JPH10226596A - 化合物の合成装置および方法 - Google Patents

化合物の合成装置および方法

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JPH10226596A
JPH10226596A JP2818297A JP2818297A JPH10226596A JP H10226596 A JPH10226596 A JP H10226596A JP 2818297 A JP2818297 A JP 2818297A JP 2818297 A JP2818297 A JP 2818297A JP H10226596 A JPH10226596 A JP H10226596A
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pressure
vessel
synthesis
compound
crucible
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JP2818297A
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Yoshihiro Okabe
良宏 岡部
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Sumitomo Metal Mining Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 繰り返し使用可能で、真空封止などのプロセ
スを必要とせず、かつV族元素の蒸気が合成容器から圧
力容器へと漏れ出さない、低ランニングコストの化合物
の合成装置および方法。 【解決手段】 化合物を構成する成分元素の内の解離圧
の高いV族元素原料3の蒸気で蒸気圧を制御しつつ、ル
ツボ2底部の加熱と、ルツボ2上部の加熱と、蒸気圧制
御用リザーバ4の加熱とを制御し、V族元素原料3をル
ツボ2に移動させて化合物を合成する。合成容器5の内
部と、圧力容器6の内部とを連通するために通気口7を
合成容器5に設け、かつ合成容器5の内部の空間を密閉
するために圧力容器6の外部から開閉可能なシール材8
を通気口7に設ける。これにより、圧力容器6と合成容
器5を同時に真空排気してから、通気口7を閉じて加熱
し、合成容器5の内部のV族元素原料3の蒸気圧と、圧
力容器6の内部の不活性ガスの圧力を等しくする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、GaP、GaA
s、InPなどの化合物を合成する装置および方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】GaP、GaAs、InPなどの化合物
の合成方法では、V族元素(Ga、P)の蒸気圧が高い
ため、合成中のV族元素の解離を抑制する方策、あるい
は積極的にV族元素の蒸気圧を印加制御する方策が採ら
れる。
【0003】前者のV族元素の解離を制御する方策で
は、III 族元素原料とV族元素原料とを同一のルツボ内
に装填し、この上にB2 O3 などの液体封止剤を載せ、
V族元素の蒸気圧以上の気圧の不活性ガスを印加する。
このV族元素の解離を抑制する方策を伴う化合物の合成
方法に使用される合成装置の構成は、シンプルである。
しかし、V族元素原料から飛散する量を皆無にすること
は困難であるため、飛散する量を予めV族元素原料に加
えておく。ところが、飛散する量にばらつきが生じるた
め、合成した化合物の組成にもばらつきが生じることに
なる。また、この方法では、化合物の合成中に飛散した
V族元素が圧力容器内に付着し固化するため、化合物の
合成後に圧力容器内に固化したV族元素の除去作業(ク
リーニング)が必要となる。
【0004】後者の蒸気圧を印加制御する方策では、蒸
気圧が低いIII 族元素原料を装填した合成用ルツボとは
別に、蒸気圧制御用リザーバを設け、該蒸気圧制御用リ
ザーバ内に蒸気圧が高いV族元素原料を装填し、該蒸気
圧制御用リザーバの温度を制御する。この蒸気圧を印加
制御する方策を伴う化合物の合成方法では、蒸気圧制御
用リザーバの温度制御により、化合物の組成制御を行う
ため、化合物のロット毎に生じる組成のばらつきが小さ
い。しかし、ルツボと蒸気圧制御用リザーバとを収納
し、蒸気圧を制御する空間を構成する容器(以下合成容
器と呼ぶ)と、ルツボと蒸気圧制御用リザーバの温度を
独立して制御するヒーターとが必要となる。そのため、
前記のV族元素の解離を抑制する方策を伴う合成方法に
よる合成装置に比べて、蒸気圧を印加制御する方策を伴
う化合物の合成方法による合成装置は複雑となる。
【0005】GaAs結晶を液体封止引上法により製造
する場合の化合物の合成には、引上機内で解離を抑制す
る方策を伴う化合物の合成方法を採用する。しかし、G
aAs結晶を他の製造方法で製造する場合の化合物の合
成や、Pを含む化合物結晶(GaP、InP)を製造す
る場合の化合物の合成には、蒸気圧を印加制御する方策
を伴う化合物の合成方法を採用する。
【0006】以下、V族元素の蒸気圧を印加制御する方
策を伴う化合物の合成装置とその合成方法について、図
4と図5に基づき説明する。
【0007】III 族元素原料1を装填したルツボ2と、
V族元素原料3を装填した蒸気圧制御用リザーバ4は合
成容器5内に収められ、この合成容器5は圧力容器6内
に収めて、加熱され昇温する。III 族元素原料1の底部
の温度を、合成する化合物の融点とし、III 族元素原料
1の上部の温度を該融点より10〜30℃高くしてお
く。蒸気圧制御用リザーバ4は合成容器5内で最も温度
が低い部位に配置され、該部位に温度が一定となる領域
(均熱帯)を設け、該蒸気圧制御用リザーバ4の温度制
御によって蒸気圧制御が行われる。この蒸気圧制御と
は、化合物の合成において、V族元素原料3の蒸気圧が
III 族元素原料1の解離圧に等しくなる温度に制御する
ことである。これらの温度制御を実現するために、ルツ
ボ2の上部と下部と蒸気圧制御用リザーバ4は互いに独
立して温度制御されなければならず、ルツボ2の上部と
下部と蒸気圧制御用リザーバ4の加熱のために、それぞ
れヒーター15が配置される。
【0008】化合物の合成では、上記温度分布を実現
し、V族元素を蒸気にして蒸気圧制御用リザーバ4から
ルツボ2へと移動させ、ルツボ2のみを徐々に降温する
ことによって、ルツボ2の底部から上方へと化合物を固
化させる。固化の終了時点では、化合物の最上部が化合
物の融点である。固化完了まで、V族元素原料3の蒸気
圧は一定に制御される。その後、ルツボ2と蒸気圧制御
用リザーバ4とを室温まで冷却して終了する。昇温開始
から冷却終了までの間、圧力容器6は合成容器5の内圧
にバランスする気圧の不活性ガスで満たされる。
【0009】蒸気圧が制御される空間を構成する合成容
器5は、石英製の封管などの様に密閉容器であることが
望ましいが、熱分解炭素、ガラス状炭素、炭化珪素など
の通気性の無い材料を被覆したグラファイト製や、窒化
ホウ素製の、密閉性が劣る容器(以後セミシールド容器
と呼ぶ)が用いられることもある。
【0010】合成温度が石英の軟化点を超えるGaPの
様な化合物を、石英製の封管を使用して合成するために
は、高周波加熱方式を選択しなければならず、抵抗加熱
方式を採用するためには、合成容器5にセミシールド容
器を使用しなければならない。GaAsやInPなどの
化合物を合成する場合は、高周波加熱方式と抵抗加熱方
式のいずれも採用でき、密閉容器、セミシールド容器の
いずれも使用できる。一般的には、石英製の封管と高周
波加熱方式の組み合わせが採用されることが多い。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、石英製
の封管を使用し、高周波加熱方式による合成方法および
合成装置では、以下の問題がある。
【0012】合成容器を圧力容器内に装着するプロセス
の前に、III 族元素原料を装填したルツボとV族元素原
料を装填した蒸気圧制御用リザーバとを合成容器(石英
製アンプル)内に収め、該石英製アンプルを真空封止す
るプロセスが必要となり、該石英製アンプルは繰り返し
使用できない。また、高周波加熱方式では、抵抗加熱方
式に比べると装置価格が高くなり、メンテナンスも煩雑
である。いずれも、化合物の合成の製造コストを上昇さ
せるといった問題がある。さらに、合成する化合物のサ
イズが大きくなると、充分な強度を持つ石英製アンプル
の設計と、それを真空封止する作業とが難しくなるとい
った問題もある。
【0013】一方、合成容器をセミシールド容器とした
場合には、繰り返し使用可能で、真空封止などのプロセ
スを必要としない。しかし、制御するV族元素の蒸気
が、合成容器から圧力容器へと漏れ出すという問題があ
る。漏れ出す量は、セミシールド容器の構造と外圧(圧
力容器内不活性ガス圧)の印加の仕方次第である。漏れ
出た蒸気は、圧力容器内の温度の低い部位に付着し、固
化する。GaPやInPの化合物の合成では、発火し易
い白燐や赤燐が付着し、GaAsの合成では、毒物であ
るAsが付着する。これらの付着物のために、化合物を
化合する毎にホットゾーン(ヒーター、断熱材などの炉
材)や圧力容器のクリーニング作業を行わなければなら
ない。従って、製造効率を下げるという問題がある。
【0014】本発明の目的は、繰り返し使用可能で、真
空封止などのプロセスを必要とせず、かつV族元素の蒸
気が合成容器から圧力容器へと漏れ出さない合成容器を
提供し、低ランニングコストの化合物の合成装置および
方法を実現することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明による化合物の合
成装置は、化合物を構成する成分元素の内の解離圧の高
い成分元素の蒸気で蒸気圧を制御しつつ、該化合物の高
解離圧の成分元素を収容可能な蒸気圧制御用リザーバ
と、該化合物の他の成分元素を収容可能なルツボと、該
蒸気圧制御用リザーバと該ルツボとを収め蒸気を満たす
空間を有する合成容器と、該合成容器の外部から該ルツ
ボ底部を加熱するヒーターと、該合成容器の外部から該
ルツボ上部を加熱するヒーターと、該合成容器の外部か
ら該蒸気圧制御用リザーバを加熱するヒーターと、該合
成容器と前記3種のヒーターを内部に収める圧力容器と
を有し、合成容器内の空間と圧力容器の内部とを連通す
るために通気口を合成容器に設け、かつ合成容器内の空
間を密閉するために圧力容器の外部から開閉可能なシー
ル材を前記通気口に設ける。
【0016】好ましくは、前記合成容器を熱分解炭素、
ガラス状炭素、炭化珪素よりなる群から選択した1種ま
たは2種以上の材料を被覆したグラファイトで形成す
る。また、前記通気口が合成容器内側で小さい内径を有
し外側で大きい内径を有する構造とする。さらに、シー
ル材が開閉棒からなり、合成容器外側で通気口の内壁部
と同材質の被覆を施した前記開閉棒が滑動することで通
気口を開閉させる。前記開閉棒に連なる押し棒を設け、
該押し棒が前記圧力容器に取り付けたシャフト内で滑動
可能で、該押し棒を駆動する機構を備える。
【0017】以上の構造を有する合成装置を用いて、昇
温、化合物の合成、および冷却の工程は、合成容器と圧
力容器との連通を遮断し、それ以外の工程では合成容器
と圧力容器とを連通する操作を該圧力容器の外部から行
い化合物を合成する。
【0018】
【発明の実施の形態】上記目的を達成するため種々の検
討を行った結果、到達した本発明の装置構成を図1から
図4に基づき説明する。
【0019】本発明の化合物の合成装置の特徴は、蒸気
を満たす空間を構成する合成容器5に圧力容器6外から
開閉可能な通気口7を設けたことである。通気口7は合
成容器5の内側で小さい内径を有し、外側で大きい内径
を有する構造であり、合成容器5の外側で、開閉棒8が
滑動することで通気口7が開閉される。合成容器ベース
13の外側から突合して、通気口7を塞ぐ開閉棒8が設
けられている。すなわち、図2(b)のように、開閉棒
8を通気口7に突き合わせることで、通気口7が閉じ
て、図2(a)のように開閉棒8を通気口7から離すこ
とで通気口7が開く。
【0020】合成容器5と開閉棒8はグラファイト製で
あるが、熱分解炭素、ガラス状炭素、炭化珪素よりなる
群から選択した1種または2種以上の材料を被覆し、通
気性がない。なお、通気口7と開閉棒8とは同材質の被
覆が施され、被覆膜の反応が起きず繰り返し使用可能な
ものである。また、合成容器5の接合部はねじ締めによ
る封止構造とし、ねじを締めることにより、シール材
(グラフォイル、カーボンシート)を圧壊し、気密性を
確保する。なお、このねじ締めによる封止部分は、III
族元素原料1とV族元素原料3とを装填した後は、合成
多結晶を取り出すまで閉じたままである。
【0021】開閉棒8には連なる押し棒9を設け、押し
棒9にはO−リング10が取り付けられて、圧力容器6
は気密性を保つ。この押し棒9を駆動することにより開
閉棒8が滑動し通気口7を開閉する。押し棒9の駆動機
構としては、図3に示したように、押しねじ11を回す
ことにより開閉方向に駆動する。また、押し棒9の圧力
容器6の外側に出た部分をモーター駆動する機構(図示
せず。)でもよい。
【0022】押し棒9を内装するのは、圧力容器6のい
ずれの場所であっても基本的には変わらないが、ホット
ゾーン(ヒーター、断熱材などの炉材)の構成や強度な
どから、合成容器ベース13の底部か合成容器5の上部
が望ましい。さらに、圧力容器6内に突き出たシャフト
12内に押し棒9を内装し、シャフト12に合成容器5
と合成容器ベース13を固定することで、開閉棒8を駆
動する際に通気口7の開閉を容易にするので好ましい。
もちろん、開閉棒8の駆動に際し、合成容器5と合成容
器ベース13を固定するシャフト12を設けず、別途合
成容器5と合成容器ベース13を圧力容器6に対して固
定する構造を設けたものでもよい。
【0023】圧力容器6内で合成容器5と合成容器ベー
ス13を移動しながら合成を行う方法では、押し棒9を
内装し合成容器ベース13を固定するシャフト12を駆
動することで可能となる。
【0024】III 族元素原料1を装填したルツボ2とV
族元素原料3を装填した蒸気圧制御用リザーバ4が収め
られた合成容器5と合成容器ベース13を圧力容器6内
に取り付け、圧力容器6内を真空排気する際に通気口7
を開けておき、合成容器5と合成容器ベース13の内部
も同時に真空排気する。真空排気終了後に、開閉棒9を
駆動して通気口7を閉め、合成容器5と合成容器ベース
13を密閉する。この後の昇温では、合成容器5と合成
容器ベース13の内部のV族元素原料3の蒸気圧に等し
い圧力となるように、不活性ガスを圧力容器6内に供給
する。昇温、化合物合成、冷却過程を通じて、合成容器
5と合成容器ベース13は密閉であり、内外に圧力差が
無いため、V族元素の蒸気は合成容器5と合成容器ベー
ス13から漏れ出てこない。V族元素原料3の蒸気圧が
十分に小さくなってから、あるいは冷却が終了した後
に、通気口7を開け、合成容器5と合成容器ベース13
の内圧と圧力容器6の内圧とを大気圧に戻し、合成容器
5と合成容器ベース13から化合物を取り出す。真空封
止を必要としない合成容器5と合成容器ベース13は、
繰り返し使用が可能である。
【0025】
【実施例】以下にGaPの合成に使用する合成装置と方
法を、図1から図4に基づいて説明すると以下の通りで
ある。
【0026】圧力容器6の底部中心に設けられたシャフ
ト12に合成容器ベース13を取り付け、この上に35
0gの赤燐を入れた蒸気圧制御用リザーバ4を載せ、そ
の上方に700gのGa原料を装填した内径95mmの
PBNルツボ2を配置し、合成容器5を被せた。合成容
器5と合成容器ベース13はグラファイトに熱分解炭素
を被覆して用いた。合成容器ベース13の中心部は蒸気
圧制御用リザーバ4内の温度をモニタするための熱電対
14を配置し、その隣に通気口7が設けられた。通気口
7は合成容器ベース13の内側で内径が1mm、外側で
内径が6mmとした。開閉棒8は、合成容器ベース13
内に収められ、シャフト12に内装された押し棒9と一
直線上に配置される。押し棒9はO−リング10でシー
ルされ、押し棒9を駆動する押しねじ11は、シャフト
12の下部のフランジ19に取り付けられる。
【0027】合成容器5と合成容器ベース13を加熱す
るヒーター15はグラファイト製で、円筒型で同径のも
のを同軸上に3段重ねた。上の2つのヒーター15をル
ツボ加熱用に、下の1つのヒーターを蒸気圧制御用リザ
ーバの加熱用とし、その間と外周および合成容器5の上
部と、合成容器ベース13の下部とは断熱材で構成し
た。
【0028】合成容器5と合成容器ベース13とホット
ゾーンとをセットした後、圧力容器6を閉め真空排気を
開始した。この時、通気口7は開けておき、合成容器5
と合成容器ベース13の内部も真空排気した。約2時間
真空排気した後、合成容器5と合成容器ベース13を加
熱して、昇温を開始した。蒸気圧制御用リザーバ4内の
温度が300℃となった時点で、押しねじ11を回して
押し棒9を上げて開閉棒8で通気口7を閉め、合成容器
5と合成容器ベース13を密閉容器とした。真空排気を
止め、Arガスを圧力容器6内に供給した。以後は、蒸
気圧制御用の赤燐3の温度を蒸気圧制御用リザーバ4内
に配置した熱電対14で測定し、この温度から赤燐3の
蒸気圧(合成容器5と合成容器ベース13の内圧)を求
め、これに圧力容器6の内圧(合成容器5と合成容器ベ
ース13の外圧)が等しくなるようにArガスを供給し
ていった。
【0029】昇温開始から約4時間後、蒸気圧制御用リ
ザーバ4側のヒーター15の制御温度を595℃として
保持した。この時の蒸気圧制御用リザーバ4内の温度は
578℃であり、合成容器5と合成容器ベース13の内
部の燐の蒸気圧は35kg/cm2 、圧力容器6内のA
rガス圧(合成容器5と合成容器ベース13の外圧)も
35kg/cm2 である。この約20分間後、ルツボ2
側の2つのヒーター15の制御温度を上からそれぞれ1
520℃、1450℃として昇温を終了した。この状態
は別途行った温度分布を測定した結果から、ルツボ2の
底部の温度がGaPの融点の1465℃となり、上が高
く、下が低い温度分布となり、ルツボ2の上部の温度は
1485℃である。この状態を約20分間保持した後、
上部2つのヒーター15の制御温度を25℃/hで1時
間下げ、化合物の合成を行った。この間、蒸気圧制御用
リザーバ4内の温度を578℃(合成容器5と合成容器
ベース13の内部の燐の蒸気圧は35kg/cm2 )に
保持した。
【0030】その後、約2時間で、上部2つのヒーター
15の制御温度を800℃まで、蒸気圧制御用リザーバ
4側のヒーター15の制御温度を440℃まで下げて、
全体を冷却した。この間は昇温時と同様に、圧力容器6
の内圧(合成容器5と合成容器ベース13の外圧)が合
成容器5と合成容器ベース13の内圧の燐の蒸気圧に等
しくなるように圧力容器6内のArガスを排気した。圧
力容器6の内圧が2kg/cm2 となった時点で、Ar
ガスの排気を止め、さらに室温まで、約3時間で冷却し
た。
【0031】冷却終了後、通気口7を開け、合成容器5
と合成容器ベース13の内圧と、圧力容器6の内圧とを
大気圧に戻し、圧力容器6から合成容器5と合成容器ベ
ース13を取り出し、化合物を得た。
【0032】直径95mm、長さ34mmで質量が1k
gのGaP化合物が得られた。合成容器5と合成容器ベ
ース13の内部には、燐が付着していたが、圧力容器6
内には燐が漏れ出していなかった。合成容器5と合成容
器ベース13は、付着した燐を取り除くだけで繰り返し
使用でき、圧力容器6はそのまま次の化合物の製造に使
用することができた。
【0033】
【発明の効果】本発明により、合成容器を繰り返し使用
でき、かつ真空封止などのプロセスを必要とせず、化合
物の成分であるV族元素の蒸気が合成容器から漏れ出さ
ないため、ホットゾーン(ヒーター、断熱材などの炉
材)や圧力容器のクリーニング作業を毎回必要としない
化合物の合成装置および方法が実現でき、低ランニング
コストで化合物を製造することができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の合成容器の構成断面図である。
【図2】図1の通気口の拡大図である。
【図3】図1の押しねじ部の拡大図である。
【図4】化合物の合成装置全体の構成断面図である。
【図5】従来の技術における合成容器の構成断面図であ
る。
【符号の説明】
1 III 族元素原料 2 ルツボ 3 V族元素原料 4 蒸気圧制御用リザーバ 5 合成容器 6 圧力容器 7 通気口 8 開閉棒 9 押し棒 10 O−リング 11 押しねじ 12 シャフト 13 合成容器ベース 14 熱電対 15 ヒーター 16 断熱材 18 不活性ガス供給口 19 フランジ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の成分元素の反応により化合物を生
    成する第1空間を有する合成容器と、該合成容器を包
    囲、収容する圧力容器と、反応時における該合成容器の
    中の圧力に見合う圧力を、該圧力容器内に生じさせる機
    構とを有する化合物の合成装置。
  2. 【請求項2】 化合物を反応により生成する成分元素を
    配置する複数の収納部と、該収納部に前記成分元素を入
    れる機構と、前記収納部を加熱する加熱装置と、前記反
    応を生じさせる反応空間とを有する密封型合成容器、お
    よび該合成容器を収容する包囲空間を有する圧力容器か
    らなる化合物の合成装置において、前記合成容器の反応
    空間と圧力容器の包囲空間とに連通する通気口と、該通
    気口の開閉部材を合成容器に設け、該開閉部材の作動を
    外部から行うための開閉装置が、圧力容器に設けられて
    いることを特徴とする化合物の合成装置。
  3. 【請求項3】 化合物の合成装置において、該化合物の
    高解離圧の成分元素を収容可能な蒸気圧制御用リザーバ
    と、該化合物の他の成分元素を収容可能なルツボと、該
    蒸気圧制御用リザーバと該ルツボとを収め蒸気を満たす
    空間を有する合成容器と、該合成容器を内部に収める圧
    力容器とを有し、合成容器内の空間と圧力容器の内部と
    を連通するために通気口を合成容器に設け、かつ合成容
    器内の空間を密閉するために圧力容器の外部から開閉可
    能なシール材を前記通気口に設けたことを特徴とする化
    合物の合成装置。
  4. 【請求項4】 前記ルツボと前記蒸気圧制御用リザーバ
    とを加熱するヒーターを有する構造であることを特徴と
    する請求項3に記載の化合物の合成装置。
  5. 【請求項5】 前記合成容器が熱分解炭素、ガラス状炭
    素、炭化珪素よりなる群から選択した1種または2種以
    上の材料を被覆したグラファイトで形成されることを特
    徴とする請求項3と4のいずれかに記載の化合物の合成
    装置。
  6. 【請求項6】 前記通気口が合成容器内側で小さい内径
    を有し外側で大きい内径を有する構造であることを特徴
    とする請求項3から5のいずれかに記載の化合物の合成
    装置。
  7. 【請求項7】 前記シール材が開閉棒からなり、前記通
    気口の内壁部と同材質の被覆を施した該開閉棒が、合成
    容器外側で滑動することで通気口が開閉することを特徴
    とする請求項3から6のいずれかに記載の化合物の合成
    装置。
  8. 【請求項8】 前記開閉棒に連なる押し棒を設け、該押
    し棒が前記圧力容器に取り付けたシャフト内で滑動可能
    で、該押し棒を駆動する機構があることを特徴とする請
    求項3から7のいずれかに記載の化合物の合成装置。
  9. 【請求項9】 次の各工程からなる化合物の合成方法。 (1)高解離圧の成分元素を蒸気圧制御用リザーバに収
    容し、他の成分元素をルツボに収容し、該ルツボと該蒸
    気圧制御用リザーバとを合成容器に収納し、該合成容器
    を圧力容器に収納し、前記通気口を開け、合成容器と圧
    力容器の内部を同時に真空排気してから、前記通気口を
    閉じる第1工程。 (2)合成容器の内部の前記高解離圧の成分元素の蒸気
    圧と等しい気圧で、圧力容器の内部に不活性ガスを供給
    しつつ、該合成容器の外部から該ルツボ底部を加熱する
    ヒーターと、該合成容器の外部から該ルツボ上部を加熱
    するヒーターと、該合成容器の外部から該蒸気圧制御用
    リザーバを加熱するヒーターとで、合成容器を加熱し、
    ルツボの底部を化合物の融点に温度制御し、ルツボ上部
    は該融点よりも高い温度に制御し、ルツボ内の成分元素
    の該融点における解離圧と、蒸気圧制御用リザーバ内の
    前記高解離圧成分元素の蒸気圧が等しくなるように、蒸
    気圧制御用リザーバの温度を制御する第2工程。 (3)合成容器の内部の前記高解離圧の成分元素の蒸気
    圧と等しい気圧で、圧力容器の内部に不活性ガスを供給
    しつつ、前記ルツボの底部の温度とルツボ上部の温度を
    徐々に降温し、蒸気圧制御用リザーバ内の成分元素の温
    度は第2工程の温度を維持する制御を行う第3工程。 (4)合成装置全体を室温にまで冷却し、化合物を取り
    出す第4工程。
  10. 【請求項10】 化合物を構成する成分元素の内の解離
    圧の高い成分元素の蒸気で蒸気圧制御を行いつつ、その
    他の成分元素を該化合物の融点に加熱し、該融点から徐
    々に冷却して前記解離圧の高い成分元素の蒸気を移動さ
    せる化合物の合成方法において、該蒸気の蒸気圧を制御
    する密閉空間の周囲に圧力空間を設け、該密閉空間にお
    ける少なくとも昇温、化合物の合成、冷却の工程は、該
    密閉空間と圧力空間との連通を遮断し、それ以外の工程
    では該密閉空間と圧力空間とを連通する操作を該圧力空
    間の外部からから行うようにしたことを特徴とする化合
    物の合成方法。
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