JPH1024660A - 熱転写記録材料 - Google Patents

熱転写記録材料

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JPH1024660A
JPH1024660A JP18087496A JP18087496A JPH1024660A JP H1024660 A JPH1024660 A JP H1024660A JP 18087496 A JP18087496 A JP 18087496A JP 18087496 A JP18087496 A JP 18087496A JP H1024660 A JPH1024660 A JP H1024660A
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勝弘 吉田
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Fujicopian Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 転写性が良好で、かつ耐熱性、耐溶剤性、耐
擦過性の優れた印像を形成しうる熱転写記録材料を提供
すること。 【解決手段】 基材上に、少なくとも、熱溶融性ビヒク
ルと着色剤とからなる熱溶融性インク層が設けられてな
り、前記熱溶融性ビヒクル中に、フルオレン骨格を有す
るエポキシ樹脂が50重量%以上含有されてなることを
特徴とする熱転写記録材料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は耐熱性、耐溶剤性、
耐擦過性などの優れた印像を形成するための熱転写記録
材料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の熱転写記録材料は一般に、基材上
にワックスをビヒクルの主成分とする熱溶融性インクを
塗布したものや、表面平滑性に劣る紙にも良好な品質の
印像を形成するため、あるいは耐擦過性の良好な印像を
形成するために、樹脂をビヒクルの主成分とする熱溶融
性インクを塗布したものである。
【0003】近年、製造工場における製造工程での部
品、製品の管理、流通分野における商品管理、使用現場
における物品管理などに使用されているバーコードなど
を印字するのに、熱転写記録材料を使用するバーコード
プリンターやラベルプリンターが用いられるようになっ
てきている。
【0004】このようなバーコードを付する物品などの
中には、バーコードを付した後に高温に曝されるものが
ある。たとえば、プリント配線板の製造工程では180
℃程度、半導体の検査工程では250℃程度の加熱処理
が施されるので、このような高温度に耐える耐熱性が必
要になる。また製造工場などにおける製品管理に使用す
るバーコードなどの場合、溶剤、油などに接触する機会
が多いから、良好な耐溶剤性が要求される。また流通分
野などで使用するバーコードなどの場合、擦られる機会
が多いから、良好な耐擦過性が要求される。
【0005】さらに、バーコードに限らず商業印刷分野
では野外広告、選挙ポスター、一般ポスター、立看板、
ステッカー、カタログ、パンフレット、カレンダー等、
パッケージ分野では軽包装袋、食品、飲料、薬品、塗料
等の容器ラベル、結束テープ等、衣料分野では品質表示
ラベル、工程管理用ラベル、製品管理用ラベル等の多品
種少量生産のものには熱転写プリンターが用いられるよ
うになってきており、これらにも同じく耐熱性、耐溶剤
性、耐擦過性などが求められる場合がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
熱転写記録材料には、転写性が優れ、かつ耐熱性、耐溶
剤性、耐擦過性などを共に満足する印像を形成し得るも
のはなかった。
【0007】すなわち、従来の、ワックスをビヒクルの
主体とする熱溶融性インクを用いる熱転写記録材料の場
合、転写性は良好であるが、得られた印像は250℃程
度の高温に曝されると分解され崩れて読めなくなる場合
があり、さらに耐溶剤性や耐擦過性も不充分である。ま
たエチレン−酢酸ビニル共重合体などの樹脂をビヒクル
の主体とするものは、耐熱性、耐溶剤性、耐擦過性は比
較的優れているが、溶融粘度が高く転写性はワックス主
体のものより劣る。
【0008】本発明の課題は、前記の点に鑑みて、転写
性が良好で、かつ耐熱性、耐溶剤性、耐擦過性などが良
好な印像を形成しうる熱転写記録材料を提供することに
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、(1)基材上
に、少なくとも、熱溶融性ビヒクルと着色剤とからなる
熱溶融性インク層が設けられてなり、前記熱溶融性ビヒ
クル中に、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂が50
重量%以上含有されてなることを特徴とする熱転写記録
材料に関する。
【0010】本発明はさらに、(2)前記熱溶融性イン
ク層に、さらにポリテトラフルオロエチレン粒子が1〜
50重量%含有されてなることを特徴とする前記(1)
項記載の熱転写記録材料に関する。
【0011】本発明はさらに、(3)前記熱溶融性イン
ク層に、前記ポリテトラフルオロエチレン粒子に加えて
さらにワックス粒子が含有されてなることを特徴とする
前記(2)項記載の熱転写記録材料に関する。
【0012】本発明はさらに、(4)前記熱溶融性ビヒ
クルの前記熱溶融性インク層中における含有量が40〜
95重量%であることを特徴とする前記(1)、(2)
または(3)項記載の熱転写記録材料に関する。
【0013】本発明はさらに、(5)前記基材と前記熱
溶融性インク層との間に、バインダー樹脂、ポリテトラ
フルオロエチレン粒子およびワックス粒子からなるイン
ク強化層が設けられてなり、バインダー樹脂がインク強
化層中に5〜95重量%含有されてなることを特徴とす
る前記(1)、(2)、(3)または(4)項記載の熱
転写記録材料に関する。
【0014】本発明はさらに、(6)前記基材と前記イ
ンク強化層との間に、ワックスからなる層が設けられ、
該層の針入度が1以下であることを特徴とする前記
(5)項記載の熱転写記録材料に関する。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明における熱溶融性インク層
は、熱溶融性ビヒクルと着色剤とからなり、前記熱溶融
性ビヒクル中に、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂
が50%(重量%、以下同様)以上含有されてなるもの
である。
【0016】本発明においては、熱溶融性インクのビヒ
クルの主成分として、フルオレン骨格を有するエポキシ
樹脂を用いることによって、ビヒクルの主成分として樹
脂を用いているにもかかわらずインクの転写性を損なわ
ずに、得られる印像の耐熱性、耐溶剤性および耐擦過性
を大巾に向上せしめることができる。ビヒクル中におけ
るフルオレン骨格を有するエポキシ樹脂の割合が50%
未満になると、このエポキシ樹脂の使用効果が充分に発
揮されない。
【0017】本発明で用いるフルオレン骨格を有するエ
ポキシ樹脂は、式(I):
【0018】
【化1】
【0019】で表わされるエポキシ樹脂である。市販品
は70〜90℃程度の軟化点を有する。
【0020】本発明においては、熱溶融性インクのビヒ
クルの全量を前記フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂
で構成することによって、とくに耐熱性および耐溶剤性
の優れた印像が得られるが、必らずしもその必要はな
く、ビヒクルの50%以上、なかんずく70%以上がフ
ルオレン骨格を有するエポキシ樹脂であればよい。
【0021】本発明で使用できる他のビヒクル成分とし
ては、フルオレン骨格を有するエポキシ樹脂以外のエポ
キシ樹脂を含む熱溶融性樹脂などが挙げられる。
【0022】本発明で前記特定のエポキシ樹脂と併用で
きるその他のエポキシ樹脂としては、たとえばビスフェ
ノールAジグリシジルエーテル、臭素化ビスフェノール
Aジグリシジルエーテル、ビスフェノールFジグリシジ
ルエーテル、臭素化ビスフェノールFジグリシジルエー
テル、水素添加ビスフェノールAジグリシジルエーテ
ル、テトラフェノールエタンテトラグリシジルエーテ
ル、クレゾールノボラックポリグリシジルエーテル、ナ
フトール変性クレゾールノボラックポリグリシジルエー
テルなどが挙げられる。これらその他のエポキシ樹脂を
使用する場合は、単独でまたは2種以上混合して使用で
きる。
【0023】エポキシ樹脂以外の熱溶融性樹脂として
は、たとえばエチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、エチレ
ン−アルキル(メタ)アクリレート共重合樹脂、フェノ
ール樹脂、スチレン−アクリル共重合樹脂、ポリエステ
ル樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。
【0024】前記他のビヒクル成分はビヒクル全量の5
0%以下で使用するのが好ましい。
【0025】前記ビヒクル全体は熱転写記録材料の保存
安定性および転写性の点から軟化温度が60〜120℃
の範囲が好ましい。
【0026】前記ビヒクルの熱溶融性インク層中におけ
る含有量は、転写性などの点から、40〜95%、なか
んづく60〜90%の範囲が適当である。
【0027】本発明においては、熱溶融性インク層にポ
リテトラフルオロエチレン粒子(以下、PTFE粒子と
いう)を含有させるのが好ましい。ビヒクルとしてのエ
ポキシ樹脂にPTFE粒子を分散させることにより、転
写時のインク層のキレが向上される。また転写により得
られた印像の表面にPTFE粒子が存在するため、耐擦
過性がより向上される。ここで、PTFEはテトラフル
オロエチレンのホモポリマーであっても良く、テトラフ
ルオロエチレンと他の少量の変性用モノマーとの共重合
体であっても良い。
【0028】前記PTFE粒子としては、平均粒径が
0.01〜15μm、なかんづく0.01〜5μmの範
囲にあるものが好ましい。平均粒径が前記範囲未満で
は、充分な耐擦過性が得られない傾向があり、一方前記
範囲を超えると、転写性が悪くなる傾向がある。
【0029】前記PTFE粒子の熱溶融性インク層中に
おける含有量は、1〜50%、なかんづく5〜30%の
範囲が好ましい。PTFE粒子の含有量が前記範囲より
少ないと、印像の耐擦過性向上効果が充分に発揮されな
い場合がある。一方、前記範囲より多いと、転写性が悪
くなる傾向がある。
【0030】PTFE粒子はバルクの形態で、あるいは
有機溶剤または水に分散した分散液ないしエマルジョン
の形態で使用できる。
【0031】本発明においては、前記PTFE粒子に加
えてワックス粒子を併用することにより、得られる印像
の耐擦過性がより向上される。なお、本発明において
は、ワックス粒子は熱溶融性ビヒクルに含まれないもの
とする。
【0032】前記ワックス粒子としては、平均粒径が
0.01〜15μm、なかんづく0.01〜5μmの範
囲にあるものが好ましい。平均粒径が前記範囲未満で
は、充分な耐擦過性が得られない傾向があり、一方前記
範囲を超えると、転写性が悪くなる傾向がある。
【0033】PTFE粒子とワックス粒子を併用する場
合、両粒子の合計の熱溶融性インク層中における含有量
は、1〜50%、なかんづく5〜30%の範囲が好まし
い。両粒子の合計の含有量が前記範囲より少ないと、印
像の耐擦過性向上効果が充分に発揮されない場合があ
る。一方、前記範囲より多いと、転写性が悪くなる傾向
がある。
【0034】またPTFE粒子とワックス粒子を併用す
る場合、両者の合計量対して、PTFE粒子の割合が5
0〜90%、なかんづく50〜70%の範囲が好まし
い。PTFE粒子の割合が前記範囲より少ないと印像の
耐熱性および耐溶剤性が若干低下する場合があり、一方
前記範囲より多いと耐擦過性向上効果が充分に発揮され
ない場合がある。
【0035】前記ワックス粒子としては、たとえばカル
ナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス
などの植物系ワックス、ミツロウ、ラノリンなどの動物
系ワックス、モンタンワックス、セレシンワックスなど
の鉱物系ワックス、パラフィンワックス、マイクロクリ
スタリンワックスなどの石油系ワックス、フィッシャー
トロプッシュワックス、ポリエチレンワックス、酸化ポ
リエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化ポ
リプロピレンワックスなどの合成炭化水素系ワックスな
どの1種または2種以上からなるワックス粒子の1種ま
たは2種以上からなるものが使用できる。とくにワック
ス粒子表面の滑り性が良好である点から、ポリエチレン
ワックス、酸化ポリエチレンワックス、ポリプロピレン
ワックス、酸化ポリプロピレンワックス、フィッシャー
トロプッシュワックスおよびカルナバワックスが好まし
い。
【0036】ワックス粒子はバルクの形態で、あるいは
有機溶剤または水に分散した分散液ないしエマルジョン
の形態で使用できる。
【0037】本発明に用いる着色剤としては、カーボン
ブラックをはじめ、アゾ系顔料(不溶性アゾ、アゾレー
キ、縮合アゾ顔料)、フタロシアニン系顔料、ニトロ系
顔料、ニトロソ系顔料、アントラキノン系顔料、ニグロ
シン系顔料、キナクリドン系顔料、ペリレン系顔料、イ
ソインドリノン系顔料、ジオキサジン系顔料、チタンホ
ワイト、炭酸カルシウム、硫酸バリウムなど各種有機、
無機の顔料が使用できる。色調の調整のために、染料を
併用しても良い。着色剤のインク層中における含有量は
5〜50%、なかんづく10〜40%の範囲が適当であ
る。
【0038】減法混色を利用して多色またはフルカラー
の印像を形成する場合には、イエロー、マゼンタ、シア
ンの着色剤、および要すればブラックの着色剤が使用さ
れる。
【0039】イエロー、マゼンタ、シアンの着色剤とし
ては透明性顔料が好ましく用いられる。ブラックの着色
剤は通常不透明性顔料が使用される。
【0040】イエローの透明性顔料としては、たとえば
ナフトールエローS、ハンザエロー5G、ハンザエロー
3G、ハンザエローG、ハンザエローGR、ハンザエロ
ーA、ハンザエローRN、ハンザエローR、ベンジジン
エロー、ベンジジンエローG、ベンジジンエローGR、
パーマネントエローNCG、キノリンエローレーキなど
の有機顔料の1種または2種以上が使用できる。
【0041】マゼンタの透明性顔料としては、たとえば
パーマネントレッド4R、ブリリアントファストスカー
レット、ブリリアントカーミンBS、パーマネントカー
ミンFB、リソールレッド、パーマネントレッドF5
R、ブリリアントカーミン6B、ピグメントスカーレッ
ト3B、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、ア
リザリンレーキ、キナクリドンレッドなどの有機顔料の
1種または2種以上が使用できる。
【0042】シアンの透明性顔料としては、たとえばビ
クトリアブルーレーキ、無金属フタロシニアニンブル
ー、フタロシニアニンブルー、フアストスカイブルーな
どの有機顔料の1種または2種以上が使用できる。
【0043】ここで、前記透明性顔料とは、透明なビヒ
クル中に分散させたとき、透明に着色されたインクを与
える顔料を言う。
【0044】ブラックの顔料としては、たとえば絶縁性
や導電性を有するカーボンブラックなどの無機顔料、ア
ニリンブラックなどの有機顔料の1種または2種以上が
使用できる。
【0045】本発明における熱溶融性インク層には前記
成分の他に、分散剤などを適宜配合することができる。
【0046】本発明における熱溶融性インク層は、前記
特定のエポキシ樹脂を溶解する溶剤に溶解するか、ある
いは前記特定のエポキシ樹脂を溶解しない溶剤に分散
し、さらに着色剤、必要に応じてPTFE粒子(または
PTFE粒子とワックス粒子)、その他の添加剤を溶
解、分散させて塗工液を調製し、この塗工液を基材上に
塗布し、乾燥することによって形成できる。
【0047】本発明における熱溶融性インク層の塗布量
(固形分換算、以下同様)は、通常0.02〜5g/m
2、より好ましくは0.5〜3g/m2が適当である。
【0048】前記基材としては、ポリエチレンテレフタ
レートフィルム、ポリブチレンテレフタレートフィル
ム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリブチレン
ナフタレートフィルム、ポリアリレートフィルムなどの
ポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポ
リアミドフィルム、アラミドフィルム、ポリエーテルス
ルホンフィルム、ポリスルホンフィルム、ポリフェニレ
ンスルフィドフィルム、ポリエーテルエーテルケトンフ
ィルム、ポリエーテルイミドフィルム、変性ポリフェニ
レンエーテルフィルム、ポリアセタールフィルム、その
他この種のインクリボンの基材用フィルムとして一般に
使用されている各種のプラスチックフィルムが使用でき
る。またコンデンサーペーパーのような高密度の薄い紙
も使用できる。基材の厚さは通常1〜10μm程度であ
り、熱拡散を小さくして解像度を高めうる点からは1〜
6μmの範囲が好ましい。
【0049】本発明の熱転写記録材料をサーマルヘッド
を備えた熱転写プリンターで使用する場合は、基材の背
面(サーマルヘッドに摺接する側の面)にシリコーン樹
脂、フッ素樹脂、ニトロセルロース樹脂、あるいはこれ
らによって変性された、たとえばシリコーン変性ウレタ
ン樹脂、シリコーン変性アクリル樹脂など各種の耐熱性
樹脂、あるいはこれら耐熱性樹脂に滑剤を混合したもの
などからなる、従来から知られているスティック防止層
を設けるのが好ましい。
【0050】本発明の好ましい実施態様においては、基
材と熱溶融性インク層との間にインク強化層が設けられ
る。インク強化層を設けることにより、転写後の印像表
面にインク強化層が存在することになり、耐擦過性がよ
り向上される。
【0051】前記インク強化層は、バインダー樹脂、P
TFE粒子およびワックス粒子で構成するのが好まし
い。このPTFE粒子およびワックス粒子としては前記
熱溶融性インク層に使用したものが好ましく使用でき
る。バインダー樹脂としては耐擦過性向上の点から、特
にアクリル樹脂、ポリエステル樹脂などが好ましい。
【0052】インク強化層における各成分の割合は、イ
ンク強化層全量に対して、PTFE粒子3〜50%、ワ
ックス粒子2〜45%およびバインダー樹脂5〜95%
の範囲が好ましい。
【0053】前記アクリル樹脂としては、たとえばポリ
メチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリ
エチルメタクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリ
ブチルメタクリレート、ポリブチルアクリレート、また
はこれらの共重合体などの1種または2種以上が使用で
きる。
【0054】前記インク強化層に用いるPTFE粒子は
分散液、なかんづく溶剤分散液の形態で使用するのが好
ましい。このような分散液を調製する際には、良好な分
散性を得るために分散剤としてフッ素系界面活性剤を使
用するのが好ましい。このフッ素系界面活性剤として
は、高分子フッ素系界面活性剤が好ましく使用される。
高分子フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアル
キル基(炭素数6〜10のものが好ましい)を含有する
アクリル樹脂、アクリルモノマーとエチレンオキサイド
とからなる共重合体でパーフルオロアルキル基(炭素数
6〜10のものが好ましい)を含有するものなどが挙げ
られる。このような高分子フッ素系界面活性剤はバイン
ダー樹脂としても機能するから、これを前記バインダー
樹脂の全部または一部として使用することができる。
【0055】インク強化層の塗布量は、0.3〜2g/
2、なかんづく0.5〜1.5g/m2が好ましい。塗
布量が前記範囲未満ではインク強化効果が充分に奏され
ない傾向があり、一方前記範囲より多いと転写性が劣る
傾向がある。
【0056】インク強化層は、バインダー樹脂の分散液
または溶液にPTFE粒子とワックス粒子を混合した塗
工液を基材または後述のワックス層上に塗布し、乾燥す
ることにより形成できる。
【0057】本発明の他の好ましい実施態様において
は、基材とインク強化層との間に針入度が1以下のワッ
クス層が設けられる。該ワックス層を設けることによ
り、インク強化層の離型性が向上され、転写性が良好と
なる。
【0058】前記ワックスとしては、カルナバワック
ス、ポリエチレンワックスなどの1種または2種以上か
らなる混合物が挙げられる。
【0059】前記ワックス層はワックスの溶剤溶液、溶
剤分散液または水性エマルジョンを基材上に塗布し、乾
燥することにより形成することができる。またホットメ
ルトコーティング法により形成することができる。
【0060】前記ワックス層の塗布量は、通常0.01
〜2.0g/m2、より好ましくは0.1〜1.0g/
2が適当である。ワックス層の塗布量が前記範囲未満
では所期の効果が奏され難い傾向があり、一方前記範囲
より多いと転写性が悪くなる場合がある。
【0061】本発明の熱転写記録材料には、単色の印像
を形成するための熱転写記録材料と減法混色を利用して
多色またはフルカラーの印像を形成するためのカラー用
熱転写記録材料が含まれる。
【0062】単色の印像を形成するための熱転写記録材
料は、基材(またはインク強化層)上に単色の熱溶融性
インク層を設けたものである。熱溶融性インク層の色と
しては、黒、赤、青、緑、イエロー、マゼンタ、シアン
などが挙げられる。
【0063】多色またはフルカラーの印像を形成するた
めのカラー熱転写記録材料の一つの実施態様のものは、
単一の基材(またはインク強化層)上に、イエローの熱
溶融性インク層、マゼンタの熱溶融性インク層およびシ
アンの熱溶融性インク層、ならびに要すればブラックの
熱溶融性インク層を並べて配置したものである。前記各
色のインク層の配置方法としては種々の態様が挙げら
れ、プリンターの種類に応じて適宜選択される。
【0064】図1は前記実施態様の熱転写記録材料の一
実施例を示す部分平面図である。図1において、単一の
基材1上にイエローの熱溶融性インク層2Y、マゼンタ
の熱溶融性インク層2Mおよびシアンの熱溶融性インク
層2Cが並べて配置されている。インク層2Y、2Mお
よび2Cはそれぞれ一定の大きさを有し、それらの一定
順序の並びを1つの繰返し単位Uとして基材1の長手方
向に繰返し並べて配置されている。繰返し単位Uにおけ
る3色のインク層の並べ方の順序は各色の転写順序に従
って適宜決められる。繰返し単位Uにはブラックのイン
ク層を加えても良い。
【0065】多色またはフルカラーの印像を形成するた
めのカラー熱転写記録材料の他の実施態様のものは、1
つの基材(またはインク強化層)上にイエローの熱溶融
性インク層を設けた第1の熱転写記録材料、他の基材
(またはインク強化層)上にマゼンタの熱溶融性インク
層を設けた第2の熱転写記録材料、およびさらに他の基
材(またはインク強化層)上にシアンの熱溶融性インク
層を設けた第3の熱転写記録材料、ならびに要すればさ
らに他の基材(またはインク強化層)上にブラックの熱
溶融性インク層を設けた第4の熱転写記録材料のセット
からなるものである。
【0066】前記カラー画像形成用熱転写記録材料を用
いると、耐擦過性の優れた多色またはフルカラー画像が
得られる。さらに本発明における各色の熱溶融性インク
層は重ね合せ性が良好であるため、色再現性の良好なカ
ラー画像が得られる。
【0067】本発明の熱転写記録材料を用いて印像を形
成するには、熱転写記録材料のインク層を被転写体と重
ね合せ、インク層に像状に熱エネルギーを与える。熱エ
ネルギーを与える熱源としてはサーマルヘッドが一般的
であるが、レーザー光、赤外線フラッシュ、熱ペンなど
公知のものがいずれも使用できる。
【0068】被転写体がシート状物でない立体形状の場
合、その表面が曲面である場合などにおいては、熱エネ
ルギーの適用が容易な点から、レーザー光による熱転写
が有利である。
【0069】本発明の前記カラー画像形成用熱転写記録
材料を用いる多色またはフルカラーの画像の形成は、通
常熱転写プリンタで多色のカラー画像の分解色信号、す
なわちイエロー信号、マゼンタ信号、シアン信号に従っ
て、イエローインクドット、マゼンタインクドット、シ
アンインクドットをそれぞれ所定の順序で順次重ね転写
して受像体上にイエローの分解画像、マゼンタの分解画
像、シアンの分解画像を形成することによって行なうこ
とができる。イエローインクドット、マゼンタインクド
ット、シアンインクドットの転写順序は任意に選択でき
る。通常の多色またはフルカラー画像の場合は3色の色
信号に従って3色の分解画像が形成されるが、2色の色
信号しかない場合は対応する2色の分解画像が形成され
る。
【0070】かくして、(A)イエロー、マゼンタおよ
びシアンのうちの少なくとも2種の減法混色により色が
発現される領域、または(B)前記(A)の領域と、イ
エロー、マゼンタおよびシアンのうちの少なくとも1種
からなる単色の領域との組合せからなる領域を含む多色
のカラー画像が得られる。ここで、イエローインクドッ
トとマゼンタインクドットの重ね合せ部分でレッド色
が、イエローインクドットとシアンインクドットの重ね
合せ部分でグリーン色が、マゼンタインクドットとシア
ンインクドットの重ね合せ部分でブルー色が、イエロー
インクドットとマゼンタインクドットとシアンインクド
ットの重ね合せ部分でブラック色が呈せられる。
【0071】前記においてはブラック色をイエローイン
クドットとマゼンタインクドットとシアンインクドット
の重ね合せで得ているが、3色のインクドットを使用せ
ずに、ブラックインクドットのみでブラック色を得るよ
うにしても良い。
【0072】なおブラックインクドットをイエローイン
クドット、マゼンタインクドット、シアンインクドット
の少なくとも1種の上にまたは少なくとも2種が重ね合
わされた上に重ね合せて、ブラック色を呈するようにし
ても良い。
【0073】本発明の熱転写記録材料は、前記のごとく
耐熱性の優れた印像を与えるので、150℃以上の温度
で加熱処理を受ける被転写体に印像を形成するのに好適
に使用される。被転写体の受ける加熱処理の温度が高す
ぎると、ビヒクル成分が分解し、印像としての形態が消
失される傾向にあるので、被転写体の受ける加熱処理の
温度は280℃程度以下であるのが好ましい。
【0074】本発明の熱転写記録材料を用いて印像を形
成する場合、目的とする被転写体に直接印像を形成して
もよいが、予めシート状の被転写体(受像体)に印像を
形成したのち、この受像体を目的とする被転写体に耐熱
性接着剤などの適宜の手段で貼付してもよい。
【0075】前記シート状の受像体としては、各種の耐
熱性シート状物が使用できるが、特開平8−2131号
公報に開示されているものが好ましく使用される。この
ものは、基材の片面に、白色顔料と有機バインダーを必
須成分とする受像層が設けられ、他面に耐熱性粘着層が
設けられた受像体であって、前記有機バインダーがフェ
ノキシ樹脂、またはフェノキシ樹脂と飽和ポリエステル
樹脂とからなるものである。その他、ポリイミドなどの
耐熱性樹脂のシート状物、ガラス繊維やセラミック繊維
の布状物、これに耐熱性樹脂を塗布あるいは含浸させた
もの、ガラスやセラミックスのシート状物、金属のシー
ト状物などが挙げられる。
【0076】本発明の熱転写記録材料を用いて被転写体
上に形成された印像は熱処理を施すことによって耐熱
性、耐溶剤、耐スクラッチ性が大幅に向上される。
【0077】熱処理は、印像を150〜250℃の雰囲
気中で、15〜60分間加熱することによって行なうこ
とができる。このような熱処理によって、エポキシ樹脂
が架橋を起し、そのため堅牢度が向上するものと推定さ
れている。
【0078】プリント配線板や半導体など後工程で前記
熱処理と同等な加熱処理を受ける物品に施される印像の
場合は、前記熱処理を施す必要は特にない。
【0079】本発明の熱転写記録材料は、耐熱性、耐溶
剤性の優れた印像を与えるので、被転写体が、プリント
配線板など製造工程において、半導体など検査工程にお
いて、150〜280℃程度の高温で加熱処理を受ける
ものに印像を形成するのにとくに好適に使用される。
【0080】
【実施例】つぎに実施例を挙げて本発明を説明する。
【0081】実施例1〜7および比較例1〜2 厚さ5μmのポリエチレンテレフタレートフィルムの片
面にシリコーン樹脂からなる塗布量0.25g/m2
スティック防止層を形成し、その反対側に表1に示され
るインク塗工液を塗布し、70℃で乾燥して、塗布量2
g/m2の熱溶融性インク層を形成し、熱転写記録材料
を得た。
【0082】表1に示される粒子の平均粒径は(株)島
津製作所製レーザー回析粒度分布測定装置SALD−1
100で測定した。
【0083】前記実施例5〜7においては、表2に示さ
れるインク強化層用塗工液を基材上に塗布し、70℃で
乾燥して、塗布量0.5g/m2のインク強化層を形成
した。さらに、実施例7においては、表2に示されるワ
ックス層用塗工液を基材上に塗布し、70℃で乾燥し
て、針入度1以下、塗布量0.3g/m2のワックス層
を形成し、その上に前記インク強化層を形成した。な
お、針入度はJIS K2235に規定される針入度測
定方法により25℃で測定した。
【0084】
【表1】
【0085】
【表2】
【0086】前記各熱溶融性インクについて耐熱性を、
また前記各熱転写記録材料について転写性、耐溶剤性、
耐擦過性(耐クロッキング性、耐スミアー性)を下記の
方法で評価した。結果を表3に示す。
【0087】[耐熱性]乾燥後の各インクを約10mg
電子天秤で秤量し、熱オーブン中で250℃で1時間加
熱処理したのち重量を測定し、次式で示されるインク残
分率(%)を求め、耐熱性を評価した。残分率が80%
以上であれば。実用上問題がない。
【0088】インク残分率(%)=(加熱処理後の重量
/加熱処理前の重量)×100 [転写性]前記各熱転写記録材料を用い、熱転写方式バ
ーコードプリンタ((株)テック製B−30)で受像体
[リンテック(株)製銀ネーマ(ポリエステルフィルム
の片面にアルミニウムを蒸着し、その上に粘着剤層を設
けたものであって、ポリエステルフィルム表面に印像を
形成するもの)]上にバーコードパターンの印像を下記
条件下で形成した。 印加エネルギー:22.6mJ/mm2 印字速度:2インチ/秒 プラテン圧:強(使用したプリンタで規定されているも
の) 得られた印像についてRJS ENTERPRISE
S,INC製のバーコード読取り機(コーダスキャンI
I)による読取り判定を行なった。バーコード読取り機
の判定基準は次の通りである。 A 完全に読み取れる。 B ほぼ完全に読み取れる。 C 実用的に問題なく読み取れる。 D 一部読み取れる。 E 読み取り不可。
【0089】[耐溶剤性]前記転写性試験の場合と同様
にして銀ネーマ上に形成したバーコードパターンの印像
について下記に示す条件で摩擦試験を行ない、摩擦試験
後の印像について前記転写性試験の場合と同様にしてバ
ーコード読取り機による読取り判定を行なった。 試験機:アトラス エレクトリック デバイス社製 A.A.T.C.C.クロックメータモデルCM−1 摩擦材:綿布(エタノール、ガソリンまたはケロシンを
含浸させたもの) 圧 力:500g/cm2 回 数:30回往復 [耐擦過性(耐クロッキング性)]前記転写性試験の場
合と同様にして銀ネーマ上に形成したバーコードパター
ンの印像について下記に示す条件で摩擦試験を行ない、
摩擦試験後の印像について前記転写性試験の場合と同様
にしてバーコード読取り機による読取り判定を行なっ
た。 試験機:アトラス エレクトリック デバイス社製 A.A.T.C.C.クロックメータモデルCM−1 摩擦材:綿布 圧 力:500g/cm2 回 数:300回往復 [耐擦過性(耐スミアー性)]前記転写性試験の場合と
同様にして銀ネーマ上に形成したバーコードパターンの
印像について下記に示す条件で摩擦試験を行ない、摩擦
試験後の印像について前記転写性試験の場合と同様にし
てバーコード読取り機による読取り判定を行なった。 試験機:(株)安田精機製作所製ラブテスター 摩擦材:ダンボール 圧 力:250g/cm2 回 数:300回往復
【0090】
【表3】
【0091】
【発明の効果】本発明の熱転写記録材料は、転写性が優
れ、かつ耐熱性、耐溶剤性、耐擦過性が優れた印像を与
えるので、バーコードなどを印字するのに有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の熱転写記録材料の1実施例における各
色のインク層の配列の1例を示す部分平面図である。
【符号の説明】
1 基材 2Y イエローインク層 2M マゼンタインク層 2C シアンインク層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材上に、少なくとも、熱溶融性ビヒク
    ルと着色剤とからなる熱溶融性インク層が設けられてな
    り、前記熱溶融性ビヒクル中に、フルオレン骨格を有す
    るエポキシ樹脂が50重量%以上含有されてなることを
    特徴とする熱転写記録材料。
  2. 【請求項2】 前記熱溶融性インク層に、さらにポリテ
    トラフルオロエチレン粒子が1〜50重量%含有されて
    なることを特徴とする請求項1記載の熱転写記録材料。
  3. 【請求項3】 前記熱溶融性インク層に、前記ポリテト
    ラフルオロエチレン粒子に加えてさらにワックス粒子が
    含有されてなることを特徴とする請求項2記載の熱転写
    記録材料。
  4. 【請求項4】 前記熱溶融性ビヒクルの前記熱溶融性イ
    ンク層中における含有量が40〜95重量%であること
    を特徴とする請求項1、2または3記載の熱転写記録材
    料。
  5. 【請求項5】 前記基材と前記熱溶融性インク層との間
    に、バインダー樹脂、ポリテトラフルオロエチレン粒子
    およびワックス粒子からなるインク強化層が設けられて
    なり、バインダー樹脂がインク強化層中に5〜95重量
    %含有されてなることを特徴とする請求項1、2、3ま
    たは4記載の熱転写記録材料。
  6. 【請求項6】 前記基材と前記インク強化層との間に、
    ワックスからなる層が設けられ、該層の針入度が1以下
    であることを特徴とする請求項5記載の熱転写記録材
    料。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004300239A (ja) * 2003-03-31 2004-10-28 Sumitomo Bakelite Co Ltd 樹脂封止型半導体装置および半導体封止用エポキシ樹脂組成物
JP2014201488A (ja) * 2013-04-05 2014-10-27 東洋インキScホールディングス株式会社 コーティング組成物及び該組成物を用いた導電性フィルム
JP2016166371A (ja) * 2016-05-02 2016-09-15 セイコーエプソン株式会社 画像記録方法
CN112280379A (zh) * 2020-11-18 2021-01-29 梁贻波 一种耐高温油墨组合物及其制备方法

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