JPH10255606A - 真空バルブの製造方法 - Google Patents

真空バルブの製造方法

Info

Publication number
JPH10255606A
JPH10255606A JP5317197A JP5317197A JPH10255606A JP H10255606 A JPH10255606 A JP H10255606A JP 5317197 A JP5317197 A JP 5317197A JP 5317197 A JP5317197 A JP 5317197A JP H10255606 A JPH10255606 A JP H10255606A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
alloy
ceramic member
vacuum valve
brazing material
metal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP5317197A
Other languages
English (en)
Inventor
Isao Okutomi
功 奥富
Takashi Kusano
貴史 草野
Masako Nakabashi
昌子 中橋
Kiyoshi Osabe
清 長部
Rika Takigawa
りか 滝川
Miho Maruyama
美保 丸山
Atsushi Yamamoto
敦史 山本
Keisei Seki
経世 関
Katsumi Oshiumi
勝美 鴛海
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
SHIBAFU ENG KK
Toshiba Corp
Original Assignee
SHIBAFU ENG KK
Toshiba Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by SHIBAFU ENG KK, Toshiba Corp filed Critical SHIBAFU ENG KK
Priority to JP5317197A priority Critical patent/JPH10255606A/ja
Publication of JPH10255606A publication Critical patent/JPH10255606A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、メタライジングと気密接合を同時
に行い、高信頼性、優れた経済性、環境対策性を達成す
ることを目的とする。 【解決手段】 少なくともセラミックス部材面を0.1
〜15μmの表面粗さに仕上げる第1の工程、それぞれ
箔板状もしくは線状のAg又は/及びCuとTiとを、
Ti量が0.05〜4重量%となるように組み合わせた
ロウ材用素材を対向するセラミックス部材と金属部材と
の間に配置する第2の工程、Ti量で決定される溶融温
度以上でセラミックス部材と金属部材とを真空中又は非
酸化性雰囲気中で封着する第3の工程を有することを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、真空バルブの製造
方法に係り、特にセラミックス製絶縁容器と封着金属と
の気密封着接合に際し、接合強度と気密接合性を改良し
長期間使用でも耐電圧特性の低下の少ない真空バルブの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックスは、優れた耐熱性、絶縁
性、気密性を有するため、その特性を生かして、種々の
電気部品材料として用いられている。特に真空バルブの
セラミックス製絶縁容器の場合、内部を真空に維持する
ために、厳密に気密性を保ち得るものでなければならな
い。一般に、真空バルブは、図1に示すように、円筒状
に形成されたセラミックス部材1と、その両端に銀ロウ
2a,2bを介して設けた金属部材3a,3bで真空気
密にした真空容器を構成し、この真空容器内に固定導電
軸4a、可動導電軸4bの対向する端部に取り付けられ
た1対の接点5a,5bが配設され、接点5aを固定接
点、接点5bを可動接点としている。また、固定導電軸
4a、可動導電軸4bの他方の各端部は、それぞれ固定
端子6a、可動端子6bとしている。さらに、この可動
接点5bの可動導電軸4bには、ベローズ7が取り付け
られ、真空容器内を真空気密に保持しながら可動接点5
bの軸方向の移動を可能にしている。このベローズ7の
上部には、金属製のアークシールド(図示しない)が設
けられ、ベローズ7がアーク蒸気で覆われることを防止
している。また、8は、必要により設けられ、上記接点
5a,5bを覆うようにして真空容器内に設けられた金
属製のアークシールドであり、セラミックス部材1がア
ーク蒸気で覆われることを防止している。さらに、接点
5a,5bは、それぞれ固定導電軸4a、可動導電軸4
bに直接ロウ付けされるか、又は図示しない電極を介し
てロウ付けされている。
【0003】このような真空バルブの構成において、セ
ラミックス部材1と金属部材3a,3bとを銀ロウ2
a,2bを介して接合するに際して一般には、セラミッ
クス部材1の端面に予めメタライズ層(例えばMo−M
n)を付与させ、このメタライズ層を介して銀ロウ付け
接合を行っている。即ち、従来、セラミックスの接合方
法としては、まず、セラミックスにメタライジングを施
した後、金属とロウ接合する方法が主流であった。メタ
ライジング方法としては、次の〜の方法が知られて
いる。セラミックス母材表面に、Mo又はWを主成分
とする粉末を塗布し、還元雰囲気で、例えば1400〜
1700℃に加熱して、セラミックス母材と反応させて
メタライズする方法、必要によりメタライズ層の上にN
iなどをメッキ処理する。セラミックス母材表面に、
Au又はPtを配置し、それらに圧力を加えながら加熱
してメタライジングする方法。セラミックス母材上
に、Ti,Zrなどの活性金属と、Ni,Cuなどの遷
移金属を配置し、それらの合金の融点より高い温度で熱
処理してメタライジングする方法(特開昭56−163
093号公報)、などである。
【0004】上記したように、一般的な真空バルブにお
いては、金属部材3a,3bとともに真空容器を形成す
るセラミックス部材1は、上記金属部材3a,3bと真
空気密に接合させることが不可欠であり、接合部分にメ
タライズ層を付与し、かつそのメタライズ層の表面に
は、必要により銀ロウ材との濡れ性をよくするため、N
i等のメッキ処理及びそのNi等のメッキ層を加熱処理
することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
の従来方法では、メタライジング時に高温度での処理を
必要とするなど、繁雑な工程に問題がある。処理条件の
僅かな変動でも十分な接合強度が得難く、強度的にもば
らつきが発生する。特にばらつきの問題は、気密性の低
下に関わり、真空バルブの信頼性長期保証(遮断性能、
耐圧性能)に重大な影響を及ぼす。
【0006】また、上記の従来方法では、高価な貴金
属を使用するため、接合部面積の大きい真空バルブで
は、経済性に問題がある上に密着性を高める目的で高い
圧力を必要とし好ましくない。また、生産性(圧力を得
るための加圧部品がロウ付け炉中である空間を占める)
にも問題がある。
【0007】一方、上記の従来方法では、活性金属が
セラミックス母材上を濡らすため、特別な加圧を殆ど必
要とせず、かつ活性金属の効果によりセラミックス母材
に対し強い密着力で、メタライジングすることができ
る。しかし、金属部材とセラミックス部材とが十分に重
なり合った所では、銀ロウは良好な接合を示すが、金属
部材とセラミックス部材との間に、極く僅かにでも隙間
があったり、十分に重なり合っていない部分が存在する
と、良好にメタライジングされない場合があり、気密接
合性に問題がある。
【0008】以上のように、上記、、の何れにお
いても、メタライジングを施した後、セラミックス製絶
縁容器と封着金属とをロウ接合するので、工程が複雑と
なったり、接合強度、気密接合性の何れか又は両者が問
題となったりしている。このように、上記の従来技術で
は、メタライジングの工程と、セラミックス製絶縁容器
と封着金属とのロウ接合工程とを、別々に行う必要があ
り工程が複雑となる欠点がある。そこで、予め上記のよ
うなメタライジングを施すことなく、金属をセラミック
スにロウ付けする技術が検討されるようになってきた。
【0009】そこで、予めメタライジングを施すことな
く、金属部材とセラミックス部材とを接合する方法とし
て、次のような1段階接合法が提案されている(特開昭
59−32628号公報)。即ち、活性金属としてTi
又は/及びZrを含むAgロウ材料を用いる(これを金
属部材とセラミックス部材との間に挿入して接合す
る)。或いは、上記活性金属の薄板と上記Agロウ材と
を積層したAgロウ材料を用いる(これを金属部材とセ
ラミックス部材との間に挿入して接合する)。
【0010】この1段階接合法は、メタライジングを必
要としないから、工程を簡略化することができる。しか
しながら、この1段階接合法の場合でも、上記で見ら
れたと同様の現象、即ち、Agロウ材料が金属部材やセ
ラミックス部材、特にセラミックス部材と十分に密着し
ていないと、良好な接合強度と気密接合性が得られない
場合が見られる。十分な密着を得るためには、加圧力の
不均一性を是正する必要があり、強大な加圧を要する問
題点がある。
【0011】この欠点を改良した技術として、特開昭6
3−49758号公報では、加圧力の不均一性を是正す
る手段として、活性金属Ti又は/及びZr粉末を使用
し、これをセラミックス部材面に塗布する技術を提案し
ている。活性金属を粉末化したことによって、Ti又は
/及びZrが均一にセラミックス部材に分布し、かつ密
着しているため、接合強度と気密接合性とを兼備した接
合状態を得ている。しかし、重大な問題点として、ポリ
ビニールアルコール、エチルセルローズなどのバインダ
を塗布したセラミックス部材面に、活性金属Ti又は/
及びZr粉末を塗布する際に、エタノール、テトラリン
などの有機溶剤によって活性金属粉末をペースト状にす
るので、これらのバインダや有機溶剤による環境問題の
軽減化対策が課題となっている。
【0012】本発明は、上記に鑑みてなされたもので、
従来の予めセラミックス部材の接合面をメタライズした
後ロウ接合するのではなく、メタライジングと気密接合
を同時に行うことができ、信頼性、経済性や環境対策の
面で極めて有益な真空パルスの製造方法を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、請求項1記載の発明は、筒状のセラミックス部材の
開口端面に封着用の金属部材をロウ付け接合して真空容
器を形成し、該真空容器内に接離可能の1対の接点電極
を備えた真空バルブにおける前記セラミックス部材と金
属部材とのロウ付け接合を行う真空バルブの製造方法で
あって、対向する前記セラミックス部材と前記金属部材
のうちの少なくともセラミックス部材面を0.1〜15
μmの表面粗さに仕上げる第1の工程と、それぞれ箔板
状もしくは線状の何れかからなる少なくともAg又は/
及びCuとTiとを、〔Ti/(Ag+Cu+Ti)〕
値が0.05〜4重量%となるように組み合わせたロウ
材用素材を対向する前記セラミックス部材と前記金属部
材との間に配置する第2の工程と、前記〔Ti/(Ag
+Cu+Ti)〕値で決定される溶融温度以上で前記セ
ラミックス部材と前記金属部材とを真空中又は非酸化性
雰囲気中で封着させる第3の工程とを有し、上記第1乃
至第3の工程を順次経て組み立てるようにしたことを要
旨とする。この構成により、セラミックス部材面の表面
粗さが、0.1μm以下では品質を維持する投資や管理
する技術が不必要に高度になり工業的でなくなる。15
μm以上では被接合面とロウ材用素材との間の密着状態
が十分でないミクロ的領域が発生し、ロウ付け後ロウ材
が被接合面に流れていない部分が発生する場合が生じて
良好な気密性を得るのに好ましくない。ロウ材用素材中
のTi量が、0.05%以下では活性金属の存在状態が
粗な分布となり、ロウ材の濡れが不十分となってロウ付
け後の気密性が劣り接合強度が劣る。4%を超えるとT
iの過度の偏析部分が生じる場合が発生し、応力集中の
原因などのために気密性がばらつく。また接合強度が低
下するとともにばらつく。このようなロウ材用素材がセ
ラミックス部材と金属部材との間に挿着されてメタライ
ジングと気密接合が同時に行われる。ロウ材用素材は単
に挿着するのみなのでペースト、有機溶剤等の使用は不
要となる。
【0014】請求項2記載の発明は、上記請求項1記載
の真空バルブの製造方法において、前記第2の工程は、
前記Ti成分と前記金属部材との反応を防止するための
Cu又は/及びAgよりなる板状の反応抑止素材を前記
ロウ材用素材とともに、対向する前記セラミックス部材
と前記金属部材との間に配置することを要旨とする。こ
の構成により、過大なCuTi化合物等の生成が抑えら
れて、さらに優れた接合強度、気密性が得られる。
【0015】請求項3記載の発明は、上記請求項1又は
2記載の真空バルブの製造方法において、前記第2の工
程は、AgとTi,CuとTi,Ag−Cu合金とTi
の各箔板又はAgとTi,CuとTi,Ag−Cu合金
とTiの各線材の何れかをロウ材用素材とし、前記A
g,Cu,Ag−Cu合金の各箔板は厚さが10〜10
00μmであり、前記Ag,Cu,Ag−Cu合金の各
線材は直径が10〜1000μmであることを要旨とす
る。この構成により、箔板又は線材からなるロウ材用素
材中に活性金属が微細均一に高度に分散されて良好な気
密性、接合強度が得られる。箔板の厚さ又は線材の直径
が、10μm以下ではセラミックス部材とロウ材との濡
れ不足が生じて接合強度が低下し、強度値がばらつく。
1000μmを超えるとセラミックス部材面上にTiが
多量に存在するとともにその量も場所により著しい偏在
が生じて接合強度が不足し接合強度幅がばらつく。
【0016】請求項4記載の発明は、上記請求項1又は
2記載の真空バルブの製造方法において、前記第2の工
程は、Ag−Ti合金、Cu−Ti合金、Ag−Cu−
Ti合金、Ag−Cu−In−Ti合金、Ag−Cu−
Sn−Ti合金、Ag−Cu−Mn合金、Cu−Mn合
金の各合金箔板又はAg−Ti合金、Cu−Ti合金、
Ag−Cu−Ti合金、Ag−Cu−In−Ti合金、
Ag−Cu−Sn−Ti合金、Ag−Cu−Mn合金、
Cu−Mn合金の各合金線材の何れかをロウ材用素材と
し、前記各合金箔板は厚さが10〜1000μmであ
り、前記各合金線材は直径が10〜1000μmである
ことを要旨とする。この構成により、AgCuTiロウ
材にIn,Sn,Mnを添加して溶融温度を低く調整し
ても、良好な接合強度、気密性が得られる。
【0017】請求項5記載の発明は、上記請求項1,
2,3又は4記載の真空バルブの製造方法において、前
記第3の工程は、前記〔Ti/(Ag+Cu+Ti)〕
値で決定される溶融温度以上〜950℃以下としたこと
を要旨とする。この構成により、接合作業温度は、Ti
量値で決定される溶融温度以上で950℃以下であれ
ば、被接合面とロウ材とが十分に濡れて良好な接合強
度、気密性が得られる。
【0018】請求項6記載の発明は、上記請求項1,
2,3,4又は5記載の真空バルブの製造方法におい
て、前記第2の工程におけるロウ材用素材は、前記Ti
の箔板もしくは線材に代えてZrの箔板もしくは線材を
0.05〜4重量%となるように組み合わせたものであ
ることを要旨とする。この構成により、活性金属はTi
に限ることなくZrを用いても、Tiを用いた場合と略
同等の接合強度、気密性が得られる。
【0019】請求項7記載の発明は、上記請求項1,
2,3,4,5又は6記載の真空バルブの製造方法にお
いて、前記第3の工程は、真空容器内を真空排気しなが
ら、前記セラミックス部材と前記金属部材とを封着する
ようにしたことを要旨とする。この構成により、セラミ
ックス部材と金属部材との封着は、真空容器内を真空排
気しながら行うことで、良好な接合強度、気密性、耐電
圧特性を持った真空バルブが得られる。
【0020】請求項8記載の発明は、上記請求項1,
2,3,4,5又は6記載の真空バルブの製造方法にお
いて、前記第3の工程は、前記セラミックス部材と前記
金属部材とを予め接着し、真空容器内をその後に真空排
気するようにしたことを要旨とする。この構成により、
作業順序によっては、セラミックス部材と金属部材とを
予め接着し、真空容器内をその後に真空排気しても、上
記と同様の良好な接合強度、気密性、耐電圧特性を持っ
た真空バルブが得られる。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、本発明の真空バルブの製造
方法の実施の形態を説明する。
【0022】本実施の形態の真空バルブの製造方法は、
セラミックス部材(セラミックス製容器開口端面)と、
その内部を真空気密にするための金属部材(封着金属)
と、接離可能の接点電極、ベローズと、必要によりアー
クシールドとを備えた真空バルブにおけるセラミックス
部材と金属部材との接合に際して、対向するセラミック
ス部材と金属部材とのうちの少なくともセラミックス部
材面を0.1〜15μm(金属部材では0.1〜30μ
m)の表面粗さに仕上げる第1の工程と、Ag箔板(以
下線材も含む)又は/及びCu箔板(以下線材も含む)
とTi箔板(以下線材も含む)とを、〔Ti/(Ag+
Cu+Ti)〕値が0.05〜4重量%となるよう適宜
組み合わせた各箔板をロウ材用素材とし、これを対向す
るセラミックス部材と金属部材との間に配置する第2の
工程と、〔Ti/(Ag+Cu+Ti)〕値で決定され
る溶融温度以上で、セラミックス部材と金属部材とを、
真空中又は非酸化性雰囲気中で封着させる第3の工程と
からなり、これらの工程を順次経て組み立てるようにし
たものである。
【0023】第2の工程におけるロウ材用素材は、Ag
箔板とTi箔板、Cu箔板とTi箔板、Ag−Cu合金
箔板とTi箔板を用いる。このときAg,Cu,Ag−
Cu合金の各箔板は厚さが10〜1000μmとし、T
i箔板は厚さが0.5〜10μmとする。
【0024】ロウ材用素材を、Ag線とTi線、Cu線
とTi線、Ag−Cu合金線とTi線とするときは、A
g,Cu,Ag−Cu合金の各線材は直径が10〜10
00μmとし、Ti線材は直径が0.5〜10μmとす
る。これらの線材は、適宜撚り合わせるか、もしくは束
ね合わせて対向するセラミックス部材と金属部材との間
に配置する。これらは撚り合わせたまま、束ね合わせた
ままでもよいが、撚り合わせたもの、束ね合わせたもの
をさらに押し潰して使用してもよい。また、次に述べる
反応抑止素材と共に押し潰して使用してもよい。
【0025】また、第2の工程では、ロウ材用素材中の
Ti成分と金属部材との反応を防止するための反応抑止
素材を前記ロウ材用素材とともに、対向する前記セラミ
ックス部材と金属部材との間(ロウ材用素材中のTi成
分と金属部材の反応を抑止するのに有効な位置)に配置
してもよい。反応抑止素材は、ロウ材用素材の主成分で
あるCu又は/及びAgが好ましく、かつ第3の工程で
も、その一部分は固体状態を維持するように接合温度、
時間を選択することが好ましい。固体状態を維持するこ
とによって反応を抑止する効果が増大する。
【0026】上述したように、本実施の形態において
は、真空バルブの金属部材(封着金属)とセラミックス
部材(セラミックス製絶縁容器)とを接合するに際し
て、予めTi,Zr,Cr等もしくは、これらを含む活
性金属箔板もしくは線材をロウ材用素材として、金属部
材とセラミックス部材の間に挿着する。これは単なる挿
着であって、特にメタライジング処理を行わない点(メ
タライズ層でない点)で、従来の金属/セラミックス接
合技術とは異なっている。即ち、単にロウ材用素材に置
き換えただけではなく、その内容、作用効果を異にす
る。
【0027】本実施の形態の真空バルブの製造方法の利
点を説明する。真空バルブ用セラミックス製絶縁容器
(セラミックス部材)は、大きさ(外径、内径)がまち
まちである上に、その高さも不定のため、品質管理上技
術的問題が多い。例えば、外径は20mm程度から20
0mm程度、厚さは5mm以下の微小厚さからこれ以上
の厚さの場合が存在し、その上、高さも30〜1000
mmまでのセラミックス製絶縁容器端面へのロウ付けが
行われている。このような場合、セラミックス製絶縁容
器端面(被接合面)へのMo−Mn,Ti粉等の活性金
属を被着するときの作業性、メタライジング層の不均一
性が課題になっている。
【0028】これらの課題に対して、本実施の形態のロ
ウ材用素材は、厚さ、幅、外径、内径などを予め管理し
やすいことから、前記ばらつき、不均一性を回避し良好
な気密性と接合強度を得るのに有益となる。即ち、対向
する被接合面(セラミックス部材と金属部材とのうちの
少なくともセラミックス部材面)を0.1〜15μm
(金属部材では0.1〜30μm)の表面粗さとし、か
つ〔Ti/(Ag+Cu+Ti)〕値が0.05〜4重
量%となるようAg箔板又は/及びCu箔板とTi箔板
とを適宜組み合わせてロウ材用素材とし、これを対向す
るセラミックス部材と金属部材との間に(必要により反
応抑止素材とともに)配置し接合するようにしたので、
活性状態にある活性金属を微細均一に高度に分散させた
接合用ロウ材を使用することによって、良好な気密性と
接合強度を持った真空バルブとすることができる。
【0029】ここで、部材面の表面粗さを0.1〜15
μmとする理由は、0.1μm以下では、ロウ付け後の
気密性と接合強度などの効果は十分であるが、効果に対
して、品質を維持する投資や管理する技術が不必要に高
度となり、工業的でなくなる。一方、15μm以上(金
属部材では30μm以上)では対向する被接合面とロウ
材用素材との間の密着状態が十分でないミクロ的領域が
発生し、ロウ付け後ロウ材が被接合面に流れていない部
分が生じる場合が発生する。その結果、良好な気密性を
得るのに好ましくないためである。
【0030】上記において、セラミックス部材と金属部
材とのうちの少なくともセラミックス部材面を、所定の
表面粗さ(0.1〜15μm)とすればよい理由は、た
とえ15μmであっても、金属部材はロウ付け時の加熱
によって軟化するので、セラミックス部材との接触状態
が十分得られるのに対して、セラミックス部材はロウ付
け時の加熱では全く軟化せず、初期の表面粗さの影響を
直接的に受けるためである。
【0031】上記において、ロウ材用素材中の〔Ti/
(Ag+Cu+Ti)〕値を0.05〜4重量%とする
理由は、0.05%以下では、活性金属の存在状態が粗
な分布となり、好ましくないのみならずセラミックス部
材面の酸化物(主として酸化アルミニウム)の還元に対
してTiの絶対量が不足し、還元が行われない酸化アル
ミニウム領域が存在することになり、その部分でのロウ
材の濡れが十分でなく、ロウ付け後の気密性が劣り接合
強度が劣る。一方、4%以上では、ロウ付け後の接合強
度は十分な値を得るが、Tiの過度の偏析部分が生じる
場合が発生し、応力集中の原因などのため気密性にばら
つきが見られる。真空バルブ用セラミックス製絶縁容器
(セラミックス部材)の被接合面へTi,Zr,Cr粉
等の活性金属を被着させる従来法の場合では、被着させ
たのみではTi,Zr,Cr粉等の付着強さが十分でな
く、どうしてもメタライジング化のための加熱処理を要
する場合がある。これに対して、本実施の形態の真空バ
ルブの製造方法の場合では、ロウ材用素材の方がセラミ
ックス部材より、はるかに軟質であることから、セラミ
ックス部材に十分よく馴染みかつ密着するため、過度の
加圧力を与えることなしにロウ材用素材はセラミックス
部材に微細均一に分散密着する。その結果、メタライジ
ング化のための加熱処理を必要としないで、良好な気密
性と接合強度を得る。
【0032】上記において、被接合面の表面粗さ値とロ
ウ材用素材中の〔Ti/(Ag+Cu+Ti)〕値とを
両立させる必要がある。その理由は、気密性と接合強度
との両特性をばらつきを特に少なくして得るのに重要と
なるからである。
【0033】セラミックス部材の被接合面へTi,Z
r,Cr粉等の活性金属を被着させる従来法の場合で
は、セラミックス部材の被接合面へ行うバインダ塗布作
業時に、バインダが所定接合部分以外にも付着しやす
く、必要箇所以外に活性金属粉が被着する結果となる。
さらに、活性金属粉は有機溶剤によってペースト状態と
しているため、有機溶剤の濃度によっては、セラミック
ス部材の被接合面の所定接合部分以外にも流出する場合
があり、同様に、必要箇所以外に活性金属粉が被着する
結果となる。このような、必要箇所以外への付着は、真
空バルブの耐電圧不良の原因となる。これらを防止する
方法として、従来法では、接合不必要部分には、繁雑な
マスキングを施している。本実施の形態のロウ材用素材
では、接合必要部分にのみロウ材が配置されるので、マ
スキング不要など工程の簡略化、信頼性向上が得られて
いる。
【0034】セラミックス部材の被接合面へTi,Z
r,Cr粉等の活性金属を被着させる従来法の場合で
は、前記のように、ペースト、有機溶剤を使用している
ので、加熱炉、排気装置の内部、被接合物の表面の汚
染、人体への影響などが避けられないが、本実施の形態
では、ペースト、有機溶剤を使用していないため、これ
らのおそれは生じない。
【0035】被接合面へのロウ材用素材の付着強度は、
接合特性としての安定性に影響を与えるため、ロウ付け
接合後の接合強さ、気密性に重要である。この付着強度
に及ぼす要因の1つとして、被接合面の清浄度が挙げら
れる。しかし、一般にセラミックス表面を完全に清浄化
することは困難である上に通常セラミックスは、金属と
の濡れ性が著しく劣る。一方、被付着面として、本実施
の形態の前記所定の表面粗さを有するセラミックス部材
では、よい濡れ性を示すことから、前記セラミックス部
材に対するより高い付着強度を持つので、安定した接合
結果が得られる。本実施の形態の製造方法の要旨は、必
要によりAgなどのメッキ層を持たせ所定表面粗さを有
する金属部材とセラミックス部材との間に、所定のロウ
材用素材を挿着し、活性金属粉を微細均一に高度に分散
させ気密封着する接合技術である。
【0036】
【実施例】表1、表2の評価条件及び表3、表4の評価
結果を用いて本発明の実施例を説明する。
【0037】まず、評価条件を述べる。気密封着接合後
のセラミックス製絶縁容器をインストロン式万能試験機
で金属/セラミックス接合部分の引き外し力を測定し接
合強度とした。上記寸法のセラミックス製絶縁容器を使
用したときの引き外し力が700kg以上を合格の目安
とした。気密性の評価は、Heリークディテクターを使
用して、リーク量が5×10-10 (Torr・L/se
c)以下を合格の目安とした。遮断性能の評価は、接点
直径42mmの真空バルブで7.2kV,12kAを1
000回遮断し、そのときの再点弧発生率が0.1%以
下を合格の目安とした。また、耐電圧特性評価は、気密
封着接合後のセラミックス製絶縁容器の両端に、0〜1
20kVのインパルス電圧を10回印加したときの耐電
圧特性を測定し、絶縁破壊を示したときの電圧値、絶縁
破壊回数を示した。絶縁破壊電圧値で95kVで絶縁破
壊回数がゼロの場合を合格の目安とした。各特性評価に
ついては、5本ずつ実施した。
【0038】実施例1〜6、比較例1〜2;セラミック
ス部材(セラミックス製絶縁容器)と金属部材(封着金
属)との接合において、第1の工程として、外直径6.
7cm、内直径5.6mm、高さ10cmのセラミック
ス製絶縁容器(例えば主成分AL2 3 )を用意し、そ
の端面を0.05〜35μmの範囲の各種の平均表面粗
さ(表1、表2)に研磨した。また、板厚さ2mmの封
着金属(例えば42%Ni−Fe合金)を用意し、その
端面の平均表面粗さを(表1、表2)0.3μmに一定
とした金属部材を得た。第2の工程として、Ag:Cu
の比率を72:28とした上で、ロウ材用素材中のTi
量を0.3%とし、その板厚さを100μmに一定とし
たAgCuTiロウ材を準備した。また厚さ150μm
のCu板製の反応防止素材をこのロウ材用素材(AgC
uTi)と封着金属との間に配設した。セラミックス部
材/AgCuTiロウ材/反応防止素材/標準ロウ材/
金属部材の構成とした。ここで、標準ロウ材は反応防止
素材と金属部材とを接合する公知のロウ材である。第3
の工程として、この後、830℃に一定とした気密封着
作業を実施(実施例1〜6、比較例1〜2)した。
【0039】表3、表4から明らかなように、セラミッ
クス部材の平均表面粗さを0.5μmとしたときには、
気密封着後、1000〜1200以上の接合強度(kg
/cm2 )、5×10-12 (Torr・L/sec)以
下の気密性を発揮した。95kV以上の絶縁破壊電圧値
を示し良好な耐電圧特性を持つ真空バルブを得た(実施
例1)。さらに、セラミックス部材の平均表面粗さを
0.1〜15μmとしたときにも気密封着後、900〜
1200以上の接合強度(kg/cm2 )、5×10
-12 (Torr・L/sec)以下の気密性を発揮し
た。95kV以上の絶縁破壊電圧値を示し良好な耐電圧
特性を持つ真空バルブを得た(実施例2〜4)。接合部
断面の金属組織観察によれば、セラミックス部材とAg
CuTiロウ材は全面にわたって完全に濡れた状態にあ
った。さらにCu板製の反応防止素材の作用によって、
過大なCuTi化合物の生成もなく、優れた接合強度、
気密性を発揮した。これに対して、セラミックス部材の
平均表面粗さを0.05μmとしたときには、気密封着
後、1000〜1200以上の接合強度(kg/c
2 )、5×10-12 (Torr・L/sec)以下の
気密性を発揮し、良好な真空バルブを得たが、0.05
μmの平均表面粗さを有するセラミックス部材の供給に
は、工業的経済性において問題となる。0.05μmの
平均表面粗さのセラミックス部材の採用は除外する(比
較例1)。また、セラミックス部材の平均表面粗さを3
5μmとしたときには、気密封着後、800〜1100
以上の接合強度(kg/cm2 )を示し、前記実施例1
〜4よりは低下はしているものの許容範囲内にあり合格
としたが、しかし気密性において5×10-6〜5×10
-8(Torr・L/sec)を示し、真空バルブとして
は不合格となった。さらに多数回開閉させた真空バルブ
において、長期使用中に耐電圧特性の低下、耐電圧特性
のばらつきが発生している。接合部断面の金属組織観察
によれば、セラミックス部材面上の特に凹部分にAgC
uTiロウ材の溜まりができ、結果的にTi量はセラミ
ックス部材面に均一には存在していない状態にあり、T
i量に著しい差異(偏析)が存在し、この部分を起点と
した亀裂の発生も観察されている(比較例2)。セラミ
ックス部材の平均表面粗さを3μmとした上で、金属部
材の平均表面粗さを0.1μm以下〜30μmとして
も、気密封着後、1000〜1200、1100〜12
00以上の接合強度(kg/cm2 )、5×10
-12 (Torr・L/sec)以下の気密性を発揮し、
良好な真空バルブを得た(実施例5〜6)。接合部断面
の金属組織観察によれば、セラミックス部材とAgCu
Tiロウ材は全面にわたって完全に濡れた状態にあっ
た。さらにCu板製の反応防止素材の作用によって、過
大なCuTi化合物の生成もなく、優れた接合強度、気
密性を発揮した。以上、セラミックス部材(セラミック
ス製絶縁容器)と金属部材(封着金属)の接合部端面部
分の平均表面粗さは、真空バルブの気密封着接合の信頼
性に重要な影響を与えている。実施例1〜6が示してい
るように、セラミックス部材は0.1〜15μm、金属
部材は0.1〜30μmの範囲に仕上げるのが好まし
い。
【0040】実施例7〜9、比較例3〜4;前記実施例
1〜6では、第2の工程として、Ag:Cuの比率を7
2:28とし、ロウ材用素材(AgCuTiロウ材)中
のTi量を0.3%に一定とし、その板厚さを100μ
mに一定とした上で、第1の工程の被接合部の表面粗さ
(セラミックス部材又は/及び金属部材)を変化させた
ときの実施例効果を示した。しかし本発明方法では、ロ
ウ材用素材中のTi量は0.3%に限ることなく、効果
を得ることができる。即ち、前記実施例と同じく、厚さ
150μmのCu板製の反応防止素材をこのロウ材用素
材(AgCuTi)と封着金属との間に配設し、セラミ
ックス部材/AgCuTiロウ材/反応防止素材/標準
ロウ材/金属部材の構成とし、第3の工程として、前記
実施例と同じ830℃に一定とした気密封着作業を実施
し、真空バルブを製造した。ロウ材用素材中のTi量
〔Ti/(Ag+Cu+Ti)〕値が0.05%では、
表3、表4から明らかなように、気密封着後、1000
〜1200の接合強度(kg/cm2 )、5×10-12
(Torr・L/sec)以下の気密性を発揮し、良好
な真空バルブを得た(実施例7)。同様に、ロウ材用素
材中のTi量が1.0%でも、表3、表4から明らかな
ように、気密封着後、1100〜1200以上の接合強
度(kg/cm2 )、5×10-12 (Torr・L/s
ec)以下の気密性を発揮し、さらにTi量が4.0%
でも、気密封着後、950〜1200の接合強度(kg
/cm2 )、5×10-12 (Torr・L/sec)以
下の気密性を発揮し、良好な真空バルブを得た(実施例
8〜9)。接合部断面の金属組織観察によれば、セラミ
ックス部材とAgCuTiロウ材は全面にわたって完全
に濡れた状態にあった。さらにCu板製の反応防止素材
の作用によって、過大なCuTi化合物の生成もなく、
優れた接合強度、気密性を発揮した。これに対して、ロ
ウ材用素材中のTi量を0.01%とした場合には、気
密封着後、180〜1000の接合強度(kg/c
2 )を示し、前記実施例1〜9と比較して著しく低下
しているとともに強度値も大幅にばらつきを示した。さ
らに試作した真空バルブ6本のうち5本の真空バルブが
真空リークの状態となり、絶縁破壊電圧値の測定も中止
し、真空バルブとして不合格とした(比較例3)。接合
部断面のEDX分析によれば、セラミックス部材面上に
Tiが十分には存在せず、むしろTiの不在領域が多く
存在した。接合部断面の金属組織観察によれば、セラミ
ックス部材と反応防止素材間の濡れ現象が不足した(比
較例3)。さらに、ロウ材用素材中のTi量を7.0%
とした場合には、気密封着後、525〜1100の接合
強度(kg/cm2 )を示し、前記実施例1〜9と比較
して低下しているとともに強度値も大幅にばらつきを示
した。しかも気密性においても5×10-5〜5×10
-12 (Torr・L/sec)以下の範囲でばらつきを
示し真空バルブとしては不合格とした(比較例4)。接
合部断面のEDX分析によれば、セラミックス部材面上
にTiが多量に存在するとともにその量も場所により著
しく偏在した。接合部断面の金属組織観察によれば、幅
×長さが30μm以上の巨大なTi化合物が存在し、接
合界面には亀裂の発生が見られている(比較例4)。以
上、セラミックス部材(セラミックス製絶縁容器)と金
属部材(封着金属)の接合において、ロウ材用素材(A
gCuTiロウ材)中のTi量は、真空バルブの気密封
着接合の信頼性に重要な影響を与えている。実施例7〜
9が示しているように、ロウ材用素材中のTi量は、
0.05〜4%の範囲として実施することが望ましい。
【0041】実施例10〜12、比較例5〜6;前記実
施例1〜9では、第2の工程として、Ag:Cuの比率
を72:28とし、ロウ材用素材(AgCuTiロウ
材)の板厚さを100μmに一定とした上で、ロウ材用
素材(AgCuTiロウ材)中のTi量の好ましい範囲
を検討した。しかし本発明方法では、この板厚さは10
0μmに限ることなく効果を得ることができる。即ち、
この板厚さが10μmでは、表3、表4から明らかなよ
うに、気密封着後、1000〜1200の接合強度(k
g/cm2 )、5×10-12 (Torr・L/sec)
以下の気密性を発揮し、95kV以上の絶縁破壊電圧値
を示し良好な耐電圧特性を持つ真空バルブを得た(実施
例10)。同様に、前記板厚さを100μm〜1000
μmとしたときでも、表3、表4から明らかなように、
気密封着後、1100〜1200以上の接合強度(kg
/cm2 )、5×10-12 (Torr・L/sec)以
下の気密性を発揮した。さらにTi量が4.0%でも、
気密封着後、950〜1200の接合強度(kg/cm
2 )、5×10-12 (Torr・L/sec)以下の気
密性を発揮した。いずれも95kV以上の絶縁破壊電圧
値を示し良好な耐電圧特性を持つ真空バルブを得た(実
施例11〜12)。接合部断面の金属組織観察によれ
ば、セラミックス部材とAgCuTiロウ材は全面にわ
たって完全に濡れた状態にあった。さらにCu板製の反
応防止素材の作用によって、過大なCuTi化合物の生
成もなく、優れた接合強度、気密性を発揮した。これに
対して、前記板厚さを3μmとした場合には、気密封着
後、440〜1100の接合強度(kg/cm2 )を示
し、前記実施例1〜9と比較して著しく低下していると
ともに強度値も大幅にばらつきを示した。さらに試作し
た真空バルブ6本のうち4本の真空バルブが真空リーク
の状態となり、絶縁破壊電圧値の測定も中止し、真空バ
ルブとして不合格とした(比較例5)。接合部断面のE
DX分析によれば、セラミックス部材面上にTiが十分
には存在せず、むしろTiの不在領域が多く存在した。
接合部断面の金属組織観察によれば、セラミックス部材
と反応防止素材間の濡れ現象が不足した(比較例5)。
さらに、前記板厚さを5000μmとした場合には、気
密封着後、580〜1200以上の接合強度(kg/c
2 )を示し、試作した真空バルブ6本のうち1本の真
空バルブに接合強度不足と接合強度幅にばらつきが見ら
れた。気密性は5×10-12 (Torr・L/sec)
以下を示したが真空バルブとしては不合格とした(比較
例6)。接合部断面のEDX分析によれば、セラミック
ス部材面上にTiが多量に存在するとともにその量も場
所により著しく偏在した。接合部断面の金属組織観察に
よれば、幅×長さが30μm以上の巨大なTi化合物が
存在し、接合界面には亀裂の発生が見られている(比較
例6)。
【0042】実施例13〜15;前記実施例1〜9で
は、セラミックス部材/AgCuTiロウ材/反応防止
素材/標準ロウ材(AgCuロウ材)/金属部材の構成
において、反応防止素材として厚さ150μmのCu板
を配置した。しかし本発明方法では、この板厚さは15
0μmに限ることなく効果を得ることができる。即ち、
板厚さが10μm〜1000μmであっても、表3、表
4から明らかなように、気密封着後、1100〜120
0以上の接合強度(kg/cm2 )、5×10-1 2 (T
orr・L/sec)以下の気密性を発揮し、95kV
以上の絶縁破壊電圧値を良好な耐電圧特性を持つ真空バ
ルブを得た(実施例13〜15)。また前記実施例1〜
9では、第3の工程において、接合作業温度として83
0℃を選択して真空バルブを組み立てた。しかし本発明
方法では、この接合作業温度は830℃に限ることなく
効果を得ることができる。即ち、接合作業温度が950
℃であっても好ましい接合強度、気密性、耐電圧特性を
発揮する(実施例14)。また溶融温度を低く調整した
例えばSn,Inを添加したAgCuTiロウ材を使用
することによって、接合作業温度を780℃としても同
様に好ましい接合強度、気密性、耐電圧特性を発揮する
(実施例15)。なお、第3の工程は真空容器内を排気
しながら、セラミックス部材と金属部材を封着し真空バ
ルブを製造した。本発明方法では、これに限ることなく
セラミックス部材と金属部材とを予め接着し、真空容器
内をその後で真空排気するようにして真空バルブを製造
してもよい。
【0043】実施例16〜17、比較例7;前記実施例
1〜16では、第2の工程として、Ag:Cuの比率を
72:28とし、予め合金状態としたロウ材用素材(A
gCuTiロウ材)を用いている。しかし本発明方法で
は、このロウ材用素材(AgCuTiロウ材)は、前記
のような合金状態に限ることなく効果を得ることができ
る。即ち、Ag,Cu,Tiの単体を重ね合わせたり、
(Ag+Cu)板とTi単体とを重ね合わせて、最終的
にTi量〔Ti/(Ag+Cu+Ti)〕値を前記所定
範囲に設定してロウ材用素材とすれば、本発明方法で
は、その効果を得ることができる(実施例16〜1
7)。しかし、Ti量を前記所定範囲外の〔Ag板+残
部Cu板〕+Ti板(72%:約28%:0.3%)と
したときには、気密封着後、530〜1150の接合強
度(kg/cm2 )を示し、前記実施例1〜15と比較
して著しく低下しているとともに気密性において5×1
-6〜5×10-12 (Torr・L/sec)示し、さ
らに45〜100kVの絶縁破壊電圧値を示し真空バル
ブとして不合格となった。接合部断面の金属組織観察に
よれば、セラミックス部材面上にTiが過多に存在し、
偏析して存在している。接合界面に亀裂の発生も観察さ
れている(比較例7)。
【0044】実施例18〜19;前記実施例1〜16で
は、第2の工程において使用するロウ材用素材の形態
は、箔板状の例について示したが、しかし本発明方法で
は、箔板状に限ることなく効果を得ることができる。即
ち、最終的にTi量〔Ti/(Ag+Cu+Ti)〕値
を前記所定範囲に設定するときには、箔板状でなく線状
であっても同等の接合強度、気密性、耐電圧特性を発揮
する(実施例18)。また、前記実施例1〜18では、
第2の工程において使用するロウ材用素材中の活性金属
はTiの例について示したが、本発明方法では、Tiに
限ることなく効果を得ることができる。即ち、活性金属
がZrであっても同等の接合強度、気密性、耐電圧特性
を発揮する(実施例19)。
【0045】
【表1】
【表2】
【表3】
【表4】
【0046】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明によれば、対向するセラミックス部材と金属部材のう
ちの少なくともセラミックス部材面を0.1〜15μm
の表面粗さに仕上げる第1の工程と、それぞれ箔板状も
しくは線状の何れかからなる少なくともAg又は/及び
CuとTiとを、〔Ti/(Ag+Cu+Ti)〕値が
0.05〜4重量%となるように組み合わせたロウ材用
素材を対向する前記セラミックス部材と前記金属部材と
の間に配置する第2の工程と、前記〔Ti/(Ag+C
u+Ti)〕値で決定される溶融温度以上で前記セラミ
ックス部材と前記金属部材とを真空中又は非酸化性雰囲
気中で封着させる第3の工程とを有し、上記第1乃至第
3の工程を順次経て組み立てるようにしたため、品質を
維持する投資や管理する技術が不必要に高度になること
がなく、良好な気密性、接合強度が得られ、またロウ材
用素材はセラミックス部材と金属部材との間に単に挿着
するのみでペースト、有機溶剤等の使用が不要となっ
て、メタライジングと気密接合を同時に行うことができ
るとともに、信頼性、経済性や環境対策の面で極めて優
れた効果が得られる。
【0047】請求項2記載の発明によれば、前記第2の
工程は、前記Ti成分と前記金属部材との反応を防止す
るためのCu又は/及びAgよりなる板状の反応抑止素
材を前記ロウ材用素材とともに、対向する前記セラミッ
クス部材と前記金属部材との間に配置するようにしたた
め、過大なCuTi化合物等の生成が抑えられて、良好
な接合強度、気密性が得られ、さらに信頼性を向上させ
ることができる。
【0048】請求項3記載の発明によれば、前記第2の
工程は、AgとTi,CuとTi,Ag−Cu合金とT
iの各箔板又はAgとTi,CuとTi,Ag−Cu合
金とTiの各線材の何れかをロウ材用素材とし、前記A
g,Cu,Ag−Cu合金の各箔板は厚さが10〜10
00μmであり、前記Ag,Cu,Ag−Cu合金の各
線材は直径が10〜1000μmとしたため、箔板又は
線材からなるロウ材用素材中に活性金属が微細均一に高
度に分散されて良好な気密性、接合強度が得られ、一層
信頼性を向上させることができる。
【0049】請求項4記載の発明によれば、前記第2の
工程は、Ag−Ti合金、Cu−Ti合金、Ag−Cu
−Ti合金、Ag−Cu−In−Ti合金、Ag−Cu
−Sn−Ti合金、Ag−Cu−Mn合金、Cu−Mn
合金の各合金箔板又はAg−Ti合金、Cu−Ti合
金、Ag−Cu−Ti合金、Ag−Cu−In−Ti合
金、Ag−Cu−Sn−Ti合金、Ag−Cu−Mn合
金、Cu−Mn合金の各合金線材の何れかをロウ材用素
材とし、前記各合金箔板は厚さが10〜1000μmで
あり、前記各合金線材は直径が10〜1000μmとし
たため、溶融温度を低く調整しても、良好な接合強度、
気密性が得られて、高信頼性とともに経済性の面でさら
に有益な効果が得られる。
【0050】請求項5記載の発明によれば、前記第3の
工程は、前記〔Ti/(Ag+Cu+Ti)〕値で決定
される溶融温度以上〜950℃以下としたため、被接合
面とロウ材とが十分に濡れて良好な接合強度、気密性が
得られ、信頼性を向上させることができる。
【0051】請求項6記載の発明によれば、前記第2の
工程におけるロウ材用素材は、前記Tiの箔板もしくは
線材に代えてZrの箔板もしくは線材を0.05〜4重
量%となるように組み合わせたため、活性金属はZrを
用いても、Tiを用いた場合と略同等の接合強度、気密
性が得られて、信頼性を向上させることができる。
【0052】請求項7記載の発明によれば、前記第3の
工程は、真空容器内を真空排気しながら、前記セラミッ
クス部材と前記金属部材とを封着するようにしたため、
良好な接合強度、気密性、耐電圧特性を持った真空バル
ブが得られて、真空バルブの長期信頼性が保証される。
【0053】請求項8記載の発明によれば、前記第3の
工程は、前記セラミックス部材と前記金属部材とを予め
接着し、真空容器内をその後に真空排気するようにした
ため、請求項7記載の発明と略同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の真空バルブの縦断面図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中橋 昌子 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 長部 清 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 滝川 りか 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 丸山 美保 神奈川県川崎市幸区小向東芝町1 株式会 社東芝研究開発センター内 (72)発明者 山本 敦史 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 関 経世 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 鴛海 勝美 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 筒状のセラミックス部材の開口端面に封
    着用の金属部材をロウ付け接合して真空容器を形成し、
    該真空容器内に接離可能の1対の接点電極を備えた真空
    バルブにおける前記セラミックス部材と金属部材とのロ
    ウ付け接合を行う真空バルブの製造方法であって、対向
    する前記セラミックス部材と前記金属部材のうちの少な
    くともセラミックス部材面を0.1〜15μmの表面粗
    さに仕上げる第1の工程と、それぞれ箔板状もしくは線
    状の何れかからなる少なくともAg又は/及びCuとT
    iとを、〔Ti/(Ag+Cu+Ti)〕値が0.05
    〜4重量%となるように組み合わせたロウ材用素材を対
    向する前記セラミックス部材と前記金属部材との間に配
    置する第2の工程と、前記〔Ti/(Ag+Cu+T
    i)〕値で決定される溶融温度以上で前記セラミックス
    部材と前記金属部材とを真空中又は非酸化性雰囲気中で
    封着させる第3の工程とを有し、上記第1乃至第3の工
    程を順次経て組み立てるようにしたことを特徴とする真
    空バルブの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記第2の工程は、前記Ti成分と前記
    金属部材との反応を防止するためのCu又は/及びAg
    よりなる板状の反応抑止素材を前記ロウ材用素材ととも
    に、対向する前記セラミックス部材と前記金属部材との
    間に配置することを特徴とする請求項1記載の真空バル
    ブの製造方法。
  3. 【請求項3】 前記第2の工程は、AgとTi,Cuと
    Ti,Ag−Cu合金とTiの各箔板又はAgとTi,
    CuとTi,Ag−Cu合金とTiの各線材の何れかを
    ロウ材用素材とし、前記Ag,Cu,Ag−Cu合金の
    各箔板は厚さが10〜1000μmであり、前記Ag,
    Cu,Ag−Cu合金の各線材は直径が10〜1000
    μmであることを特徴とする請求項1又は2記載の真空
    バルブの製造方法。
  4. 【請求項4】 前記第2の工程は、Ag−Ti合金、C
    u−Ti合金、Ag−Cu−Ti合金、Ag−Cu−I
    n−Ti合金、Ag−Cu−Sn−Ti合金、Ag−C
    u−Mn合金、Cu−Mn合金の各合金箔板又はAg−
    Ti合金、Cu−Ti合金、Ag−Cu−Ti合金、A
    g−Cu−In−Ti合金、Ag−Cu−Sn−Ti合
    金、Ag−Cu−Mn合金、Cu−Mn合金の各合金線
    材の何れかをロウ材用素材とし、前記各合金箔板は厚さ
    が10〜1000μmであり、前記各合金線材は直径が
    10〜1000μmであることを特徴とする請求項1又
    は2記載の真空バルブの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記第3の工程は、前記〔Ti/(Ag
    +Cu+Ti)〕値で決定される溶融温度以上〜950
    ℃以下としたことを特徴とする請求項1,2,3又は4
    記載の真空バルブの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記第2の工程におけるロウ材用素材
    は、前記Tiの箔板もしくは線材に代えてZrの箔板も
    しくは線材を0.05〜4重量%となるように組み合わ
    せたものであることを特徴とする請求項1,2,3,4
    又は5記載の真空バルブの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記第3の工程は、真空容器内を真空排
    気しながら、前記セラミックス部材と前記金属部材とを
    封着するようにしたことを特徴とする請求項1,2,
    3,4,5又は6記載の真空バルブの製造方法。
  8. 【請求項8】 前記第3の工程は、前記セラミックス部
    材と前記金属部材とを予め接着し、真空容器内をその後
    に真空排気するようにしたことを特徴とする請求項1,
    2,3,4,5又は6記載の真空バルブの製造方法。
JP5317197A 1997-03-07 1997-03-07 真空バルブの製造方法 Pending JPH10255606A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5317197A JPH10255606A (ja) 1997-03-07 1997-03-07 真空バルブの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP5317197A JPH10255606A (ja) 1997-03-07 1997-03-07 真空バルブの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10255606A true JPH10255606A (ja) 1998-09-25

Family

ID=12935423

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP5317197A Pending JPH10255606A (ja) 1997-03-07 1997-03-07 真空バルブの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10255606A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5056702A (en) Method of manufacturing a semiconductor device
US4624897A (en) Clad brazing filler for bonding ceramic to metal, glass, or other ceramic and composites using such filler
EP0146493A2 (en) Method for bonding ceramics and metals
EP0989605B1 (en) Production method for lid material for a package for electronic components.
JP6146707B2 (ja) セラミックス−金属の接合体およびその製造方法
JP2752079B2 (ja) 気密性セラミック容器の製造方法
JPH10255606A (ja) 真空バルブの製造方法
JPH08245275A (ja) 複合ロウ材料の製造方法および接合方法
JP3302121B2 (ja) 真空バルブの製造方法
JPH08253373A (ja) 真空気密容器用封着材、真空気密容器、およびセラミックス−金属接合体の製造方法
JP2851881B2 (ja) アルミナセラミックスと鉄・ニッケル系合金との接合体およびその接合方法
JPH03254030A (ja) 真空バルブの接合方法およびその真空バルブ
JP7631412B2 (ja) セラミックス封着部品およびその製造方法
JPH09231884A (ja) 真空バルブ
JP2818210B2 (ja) アルミナセラミックスと鉄・ニッケル系合金との接合体およびその接合方法
JP2642386B2 (ja) 真空バルブおよびその製造方法
JPH0779014B2 (ja) 真空バルブの製造方法
KR910001351B1 (ko) 기밀성 세라믹 용기를 이용한 진공 밸브의 제조방법
JPH1173859A (ja) 真空バルブ
JPH08245274A (ja) セラミックスと金属の接合方法
JP2848867B2 (ja) アルミナセラミックスと鉄・ニッケル系合金との接合体およびその接合方法
JPH04300259A (ja) 接合部材及び接合方法
JPH0543071Y2 (ja)
JPH01264127A (ja) 真空バルブの製造方法
JPH11203997A (ja) 真空バルブの製造方法