JPH10259582A - タイヤ補強用スチールコード - Google Patents
タイヤ補強用スチールコードInfo
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- JPH10259582A JPH10259582A JP9059003A JP5900397A JPH10259582A JP H10259582 A JPH10259582 A JP H10259582A JP 9059003 A JP9059003 A JP 9059003A JP 5900397 A JP5900397 A JP 5900397A JP H10259582 A JPH10259582 A JP H10259582A
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Abstract
定性を確保でき、撚り効率に優れたハイエロンゲーショ
ンコードを提供する。 【解決手段】 素線径dの金属素線2の全てに、見掛け
の外径d1 でくせピッチP1 の小さなスパイラル状のく
せを設け、これらの素線を撚りピッチPで撚り合わせ、
かつ、d、d1 、P、P1 の相互関係を適正に規定して
スチールコード1を構成する。
Description
うち特にトラック、バス、ジープ等の重荷重車または悪
路走行車のタイヤのベルト部補強用として好適に使用で
きるタイヤ補強用スチールコード(以下、単に「スチー
ルコード」という)に関する。
行に引き揃えられた状態でゴム材で以て被覆されて、自
動車用タイヤの補強材として使用されている。スチール
コードがタイヤ補強材として使用されるときの基本的な
条件としては、機械的強度に優れること、ゴム材との化
学的な接着が良好であること、耐腐食性が良いこと、あ
る程度の柔軟性と伸びを備えていること、およびスチー
ルコード内部へのゴム浸入性が良好であること等が挙げ
られる。そして、スチールコードがゴム製品の補強材と
しての役割を充分に果たすためには、ゴム材との完全な
複合体となっていることが必要である。
車や悪路走行車においては、上記の条件のほかに優れた
耐カット性が要求される。耐カット性とは、タイヤが石
を踏んだり、縁石等に乗り上げた場合、タイヤ局部の過
剰な変形によりスチールコードが破断することを防ぐ性
能である。この耐カット性を向上するため、タイヤのベ
ルト部に高い伸度を有するスチールコード、いわゆるハ
イエロンゲーションコードが使用されている。従来のハ
イエロンゲーションコードは、撚り構成が3×7や4×
4の複層撚りで、撚りピッチを小さくしたタイプのスチ
ールコードであった。しかし、撚り工程が複数回必要な
ため生産性が悪く、製造コストが高くなる問題があっ
た。
車が路面を走行中にタイヤに外傷を受けた場合、その傷
から浸入した水分がスチールコードの中央部の空隙に至
り、毛細管現象によってスチールコードの長手方向に伝
播する現象が起きる。その結果スチールコードが腐食
し、耐疲労性が大幅に低下する問題があった。しかも、
スチールコードの腐食によりスチールコードとゴムとの
接着性が低下し、更に進むとスチールコードとゴムとが
剥離する、いわゆるセパレーション現象を引き起こすと
いう問題があった。
ーションコードの問題を解決するものとして、単層オー
プン撚り構造のハイエロンゲーションコード(以下、単
層構造ハイエロンゲーションコードという)が使用され
ている。これは、例えば、特公平6−57482号公報
や実公平6−40623号公報に開示されているよう
に、素線間に隙間を設けるように緩く撚った単層撚りの
スチールコードである。そして、これにより、伸びを確
保しつつ、ゴム浸入性を向上しようとするものである。
即ち、タイヤ成形時に素線間の隙間からゴムが浸入し、
スチールコード内部にまでゴムが充填するため、タイヤ
が外傷を受けても水分がスチールコード内部に至らず腐
食しないというものである。
は、予め各素線に過大な型付け(型付け率105〜14
0%)を施した後、撚線機で撚り合わせて製造される。
ここでいう型付け率とは、「各素線間に隙間を設けて撚
り合わせたときのコード径/各素線を稠密に撚り合わせ
たときのコード径×100(%)」で定義される。そし
て過大な型付けのピッチは、撚りピッチと同等である。
このコードの撚りピッチは、充分な破断伸びを確保する
ため、通常のスチールコードの撚りピッチよりも、かな
り小さくする必要があった。例えば、前記実公平6−4
0623号公報では、実施例として「1×5×0.3
8、ピッチ6mm」のスチールコードを用いている。こ
のピッチ6mmは、同実施例におけるクローズタイプの
スチールコードのピッチ16mmや、従来のオープンタ
イプのスチールコードのピッチ9.5mmに比べてかな
り小さい。従来の単層構造ハイエロンゲーションコード
は、ピッチを短くすることにより、コード単位長さにお
ける各素線の全長を長くして、伸び代が増すという一般
的性質を利用したものである。
ープン構造ハイエロンゲーションコードは、次の問題が
ある。第1に、撚りピッチが小さいため、撚り効率が極
端に悪くなるという問題である。即ち、これは、例えば
撚線機の回転数を一定にした場合、撚りピッチが1/2
になって、撚り効率が半減してコストアップにつながる
ことになり、コスト競争の激しい昨今では致命的な問題
である。第2に、短ピッチであるため、過大な引張り荷
重を受けた場合の復元力に乏しいという問題である。即
ち、撚りピッチが短いため、コード自体が一種のばねの
ような状態になっており、初期破断伸びは大きいが、過
大な引張り荷重を繰返し受けた場合に、「ばねが伸びき
った」状態になってしまう。このため、ゴムに埋め込ん
で使用した場合に、コードとゴムが一体の働きをしなく
なって、タイヤ内部で局部的な応力が作用し、乗り心地
性や操縦安定性が低下し、また、走行中にスチールコー
ドとゴムとの部分的な剥離が生じて、スチールコードの
耐疲労性が大幅に低下し、タイヤの寿命が極端に低下す
ると共に、安全性をも低下させてしまうという問題であ
る。
る手段としてはいろいろある。例えば、撚り効率を良く
するには、撚りピッチを長くすればよく、また、耐カッ
ト性を良くするには、撚りピッチを小さくして伸びを大
きくすることである。しかし、撚り効率と耐カット性を
同時に満足するスチールコードは従来のコード構成では
不可能であった。本発明は、上記従来の単層オープン構
造ハイエロンゲーションコードの有する諸問題を解決
し、撚り効率が良く、耐疲労性に優れ、かつタイヤのベ
ルト部に使用すると、良好な乗り心地性と操縦安定性を
確保できるようにすることを課題とする。
線の全てに撚りのくせとは異なる小さなスパイラル状の
くせを設け、かつ、小さなスパイラル状のくせの見掛け
の外径d1 、くせピッチP1 、スチールコードの撚りピ
ッチP、素線径dの相互関係を適正に制御することによ
り、撚り効率と耐カット性の相反する性質を同時に満足
できるようにしたものである。即ち、本発明に係るタイ
ヤ補強用スチールコードは、同一素線径d(d=0.2
5mm〜0.40mm)のn本(n=4〜6)の金属素
線を撚りピッチPで撚り合わせてなる1×n構造のスチ
ールコードにおいて、次式(1)〜(3)の条件を全て
満たすように限定し、かつ繰返し破断伸びを4.5%以
上にしたものである。 (1)0.01≦(d1 −d)/P1 ≦0.03 (2)1.2≦d1 /d≦2.5 (3)40≦P/d≦90 ここで、繰返し破断伸びとは、後述の如く、インストロ
ン引張試験機を使って、スチールコードの初期破断時の
破断荷重の60%の引張荷重で、負荷および除去を1セ
ットとして10回繰返したときの長さと、その後引張荷
重を負荷して少なくとも1本の素線が破断したときの長
さとから測定したものである。そして、繰返し破断伸び
が4.5%以上であれば、ハイエロンゲーションコード
として要求される耐疲労性および耐カット性を十分に確
保することができるが、特に悪路走行用タイヤに使用す
る場合には5%以上が好ましい。
0.01未満の場合、スチールコード素線間の隙間が十
分に確保できず、ゴム浸入性が低下する。また、0.0
3を越えると、ゴムとスチールコードが一体として働か
なくなり、耐疲労性が低下すると共に、乗心地性が悪化
する。また、式(2)において、d1 /dが1.2未満
の場合、素線間に十分な隙間が確保できず、ゴム浸入性
が悪くなると共に、十分な伸びが得られない。また、
2.5を越えると、隙間が大きくなり過ぎてコード安定
性が悪くなり、耐疲労性が低下する。さらに、式(3)
においてP/dが90を越えると、伸びを確保すること
が難しくなり、40未満の場合には、従来の単層構造ハ
イエロンゲーションコードに比べて撚り効率を十分に高
めることができない。なお、各式の条件を全て満足する
ことにより、相乗的にハイエロンゲーションコードとし
ての有効な作用を奏するものであって、いずれかの条件
を満たさない場合は、上述したような何らかの問題が起
きるものである。
は、初期の破断伸びと繰返し破断伸びの差が小さいほう
が好適である。また、小さいスパイラルくせのピッチP
1 は、P1 =0.2P〜0.8Pの範囲であることが好
ましい。なぜなら、P1 が0.2P未満の場合、くせピ
ッチが小さすぎてくせ外径d1 を大きくできず、素線間
の隙間が小さくなって、ゴム浸入率が低下し、スチール
コードの伸びも十分でなくなるからである。逆にP1 が
0.8Pを越えると、小さいスパイラルくせの作用が急
速に失われて、ゴム浸入性や破断伸びが低下するからで
ある。そして、さらに好ましい範囲は、P1 =0.3P
〜0.6Pである。
断伸びが十分にあり、過大な荷重が繰返し受けても十分
な復元力を有して耐カット性に優れ、また、ゴム浸入性
を十分に確保できると共に、撚り効率を大幅に向上する
ことができる。
を参照して説明する。
(イ)は側面図、(ロ)は断面図である。図1におい
て、スチールコード1は、見掛けの外径d1 、くせピッ
チP1 である、小さなスパイラルくせを、規則的に設け
た全ての金属素線2をスパイラルくせのらせん方向と同
じ方向に同時に撚り合わせて構成している。このスチー
ルコード1は、同一素線径(0.25〜0.40mm)
のn本(n=4〜6)の金属素線2に、予め小さいスパ
イラル状のくせを付け、その後撚線機で各素線を撚り合
わせる。各素線に小さいスパイラル状のくせを施す手段
としては、特公昭63−63293号公報に示されるよ
うに、供給される素線を軸芯として回転するくせ付け装
置を用いればよい。なお、別の手段として、素線を歯車
等に噛み込ませて平面的な波付けを施した後、その素線
を捻じって略スパイラル状にすることも考えられるが、
この方法では屈曲点に応力が集中し、耐疲労性が悪くな
るので好ましくない。本発明においては、各素線に小さ
いスパイラル状のくせをなだらかに規則的に有している
ので、応力集中が発生しにくく、耐疲労性に有効に作用
する。この小さいスパイラル状のくせ形状は、ハイエロ
ンゲーションコードにおいて重要なことである
ー型とチューブラー型のいずれの撚線機も使用可能で、
小さいスパイラル状のくせのらせん方向と同方向に各素
線を稠密に撚り合わせることにより製造することがで
き、従来の単層構造ハイエロンゲーションコードの緩い
撚りとは全く違った「堅い撚り」構造であり、形状安定
性が良く、耐疲労性に優れている。なお、撚線時に素線
繰出し張力及びコード巻取り張力を調整することによ
り、スチールコードの撚りの堅さの程度を調整すること
ができる。そして、これにより、スチールコードの破断
伸びを多少調節することができる。
例と比べて具体的に説明する。
を伸線加工後、表面にブラスメッキを施した複数本の素
線をバンチャー撚線機で撚り合わせた、各種構成のスチ
ールコードの試作結果を示したものである。表1は1×
4構造、表2は1×5構造、表3は1×6構造のスチー
ルコードで、素線径は全て0.38mmとした。そし
て、撚りピッチ、くせ素線本数、くせ形状を変化させ、
本発明の条件を満たす実施例、本発明の条件から外れた
比較例および従来の単層構造ハイエロンゲーションコー
ドである従来例の試作コードを製造し、それぞれのスチ
ールコードを評価した。なお、各表における実験No.
13のスチールコードは、従来の単層構造ハイエロンゲ
ーションコードであり、型付率を120%に設定した。
明する。 初期破断伸び(%) ゴムに埋め込む前のスチールコードを定寸(長さL)に
切断して試験片とし、インストロン引張試験機により上
下に引張り、少なくとも1本の素線が破断したときのス
チールコードの長さL1を測定し、次式により算出し
た。 初期破断伸び(%)=(L1−L)/L×100 繰返し破断伸び(%) 使用する試験機はと同じものを使い、ゴムに埋め込む
前のスチールコードをで求めた初期破断時の破断荷重
の60%の引張荷重で、負荷および除去を1セットとし
て10回繰返して試験片(長さL2)を得る。その後
と同様の引張試験を行ない、少なくとも1本の素線が破
断したときのスチールコードの長さL3を測定し、次式
により算出した。 繰返し破断伸び(%)=(L3−L2)/L2×100 ゴム浸入率 各コードに5kgの引張り荷重をかけた状態でゴム材中
に埋め込み、加硫加圧した後コードを取り出し、そのコ
ードを分解して一定の長さを観察し、観察した長さに対
してゴム材と接触した形跡のある長さの比をパーセント
表示したものである。 耐疲労性 スチールコードに5kgの引張荷重を加えた状態で2枚
のゴムシートの間に挾み込み、加硫加圧した後、ゴムシ
ートを一定幅で細短くカットし、スチールコード1本を
ゴム中心に含むゴムベルトを作成し、試験片とする。次
に、ベルト疲労試験機として用いられる3点プーリー疲
労試験機のプーリー群に試験片を掛け渡し、定荷重をか
けた状態で試験片を長手方向に往復させ、プーリー部分
のしごき力によりスチールコードが破断するまでの往復
回数を測定し、実験No.13の従来例の場合を100
として指数表示した。耐疲労性は大きい方が良い。 撚り効率 撚線機の回転数を一定にした状態での各コードの生産性
を、実験No.13の場合を100として指数表示した
ものであり、撚り効率は大きい方が良い。
単層構造ハイエロンゲーションコード(各表の実験N
o.13)が、初期破断伸びは大きいが、繰返し破断伸
びが低く、耐疲労性もかなり劣り、また撚りピッチが小
さいため、製造コストも要したのに対して、本発明に係
る実施例のスチールコード(各表実験No.1〜7)
は、従来例のスチールコードに対して、繰返し破断伸び
が4.5%以上であり、また、初期破断伸びと繰返し破
断伸びの差が小さく、ゴム浸入率、耐疲労性も高く、ハ
イエロンゲーションコードとして非常に優れていること
が判明した。また、撚り効率も従来例のものより数倍向
上するため、スチールコードを安価に製造することが確
認できた。
外れた比較例は、それぞれ次の問題があった。(d1 −
d)/Pが0.01未満のもの(各表の実験No.1
2)は、破断伸びが小さく、従来例よりも耐疲労性およ
びゴム浸入性が低下していた。(d1 −d)/Pが0.
03を越えるもの(各表の実験No.11)は、従来例
と比べて耐疲労性が少し向上するが、十分ではなかっ
た。d1 /dが1.2未満のもの(各表の実験No.
9)は、ゴム浸入率が極端に悪くなり、耐疲労性も劣っ
っていた。d1 /dが2.5を越えるもの(各表の実験
No.10)は、ゴム浸入率がやや低下し、耐疲労性も
十分ではなかった。P/dが90を越えるもの(各表の
実験No.8)は、破断伸びが低く、ゴム浸入率も低
く、耐疲労性も悪く、ハイエロンゲーションコードとし
て有効ではなかった。
りピッチより小さなスパイラル状のくせを設け、かつ、
くせ外径d1 、くせピッチP1 、素線径dおよび撚りピ
ッチPの相互関係を適正に限定し、繰返し破断伸びが大
きいため、耐カット性に優れ、高いゴム浸入性を確保で
きる。また、従来の単層オープン構造ハイエロンゲーシ
ョンコードに比較して、初期破断伸びと繰返し破断伸び
の差が小さいため、耐疲労性に優れ、さらに、撚り効率
も数倍向上するため、低コストで製造できる等の優れた
効果を有する。
(イ)は側面図、(ロ)は断面図である。
Claims (1)
- 【請求項1】同一素線径d(d=0.25mm〜0.4
0mm)のn本(n=4〜6)の金属素線を撚りピッチ
Pで互いに撚り合わせてなる1×n構造のスチールコー
ドにおいて、金属素線の全てに見掛けの外径d1 、くせ
ピッチP1 である小さなスパイラル状のくせを設け、か
つ、d、P、d1 およびP1 が下記(1)〜(3)の条
件を満足し、かつ、繰返し破断伸びが4.5%以上であ
ることを特徴とするタイヤ補強用スチールコード。 (1)0.01≦(d1 −d)/P1 ≦0.03 (2)1.2≦d1 /d≦2.5 (3)40≦P/d≦90
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05900397A JP3887789B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | タイヤ補強用スチールコード |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP05900397A JP3887789B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | タイヤ補強用スチールコード |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10259582A true JPH10259582A (ja) | 1998-09-29 |
| JP3887789B2 JP3887789B2 (ja) | 2007-02-28 |
Family
ID=13100688
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP05900397A Expired - Lifetime JP3887789B2 (ja) | 1997-03-13 | 1997-03-13 | タイヤ補強用スチールコード |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3887789B2 (ja) |
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1997
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Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP3887789B2 (ja) | 2007-02-28 |
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