JPH10237764A - バッキング用遅燃性樹脂水性組成物 - Google Patents

バッキング用遅燃性樹脂水性組成物

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JPH10237764A
JPH10237764A JP9832397A JP9832397A JPH10237764A JP H10237764 A JPH10237764 A JP H10237764A JP 9832397 A JP9832397 A JP 9832397A JP 9832397 A JP9832397 A JP 9832397A JP H10237764 A JPH10237764 A JP H10237764A
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正明 辻
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富久 川上
Naonori Takami
尚典 高見
Akira Kato
加藤  明
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Ganz Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】従来の難燃性シート状繊維製品裏打材は、火災
時あるいは焼却時にハロゲン化ガス等の有毒ガスを発生
させ、その結果人体に重篤な害をもたらしたり、大気汚
染を招くといった重大な欠点があった。加えて従来の多
くの裏打材は、平時も揮発分が揮散してたとえば自動車
の内装材として用いられた場合、車のガラスを曇化させ
るといった問題点も有していた。 【解決手段】本発明はエチレン系重合体水性エマルジョ
ンにエポキシ系樹脂を適当量配合することにより従来品
の欠点をなくし、優れた遅燃性を有するバッキング用樹
脂水性組成物を得ることに成功した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車の内装材、
家屋、事務所等の床部のカーペット等に裏打ち加工すな
わちバッキングを施して、それらに遮水性と強度を付与
すると同時に遅燃性を付与するバッキング用遅燃性樹脂
水性組成物に係り、特に火災時にハロゲン含有ガス等の
有毒ガスが発生することなく、且つ平時は揮発分の付着
による窓ガラス等の曇化のないバッキング用遅燃性樹脂
水性組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年の自動車の数の増大や住宅の密集化
に伴い、それらの火災に対する対策は極めて重要であ
る。特に各種の車両や家屋の内装材についての難燃化の
要望が大きく、難燃化技術が種々提案されている。自動
車内装に使用されている繊維製品の難燃化については繊
維製品の補強剤として使用されるバッキング剤に塩化ビ
ニル系、塩化ビニリデン系等のハロゲン含有の難燃性共
重合体エマルジョンを用いたり、あるいは通常の合成ゴ
ム系、アクリル系、アクリル・スチレン系、エチレン酢
酸ビニル系などの共重合体エマルジョン及びこれらのブ
レンド物に難燃剤を配合し、それを繊維製品に塗布する
ことにより難燃化する方法が提案されている。この様な
難燃剤としては、液状又は粉末状のリン酸エステル系、
ハロゲン化リン酸エステル系、ハロゲン化合物系などの
有機難燃剤、アンチモン系、アルミニウム系、ほう素系
などの無機難燃剤等がそれぞれ単独で、または適宜併用
して使用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ハロゲン含有難燃性共重合体エマルジョンやハロゲン系
難燃剤は、火災時あるいは熱リサイクル等の燃焼時にハ
ロゲンガス等の有毒ガスを発生させて人体に重篤な害を
もたらせ、また大気汚染や焼却炉の劣化を招く等の欠点
を有している。またこれらの難燃剤はその強い難燃付与
性のため火災時、繊維製品やバッキング剤が不完全燃焼
して却って一酸化炭素の発生量を増加させることが知ら
れている。さらに、平時でもこれらの難燃剤が自動車の
内装材に用いられている場合、含有しているハロゲン化
合物の分解等によって発生するハロゲン化水素とカーシ
ートの緩衝材であるウレタンフォーム中のアミン類との
反応生成物が窓ガラスを曇化させるという問題点も有し
ている。また、ハロゲン系以外の難燃剤として一般的な
リン系難燃剤も、揮散して窓ガラスを曇化させるという
問題点がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、自動車の
火災時における人身事故は、火の廻りが早く脱出の機会
が失われたり、発生する有害ガスや一酸化炭素によって
人が中毒に陥った場合が多いことに鑑み、充分な遅燃性
を有し且つ火災時有害ガスが発生しないバッキング材を
得ることを第一の目的として鋭意研究を行った結果、エ
チレン系重合体水性エマルジョンにエポキシ系樹脂を配
合することにより得られる樹脂水性組成物が、この課題
を悉く解決することを見出し、さらに研究を重ねて本発
明を完成した。すなわち本発明は、(1)エチレン系重
合体水性エマルジョンの固形分100重量部に対してエ
ポキシ系樹脂を固形分として1〜50重量部含有させて
なるバッキング用遅燃性樹脂水性組成物、(2)エポキ
シ系樹脂を固形分として3〜30重量部含有させてなる
前記(1)記載の組成物、(3)自動車内装材のバッキ
ング用である前記(1)記載の組成物、(4)前記
(1)記載の組成物を固形分として50〜500g/m
2バッキングした遅燃性シート状繊維製品、および
(5)遅燃性シート状繊維製品が自動車内装材である前
記(4)記載の遅燃性シート状繊維製品、である。ここ
にいう「遅燃性」という意味は、JIS D 1201-1977 の
「自動車室内用有機資材の燃焼性試験方法」において燃
焼性区分として用いられている「遅燃性」を意味する。
すなわち、無風の大気中でいったん着火した資材が着火
源を取り去った後も100mm/分以下の燃焼速度でゆっ
くりと燃え続ける性質をいう。 この JIS D 1201-1977 の燃焼性試験方法は、米国自動
車安全基準( FederalMotor Vehicle Safety Standar
d)FMVSS-302 に規定されている燃焼試験に準拠したも
のである。
【0005】
【発明の実施の形態】本発明でいうエチレン系重合体水
性エマルジョンとは、エチレン系単量体の1種または2
種以上を界面活性剤及び/又は保護コロイドの存在下又
は不存在下、水性媒体中で乳化重合したり、乳化重合以
外の方法により重合した重合体を後乳化したりして得ら
れる単独重合体または共重合体水性エマルジョンの単独
物、又は、複数の重合体エマルジョンのブレンド物をい
い、製造の容易性、経済性等の理由から、通常エチレン
系単量体の乳化重合によってえられる単独または共重合
体エマルジョンの単独物又は複数の重合体エマルジョン
のブレンド物であるのが好ましい。エチレン系単量体と
しては、例えば、メチルアクリレート、エチルアクリレ
ート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、n−オクチルア
クリレート、イソノニルアクリレート、ラウリルアクリ
レート、ステアリルアクリレート等のアクリル酸アルキ
ルエステル系単量体、例えばメチルメタクリレート、エ
チルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、2−
エチルヘキシルメタクリレート、ステアリルメタクリレ
ート等のメタクリル酸アルキルエステル単量体、例え
ば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、
エチルビニルベンゼン等の芳香族ビニル系単量体、例え
ば、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、バーサチック酸
ビニル等の飽和脂肪酸ビニル系単量体、例えば、アクロ
ニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単
量体、例えば、エチレン、プロピレン、ブタジエン等の
オレフィン系単量体、例えば、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、シトラコン酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸等のエチレン系カルボン酸、例えば、無水
マレイン酸等のエチレン系カルボン酸無水物、例えばモ
ノブチルマレイン酸などのエチレン系ジカルボン酸のモ
ノアルキルエステル、及びこれらのアンモニウム塩もし
くはアルカリ金属塩等のエチレン系カルボン酸塩類、例
えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトン
アクリルアミド等のエチレン系カルボン酸の酸アミド
類、例えば、N−メチロールアクリルアミド、N−メチ
ロールメタクリルアミド、メチロール化ジアセトンアク
リルアミド及び、これらの単量体と炭素数1〜8個のア
ルコール類とのエーテル化物(例えば、N−イソブトキ
シメチルアクリルアミド)等のエチレン系カルボン酸ア
ミド類のメチロール化物及びその誘導体、例えば、グリ
シジルアクリレート、グリシジルメタクリレート等のエ
チレン系カルボン酸とエポキシ基を有するアルコールと
のエステル類、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリ
レート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒ
ドロキシメタクリレート等のエチレン系カルボン酸のヒ
ドロキシアルキルエステル類、例えば、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリ
レート等のエチレン系カルボン酸とアミノ基を有するア
ルコールとのエステル類、例えばジビニルベンゼン、ジ
アリルフタレート、トリアリルシアヌレート、ジエチレ
ングリコールジメタクリレート等の2個以上の非共役性
不飽和基を有する単量体を挙げることができる。
【0006】上記のエチレン系単量体の種類及び使用量
は、特に限定されるものではなく、遅燃加工の対象とな
るシート状繊維製品等の各種の要求物性によって適宜選
択することができる。例えば、自動車のフロアーやデッ
キ部等比較的硬い風合いを要求される分野では、硬化物
のガラス転移点(Tg)が10℃以上であるエチレン系
単量体の使用が好ましく、また座席などの比較的軟らか
い風合いを要求される分野では硬化物のガラス転移点が
0℃以下であるエチレン系単量体の使用が好ましい。本
発明のエチレン系重合体水性エマルジョンは、通常、前
記単量体群の中から適宜選択された1種または2種以上
のエチレン系単量体を界面活性剤及び/又は保護コロイ
ドの存在下、水性媒体中で乳化重合して得られる重合体
エマルジョンの単独物、または、これらの複数の重合体
エマルジョンのブレンド物である。上記の界面活性剤と
しては、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテ
ル類、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテ
ル類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキ
レンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレ
ン脂肪酸エステル類、グリセリン脂肪酸エステル類、ポ
リオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコ
ポリマー等の非イオン性界面活性剤、例えば、脂肪酸塩
類、アルキルアリールスルホン酸塩類、アルキル硫黄エ
ステル塩類、アルキルスルホコハク酸エステル塩類及び
その誘導体類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
硫酸エステル塩、ポリオキシアルキレンアルキルアリー
ルエーテル硫酸エステル塩類等の陰イオン性界面活性
剤、例えば、アルキルアミン塩、4級アンモニウム塩、
ポリオキシエチルアルキルアミン等の陽イオン性界面活
性剤および、たとえばアルキルベタイン等の両性界面活
性剤が挙げられる。また反応性界面活性剤も使用するこ
とができる。
【0007】界面活性剤は、エチレン系単量体の全量に
対して、通常約0.1〜10重量%用いられ、乳化重合
の反応適性、得られる樹脂水性エマルジョンの各種安定
性及び耐水性等の観点から約0.5〜7重量%用いるの
が好ましい。本発明で利用し得る保護コロイドとして
は、例えば、ポリビニルアルコール類、セルロース誘導
体等が挙げられ、これらは単独又は複数で使用できる。
その使用量は適宜に選択でき、例えば、使用するエチレ
ン系単量体の全量に対して、約0.5〜10重量%の使
用量を例示することができる。本発明に用いるエチレン
系重合体水性エマルジョンの固形分は特に限定されない
がその生産性と製造の容易さより約30〜65重量%で
あるのが好ましい。本発明においては、エチレン系重合
体水性エマルジョンにエポキシ系樹脂を配合する。本発
明において用いられるエポキシ系樹脂としては、特に限
定はなく、一般に末端基にグリシジル基を有するエポキ
シ樹脂が挙げられる。末端基にグリシジル基を有するエ
ポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキ
シ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂、レゾルシン型エポキシ
樹脂、ハイドロキノン型エポキシ樹脂、ビスフェノール
Aノボラック型エポキシ樹脂、メチルレゾルシン型エポ
キシ樹脂、レゾルシンノボラック型エポキシ樹脂等が挙
げられ、通常、耐熱性に優れる点でビスフェノール型エ
ポキシ樹脂が好ましい。本発明に用いられるエポキシ系
樹脂はエチレン系重合体水性エマルジョンに直接配合す
るか、エポキシ樹脂水溶液として配合するか、界面活性
剤の存在下、水性媒体中で乳化して得られるエマルジョ
ンの単独物、または複数のエマルジョンのブレンド物と
して配合することができる。上記の界面活性剤として
は、例えば、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
類、ポリオキシアルキレンアルキルフェノールエーテル
類、ソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレ
ンソルビタン脂肪酸エステル類、ポリオキシアルキレン
脂肪酸エステル類、クリセリン脂肪酸エステル類、ポリ
オキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコポ
リマー等の非イオン性界面活性剤、例えば、脂肪酸塩
類、アルキルアリールスルホン酸塩類、アルキル硫酸エ
ステル塩類、アルキルスルホコハク酸エステル塩類及び
その誘導体類、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
硫酸エステル塩類、ポリオキシアルキレンアルキルアリ
ールエーテル硫酸エステル塩類等の陰イオン性界面活性
剤が挙げられ、これらは単独又は複数の混合物として使
用できる。
【0008】上記エポキシ系樹脂の使用量は、前記エチ
レン系重合体水性エマルジョンの固形分100重量部に
対して、1〜50重量部、好ましくは3〜30重量部で
ある。該使用量が1重量部未満では、JIS D 1201-1977
の自動車室内用有機資材の燃焼性試験において、燃焼速
度が 100mm/分を超え、易燃性となってしまう。また、
50重量部を超えた場合には、本発明組成物の貯蔵安定
性が低下し、また、高価格になるため、経済性のうえに
も問題が生じるため好ましくない。本発明のバッキング
用遅燃性樹脂水性組成物は、前記のエチレン系重合体水
性エマルジョンおよびエポキシ系樹脂の他に物性の向上
のために架橋剤を配合することもできる。該架橋剤とし
ては、例えば、酸化亜鉛の水溶液又は水分散液、ブロッ
ク化イソシアネートの水溶液又は水分散液、メラミン−
ホルムアルデヒド樹脂の水溶液又は水分散液等が挙げら
れる。これらの架橋剤の配合量は、エチレン系重合体水
性エマルジョンの固形分100重量部に対して固形分で
通常1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部であ
る。更に本発明の遅燃性樹脂水性組成物には、本発明の
優れた効果を妨げない使用範囲において、難燃剤を併用
することができる。該難燃剤としては、例えば、アンチ
モン系化合物、ほう素系化合物、アルミニウム系化合
物、マグネシウム系化合物、ジルコニウム系化合物等平
常はガラス等を曇化させず、火災時有毒ガスを発生させ
ない難燃剤が挙げられる。これらの中ではアルミニウム
系化合物、特に水酸化アルミニウムが好ましい。これら
の難燃剤の使用量はエチレン系重合体水性エマルジョン
の固形分100重量部に対して、例えば、1〜250重
量部程度を例示することができる。また、本発明の優れ
た効果を妨げない使用範囲において、無機充填剤、分散
剤、増粘剤、湿潤剤、発泡剤、製泡剤、消泡剤、顔料、
染料、可塑剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、防腐剤等が
使用できる。
【0009】以上の様にして得られた本発明の遅燃性樹
脂水性組成物の固形分、pH及び粘度は、いずれも特に
限定されるものではないが、該組成物の沈降安定性等の
観点から、一般に固形分は30〜70重量%、好ましく
は35〜60重量%程度、pHは4〜10、好ましくは
6〜10、粘度(20℃,12rpm)は1000〜15
000mPa・s、好ましくは1000〜10000mPa・sで
ある。本発明は該組成物をシート状繊維製品のバッキン
グ剤として用いることにより、遅燃性に優れたシート状
繊維製品を得ることができる。本発明に用いられるシー
ト状繊維製品の生地としては火災時有害ガスの発生のな
いものであれば特に限定されないが、例えば、ポリエス
テル、ポリプロピレン、ナイロン、アクリル等を原料と
する合成繊維、羊毛等の天然繊維および合成繊維と天然
繊維の混紡繊維等が挙げられる。そして本発明の遅燃性
樹脂水性組成物により裏打ちされたシート状繊維製品
は、特に自動車内装材、たとえば、天井、ドア、座席の
表張り材料として、またはデッキや床のカーペット材と
して好適に使用される。また、床部のニードルパンチカ
ーペットの成形性、遮水性を向上させるために、該組成
物をバッキング層としたニードルパンチカーペットに、
ポリエチレン等の熱可塑性樹脂による溶融押し出しラミ
ネートバッキングを施した場合でも、充分な遅燃性が発
揮される。該組成物のバッキング層としての塗布量は、
50〜500g/m2(固形分)、好ましくは50〜2
50g/m2で、該組成物を塗布したシート状繊維製品
は、前述の JIS D 1201-1977 の自動車室内用有機資材
の燃焼性試験方法において燃焼性区分として用いられて
いる遅燃性を示す。該組成物の塗布量が50g/m2未
満では、硬目の風合い及び遅燃性が不十分で250g/
m2を超えた場合は、粉落ちが発生したり、また経済的
にも問題が生じる。
【0010】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を更に
詳細に説明する。 実施例1 撹拌機、滴下ロート、窒素ガス導入管、温度計、還流冷
却器を備えた反応容器に、イオン交換水400g、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ソーダ0.2gを入れ、50℃
で加熱溶解する。容器内を窒素置換した後、60℃に昇
温し、その温度を維持しながら、エチルアクリレート1
97g、メチルメタクリレート223g、メタクリル酸
13gの混合物、イオン交換水120gにドデシルベン
ゼンスルホン酸ソーダ1.5g、ポリオキシエチレンノ
ニルフェニルエーテル18g、N−メチロールアクリル
アミド13gを溶解した水溶液、4%過硫酸アンモニウ
ム水溶液25g、2%重亜硫酸ソーダ水溶液25gを4
時間で連続的に添加し、乳化重合を行った。アンモニア
水で中和し、得られたエチレン系共重合体エマルジョン
は、固形分約45%、pH7.5、粘度80mPa・s(25
℃,30rpm)の乳白色エマルジョンであり、エチレン
系共重合体のTgは33℃であった。エピコート828
(油化シェルエポキシ(株)製)100重量部にポリオ
キシエチレンノニルフェニルエーテル5重量部、ドデシ
ルベンゼンスルホン酸ソーダ0.5重量部、水70重量
部を加え、よく撹拌混合し、安定なエポキシ樹脂エマル
ジョンを得た。上記エチレン系共重合体エマルジョン1
00重量部(固形分)にエポキシ樹脂エマルジョン10
重量部(固形分)を加え、更に水酸化アルミニウム20
0重量部、水、増粘剤を添加混合し、固形分50%、p
H8.5、粘度2000mPa・s(20℃,12rpm)の遅
燃性樹脂水性組成物を得た。 1)試料の作製 素材がポリエステルおよびポリプロピレンのそれぞれの
ニードルパンチカーペット(目付300g/m2)に遅
燃性樹脂水性組成物を150g/m2(固形分)塗布
し、150℃×10分間乾燥した。これを350mm×
200mmに裁断し、20℃、65%RHの雰囲気中で
24時間放置したものを試料とした。 2)燃焼試験 FMVSS-302に従い、作製した試料について水平法により
燃焼試験を行った。試験は10点行い、平均燃焼速度で
表示した。結果を〔表1〕に示した。
【0011】実施例2 実施例1において、エポキシ樹脂エマルジョンの配合量
を20重量部(固形分)に変えた以外は同様にして試験
を行った。得られた結果を〔表1〕に示した。 実施例3 更にポリエチレンを200g/m2ラミネートバッキン
グした以外は実施例1と同様にして試験を行った。な
お、ニードルパンチカーペットの目付は400g/m2
であった。 実施例4 エチレン系単量体の使用量をエチルアクリレート152
g、ブチルアクリレート67gおよびメチルメタクリレ
ートを201部用いた以外は実施例1と同様にして樹脂
水性組成物(Tg19℃)を得、同様にして試験を行っ
た。得られた結果を〔表1〕に示した。 実施例5 実施例1において、エチレン系共重合体の単量体使用量
をブチルアクリレート108g、スチレン312g用い
た以外は実施例1と同様にして樹脂水性組成物(Tg4
1℃)を得、同様にして試験を行った。得られた結果を
〔表1〕に示した。
【0012】実施例6 実施例1においてエポキシ樹脂エマルジョンを水溶性エ
ポキシ(デナコールEX−313、ナガセ化成工業
(株)製)に変えた以外は同様にして樹脂水性組成物を
得、同様に試験を行った。得られた結果を〔表1〕に示
した。 比較例1 実施例1において、エポキシ樹脂エマルジョンを配合し
ないこと以外は同様にして試験を行った。得られた結果
を〔表1〕に示した。 比較例2 実施例1において、樹脂水性組成物の塗布量を30g/
m2(固形分)に変えた以外は同様にして試験を行っ
た。得られた結果を〔表1〕に示した。
【0013】
【表1】
【0014】実施例7 実施例1において、エチレン系重合体の単量体使用量を
エチルアクリレート265g、ブチルアクリレート15
5gを用いた以外は実施例1と同様にして、エチレン系
重合体エマルジョンを得た(Tg−30℃)。上記重合
体エマルジョン100重量部(固形分)に実施例1で用
いたエポキシ樹脂エマルジョン10重量部(固形分)を
加え、更に水酸化アルミニウム100重量部、水、増粘
剤を添加混合し、固形分50%、pH8.0、粘度30
00mPa・s(20℃,12rpm)の遅燃性樹脂水性組
成物を得た。 1)試料の作製 素材がポリエステルのカーシート生地(目付300g/
m2)に上記遅燃性樹脂水性組成物を150g/m2(固
形分)塗布し、150℃×10分間乾燥した。これを3
50mm×200mmに裁断し、20℃、65%RHの
雰囲気中で24時間放置したものを試料とした。 2)燃焼試験 FMVSS-302に従い、作製した試料について水平法により
燃焼試験を行った。試験は10点行い、平均燃焼速度で
表示した。結果を〔表2〕に示した。 3)フォギング試験 「ISO/DIS(6452)ゴム及びプラスチックで
覆われた織物−乗物内の有機材料の WINDSCREEN FOGGIN
G の測定」に準じて試験を行った。結果を〔表2〕に示
した。なお、「WINDSCREEN FOGGING」とは、高温条件下
の車の窓の内側に付着する油性物質の付着をいう。フォ
ギング度(FOGGING)は次ぎのようにして求められた。 ・一定量(10g)の試験片をビーカーの底に置く。 ・そのビーカーを温度調節(90℃)した水槽に入れ
る。 ・きれいにしたガラス板をビーカーの上に置いて試験片
から発生する揮発性材料がその下側に凝縮するようにセ
ットする。 ・一定時間(6時間)後にガラス板を取り反射率計によ
り反射率を測定する。 ・きれいなガラス板と揮発性材料が付着したガラス板の
反射率の比(%)を求める。
【0015】比較例3 実施例7において、エポキシ樹脂エマルジョンを配合し
ないこと以外は実施例7と同様にして試験を行った。得
られた結果を〔表2〕に示した。 比較例4 実施例7の重合体エマルジョンの代わりにサランL−1
10A(塩化ビニリデン系エマルジョン、旭化成工業
(株)製)を用いたこと以外は同様にして試験を行っ
た。得られた結果を〔表2〕に示した。
【0016】
【表2】
【0017】
【発明の効果】本発明の遅燃性樹脂水性組成物により裏
打ちされた繊維やシートは、自己消火性ではないが、着
火後の燃焼速度が極めて遅く、前記 JIS D 1201-1977
の燃焼性試験方法において充分な遅燃性を示す。また、
本発明の組成物でバッキングされたシート状繊維製品の
うち適度の硬さを有しているものは火災時の熱によっ
て、大きな溶融・落下、流出が起こらず且つ遅燃性であ
るので、火元からの脱出に充分な時間的余裕がでる。し
かも火災時あるいは熱サイクルのための燃焼時、ハロゲ
ン化ガス等の有害ガスの発生がなく、一酸化炭素の発生
量も少ない。さらに平時揮散ガスによるガラスの曇化現
象も生じない。したがって、本組成物でバッキングされ
たシート状繊維製品は、特に自動車の内装、特に天井、
座席の表張り、床やデッキ部の敷物として好適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 高見 尚典 兵庫県氷上郡柏原町下小倉960 ガンツ化 成株式会社内 (72)発明者 加藤 明 兵庫県氷上郡柏原町下小倉960 ガンツ化 成株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン系重合体水性エマルジョンの固形
    分100重量部に対してエポキシ系樹脂を固形分として
    1〜50重量部含有させてなるバッキング用遅燃性樹脂
    水性組成物。
  2. 【請求項2】エポキシ系樹脂を固形分として3〜30重
    量部含有させてなる請求項1記載の組成物。
  3. 【請求項3】自動車内装材のバッキング用である請求項
    1記載の組成物。
  4. 【請求項4】請求項1記載の組成物を固形分として50
    〜500g/m2バッキングした遅燃性シート状繊維製
    品。
  5. 【請求項5】遅燃性シート状繊維製品が自動車内装材で
    ある請求項4記載の遅燃性シート状繊維製品。
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