JPH10251386A - ポリエチレンテレフタレートの製造方法 - Google Patents

ポリエチレンテレフタレートの製造方法

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JPH10251386A
JPH10251386A JP10073302A JP7330298A JPH10251386A JP H10251386 A JPH10251386 A JP H10251386A JP 10073302 A JP10073302 A JP 10073302A JP 7330298 A JP7330298 A JP 7330298A JP H10251386 A JPH10251386 A JP H10251386A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ポリエチレンテレフタレート(PET)中に混
在する触媒系に基因した粒子数を大幅に減少させたPE
Tの製造方法を提供する。 【解決手段】(a) ジアルキルテレフタレートとエチ
レングリコールを反応させてビス(2−ヒドロキシ−エ
チル)テレフタレートを生成する工程と、(b)リン系
金属イオン封鎖剤を添加する工程と、(c)ビス(2−
ヒドロキシ−エチル)テレフタレートを重縮合してPE
Tを生成する工程とを順次行い、 工程(a)において亜鉛触媒及び工程(c)において
更にアンチモン(Sb)触媒を存在させ、 亜鉛(Zn)存在量が0.003〜0.008重量%
であり、 リン(P)存在量が0.001〜0.01重量%であ
り、 アンチモン(Sb)存在量がジ0.01〜0.05重
量%であり、 Sb/Znのモル比が1:0.95〜1:0.1の範
囲にあり、 P/Znモル比とSbモル量の積が4以下である製造
方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はポリエチレンテレフ
タレートの製造方法に関し、詳しくは、(a)ジアルキ
ルテレフタレートをエチレングリコールと反応させてビ
ス(2−ヒドロキシ−エチル)テレフタレートを生成す
る工程と、(b)リン系金属イオン封鎖剤を添加する工
程と、(c)上記ビス(2−ヒドロキシ−エチル)テレ
フタレートを重縮合してポリエチレンテレフタレート
(PET)を生成する工程とから成るPETの製造方法
に関する。本発明は、更に、上記方法によって得られる
PET及びこのPETから形成された成形品に関する。
この成形品は好ましくはフィルム形状を有し、特にビデ
オテープの製造に好適である。
【0002】
【従来の技術】PETは、工業的には、下記2つの方法
の何れかによって製造されている。即ち、第一の方法で
あるテレフタル酸法(又はTA法)においては、テレフ
タル酸をエチレングリコールと直接エステル化反応させ
てビス(2−ヒドロキシ−エチル)テレフタレート(以
下単にモノマーと称する)を生成する。
【0003】このエステル化反応は、可逆的であるた
め、出発原料を完全に当該モノマーに変換するために
は、反応中に生成した水を系外に除去する必要がある。
この直接エステル化反応では、触媒は不要であり、従来
法では触媒を使用していない。当該モノマーは、次工程
で重縮合反応に付されPETを生成する。この重縮合反
応においては、代表的には、アンチモン触媒が使用され
ている(例えば、米国特許第5153164号明細書参
照)。
【0004】第2の方法であるジメチルテレフタレート
法(DMT法)においては、ジメチルテレフタレートと
エチレングリコールとを、150℃〜250℃の温度で
ほぼ大気圧下にエステル交換反応させて、ビス(2−ヒ
ドロキシ−エチル)テレフタレート及びメタノールを生
成する。ジメチルテレフタレートに対するエチレングリ
コールの使用割合は、通常、1.4:1〜2.5:1、
好ましくは2.0:1〜2.5:1の範囲である。この
エステル交換反応に使用される最も代表的な触媒は、マ
ンガン触媒、特に酢酸マンガンである。また、マグネシ
ウム、リチウム、カルシウム、コバルト、亜鉛等の他の
金属系触媒も、単独または組み合わせて使用されてい
る。
【0005】上記エステル交換反応も、可逆的であり、
平衡反応系をビス(2−ヒドロキシ−エチル)テレフタ
レート生成に移行させるためには、メタノールを反応混
合物から除去する必要がある。エステル交換反応の終了
時に、リンを導入することにより、触媒を不活性化す
る。もしエステル交換触媒がリン導入によって不活性化
されないと、生成ポリマーが加熱によって容易に劣化
し、黄変色を起こす。この問題点は、S.G.ホーベン
キャンプ著「ポリエチレンテレフタレート生成における
接触反応の動力学的観点」(ジャーナル・オブ・ポリマ
ーサイエンス、パートA−1、Vol. 9、1971
年、第3617〜3625頁)に記載されている。
【0006】従来のバッチ式エステル交換法の第2工程
では、ビス(2−ヒドロキシ−エチル)テレフタレート
を重縮合させてPETに変換する。当該重縮合反応は、
通常、約0.01〜40mmHg(0.01〜53ミリ
バール)の圧力下、約205℃〜305℃の温度で行わ
れる。反応時間は、約1〜4時間である。この重縮合反
応で最も頻繁に使用される触媒としては、酢酸アンチモ
ン、三酸化アンチモン等のアンチモン触媒が挙げられ
る。また、この重縮合反応では、耐ブロッキング剤、増
白剤、青味剤、顔料、乳白化剤等の種々の添加剤を添加
し得る。
【0007】従来の連続法は、基本的にバッチ法の拡張
であり、連続的に結合した2つ以上の反応槽を使用し、
エステル交換工程および重縮合工程を連続的に行うもの
である。通常、出発原料を連続的に供給すると共に反応
の進行に伴って生成メタノールを除去して反応を完了さ
せる。連続法における第一の反応槽は、通常、大気圧に
保持され、各後続の反応槽の圧力は、最終重縮合反応槽
に向かって減圧される。最終重縮合反応槽の圧力は、通
常、0.01〜40mmHg(0.01〜53ミリバー
ル)の範囲である。連続反応槽の温度は、通常、第一の
反応層で約150〜290℃の範囲に調整され、後続の
反応層で順次昇温され、最終反応層では200〜305
℃の範囲に調整される。上記昇温および減圧によって、
過剰エチレングリコールの除去が促進される。反応物
は、各反応槽を通じてかつ各反応槽間で連続流を形成す
る。また、PET生成物も連続的に取り出される。この
様な連続法においては、バッチ法と同様の触媒および金
属イオン封鎖剤を使用することが出来る。
【0008】ヨーロッパ特許公開第0699700号公
報には、(1)金属触媒、特にマンガン触媒の存在下に
おいてジカルボン酸ジアルキルエステルを脂肪族ジオー
ルとエステル交換させる工程と、(2)上記エステル交
換触媒と錯体を形成し得ると共に当該触媒を不活性化し
得るリン系化合物を添加する工程と、(3)コバルト化
合物を添加する工程と、(4)チタン1〜10ppmの
存在下かつアンチモンの不存在下において中間生成物を
重縮合させる工程からなるポリエステルの製造方法が開
示されている。
【0009】米国特許第3907754号明細書には、
触媒量のマンガン及びコバルトの有機または無機塩、並
びにアセチルトリイソプロピルチタネートの存在下で、
ジメチルテレフタレートとエチレングリコールとのエス
テル交換反応を行い、次いでリン酸エステルを添加した
後重縮合することを特徴とするPETの製造方法が教示
されている。また、米国特許第4010145号明細書
によれば、この様なエステル交換反応に、更にアンチモ
ン化合物を存在させた方法を教示している。
【0010】米国特許第4122107号明細書には、
エステル交換および重縮合の両工程に有用な触媒が開示
されている。この触媒は、(1)モノカルボン酸および
ジカルボン酸のアンチモン(IV)塩、アンチモン(II
I)アルコキシド、ジルコニウム(IV)アルコキシド及
び三酸化アンチモンからなる群より選ばれた第一の化合
物と、(2)モノ及び/又はジカルボン酸の亜鉛塩、カ
ルシウム塩およびマンガン塩からなる群より選ばれた第
二の化合物と、(3)モノ及びジカルボン酸無水物、炭
素数1〜20のアルコール及び炭素数2〜20のグリコ
ールからなる群より選ばれた、少なくとも化学量論量の
第三の化合物とを反応させて得られるバイメタル(二金
属)化合物である。マンガン塩、亜鉛塩またはカルシウ
ム塩に対する三価アンチモン化合物または四価ジルコニ
ウム化合物のモル比は1:1〜1:6の範囲である。こ
の触媒は、DMTの重量に対し0.01〜0.3重量%
の量で使用される。いずれにせよ、この方法によって製
造されたPETは、触媒系に基因する比較的多数の粒子
または残渣を含有するため、多くの利用分野で重大な不
都合を生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】それ故、本発明の解決
すべき課題は、DMT法を改良し、PET中に混在する
触媒系に基因した粒子数を減少させることにある。従っ
て、当該PETから形成された成型品は、表面突起の数
が最小限に抑制され非常に平滑な表面を有する。
【0012】本発明の目的は、ジアルキルテレフタレー
トを出発原料とするPETの製造方法を提供することに
ある。ジアルキルテレフタレートは、エチレングリコー
ル(EG)と反応してビス(2−ヒドロキシ−エチル)
テレフタレートを生成する。更に、ビス(2−ヒドロキ
シ−エチル)テレフタレートは、重縮合してPETを生
成する。
【0013】本発明の他の目的は、PETからなる成形
体、特に二軸延伸PETフィルムを提供することにあ
る。当該成形体またはフィルムは、ポリマーマトリック
ス中に含有される粒子数が極めて少なく、従って、非常
に突起数の少ない平滑な表面を有する。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記本発明の目的は、
(a)ジアルキルテレフタレートをエチレングリコール
と反応させてビス(2−ヒドロキシ−エチル)テレフタ
レートを生成する工程と、(b)リン系金属イオン封鎖
剤を添加する工程と、(c)ビス(2−ヒドロキシ−エ
チル)テレフタレートを重縮合してPETを生成する工
程とを順次行い、 工程(a)において亜鉛触媒および工程(c)におい
て更にアンチモン(Sb)触媒を存在させ、 亜鉛(Zn)存在量がジアルキルテレフタレートの重
量に対し0.003〜0.008重量%であり、 リン(P)存在量がジアルキルテレフタレートの重量
に対し0.001〜0.01重量%であり、 アンチモン(Sb)存在量がジアルキルテレフタレー
トの重量に対し0.01〜0.05重量%であり、 Sb/Znのモル比が1:0.95〜1:0.1の範
囲にあり、 P/Znモル比とSbモル量の積が4以下であること
を特徴とするPETの製造方法によって達成される。
のモル比の関係は、以下の数式で表される。
【0015】
【数1】 [(Pモル数/Znモル数)×(Sbモル数)]≦4
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
ジアルキルテレフタレートとしては、通常、アルキル基
の炭素数が1〜4のジアルキルテレフタレートを使用す
る。ジアルキルテレフタレートの具体例としては、ジメ
チルテレフタレート、ジエチルテレフタレート、ジプロ
ピルテレフタレート、ジイソプロピルテレフタレート、
ジブチルテレフタレート、ジイソブチルテレフタレー
ト、ジ−sec−ブチルテレフタレート及びジ−ter
t−ブチルテレフタレートが挙げられる。
【0017】本発明の方法は、他のコポリエステルの製
造にも適用可能である。この場合、ジアルキルテレフタ
レートとしては、その一部または全部を、他のジエステ
ル、特にジメチルイソフタレート等のジアルキルイソフ
タレート、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル
エステル等のナフタレンジカルボン酸ジアルキルエステ
ル、ビスフェニル−4,4’−ジカルボン酸ジメチルエ
ステル等のビスフェニル−x,x’−ジカルボン酸ジア
ルキルエステル又はこれらの混合物で置換されたものを
使用する。
【0018】同様に、エチレングリコールは、その一部
または全部を、ジエチレングリコール、トリエチレング
リコール、ポリエチレングリコール、プロパンジオー
ル、ブタンジオール、ビス−ヒドロキシメチル−シクロ
ヘキサン又はこれらの混合物で置換したものを使用す
る。
【0019】工程(a)で使用する亜鉛触媒としては、
酢酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化亜鉛、塩化亜鉛または臭化亜
鉛が好ましい。亜鉛存在量は、ジアルキルテレフタレー
トの重量に対し、より一般的には上記ジエステルの重量
に対し、0.003〜0.008重量%(30〜80p
pm)、好ましくは0.005〜0.006重量%(5
0〜60ppm)の範囲である。亜鉛量が0.003重
量%未満の場合、エステル交換速度が遅くなりすぎて実
用的でなくなるか、またはエステル交換が不完全にな
る。また、亜鉛量が0.008重量%を越える場合は、
PET中に多数の沈殿物が混在する恐れがある。更に、
0.008重量%を越える亜鉛を添加しても、更なるエ
ステル交換速度の向上を期待することは出来ない。
【0020】工程(c)で使用する触媒としては、三酸
化アンチモン又は酢酸アンチモンが好ましい。中でも、
三酸化アンチモン(Sb23)が特に好ましい。アンチ
モン存在量は、ジアルキルテレフタレートの重量(即
ち、各ジエステル重量)に対し、0.01〜0.05重
量%(100ppm〜500ppm)、好ましくは0.
012〜0.035重量%(120ppm〜350pp
m)の範囲である。アンチモン量が0.01重量%未満
の場合、重縮合反応が極めて遅くなる。また、アンチモ
ン量が0.05重量%を越える場合は、これら金属に基
因する堆積粒子数が極めて多くなる。通常、これら触媒
は、ポリマー溶融物中に溶解可能であるのがよい。
【0021】必須要件ではないが、工程(a)の反応生
成物中にアンチモン触媒が既に添加されていてもよい。
なお、上記亜鉛/アンチモン重量比は、触媒中の当該金
属元素に関する換算量である。つまり、もしアンチモン
0.03重量%を使用する場合、三酸化アンチモン又は
酢酸アンチモンのいずれを使用するかに拘わらず、金属
アンチモンの存在量が0.03重量%であればよい。
【0022】本発明の更なる実施態様においては、上記
アンチモン触媒を、ゲルマニウム触媒またはチタン触
媒、若しくはそれら両方で置換する。亜鉛に対するゲル
マニウム及び/又はチタン触媒のモル比は、上記したア
ンチモン/亜鉛モル比と同一である。但し、このモル比
は必須要件ではない。
【0023】金属イオン封鎖剤としては、リン酸、亜リ
ン酸、ホスホン酸およびこれらの誘導体を、単独または
組み合わせて使用することが出来る。ホスホン酸エステ
ル誘導体としては、一般式:[(アルキル−O2)−P
(O)−アルキレン−CO−O−アルキル]で示される
化合物が例示される。なお、ホスホノ酢酸トリエチルエ
ステル(PEEエステル)は、上記一般式で示される化
合物に包含される化合物である。
【0024】リン酸誘導体としては、一般式:P(O)
(OR13(但し、式中、R1は、同一でも異なってい
てもよく、アルキル、ヒドロキシアルキルまたはアルコ
キシ化ヒドロキシアルキルを表し、前記アルキルは、好
ましくは、メチルであり、前記ヒドロキシアルキルは、
好ましくは、ヒドロキシエチルである。)で表される”
PHMエステル”が例示される。この様に、3価および
5価のリン化合物を、エステル交換触媒の不活性化に使
用することが出来る。
【0025】また、リン添加量は、使用する金属イオン
封鎖剤のタイプに拘わらず金属イオン封鎖剤中のリン換
算量で示され、ジアルキルテレフタレートの重量(即
ち、各ジエステル重量)に対し、0.001〜0.01
重量%(10〜100ppm)、好ましくは0.002
〜0.007重量%(20〜70ppm)の範囲であ
る。リン使用量が0.001重量%未満の場合、不安定
なポリマーが生成し、結果的に色調の悪い、劣化し易い
ポリマーが形成される。リン使用量が0.01重量%を
越える場合は、リン/アンチモン沈殿物または他のリン
系残渣が生じる。
【0026】金属イオン封鎖剤は、エステル交換反応が
実質的に完了した時点で添加する。エステル交換反応の
進行状況は、メタノール除去量を測定することによって
容易に確認できる。
【0027】理論的には、反応性の高い亜鉛が、他の従
来の触媒に比して、金属イオン封鎖剤と結合してより大
きな粒子を形成でき、それ故、形成粒子数を最小限に抑
制できる。金属イオン封鎖剤およびPET製造工程にお
ける金属イオン封鎖剤の添加温度を適当に選択すること
によって、形成粒子数を更に抑制することが出来る。
【0028】本発明に従えば、上記の新規な方法によっ
て製造されたPETが提供される。このPETから形成
された成形品は、使用された触媒および金属イオン封鎖
剤に由来する混在粒子数が極めて少ないことを特徴とす
る。好ましい成形体としては、二軸延伸フィルムが挙げ
られる。このフィルムは、表面突起数が極めて少なく、
特にビデオテープの製造に有用である。これら突起が存
在すると、磁性層塗布形成に好ましくない。
【0029】また、本発明に従って製造されたPET成
形品を、織物用または工業用としてファイバー形状に成
形することも出来る。得られたファイバーは、加工性に
優れ、特に、紡糸時に破損を生じ難い。この機械特性の
向上は、PET中の粒子数減少に起因すると考えられ
る。また、PET中の粒子数減少によって、本発明に従
ったPET成形品は、光学的特性にも優れている。
【0030】ポリマー内に混在する粒子数を測定するた
めに、単一種のPETポリマーをガラススライドとカバ
ースリップ間で330℃で溶融してサンプルを作成し
た。次いで、室温に保持された金属ブロックを使用して
当該サンプルを急冷した。この急冷法によって、ポリマ
ーの結晶化が防止される。次いで、サンプルを暗視野モ
ードにおいて倍率600倍にて顕微鏡観察し、コンピュ
ーター画像分析システムにて粒子をカウントした。この
システムを使用して、粒子数、平均粒子径および粒度分
布を算出する。本発明の方法によって製造されたPET
は、通常、μg当たり400未満、好ましくは200未
満、特に好ましくは150未満の粒子を含有する。
【0031】フィルム表面に存在する突起数を測定する
ために、PETサンプルを290℃で押し出し、(結晶
化を防止するため)金属冷却ドラム上に流延して200
μm厚の流延シートを作成した。125cm2のシート
サンプルを切り出し、これを95℃に設定した延伸フレ
ームを使用し、縦方向延伸比3.5:1及び横方向延伸
比4.0:1で二軸延伸して、最終厚16μmのフィル
ムを得た。この二軸延伸フィルムから78×72mmの
サンプルを作成して、これにEdwards−306自
動コーテイングシステムを使用して100nm厚の金属
被覆を形成した。
【0032】得られた金属化サンプルを顕微鏡観察し、
フィルム表面の突起を干渉リングによって同定した。全
分析表面積は66mm2であり、分析結果は、200c
2当たりの突起数で示した。観察された干渉リング数
により、突起の高さが算出可能となる。次いで、突起を
そのサイズによって分類する。3つの干渉リング(F3
で示す)を有する突起は、フィルム表面からの高さが
0.82μmであるものに相当する。また、F4クラス
の突起の高さは1.09μmに相当し、F5クラスの突
起の高さは1.37μmに相当し、F6クラスの突起の
高さは1.64μmにそれぞれ相当する。ポリマーフィ
ルムのレーテイング(Rating、Ks)は、各クラ
スに存在する突起の重量平均に基づき以下の式により算
出する。
【0033】
【数2】Ks=0.1(F3)+0.2(F4)+0.
4(F5)+0.8(F6)
【0034】この様に、F5またはF6クラスの突起数
は、その数が比較的小さくても、F3またはF4クラス
の突起数が大きい場合に比して、格段にKs値を増加さ
せることが判る。本発明に係わるフィルムは、好ましく
は275未満、更に好ましくは125未満のKs値を有
する。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施
例に限定されるものではない。なお、以下の実施例にお
いては、エステル交換反応に使用する金属触媒の量は、
同一の反応活性が得られる様に選択された。即ち、異な
る触媒を使用した場合において、理論計算量のメタノー
ルがほぼ同一時間内で除去される様に各触媒量を選択し
た。100ppmのマグネシウムは、マンガン70pp
mまたは亜鉛55ppmとほぼ同一の反応速度を与え
る。リン系安定剤(金属イオン封鎖剤)の使用量は、エ
ステル交換触媒の使用量および当該安定剤の特性に基づ
いて決定された。通常、安定剤の使用量は、エステル交
換触媒を適切にイオン封鎖可能な量とする。また、
「部」は、特に断らない限り、「重量部」を表す。
【0036】実施例1 出発原料としてDMT2.3部およびEG1.67部
(モル比=1:2.25)を使用し、通常のエステル交
換用反応容器内でエステル交換を行った。酢酸亜鉛を亜
鉛換算量で58ppm添加してエステル交換反応を開始
させた。反応容器中の混合物を、撹拌しながら、150
℃に加熱して、均一な溶融物を得た。加熱は240℃に
達するまで継続し、エステル交換反応で生じたメタノー
ルを連続的に除去して、反応を強制的に完了させた。反
応完了時に、エトキシカルボニルメチルホスホン酸ジエ
チルエステル[(C 252)P(O)−CH2−CO−
OC25:ホスホノ酢酸トリエチルエステルまたはPE
Eエステルとも称する]を、DMTの重量に対しリン換
算で31ppmの量で、撹拌しながら上記溶融物に導入
した。
【0037】次いで、Sb23を、アンチモン換算で3
30ppmの量で添加した。次いで、上記溶融物を公称
5μmフィルターシステムを通じて重縮合用反応容器に
移した。混合物を、反応容器中で、圧力を最終圧力0.
5トール(0.65ミリバール)に徐々に減少させがら
最終温度の285℃まで加熱し、重縮合反応を開始し
た。重縮合反応中に生じたエチレングリコールを、所望
粘度のポリエステルが得られるまで、除去した。次い
で、反応容器内を窒素で加圧し、バッチ内容物を水槽内
に押し出しチップに細断した。このチップサンプルを使
用し、溶液粘度、カルボニル末端基の量(ポリマー1g
当たりのμ当量)、ポリマー中に存在するジエチレング
リコール(DEG)のモル%及び色調等のポリマーの代
表的特性を測定した。溶液粘度(比粘度)は、溶媒とし
てジクロロ酢酸を使用し、ショット・ウベローデ粘度計
により25℃で測定した。粘度値は次式により算出し
た。
【0038】
【数3】[{(PET溶液の溶出時間)/(溶媒の溶出
時間)}−1]×1000
【0039】上記PET溶液は、1%のPETを含有し
ていた。即ち、PET1.56gがジクロロ酢酸100
mlに溶解していた。ポリマーの色度に関しては、上記
ポリマーチップを試料として使用し、ASTM規格E3
08−85(Lab系)に従ってミノルタ社製比色計CR
−310により測定した(b*は黄色度を示し、L*は
明度を示す)。PETサンプル中の粒子に関する顕微鏡
分析の結果は、ポリマーチップ1μg当たりの粒子数と
して表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1から明らかな様に、含有粒子数は極め
て少ない。同時に、このPETから製造されたフィルム
は、良好な表面性状を有していた。
【0042】比較例1 酢酸亜鉛を亜鉛換算量58ppmとなる様に添加する代
わりに、酢酸マグネシウムをマグネシウム換算で100
ppmの量で使用し、この触媒をイオン封鎖するため、
実施例1で使用したリン換算量31ppmのPEEエス
テルの代わりに亜リン酸をリン換算で128ppmの量
で使用した以外は実施例1と同様にしてPETを製造し
た。得られたPETの特性を表2に示す。
【0043】
【表2】
【0044】PET樹脂1μg当たりの粒子数は、実施
例1に比して極めて大きいことが判る。また、実施例1
に比してKs値が大きく、PETフィルム表面に相当多
くの突起が存在することが示される。
【0045】比較例2 酢酸亜鉛を亜鉛換算量58ppmとなる様に添加する代
わりに、酢酸マンガンをマンガン換算で73ppmの量
で使用し、この触媒をイオン封鎖するため、実施例1で
使用したリン換算量31ppmのPEEエステルの代わ
りに亜リン酸をリン換算で43ppmの量で使用した以
外は実施例1と同様にしてPETを製造した。得られた
PETの特性を表3に示す。
【0046】
【表3】
【0047】この比較例から、マンガン触媒を使用した
場合、マグネシウム触媒を使用した場合より結果が更に
悪化したことが判る。
【0048】実施例2 酢酸亜鉛を亜鉛換算量52ppmの量で使用し、この触
媒をイオン封鎖するため、実施例1で使用したリン換算
量31ppmのPEEエステルの代わりにリン酸メチル
ヒドロキシエチルエステル(PHMエステル)(ヒドロ
キシエチル基は更にエトキシ化されていてもよい)をリ
ン換算で60ppmの量で添加し、更にSb23添加量
をアンチモン換算で330ppmから160ppmに減
少させた以外は実施例1と同様にしてPETを製造し
た。これらの相対量から、[(リン(P)モル数/亜鉛
(Zn)モル数)×(アンチモン(Sb)モル数)]の
値を計算したところ3.2であった。得られたPETの
特性を表4に示す。
【0049】
【表4】
【0050】PET中の粒子数は、意外にも少なく、更
にPETフィルム表面は非常に平滑であった。
【0051】比較例3 酢酸亜鉛をZn換算で52ppmの量で使用し、この触
媒をイオン封鎖するため、実施例1で使用したリン換算
量31ppmのPEEエステルの代わりにPHMエステ
ルをリン換算で60ppmの量で添加した以外は実施例
1と同様にしてPETを製造した。これらの相対量か
ら、[(Pモル数/Znモル数)×(Sbモル数)]の
値を計算したところ6.6であった。得られたPETの
特性を表5に示す。
【0052】
【表5】
【0053】表5から、PETフィルムは、式[(Pモ
ル数/Znモル数)×(Sbモル数)]から計算で求め
たZnに対するP量およびSb量が大きな値を示し、極
めて多数の突起を有することが判る。
【0054】比較例4 酢酸亜鉛を亜鉛換算量58ppmとなる様に添加する代
わりに、酢酸マグネシウムをマグネシウム換算で100
ppmの量で使用し、この触媒をイオン封鎖するため、
リン酸モノエチルエステル及びリン酸ジエチルエステル
の1:1(重量比)混合物(また、「エチル酸ホスフェ
ート」または「EAP」という俗称でも知られている)
をリン換算で95ppmの量で使用した以外は実施例1
と同様にしてPETを製造した。三酸化アンチモン中の
アンチモン相対量は、180ppmであった。得られた
PETの特性を表6に示す。
【0055】
【表6】
【0056】この結果、上記PETから製造されたフィ
ルムは、極めて高いKs値を有することが判る。
【0057】比較例5 酢酸亜鉛を亜鉛換算量58ppmとなる様に添加する代
わりに、酢酸マグネシウムをマグネシウム換算で100
ppmの量で使用し、この触媒をイオン封鎖するため、
実施例1で使用したリン換算量31ppmのPEEエス
テルの代わりに、EAPをリン換算で95ppmの量で
使用した以外は実施例1と同様にしてPETを製造し
た。得られたPETの特性を表7に示す。
【0058】
【表7】
【0059】樹脂1μg当たりの粒子数が極めて多く、
またPETフィルム表面の突起数も極めて多いことが判
る。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、DMT法により製造さ
れたPET中に混在する触媒系に基因した粒子数を大幅
に減少させることが出来るため、当該PETから形成さ
れた成型品は、表面突起の数が最小限に抑制され、非常
に平滑な表面を有し、特にビデオテープ製造用ベース材
料として好適であると共に、工業用および織物用ファイ
バーの製造にも有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a) ジアルキルテレフタレートとエ
    チレングリコールを反応させてビス(2−ヒドロキシ−
    エチル)テレフタレートを生成する工程と、(b)リン
    系金属イオン封鎖剤を添加する工程と、(c)ビス(2
    −ヒドロキシ−エチル)テレフタレートを重縮合してポ
    リエチレンテレフタレートを生成する工程とを順次行
    い、 工程(a)において亜鉛触媒および工程(c)におい
    て更にアンチモン(Sb)触媒を存在させ、 亜鉛(Zn)存在量がジアルキルテレフタレートの重
    量に対し0.003〜0.008重量%であり、 リン(P)存在量がジアルキルテレフタレートの重量
    に対し0.001〜0.01重量%であり、 アンチモン(Sb)存在量がジアルキルテレフタレー
    トの重量に対し0.01〜0.05重量%であり、 Sb/Znのモル比が1:0.95〜1:0.1の範
    囲にあり、 P/Znモル比とSbモル量の積が4以下であること
    を特徴とするポリエチレンテレフタレートの製造方法。
  2. 【請求項2】 Sb/Znのモル比が1:0.8〜1:
    0.25の範囲にある請求項1に記載の製造方法。
  3. 【請求項3】 ジアルキルテレフタレートが、ジメチル
    テレフタレート、ジエチルテレフタレート又はジプロピ
    ルテレフタレートある請求項1又は2に記載の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 亜鉛触媒が、酢酸亜鉛、酸化亜鉛、硫化
    亜鉛、塩化亜鉛および臭化亜鉛からなる群より選択され
    た1種以上の化合物である請求項1〜3の何れかに記載
    の製造方法。
  5. 【請求項5】 亜鉛の存在量が、工程(a)において、
    ジアルキルテレフタレートの重量に対し0.005〜
    0.006重量%の量である請求項1〜4の何れかに記
    載の製造方法。
  6. 【請求項6】 リン系金属イオン封鎖剤が、リン酸、亜
    リン酸、ホスホン酸およびこれらの誘導体からなる群よ
    り選択された1種以上の化合物である請求項1〜5の何
    れかに記載の製造方法。
  7. 【請求項7】 金属イオン封鎖剤中のリンの存在量が、
    ジアルキルテレフタレートの重量に対し0.002〜
    0.007重量%の量である請求項1〜6の何れかに記
    載の製造方法。
  8. 【請求項8】 工程(c)において存在する触媒が、三
    酸化アンチモン又は酢酸アンチモンであることを特徴と
    する、請求項1〜7の何れかに記載のポリエチレンテレ
    フタレートの製造方法。
  9. 【請求項9】 工程(c)におけるアンチモンの存在量
    が、ジアルキルテレフタレートの重量に対し0.012
    〜0.035重量%の範囲である請求項1〜8の何れか
    に記載の製造方法。
  10. 【請求項10】 請求項1〜9の何れかに記載の方法に
    従って製造されたポリエチレンテレフタレート。
  11. 【請求項11】 1μg当たり400未満の粒子を含有
    する請求項10に記載のポリエチレンテレフタレート。
  12. 【請求項12】 1μg当たり200未満の粒子を含有
    する請求項10に記載のポリエチレンテレフタレート。
  13. 【請求項13】 1μg当たり150未満の粒子を含有
    する請求項10に記載のポリエチレンテレフタレート。
  14. 【請求項14】 請求項10〜13の何れかに記載のポ
    リエチレンテレフタレートより形成された成形品。
  15. 【請求項15】 275未満のKs値を有する二軸延伸
    フィルムから成る請求項14に記載の成形品。
  16. 【請求項16】 125未満のKs値を有する二軸延伸
    フィルムから成る請求項14に記載の成形品。
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