JPH10223973A - 面発光型半導体レーザ装置およびその製造方法 - Google Patents

面発光型半導体レーザ装置およびその製造方法

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JPH10223973A
JPH10223973A JP9025120A JP2512097A JPH10223973A JP H10223973 A JPH10223973 A JP H10223973A JP 9025120 A JP9025120 A JP 9025120A JP 2512097 A JP2512097 A JP 2512097A JP H10223973 A JPH10223973 A JP H10223973A
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淳 櫻井
Akira Sakamoto
朗 坂本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光出力特性に特別の影響を与えることなく、
偏波面制御を行うことのできる、面発光型半導体レーザ
を提供する。 【解決手段】本発明では、活性層が上部及び下部の半導
体多層反射膜により挟まれ、基板面と垂直な方向に光共
振器が形成された面発光レーザにおいて、少なくとも上
部の半導体多層反射膜が、活性層からの出射光に対して
その周囲の領域と反射率の異なる領域を形成してなる反
射膜層を、2層以上離間するように複数層互いに離間し
て配置したことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、横モード、偏波面
を制御することのできる垂直キャビティの面発光レーザ
に関する。
【0002】
【従来の技術】光通信、光コンピュータなどの光源とし
て高密度化された半導体レーザアレイが必要となってい
る。半導体レーザアレイは複数の半導体レーザを適当な
ピッチで配列し各々独立に駆動制御して、発光させるも
のである。従来から広く用いられてきた端面発光型のレ
ーザは、発光効率が高いという利点があったが、同一基
板上では一次元の並列化しかできないため、多数の半導
体レーザを集積化した半導体レーザアレイを形成するの
は困難であった。これに対し、面発光レーザは基板に対
して垂直方向に光を出射するため、同一基板上に二次元
的に並列化することができ、高精度かつ高密度のマトリ
ックスアレイを得ることができるという利点があり、有
望視されている。
【0003】面発光レーザの一つである垂直共振器型の
面発光レーザは、活性層とスペーサ層とからなる中間層
と、前記中間層を挟みこむ上下2組の分布帰還型反射膜
(Distributed Brug Reflactor)からなり、前記DBR
で共振器を形成し、基板に対して垂直方向に光を出射す
る半導体レーザである。端面発光型レーザにおいては電
場ベクトルがxy面内にあるTE(transverse electri
c mode)モード、磁場ベクトルがxy面内にあるTM
(transverse magnetic mode)モードの間の導波損およ
び反射率の差のような偏波決定要因があるが、面発光レ
ーザではその向きは不確定である。面発光レーザの発光
面の形状が点対称である場合、個々の素子でランダムな
方向を規定して使用する場合が殆どであるため、面発光
レーザにおいても偏波を制御することが応用上非常に重
要である。
【0004】垂直共振器型面発光レーザにおいて、偏波
を制御しようとする試みは幾つかの報告がある。例えば
異方形状を有する電極により、異方的な利得を与える利
得導波路型面発光レーザの例がある。2つ以上の分割さ
れた電極によって発振するレーザAとレーザBとを有
し、レーザBへのオン、オフによって2つの偏波方向を
任意に制御できるようにしたものである(特開平4ー2
42989)。その他では、特開平1ー265584号
公報に示されているように、光出射部に矩形の高屈折率
導波部を設け、その長辺に平行な偏波を通す試みがあ
る。さらに、アプライドフィジクスレターズ、第66
巻、第8号、908頁から910頁(1995年)(Ap
pl.,Phys.,Lett.,Vol.66,No.8,p.908-910,1995)およ
び、特開平8ー181391号公報では、ポスト形状を
任意の一組のポスト側面が平行であり、かつその辺が最
も長くなるようにポスト形を作成することで、偏波制御
を行うものである。レーザは図4に示す通り、インジウ
ムガリウム砒素(InGaAs)からなる三重量子井戸
活性層をガリウム砒素/アルミニウム砒素からなるDB
Rでサンドイッチした典型的なVCSEL構造である。
これに短軸が<110>方向となるように配置された矩
形のフォトレジストマスクを形成した後、塩素ガスを用
いた反応性イオンビームエッチングにより上部半導体多
層反射膜の一部を除去していわゆるポスト形状を形成す
る。さらに電流狭窄のためこのポスト部の直下を除く活
性層をプロトン注入により非活性化(高抵抗化)した
後、所定の位置にアノードおよびカソード電極を形成し
て完成する。また光出射の方向はこの基板の裏面側であ
る。
【0005】また、偏波面の制御を目的としたものでは
ないが、面発光型レーザの低しきい値化を図るため分布
帰還型反射膜中に自然酸化膜を導入し、電流狭窄をおこ
なった例がアプライドフィジクスレターズ、第65巻、
第1号、97頁から99頁(1994年)(Appl.,Phy
s.,Lett.,Vol.65,No.1,p.97-99,1994)に示されてい
る。このレーザもまた図5に示すように、InGaAs
からなる三重量子井戸活性層をGaAs/AlAsから
なるDBRでサンドイッチした典型的なVCSEL構造
である。ただし、p型DBRはGaAs/AlAsの1
ペアで、GaAsが上層に位置している、プロセスはま
ずフォトリソグラフィ技術とエッチング技術とをつかっ
てp型GaAs層を30若しくは60μm形の円形に加
工する。続いて露出したp型AlAs層を475℃に加
熱した炉の中で約3分間熱処理する。この時、炉の中に
は窒素をキャリアガスとし、95℃に保たれた水蒸気が
導入されている。露出したAlAs層は横方向から徐々
に酸化され、最終的には、酸化されずに残った2〜8μ
m角の領域が形成される。酸化された領域は酸化アルミ
ニウム化合物となり、殆ど電流を通さないから電流狭窄
が可能となる。また、面発光レーザのさらなる低しきい
値化をはかるため、DBR中に自然酸化膜を複数層導入
し電流狭窄をおこなった例が、アイイーイーイー フォ
トニクス、テクノロジー レターズ、第7巻、第11
号、1234頁から1235頁(1995年)(IEEE,Ph
oton.Technol.Lett.,Vol.7,No.11,p.1234-1236,1995)
に示されている。このレーザは図6に示すように、上下
のDBRがGaAs/AlAsの積層膜で形成されてお
り、前記DBRをエッチングしてポストを形成した後、
露出したAlAs層すべてを400℃に加熱した炉の中
で熱処理する。この時、炉の中には窒素をキャリアガス
とし、80℃に保たれた水蒸気が導入されている。露出
したAlAs層は横方向から徐々に酸化され、最終的に
は15〜20μm角の領域が酸化されずに残る。酸化さ
れた領域は、酸化アルミニウムの化合物となり、殆ど電
流を通さないから電流狭窄が可能となる。表面最結合電
流がより抑制され、70μAの低しきい値を実現してい
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4ー242989に示した利得導波型レーザにおいて
は、光の閉じこめが弱く光は発散しており、電極形状の
変化で与えられる利得の異方性は非常に小さい。従っ
て、偏波制御効果も小さいものと考えられる。またレー
ザAとレーザBの電極をL字型やT字型に配置したもの
は、偏光制御によってレーザビームが偏向するという欠
点があり、十字型のものは偏向はしないものの、偏光制
御のために2つのレーザにほぼ同等のしきい値以上の電
流を流す必要があり、駆動電力が大きくなるという問題
がある上、点対称になり易く、レーザビームを単一横モ
ードに保ちにくいという問題がある。また、特開平2ー
265584に示される構造では、高屈折率導波部で効
率よく光が閉じこめられるかは疑問であり、従って、導
波制御効果も小さいと思われる。また、前述したアプラ
イドフィジクスレターズに示された構造では,DBRの
回折損失を利用して偏波面の制御をおこなったとしてい
るが、発光に寄与しなかった電子・正孔再結合をはじめ
とする損失分は熱となって発生するため、ポスト部の体
積が比較的小さいこの素子では放熱性が十分ではなく、
光出力特性が制限を受ける。実際この論文の筆者等は短
軸方向の形をこれ以上小さくしても電流しきい値は下が
らないばかりか、かえって増加してしまったとしてい
る。さらにこの構造ではプロトン注入時の制約から電流
狭窄部のアパーチャ径をポスト部の径より小さくするの
が難しいという問題に加え、活性領域とプロトン注入領
域界面での非発光再結合も無視することができない。従
って活性領域へのキャリアの注入効率が高くないため、
低しきい値化には限界がある。
【0007】また、アプライドフィジクスレターズやア
イイーイーイー フォトニクス、テクノロジー レター
ズに示された例では、AlAs層の酸化速度は組成とド
ーピング濃度が決まれば一意的に決まるはずであるが、
酸化速度のばらつきがある。AlAs層が酸化されてA
xyに変化する際に体積変化があり、この影響が酸化
の活性化エネルギーに影響するのは自明のことであり、
それによると思われる酸化速度のばらつきがあり、電流
が通過する領域の径が不揃いになるという傾向があっ
た。
【0008】本発明は、前記実情に鑑みてなされたもの
で、光出力特性に特別の影響を与えることなく、偏波面
制御を行うことのできる、面発光型半導体レーザを提供
することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】そこで本発明の特徴は、
基板面と垂直な方向に光共振器が形成された面発光レー
ザにおいて、少なくとも活性層の片側の半導体多層反射
膜内に、出射光に対してその周囲の領域と反射率の異な
る領域を有する反射膜層を、前記活性層の近傍から出射
口に向かって、複数層互いに離間して配置するようにし
たことにある。すなわち、本発明では、活性層が上部及
び下部の半導体多層反射膜により挟まれ、基板面と垂直
な方向に光共振器が形成された面発光レーザにおいて、
少なくとも上部の半導体多層反射膜が、活性層からの出
射光に対してその周囲の領域と反射率の異なる領域を形
成してなる反射膜層を、2層以上離間するように複数層
断続的に配置したことを特徴とする。
【0010】望ましくは、前記反射率の異なる領域は半
導体基板に対して垂直方向からみた断面形状が短辺と長
辺とを有してなる矩形をなすように構成したことを特徴
とする。
【0011】また望ましくは、少なくとも上部の半導体
多層反射膜が、出射光に対してその周囲の領域よりも反
射率の小さい領域からなるアパーチャーを形成してなる
光閉じこめ領域をもつ第1の光閉じこめ層、この第1の
光閉じこめ層よりも大きなアパーチャー径の光閉じこめ
領域をもつ第2の光閉じこめ層、さらに大きなアパーチ
ャー径の光閉じこめ領域をもつ第3の光閉じこめ層と
が、前記活性層から離れるに従って、互いに離間して形
成されていることを特徴とする。
【0012】また本発明の第2では、半導体基板上に下
部半導体多層反射膜、下部スペーサ層、活性層、上部ス
ペーサ層、少なくとも、光出射口方向に向かうに従って
xが次第に小さくなるように、順次AlxGa1-xAs層
を、断続的に含むように形成された上部半導体多層反射
膜とを順次積層する工程と、少なくとも下部スペーサ層
に達するまでエッチングし、所望の形状の半導体柱を形
成する工程と、前記断続的に形成されたAlxGa1-x
s層を、前記半導体柱の外壁から所望の深さまで酸化す
る選択酸化工程とを含み、少なくとも前記上部半導体多
層反射膜が、光出射口方向に向かうに従って活性層から
の出射光に対してその周囲の領域と反射率の異なる開口
領域を有する反射膜層を断続的に含むように形成したこ
とを特徴とする。
【0013】本発明によれば、高効率の電流狭窄効果を
有するとともに、光導波路を形成すべく反射率を変化さ
せる部位を有してなる、反射膜層が、光活性領域近傍か
ら出射口まで断続的に設けられているため、均一で制御
性よく、再現性の高い実効的導波路を形成することが可
能となる。
【0014】また、前記反射率の異なる領域を、半導体
基板に対して垂直方向からみた断面形状が短辺と長辺と
を有してなる矩形をなすように構成すれば、横モードを
安定させながら偏波面を効率よく制御することができ
る。
【0015】さらにこの導波路は発光部と同等の大きさ
の光の伝搬空間を維持して出射口まで導くため、低しき
い値で、活性層からの光の偏波面の安定性が高められ
る。また発生する熱を比較的体積の大きいメサ構造部に
放熱できるため、発熱を抑制し、広い出力範囲にわたっ
て光出力特性を劣化させることなく、偏波面を安定化す
ることが可能となる。
【0016】さらにまた、光閉じこめ層のアパーチャー
径を活性領域から離れるに従って大きくなるようにして
いるため、光効率の電流狭窄効果を得ることができると
ともに、発光部からの光の伝搬空間の平面的な大きさが
急激に広がることなく、徐々に上側に開いている形の導
波路がDBR内に均一性よく形成され、低しきい値で活
性層からの光の偏波面の安定性を高めることが可能とな
る。
【0017】また、これらの光閉じこめ層は、AlAs
あるいはAlGaAs層の選択酸化によって容易に形成
されるが、酸化による体積変化が大きく、膜厚の厚い層
を形成する場合、歪が発生したり、アパーチャー径の寸
法精度が低下したりする虞があるが、薄い層を離間して
多層に配設し、これを酸化すればよいため、酸化による
体積変化に起因する歪の問題もない。また、離間して多
層の光閉じこめ層が形成されているため、効果について
も、連続的に形成されている状態に近いものとなる。
【0018】さらに、これらの光閉じこめ層で形成され
る導波路が異方的となるように配置されているため、導
波路の中で導波路断面の長辺で決まる0次のTEモード
が最初に支配的になり、この時、導波路断面の短辺と平
行な偏波を効率よく得ることができる。すなわち、電流
注入領域内でもっとも距離の短い方向に偏波を制御する
ことができることになる。
【0019】また、光の閉じこめ状態が強いほど出射ビ
ームの広がり角が大きくなるので、互いにアパーチャー
径の広がる複数の(酸化アルミニウム層からなる)絶縁
性の光閉じこめ層によって電流分布を制御するのみなら
ず、発光部からの光の伝搬空間の平面的な大きさが急激
に広がらないような上側に開いている形の導波路がDB
R内に制御性よく形成されているため、低しきい値で、
活性層からの光の横モードおよび偏波面をより安定化す
ることができる。
【0020】このように、本発明によれば、偏波面を安
定化させることができる。またその方法は簡便で再現性
が高く、レーザ特性を劣化させるおそれもない。
【0021】また本発明の方法では、通常の水蒸気を用
いた選択酸化において、AlxGa1 -xAs層はアルミニ
ウム含有量すなわちxが大きくなるほど、酸化速度は増
し、酸化されずに残るアパーチャ径は、光出射口方向に
向かうに従って次第に大きくなる。従って極めて容易
に、上記構成が形成可能となる。
【0022】
【実施例】以下、本発明について、図面を参照しつつ説
明する。
【0023】図1は本発明の第1の実施例の面発光型半
導体レーザ装置の上面図、その断面図である。
【0024】この面発光型半導体レーザ装置は、p型の
Al0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0 .7Asからなる上部
多層反射膜8のAl0.9Ga0.1As層が入るべき領域に
AlAs層7が飛び飛びの周期で挿入され、このAlA
s層7が中心部を残して半導体柱の周囲から選択的に酸
化され、電流狭窄機能を具備した光閉じこめ層6と化
し、上部多層反射膜8中に断続的な光閉じこめ層を具備
したことを特徴とする。すなわち、このレーザ装置は、
n型ガリウムヒ素(GaAs)基板1上に形成されたn
型Al0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As下部半導体
多層反射膜2と、アンドープのAl0.6Ga0.4Asから
なる下部スペーサ層3と、アンドープのAl0.11Ga
0.89量子井戸層とアンドープのAl0.3Ga0.7As障壁
層とからなる量子井戸活性層4と、アンドープのAl
0.6Ga0.4Asからなる上部スペーサ層5と、p型Al
0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As上部半導体多層反
射膜8と、p型GaAsコンタクト層9とが順次積層せ
しめられ、活性層4に到達する深さまで、エッチングが
なされポスト13を構成している。そして表面にはCr
/Auからなるp側電極10が円形の枠状をなすように
形成されるとともに、基板裏面にはAu−Ge/Auか
らなるn側電極11が形成されている。
【0025】ここでn型下部半導体多層反射膜2は、n
型Al0.9Ga0.1As層とn型Al0.7Ga0.3AsGa
As層とをそれぞれ膜厚λ/(4nr)(λ:発振波
長,nr:媒質の屈折率)で約40.5周期積層するこ
とによって形成されたもので、シリコン濃度は 2×1
18cmー3である。下部スペーサ層は、アンドープのA
0 .6Ga0.4As層から構成され、また、量子井戸活性
層は、 アンドープのAl0. 11Ga0.89量子井戸層(膜
厚8nm×3)とアンドープのAl0.3Ga0.7As障壁
層(膜厚5nm×4)との組み合わせ、上部スペーサ層
は アンドープAl0.6Ga0.4Asから構成されてお
り、膜厚は全体でλ/nrの整数倍とする。上部半導体
多層反射膜8の最下層はp型のAlAs層7となってお
り、Al0.9Ga0.1As層が入るべき領域にAlAs層
7が飛び飛びの周期で挿入され、膜厚λ/(4nr
で、カーボン濃度は 3×1018cmー3である。また、
上部半導体多層反射膜8は、 p型Al0.9Ga0.1As
層とp型Al0.7Ga0.3AsGaAs層とをそれぞれ膜
厚 λ/(4nr) (λ:発振波長,nr:屈折率)で交
互に30周期積層することによって形成されたもので、
カーボン濃度は3×1018cmー3である。最後にp型コ
ンタクト層9は膜厚5nmで、カーボン濃度は1×10
20cmー3である。
【0026】次にこの面発光半導体レーザの製造工程に
ついて説明する。
【0027】まず、有機金属気相成長(MOCVD)法
により、シリコンドープのn型GaAs(100)基板
1上に、n型Al0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As
下部半導体多層反射膜2と、アンドープのAl0.6Ga
0.4Asからなる下部スペーサ層3と、アンドープのA
0.11Ga0.89量子井戸層とアンドープのAl0.3Ga0
.7As障壁層とからなる量子井戸活性層4と、アンドー
プのAl0.6Ga0.4Asからなる上部スペーサ層5と、
Al0.9Ga0.1As層が入るべき領域にAlAs層7が
飛び飛びの周期で挿入されたp型Al0.9Ga0.1As/
Al0.3Ga0.7As上部半導体多層反射膜8と、p型G
aAsコンタクト層9とを積層する。
【0028】そしてフォトリソグラフィーにより結晶成
長層上にレジストマスクを形成し、三塩化ホウ素と塩素
ガスをエッチングガスとしてもちいた、反応性イオンエ
ッチングにより、活性層4の表面までエッチングし、直
径20μm程度のポスト(半導体柱)13を形成する。
【0029】この後、水蒸気下で420℃10分の熱処
理を行い、断続的に形成されたAlAs層7は酸化され
Al23層6と化す。この時半導体多層反射膜の他の層
の酸化速度はAlAsに比べて著しく遅く殆ど酸化しな
いと考えてよい。
【0030】次に、必要に応じてポリイミド膜などを塗
布し、半導体柱の周りを埋め、表面の平坦化をはかった
後、電極を形成する。
【0031】ここで、上部半導体多層反射膜8の周期数
を下部半導体多層反射膜2の周期数よりも少なくしてい
るのは、反射率に差をつけて出射光を基板上面から取り
出すためである。ドーパントの種類についてはここで用
いたものに限定されることなく、n型であればセレン、
p型であれば亜鉛やマグネシウムなどを用いることも可
能である。周期については光の取り出し方向を基板表面
側、裏面側のいずれに取るかで決定され、周期が増える
につれて反射率は高くなる。上部DBR8とp側電極9
との間にSiOx,SiNx、SiON、ポリイミド等
の層間絶縁膜を挿入して、p側電極9と上部半導体多層
反射膜8との絶縁をはかるようにしてもよい。 電流経
路12はAlAs層7を選択酸化により高抵抗化するこ
とで形成され、平面的には円形であり、立体的には円柱
となるまた、n型DBRにも同様に、光閉じこめ層を形
成してもよい。ここでは、発振波長λ:780nmのレ
ーザ光を取り出すように設計した。
【0032】この構成によれば、偏波面を制御するため
に反射率を変化させる領域を活性領域近傍から出射口ま
で断続的に設けたことにより、高効率の電流狭窄効果に
供すると共に、偏波面を制御するために形成される反射
率変化領域の大きさを高精度に制御することができ、実
効的な導波路が効率よく形成される。また、前記導波路
は、発光部と同等の大きさの光の伝搬空間を維持して光
を出射口まで導くので低しきい値で活性層からの光の横
モード、偏波面の安定性が高められる。また、発生する
熱を比較的体積の大きい半導体柱を形成するDBR8に
放熱できるため、発熱を抑制し、広い出力範囲にわたっ
て光出力特性を劣化させることなく光の横モード、偏波
面を安定化することが可能となる。
【0033】なお、各半導体層は有機金属気相成長法、
分子線エピタキシー(MBE)法などによって形成すれ
ば良い。
【0034】このようにして作製された面発光型半導体
レーザ装置の動作は、以下に示すごとくである。ここ
で、p側電極10から注入されたキャリアの通路は断続
的に形成された酸化アルミニウム層(反射率変化領域)
で規定されており、量子井戸層に注入されたキャリアは
電子−正孔再結合により光を放出し、この光は上部と下
部の半導体多層反射膜によって反射され、利得が損失を
上回ったところでレーザ発振を生ずる。このとき断続的
に形成された反射率変化領域で囲まれた領域に導かれ、
発振レーザ光は基板表面に設けられた、p側電極10の
窓部から出射される。
【0035】なお、ポストの形状およびアパーチャの形
状、各電極の形状および大きさについても、これに限定
されることなく、適宜変更可能である。
【0036】例えば本発明の第2の実施例として図2に
示すように、ポストを四角柱で構成し、アパーチャを、
短軸と長軸との比が5:6から1:6の矩形となるよう
にしてもよい。これにより、より良好に偏波制御を行う
ことが可能となる。図2は本発明の第2の実施例の面発
光型半導体レーザ装置の上面図、そのX軸方向断面図お
よびY軸方向断面図である。
【0037】次に本発明の第3の実施例の面発光型半導
体レーザ装置について、図面を参照しつつ説明する。図
3は本発明の第3の実施例の面発光型半導体レーザ装置
の上面図、そのX軸方向断面図およびY軸方向断面図で
ある。
【0038】前記第1および第2の実施例では、断続的
に形成された酸化アルミニウム層(反射率変化領域)の
アパーチャー径は、一定にしたが、この例では図3に示
すように、光出射方向に向かって次第に広がるように形
成したことを特徴とする。他の構成については、前記第
1および第2の実施例とまったく同様に形成されてい
る。
【0039】この面発光型半導体レーザ装置は、p型の
Al0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0 .7Asからなる上部
多層反射膜28のAl0.9Ga0.1As層が入るべき領域
にAlxGa1-xAs(x=0.96〜1)層27が飛び
飛びの周期で挿入され、このAlxGa1-xAs層27が
中心部を残して半導体柱の周囲から選択的に酸化され、
電流狭窄機能を具備した光閉じこめ層26と化し、上部
多層反射膜8中に断続的な光閉じこめ層を具備したこと
を特徴とする。ここでAlxGa1-xAs(x=0.96
〜1)層27は、光出射口方向に向かうに従ってxは次
第に小さくなり、アパーチャ径は、光出射口方向に向か
うに従って次第に大きくなっている。
【0040】すなわち、このレーザ装置は、n型ガリウ
ムヒ素(GaAs)基板21上に形成されたn型Al
0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As下部半導体多層反
射膜22と、アンドープのAl0.6Ga0.4Asからなる
下部スペーサ層23と、アンドープのAl0.11Ga0.89
量子井戸層とアンドープのAl0.3Ga0.7As障壁層と
からなる量子井戸活性層24と、アンドープのAl0.6
Ga0.4Asからなる上部スペーサ層25と、p型Al
0.9Ga0.1As/Al0.3Ga0.7As上部半導体多層反
射膜28と、p型GaAsコンタクト層29とが順次積
層せしめられ、活性層24に到達する深さまで、エッチ
ングがなされポスト33を構成している。そして表面に
はCr/Auからなるp側電極30が矩形の枠状をなす
ように形成されるとともに、基板裏面にはAu−Ge/
Auからなるn側電極31が形成されている。
【0041】ここでAlxGa1-xAs(x=0.96〜
1)層27は、光出射口方向に向かうに従ってxは次第
に小さくなるように形成されており、これに選択酸化が
施されアパーチャを残して酸化アルミニウム層が形成さ
れる。この方法では、通常の水蒸気を用いた選択酸化に
より、アルミニウム含有量すなわちxが大きくなるほ
ど、酸化速度は増し、酸化されずに残るアパーチャ径
は、光出射口方向に向かうに従って次第に大きくなって
いる。実際には短軸と長軸との比が5:6から1:6の
矩形である。そして、立体的には上側に開いている型と
なる。
【0042】ここでn型下部半導体多層反射膜22、下
部スペーサ層23、量子井戸活性層24、上部スペーサ
層25、上部半導体多層反射膜28は、前記第1および
第2の実施例と同様の組成を有している。
【0043】ここでも、発振波長λ:780nmのレー
ザ光を取り出すように設計した。この構成によれば、偏
波面を制御するために反射率を変化させる領域を活性領
域近傍から出射口まで断続的に設けたことにより、高効
率の電流狭窄効果に供すると共に、偏波面を制御するた
めに形成される反射率変化領域の大きさを高精度に制御
することができ、実効的な導波路が効率よく形成され
る。また、前記導波路は、発光部からの光の伝搬空間の
平面的な大きさが急激に広がることなく徐々にDBR8
内で上に向かって開いている導波路がDBR内に均一性
よく形成され、低しきい値で、活性層からの光の横モー
ド、偏波面の安定性を高めることができる。また、発生
する熱を比較的体積の大きい半導体柱を形成するDBR
8に放熱できるため、発熱を抑制し、広い出力範囲にわ
たって光出力特性を劣化させることなく光の横モード、
偏波面を安定化することが可能となる。
【0044】なおBB軸方向に沿った偏波を得たい場合
には、p側電極をAA軸方向に長くした矩形形状をなす
ように形成すればよい。
【0045】なお、この例では、BB軸方向の電流分布
が狭くなるように構成されているためBB軸方向に偏波
した光を得ることができる。
【0046】なお、前記実施例では、量子井戸活性層を
構成する材料としてGaAs/AlGaAs系半導体を
用いたが、これに限定されることなく、例えば量子井戸
活性層にGaAs/InGaAs系あるいは、InP/
InGaAsP系半導体を用いることも可能である。な
お、本発明の構成要件を満足する範囲内で他の方法によ
っても実現可能であることはいうまでもない。
【0047】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明によれ
ば、高効率の電流狭窄効果を有するとともに、光導波路
を形成すべく反射率を変化させる部位を有してなる、反
射膜層が、光活性領域近傍から出射口まで断続的に設け
られているため、均一で制御性よく、再現性の高い実効
的導波路を形成することが可能となる。
【0048】また、前記反射率の異なる領域を、半導体
基板に対して垂直方向からみた断面形状が短辺と長辺と
を有してなる矩形をなすように構成すれば、横モードを
安定させながら偏波面を効率よく制御することができ
る。
【0049】さらにこの導波路は発光部と同等の大きさ
の光の伝搬空間を維持して出射口まで導くため、低しき
い値で、活性層からの光の偏波面の安定性が高められ
る。また発生する熱を比較的体積の大きいメサ構造部に
放熱できるため、発熱を抑制し、広い出力範囲にわたっ
て光出力特性を劣化させることなく、偏波面を安定化す
ることが可能となる。
【0050】さらにまた、光閉じこめ層のアパーチャー
径を活性領域から離れるに従って大きくなるようにして
いるため、低抵抗で高効率の電流狭窄効果を得ることが
できるとともに、発光部からの光の伝搬空間の平面的な
大きさが急激に広がることなく、徐々に上側に開いてい
る形の導波路がDBR内に均一性よく形成され、低しき
い値で活性層からの光の偏波面の安定性を高めることが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の面発光型半導体レーザ
装置を示す図
【図2】本発明の第2の実施例の面発光型半導体レーザ
装置を示す図
【図3】本発明の第3の実施例の面発光型半導体レーザ
装置を示す図
【図4】従来例の面発光型半導体レーザ装置を示す図
【図5】従来例の実施例の面発光型半導体レーザ装置を
示す図
【図6】従来例の実施例の面発光型半導体レーザ装置を
示す図
【符号の説明】
1 n型ガリウムひ素(GaAs)基板 2 n型下部半導体多層反射膜 3 下部スペーサ層 4 活性層 5 上部スペーサ層 6 AlAs層 8 上部半導体多層反射膜 9 p型GaAsコンタクト層 10 p側電極 11 n側電極 12 電流通路 13 ポスト 21 n型ガリウムひ素(GaAs)基板 22 n型下部半導体多層反射膜 23 下部スペーサ層 24 活性層 25 上部スペーサ層 26 AlxGa1-xAs層 28 上部半導体多層反射膜 29 p型GaAsコンタクト層 30 p側電極 31 n側電極 32 電流通路 33 ポスト

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層が上部及び下部の半導体多層反射
    膜により挟まれ、基板面と垂直な方向に光共振器が形成
    された面発光レーザにおいて、 少なくとも上部の半導体多層反射膜が、活性層からの出
    射光に対してその周囲の領域と反射率の異なる領域を形
    成してなる反射膜層を、互いに2層以上離間するよう
    に、複数層断続的に配置したことを特徴とする面発光型
    半導体レーザ装置。
  2. 【請求項2】 前記反射率の異なる領域は半導体基板に
    対して垂直方向からみた断面形状が短辺と長辺とを有し
    てなる矩形をなすように構成したことを特徴とする請求
    項1記載の面発光型半導体レーザ装置。
  3. 【請求項3】 前記半導体多層反射膜が、出射光に対し
    てその周囲の領域よりも反射率の小さい領域からなるア
    パーチャーを形成してなる光閉じこめ領域をもつ第1の
    光閉じこめ層、この第1の光閉じこめ層よりも大きなア
    パーチャー径の光閉じこめ領域をもつ第2の光閉じこめ
    層、さらに大きなアパーチャー径の光閉じこめ領域をも
    つ第3の光閉じこめ層とが、前記活性層から離れるに従
    って、互いに離間して形成されていることを特徴とする
    請求項1記載の面発光型半導体レーザ装置。
  4. 【請求項4】 半導体基板上に下部半導体多層反射膜、
    下部スペーサ層、活性層、上部スペーサ層、少なくと
    も、光出射口方向に向かうに従ってxが次第に小さくな
    るように、順次AlxGa1-xAs層を、断続的に含むよ
    うに形成された上部半導体多層反射膜とを順次積層する
    工程と、 前記AlxGa1-xAs層を断面に露呈せしめるように、
    所望の形状の半導体柱を形成する工程と、 前記半導体柱の断面または周囲から露呈する前記Alx
    Ga1-xAs層に水蒸気を含むガスを接触せしめ前記A
    xGa1-xAs層を酸化する酸化工程とを含み、 少
    なくとも前記上部半導体多層反射膜が、光出射口方向に
    向かうに従って活性層からの出射光に対してその周囲の
    領域と反射率の異なる開口領域を有する反射膜層を断続
    的に含むように形成したことを特徴とする面発光型半導
    体レーザ装置の製造方法。
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