JPH11140330A - 熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形体および複合成形品 - Google Patents
熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形体および複合成形品Info
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- JPH11140330A JPH11140330A JP30563297A JP30563297A JPH11140330A JP H11140330 A JPH11140330 A JP H11140330A JP 30563297 A JP30563297 A JP 30563297A JP 30563297 A JP30563297 A JP 30563297A JP H11140330 A JPH11140330 A JP H11140330A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 金属やセラミックスなどの熱可塑性樹脂以外
の材料に対して優れた密着性を有する熱可塑性樹脂組成
物、この熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体および
この樹脂成形体を有する複合成形品を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂組成物は、結晶性樹脂およ
びその融点より低いガラス転移温度を有する非結晶性樹
脂を特定の割合で含有し、結晶性樹脂のガラス転移温度
以上でかつ結晶性樹脂の融点以下の温度で加熱処理され
る。樹脂成形体は、上記の熱可塑性樹脂組成物よりな
り、上記の温度条件で加熱処理される。複合成形品は、
前記結晶性樹脂および前記非結晶性樹脂を特定の割合で
含有する熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体と、樹
脂成形体とは異なる材料よりなる複合成形品構成部材と
を有し、非結晶性樹脂のガラス転移温度以上でかつ結晶
性樹脂の融点以下の温度で加熱処理されている。
の材料に対して優れた密着性を有する熱可塑性樹脂組成
物、この熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体および
この樹脂成形体を有する複合成形品を提供すること。 【解決手段】 熱可塑性樹脂組成物は、結晶性樹脂およ
びその融点より低いガラス転移温度を有する非結晶性樹
脂を特定の割合で含有し、結晶性樹脂のガラス転移温度
以上でかつ結晶性樹脂の融点以下の温度で加熱処理され
る。樹脂成形体は、上記の熱可塑性樹脂組成物よりな
り、上記の温度条件で加熱処理される。複合成形品は、
前記結晶性樹脂および前記非結晶性樹脂を特定の割合で
含有する熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体と、樹
脂成形体とは異なる材料よりなる複合成形品構成部材と
を有し、非結晶性樹脂のガラス転移温度以上でかつ結晶
性樹脂の融点以下の温度で加熱処理されている。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属やセラミック
スとの密着性に優れた成形体が得られる熱可塑性樹脂組
成物、この熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体、お
よびこの樹脂成形体にその他の材料よりなる複合成形品
構成部材が一体的に設けられた複合成形品に関する。
スとの密着性に優れた成形体が得られる熱可塑性樹脂組
成物、この熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体、お
よびこの樹脂成形体にその他の材料よりなる複合成形品
構成部材が一体的に設けられた複合成形品に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、IC素子、発光ダイオードなど
のエレクトロニクス素子は、金属やセラミックスから構
成されているため、大気中に放置すると、大気中の酸素
や水分などによって酸化などが生じて表面が変質した
り、或いは、大気中の塵埃が表面に付着したり、当該塵
埃によって表面が損傷したりすることがある。このよう
な理由から、エレクトロニクス素子においては、表面の
変質、表面への塵埃の付着、表面の損傷を防止するた
め、樹脂などによって封止された複合成形品とすること
が行われている。
のエレクトロニクス素子は、金属やセラミックスから構
成されているため、大気中に放置すると、大気中の酸素
や水分などによって酸化などが生じて表面が変質した
り、或いは、大気中の塵埃が表面に付着したり、当該塵
埃によって表面が損傷したりすることがある。このよう
な理由から、エレクトロニクス素子においては、表面の
変質、表面への塵埃の付着、表面の損傷を防止するた
め、樹脂などによって封止された複合成形品とすること
が行われている。
【0003】このようなエレクトロニクス素子の封止に
おいては、従来、封止用材料としてエポキシ樹脂が使用
されていた。然るに、エポキシ樹脂は熱硬化性樹脂であ
って硬化処理に時間がかかるため、封止作業に相当に長
い時間が必要である。また、封止処理後において、エポ
キシ樹脂が十分に硬化していない場合には、未硬化部分
の硬化が経時的に進して封止樹脂全体が収縮するため、
その圧力によってエレクトロニクス素子が破壊されてし
まう、という問題があった。
おいては、従来、封止用材料としてエポキシ樹脂が使用
されていた。然るに、エポキシ樹脂は熱硬化性樹脂であ
って硬化処理に時間がかかるため、封止作業に相当に長
い時間が必要である。また、封止処理後において、エポ
キシ樹脂が十分に硬化していない場合には、未硬化部分
の硬化が経時的に進して封止樹脂全体が収縮するため、
その圧力によってエレクトロニクス素子が破壊されてし
まう、という問題があった。
【0004】而して、最近においては、熱可塑性樹脂よ
りなる封止用材料の研究が進められており、例えば、ノ
ルボルネン類とオレフィン類の付加型共重合体樹脂を用
いてエレクトロニクス素子を封止する方法が提案されて
いる(特開平2−31451号公報参照)。然るに、こ
のような熱可塑性樹脂は、短い時間で封止を行うことが
できる点で優れているが、金属やセラミックスなどの樹
脂以外の材料との密着性が不十分なものである。また、
熱可塑性樹脂の熱膨張係数は、セラミックスなどの熱可
塑性樹脂以外の材料の熱膨張係数と大きく異なる。従っ
て、熱可塑性樹脂よりなる樹脂成形体と、それ以外の材
料よりなる複合成形品構成部材とを有する複合成形品に
おいては、温度変化による熱履歴を受けると、樹脂成形
体が複合成形品構成部材から剥離しやすくなる。そのた
め、樹脂成形体と複合成形品構成部材との間の間隙に、
空気が進入して複合成形品構成部材に接触する結果、当
該複合成形品構成部材に酸化などが生じてその表面が変
質する、という問題があった。
りなる封止用材料の研究が進められており、例えば、ノ
ルボルネン類とオレフィン類の付加型共重合体樹脂を用
いてエレクトロニクス素子を封止する方法が提案されて
いる(特開平2−31451号公報参照)。然るに、こ
のような熱可塑性樹脂は、短い時間で封止を行うことが
できる点で優れているが、金属やセラミックスなどの樹
脂以外の材料との密着性が不十分なものである。また、
熱可塑性樹脂の熱膨張係数は、セラミックスなどの熱可
塑性樹脂以外の材料の熱膨張係数と大きく異なる。従っ
て、熱可塑性樹脂よりなる樹脂成形体と、それ以外の材
料よりなる複合成形品構成部材とを有する複合成形品に
おいては、温度変化による熱履歴を受けると、樹脂成形
体が複合成形品構成部材から剥離しやすくなる。そのた
め、樹脂成形体と複合成形品構成部材との間の間隙に、
空気が進入して複合成形品構成部材に接触する結果、当
該複合成形品構成部材に酸化などが生じてその表面が変
質する、という問題があった。
【0005】このような問題を解決するため、複合成形
品構成部材の表面に、ゴム質体、光硬化性樹脂、電子線
硬化樹脂などからなる中間層が形成されてなる複合成形
品が提案されている(特開平6−91694号公報参
照)。しかしながら、このような複合成形品において
は、熱可塑性樹脂よりなる樹脂成形体と複合成形品構成
部材との密着性が十分ではないばかりか、当該複合成形
品の製造において、複合成形品構成部材の表面に中間層
を形成するために、重合体溶液あるいは溶融重合体を塗
布する工程が必要となるため、高い生産性が得られな
い、という問題があった。
品構成部材の表面に、ゴム質体、光硬化性樹脂、電子線
硬化樹脂などからなる中間層が形成されてなる複合成形
品が提案されている(特開平6−91694号公報参
照)。しかしながら、このような複合成形品において
は、熱可塑性樹脂よりなる樹脂成形体と複合成形品構成
部材との密着性が十分ではないばかりか、当該複合成形
品の製造において、複合成形品構成部材の表面に中間層
を形成するために、重合体溶液あるいは溶融重合体を塗
布する工程が必要となるため、高い生産性が得られな
い、という問題があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
金属やセラミックスなどの熱可塑性樹脂以外の材料に対
して優れた密着性を有する熱可塑性樹脂組成物およびこ
の熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、熱可塑性樹脂よりなる
樹脂成形体と、それ以外の材料よりなる複合成形品構成
部材とを有する複合成形品であって、当該樹脂成形体と
当該複合成形品構成部材との界面において優れた密着性
を有し、樹脂成形体が複合成形品構成部材から剥離する
ことのない複合成形品を提供することにある。
な事情に基づいてなされたものであって、その目的は、
金属やセラミックスなどの熱可塑性樹脂以外の材料に対
して優れた密着性を有する熱可塑性樹脂組成物およびこ
の熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体を提供するこ
とにある。本発明の他の目的は、熱可塑性樹脂よりなる
樹脂成形体と、それ以外の材料よりなる複合成形品構成
部材とを有する複合成形品であって、当該樹脂成形体と
当該複合成形品構成部材との界面において優れた密着性
を有し、樹脂成形体が複合成形品構成部材から剥離する
ことのない複合成形品を提供することにある。
【0007】
【課題を解決しようとする手段】本発明の熱可塑性樹脂
組成物は、結晶性樹脂およびこの結晶性樹脂の融点より
低いガラス転移温度を有する非結晶性樹脂を含有してな
り、当該結晶性樹脂と当該非結晶性樹脂との割合が重量
比で40:60〜99:1である熱可塑性樹脂組成物で
あって、前記非結晶性樹脂のガラス転移温度以上でかつ
前記結晶性樹脂の融点以下の温度で加熱処理されること
を特徴とする。
組成物は、結晶性樹脂およびこの結晶性樹脂の融点より
低いガラス転移温度を有する非結晶性樹脂を含有してな
り、当該結晶性樹脂と当該非結晶性樹脂との割合が重量
比で40:60〜99:1である熱可塑性樹脂組成物で
あって、前記非結晶性樹脂のガラス転移温度以上でかつ
前記結晶性樹脂の融点以下の温度で加熱処理されること
を特徴とする。
【0008】本発明の樹脂成形体は、結晶性樹脂および
この結晶性樹脂の融点より低いガラス転移温度を有する
非結晶性樹脂を含有してなり、当該結晶性樹脂と当該非
結晶性樹脂との割合が重量比で40:60〜99:1で
ある熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体であって、
前記非結晶性樹脂のガラス転移温度以上でかつ前記結晶
性樹脂の融点以下の温度で加熱処理されることを特徴と
する。
この結晶性樹脂の融点より低いガラス転移温度を有する
非結晶性樹脂を含有してなり、当該結晶性樹脂と当該非
結晶性樹脂との割合が重量比で40:60〜99:1で
ある熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体であって、
前記非結晶性樹脂のガラス転移温度以上でかつ前記結晶
性樹脂の融点以下の温度で加熱処理されることを特徴と
する。
【0009】本発明の複合成形品は、結晶性樹脂および
この結晶性樹脂の融点より低いガラス転移温度を有する
非結晶性樹脂を含有してなり、当該結晶性樹脂と当該非
結晶性樹脂との割合が重量比で40:60〜99:1で
ある熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体と、この樹
脂成形体に一体的に設けられた、当該樹脂成形体とは異
なる材料よりなる複合成形品構成部材とを有する複合成
形品であって、前記非結晶性樹脂のガラス転移温度以上
でかつ前記結晶性樹脂の融点以下の温度で加熱処理され
ていることを特徴とする。
この結晶性樹脂の融点より低いガラス転移温度を有する
非結晶性樹脂を含有してなり、当該結晶性樹脂と当該非
結晶性樹脂との割合が重量比で40:60〜99:1で
ある熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体と、この樹
脂成形体に一体的に設けられた、当該樹脂成形体とは異
なる材料よりなる複合成形品構成部材とを有する複合成
形品であって、前記非結晶性樹脂のガラス転移温度以上
でかつ前記結晶性樹脂の融点以下の温度で加熱処理され
ていることを特徴とする。
【0010】
【作用】本発明によれば、特定の熱可塑性樹脂組成物よ
りなる樹脂成形体が、それ以外の材料よりなる複合成形
品構成部材と一体化された状態で、特定の温度で加熱処
理されるため、当該樹脂成形体と当該複合成形品構成部
材との密着性が著しく向上する。その理由は以下のよう
に推定される。樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂組成
物は、結晶性樹脂によって形成される相と、非結晶性樹
脂によって形成される相とが混在する構造、あるいは結
晶性樹脂によって形成される連続相と非結晶性樹脂によ
って形成される非連続相(分散相)とによるいわゆる海
―島構造を有している。このような構造を有する熱可塑
性樹脂組成物が、非結晶性樹脂のガラス転移温度(T
g)以上でかつ結晶性樹脂の融点(mp)以下の温度で
加熱処理されることにより、例えば分散相を形成する非
結晶性樹脂が流動化して複合成形品構成部材との界面に
入り込むと共に、例えば連続相を形成する結晶性樹脂の
結晶化が進行して樹脂成形体全体が収縮する。そして、
樹脂成形体の収縮による圧力によって複合成形品構成部
材が締め付けられ、その結果、樹脂成形体と複合成形品
構成部材との密着性が向上する。
りなる樹脂成形体が、それ以外の材料よりなる複合成形
品構成部材と一体化された状態で、特定の温度で加熱処
理されるため、当該樹脂成形体と当該複合成形品構成部
材との密着性が著しく向上する。その理由は以下のよう
に推定される。樹脂成形体を構成する熱可塑性樹脂組成
物は、結晶性樹脂によって形成される相と、非結晶性樹
脂によって形成される相とが混在する構造、あるいは結
晶性樹脂によって形成される連続相と非結晶性樹脂によ
って形成される非連続相(分散相)とによるいわゆる海
―島構造を有している。このような構造を有する熱可塑
性樹脂組成物が、非結晶性樹脂のガラス転移温度(T
g)以上でかつ結晶性樹脂の融点(mp)以下の温度で
加熱処理されることにより、例えば分散相を形成する非
結晶性樹脂が流動化して複合成形品構成部材との界面に
入り込むと共に、例えば連続相を形成する結晶性樹脂の
結晶化が進行して樹脂成形体全体が収縮する。そして、
樹脂成形体の収縮による圧力によって複合成形品構成部
材が締め付けられ、その結果、樹脂成形体と複合成形品
構成部材との密着性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、結晶性樹脂と非
結晶性樹脂とを含有してなるものである。また、本発明
の樹脂成形体は、この熱可塑性樹脂組成物よりなるもの
である。また、本発明の複合成形品は、この樹脂成形体
と、この樹脂成形体とは異なる材料よりなる複合成形品
構成部材とが一体的に設けられてなるものである。
する。本発明の熱可塑性樹脂組成物は、結晶性樹脂と非
結晶性樹脂とを含有してなるものである。また、本発明
の樹脂成形体は、この熱可塑性樹脂組成物よりなるもの
である。また、本発明の複合成形品は、この樹脂成形体
と、この樹脂成形体とは異なる材料よりなる複合成形品
構成部材とが一体的に設けられてなるものである。
【0012】<結晶性樹脂>熱可塑性樹脂組成物を構成
する結晶性樹脂としては、種々のものを用いることがで
き、その具体例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン6
6樹脂、ナイロン46樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などが挙げら
れる。これらの樹脂は、単独または2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
する結晶性樹脂としては、種々のものを用いることがで
き、その具体例としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロ
ピレン樹脂、ポリアリーレンスルフィド樹脂、ポリエー
テルエーテルケトン樹脂、ナイロン6樹脂、ナイロン6
6樹脂、ナイロン46樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂などが挙げら
れる。これらの樹脂は、単独または2種以上を組み合わ
せて用いることができる。
【0013】上記の結晶性樹脂の中では、ポリアリーレ
ンスルフィド樹脂が、耐熱性、難燃性、寸法安定性に優
れている点で好ましい。このポリアリーレンスルフィド
樹脂は、主として下記一般式(I)で表される構成単位
を骨格中に有するものである。
ンスルフィド樹脂が、耐熱性、難燃性、寸法安定性に優
れている点で好ましい。このポリアリーレンスルフィド
樹脂は、主として下記一般式(I)で表される構成単位
を骨格中に有するものである。
【0014】
【化1】一般式(I) −X−S− (一般式(I)において、Xは2価の芳香族基を示
す。)
す。)
【0015】上記一般式(1)において、Xで示される
2価の芳香族基としては、p−フェニレン基、m−フェ
ニレン基、2,6−ナフタレン基、4,4’−ビフェニ
レン基、p,p’−ビベンジル基およびこれらの基が核
置換されたものなどが挙げられる。このような構成単位
を有するポリアリーレンスルフィド樹脂の中では、核置
換されたp−フェニレン基を有するポリ−p−フェニレ
ンスルフィド樹脂が、優れた成形加工性を有する点で好
ましい。
2価の芳香族基としては、p−フェニレン基、m−フェ
ニレン基、2,6−ナフタレン基、4,4’−ビフェニ
レン基、p,p’−ビベンジル基およびこれらの基が核
置換されたものなどが挙げられる。このような構成単位
を有するポリアリーレンスルフィド樹脂の中では、核置
換されたp−フェニレン基を有するポリ−p−フェニレ
ンスルフィド樹脂が、優れた成形加工性を有する点で好
ましい。
【0016】ポリアリーレンスルフィド樹脂としては、
上記一般式(1)で表される構成単位を1分子中に少な
くとも70モル%以上含有してなるものを用いることが
好ましい。この含有割合が70モル%未満である場合に
は、当該ポリアリーレンスルフィド樹脂は結晶性が低い
ものとなったり、ガラス転移温度が低いものとなったり
するため、得られる熱可塑性樹脂組成物の物性が低下す
ることがある。また、ポリアリーレンスルフィド樹脂と
しては、1,2,4−結合フェニレン核などの3価以上
の芳香族基、脂肪族基、ヘテロ原子含有基などを1分子
中に30モル%以下の割合で含有してなるものを用いる
ことができる。
上記一般式(1)で表される構成単位を1分子中に少な
くとも70モル%以上含有してなるものを用いることが
好ましい。この含有割合が70モル%未満である場合に
は、当該ポリアリーレンスルフィド樹脂は結晶性が低い
ものとなったり、ガラス転移温度が低いものとなったり
するため、得られる熱可塑性樹脂組成物の物性が低下す
ることがある。また、ポリアリーレンスルフィド樹脂と
しては、1,2,4−結合フェニレン核などの3価以上
の芳香族基、脂肪族基、ヘテロ原子含有基などを1分子
中に30モル%以下の割合で含有してなるものを用いる
ことができる。
【0017】また、ポリアリーレンスルフィド樹脂とし
ては、直鎖型のものおよび架橋型のものを、目的に応じ
てそれぞれ単独であるいは組み合わせて用いることがで
きる。例えば、射出成形によって樹脂成形体を製造する
場合において、バリの少ない成形体を得るためには、架
橋型のポリアリーレンスルフィド樹脂を用いることが好
ましい。一方、得られる樹脂成形体の成形収縮の異方性
(材料の流動方向における成形品の収縮率と、材料の流
動方向と垂直な方向における成形品の収縮率とが異なる
性質)を小さくするためには、直鎖型のポリアリーレン
スルフィド樹脂を用いることが好ましい。
ては、直鎖型のものおよび架橋型のものを、目的に応じ
てそれぞれ単独であるいは組み合わせて用いることがで
きる。例えば、射出成形によって樹脂成形体を製造する
場合において、バリの少ない成形体を得るためには、架
橋型のポリアリーレンスルフィド樹脂を用いることが好
ましい。一方、得られる樹脂成形体の成形収縮の異方性
(材料の流動方向における成形品の収縮率と、材料の流
動方向と垂直な方向における成形品の収縮率とが異なる
性質)を小さくするためには、直鎖型のポリアリーレン
スルフィド樹脂を用いることが好ましい。
【0018】さらに、ポリアリーレンスルフィド樹脂と
しては、適宜の官能基によって変性されたもの(以下、
「変性ポリアリーレンスルフィド樹脂」という。)を用
いることができ、また、変性ポリアリーレンスルフィド
樹脂と、変性されていないポリアリーレンスルフィド樹
脂との混合物を用いることもできる。変性ポリアリーレ
ンスルフィド樹脂としては、エポキシ基、アミノ基、カ
ルボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン基、ビニル
基、(メタ)アクリル基、メルカプト基などの官能基に
よって変性されたものを用いることができるが、特に、
エポキシ基変性ポリアリーレンスルフィド樹脂、アミノ
基変性ポリアリーレンスルフィド樹脂が好ましい。結晶
性樹脂として変性ポリアリーレンスルフィド樹脂を用い
ることにより、当該変性ポリアリーレンスルフィド樹脂
の官能基が、後述する非結晶性樹脂として用いられる熱
可塑性ノルボルネン系樹脂中のエステル基と反応するこ
とにより、変性ポリアリーレンスルフィド樹脂とノルボ
ルネン系樹脂とのブロック共重合体が形成され、これに
より、両者の相溶性が高まり、得られる熱可塑性樹脂組
成物の物性を向上させることができると共に、成形収縮
の異方性を小さくすることができる。
しては、適宜の官能基によって変性されたもの(以下、
「変性ポリアリーレンスルフィド樹脂」という。)を用
いることができ、また、変性ポリアリーレンスルフィド
樹脂と、変性されていないポリアリーレンスルフィド樹
脂との混合物を用いることもできる。変性ポリアリーレ
ンスルフィド樹脂としては、エポキシ基、アミノ基、カ
ルボキシル基、酸無水物基、オキサゾリン基、ビニル
基、(メタ)アクリル基、メルカプト基などの官能基に
よって変性されたものを用いることができるが、特に、
エポキシ基変性ポリアリーレンスルフィド樹脂、アミノ
基変性ポリアリーレンスルフィド樹脂が好ましい。結晶
性樹脂として変性ポリアリーレンスルフィド樹脂を用い
ることにより、当該変性ポリアリーレンスルフィド樹脂
の官能基が、後述する非結晶性樹脂として用いられる熱
可塑性ノルボルネン系樹脂中のエステル基と反応するこ
とにより、変性ポリアリーレンスルフィド樹脂とノルボ
ルネン系樹脂とのブロック共重合体が形成され、これに
より、両者の相溶性が高まり、得られる熱可塑性樹脂組
成物の物性を向上させることができると共に、成形収縮
の異方性を小さくすることができる。
【0019】結晶性樹脂としてポリアリーレンスルフィ
ド樹脂を用いる場合において、当該ポリアリーレンスル
フィド樹脂の溶融粘度は、得られる熱可塑性樹脂組成物
の強度と成形性とのバランスを図る観点から、温度30
0℃、歪速度1000sec -1の測定条件において、1
00〜100000poiseであることが好ましい。
ド樹脂を用いる場合において、当該ポリアリーレンスル
フィド樹脂の溶融粘度は、得られる熱可塑性樹脂組成物
の強度と成形性とのバランスを図る観点から、温度30
0℃、歪速度1000sec -1の測定条件において、1
00〜100000poiseであることが好ましい。
【0020】<非結晶性樹脂>熱可塑性樹脂組成物を構
成する非結晶性樹脂としては、種々のものを用いること
ができ、その具体例としては、ポリカーボネート、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メ
タ)アクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテル
イミド、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が挙げられる。こ
れらの中では、得られる熱可塑性樹脂組成物の強度と成
形性とのバランスを図る観点から、熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂が好ましい。
成する非結晶性樹脂としては、種々のものを用いること
ができ、その具体例としては、ポリカーボネート、ポリ
スチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリ(メ
タ)アクリレート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホ
ン、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテル
イミド、熱可塑性ノルボルネン系樹脂が挙げられる。こ
れらの中では、得られる熱可塑性樹脂組成物の強度と成
形性とのバランスを図る観点から、熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂が好ましい。
【0021】この熱可塑性ノルボルネン系樹脂は、その
繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有するもの、好ま
しくは下記一般式(II)〜(V)で表されるノルボルナ
ン骨格を有するものである。
繰り返し単位中にノルボルナン骨格を有するもの、好ま
しくは下記一般式(II)〜(V)で表されるノルボルナ
ン骨格を有するものである。
【0022】
【化2】
【0023】(一般式(II)〜一般式(V)において、
R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ水素原子また
は1価の有機基を示し、これらは同一であっても異なっ
ていてもよい。)
R1 、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ水素原子また
は1価の有機基を示し、これらは同一であっても異なっ
ていてもよい。)
【0024】このような熱可塑性ノルボルネン系樹脂と
しては、例えば特開昭60−168708号公報、特開
昭62−252406号公報、特開昭62−25240
7号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63
−145324号公報、特開昭63−264626号公
報、特開平1−240517号公報、特公昭57−88
15号公報などに記載されているものを挙げることがで
きる。具体的には、下記一般式(VI)で表されるテトラ
シクロドデセン誘導体よりなる単量体をメタセシス重合
して得られる重合体、または下記一般式(VI)で表され
るテトラシクロドデセンおよびこれと共重合可能な不飽
和環状化合物(以下、「共重合性単量体」という。)よ
りなる混合単量体をメタセシス重合して得られる重合体
を、水素添加することにより得られる水添重合体を挙げ
ることができる。
しては、例えば特開昭60−168708号公報、特開
昭62−252406号公報、特開昭62−25240
7号公報、特開平2−133413号公報、特開昭63
−145324号公報、特開昭63−264626号公
報、特開平1−240517号公報、特公昭57−88
15号公報などに記載されているものを挙げることがで
きる。具体的には、下記一般式(VI)で表されるテトラ
シクロドデセン誘導体よりなる単量体をメタセシス重合
して得られる重合体、または下記一般式(VI)で表され
るテトラシクロドデセンおよびこれと共重合可能な不飽
和環状化合物(以下、「共重合性単量体」という。)よ
りなる混合単量体をメタセシス重合して得られる重合体
を、水素添加することにより得られる水添重合体を挙げ
ることができる。
【0025】
【化3】
【0026】(一般式(VI)において、R1 、R2 、R
3 およびR4 は、それぞれ水素原子または1価の有機基
を示し、これらは同一であっても異なっていてもよ
い。)
3 およびR4 は、それぞれ水素原子または1価の有機基
を示し、これらは同一であっても異なっていてもよ
い。)
【0027】前記一般式(VI)で表されるテトラシクロ
ドデセン誘導体において、R1 、R 2 、R3 およびR4
のうち、少なくとも1個、好ましくはいずれか1個のみ
が極性基であるものを用いることが、前述の結晶性樹脂
との相溶性、後述する複合成形品構成部材に対する密着
性、および得られる熱可塑性樹脂組成物の耐熱性の点で
好ましい。
ドデセン誘導体において、R1 、R 2 、R3 およびR4
のうち、少なくとも1個、好ましくはいずれか1個のみ
が極性基であるものを用いることが、前述の結晶性樹脂
との相溶性、後述する複合成形品構成部材に対する密着
性、および得られる熱可塑性樹脂組成物の耐熱性の点で
好ましい。
【0028】このようなテトラシクロドデセン誘導体に
おいては、極性基が下記一般式(VII)で表されるもの
であることが、高いガラス転移温度を有する重合体が得
られる点で好ましい。
おいては、極性基が下記一般式(VII)で表されるもの
であることが、高いガラス転移温度を有する重合体が得
られる点で好ましい。
【0029】
【化4】
【0030】(一般式(VII)において、R5 は、炭素
数が1〜20の炭化水素基を示す。nは0〜10の整数
である。
数が1〜20の炭化水素基を示す。nは0〜10の整数
である。
【0031】前記一般式(VII)において、R5 で示さ
れる炭化水素基は、炭素数が1〜20のものであり、炭
素数が多いものほど、得られる水添重合体の吸湿性が小
さくなる点で好ましいが、得られる水添重合体のガラス
転移温度とのバランスの観点から、炭素数が1〜4の鎖
状アルキル基または炭素数が5以上の(多)環状アルキ
ル基であることが好ましく、特にメチル基、エチル基、
シクロヘキシル基であることが好ましい。
れる炭化水素基は、炭素数が1〜20のものであり、炭
素数が多いものほど、得られる水添重合体の吸湿性が小
さくなる点で好ましいが、得られる水添重合体のガラス
転移温度とのバランスの観点から、炭素数が1〜4の鎖
状アルキル基または炭素数が5以上の(多)環状アルキ
ル基であることが好ましく、特にメチル基、エチル基、
シクロヘキシル基であることが好ましい。
【0032】また、前記一般式(VI)で表されるテトラ
シクロドデセン誘導体においては、前記一般式(VII)
で表される極性基が結合した炭素原子に、炭素数が1〜
10の炭化水素基が結合されているものが、吸湿性の低
い重合体が得られる点で好ましい。特に、上記炭化水素
基がメチル基またはエチル基であるテトラシクロドデセ
ン誘導体は、その合成が容易である点で好ましく、具体
的には、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 17,10]ドデカ−8
−エンが好ましい。
シクロドデセン誘導体においては、前記一般式(VII)
で表される極性基が結合した炭素原子に、炭素数が1〜
10の炭化水素基が結合されているものが、吸湿性の低
い重合体が得られる点で好ましい。特に、上記炭化水素
基がメチル基またはエチル基であるテトラシクロドデセ
ン誘導体は、その合成が容易である点で好ましく、具体
的には、8−メチル−8−メトキシカルボニルテトラシ
クロ[4.4.0.12,5 17,10]ドデカ−8
−エンが好ましい。
【0033】前記一般式(VI)で表されるテトラシクロ
ドデセン誘導体よりなる単量体、またはこれと共重性単
量体とよりなる混合単量体をメタセシス重合し、得られ
る重合体を水素添加する方法としては、例えば特開平4
−77520号公報第4頁右上欄第12行〜第6頁右下
欄第6行に記載された方法を利用することができる。
ドデセン誘導体よりなる単量体、またはこれと共重性単
量体とよりなる混合単量体をメタセシス重合し、得られ
る重合体を水素添加する方法としては、例えば特開平4
−77520号公報第4頁右上欄第12行〜第6頁右下
欄第6行に記載された方法を利用することができる。
【0034】このようにして得られる熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂は、クロロホルム中、30℃で測定される固
有粘度([η]inh)が0.3〜1.5dl/gの範
囲にあることが好ましい。固有粘度([η]inh)が
上記範囲にある熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用いるこ
とによって、得られる熱可塑性樹脂組成物は、成形加工
性、耐熱性、機械的特性のバランスが良好なものとな
る。
ネン系樹脂は、クロロホルム中、30℃で測定される固
有粘度([η]inh)が0.3〜1.5dl/gの範
囲にあることが好ましい。固有粘度([η]inh)が
上記範囲にある熱可塑性ノルボルネン系樹脂を用いるこ
とによって、得られる熱可塑性樹脂組成物は、成形加工
性、耐熱性、機械的特性のバランスが良好なものとな
る。
【0035】また、前記熱可塑性ノルボルネン系樹脂の
ガラス転移温度(Tg)は、100℃〜250℃、特に
120〜200℃の範囲にあることが好ましい。ガラス
転移温度(Tg)が100℃未満の熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂を用いる場合には、得られる熱可塑性樹脂組成
物は耐熱性が低いものとなることがある。一方、ガラス
転移温度(Tg)が250℃を超える熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂を用いる場合には、得られる熱可塑性樹脂組
成物は成形温度が高いものとなるため、射出成形におい
て当該熱可塑性樹脂組成物が変色するため、良質な樹脂
成形体を得ることが困難となることがある。
ガラス転移温度(Tg)は、100℃〜250℃、特に
120〜200℃の範囲にあることが好ましい。ガラス
転移温度(Tg)が100℃未満の熱可塑性ノルボルネ
ン系樹脂を用いる場合には、得られる熱可塑性樹脂組成
物は耐熱性が低いものとなることがある。一方、ガラス
転移温度(Tg)が250℃を超える熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂を用いる場合には、得られる熱可塑性樹脂組
成物は成形温度が高いものとなるため、射出成形におい
て当該熱可塑性樹脂組成物が変色するため、良質な樹脂
成形体を得ることが困難となることがある。
【0036】また、前記熱可塑性ノルボルネン系樹脂の
水素添加率は、60MHz、 1H−NMRにより測定し
た値が50%以上であることが好ましく、より好ましく
は90%以上、さらに好ましくは98%以上である。水
素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れた熱
可塑性ノルボルネン系樹脂が得られる。また、熱可塑性
ノルボルネン系樹脂としては、ゲル含有量が5重量%以
下、特に1重量%である水添重合体を用いることが好ま
しい。
水素添加率は、60MHz、 1H−NMRにより測定し
た値が50%以上であることが好ましく、より好ましく
は90%以上、さらに好ましくは98%以上である。水
素添加率が高いほど、熱や光に対する安定性が優れた熱
可塑性ノルボルネン系樹脂が得られる。また、熱可塑性
ノルボルネン系樹脂としては、ゲル含有量が5重量%以
下、特に1重量%である水添重合体を用いることが好ま
しい。
【0037】〈熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形体〉
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記結晶性樹脂と上記
非結晶性樹脂とを含有し、当該結晶性樹脂によって形成
される相と当該非結晶性樹脂によって形成される相とが
混在してなるもの、あるいは当該結晶性樹脂によって形
成される連続相中に、当該非結晶性樹脂が非連続相とし
て存在するものである。そして、非結晶性樹脂として
は、そのガラス転移温度(Tg)が結晶性樹脂の融点
(mp)より低いものが用いられる。
本発明の熱可塑性樹脂組成物は、上記結晶性樹脂と上記
非結晶性樹脂とを含有し、当該結晶性樹脂によって形成
される相と当該非結晶性樹脂によって形成される相とが
混在してなるもの、あるいは当該結晶性樹脂によって形
成される連続相中に、当該非結晶性樹脂が非連続相とし
て存在するものである。そして、非結晶性樹脂として
は、そのガラス転移温度(Tg)が結晶性樹脂の融点
(mp)より低いものが用いられる。
【0038】熱可塑性樹脂組成物における結晶性樹脂と
非結晶性樹脂との割合は、重量比で40:60〜99:
1とされ、好ましくは50:50〜99:1、特に好ま
しくは55:45〜90:10とされる。非結晶性樹脂
の割合が過小である場合には、得られる熱可塑性樹脂組
成物は、それ以外の材料例えば金属やセラミックスに対
する密着性が不十分なものとなりやすく、一方、非結晶
性樹脂の割合が過大である場合には、得られる熱可塑性
樹脂組成物において、非結晶性樹脂によって形成された
連続相中に結晶性樹脂が非連続相として存在する状態と
なるため、得られる樹脂成形体は、後述する加熱処理に
よって変形するおそれがある。
非結晶性樹脂との割合は、重量比で40:60〜99:
1とされ、好ましくは50:50〜99:1、特に好ま
しくは55:45〜90:10とされる。非結晶性樹脂
の割合が過小である場合には、得られる熱可塑性樹脂組
成物は、それ以外の材料例えば金属やセラミックスに対
する密着性が不十分なものとなりやすく、一方、非結晶
性樹脂の割合が過大である場合には、得られる熱可塑性
樹脂組成物において、非結晶性樹脂によって形成された
連続相中に結晶性樹脂が非連続相として存在する状態と
なるため、得られる樹脂成形体は、後述する加熱処理に
よって変形するおそれがある。
【0039】本発明の熱可塑性樹脂組成物には、熱可塑
性ノルボルネン系樹脂等の非結晶性樹脂とポリアリーレ
ンスルフィド樹脂等の結晶性樹脂との相溶性を高めるた
めに、相溶化剤を含有させることができる。このような
相溶化剤の使用割合は、結晶性樹脂と非結晶性樹脂との
合計100重量部に対して、通常0.1〜20重量部で
ある。相溶化剤の具体例としては、特開平6−3062
87号公報第5頁左欄第31行〜第5頁右欄第44行に
記載されている、オレフィン単位と、カルボキシル基、
酸無水物基、オキサゾリン基およびエポキシ基から選ば
れた少なくとも1種のビニル化合物に由来する単位から
なるビニル系(共)重合体よりなる多層構造を有する重
合体を挙げることができる。
性ノルボルネン系樹脂等の非結晶性樹脂とポリアリーレ
ンスルフィド樹脂等の結晶性樹脂との相溶性を高めるた
めに、相溶化剤を含有させることができる。このような
相溶化剤の使用割合は、結晶性樹脂と非結晶性樹脂との
合計100重量部に対して、通常0.1〜20重量部で
ある。相溶化剤の具体例としては、特開平6−3062
87号公報第5頁左欄第31行〜第5頁右欄第44行に
記載されている、オレフィン単位と、カルボキシル基、
酸無水物基、オキサゾリン基およびエポキシ基から選ば
れた少なくとも1種のビニル化合物に由来する単位から
なるビニル系(共)重合体よりなる多層構造を有する重
合体を挙げることができる。
【0040】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
必要に応じて公知の酸化防止剤を添加することができ
る。酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−
3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルフェニ
ルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,
5ートリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ベンゼン、ステア
リル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、2,2’−ジオキシ−3,
3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチルフェニルメ
タン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ]エチル]、2,4,8,10
−テトラオキスピロ[5,5]ウンデカン、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サ
イクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオ
ペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビ
ス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスフ
ァイトが挙げられる。
必要に応じて公知の酸化防止剤を添加することができ
る。酸化防止剤の具体例としては、2,6−ジ−t−ブ
チル−4−メチルフェノール、2,2’−ジオキシ−
3,3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジメチルフェニ
ルメタン、テトラキス[メチレン−3−(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト]メタン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒ
ドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、1,3,
5ートリメチル−2,4,6−トリス(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシベンジル−ベンゼン、ステア
リル−β−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシ
フェニル)プロピオネート、2,2’−ジオキシ−3,
3’−ジ−t−ブチル−5,5’−ジエチルフェニルメ
タン、3,9−ビス[1,1−ジメチル−2−[β−
(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニ
ル)プロピオニルオキシ]エチル]、2,4,8,10
−テトラオキスピロ[5,5]ウンデカン、トリス
(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、サ
イクリックネオペンタンテトライルビス(2,4−ジ−
t−ブチルフェニル)ホスファイト、サイクリックネオ
ペンタンテトライルビス(2,6−ジ−t−ブチル−4
−メチルフェニル)ホスファイト、2,2−メチレンビ
ス(4,6−ジ−t−ブチルフェニル)オクチルホスフ
ァイトが挙げられる。
【0041】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
必要に応じて紫外線吸収剤、安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、耐衝撃性改良用エラストマーなどを添加することが
できる。紫外線吸収剤の具体例としては、p―t―ブチ
ルフェニルサリシレート、2,2’−ジヒドロキシー4
―メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシー4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−(2’−ジヒドロキシ−4’−m―オクトキ
シフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
必要に応じて紫外線吸収剤、安定剤、帯電防止剤、難燃
剤、耐衝撃性改良用エラストマーなどを添加することが
できる。紫外線吸収剤の具体例としては、p―t―ブチ
ルフェニルサリシレート、2,2’−ジヒドロキシー4
―メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベン
ゾフェノン、2−ヒドロキシー4−メトキシベンゾフェ
ノン、2−(2’−ジヒドロキシ−4’−m―オクトキ
シフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。
【0042】また、本発明の熱可塑性樹脂組成物には、
成形性、加工性を向上させる目的で、可塑剤、軟化剤な
どを添加することもできる。軟化剤の具体例としては、
C5系樹脂、C9系樹脂、C5系/C9系混合樹脂、シ
クロペンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の
重合体系樹脂、オレフィン/ビニル置換芳香族系化合物
の共重合体系樹脂、シクロペンタジエン系化合物/ビニ
ル置換芳香族系化合物の共重合体系樹脂、あるいは前記
樹脂の水素添加物などの炭化水素樹脂などよりなるもの
を挙げることができる。
成形性、加工性を向上させる目的で、可塑剤、軟化剤な
どを添加することもできる。軟化剤の具体例としては、
C5系樹脂、C9系樹脂、C5系/C9系混合樹脂、シ
クロペンタジエン系樹脂、ビニル置換芳香族系化合物の
重合体系樹脂、オレフィン/ビニル置換芳香族系化合物
の共重合体系樹脂、シクロペンタジエン系化合物/ビニ
ル置換芳香族系化合物の共重合体系樹脂、あるいは前記
樹脂の水素添加物などの炭化水素樹脂などよりなるもの
を挙げることができる。
【0043】本発明の熱可塑性樹脂組成物は、単軸押出
機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキ
シングロールなどの混練機を用い、結晶性樹脂と、非結
晶性樹脂と、さらに必要に応じて用いられる上記の各種
添加剤を混練することによって製造することができる。
熱可塑性樹脂組成物の製造方法の具体例を示すと、
(1)ミキサーにより、結晶性樹脂、非結晶性樹脂およ
び必要に応じて用いられる各種添加剤を混合した後、押
出機を用い、240〜360℃で溶融混練して造粒する
方法、(2)結晶性樹脂、非結晶性樹脂および必要に応
じて用いられる各種添加剤を、直接成形機により溶融混
練してペレット化する方法、(3)二軸押出機を用い、
結晶性樹脂および非結晶性樹脂を混練すると共に、各種
添加剤を後添加してペレット化する方法が挙げられる。
機、多軸押出機、バンバリーミキサー、ニーダー、ミキ
シングロールなどの混練機を用い、結晶性樹脂と、非結
晶性樹脂と、さらに必要に応じて用いられる上記の各種
添加剤を混練することによって製造することができる。
熱可塑性樹脂組成物の製造方法の具体例を示すと、
(1)ミキサーにより、結晶性樹脂、非結晶性樹脂およ
び必要に応じて用いられる各種添加剤を混合した後、押
出機を用い、240〜360℃で溶融混練して造粒する
方法、(2)結晶性樹脂、非結晶性樹脂および必要に応
じて用いられる各種添加剤を、直接成形機により溶融混
練してペレット化する方法、(3)二軸押出機を用い、
結晶性樹脂および非結晶性樹脂を混練すると共に、各種
添加剤を後添加してペレット化する方法が挙げられる。
【0044】このようにして得られる本発明の熱可塑性
樹脂組成物は、適宜の手段により成形されて樹脂成形体
とされた後、加熱処理されるものである。加熱処理温度
は、熱可塑性樹脂組成物における非結晶性樹脂のガラス
転移温度(Tg)以上でかつ結晶性樹脂の融点(mp)
以下の範囲の温度であり、加熱処理時間との関連によっ
て適宜設定される。加熱処理温度が非結晶性樹脂のガラ
ス転移温度(Tg)未満である場合には、後述する複合
成形品構成部材との密着性が不十分なものとなり、一
方、加熱処理温度が結晶性樹脂の融点(mp)を超える
場合には、樹脂成形体が溶融して熱変形する。加熱方法
としては、特に限定されないが、ハンダディップ、ハン
ダリフロー、オートクレーブなどによって加熱する方法
を利用することができる。
樹脂組成物は、適宜の手段により成形されて樹脂成形体
とされた後、加熱処理されるものである。加熱処理温度
は、熱可塑性樹脂組成物における非結晶性樹脂のガラス
転移温度(Tg)以上でかつ結晶性樹脂の融点(mp)
以下の範囲の温度であり、加熱処理時間との関連によっ
て適宜設定される。加熱処理温度が非結晶性樹脂のガラ
ス転移温度(Tg)未満である場合には、後述する複合
成形品構成部材との密着性が不十分なものとなり、一
方、加熱処理温度が結晶性樹脂の融点(mp)を超える
場合には、樹脂成形体が溶融して熱変形する。加熱方法
としては、特に限定されないが、ハンダディップ、ハン
ダリフロー、オートクレーブなどによって加熱する方法
を利用することができる。
【0045】<複合成形品構成部材>本発明の複合成形
品に用いられる複合成形品構成部材は、上記の熱可塑性
樹脂組成物の成形温度において、溶融したり変形したり
しないものであれば特に限定されないが、樹脂以外の材
料よりなるもの、例えば金、銀、銅、白金、アルミニウ
ムやこれらの合金などの金属よりなるもの、酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、シリコンなどのセラミックスよ
りなるもの、金属よりなる部分とセラミックスよりなる
部分とを有するものを用いることができる。また、複合
成形品構成部材は、例えば発光ダイオード、ダイオー
ド、トランジスタ、集積回路などのエレクトロニクス素
子であってもよい。
品に用いられる複合成形品構成部材は、上記の熱可塑性
樹脂組成物の成形温度において、溶融したり変形したり
しないものであれば特に限定されないが、樹脂以外の材
料よりなるもの、例えば金、銀、銅、白金、アルミニウ
ムやこれらの合金などの金属よりなるもの、酸化ケイ
素、酸化アルミニウム、シリコンなどのセラミックスよ
りなるもの、金属よりなる部分とセラミックスよりなる
部分とを有するものを用いることができる。また、複合
成形品構成部材は、例えば発光ダイオード、ダイオー
ド、トランジスタ、集積回路などのエレクトロニクス素
子であってもよい。
【0046】〈複合成形品〉本発明の複合成形品は、上
記熱可塑性組成物よりなる樹脂成形体と、この樹脂成形
体に一体的に設けられた複合成形品構成部材とよりなる
中間複合体を製造し、この中間複合体を加熱処理するこ
とにより得られる。上記の中間複合体を製造する方法と
しては、特に限定されないが、例えば(1)熱可塑性樹
脂組成物と複合成形品構成部材とを一体成形する方法、
熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体を製造した後、
この樹脂成形体に複合成形品構成部材を適宜の手段によ
り接着する方法などが挙げられる。
記熱可塑性組成物よりなる樹脂成形体と、この樹脂成形
体に一体的に設けられた複合成形品構成部材とよりなる
中間複合体を製造し、この中間複合体を加熱処理するこ
とにより得られる。上記の中間複合体を製造する方法と
しては、特に限定されないが、例えば(1)熱可塑性樹
脂組成物と複合成形品構成部材とを一体成形する方法、
熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体を製造した後、
この樹脂成形体に複合成形品構成部材を適宜の手段によ
り接着する方法などが挙げられる。
【0047】上記(1)の方法により中間複合体を製造
する場合においては、一体成形を行う前に、予め目的と
する形状に成形された複合成形品構成部材を用意してお
くことが好ましい。また、一体成形する手段としては、
特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ
る。例えば、複合成形品構成部材が、リード線やリード
フレームを有するエレクトロニクス素子である場合に
は、射出成形法、トランスファー成形法、圧縮成形法、
ディッピング法などの方法を利用することができる。
する場合においては、一体成形を行う前に、予め目的と
する形状に成形された複合成形品構成部材を用意してお
くことが好ましい。また、一体成形する手段としては、
特に限定されず、目的に応じて適宜選択することができ
る。例えば、複合成形品構成部材が、リード線やリード
フレームを有するエレクトロニクス素子である場合に
は、射出成形法、トランスファー成形法、圧縮成形法、
ディッピング法などの方法を利用することができる。
【0048】射出成形法あるいはトランスファー成形法
を利用する場合には、金型内に例えばエレクトロニクス
素子よりなる複数の複合成形品構成部材を装着し、この
状態で金型を閉じ、次いで、金型内に熱可塑性樹脂組成
物を注入して冷却し、その後、金型を開いて複合成形体
を取り出せばよい。この方法においては、必要に応じ
て、複合成形品構成部材を構成するエレクトロニクス素
子のリード線やリードフレームの表面に、予め接着剤や
カップリング剤が塗布されていてもよい。このような接
着剤およびカップリング剤としては、一般に用いられて
いる公知のものを用いることができ、その具体例として
は、エポキシ系接着剤、ポリイミド系接着剤、シランカ
ップリング剤、チタネートカップリング剤などが挙げら
れる。
を利用する場合には、金型内に例えばエレクトロニクス
素子よりなる複数の複合成形品構成部材を装着し、この
状態で金型を閉じ、次いで、金型内に熱可塑性樹脂組成
物を注入して冷却し、その後、金型を開いて複合成形体
を取り出せばよい。この方法においては、必要に応じ
て、複合成形品構成部材を構成するエレクトロニクス素
子のリード線やリードフレームの表面に、予め接着剤や
カップリング剤が塗布されていてもよい。このような接
着剤およびカップリング剤としては、一般に用いられて
いる公知のものを用いることができ、その具体例として
は、エポキシ系接着剤、ポリイミド系接着剤、シランカ
ップリング剤、チタネートカップリング剤などが挙げら
れる。
【0049】このようにして得られる中間複合体に対し
て加熱処理を行うことにより、本発明の本発明の成形品
が得られる。この加熱処理の条件は、前述の熱可塑性樹
脂組成物の加熱処理と同様である。このようにして得ら
れる複合成形品は、例えばリードスルー実装品および面
実装品、具体的には、IC素子、LSI素子、VLSI
素子、ハイブリッドIC素子、トランジスター、ダイオ
ード、トリオード、コンデンサー、レジスタ、抵抗ネッ
トワーク、サイリスター、チップインダクター、トラン
ス、モータ、LCフィルタ、コネクター、コイル、バリ
スター、トランスデューサー、水晶発振器、ヒューズ、
感流器、電源、スイッチ、リレー、センサ、ホール素
子、サージアブソーバ、アレスタ、ピングリッドアレ
ー、フォトカプラなどの実装品、あるいはこれらの複合
実装品として好適である。
て加熱処理を行うことにより、本発明の本発明の成形品
が得られる。この加熱処理の条件は、前述の熱可塑性樹
脂組成物の加熱処理と同様である。このようにして得ら
れる複合成形品は、例えばリードスルー実装品および面
実装品、具体的には、IC素子、LSI素子、VLSI
素子、ハイブリッドIC素子、トランジスター、ダイオ
ード、トリオード、コンデンサー、レジスタ、抵抗ネッ
トワーク、サイリスター、チップインダクター、トラン
ス、モータ、LCフィルタ、コネクター、コイル、バリ
スター、トランスデューサー、水晶発振器、ヒューズ、
感流器、電源、スイッチ、リレー、センサ、ホール素
子、サージアブソーバ、アレスタ、ピングリッドアレ
ー、フォトカプラなどの実装品、あるいはこれらの複合
実装品として好適である。
【0050】
【実施例】以下、本発明の具体的な実施例について説明
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、以下において、「部」および「%」は、特
に断らない限り「重量部」および「重量%」を意味す
る。また、非結晶性樹脂および結晶性樹脂としては、以
下のものを用いた。
するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものでは
ない。なお、以下において、「部」および「%」は、特
に断らない限り「重量部」および「重量%」を意味す
る。また、非結晶性樹脂および結晶性樹脂としては、以
下のものを用いた。
【0051】<非結晶性樹脂> 非結晶性樹脂(A−1):8―メチルー8―メトキシカ
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,
10]−3−ドデセン250部と、1−ヘキセン41部
と、トルエン750部とを、窒素置換された反応容器に
仕込み、60℃に加熱した。この溶液に、トリエチルア
ルミニウムのトルエン溶液(濃度1.5モル/リット
ル)0.62部と、t−ブチルアルコールとメチルアル
コールとの混合液によって変性した塩化タングステン
(VI)溶液(t−ブチルアルコールとメチルアルコール
とタングステンとの割合がモル比で0.35:0.3:
1,濃度0.05モル/リットル)3.7部とを加え、
80℃で3時間攪拌しながら加熱することにより、開環
重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は
97%であり、得られた開環重合体の固有粘度(ηinh
)は0.45であった。この開環重合体溶液4000
部と、RuHCl(CO)[P(C6H5)3]30.
48部とをオートクレーブ内に仕込み、攪拌下に、水素
ガス圧が100Kg/cm2、反応温度が165℃、反
応時間が3時間の条件で、開環重合体を反応させた。得
られた反応溶液を冷却した後、オートクレーブ内を放圧
し、水素添加重合体溶液を得た。得られた水素添加重合
体を大量のメタノール中に注ぎ、当該水素添加重合体を
凝固させることにより、水素化率99.5%、ガラス転
移温度(Tg)168℃の非結晶性の熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂を得た。この熱可塑性ノルボルネン系樹脂を
非結晶性樹脂(A−1)とする。
ルボニルテトラシクロ[4.4.0.12,5.17,
10]−3−ドデセン250部と、1−ヘキセン41部
と、トルエン750部とを、窒素置換された反応容器に
仕込み、60℃に加熱した。この溶液に、トリエチルア
ルミニウムのトルエン溶液(濃度1.5モル/リット
ル)0.62部と、t−ブチルアルコールとメチルアル
コールとの混合液によって変性した塩化タングステン
(VI)溶液(t−ブチルアルコールとメチルアルコール
とタングステンとの割合がモル比で0.35:0.3:
1,濃度0.05モル/リットル)3.7部とを加え、
80℃で3時間攪拌しながら加熱することにより、開環
重合体溶液を得た。この重合反応における重合転化率は
97%であり、得られた開環重合体の固有粘度(ηinh
)は0.45であった。この開環重合体溶液4000
部と、RuHCl(CO)[P(C6H5)3]30.
48部とをオートクレーブ内に仕込み、攪拌下に、水素
ガス圧が100Kg/cm2、反応温度が165℃、反
応時間が3時間の条件で、開環重合体を反応させた。得
られた反応溶液を冷却した後、オートクレーブ内を放圧
し、水素添加重合体溶液を得た。得られた水素添加重合
体を大量のメタノール中に注ぎ、当該水素添加重合体を
凝固させることにより、水素化率99.5%、ガラス転
移温度(Tg)168℃の非結晶性の熱可塑性ノルボル
ネン系樹脂を得た。この熱可塑性ノルボルネン系樹脂を
非結晶性樹脂(A−1)とする。
【0052】非結晶性樹脂(A−2):ポリカーボネー
ト樹脂〔ガラス転移温度(Tg)140℃〕
ト樹脂〔ガラス転移温度(Tg)140℃〕
【0053】<結晶性樹脂> 結晶性樹脂(B−1):ポリフェニレンスルフィド樹脂
〔融点(mp)290℃〕 結晶性樹脂(B−2):ポリブチレンテレフタレート樹
脂〔融点(mp)224℃〕 <相溶化剤>「モディパー A4101」(日本油脂
(株)製)
〔融点(mp)290℃〕 結晶性樹脂(B−2):ポリブチレンテレフタレート樹
脂〔融点(mp)224℃〕 <相溶化剤>「モディパー A4101」(日本油脂
(株)製)
【0054】〈実施例1〉非結晶性樹脂(A−1)35
部と、結晶性樹脂(B−1)65部とを、二軸押出機に
よってシリンダー温度300℃の条件で溶融混練するこ
とにより、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を調製し
た。射出成形機の金型内にLSI素子を装着し、この射
出成形機を用いて、得られた熱可塑性樹脂組成物を、金
型温度100℃、射出温度310℃の条件で射出成形す
ることにより、熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体
と、この樹脂成形体に一体的に設けられたLSI素子よ
りなる複合成形品構成部材とよりなる中間複合体を製造
した。得られた中間複合体に対して、ハンダリフロー
「リフローチェッカーRC−8」(マルコム社製)を用
い、180℃、2分間の条件で予備加熱処理を行った
後、235℃(成形品の表面温度)、20秒間の条件で
本加熱処理を行い、自然放冷した。以上のようにして、
複合成形品を合計で20個製造した。
部と、結晶性樹脂(B−1)65部とを、二軸押出機に
よってシリンダー温度300℃の条件で溶融混練するこ
とにより、ペレット状の熱可塑性樹脂組成物を調製し
た。射出成形機の金型内にLSI素子を装着し、この射
出成形機を用いて、得られた熱可塑性樹脂組成物を、金
型温度100℃、射出温度310℃の条件で射出成形す
ることにより、熱可塑性樹脂組成物よりなる樹脂成形体
と、この樹脂成形体に一体的に設けられたLSI素子よ
りなる複合成形品構成部材とよりなる中間複合体を製造
した。得られた中間複合体に対して、ハンダリフロー
「リフローチェッカーRC−8」(マルコム社製)を用
い、180℃、2分間の条件で予備加熱処理を行った
後、235℃(成形品の表面温度)、20秒間の条件で
本加熱処理を行い、自然放冷した。以上のようにして、
複合成形品を合計で20個製造した。
【0055】〔樹脂成形体と複合成形品構成部材との密
着性試験〕得られた複合成形品を、赤インクにより染色
された水中に浸漬し、圧力5kgf/cm2 、温度80
℃、浸漬時間30時間の処理を行った後、複合成形品に
おけるLSI素子のリードフレームと樹脂成形体との界
面への水の浸透状態を目視により調べ、水の浸透は認め
られたものを不良品とした。結果を表1に示す。
着性試験〕得られた複合成形品を、赤インクにより染色
された水中に浸漬し、圧力5kgf/cm2 、温度80
℃、浸漬時間30時間の処理を行った後、複合成形品に
おけるLSI素子のリードフレームと樹脂成形体との界
面への水の浸透状態を目視により調べ、水の浸透は認め
られたものを不良品とした。結果を表1に示す。
【0056】〈実施例2〜5〉表1の配合に従って熱可
塑性樹脂組成物を調製し、中間複合体の本加熱処理の条
件を表1に従って変更したこと以外は、実施例1と同様
にして複合成形品をそれぞれ20個製造し、樹脂成形体
と複合成形品構成部材との密着性試験を行った。結果を
表1に示す。
塑性樹脂組成物を調製し、中間複合体の本加熱処理の条
件を表1に従って変更したこと以外は、実施例1と同様
にして複合成形品をそれぞれ20個製造し、樹脂成形体
と複合成形品構成部材との密着性試験を行った。結果を
表1に示す。
【0057】〈比較例1〉予備加熱処理および本加熱処
理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして複
合成形品を20個製造し、樹脂成形体と複合成形品構成
部材との密着性試験を行った。結果を表1に示す。
理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして複
合成形品を20個製造し、樹脂成形体と複合成形品構成
部材との密着性試験を行った。結果を表1に示す。
【0058】〈比較例2〉予備加熱処理を行わず、本加
熱処理の条件を、150℃、30秒間に変更したこと以
外は、実施例1と同様にして複合成形品を20個製造
し、樹脂成形体と複合成形品構成部材との密着性試験を
行った。結果を表1に示す。
熱処理の条件を、150℃、30秒間に変更したこと以
外は、実施例1と同様にして複合成形品を20個製造
し、樹脂成形体と複合成形品構成部材との密着性試験を
行った。結果を表1に示す。
【0059】〈比較例3〉表1の配合に従って熱可塑性
樹脂組成物を調製し、中間複合体の本加熱処理の条件を
表1に従って変更したこと以外は、実施例1と同様にし
て複合成形品をそれぞれ20個製造し、樹脂成形体と複
合成形品構成部材との密着性試験を行った。結果を表1
に示す。
樹脂組成物を調製し、中間複合体の本加熱処理の条件を
表1に従って変更したこと以外は、実施例1と同様にし
て複合成形品をそれぞれ20個製造し、樹脂成形体と複
合成形品構成部材との密着性試験を行った。結果を表1
に示す。
【0060】
【表1】
【0061】表1から明らかなように、実施例1〜5に
係る複合成形品によれば、熱可塑性樹脂組成物よりなる
樹脂成形体とLSI素子よりなる複合成形品構成部材と
の界面において優れた密着性が得られることが確認され
た。これに対し、比較例1は、本加熱処理を行わなかっ
ため、18個の不良品が発生し(不良品率90%)、比
較例2は、本加熱処理における加熱処理温度が非結晶性
樹脂のガラス転移温度未満であるため、12個の不良品
が発生し(不良品率60%)、比較例3は、非結晶性樹
脂の割合が過小であるため、20個の不良品が発生し
(不良品率100%)、いずれも樹脂成形体と複合成形
品構成部材との界面において十分な密着性が得られなか
った。
係る複合成形品によれば、熱可塑性樹脂組成物よりなる
樹脂成形体とLSI素子よりなる複合成形品構成部材と
の界面において優れた密着性が得られることが確認され
た。これに対し、比較例1は、本加熱処理を行わなかっ
ため、18個の不良品が発生し(不良品率90%)、比
較例2は、本加熱処理における加熱処理温度が非結晶性
樹脂のガラス転移温度未満であるため、12個の不良品
が発生し(不良品率60%)、比較例3は、非結晶性樹
脂の割合が過小であるため、20個の不良品が発生し
(不良品率100%)、いずれも樹脂成形体と複合成形
品構成部材との界面において十分な密着性が得られなか
った。
【0062】〈比較例4〉本加熱処理を、300℃、3
0秒で行ったこと以外は、実施例1と同様にして複合成
形品を製造したところ、本加熱処理時に複合成形品の樹
脂成形体に変形が生じ、そのため、密着性試験に供する
ことができなかった。
0秒で行ったこと以外は、実施例1と同様にして複合成
形品を製造したところ、本加熱処理時に複合成形品の樹
脂成形体に変形が生じ、そのため、密着性試験に供する
ことができなかった。
【0063】〈比較例5〉非結晶性樹脂(A−1)を8
0部に、結晶性樹脂(B−1)を20部に変更したこと
以外は、実施例1と同様にして複合成形品を製造したと
ころ、本加熱処理時に複合成形品の樹脂成形体に変形が
生じ、そのため、密着性試験に供することができなかっ
た。
0部に、結晶性樹脂(B−1)を20部に変更したこと
以外は、実施例1と同様にして複合成形品を製造したと
ころ、本加熱処理時に複合成形品の樹脂成形体に変形が
生じ、そのため、密着性試験に供することができなかっ
た。
【0064】
【発明の効果】本発明の熱可塑性樹脂組成物および樹脂
形成体は、金属やセラミックスなどの熱可塑性樹脂以外
の材料に対して優れた密着性を有するものである。従っ
て、複合成形品用の熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形
体として好適である。本発明の複合成形品は、樹脂成形
体と当該複合成形品構成部材との界面において優れた密
着性を有し、樹脂成形体が複合成形品構成部材から剥離
することのないものである。従って、複合成形品構成部
材としてエレクトロニクス素子を用いることにより、高
湿下においても水分による性能劣化がなく、高い信頼性
を有する実装品が得られる。
形成体は、金属やセラミックスなどの熱可塑性樹脂以外
の材料に対して優れた密着性を有するものである。従っ
て、複合成形品用の熱可塑性樹脂組成物および樹脂成形
体として好適である。本発明の複合成形品は、樹脂成形
体と当該複合成形品構成部材との界面において優れた密
着性を有し、樹脂成形体が複合成形品構成部材から剥離
することのないものである。従って、複合成形品構成部
材としてエレクトロニクス素子を用いることにより、高
湿下においても水分による性能劣化がなく、高い信頼性
を有する実装品が得られる。
Claims (4)
- 【請求項1】 結晶性樹脂およびこの結晶性樹脂の融点
より低いガラス転移温度を有する非結晶性樹脂を含有し
てなり、当該結晶性樹脂と当該非結晶性樹脂との割合が
重量比で40:60〜99:1である熱可塑性樹脂組成
物であって、 前記非結晶性樹脂のガラス転移温度以上でかつ前記結晶
性樹脂の融点以下の温度で加熱処理されることを特徴と
する熱可塑性樹脂組成物。 - 【請求項2】 結晶性樹脂およびこの結晶性樹脂の融点
より低いガラス転移温度を有する非結晶性樹脂を含有し
てなり、当該結晶性樹脂と当該非結晶性樹脂との割合が
重量比で40:60〜99:1である熱可塑性樹脂組成
物よりなる樹脂成形体であって、 前記非結晶性樹脂のガラス転移温度以上でかつ前記結晶
性樹脂の融点以下の温度で加熱処理されることを特徴と
する樹脂成形体。 - 【請求項3】 結晶性樹脂およびこの結晶性樹脂の融点
より低いガラス転移温度を有する非結晶性樹脂を含有し
てなり、当該結晶性樹脂と当該非結晶性樹脂との割合が
重量比で40:60〜99:1である熱可塑性樹脂組成
物よりなる樹脂成形体と、この樹脂成形体に一体的に設
けられた、当該樹脂成形体とは異なる材料よりなる複合
成形品構成部材とを有する複合成形品であって、 前記非結晶性樹脂のガラス転移温度以上でかつ前記結晶
性樹脂の融点以下の温度で加熱処理されていることを特
徴とする複合成形品。 - 【請求項4】 複合成形品構成部材がエレクトロニクス
素子であることを特徴とする請求項3に記載の複合成形
品。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30563297A JPH11140330A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形体および複合成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP30563297A JPH11140330A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形体および複合成形品 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11140330A true JPH11140330A (ja) | 1999-05-25 |
Family
ID=17947476
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP30563297A Pending JPH11140330A (ja) | 1997-11-07 | 1997-11-07 | 熱可塑性樹脂組成物、樹脂成形体および複合成形品 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH11140330A (ja) |
Cited By (5)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006015618A (ja) * | 2004-07-02 | 2006-01-19 | Hitachi Ltd | 複数部材からなる部品の構造及びその製造方法 |
| WO2011021671A1 (ja) * | 2009-08-19 | 2011-02-24 | 三井化学株式会社 | 成形体及びその製造方法 |
| JP2013043942A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Wintech Polymer Ltd | ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 |
| JP2016047601A (ja) * | 2014-08-27 | 2016-04-07 | 東レ・デュポン株式会社 | 熱可塑性樹脂複合成形体、及び、熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法 |
| CN114929485A (zh) * | 2020-01-08 | 2022-08-19 | 大日本印刷株式会社 | 剥离片、以及该剥离片与中间转印介质的组合 |
-
1997
- 1997-11-07 JP JP30563297A patent/JPH11140330A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2006015618A (ja) * | 2004-07-02 | 2006-01-19 | Hitachi Ltd | 複数部材からなる部品の構造及びその製造方法 |
| US8784715B2 (en) | 2004-07-02 | 2014-07-22 | Hitachi, Ltd. | Structure of parts made from plural composite pieces and method of building those parts |
| WO2011021671A1 (ja) * | 2009-08-19 | 2011-02-24 | 三井化学株式会社 | 成形体及びその製造方法 |
| JP2013043942A (ja) * | 2011-08-24 | 2013-03-04 | Wintech Polymer Ltd | ポリブチレンテレフタレート樹脂組成物 |
| JP2016047601A (ja) * | 2014-08-27 | 2016-04-07 | 東レ・デュポン株式会社 | 熱可塑性樹脂複合成形体、及び、熱可塑性樹脂複合成形体の製造方法 |
| CN114929485A (zh) * | 2020-01-08 | 2022-08-19 | 大日本印刷株式会社 | 剥离片、以及该剥离片与中间转印介质的组合 |
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