JPH10242010A - 活性炭電極の製造方法 - Google Patents

活性炭電極の製造方法

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JPH10242010A
JPH10242010A JP9046012A JP4601297A JPH10242010A JP H10242010 A JPH10242010 A JP H10242010A JP 9046012 A JP9046012 A JP 9046012A JP 4601297 A JP4601297 A JP 4601297A JP H10242010 A JPH10242010 A JP H10242010A
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JP
Japan
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activated carbon
heat treatment
thermosetting resin
molded body
carbon electrode
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JP9046012A
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English (en)
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Shinobu Takagi
忍 高木
Takasumi Shimizu
孝純 清水
Yukari Kibi
ゆかり 吉備
Takayuki Saito
貴之 齋藤
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Daido Steel Co Ltd
NEC Corp
Original Assignee
Daido Steel Co Ltd
NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】過剰の熱硬化性樹脂を十分に消散させ得る活性
炭電極の製造方法を提供する。 【解決手段】工程4の熱処理工程の実施中に、工程5の
排気工程においてフェノール樹脂の分解ガスが強制的に
排気される。そのため、フェノール樹脂の分解ガスが成
形体表面近傍に滞留することが抑制されて、その分解が
促進される。したがって、過剰に添加されているフェノ
ール樹脂が十分に消散させられて、熱処理工程の後に多
量に残留することが抑制される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、活性炭電極の製造
方法に関し、特に熱処理工程の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、電気二重層コンデンサはメモリ
バックアップ用部品として広く用いられている。電気二
重層コンデンサとは、一対の電極を構成する導電体と電
解質溶液との界面にそれぞれ符号の異なる一対の電荷層
(すなわち電気二重層)が生じることを利用したもので
あり、急速充電が可能であると共に充放電に伴う寿命劣
化が生じ得ないという特徴を有している。そのため、例
えば、電池または商用交流電源を直流に変換した電源と
並列に電気二重層コンデンサを接続し、電源の瞬断時に
電気二重層コンデンサに蓄積された電荷により種々の部
品のバックアップをするという形で使用されている。近
年、このような電気二重層コンデンサを大容量且つ大電
流放電可能とすることによって、例えば電気自動車の回
生エネルギー蓄積用デバイスや、自動車のセルモータ駆
動、太陽電池電圧のレベリング等に利用することが考え
られている。
【0003】従来、上記のような電気二重層コンデンサ
の電極としては、活性炭粉末や活性炭繊維等が用いられ
ていた。電気二重層コンデンサの静電容量は電気二重層
に蓄えられる電荷量により決定されることから、電極の
表面積が大きいほど大きな静電容量を得ることができる
ため、高い導電性と比表面積とを有する活性炭が電極材
料として適しているのである。ところが、活性炭は一般
に粉末或いは繊維状であるため、電極として用いる場合
には、例えば金属ケース等に収納して加圧することによ
り粉末或いは繊維間の電気的接触を確保していた。した
がって、大きな静電容量を得るためには、活性炭量を多
くして表面積を大きくすると共にその活性炭の電気的接
触を一層確実にするために加圧力を高くすることが必要
となって金属ケースが極めて大きくなる。そのため、実
用的な大きさの電気二重層コンデンサとしてはせいぜい
数F程度の静電容量しか得られず、前述のようなメモリ
バックアップ用に用途が限定されるという問題があっ
た。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで、熱硬化性樹脂
を利用して活性炭粉末を高い比表面積を保ったまま固形
化させた固体活性炭電極が提案されている。例えば特公
平7−91449号公報等に記載されている大容量電気
二重層コンデンサの電極を構成する固形状の活性炭電極
(以下、固体活性炭電極という)がそれである。このよ
うな固体活性炭電極によれば、特に加圧することなく活
性炭粉末相互の電気的接触が得られるため、電気二重層
コンデンサの寸法を比較的小さく保ったまま静電容量お
よび放電電流値が高められる。
【0005】ところで、上記の固体活性炭電極は、活性
炭粉末に熱硬化性樹脂を混合して所望の形状に成形した
後、例えば炉内ガスを窒素ガスに置換した非酸化性雰囲
気下、所定温度で熱処理してその熱硬化性樹脂を炭化さ
せることによって製造される。これにより、活性炭粉末
がその比表面積を大きく減じられることなく、熱硬化性
樹脂の炭化物によって相互に結合させられて、大きな比
表面積を保ったまま活性炭粉末相互の電気的接触が確保
されるのである。しかも、その炭化物によって活性炭粉
末が強固に結合させられることから、固体活性炭電極に
は高い機械的強度と高い導電性が与えられることにな
る。
【0006】しかしながら、上記の製造方法で得られる
固体活性炭電極を用いて電気二重層コンデンサを製造し
たところ、必ずしも期待したような高い静電容量が得ら
れず、しかも、容量減少率が大きいことから、例えば、
急速充放電が必要な回生エネルギー蓄積用デバイス等へ
の適用が困難であることが明らかとなった。なお、容量
減少率とは、小電流充放電時の静電容量C1 に対する大
電流充放電時の静電容量C2 の減少の割合([C2 −C
1 ]/C1 )である。通常、電気二重層コンデンサの静
電容量は、イオンの移動度に対する影響の少ない、例え
ば一対の活性炭電極の相対する面積で規格化した値で数
百(mA) 程度の小電流で定電流放電することによって測
定される一方、実際の使用時においては、一般にその測
定電流の数百倍以上の大電流で充放電させられる。その
ため、電気二重層コンデンサにおいては、容量減少率が
可及的に小さいことが望まれるのである。
【0007】上記の問題の原因は、以下のように考えら
れる。すなわち、熱硬化性樹脂に由来する炭化物は比表
面積が小さいことから電荷の蓄積には殆ど寄与せず、専
ら活性炭表面に通じる電解質イオンの通路として機能す
るマクロ孔を形成する。一方、上述の製造工程におい
て、活性炭粉末を所望形状に成形する場合には、機械的
強度を得るために必要な炭化物量に対応する量よりも多
くの熱硬化性樹脂を添加する必要がある。そのため、熱
処理の後に固体活性炭電極中に残留する炭化物量が過剰
となって、その過剰の炭化物によって上記のマクロ孔が
閉塞され、或いはその細孔径が小さくされ、更にはその
長さが長くされることから、電解質イオンの移動抵抗が
大きくなって、大電流放電時に大きな電圧降下が発生
し、見かけ上静電容量が低下することとなるのである。
したがって、固体活性炭電極中に残留する炭化物量は、
十分な機械的強度が得られる範囲で可及的に少ないこと
が望まれる。
【0008】なお、成形体を熱処理して固体活性炭電極
を製造する際には、一部の熱硬化性樹脂は分解されてガ
ス化し、消散することから、上記過剰の熱硬化性樹脂が
全て消散すれば前述のような問題は生じない。しかしな
がら、前述の製造方法においては、活性炭粉末の酸化を
抑制する目的で炉内に窒素ガスが封入された状態で熱処
理が施されることから、分解ガスが成形体表面近傍に滞
留し易く、また、セッタ(台板)に密着させられる成形
体裏面でも同様に分解ガスが滞留し易い。そのため、そ
の滞留ガスによって熱硬化性樹脂の分解が妨げられるこ
とから、固体活性炭電極として必要な量に対して過剰に
添加されている熱硬化性樹脂が熱処理後にも多量に残留
することとなると考えられる。しかも、このような問題
は、固体活性炭電極の量産性を高めるために、例えば板
状のセッタを介して複数枚の成形体を積み重ねた状態で
熱処理を施す場合には、一層分解ガスが滞留し易いこと
から顕著となるのである。
【0009】本発明は、以上の事情を背景として為され
たものであって、その目的とするところは、過剰の熱硬
化性樹脂を十分に消散させ得る活性炭電極の製造方法を
提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための第1の手段】斯かる目的を達成
するため、第1発明の要旨とするところは、活性炭粉末
が熱硬化性樹脂によって結合された成形体を真空または
非酸化性雰囲気下で熱処理することにより、その熱硬化
性樹脂を炭化して活性炭電極を得る熱処理工程を含む活
性炭電極の製造方法であって、(a) 前記熱処理工程の実
施中において前記熱硬化性樹脂の分解ガスを強制的に排
気する排気工程を含むことにある。
【0011】
【第1発明の効果】このようにすれば、熱処理工程の実
施中に、排気工程において熱硬化性樹脂の分解ガスが強
制的に排気される。そのため、熱硬化性樹脂の分解ガス
が成形体表面近傍に滞留することが抑制されて、その分
解が促進される。したがって、過剰に添加されている熱
硬化性樹脂が十分に消散させられて、熱処理工程の後に
多量に残留することが抑制される。なお、真空または非
酸化性雰囲気下で分解ガスを強制的に排出する上記の排
気工程は、熱処理を実施する炉内を真空にし、且つ熱処
理中においても真空排気することによって分解ガスを排
出する方法や、窒素ガスやアルゴンガス等の不活性ガス
(非酸化性ガス)を流入および排出させることによって
同時に分解ガスを排出する方法等によることができる。
【0012】
【課題を解決するための第2の手段】また、前記目的を
達成するための第2発明の要旨とするところは、活性炭
粉末が熱硬化性樹脂によって結合された成形体を真空ま
たは非酸化性雰囲気下で熱処理することにより、その熱
硬化性樹脂を炭化して活性炭電極を得る熱処理工程を含
む活性炭電極の製造方法であって、(b) 一面に凹凸が設
けられた板状部材のその一面に前記成形体が面接触させ
られた状態で前記熱処理工程を実施することにある。
【0013】
【第2発明の効果】このようにすれば、熱処理工程は、
一面に凹凸が設けられた板状部材のその一面に成形体が
面接触させられた状態で施される。そのため、熱処理中
に生成される熱硬化性樹脂の分解ガスは、その板状部材
上の凹凸と成形体との隙間に形成される流路を介してそ
の一面と成形体との間から排出されて消散させられる。
したがって、過剰に添加されている熱硬化性樹脂が十分
に消散させられて、熱処理工程の後に多量に残留するこ
とが抑制される。しかも、上記の板状部材をセッタとし
て複数枚の成形体相互の間に介在させることにより、分
解ガスの消散を妨げることなく、複数枚の成形体を積み
重ねて熱処理し得るため、固体活性炭電極の量産性を高
めることが可能となる。
【0014】
【第2発明の他の態様】ここで、好適には、前記板状部
材は、前記一面に凹凸が設けられることにより形成され
ている凹部が、その板状部材の端面に連続させられるこ
とにより、内側位置から端面に達する気体通路が形成さ
れているものである。このようにすれば、板状部材と成
形体との間に分解ガスの排出経路が形成されることか
ら、その分解ガスが板状部材と成形体との間から一層排
出され易くなるため、熱硬化性樹脂の残留量が一層少な
くなる。なお、活性炭粉末が熱硬化性樹脂によって結合
された成形体は多孔質であることから、例え凹部が端面
に連続していなくとも、分解ガスはその成形体の内部を
通って消散させられ得るが、上記のようにすれば一層消
散させられ易くなるのである。
【0015】なお、好適には、前記板状部材は、金、白
金等の貴金属、タングステン、モリブデン等の高融点金
属、ニッケル基耐蝕耐熱合金、ステンレス材等の耐熱性
合金や、アルミナ系、ジルコニア系、シリカ系、マグネ
シア系、イットリア系、チタニア系、カーボン系等のセ
ラミックス、或いは、耐熱ガラスから成るものである。
【0016】
【課題を解決するための第3の手段】また、前記目的を
達成するための第3発明の要旨とするところは、活性炭
粉末が熱硬化性樹脂によって結合された成形体を所定の
板状部材に面接触させた状態で真空または非酸化性雰囲
気下で熱処理することにより、その熱硬化性樹脂を炭化
して活性炭電極を得る熱処理工程を含む活性炭電極の製
造方法であって、(c)前記板状部材に面接触させられる
前記成形体の一面に凹凸を形成する凹凸形成工程を含
み、前記熱処理工程は、その一面に凹凸が形成された状
態で実施されることにある。
【0017】
【第3発明の効果】このようにすれば、凹凸形成工程に
おいて、成形体の一面に凹凸が形成され、熱処理工程
は、板状部材に面接触させられる成形体の一面に凹凸が
形成された状態で施される。そのため、熱処理中に生成
される熱硬化性樹脂の分解ガスは、その成形体上の凹凸
とセッタとの隙間に形成される流路を介してその一面と
板状部材との間から排出されて消散させられる。したが
って、過剰に添加されている熱硬化性樹脂が十分に消散
させられて、熱処理工程の後に多量に残留することが抑
制される。しかも、成形体自身に凹凸が設けられている
ことから、セッタを介して複数枚の成形体を積み重ねて
熱処理を施した場合にも、分解ガスの消散が妨げられな
いため、固体活性炭電極の量産性を高めることが可能と
なる。
【0018】
【発明の他の態様】また、前記第2、第3発明におい
て、前記板状部材或いは成形体に設けられる凹凸は、ひ
び割れ、空孔、気孔、貫通孔によって形成され、或い
は、一面或いは両面に所定の一方向或いは多方向に沿っ
て所定間隔で溝を形成することによって、その溝と残存
する凸部とによって形成される。前者の場合には、板状
部材および成形体を多孔質に形成することで空孔や気孔
を形成することが可能であるが、適当な樹脂を添加して
成形した後、その樹脂を加熱除去する過程でひび割れや
空孔を化学的に形成してもよい。また、エッチングや穿
孔形成によることもできる。後者の場合には、例えば、
エッチングや研削等の機械加工によって溝を形成し得る
が、その溝は、断面が波形となるように一方向に沿って
両面に設けられるものであり、或いは、一面上において
互いに直交する二方向に沿って設けられるものである。
両面に溝が形成される場合には、両面で同位置に凸部が
残存させられてもよく、或いは、一方の面で残存させら
れた凸部の間の位置に他方の面の凸部が残存するように
溝が形成されてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面を
参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例におい
て、各部の寸法比等は必ずしも正確に描かれていない。
【0020】図1は、本発明の一実施例の製造方法によ
って製造された活性炭電極10を用いた電気二重層コン
デンサ12の断面構造を模式的に示す図である。このコ
ンデンサ12は、全体が箱型を成して、平板状の一対の
活性炭電極10,10、それら一対の活性炭電極10,
10に挟まれたセパレータ14、活性炭電極10,10
の外側に順に設けられた一対の集電体16,16、一対
の端子板18,18、一対の固定板20,20と、活性
炭電極10,10の側面側に備えられて集電体16,1
6を支持するガスケット22、およびガスケット22の
両面に備えられて固定板20,20を支持する一対の支
持体24,24を備えたものであり、集電体16,16
およびガスケット22により囲まれた内部には、例え
ば、電解液として 30(wt%) の硫酸水溶液が注入されて
いる。
【0021】上記一対の活性炭電極10,10は、例え
ば厚みが 1(mm)程度とされたものであり、活性炭が炭素
組織により結合させられた多孔質の活性炭−炭素複合体
である。また、上記セパレータ14は、例えば厚みが0.
1 〜 0.2(mm)程度で活性炭電極10よりも面積がやや大
きくされたガラス繊維から成るものであり、活性炭電極
10,10相互の接触による電気的短絡を防止すると共
に、前記電解液が自由に流通可能となるように多孔質に
形成されている。
【0022】また、前記集電体16,16は、例えばカ
ーボンを含む導電性ゴムから成る例えば厚み 0.2(mm)程
度の導電性シートであり、周縁部において前記ガスケッ
ト22および支持体24,24に挟まれることによっ
て、セル間の隔壁となっている。すなわち、バイポーラ
電極構造となっている。
【0023】また、集電体16,16の外側に備えられ
た端子板18,18は、例えば厚みが 0.2(mm)程度で活
性炭電極10,10と同様な面積のアルミニウム製平板
であり、この端子板18,18に設けられた図示しない
一対の端子に電圧を印加することにより、集電体16,
16を介して活性炭電極10,10に電力が供給される
ようになっている。また、固定板20、ガスケット2
2、支持体24,24は、何れも耐硫酸性の樹脂から成
るものである。
【0024】上記の電気二重層コンデンサ12は、以下
のように組み立てられる。すなわち、先ず、各上記の構
成部材を順に積層し、その際、ガスケット22および支
持体24,24の間に、耐硫酸性の接着剤を塗り込んで
固着する。次いで、端子板18,18を両面から集電体
16,16に圧着した後、固定板20,20を例えば4
か所においてボルトおよびナット26によって両面から
固定する。最後に、例えばガスケット22に設けられて
いる図示しない注入孔から前記電解液を所定量注入して
封止することにより、電気二重層コンデンサ12が得ら
れる。
【0025】以上のように構成された電気二重層コンデ
ンサ12は、図2に模式的に示すように、電圧が印加さ
れると多数の活性炭粒子28の表面に電解質溶液中のプ
ラス或いはマイナスのイオン(すなわち、 H+ 或いはSO
4 2- )がそれぞれ吸着され、電気二重層が形成されるこ
とによって充電が行われる。このとき、活性炭電極10
は、後述の熱硬化性樹脂に由来する図示しない炭素組織
によって、活性炭粒子28が相互に結合されて構成され
ていることから、上記のイオンは炭素組織および活性炭
粒子28によって形成された隙間(流路)を通って移動
することとなるが、この際の移動抵抗等によってイオン
の移動度、すなわち、大電流放電時の静電容量の低下の
程度が決定される。
【0026】ところで、上記の活性炭電極10は、例え
ば、図3に示される工程に従って製造される。先ず、工
程1において、例えば嵩密度が0.20(g/cm3) 程度で、 B
ET法によって測定した比表面積が数百〜2000(m2/g)程度
の活性炭粉末を 60(wt%) 程度、および熱硬化性樹脂と
してのフェノール樹脂を 40(wt%) 程度に、例えばアル
コール等の溶剤を200(wt%) 程度(活性炭粉末とフェノ
ール樹脂との混合物の全量に対する値)加えて、例えば
乾式混合機で混合することにより、溶剤中に活性炭粉末
とフェノール樹脂とが均一に分散させられたスラリーを
作製する。なお、上記のフェノール樹脂の添加量は、活
性炭−炭素複合材料を構成するために必要とされる量
(活性炭電極10の十分な機械的強度を得るために必要
な量)であり、下記の工程3の成形工程において所望の
成形体を得るために必要な成形性をも考慮して決定され
たものである。また、溶剤の添加は、例えば、活性炭粉
末とフェノール樹脂とを混合した後に行っても差し支え
ない。
【0027】次いで、工程2において、上記のスラリー
を例えばスプレードライヤで200(℃) 程度の所定の温度
で噴霧乾燥することにより、活性炭粒子28がフェノー
ル樹脂で結合させられた造粒粒子を作製する。なお、こ
の造粒粒子は、例えば、平均粒径100(μm)程度、嵩密度
0.35〜0.41(g/cm3) 程度の中空球状を成している。上記
工程1においては、造粒粒子が中空且つ平均粒径等が上
記の目的の値となるように、溶剤の添加量等が適宜設定
されてスラリーの粘度等の特性が調整されるのである。
続く工程3においては、このようにして得られた造粒粒
子を、例えば0.5 〜5(tonf/cm2)程度のプレス圧力で冷
間加圧成形することにより、例えば70×50×1(mm) 程度
の寸法の成形体を作製する。
【0028】そして、図4に示されるように、この成形
体30を板状部材に相当するセッタ32を介して複数枚
積み重ね、工程4の熱処理工程において、例えば真空熱
処理炉によって、例えば1 ×10-2(Torr)程度に減圧した
状態で 900℃で 2時間程度熱処理を施す。すなわち、熱
処理は、複数枚の成形体30がそれぞれセッタ32に挟
まれた状態で施される。このセッタ32は、熱処理の過
程で一部溶融させられたフェノール樹脂によって成形体
30が相互に接合させられることを防止する目的で介挿
されるものであり、例えば、73×51× 1(mm)程度の寸法
で、厚さ方向に連通してその両面に開口する多数の気孔
を備えた気孔率が 20(%) 以上の多孔質アルミナや多孔
質カーボン等から構成されている。このため、成形体3
0に面接触させられるセッタ32の一面には、その多数
の気孔に起因する凹凸が形成されている。なお、セッタ
32は成形体30が熱処理中に反ることを防止する役割
も果たしており、そのため、図4に示されるように最上
部にも設けられている。
【0029】上記の熱処理工程の実施中に、工程5の排
気工程において真空排気が行われることによって、炉内
で発生したフェノール樹脂の分解ガス等が炉外に排出さ
れて炉内気圧が略一定に保持される。なお、真空排気
は、加熱開始前から継続して実施されてもよいが、加熱
開始当初はフェノール樹脂の分解ガスが発生し得ないこ
とから、上記の真空度まで減圧した後に真空排気を一旦
停止し、その分解温度に到達した後に再開してもよい。
これにより、フェノール樹脂の一部が炭化されると共に
その過剰分が十分に消散させられて、焼結密度が0.50〜
0.90(g/cm3) 程度で抗折強度が50(kgf/cm2) 以上の活性
炭−炭素複合材料である活性炭電極10が得られ、これ
を用いることにより例えば200(F)以上の高い静電容量と
30 (%) 以下の低い容量減少率とを有する電気二重層コ
ンデンサ12が得られる。なお、熱処理時の昇降温速度
は100(℃/h) であり、炉内の真空度は10-2〜100(Tor
r) 程度の範囲で適宜定められる。
【0030】下記の表1は、上記の製造工程に従って製
造される活性炭電極10を用いた電気二重層コンデンサ
12の特性を、前記の工程4、5の熱処理条件、具体的
にはセッタ32および排気条件を種々変更して評価した
結果を示すものである。表において、『セッタ』は熱処
理に用いたセッタ32の種別(材質、形状等)を、『排
気』は排気工程の有無および排気方法を、『容量1 容量
2 減少率』は電気二重層コンデンサ12の特性をそれぞ
れ表す。コンデンサ特性のうち、『容量1 』は0.1(A)
で定電流放電した場合、『容量2 』は 10(A) で定電流
放電した場合の静電容量(単位:F)をそれぞれ表した
ものであり、例えば0.9(V)で30分定電圧充電後、 0.45
(V)になるまで上記電流値で定電流放電し、C=(i・
△t)/△V〔但し、静電容量をC(F) 、放電電流をi
(A) 、電圧降下に要した時間を△t(sec) 、電圧降下を
△V(V) とする〕によって求めたものである。また、
『減少率』は小電流放電時の静電容量に対する大電流放
電時の静電容量の減少の割合を百分率で表した[(容量
2 −容量1 )/容量1 ]×100 で算出される値(単位:
%)である。なお、表に示さない原料性状や熱処理温度
等の他の条件は全て同様である。
【0031】
【表1】
【0032】上記表1のNo.1〜4 は、多孔質体に代えて
緻密質アルミナ或いは緻密質カーボンをセッタ32とし
て用いたものである。『排気』欄の『なし』は、従来の
熱処理工程と同様に、熱処理開始前に炉内に窒素ガス等
の不活性ガスを導入して熱処理中はその不活性ガスの流
出入を停止する不活性ガス雰囲気で熱処理を施したこと
を示し、『VAC 』は熱処理中に真空排気を実施したこと
を示すものである。したがって、No.1,2 においては熱
処理中に生成するフェノール樹脂の分解ガスを排出する
排気工程は実施されていない。表から明らかなように、
排気工程を実施しない場合には十分なコンデンサ特性が
得られないが、排気工程を実施することによって静電容
量が高められ且つ容量減少率が小さくなって、ハイパワ
ーが要求される用途にも好適に用いられ得る電気二重層
コンデンサ12を得ることができる。すなわち、熱処理
中に排気工程(真空排気)を実施することによって、成
形体30中のフェノール樹脂の分解ガスが炉外に排出さ
れることから、その分解ガスがその近傍に滞留すること
が抑制されてフェノール樹脂の消散が促進されるため、
成形性を高める目的で過剰に添加されたフェノール樹脂
の炭化物(炭素)が活性炭電極10内に多量に残留する
ことが抑制されて、高いコンデンサ特性が得られるので
ある。
【0033】また、No.5〜14は、セッタ32として、前
述のような多孔質体や、金属或いはアルミナ、カーボン
に加工を施した板状部材を用いたものである。『セッ
タ』欄において、『ポーラスアルミナ』『ポーラスカー
ボン』(No.5〜8 )は何れも多孔質体であるが、No.7の
気孔率はやや小さくされている。また、『パンチングメ
タル』は、例えばSUS310等の耐熱性の高い合金か
ら成る厚さが1 (mm)程度の板に、板厚方向に貫通するφ
0.5(mm) 或いはφ1.0(mm) の多数の丸穴が規則的に設け
られたものである。上記表に示したパンチングメタルは
丸穴が相互に独立して設けられたものであるが、例え
ば、図5(c) に示されるように、一方向に沿って設けら
れた丸穴をそれぞれ通るように両端面間を連続させる複
数本の溝を形成することにより、丸穴相互およびセッタ
32の両端面を相互に連結させてもよい。また、『コル
ゲート材』は、図5(e) に示されるような波板状を成す
ものであり、波の高さすなわち溝深さは例えば0.8(mm)
程度にされている。また、『格子溝』とは、図5(f) に
示されるように一面に互いに直交する二方向に沿って多
数の溝を設けたものである。この格子溝はセッタ32の
両面に設けられている。また、『鍵溝』は、図5(d) に
示されるように、一方向に沿って伸びる複数本の長手状
溝が両面で相互にずれて位置するように設けられたもの
である。これらの溝を設けたものにおいては、数値は各
々の溝の深さを表している。なお、図から明らかなよう
に、格子溝や鍵溝等は、何れも端面に開口するように設
けられている。
【0034】また、『排気』欄において、『N2フロー 』お
よび『Arフロー 』は、炉内を真空排気することに代えて、
熱処理中にそれぞれ窒素ガス或いはアルゴンガスを炉内
に流入、排出したものである。すなわち、これらの場合
には、不活性ガス気流中で熱処理が行われることによ
り、その不活性ガスの排出に伴って炉内で生成されたフ
ェノール樹脂の分解ガスが排出される。この不活性ガス
気流の流入、排出量は、例えば10(l/min) 程度であり、
炉内ガスの全量に対して1(分) 当たり20(vol%)程度が
新たな流入ガスに置換されることになる。
【0035】上記表のNo.5をNo.1,2と対比すると明らか
なように、セッタ32に多孔質体を用いることによっ
て、フェノール樹脂の分解ガスがそのセッタ32に形成
されている気孔を通してセッタ32と成形体30との間
から排出される。そのため、この場合にも分解ガスが成
形体30の近傍に滞留することが抑制されて、成形体3
0中に過剰に含まれているフェノール樹脂の消散が促進
されることから、そのフェノール樹脂の炭化物(炭素)
が活性炭電極10中に多量に残留することが抑制され
る。しかしながら、同様なセッタ32を用いたNo.6〜8
に示されるように、真空排気或いは不活性ガス気流中で
熱処理を施す、すなわち、排気工程を実施することによ
り、一層高いコンデンサ特性を得ることができる。な
お、同様な気孔率のセッタ32を用いているにも拘わら
ずNo.8よりもNo.6の方が高い静電容量が得られているこ
とから、積極的な排気が行われるという点において排気
方法としては不活性ガス気流よりも真空排気の方が適切
であることが推察される。また、No.7はNo.6,8よりもコ
ンデンサ特性が低くなっていることから、セッタ32を
多孔質体から構成する場合には、その気孔率が高い方が
好ましいと考えられる。なお、このような多孔質体のセ
ッタ32においては、殆どの気孔が相互に連通させられ
ていることから、成形体30に当接させられる一面に開
口する気孔は端面にも連通させられており、これによ
り、セッタ32と成形体30との間から分解ガスを排出
するための排出経路が構成されている。
【0036】また、No.9,10 のパンチングメタルを用い
たものにおいては、成形体30とセッタ32との間にパ
ンチングメタルの丸穴に対応する複数の隙間が独立して
形成されることとなる。しかしながら、前記のように活
性炭電極10の焼結密度が0.50〜0.90(g/cm3) 程度と低
いことから明らかなように、成形体30は多孔質に形成
されているため、上記の隙間内で発生した分解ガスは成
形体30内の気孔を通ってセッタ32との間から排出さ
れる。したがって、前記表1に示されるように十分に高
い特性が得られると考えられるが、この丸穴によって形
成される隙間が大きい方が分解ガスの生成すなわちフェ
ノール樹脂の消散が促進されることから、丸穴が大きい
場合(No.10 )の方が高い特性が得られる。なお、この
No.9,10の結果から明らかなように、アルゴン気流中で
熱処理する場合にも、窒素ガス気流中で熱処理した場合
と同様に分解ガスが炉外に排出されることに基づいて、
不活性ガスを充填した単純な雰囲気熱処理よりも高い特
性が得られる。なお、このパンチングメタルを用いた場
合には、上述のように、成形体30とセッタ32との間
で発生した分解ガスの排出経路が成形体30内の気孔に
限られることから、多孔質体を用いた場合よりも特性が
低くなっているが、前述の図5(c) に示されるように丸
穴を通る溝を形成して成形体30とセッタ32との間に
分解ガスの排出経路を確保することによって、フェノー
ル樹脂の消散を促進すれば、一層高い特性が期待でき
る。
【0037】また、No.11 〜14は、セッタ32に種々の
形状の溝を設けたものであるが、何れの場合にも、成形
体30との間に分解ガスの流路(排出経路)が確保され
ていることから、過剰に含まれているフェノール樹脂が
十分に消散させられることとなって、十分に高い特性が
得られる。但し、他のセッタ32を用いた場合よりも、
0.1 (mm)の深さの溝を設けたセッタ32を用いたNo.12
の特性が相対的に低いことから、この程度では溝の深さ
が不十分であると考えられる。この結果から、溝を設け
る場合には深さを0.2 (mm)程度以上とすることが望まし
いと推定される。したがって、No.5〜14において用いら
れているセッタ32のように、分解ガスの排出を促進す
るための流路を形成する凹凸すなわち気孔、穴や溝等
を、成形体30に面接触させられる一面に設けることに
よって、過剰のフェノール樹脂を十分に消散させて活性
炭電極10中に残留する炭化物量を低減させることが可
能である。
【0038】また、下記の表2は、成形体30の製造条
件を種々変更したものである。『容量1 容量2 減少率』
の測定方法および単位は表1と同様である。表におい
て、No.15 〜22は、例えば、工程1の混合工程において
フェノール樹脂の割合を変更することによって、活性炭
電極10の焼結密度を異なるものとしている。成形性を
高めるために混合されているフェノール樹脂の割合を少
なくすると成形密度が低下することから、その割合を適
宜変更することによって焼結密度を調節することが可能
となるのである。なお、No.17,18,19 は、前記表1のN
o.2,5,6とそれぞれ同じものである。また、No.24 〜26
は、No.23 の成形体30に対して、混合工程において例
えばポリメチルメタクリレート(ポリメタクリル酸メチ
ル;PMMA)やMC等の熱可塑性樹脂を例えば20 (wt%)
程度添加し、熱処理時に焼失させることによって焼結体
表面に図5(a) に示されるようなひび割れ或いは図5
(b) に示されるようなマクロ孔を形成したものである。
すなわち、No.24 〜26においては、熱処理工程中に成形
体の一面に凹凸を形成する凹凸形成工程が実施されるこ
とになる。これらのひび割れやマクロ孔の形態や大きさ
等は、上記の樹脂の添加量によって制御され、何れも厚
さ方向に連通するように形成されている。なお、セッタ
32としては、前記表1のNo.14 に示されるメタルに鍵
溝を設けたものを用いているが、緻密質体や多孔質体、
他の形状のセッタ32を用いた場合にも、特性値は異な
るものの同様な傾向を示すと考えられる。
【0039】
【表2】
【0040】No.15 〜22に示されるように成形体30の
密度を変化させた場合には、成形密度を低くする程、す
なわち焼結密度を低くする程、フェノール樹脂の分解ガ
スが成形体30内を通って消散し易くなると共に、活性
炭電極10の比表面積が大きくなることから、高い特性
が得られる。例えば、焼結密度が0.90(g/cm3) 以上で
は、殆ど気孔が存在しない緻密体となるため、比表面積
が小さくなると共に、分解ガスの流路が成形体30内に
確保されない。このため、セッタ32に多孔質体を用い
ると共に熱処理中に真空排気を実施してもそれ程高い特
性が得られず、特に容量減少率の改善が殆ど見られな
い。これに対して、焼結密度を0.90(g/cm3)よりも小さ
くする場合には、比表面積が十分に大きくなることか
ら、真空排気等で分解ガスを炉外に排出し、或いはセッ
タ32に多孔質体を用いて成形体30との間における分
解ガスの滞留を防止して、活性炭電極10中に残留する
炭化物を少なくすることによって、極めて高い特性を得
ることができる。すなわち、熱処理中に分解ガスを排出
し、或いはセッタ32に分解ガスの排出経路を確保する
効果を十分に得るためには、活性炭電極10の焼結密度
を0.90(g/cm3) よりも小さくすることが望ましい。な
お、特にデータは示さないが、焼結密度を低くする程機
械的強度が低下する傾向にあるため、焼結密度は、電気
二重層コンデンサ12を構成した場合のコンデンサ特性
と機械的強度との兼ね合いを考慮して決定することが望
ましい。
【0041】No.24 〜26に示されるように、ひび割れや
マクロ孔を形成した場合には、それらが分解ガスの排出
経路として機能することから、No.23 との対比から明ら
かなように、活性炭電極10内に残留する炭化物量が低
減されることによってコンデンサ特性の向上が見られ
る。なお、『ひび割れ(小)』は、例えば焼結体表面に
形成されたひび割れ(クラック)の開口幅が0.5(μm)程
度のものであり、『ひび割れ(大)』は、その開口幅が
5(μm)程度のものである。表から明らかなように、高い
コンデンサ特性を得るためには、必要な機械的強度が得
られる範囲で可及的に大きなひび割れとすることが望ま
しい。また、No.26 に形成されたマクロ孔は、例えば直
径10 (μm)程度の大きさであり、これが形成されること
によって焼結体の気孔率は20 (%) 程度高められてい
る。特にデータは示さないが、機械的強度を大きく低下
させることなく分解ガスの排出効率を高めるためには、
マクロ孔の直径を小さくしつつそれによる気孔率の増加
すなわちマクロ孔の容量を高めることが好ましい。
【0042】以上説明したように、本実施例のNo.3,4等
によれば、工程4の熱処理工程の実施中に、工程5の排
気工程においてフェノール樹脂の分解ガスが強制的に排
気される。そのため、フェノール樹脂の分解ガスが成形
体30表面近傍に滞留することが抑制されて、その分解
が促進される。したがって、過剰に添加されているフェ
ノール樹脂が十分に消散させられて、熱処理工程の後に
多量に残留することが抑制される。したがって、電気二
重層コンデンサ12を構成した場合に、高いコンデンサ
特性を得ることができるのである。
【0043】また、本実施例のNo.5〜8 等においては、
熱処理工程は、一面に凹凸が設けられたセッタ32のそ
の一面に成形体30が面接触させられた状態で施され
る。そのため、熱処理中に生成されるフェノール樹脂の
分解ガスは、そのセッタ32上の凹凸と成形体との隙間
に形成される流路を介してその一面と成形体30との間
から排出されて消散させられる。したがって、過剰に添
加されているフェノール樹脂が十分に消散させられて、
熱処理工程の後に多量に残留することが抑制される。し
かも、セッタ32を複数枚の成形体30相互の間に介在
させることにより、分解ガスの消散を妨げることなく、
複数枚の成形体30を積み重ねて熱処理し得るため、活
性炭電極10の量産性を高めることが可能となる。
【0044】また、前記表1のNo.5〜8,11〜14に用いら
れているセッタ32においては、気孔や溝等の凹凸が設
けられることにより形成されている凹部が、そのセッタ
32の端面に連続させられることにより、内側位置から
端面に達する気体通路が形成されている。このようにす
れば、セッタ32と成形体30との間に分解ガスの排出
経路が形成されることから、その分解ガスがセッタ32
と成形体30との間から一層排出され易くなるため、フ
ェノール樹脂の残留量が一層少なくなる。なお、活性炭
粉末がフェノール樹脂によって結合された成形体30は
多孔質であることから、例え凹部が端面に開口していな
くとも、分解ガスはその成形体30の内部を通って消散
させられ得るが、上記のようにすれば一層消散させられ
易くなるのである。
【0045】また、本実施例のNo.24 〜26においては、
成形体30には、熱処理工程中に実質的に実施される凹
凸形成工程において、成形体30の一面にひび割れやマ
クロ孔等の凹凸が形成され、熱処理工程は、セッタ32
に面接触させられる成形体30の一面にそのひび割れや
マクロ孔(すなわち凹凸)が形成された状態で施され
る。そのため、熱処理中に生成されるフェノール樹脂の
分解ガスは、その成形体30上の凹凸とセッタ32との
隙間に形成される流路を介してその一面とセッタ32と
の間から排出されて消散させられる。したがって、過剰
に添加されているフェノール樹脂が十分に消散させられ
て、熱処理工程の後に多量に残留することが抑制され
る。しかも、成形体30自身に凹凸が設けられているこ
とから、例えば緻密質体のセッタ32を介して複数枚の
成形体30を積み重ねて熱処理を施した場合にも、分解
ガスの消散が妨げられないため、固体活性炭電極の量産
性を高めることが可能となる。
【0046】以上、本発明の一実施例を図面を参照して
詳細に説明したが、本発明は、更に別の態様でも実施さ
れる。
【0047】例えば、実施例においては、熱処理中に分
解ガスを排出するために真空排気或いは窒素ガス、アル
ゴンガス等の不活性ガス気流を用いたが、例えば、ヘリ
ウムやネオン、二酸化炭素等の他の不活性ガス気流中で
熱処理を行ってもよい。
【0048】また、実施例においては、セッタ32の表
面に凹凸を形成するために設けられる溝は、格子溝或い
は鍵溝とされていたが、これらに限られず種々の形状の
溝が設けられてもよい。例えば、両面にそれぞれストラ
イプ状の溝を設ける場合には、互いに直交する一方向お
よび他方向に沿ってそれぞれ設けてもよい。
【0049】また、実施例においては、原料中にPMMA等
の樹脂を混合することによって、熱処理工程において成
形体30にひび割れ或いはマクロ孔(凹凸)を形成して
いたが、例えば、成形体30を冷間加圧成形するに際し
て、加圧面に凹凸形状が形成された成形型を用いること
によって、成形すると同時に凹凸を形成してもよい。ま
た、成型後に切削や穿孔等の機械加工によって凹凸を形
成することもできる。
【0050】また、実施例においては、セッタ32はカ
ーボン、アルミナ、SUS310等から構成されていた
が、例えば、金、白金等の貴金属、タングステン、モリ
ブデン等の高融点金属、ニッケル基耐蝕耐熱合金、SU
S310以外のステンレス材等の耐熱性合金や、ジルコ
ニア系、シリカ系、マグネシア系、イットリア系、チタ
ニア系等のセラミックス、或いは、耐熱ガラスから構成
されてもよい。
【0051】また、実施例においては、熱硬化性樹脂と
してフェノール樹脂を 40(wt%) 添加したが、添加する
熱硬化性樹脂の種類や量は、各工程の条件や使用装置、
目標とする活性炭電極10の焼結密度等に応じて適宜変
更される。例えば、尿素樹脂やメラミン樹脂等の他の熱
硬化性樹脂を用いてもよく、添加量は 40(wt%) よりも
多く、或いは少なくされてもよい。
【0052】また、実施例においては、成形工程におい
て冷間加圧成形によって造粒粉体から所定の成形体を成
形したが、例えばホットプレス等の熱間加圧成形や、押
し出し成形法、射出成形法、粉末圧延法、ドクターブレ
ード法等によって成形を行っても差し支えない。
【0053】また、実施例においては、スラリーを作製
するための溶剤にアルコールが用いられていたが、例え
ば、水、アセトン等のケトン類、ジエチルエーテル等の
エーテル類、酢酸メチル等のエステル類、ヘキサン等の
炭化水素類、トルエン等の芳香族類等が用いられても差
し支えない。すなわち、混合工程において熱硬化性樹脂
が十分に溶解されて良好な分散性が得られる溶剤であれ
ば、種々のものを用いることが可能である。なお、実施
例においては、溶剤の添加量が活性炭粉末および熱硬化
性樹脂の混合物の全量に対して200(wt%) とされたが、
この添加量は、混合および乾燥に適切な混合物の粘度に
応じて適宜変更される。
【0054】また、実施例においては、本発明が電気二
重層コンデンサ12に用いられる活性炭電極10の製造
に適用された場合について説明したが、本発明は、他の
例えば電池等に適用される活性炭電極10の製造にも同
様に適用される。
【0055】また、熱処理の際の温度は実施例で示され
るような900(℃) 程度に限られず、例えば600(℃) 程
度、或いは1000 (℃) 程度とされても良い。すなわち、
熱処理の際の温度は、活性炭が酸化させられず且つ熱硬
化性樹脂が十分に消散および炭化させられる範囲で適宜
変更される。
【0056】また、実施例においては、噴霧乾燥法によ
ってスラリーを乾燥すると同時に造粒したが、例えば、
工程1の混合工程後に、例えば真空乾燥機を用いてスラ
リーを真空中で乾燥することにより残存する溶剤を除去
して固化し、これを例えばアトライタ等によって粉砕
し、更に例えば所定の目開きのメッシュを通すことによ
り造粒してもよい。
【0057】その他、一々例示はしないが、本発明はそ
の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更を加え得るものであ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の製造方法により製造された
活性炭電極が適用された電気二重層コンデンサの断面構
造を示す図である。
【図2】図1の電気二重層コンデンサの作動を説明する
ための模式図である。
【図3】図1の活性炭電極の製造方法を示す工程図であ
る。
【図4】図3の工程4の熱処理工程における成形体の載
置方法を説明する図である。
【図5】(a) ,(b) は成形体表面に凹凸が設けられる場
合の形態の一例を示すものであり、(c) 〜(f) はセッタ
に凹凸が設けられる場合の形態の一例を示す図である。
【符号の説明】
10:活性炭電極 30:成形体 32:セッタ
フロントページの続き (72)発明者 吉備 ゆかり 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内 (72)発明者 齋藤 貴之 東京都港区芝五丁目7番1号 日本電気株 式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性炭粉末が熱硬化性樹脂によって結合
    された成形体を真空または非酸化性雰囲気下で熱処理す
    ることにより、該熱硬化性樹脂を炭化して活性炭電極を
    得る熱処理工程を含む活性炭電極の製造方法であって、 前記熱処理工程の実施中において前記熱硬化性樹脂の分
    解ガスを強制的に排気する排気工程を含むことを特徴と
    する活性炭電極の製造方法。
  2. 【請求項2】 活性炭粉末が熱硬化性樹脂によって結合
    された成形体を真空または非酸化性雰囲気下で熱処理す
    ることにより、該熱硬化性樹脂を炭化して活性炭電極を
    得る熱処理工程を含む活性炭電極の製造方法であって、 一面に凹凸が設けられた板状部材の該一面に前記成形体
    が面接触させられた状態で前記熱処理工程を実施するこ
    とを特徴とする活性炭電極の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記板状部材は、前記一面に凹凸が設け
    られることにより形成されている凹部が、該板状部材の
    端面に連続させられることにより、内側位置から端面に
    達する気体通路が形成されているものである請求項2の
    活性炭電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 活性炭粉末が熱硬化性樹脂によって結合
    された成形体を所定の板状部材に面接触させた状態で真
    空または非酸化性雰囲気下で熱処理することにより、該
    熱硬化性樹脂を炭化して活性炭電極を得る熱処理工程を
    含む活性炭電極の製造方法であって、 前記板状部材に面接触させられる前記成形体の一面に凹
    凸を形成する凹凸形成工程を含み、前記熱処理工程は、
    該一面に凹凸が形成された状態で実施されることを特徴
    とする活性炭電極の製造方法。
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