接合部の信頼性に問題があった。また、急激な温度
差が生じた場合には、ICチップ自体にもクラックを生
じる等の問題もあった。一般的に、接合部の信頼性は、
温度サイクルやヒートショック試験等の加速試験で評価
されるが、接合部のクラックの原因は繰返し応力による
疲労破壊である。この応力は、ICチップとインターポ
ーザの材質との間の線膨張係数(α)の差より生じるも
のである。現在、インターポーザとしては、ポリイミド
フィルム(α=15〜25ppm/℃)、ガラス布BT
レジン基板(α=15ppm/℃)が用いられている
が、ICチップ(α=3ppm/℃)から大きくはなれ
た線膨張係数をもつために、疲労破壊を生じさせる程の
応力が生じるという問題を有している。一方、プラスチ
ックモールドされたCSP(Chip Size Pa
ckage)の場合には、パッケージクラックの問題が
ある。図2に、図1に示したICパッケージを樹脂モー
ルドしてプラスチック型CSPとした製品の断面図を示
す。この図2において、符号1〜7は前記と同じ意味を
有し、9は封止レジン、10はプラスチック型CSPを
示す。このようなCSPにおいては、図2に示すよう
に、プラスチック封止CSPのポリイミドフィルム露出
部(サイド又はパッケージ裏面(外部端子側)から、ポ
リイミドフィルムの吸水率が高い(2.4%程度)ため
に、水分がパッケージ内に浸入し易く、これによりたま
った水分が高温下で水蒸気となり、その応力でパッケー
ジクラックを生じさせる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、導電体パタ
ーンを表面に形成したプラスチックフィルムからなるイ
ンターポーザにICチップを実装したICチップパッケ
ージ及び該ICチップパッケージを樹脂モールドしてプ
ラスチックモールド型としたICチップパッケージにお
いて、金属電極部分におけるクラックの発生を防止する
とともに、プラスチック型ICチップパッケージにおけ
るパッケージクラックの発生を防止することをその課題
とし、さらに導電体パターンを表面に形成した液晶ポリ
マーフィルムからなるインターポーザを提供することを
その課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成する
に至った。即ち、本発明によれば、表面に導電体パター
ンを有する液晶ポリマー分子が平面方向にランダムに配
向した向性を有する液晶ポリマーフィルムからなり、
該液晶ポリマーフィルムは、3〜ppm/℃の線膨張
係数と280℃以上の融点を有し、かつ該フィルムにお
ける1つの平面方向の線膨張係数Aと他の平面方向の線
膨張係数Bの比A/Bが0.3〜3の範囲にあることを
特徴とするICチップ実装用インターポーザが提供され
る。また、本発明によれば、前記インターポーザにIC
チップを実装したICチップパッケージが提供される。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明で用いる液晶ポリマー(L
CP)フィルムにおいて、そのLCPとしては、280
℃以上の融点を持つサーモトロピック液晶ポリマーであ
れば従来公知の各種のものを用いることができる。この
ような液晶ポリマーとしては、例えば、芳香族ジオー
ル、芳香族カルボン酸、ヒドロキシカルボン酸等のモノ
マーから合成される、溶融時に液晶性を示す芳香族ポリ
エステルがあり、その代表的なものとしては、パラヒド
ロキシ安息香酸(PHB)とテレフタル酸とビフェノー
ルからなる第1のタイプのもの(下記式1)や、PHB
と2,6−ヒドロキシナフトエ酸からなる第2のタイプ
のもの(下記式2)がある。
【0006】
【化1】
【0007】
【化2】
【0008】前記一般式(1)のLCPとしては、例え
ば、スミカスーパー(住友化学社)や、Xyder(A
moco社)等があり、前記一般式(2)のLPCとし
ては、Vectra(ヘキスト社)等がある。
【0009】本発明で用いるLCPフィルムは、LCP
分子が平面方向にランダムに配向したもので、LCPフ
ィルムに通常見られる異方向性の大幅に解消されたもの
(本明細書では等方向性フィルムと言う)である。前記
等方向性LCPフィルムは、LCPフィルムの一方の面
又は両方の面に熱可塑性樹脂多孔質体フィルムを加圧下
及び加熱下で接触させ、少なくとも表面部が軟化した状
態の該LCPフィルムに該多孔質体フィルムを熱圧着さ
せ、必要に応じて冷却して、該多孔質体フィルムが該L
CPフィルムに対して1〜500g/cmの剥離強度で
接合している積層体を得る熱圧着工程と、得られた積層
体を、該LCPフィルムは溶融するが多孔質体フィルム
は軟化するが(ガラス転移点以上の温度)実質的に溶融
しない温度条件下で、該LCPの配向方向に対し垂直の
方向に延伸するか又は該LCPの配向方向と同じ方向に
延伸するとともに、該LCP配向方向に対し垂直の方向
に延伸する延伸工程と、得られた積層体延伸物を冷却す
る工程と、冷却された積層体延伸物から多孔質体フィル
ムを剥離する剥離工程によって工業的に有利に製造する
ことができる。
【0010】前記熱可塑性樹脂多孔質体フィルムとして
は、多孔質構造を有する各種のものが用いられ、その平
均細孔径は0.05〜5.0μm、好ましくは0.2〜
1μmであり、空孔率は40〜95%、好ましくは60
〜85%である。このような多孔質体フィルムを形成す
る熱可塑性樹脂としては、具体的には、ポリエチレン、
ポリプロピレン、ポエーテルエーテルケトン、ポリエー
テルサルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリ
アリレート、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリエステル、ポリアミド、ポリアミドイミ
ドの他、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロ
エチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリフ
ッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリ三フッ化塩化
エチレン等のフッ素樹脂等を例示することができる。こ
れらの熱可塑性樹脂のうち、フッ素樹脂は、その高い耐
熱性によって熱圧着温度を高くすることができ、使用す
る液晶ポリマーを広く選択できるので好ましい。本発明
で用いる好ましい多孔質体フィルムは、耐熱性、耐薬品
性の点で延伸多孔質フッ素樹脂フィルム、特に、延伸多
孔質ポリテトラフルオロエチレンフィルムである。熱可
塑性樹脂多孔質体フィルムは、発泡法や溶媒抽出法、固
相延伸法、フィブリル化法等の従来公知の方法で得るこ
とができる。
【0011】本発明でインターポーザ用材料として用い
る等方向性LCPのフィルムを得るには、先ず、LCP
又はそのポリマーアロイ(以下、これらを単にLCPと
も言う)の押出し成形フィルムを用意する。この場合の
LCPの押出し成形フィルムは、異方向性を有し、LC
Pの溶融物を、押出機を用い、その先端のTダイやイン
フレーションダイを通してフィルム状に押出し成形する
ことによって得ることができる。前記溶融温度は、液晶
ポリマーが溶融状態を示す温度である。押出し成形装置
としては、二軸押出機や、単軸押出機等の慣用の装置が
用いられる。押出し成形フィルムの厚さは、20μm〜
5mm、好ましくは50〜800μmである。
【0012】前記等方向性LCPフィルムの製造におけ
る各工程について詳述すると、以下の通りである。 (熱圧着工程)この工程は、LCPフィルムAの両方又
は片方の表面、好ましくは両方の面に多孔質体フィルム
B−1及びB−2をそれぞれ熱圧着させる工程である。
熱圧着温度は、多孔質体フィルムB−1、B−2は実質
的に溶融させないが、LCPフィルムAの少なくとも表
面部、即ち、多孔質体フィルムB−1及びB−2に接触
するフィルムAの表面部のみ又は全体を軟化させる温度
である。
【0013】この熱圧着工程においては、LCPフィル
ムAは、2つの多孔質体フィルムB−1、B−2によ
り、両側から挟まれていることから、その表面部のみに
限らず、全体が軟化状態であってもよい。このような熱
圧着により、LCPフィルムAの両面に、多孔質体フィ
ルムB−1、B−2が接合された積層体が形成される。
【0014】前記のようにして積層体を製造する場合、
その熱圧着装置としては、一対の熱圧着ロールや、熱プ
レス装置が用いられる。熱圧着ロールを用いる場合、液
晶ポリマーフィルムAと2枚の多孔質体フィルムB−
1、B−2を、一対の熱圧着ロールの間の間隙部(クレ
アランス)に供給し、この熱圧着ロール間の間隙部で熱
圧着する。この場合、LCPフィルムAの両側に多孔質
体フィルムB−1、B−2を供給する。LCPフィルム
Aは固体フィルム又は押出機のT−ダイから押出された
溶融物フィルム等であることができる。一方、熱プレス
装置を用いる場合、その熱プレス装置の底板上に第1の
多孔質体フィルムを敷設し、その上にLCPフィルムを
重ね、その上に第2の多孔質体フィルムを重ね、その上
から上板で所定時間加圧して熱圧着し、冷却する。この
場合、底板及び/又は上板を加熱し、LCPフィルムの
少なくとも表面部を軟化させる。前記のようにして、L
CPフィルムAと多孔質体フィルムB−1、B−2との
積層体が得られるが、この積層体において、そのLCP
フィルムAと多孔質体フィルムB−1又はB−2との間
の剥離強度は、1〜500g/cm、好ましくは2〜1
00g/cmである。剥離強度が前記範囲よりも小さく
なると、積層体フィルムの延伸に際し、LCPフィルム
と多孔質体フィルムとの間に剥離が生じ、LCPフィル
ムの円滑な延伸を行うことが困難になるので好ましくな
い。一方、剥離強度が前記範囲より大きくなると、延伸
後に、多孔質体フィルムを剥離する場合に、その剥離が
困難になるので好ましくない。LCPフィルムと多孔質
体フィルムとの間の剥離強度は、両者のフィルムの熱圧
着条件により調節することができる。前記で得られた積
層体は、その熱融着の状態のまま又はいったん冷却した
後、次の延伸工程へ送られる。
【0015】(延伸工程)この工程は、前記積層体フィ
ルム形成工程で得られた積層体フィルムを、その多孔質
フィルムは軟化させるが実質的に溶融せずにLCPフィ
ルムを溶融させる温度条件下で、1軸方向、即ち、その
LCPの配向方向とは垂直の方向(TD)へ延伸するか
又は2軸方向、即ち、そのLCPの配向と同じ方向(M
D)へ延伸するとともに、それとは垂直方向(TD)へ
延伸する工程である。1軸延伸の場合、TDへの延伸倍
率は1.5〜10倍、好ましくは2〜5倍である。2軸
延伸の場合、MDへの延伸倍率は1〜10倍、好ましく
は1〜5倍であり、TDへの延伸倍率は1.5〜20
倍、好ましくは3〜15倍である。また、TDへの延伸
倍率は、MDへの延伸倍率の1.0〜5.0倍、好まし
くは1.5〜3.0倍に規定するのがよい。延伸スピー
ドは、1〜200%/秒、好ましくは5〜50%/秒に
するのがよい。延伸装置としては、従来公知の1軸又は
2軸延伸装置を用いることができる。
【0016】(冷却工程)この工程は、前記延伸工程で
得られた積層体フィルム延伸物を冷却し、溶融状態の液
晶ポリマーフィルムを冷却固化する工程であり、一対の
冷却ロールを用いて実施することができる。また自然放
冷で行ってもよい。
【0017】(剥離工程)この工程は、前記冷却工程で
得られた積層体フィルムから、その両表面に熱圧着され
ている多孔質体フィルムを剥離する工程である。前記し
たように、この多孔質体フィルムは、LCPフィルムに
対しては、剥離可能に接合しているので、その多孔質体
フィルムを、LCPフィルムより上方に引張ることによ
り容易に剥離することができる。
【0018】以上のようにして、等方向性LCPフィル
ムを得ることができる。このフィルムは、延伸用原料フ
ィルムとして用いたLCPフィルムにみられる異方向性
の解消されたもので、平面物性の等方向性にすぐれたも
のである。
【0019】前記等方向性LCPフィルムの製造におい
て、その原料LCPフィルムとしては、充填剤を含有す
るLCPの押出し成形フィルムを用いるのが好ましい。
この場合、充填剤には、無機系及び有機系のものが包含
される。無機系充填剤としては、たとえば、シリカ、ア
ルミナ、酸化チタン等の金属酸化物,炭酸カルシウム、
炭酸バリウム等の金属炭酸塩;硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム等の金属硫酸塩;タルク、クレー、マイカ、ガラ
ス等のケイ酸塩の他、チタン酸カリウム、チタン酸カル
シウム、ガラス繊維等が挙げられる。有機系充填剤とし
ては、液晶ポリマーの加工温度において溶融しない耐熱
性樹脂粉末や、カーボン、グラファイト、カーボン繊維
等が挙げられる。前記耐熱性樹脂粉末としては、ポリイ
ミド、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリエ
ーテルエーテルケトン(PEEK)、フッ素樹脂(PT
FE、FEP、PFA、ETFE、CTFE、PVD
F、E−CTFE等)、LCP等が挙げられる。前記充
填剤において、その平均粒径は0.01〜50μm、好
ましくは0.1〜10μmである。また、充填剤を含有
するLCP中のその充填剤の含有量は、5〜30容量
%、好ましくは10〜20容量%である。前記押出し成
形フィルムを得るには、LCPに充填剤を加えて溶融混
合し、得られた混合物を押出機を用い、その先端のTダ
イやインフレーションダイを通してフィルム状に押出成
形する。前記溶融混合温度は、LCPが溶融状態を示す
温度である。もちろん、充填剤が樹脂粉末の場合には、
その樹脂粉末が溶融する温度より低い温度である。混合
装置としては、二軸押出機、単軸押出機、ニーダー、ミ
キサー等の慣用の混合装置が用いられる。
【0020】前記のようにして得られる充填剤を含有す
る押出し成形フィルムは、表面状態の良好なフィルムで
あって、厚さ分布の平均値Cに対する厚さ分布の標準偏
差Dの比D/Cが0.2以下という厚さ精度にすぐれた
ものである。そして、このような充填剤を含有する押出
し成形フィルムを原料として用いて得られる等方向性L
CPフィルムは、表面状態の非常にすぐれたもので、そ
のフィルムの厚さ分布の平均値Cに対するその厚さ分布
の標準偏差Dの比D/Cが0.2以下、特に0.15〜
0.02の範囲にある。
【0021】本発明で用いる等方向性LCPフィルム
は、通常のLCPフィルムにみられる平面物性の異方向
性の解消されたものであり、平面物性の等方向性にすぐ
れたものである。この場合の平面物性には、線膨張係
数、熱膨張率、熱収縮率、引張り伸度、引張り強度、引
張り弾性率等が包含される。本発明で用いる等方向性L
CPフィルムは、低められた線膨張係数を有する。即
ち、本発明で用いるLCPフィルムは、3〜9ppm/
℃の線膨張係数を有する。線膨張係数の下限値は、通
常、3ppm/℃程度である。本発明で用いるLCPフ
ィルムは、前記のように、低められた線膨張係数を有す
ると同時に、その線膨張係数の等方向性にすぐれ、フィ
ルムの1つの平面方向の線膨張係数Aと他の平面方向の
線膨張係数Bとの比のA/Bは、0.3〜3、好ましく
は、0.5〜2の範囲にある。インターポーザとして用
いるLCPフィルムにおける前記線膨張係数の等方向性
は非常に重要であり、その線膨張係数に大きな異方向性
があると、信頼性のあるインターポーザ及びICチップ
パッケージを得ることができなくなる。
【0022】本発明のインターポーザとして用いる等方
向性LCPフィルムにおいて、その厚さは10〜100
0μm、好ましくは20〜100μm、その線膨張係数
は、3〜9ppm/℃及びその吸水率は0.5重量%以
下、好ましくは0.3重量%以下である。また、その吸
湿膨張率(23℃、80%RH)は、通常、0.1%以
下、好ましくは0.05%以下である。これらの物性
は、LCPの種類や、LCPの押出し成形条件、LCP
フィルムの延伸条件等によって調節することができる。
本発明においては、LCPフィルムには、特に、無機充
填剤を含有させることが好ましい。無機充填剤を含有す
るLCPフィルムは、熱伝導性が向上し、高い放熱効果
を有することから、インターポーザとしての機能におい
てすぐれている。この場合の無機充填剤としては、特
に、シリカ、アルミナ、チタニア等を粉末状やウイスカ
ー状で用いるのが好ましく、その含有量は、特に、5〜
30容量%、好ましくは10〜20容量%である。
【0023】本発明で用いる前記LCPフィルムは、そ
の表面に導電体パターンを形成させて、ICチップを実
装する場合のインターポーザとしてすぐれた効果を示
す。即ち、LCPフィルムの線膨張係数(CTE)は、
平面のどの方向をとっても3〜ppm/℃の範囲にあ
り、ICチップの線膨張係数3ppm/℃とほぼマッチ
ングしている。従って、ICチップをLCPフィルムに
実装する場合に、半田バンプ等の金属接合部に生じる熱
応力を著しく軽減することができ、接合部の信頼性を大
幅に向上させることができる上、ICチップ自体に生じ
る応力を軽減できるので、ICチップの機能低下も防ぐ
ことができ、さらに、ICチップ自体のクラック(引張
応力で100MPa以上、圧縮応力で500MPa以上
で一般的にはクラックを生じる)も効果的に防止するこ
とができる。以上のように、本発明による等方向性LC
PフィルムからなるインターポーザとするICチップパ
ッケージは、ICチップとインターポーザとの間の熱応
力の発生を減じ、パッケージ信頼性が著しく向上したも
のである。また、本発明による前記ICチップパッケー
ジをプラスチックモールドしたプラスチック型ICチッ
プパッケージ(CSP、BGA等)は、LCPフィルム
が非常に低い吸水率(0.1%以下)を示し、PCT
(Pressure Cooker Test)(12
1℃、2atm、湿度100%)、65℃/95%RH
及び85℃/85%RH等の吸湿試験においても、性能
劣化やパッケージクラックを何ら生じることはなく、非
常に高いパッケージ信頼性を有する。
【0024】LCPフィルム上に形成する導電体パター
ンにおいて、その導電体としては、各種の導電性金属、
例えば、銅、42%Ni−Fe合金等のインバー型合金
等が用いられる。インバー型合金としては、特に、線膨
張係数が7ppm/℃以下のものの使用が好ましく、こ
れにより、そりや歪の低減されたインターポーザを得る
ことができる。また、LCPフィルム上にICチップを
実装する場合、その実装方式としては、従来公知の各種
の方式、例えば、ワイヤーボンディングの他、フリップ
チップ方式、ビームリード方式、TAB方式、STD方
式等を採用することができる。本発明によるLCPフィ
ルムからなるインターポーザは、前記のように、線膨張
係数が小さく、ICチップの線膨張係数に近いことか
ら、特に、フリップチップ方式によりICチップを実装
する場合のインターポーザとしてすぐれた効果を示す。
【0025】
【実施例】次に本発明を実施例によりさらに詳細に説明
する。
【0026】参考例1 サーモトロピック液晶ポリマー(住友化学社製、スミカ
スーパーE6000)を、単軸押出機(スクリュー径5
0mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リップ
長さ300mm、リップクリアランス1.0mm、ダイ
温度350℃)より、フィルム状に押出し、冷却して厚
さ250μmの液晶ポリマーフィルムを得た。この液晶
ポリマーフィルムの両面に、厚さ40μmの多孔質ポリ
テトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム(平均孔
径0.2μm、空孔率80%)を、一対の熱ロール(温
度330℃、ロール周速2m/分)を有するラミネータ
ーで熱圧着した後、一対の冷却ロール(温度150℃)
を通して冷却した。この積層体のPTFEフィルムの剥
離強度は5g/cmであった。次に、このようにして得
た積層体を二軸延伸機で延伸した。この時の延伸条件
は、延伸温度350℃、延伸倍率MD方向1.3倍、T
D方向3.9倍、延伸スピード20%/秒、であった。
最後に、多孔質PTFEフィルムを液晶ポリマーフィル
ムの両面から剥離し、厚さ50μmの液晶ポリマー延伸
フィルム(a−1)を得た。
【0027】参考例2 サーモトロピック液晶ポリマー(住友化学社製、スミカ
スーパーE6000)90重量部と天然シリカ(平均粒
径3μm、電気化学社製FS−15)10重量部とを、
二軸押出機を用いて溶融混合するとともに、その先端の
ストランドダイから押出してペレタイザーでペレットに
成形した。次にこのペレットを単軸押出機(スクリュー
径50mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リ
ップ長さ300mm、リップクリアランス1.0mm、
ダイ温度350℃)より、フィルム状に押出し、冷却し
て厚さ250μmの液晶ポリマーフィルムを得た。この
液晶ポリマーフィルムの両面に、厚さ40μmの多孔質
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム(平
均孔径0.2μm、空孔率80%)を、一対の熱ロール
(温度330℃、ロール周速2m/分)を有するラミネ
ーターで熱圧着した後、一対の冷却ロール(温度150
℃)を通して冷却した。この積層体のPTFEフィルム
の剥離強度は5g/cmであった。次に、このようにし
て得た積層体を二軸延伸機で延伸した。この時の延伸条
件は、延伸温度350℃、延伸倍率MD方向1.3倍、
TD方向3.9倍、延伸スピード20%/秒、であっ
た。最後に、多孔質PTFEフィルムを液晶ポリマーフ
ィルムの両面から剥離し、厚さ50μmの液晶ポリマー
延伸フィルム(a−2)を得た。
【0028】参考例3 サーモトロピック液晶ポリマー(住友化学社製、スミカ
スーパーE6000)90重量部と天然シリカ(平均粒
径3μm、電気化学社製FS−15)10重量部とを、
二軸押出機を用いて溶融混合するとともに、その先端の
ストランドダイから押出してペレタイザーでペレットに
成形した。次にこのペレットを単軸押出機(スクリュー
径50mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リ
ップ長さ300mm、リップクリアランス2.5mm、
ダイ温度350℃)より、フィルム状に押出し、冷却し
て厚さ650μmの液晶ポリマーフィルムを得た。この
液晶ポリマーフィルムの両面に、厚さ40μmの多孔質
ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム(平
均孔径0.2μm、空孔率80%)を、一対の熱ロール
(温度330℃、ロール周速2m/分)を有するラミネ
ーターで熱圧着した後、一対の冷却ロール(温度150
℃)を通して冷却した。この積層体のPTFEフィルム
の剥離強度は5g/cmであった。次に、このようにし
て得た積層体を二軸延伸機で延伸した。この時の延伸条
件は、延伸温度350℃、延伸倍率MD方向1.3倍、
TD方向3.9倍、延伸スピード20%/秒、であっ
た。最後に、多孔質PTFEフィルムを液晶ポリマーフ
ィルムの両面から剥離し、厚さ125μmの液晶ポリマ
ー延伸フィルム(a−3)を得た。
【0029】参考例4 サーモトロピック液晶ポリマー(ポリプラスチックス社
製、ベクトラA950)を、単軸押出機(スクリュー径
50mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ(リッ
プ長さ300mm、リップクリアランス1.0mm、ダ
イ温度300℃)より、フィルム状に押出し、冷却して
厚さ250μmの液晶ポリマーフィルムを得た。この液
晶ポリマーフィルムの両面に、厚さ40μmの多孔質ポ
リテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム(平均
孔径0.5μm、空孔率80%)を、一対の熱ロール
(温度280℃、ロール周速2m/分)を有するラミネ
ーターで熱圧着した後、一対の冷却ロール(温度100
℃)を通して冷却した。この積層体のPTFEフィルム
の剥離強度は5g/cmであった。次に、このようにし
て得た積層体を二軸延伸機で延伸した。この時の延伸条
件は、延伸温度300℃、延伸倍率MD方向1.6倍、
TD方向3.2倍、延伸スピード20%/秒、であっ
た。最後に、多孔質PTFEフィルムを液晶ポリマーフ
ィルムの両面から剥離し、厚さ50μmの液晶ポリマー
延伸フィルム(a−4)を得た。
【0030】参考例5 サーモトロピック液晶ポリマー(ポリプラスチックス社
製、ベクトラA950)90重量部と天然シリカ(平均
粒径3μm、電気化学社製FS−15)10重量部と
を、二軸押出機を用いて溶融混合するとともに、その先
端のストランドダイから押出してペレタイザーをペレッ
トに成形した。次にこのペレットを単軸押出機(スクリ
ュー径50mm)内で溶融し、その押出機先端のTダイ
(リップ長さ300mm、リップクリアランス2.5m
m、ダイ温度300℃)より、フィルム状に押出し、冷
却して厚さ250μmの液晶ポリマーフィルムを得た。
この液晶ポリマーフィルムの両面に、厚さ40μmの多
孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)フィルム
(平均孔径0.5μm、空孔率80%)を、一対の熱ロ
ール(温度280℃、ロール周速2m/分)を有するラ
ミネーターで熱圧着した後、一対の冷却ロール(温度1
00℃)を通して冷却した。この積層体のPTFEフィ
ルムの剥離強度は5g/cmであった。次に、このよう
にして得た積層体を二軸延伸機で延伸した。この時の延
伸条件は、延伸温度300℃、延伸倍率MD方向1.6
倍、TD方向3.2倍、延伸スピード20%/秒、であ
った。最後に、多孔質PTFEフィルムを液晶ポリマー
フィルムの両面から剥離し、厚さ50μmの液晶ポリマ
ー延伸フィルム(a−5)を得た。
【0031】以上で得た各々の液晶ポリマーフィルムの
物性を以下のようにして測定し、その結果を表1に示
す。 (1)TD厚さ分布 ダイヤルゲージのニードル型測定子(ミツトヨ社製、先
端R:0.4mm)を鉛直方向に向かい合わせて固定
し、100gの力で接触させる。つぎにこの測定子間に
サンプルフィルムをはさみ、TD方向に移動させる。こ
のようにして、フィルムのTDの厚さ分布データを得
る。 (i)平均値C 1000mm幅、0.5mm間隔で2000ポイント測
定し、その平均値を求めた。 (ii)標準偏差D 前記平均値Cに対する2000ポイントの標準偏差Dを
求めた。 (2)線膨張係数 TMA法:荷重5g、200℃まで昇温後、150℃か
ら25℃への降温時に測定。試料幅4.0mm、チャッ
ク間隔10mm。 (3)吸水率 5×5cmのフィルムを真水中に24時間浸漬し、その
前後の重量を測定して吸水量を算出し、その浸漬前のフ
ィルム重量に対する%で示した。
【0032】
【表1】
【0033】実施例1 参考例1で示した厚さ50μmのLCPフィルムに、図
3に示すように、銅を蒸着して導電体部を形成した。こ
のフィルムの幅は35mmで、導電体部は幅26mm
で、両サイドにスプロケット孔を設けた35mm幅のス
タンダードTABフィルムキャリアの仕様とした。テー
プは長さ20mの長尺で、連続蒸着した後、メッキ法で
厚さ10μmに銅を厚くした。導電体は両面に形成し
た。エキシマレーザを用いて直径40μmのスルーホー
ルをあけ、スルーホールメッキを行い、両面にそれぞれ
電極パターンを形成した。片面の基板実装側の外部端子
には、さらに半田バンプを形成した。以上の工程によ
り、CSP用のインターポーザを得た。
【0034】実施例2 図4に示すように、実施例1で得たインターポーザにI
Cチップをフリップチップ方式で実装した。接合部はP
bリッチの高融点半田バンプとした。さらにこれをエポ
キシ系レジンでトランスファーモールドで封止し、4箇
所の吊り部を切断して、CSPを得た。
【0035】実施例3 図5に示すように、インナーリード部を熱圧着するタイ
プのインターポーザを作製した。これは、参考例2のL
CPフィルムの表面をKOH溶液で処理して、銅を0.
5μm蒸着し、電気メッキで25mm厚にして導電体部
を形成した。エキシマレーザでスルーホールをあけ、ス
ルーホールメッキしたのち、エッチングでパターンを形
成した。さらに、外部端子に半田バンプを形成した。こ
うして、インナーリード付BGAタイプのインターポー
ザを得た。
【0036】実施例4 図6に示すように、実施例3のインターポーザにAuバ
ンプ付ICチップをインターポーザのインナーリード部
に500℃で熱圧着した。これを、エポキシ系レジンで
封止して、BGAタイプのCSPができた。
【0037】実施例5 図7に示すように、ICチップの放熱性を高めるため、
参考例3で得たSiOフィラー10重量%を含有する
LCPフィルム(厚さ125μm、CTE;X方向:7
ppm/℃、Y方向:8ppm/℃)にスルーホール、
インナーパッド、アウターパッドを設けたものにICチ
ップを熱伝導性の高いダイボンディング樹脂で接着し、
ワイヤーボンディングした後、保護用樹脂で封止して、
ICパッケージを得た。このものは、ICチップに生じ
る熱応力が小さく良好なパッケージである。
【0038】実施例6 図8に示すように、リードフレームタイプのCSPに、
LCPフィルムの保護及び絶縁のための層を設けたもの
である。まず、リードフレームのワイヤーボンディング
のセカンド面に対して裏面に実施例5で示したLCPフ
ィルムを貼り付ける。この絶縁体付リードフレームにI
Cチップをフェースダウンで接着し、ワイヤーボンディ
ングを行う。さらに樹脂で封止してCSPができ上が
る。このものは、ICチップとCTE値が近いLCPフ
ィルムを用いたことで、リードフレームとICチップと
のCTE値のミスマッチによって生じる熱応力が軽減で
き、良好なCSPを得ることができた。
【0039】
【発明の効果】本発明のインターポーザは、融点が28
0℃以上と高く、半田耐熱性にすぐれ、かつ線膨張率を
低くコントロールした特定物性のLCPフィルムを用い
て構成したことから、信頼性の高いICチップパッケー
ジを与えるもので、その産業的意義は非常に高い。本発
明のICチップパッケージは、そのインターポーザに線
膨張係数がICチップの線膨張係数である3ppm/℃
に近いLCPフィルムからなるインターポーザを用いた
ことにより、従来のポリイミドフィルムをインターポー
ザとして用いたものよりも接合部の信頼性が高く、さら
にこれを樹脂モールドしたパッケージにおいては、LC
Pフィルムの吸水率が低いことにより、パッケージクラ
ックを低減できる。また、従来のセラミックスインター
ポーザに比べ、安価でかつ薄いパッケージとすることが
できる。さらに、本発明のICチップパッケージの場
合、そのLCPフィルムの吸水率が低く、かつそのモー
ルド樹脂との接着性が良いことから、モールドする樹脂
の量を少なくでき、安価で、薄く、軽くすることができ
る。そして、軽いCSP、BGAは大変な利点がある。
これはこのようなパッケージを基板に実装する際に行
う、半田バンプを用いたCCB(コントロール、コラッ
プス、ボンディング)法による接合の際、軽い方がより
セルファライメントがききやすい点である。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリイミドフィルムを用いた従来のICチップ
パッケージの断面図を示す。
【図2】図1のICチップパッケージを樹脂モールドし
て形成したプラスチックモール型CSPの断面図を示
す。
【図3】本発明のインターポーザの構造説明図を示す。 a:概略図 b:そのA−A’断面図
【図4】図3に示すインターポーザにICチップを実装
し、さらに樹脂モールドして形成したプラスチックモー
ルド型CSPの断面図を示す。
【図5】本発明によるインナーリード付CSP用インタ
ーポーザの構造説明図を示す。 a:概略図 b:そのB−B’断面図
【図6】図5に示すインターポーザを用いて形成したC
SPの断面図を示す。
【図7】本発明のシリカ含有インターポーザを用いて形
成したワイヤーボンディングタイプICチップパッケー
ジの断面図を示す。
【図8】本発明のインターポーザを用いたリードフレー
ムタイプCSPの断面図を示す。
【符号の説明】 1 ICチップ 2 半田バンプ 3 インナーパッド 4 アウターパッド 5 ポリイミドフィルム 6 スルーホール 7 インターポーザ 8 LCPフィルム 9 封止レジン 10 CSP 11 吊り部 12 スプロケットホール 13 外部端子用半田バンプ 14 インナーリード 15 Auバンプ 16 接着樹脂 17 Auワイヤー 18 ダイボンド樹脂 19 リードフレーム 20 Alパッド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浦上 明 東京都世田谷区赤堤1丁目42番5号 ジャ パンゴアテックス株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に導電体パターンを有する液晶ポリ
    マー分子が平面方向にランダムに配向した均方向性を有
    する液晶ポリマーフィルムからなり、該液晶ポリマーフ
    ィルムは、3〜15ppm/℃の線膨張係数と280℃
    以上の融点を有し、かつ該フィルムにおける1つの平面
    方向の線膨張係数Aと他の平面方向の線膨張係数Bの比
    A/Bが0.3〜3の範囲にあることを特徴とするIC
    チップ実装用インターポーザ。
  2. 【請求項2】 該導電体パターンが、7ppm/℃以下
    の線膨張係数を有するインバー型合金からなる請求項1
    のICチップ実装用インターポーザ。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のインターポーザにIC
    チップを実装したICチップパッケージ。
  4. 【請求項4】 樹脂モールドしてプラスチックモールド
    型ICチップパッケージとした請求項3のICチップパ
    ッケージ。
  5. 【請求項5】 該ICチップの実装方式が、フリップチ
    ップ方式である請求項3又は4のICチップパッケー
    ジ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6762484B2 (en) 2000-05-02 2004-07-13 Gerhard Span Thermoelectric element
JP2018026403A (ja) * 2016-08-08 2018-02-15 株式会社フジクラ 実装体及び当該実装体の製造方法

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US6762484B2 (en) 2000-05-02 2004-07-13 Gerhard Span Thermoelectric element
JP2018026403A (ja) * 2016-08-08 2018-02-15 株式会社フジクラ 実装体及び当該実装体の製造方法

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