JPH10241150A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH10241150A
JPH10241150A JP9354298A JP35429897A JPH10241150A JP H10241150 A JPH10241150 A JP H10241150A JP 9354298 A JP9354298 A JP 9354298A JP 35429897 A JP35429897 A JP 35429897A JP H10241150 A JPH10241150 A JP H10241150A
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JP
Japan
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magnetic powder
metal magnetic
acid
group
recording medium
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JP9354298A
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English (en)
Inventor
Akira Saito
彰 斉藤
Yutaka Takahashi
豊 高橋
Satoru Tsuchida
悟 土田
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TDK Corp
Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】中高周波領域の電磁変換域特性に優れ、デジタ
ル記録媒体用として好適な特性を有する塗布型の磁気記
録媒体を提供する。 【解決手段】鉄(Fe)を主成分とし、鉄に対してCo
を18〜40wt%、Alおよび、Yまたは希土類元素
を含むBET法による比表面積(x)が60m2/gを
超えない金属磁性粉末を含有する磁性層を非磁性支持体
もしくは非磁性下層上に設けてなる磁気記録媒体であっ
て、前記金属磁性粉末の飽和磁化σs(y)およびBE
T法による比表面積(x)が、下記の4つの式に囲まれ
た範囲内であることを特徴とする磁気記録媒体。 y=0.05x2−6x+330 …(1) y=0.05x2−6x+310 …(2) y=x+126 …(3) y=x+104 …(4)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、中高周波領域の電
磁変換特性に優れ、特にデジタル記録媒体用として好適
な特性を有する塗布型の磁気記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、大容量の記録装置の普及に伴い、
磁気記録の高密度化が要望されるようになり、これに対
して磁性材料としては保磁力が高く、飽和磁化が大きい
金属磁性粉末が主として使用されている。さらに最近は
デジタル記録媒体が急速に広がり、さらなる高密度化が
求められ、金属磁性粉末の特性向上が要求されており、
それらの課題に応じた磁気記録媒体が提案されている。
例えば、「支持体上に非磁性層と磁性層を含む複数層を
設けてなり、磁性層に含まれる強磁性粉末(A)がFe
原子100重量部に対しAlを2〜20重量部、Coを
10〜60重量部、及びSm、Y、Pr、Nd、Laよ
り選ばれる少なくとも一種の希土類元素を1〜16重量
部含有し、かつその飽和磁化(σs)が130〜170
emu/gであり、また強磁性粉末(A)の平均長軸長
をLa(nm)、軸比をXaとし、非磁性層に含まれる
非磁性粉末(B)の平均長軸長をLb(nm)、軸比を
Xbとするとき、 30≦La≦110 3≦Xa≦8 La<Lb 80≦Lb≦280 5≦Xb≦12 であり、かつ最上層の磁性層の平均表面粗さ(Ra)が
0.0005〜0.006μmである磁気記録媒体。」
(特開平8−102037号公報)、「長軸径が0.0
5〜0.2μm、軸比が4〜8の金属磁性粉で、BET
法でN2ガスを吸着させて測定した比表面積が30〜5
5m2/gであり、その磁気特性が、保磁力Hc130
0Oe以上、飽和磁化量120emu/g以上であるこ
とを特徴とする金属磁性粉。」(特公平1−18961
号公報、特開昭60−36603号公報)等がある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】前記従来の特開平8−
102037号公報記載の磁気記録媒体では、金属磁性
粉末は以下のような組成であり、 Co :1〜60wt% 希土類元素:1〜16wt% σs :130〜170emu/g 長軸長 :0.03〜0.11μm Coを増加させることにより高周波領域のC/Nを向上
させているが、Fe/Co合金は理論的には70/30
において最大の磁気エネルギーが得られることから、C
oが均一にFeと合金化していれば40%以上のCoは
必要ないこととなる。しかし一般に製造される金属磁性
粉末においては、Coの分布が不均一なために、特性を
向上させるためにはCoを40%以上必要とする場合が
ある。しかし、部分的にはCoが過剰になっている部分
もあり、結果的にCoを40%以上添加すると金属磁性
粉の特性が不均一、不安定になりやすく、工業的に特性
のすぐれた媒体を得ることができない。また、ここで用
いられている金属磁性粉末はBET法による比表面積
(以下BET値と略す)が60m2/gと大きくかつ上
記のように不均一でもあり、分散性がかなり悪くなって
しまう。そのため塗布において面が悪化してしまい、テ
ープとしての特性は向上しない場合が多い。又、特公平
1−18961号公報の磁気記録媒体では、紡錘状のゲ
ータイトの形状を規定することにより、ポアを少なく
し、正味のFeを均一化することで高磁気エネルギーの
金属磁性粉末を作り出している。また、ポアが少ないた
めにBET値が低くなり分散性も良好となり、媒体化に
おいても問題が少ない。しかしFe元素だけでは磁気エ
ネルギーには限界があり、Coを添加したタイプの金属
磁性粉末(Co添加系金属磁性粉末)に比べるとその媒
体特性は劣ってしまう。特開平8−102037号公報
記載の磁気記録媒体を含めCo添加系金属磁性粉末特許
のほとんどが紡錘状のゲータイトを原料としており、特
公平1−18961号公報の磁気記録媒体の特許の方策
が、Co添加系金属磁性粉末の特性向上、特に高磁気エ
ネルギー化や低BET値化にはつながっていない。本発
明は、改良を加えたCo添加系金属磁性粉末を使用し
て、デジタル記録媒体に必要な中高域の特性に優れた塗
布型の磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記課題を
解決すべく鋭意研究の結果、磁性層として、Feを主成
分とし、Co、Al及びYまたは希土類元素を含む金属
磁性粉末を用い、該金属磁性粉末の飽和磁化σs(y)
およびBET法による比表面積(x)が特定の4つの式
に囲まれる範囲内にあるとき、前記の課題が解決される
ことを見出し、本発明に到達したものである。即ち、本
発明は(1)鉄(Fe)を主成分とし、鉄に対してCo
を18〜40wt%、Alおよび、Yまたは希土類元素
を含むBET法による比表面積(x)が60m2/gを
超えない金属磁性粉末を含有する磁性層を非磁性支持体
もしくは非磁性下層上に設けてなる磁気記録媒体であっ
て、前記金属磁性粉末の飽和磁化σs(y)およびBE
T法による比表面積(x)が、下記の4つの式に囲まれ
た範囲内であることを特徴とする磁気記録媒体、 y=0.05x2−6x+330 …(1) y=0.05x2−6x+310 …(2) y=x+126 …(3) y=x+104 …(4) 及び(2)希土類元素がNd、Sm、Pr、La、C
e、Dy、Gd、Tb等から選択されるものである前記
(1)記載の磁気記録媒体、に関する。
【0005】更に本発明は次のような態様を包含するも
のである。(3)金属磁性粉末に含まれる可溶性無機イ
オンの量が500ppm以下であることを特徴とする上
記(1)記載の磁気記録媒体、(4)金属磁性粉末のp
Hが6〜10であることを特徴とする上記(1)記載の
磁気記録媒体、(5)金属磁性粉末の含水率が0.1〜
2%であることを特徴とする上記(1)記載の磁気記録
媒体、(6)金属磁性粉末を含有する磁性層が非磁性下
層上にウェットオンドライ法により設けられていること
を特徴とする上記(1)記載の磁気記録媒体、(7)非
磁性下層がEB照射されていることを特徴とする上記
(1)記載の磁気記録媒体、(8)磁性層厚が0.2μ
m以下で、かつ非磁性下層厚が1.0〜2.0μmであ
ることを特徴とする上記(1)記載の磁気記録媒体、
(9)磁気記録媒体がDVC用途であることを特徴とす
る上記(1)記載の磁気記録媒体、(10)記録波長が
0.2〜0.6μmであることを特徴とする上記(1)
記載の磁気記録媒体、および(11)σs/Dxが0.
90以上であることを特徴とする上記(1)記載の磁気
記録媒体、に関するものである。
【0006】本発明に係る磁気記録媒体は、前記の通
り、磁性層が鉄(Fe)を主成分とし、鉄に対してCo
を18〜40wt%、AlおよびYまたはSm、Pr、
Nd、La、Ce、Dy、Gd、Tbより選ばれる希土
類元素を含むBET法による比表面積(x)が60m2
/gを超えない金属磁性粉末を含有するものであり、前
記金属磁性粉末の飽和磁化σs(y)およびBET法に
よる比表面積(x)が、下記の4つの式に囲まれた範囲
内であることである(図1参照)。 (式) y=0.05x2−6x+330 …(1) y=0.05x2−6x+310 …(2) y=x+126 …(3) y=x+104 …(4) この範囲内にある金属磁性粉末を使用するとデジタル媒
体に必要な中高域の特性に優れた塗布型の磁気記録媒体
を提供することができる。ただし、磁性粉末のBET値
(x)が60m2/gを超える場合には、薄層のデジタ
ル磁気記録媒体を得るために要求される高度な分散特性
を維持することが困難になるので、xは60を超えない
ことが必要である。ある決まった組成、製造工程におい
て長軸長および結晶子サイズ(Dx)を変化させずに、
あるCo添加量のCo含有金属磁性粉末の特性を向上さ
せようとすると、磁性粉のポア、格子欠陥、ゆがみ、表
面の凹凸を減らすことを主体にした方策の検討を行なう
こととなる(すなわちBET値を下げる方向である)。
使用するFeOOHとCo量および、その他の添加物量
を決めて、一定の製造工程にて上記の方策で長軸長とD
xを変化させずに磁性粉の特性を向上させるとなると、
BET値と金属磁性粉末の特性(ここではσs)は、あ
る決まった曲線上に乗って変化することになる。よって
FeOOHやCo量を変化させずに、決まった曲線から
外れたBET値とσsを持つ金属磁性粉末は長軸長や、
Dxが変化している(大きくなる方へ)ことになり、ノ
イズの増大や、分散性、および塗布性の劣化を招く。そ
して、前記の各式を満たさない場合は以下の通りの不都
合が生じる。
【0007】y>0.05x2−6x+330(図1の
A領域)の場合 相対的にDxが増大しσsを向上させた場合である。D
xが増大したために、媒体にした時にノイズが大きくな
ってしまい、C/Nの劣化を招きデジタル媒体には適さ
ない。また、Dxが大きくなると、磁性粉表面が凹凸に
なりやすく、塗布時の面荒れも悪くなり、媒体になった
ときには良好な特性は得られない。 y<0.05x2−6x+310(図1のB領域)の場
合 σsを上げるには、相対的に酸化被膜の量を減らすため
に大きなFeOOHを使わなければならず、従って金属
磁性粉末の長軸長もかなり大きくなり、このような材料
選択を必要とする金属磁性粉末製造法においては、金属
磁性粉末のHcが上がりにくい方向となり、媒体化した
ときにデジタル媒体に必要な高域特性が出ない。また長
軸長を小さく保った場合は、金属磁性粉末の特性(飽和
磁化σs)が上げられず、媒体の出力の絶対値は低下傾
向にある。 y<0.05x2−6x+330、y>0.05x2−6
x+310、y<x+104(図1のC領域)の場合 金属磁性粉末のポア、格子欠陥、格子ゆがみ、表面の凹
凸が多く、BET値が大きく、σsが低い場合である。
σsの割りにBET値が大きいため分散性は劣り、また
塗料の安定性が悪い。さらにはその結果媒体の塗布面も
悪化するため、媒体の特性は高くならない。 y<0.05x2−6x+330、y>0.05x2−6
x+310、y>x+126(図1のD領域)の場合 金属磁性粉末のポア、格子欠陥、格子ゆがみ、表面の凹
凸が少なく、BET値が小さく、σsが大きい場合であ
る。この範囲は金属磁性粉末の特性としては理想的であ
るが、現実に製造することは困難である。
【0008】本発明では、鉄を主成分とするが、Coの
特定量、AlおよびYまたはNd、Sm、Pr、La、
Ce、Dy、Gd、Tb等より選ばれる希土類元素を含
むBET値(x)が60m2/gを超えない金属磁性粉
末が磁性層として用いられる。金属磁性粉末に含まれる
Coの量は18〜40wt%である。Coの量が18w
t%未満となると磁気エネルギーの向上が期待できず、
40wt%超となると金属磁性粉末の特性が不均一とな
る。さらに、Alが含まれない場合には、金属磁性粉末
が焼結したり、金属磁性粉末の強度が低下したりするお
それがあり、YまたはNd等の希土類元素が含まれない
場合にはAlと同様に金属磁性粉末が焼結するおそれが
ある。さらに、AlとY、またはAlとNd等の希土類
元素を同時に含む必要がある。Alが含まれない場合
や、Y、またはNd等の希土類元素が含まれない場合に
は金属磁性粉末が焼結するおそれがある。又、この金属
磁性粉末のσsとDxの比σs/Dxが0.90以上で
あることが好ましい。本発明では、前記の要件を満たす
ことにより、高磁気エネルギーをもちかつ分散性、塗布
性に優れた金属磁性粉末となり、中高域の出力およびC
/Nに優れたデジタル磁気記録媒体が得られる。本願発
明の金属磁性粉末はいずれの製造方法によってもよい
が、例えば以下のように製造することができる。
【0009】(金属磁性粉末の製造法)鉄金属磁性粉末
の好ましい製造法は、Coを添加した第一鉄塩溶液に炭
酸アルカリを加えてFeCO3を生成し、これを酸素含
有気体と接触させてFeOOH(オキシ水酸化鉄;ゲー
タイト)とした後、脱水し、次いで熱処理後、還元して
金属磁性粉末を得る方法である。ここで第一鉄塩として
はFeCl2、FeSO4、Fe(NO32等が挙げら
れ、なかでもFeCl2、FeSO4が好適に用いられ
る。また炭酸アルカリとしてはNa2CO3、K2CO3
NaHCO3、(NH42CO3、NH4HCO3等が挙げ
られる。まず、第一鉄塩溶液にCoを添加するが、具体
的にはCoSO4、CoCl2等のCo化合物を用い、こ
れらCo化合物を第一鉄塩溶液に溶解し撹拌混合する。
次にここに炭酸アルカリを加え中和しFeCO3とす
る。このときの炭酸アルカリは必要当量より2〜10倍
多い方が、出来たFeOOHの枝分かれが少なく、最終
的な金属磁性粉末のBET値が低くなり好ましい。さら
にこれに酸化性ガスを吹き込んでFeOOHのスラリー
を生成する。このスラリーを濾過、水洗した後、再度蒸
留水中に戻し、再びスラリーとする。次に、ここに結晶
制御剤として公知のNi塩や、Ca塩、Ba塩、Sr塩
等の周期表2A族の塩、Cr塩、Zn塩等を共存させて
も良く、このような塩を適宜選択して用いることによっ
て粒子形状(軸比)等をコントロールすることができ
る。また、本発明の金属磁性粉末にはAlおよびYまた
はNd、Sm、Pr、La、Ce、Dy、Gd、Tb等
の希土類を添加する必要がある。これら成分を添加する
ことで、後工程での還元の際の焼結を防止したり、金属
磁性粉末の強度を向上させ結晶制御の役割を果たすこと
が出来る。またこれら以外の焼結防止剤としてはSiを
併せて使用することが可能である。導入方法としては、
Coを含有するFeOOH(オキシ水酸化鉄;ゲータイ
ト)のスラリーにAl化合物を含有する水溶液と、Yま
たは上記の希土類元素の化合物を含有する水溶液との各
々を添加し、撹拌混合するのが好ましいが、Al化合
物、希土類元素の化合物等のすべて含む水溶液を調製し
加えてもよい。Al化合物としてはAl2(SO43
AlCl3、Al(NO33、NO3AlNO3等が挙げ
られる。また、Yおよび希土類化合物としては硝酸塩、
塩化物が挙げられる。このようにして得られたCo含有
FeOOHを濾過、水洗後、再度濾過した後、乾燥機中
で乾燥する。次いでこれを窒素雰囲気中、400〜70
0℃の温度で熱処理を行なう。このとき温度が低すぎる
と、脱水して生じるα−Fe23粒子中の空孔が多くな
り、その結果還元後のFe金属磁性粉末の磁気特性が劣
化したり、BET値が大きくなってしまう。また温度が
高過ぎるとα−Fe23の溶融が起こったり、焼結が始
まったりし形状が変化し得られる金属磁性粉末の特性が
劣化してしまう。また温度を一気に上昇させると、脱水
が急激に起こり、空孔が生じたり、表面がでこぼこして
しまう。そのためBET値を低くするためには、温度を
多段階に分けて熱処理を行なうのが好ましい。またさら
には、温度が均一にかかるように反応は希薄状態で行な
うのが好ましい。熱処理後、還元を行なうが、還元は還
元性雰囲気で加熱しながら行なうことが好ましい。還元
性雰囲気としては一般に水素ガス雰囲気とすることが好
ましく、水素ガスの流量は適宜選択することができる。
また加熱温度は300〜600℃程度である。還元工程
は、α−Fe23からFeまで連続で行なうこともでき
るが、BET値が低いFe金属磁性粉末にするために
は、数段に分けて還元するのが好ましい。特にFe34
で一旦還元を停止し、TEM(透過型電子顕微鏡)にて
結晶構造を観察し、ポアや表面の性状を確認後、さらに
Feまで還元するか、Fe34でさらに熱処理をする
か、またはγ−Fe23まで酸化し再度還元をやり直さ
なければならないかを判断するのが好ましい。このよう
に還元工程を改良することにより、微粒子でσsが高
く、かつBET値が低いCo含有Fe金属磁性粉末を作
ることができる。上記の本発明における金属磁性粉末に
は、水に可溶性のNa、K、Ca、Fe、Ni等の無機
イオンを含む場合があるが、その量は好ましくは500
ppm以下、さらに好ましくは300ppm以下であ
る。また金属磁性粉末のpHは用いる結合剤との組み合
わせにより最適化することが必要となるが、好ましくは
6〜10である。さらに、金属磁性粉末の含水率は0.
1〜2%であればよい。これらの金属磁性粉末には、分
散剤、潤滑剤、界面活性剤、帯電防止剤等で分散前にあ
らかじめ処理を行ってあってもかまわない。
【0010】本発明における磁性層は、支持体の片面に
設けられても、両面に設けるものでもかまわないが、磁
性層を片面のみに設けるときには、磁性層とは反対の面
にバックコート層を設けることが好ましい。また、一般
に磁性層は単層で塗布形成されるが、2層以上の複数層
を設けることも可能で、その場合には磁性層の下に、乾
燥(および/または硬化)した非磁性下層を設けるウェ
ットオンドライ法や湿潤状態で同時に設層するウェット
オンウェット法等の公知の方法を用いて設ければよい。
このような場合において、デジタル磁気記録媒体として
の好ましい特性を得られる製法は、ウェットオンドライ
法、単層、ウェットオンウェット法の順である(ウェッ
トオンドライ法が最も好ましい)。本発明においては、
磁性層、バックコート層、非磁性下層に要求される特性
にあわせて以下に説明する材料を適宜選択組み合わせて
用いればよい。
【0011】〔樹脂〕本発明に使用される結合剤として
は、熱可塑性樹脂、熱硬化性ないし反応型樹脂、電子線
感応型変性樹脂等やこれらの混合物が用いられ、これら
のうちで、好ましく用いられるものとしては、以下に示
すような塩化ビニル系共重合体およびポリウレタン樹脂
の組み合わせである。なお、これらの樹脂に加えて、全
体の20wt%以下の範囲で、公知の各種樹脂が含有さ
れていてもよい。 〔塩化ビニル〕本発明に使用される樹脂の例としては、
塩化ビニル系共重合体が挙げられ、詳しくは、塩化ビニ
ル含有量60〜95wt%、特に60〜90wt%のも
のが好ましく、その平均重合度は100〜500程度で
あることが好ましい。このような塩化ビニル系共重合体
としては、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール
共重合体、塩化ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレート共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−マレイ
ン酸、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−マ
レイン酸、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリート、塩化ビニル−酢酸ビニル−ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリート−マレイン酸、塩化
ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール−グリシジル
(メタ)アクリレート、塩化ビニル−ヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレート−グリシジル(メタ)アクリレ
ート、塩化ビニル−ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート−アリルグリシジルエーテル、塩化ビニル−酢酸
ビニル−ビニルアルコール−アリルグリシジルエーテル
等の共重合体があるが、特に塩化ビニルとエポキシ(グ
リシジル)基を含有する単量体との共重合体が好まし
い。このような塩化ビニル系共重合体としては、硫酸基
および/またはスルホ基を極性基(以下S含有極性基)
として含有するものが好ましい。S含有極性基(−SO
4 Y、−SO3 Y)において、YはH、アルカリ金属の
いずれであってもよいが、Y=Kで、−SO4 K、−S
3 Kであることが特に好ましく、これらのS含有極性
基のいずれか一方を含有するものであっても、両者を含
有するものであってもよく、両者を含むときにはその比
は任意である。また、これらのS含有極性基は、S原子
換算で分子中に0.01〜10wt%、特に0.1〜5
wt%含まれていることが好ましい。これらのS含有極
性基が結合する樹脂骨格は、塩化ビニル系樹脂であり、
塩化ビニル、エポキシ基を有する単量体、さらに必要に
応じてこれらと共重合可能な他の単量体を、過硫酸カリ
ウム、過硫酸アンモニウム等のSを含む強酸根を有する
ラジカル発生剤の存在下に重合して得ることができる。
これらのラジカル発生剤の使用量は、単量体に対して通
常は0.3〜9.0wt%、好ましくは1.0〜5.0
wt%である。重合においては水溶性のものが多いの
で、乳化重合あるいは、メタノール等のアルコールを重
合媒体とする懸濁重合や、ケトン類を溶媒とする溶液重
合が好適である。この際、Sを含む強酸根を有するラジ
カル発生剤に加えて、通常の塩化ビニルの重合に用いら
れるラジカル発生剤を使用することも可能である。ま
た、Sを含む強酸根を有するラジカル発生剤に、ホルム
アルデヒドスルホキシル酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウ
ム、チオ硫酸ナトリウム等の還元剤を組み合わせること
も可能である。さらに、極性基としては、S含有極性基
の他に、必要に応じ−OPO2 Y基、−PO3 Y基、−
COOY基(YはH、アルカリ金属)、アミノ基(−N
2 )、−NR3 Cl(RはH、メチル基、エチル基)
等を含有させることもできる。この中でも、アミノ基は
バックコート層においては、単独で用いたりCOOY基
と併用することにより高分散性、高物性を達成すること
が可能となり好ましい。このようなアミノ基は、前記S
と併用しなくともよく、また種々のものであってよい
が、特にジアルキルアミノ基(好ましくは炭素原子数1
〜10のアルキル)が好ましい。このようなアミノ基
は、通常、アミン変性によって得られ、塩化ビニル・ア
ルキルカルボン酸ビニルエステルの共重合体をアルコー
ル等の有機溶剤に分散あるいは溶解させ、その中にアミ
ン化合物(脂肪族アミン、脂環状アミン、アルカノール
アミン、アルコキシアルキルアミン等の第1級、第2級
もしくは第3級アミン等)と、容易にケン化反応を進行
させるためのエポキシ基含有化合物とを加えてケン化反
応を行なうことで得られ、そのアミノ基を有するビニル
単位が0.05〜5wt%で、なおアンモニウム塩基が
結果的に含まれていてもよい。さらに、エポキシ基を有
する単量体の例としては、(メタ)アリルグリシジルエ
ーテル等の不飽和アルコールのグリシジルエーテル類、
グリシジル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル
酸のグリシジルエステル類、グリシジル−p−ビニルベ
ンゾエート、メチルグリシジルイタコネート、グリシジ
ルエチルマレート、グリシジルビニルスルホネート、グ
リシジル(メタ)アリルスルホネート等の不飽和酸のグ
リシジルエステル類、ブタジエンモノオキサイド、ビニ
ルシクロヘキセンモノオキサイド、2−メチル−5,6
−エポキシヘキセン等のエポキシドオレフィン類等が挙
げられ、一般には共重合体中のエポキシ基の量が0.5
wt%以上となる範囲で使用される。このような塩化ビ
ニル共重合体には公知の共重合可能な単量体を必要に応
じて使用することができる。 〔ポリウレタン樹脂〕このような塩化ビニル系樹脂と併
用するポリウレタン樹脂は、耐摩耗性および支持体への
接着性がよい点で特に有効であり、上記の塩化ビニル系
共重合体と、ポリウレタン樹脂とは、その重合混合比が
好ましくは10:90〜90:10となるように混合し
て用い、より好ましくは70:30〜50:50となる
ように混合して用い、用いる結合剤中において、ポリウ
レタン樹脂は、ガラス転移温度Tgが−20℃≦Tg≦
80℃の範囲にあってしかも互いにTgが異なるものを
少なくとも2種類以上、さらにその合計量が全結合剤の
10〜90wt%となるように用いてもよい。ポリウレ
タン樹脂は、側鎖に極性基、水酸基等を有するものであ
ってもよく、特に硫黄(S含有基)または燐(P含有
基)を含有する極性基を含有しているものが好ましい。
これらポリウレタン樹脂とは、ポリエステルポリオール
および/またはポリエーテルポリオール等のヒドロキシ
基含有樹脂とポリイソシアナート含有化合物との反応に
より得られる樹脂の総称であって、以下に詳述する合成
原料を数平均分子量で5000〜200,000程度に
重合したもので、そのQ値(重量平均分子量/数平均分
子量)は1.5〜4程度である。このようなポリウレタ
ン樹脂の原料としてのヒドロキシル基含有化合物として
は、ポリエチレングリコール、ポリブチレングリコー
ル、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリ
コール、ビスフェノールA等のアルキレンオキサイド付
加物、各種のグリコールおよびヒドロキシル基を分子鎖
末端に有するポリエステルポリオール等が挙げられる。
同様に原料であるポリエステルポリオールのカルボン酸
成分としては、テレフタル酸、イソフタル酸、オルソフ
タル酸、1,5−ナフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、
p−オキシ安息香酸、p−(ヒドロキシエトキシ)安息
香酸等の芳香族オキシカルボン酸、コハク酸、アジピン
酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカンジカルボン酸
等の脂肪族ジカルボン酸、フマル酸、マレイン酸、イタ
コン酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸
等の不飽和脂肪酸および脂環族ジカルボン酸、トリメリ
ット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等のトリおよび
テトラカルボン酸等を挙げることができ、アルコール成
分としてはエチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオ
ール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコー
ル、ジプロピレングリコール、2,2,4−トリメチル
−1,3−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサン
ジメタノール、ビスフェノールA等のアルキレンオキサ
イド付加物、水素化ビスフェノールAのアルキレンオキ
サイド付加物、ポリエチレングリコール、ポリプロピレ
ングリコール、ポリテトラメチレングリコール、トリメ
チロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセリ
ン、ペンタエリスリトール等の水酸基を2ないし4個有
する化合物を挙げることができ、これらの他にカプロラ
クトン等のラクトン類を開環重合して得られるラクトン
系ポリエステルジオール鎖が挙げられる。使用されるポ
リイソシアナートとしては、トリレンジイソシアナー
ト、フェニレンジイソシアナート、ジフェニルメタンジ
イソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テ
トラメチレンジイソシアナート、ナフタレンジイソシア
ナート、イソホロンジイソシアナート、キシリレンジイ
ソシアナート、ジイソシアナートメチルシクロヘキサ
ン、ジイソシアナートシクロヘキシルメタン、ジメトキ
シビフェニレンジイソシアナート、ジイソシアナートジ
フェニルエーテル等のジイソシアナート化合物、あるい
は、全イソシアナート基のうち7モル%以下のトリレン
ジイソシアナートの三量体、ヘキサメチレンジイソシア
ナートの三量体等のトリイソシアナート化合物が挙げら
れる。これらの樹脂中に含まれる極性基として、S含有
極性基としては−SO3 M(スルホン酸基)、−SO4
M(硫酸基)等があり、P含有極性基としてはホスホン
酸基=PO3 M、ホスフィン酸基=PO2 M、亜ホスフ
ィン酸基=POM、−P=O(OM1 )(OM2 )、−
OP=O(OM1 )(OM2 )、等がある。S,P以外
の極性基としては、−COOM、−NR3X(ここで、
M,M1,M2は、H、Li、Na、K、−NR4 、−N
HR3 を示し、Rはアルキル基もしくはHを示し、Xは
ハロゲン原子を示す。)−OH、−NR2 、=NH、=
NR(Rは炭化水素基)、エポキシ基、−SH、−CN
等から選ばれる少なくとも一つ以上の極性基を、共重合
または付加反応で導入したものを用いることが好まし
く、このうち、Mとしては特にNaが好ましく、これら
極性基は、原子として分子中に0.01〜10wt%、
特に0.02〜3wt%含まれていることが好ましく、
これら極性基は骨格樹脂の主鎖中に存在しても、分枝中
に存在してもよい。このようなウレタン樹脂は公知の方
法により、特定の極性基含有化合物および/または特定
の極性基含有化合物と反応させた原料樹脂等を含む原料
とを溶剤中、または無溶剤中で反応させることにより得
られる。これら以外の熱可塑性樹脂としては、例えばポ
リエステル樹脂、ポリビニルブチラール、ニトロセルロ
ース、エポキシ系樹脂、フェノキシ系樹脂、等をあげる
ことができ、特にバックコート層に使用することが可能
である。
【0012】〔硬化方法〕このような樹脂を加熱硬化す
る架橋剤としては、各種ポリイソシアナートを用いるこ
とができ、トリレンジイソシアナート、ヘキサメチレン
ジイソシアナート、メチレンジイソシアナート等の1種
以上で、トリメチロールプロパン等の水酸基を複数有す
るものを変性した架橋剤、またはジイソシアナート化合
物3分子が結合したイソシアヌレート型の架橋剤を用い
ることが好ましく、架橋剤の含有量は樹脂100wt%
に対し10〜30wt%とすることが好ましく、この架
橋剤により、バインダ樹脂とこれに含有される水酸基等
とが三次元的に結合し、塗膜層の耐久性が向上できる。
具体的には日本ポリウレタン工業株式会社製のコロネー
トL、HL、3041、2030、旭化成工業株式会社
製の24A−100、TPI−100、B.F.Goo
drich社製のデスモジュールL、N等が挙げられ、
上記樹脂全量に対して1〜50wt%添加して使用す
る。また一般に、このような反応性または熱硬化性樹脂
を硬化するには、一般に加熱オーブン中で50〜80℃
にて6〜100時間加熱するか、低速度にて、80〜1
20℃にてオーブン中をで走行させてもよい。
【0013】さらに上記共重合体に公知の手法により、
(メタ)アクリル系二重結合を導入して電子線感応変性
を行なったものを使用することも可能であり、このよう
な電子線官能変性を行なった樹脂を、ウェットオンドラ
イ法の非磁性下層に用いることが、デジタル磁気記録媒
体の特性向上に最も好ましいものである。この電子線感
応変性を行なうには、トリレンジイソシアナート(TD
I)と2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(2
−HEMA)との反応物(アダクト)を樹脂と反応させ
るウレタン変性、エチレン性不飽和二重結合を1個以上
およびイソシアナート基1個を1分子中に有し、かつウ
レタン結合を分子中に持たないモノマー(2−イソシア
ナートエチル(メタ)アクリレート等)を樹脂と反応さ
せる改良型ウレタン変性、水酸基やカルボン酸基を有す
る樹脂に対し(メタ)アクリル基とカルボン酸無水物あ
るいはジカルボン酸を有する化合物を反応させてエステ
ル変性する方法がよく知られているが、これらの中でも
改良型ウレタン変性が、塩化ビニル系共重合体の含有比
率を上げても脆くならず、しかも分散性、表面性にすぐ
れた塗膜を得ることができるため好ましい。またその電
子線官能基含有量は、製造時の安定性、電子線硬化性等
から水酸基成分中1〜40モル%、好ましくは10〜3
0モル%であり、特に塩化ビニル系共重合体の場合、1
分子あたり1〜20個、好ましくは2〜10個の官能基
となるようにモノマーを反応させると、分散性、硬化性
ともに優れた電子線硬化性樹脂を得ることができる。こ
こにいうアクリル系二重結合とは、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸
アミドの残基である(メタ)アクリロイル基をいう。さ
らに、これら電子線感応型変性樹脂を用いる場合、架橋
率を向上させるために従来公知の多官能アクリレートを
樹脂全量に対して1〜50wt%混合して使用してもよ
い。 〔ベース〕本発明に用いられる支持体は、ポリエチレン
テレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート
(PEN)等のポリエステル類、ポリオレフィン類、ポ
リアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホ
ンセルローストリアセテート、ポリカーボネート等の公
知のフィルムを使用することができ、好ましくは、PE
T、PEN、芳香族ポリアミドであり、さらに好ましく
は、PEN単独、PENの2種ないし3種による多層共
押出しによる複合化フィルム、芳香族ポリアミドであ
り、これらのフィルムを使用することにより電磁変換特
性、耐久性、摩擦特性、フィルム強度、生産性のバラン
スが得やすい。また、これらの支持体には、フィラーと
してAl、Ca、Si、Ti等の酸化物や炭酸塩等の無
機化合物、アクリル樹脂系微粉末等の有機化合物等を添
加することが好ましく、これらの量と大きさにより表面
性を自由にコントロールすることが可能となり、電磁変
換特性、耐久性、摩擦特性等をコントロールすることが
可能である。 〔溶剤〕本発明に使用する溶剤としては、特に制限はな
いが、バインダの溶解性、相溶性および乾燥効率等を考
慮して適宜選択され、例えばメチルエチルケトン、メチ
ルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、
トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチル等のエステル類、イソプロパノール、ブ
タノール等のアルコール類、ジオキサン、テトヒドロフ
ラン、ジメチルホルムアミド、ヘキサン、塩素置換炭化
水素類等の希釈剤ないし溶剤を、単一溶剤またはこれら
の任意比率の混合溶剤として用いる。 〔潤滑剤〕本発明に使用する潤滑剤としては、公知の種
々の潤滑剤の中で、特に脂肪酸および/または脂肪酸エ
ステルを用いることが好ましく、炭素数12〜24(不
飽和結合を含んでも、また分枝していてもかまわない)
の一塩基性脂肪酸や、炭素数10〜24(不飽和結合を
含んでも、また分枝していてもかまわない)の一塩基性
脂肪酸と炭素数2〜22(不飽和結合を含んでも、また
分枝していてもかまわない)の一価、二価、三価、四
価、五価、六価アルコール、ソルビタン、ソルビトール
等の環状もしくは多糖類還元アルコール等のいずれか一
つとからなるモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル、
トリ脂肪酸エステルが好ましく、これらの2種以上を併
用してもよい。脂肪酸および/または脂肪酸エステルの
磁性層中における含有量は、強磁性微粉末に対してその
合計量として0. 1〜20wt%がよく、1〜15wt
%が好ましく、1〜12wt%がより好ましく、金属磁
性粉末がない場合には結合剤に対して0.01〜100
wt%の範囲で用いればよい。また、上記の潤滑剤以外
にも、添加剤としては潤滑効果、帯電防止効果、分散効
果、可塑効果等を有するものが使用可能である。
【0014】〔無機質粉末〕本発明に使用できる無機質
粉末は、例えば、金属、金属酸化物、金属炭酸塩、金属
硫酸塩、金属窒化物、金属炭化物、金属硫化物等の無機
質粉末が挙げられ、具体的には、α−アルミナ、β−ア
ルミナ、γ−アルミナ、θ−アルミナ、δーアルミナ、
三酸化二クロム、α−酸化鉄、γ−酸化鉄、ゲータイ
ト、SiO2 、ZnO、TiO2 、ZrO2 、SnO
2 、窒化珪素、窒化硼素、炭化珪素、炭化チタン、炭化
モリブデン、炭化ホウ素、炭化タングステン、炭酸カル
シウム、炭酸バリウム、炭酸ストロンチウム、炭酸マグ
ネシウム、硫酸バリウム、硫化亜鉛、二硫化モリブデ
ン、二硫化タングステン、人造ダイヤモンド等が単独ま
たは組み合わせて使用される。これらの無機化合物は金
属磁性粉末に対して、重量比率で0.1〜20wt%の
範囲で用いられ、金属磁性粉末がない場合には結合剤に
対して50〜2000wt%の範囲で用いることができ
る。 〔カーボンブラック〕カーボンブラックとしては、ファ
ーネスカーボンブラック、サーマルカーボンブラック、
アセチレンブラック等を用いることができ、これらのカ
ーボンブラックの平均粒径等は任意に設定すればよい
が、媒体に要求される電気抵抗と摩擦特性および最短記
録波長における出力のバランス(表面粗さ)等から適宜
選択すればよく、単一系でも混合系でもよく、単独で粒
度分布等を適宜選択することもできる。このようなカー
ボンブラックの平均粒径は10nm〜400nm、好ましく
は20〜350nmであり、さらに詳細には、電磁変換特
性を優先的に考慮すると20〜40nmが好ましく、摩擦
特性を重視する場合は40〜350nmの範囲で電磁変換
特性において許容される可能な限り大きな粒径のものを
用いることが好ましく、さらにカーボンブラックのBE
T値は100〜500m2/g、好ましくは150〜400
m2/g、ジブチルフタレート(DBP)吸油量は20〜4
00ml/100g、好ましくは30〜200ml/1
00gであるが、カーボンブラックの平均粒径、BET
値およびDBP吸油量は密接に関係があるため、単独で
かけ離れた数値とすることは実現不可能であり、これら
の三要素は媒体の要求特性と塗料における分散特性、流
動特性等とにより実験的に選定することが必要である。
これらのカーボンブラックは、結合剤に対して、重量比
率で10〜500wt%、あるいは金属磁性粉末に対し
て、0.1〜20wt%の範囲で用いられるが、媒体の
要求特性と塗料における分散特性、流動特性等とにより
実験的に選定することが必要である。上記の無機質粉末
とカーボンブラックの粒径と添加量は、デジタル磁気記
録媒体のような磁性層が極端に薄い場合においては、磁
性層の膜厚、媒体の構造と製法に密接に関係しており、
磁性層の膜厚が0.5μm以下の薄層になると、磁性
層単層、ウェットオンドライ法、ウェットオンウェ
ット法の順で添加顔料であるところの無機質粉末やカー
ボンブラックの粒径を大きく、添加量を多い方向へと変
更する必要がある。特に無機質粉末のこのような変更
は、電磁変換特性と信頼性の確保の観点から行われるも
のであるが、各製法における好ましい範囲は以下のよう
になる。の磁性層単層では、磁性層がベースフィルム
上に直接設けられるために、無機質粒子の粒径、添加量
の影響が大きく出るため、粒径は0.05〜0.18μ
m、添加量は金属磁性粉末100重量部に対して1〜8
重量部とする必要があり、のウェットオンドライ法で
は、乾燥および/または硬化した非磁性下層上に磁性層
を設けるので、無機質粒子の影響が下層により多少緩和
されるため、粒径は0.08〜0.22μm、添加量は
金属磁性粉末100重量部に対して3〜10重量部とす
る必要があり、ウェットオンウェット法では、湿潤状
態の非磁性下層上に磁性層を設けるので、無機質粉末
は、下層中に埋没してしまい効果が減少するので、粒径
は0.18〜0.35μm、添加量は金属磁性粉末10
0重量部に対して5重量部以上である必要がある。この
ような材料の入手や媒体特性を向上させやすい点からウ
ェットオンドライ法が最も好ましい。
【0015】
【実施例】以下に本発明を実施例にて説明するが、本発
明はこれらの実施例に限定されるものではないことは云
うまでもない。 (金属磁性粉末の製造)製造実施例1−1 FeCl2・4H2O 1000g(5.0mol)を4
5℃に保温した10リットルの水(H2O)に溶解さ
せ、これにCoCl2をCo量がFeに対して25wt
%となるように溶解し撹拌混合した。この溶液に、(N
42CO3 865g(9.0mol)を10リットル
のH2Oに溶解させた45℃の水溶液を徐々に添加しな
がら撹拌して懸濁液とし、終了後60分間撹拌混合し
た。この懸濁液の温度を45℃に保ちながら、10リッ
トル/分の流量で空気を吹き込みながら6時間撹拌を続
けた。その後室温まで放冷、濾過し、残さを水洗し、6
0℃で24時間乾燥して針状のCo含有FeOOHを得
た。(長軸長0.15μm、軸比15) 得られたCo含有FeOOH 100gを6リットルの
2O中に投入して撹拌混合し、これにY(NO33
Y量がFeに対して3at%になるように、かつAl2
(SO43をAl量がFeに対して4.0wt%になる
ように溶解した1リットルの水溶液を加え、さらに、p
Hが8になるようにCO2ガスを吹き込んだ。これを十
分撹拌した後、濾過、水洗した後、乾燥した。このよう
にして得られた表面処理済みCo含有FeOOHを均一
に温度がかかるような条件で窒素雰囲気下で3時間熱処
理を行なった。次にこれを50g採取して、まず、温度
600℃、水素流量1リットル/minでCo含有Fe
34まで還元を行なった。このCo含有Fe34の表面
状態をTEMで確認した。こうしてできたCo含有Fe
34を480℃、水素流量1リットル/minで8時間
かけて還元した。次いでこれを室温まで冷却した後、窒
素ガス中に徐々に空気を流し込み、徐酸化膜を磁性層表
面に形成し、Co含有金属磁性粉末を得た。長軸長0.
11μm、Dxが180Å、Hcが2215Oe、BE
T値が44m2/g、σsが150emu/gであっ
た。製造実施例1−2〜1−7、1−9〜1−12 製造実施例1−1で使用した磁性粉を表1中に示したよ
うに添加物の量を変更し、それに伴い工程条件を微小変
更させ表1の特性をもつCo含有金属磁性粉末を作製し
た。製造実施例1−8 製造実施例1−7のY(NO33の代わりにNdCl3
・6H2OをNdがFeに対して6at%になるように
添加した。これらをそれぞれ実施例1−1〜1−12と
して表1に示す。製造比較例1−1 製造実施例1−1の還元工程を480℃、水素流量1リ
ットル/minで10時間連続して1工程でFeまで還
元した以外は、製造実施例1−1と同様の工程でCo含
有金属磁性粉末を作製した。これを比較例1−1として
表2に示す。製造比較例1−2〜1−12 製造比較例1−1においてその添加物の量を変化させ、
それに伴い工程条件を変更させ、さらに比較例1−1と
同様に、還元工程を480℃、水素流量1リットル/m
inで10時間連続して1工程でFeまで還元させてC
o含有金属磁性粉末を作製した。これらをそれぞれに比
較例1−2〜1−12として表2に示す。 (磁性層) (金属磁性粉末の塗料化) 金属磁性粉末 (表に示す) 100.0 樹脂 塩化ビニル系共重合体 日本ゼオン MR110 7.7 (塩ビ/2HEMA/AGE/分子末端OSO3K基=84.5/4.5/7.4/0.36 重合度 300) ポリエステルポリウレタン樹脂 東洋紡績 UR8700 7.7 (Mn=20,000、SO3Na基含有) 分散剤 有機リン酸化合物 東邦化学 RE610 3.0 研磨剤 α-アルミナ 住友化学工業 HIT60A 3.0 (平均粒径 0.20μm) 添加剤 カーボンブラック 三菱化学 CF9B 0.2 (一次粒径40nm,BET 60m2/g,吸油量 64ml/100g) 潤滑剤 脂肪酸 日本油脂 NAA180 1.2 脂肪酸エステル 日光ケミカルズ NIKKOL BS 1.0 硬化剤 TDI系イソシアヌレート 日本ポリウレタン C-2030 3.1 NV=20% 溶剤比 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=1/1/2 上記材料のすべて、または一部をニーダーで混練後、横
型のピンミルにて分散し、最後に溶剤で粘度調節を行っ
た。
【0016】 (非磁性下層) 顔料 α-酸化鉄 関東電化工業 T−50α 80.0 (BET 49m2/g,ステアリン酸吸着量 85mg/g,表面処理量Al/Si=1.0/0.7wt%) カーボンブラック コロンビアン R760 20.0 (一次粒径30nm,BET 70m2/g,吸油量 48ml/100g) 樹脂 EB変性塩化ビニル系共重合体 東洋紡績 TB0246 9.6 (基本骨格樹脂 日本ゼオン MR110を改良ウレタン変性法によるEB変性) EB変性ポリエステルポリウレタン 東洋紡績 TB0242 7.7 (Mn=20,000、リン系極性基含有) EB官能性ポリエーテル・ポリエステルポリウレタン樹脂 日本合成ゴム S-0171(Mn=20,000、アクリル官能基12ケ/1分子) 1.9 分散剤 有機リン酸化合物 東邦化学 RE610 3.0 研磨剤 α-アルミナ 住友化学工業 HIT50 8.0 (平均粒径 0.25μm) 潤滑剤 脂肪酸 日本油脂 NAA180 1.0 脂肪酸エステル 日光ケミカルズ NIKKOL BS 1.0 NV=34% 溶剤比 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=2/2/1 上記材料のすべて、または一部をニーダーで混練後、横型のピンミルにて分散 し、最後に溶剤で粘度調節を行った。 (バックコート層) 顔料 カーボンブラック 三菱化学 #3170B 100.0 (一次粒径25nm,BET 180m2/g,吸油量 114ml/100g) カーボンブラック コロンビアン セバカーブMT 1.2 (粒径350nm,BET 7m2/g) 研磨剤 α-酸化鉄 戸田工業 TF100 0.8 (平均粒径 0.2μm) 樹脂 塩化ビニル系共重合体 日信化学工業 MPR−TA 66.7 (塩ビ/酢ビ/ビニルアルコール系 重合度 420) 塩化ビニル系共重合体 日信化学工業 MPR−ANO 20.0 (塩ビ/酢ビ/ビニルアルコール系 重合度 340 N原子含有量390 ppm) ポリエステルポリウレタン樹脂 東洋紡績 TS9555 46.6 (Mn=40,000 SO3Na基含有) 硬化剤 トリメチロールプロパンのTDI 3分子アダクト体 日本ポリウレタン工業 C−3041 20.0 NV=10% 溶剤比 MEK/トルエン/シクロヘキサノン=2/2/1 上記材料のすべて、または一部を高速ディスパーにて撹
拌後、縦型のピンミルにて分散し、最後に溶剤で粘度調
節を行った。
【0017】(塗布)5.0μmのポリエチレンナフタ
レート支持体(帝人PENフィルムQ11)上に、カレ
ンダー加工後の厚みが1.4μmになるように、非磁性
下層をノズルで塗布した。その後カレンダー加工を行
い、さらにEB照射を行った。この時の下層のRaは
2.9nmであった。こうして形成した非磁性下層上
に、磁性塗膜を加工後厚みが0.15μmになるように
ノズルで塗布し、配向、乾燥し、カレンダー加工した。
さらにバックコートを厚さが0.5μmになるように塗
布し、乾燥した。こうして作製したテープ原反を60℃
で48時間熱硬化を行った後、6.35mm幅に切断し
DVC用テープを作製した。各テープの特性を表1及び
表2に示す。
【0018】
【表1】
【0019】
【表2】
【0020】(実施例2−1)実施例1−5の磁性粉の
塗料化において、研磨剤を住友化学工業(株)製HIT
80(粒径0.09μm)3.0重量部に変更し、6.
4μmのポリエチレンナフタレート支持体(帝人PEN
フィルムQ11)上に、直接磁性塗料を加工後厚みが
0.15μmになるようにノズルで塗布した以外は実施
例1−1と同様に行った。結果を表3に示す。 (実施例2−2)実施例1−5の磁性粉の塗料化におい
て、研磨剤を住友化学工業(株)製HIT50(粒径
0.25μm)7.0重量部に、溶剤比をMEK/トル
エン/シクロヘキサノン=2/2/1に変更し、5.0
μmのポリエチレンナフタレート支持体(帝人PENフ
ィルムQ11)上に、実施例1−1の非磁性下層のNV
を37%に変更した上、カレンダー加工後の厚みが1.
4μmとなるように塗布し、この非磁性下層が湿潤状態
のときに磁性層塗料を加工後の厚みが0.15μmとな
るように塗布する以外は実施例1−1と同様に行った。
結果を表3に示す。
【0021】
【表3】
【0022】本発明の特性は以下の方法で測定したもの
である。 (測定)電磁変換特性出力 松下DVCカメラNV−DJ1にて20.96MHz
(1/2Tb)および10.48MHz(1/4Tb)
の信号を記録し、この信号を再生したときの出力を測定
した。テープポジションはMPモードで行った。その時
の0dBはTDKDVC−Refテープのそれぞれの周
波数での出力である。 ・C/N 松下DVCカメラNV−DJ1にて20.96MHzの
信号を記録し、この信号を再生したときの19.96M
Hzの再生信号の比を測定した。 ・塗布性 BC塗布前の原反(磁性層+(非磁性下層)+ベース)
を、OHP投影機で照らしその透過面を観察し、均一で
あれば○、不均一で斑模様のひどい物を×、その中間を
△とした。Δσs 60℃90%環境下で24時間放置後の金属磁性粉末の
σs低下率を測定した。
【0023】
【発明の効果】表に示したように、金属磁性粉末のσs
とBET値を特定の関係式で選択することによって、高
磁気エネルギーの磁性粉にもかかわらず分散性、塗布性
に優れるためデジタル媒体に必要な中域(1/4Tb出力)、
高域(1/2Tb出力)の出力の向上が図れる。またσsに対
して結晶子サイズ(Dx)が小さいためノイズ(C/N)
が低減されるメリットもある。さらにBET値が低く磁
性粉表面が均一でち密になっているために磁性粉の保存
特性の向上も図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の金属磁性粉末末のσs(y)およびB
ET法による比表面積(x)の式で囲まれた範囲を示す
グラフである。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】鉄(Fe)を主成分とし、鉄に対してCo
    を18〜40wt%、Alおよび、Yまたは希土類元素
    を含むBET法による比表面積(x)が60m2/gを
    超えない金属磁性粉末を含有する磁性層を非磁性支持体
    もしくは非磁性下層上に設けてなる磁気記録媒体であっ
    て、前記金属磁性粉末の飽和磁化σs(y)およびBE
    T法による比表面積(x)が、下記の4つの式に囲まれ
    た範囲内であることを特徴とする磁気記録媒体。 y=0.05x2−6x+330 …(1) y=0.05x2−6x+310 …(2) y=x+126 …(3) y=x+104 …(4)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007200547A (ja) * 2007-05-01 2007-08-09 Tdk Corp 磁気記録媒体

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