JPH10260301A - プラスチックレンズ - Google Patents

プラスチックレンズ

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JPH10260301A
JPH10260301A JP9064490A JP6449097A JPH10260301A JP H10260301 A JPH10260301 A JP H10260301A JP 9064490 A JP9064490 A JP 9064490A JP 6449097 A JP6449097 A JP 6449097A JP H10260301 A JPH10260301 A JP H10260301A
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JP
Japan
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plastic lens
intermediate layer
hard coat
layer
refractive index
Prior art date
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JP9064490A
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English (en)
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Toru Nakamura
徹 中村
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プラスチックレンズの耐擦傷性を向上するた
めにハードコート層を設けると、干渉縞が発生する問題
があり、干渉縞を無くすためには、プラスチックレンズ
基材とハードコート層の屈折率差を小さくするために、
プラスチックレンズ基材の屈折率に応じて屈折率の異な
るハードコート層のコーティング液を複数準備せねばな
らず、多大なコストが発生するという問題点があった。 【解決手段】 プラスチック基材とハードコート層の屈
折率差が0.08以上あっても、ハードコート層との屈
折率差が0.03以下である中間層をプラスチックレン
ズ基材とハードコート層の間に設けることにより、ハー
ドコート層と中間層との全体を光学的に一つの層と見做
すことができ、干渉縞が無く外観に優れ、耐擦傷性、耐
摩耗性、耐衝撃性に優れたプラスチックレンズを安価に
提供できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐擦傷性、耐摩耗
性に優れ、耐衝撃性及び外観に関しても良好である実用
性に優れたプラスチックレンズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズは軽量、耐衝撃性、
簡易加工性、染色が容易などの長所があり、光学材料、
特に眼鏡用レンズの分野で急速に普及している。しか
し、一般にプラスチックレンズは傷つき易いという欠点
を有する。そのため、通常は表面にハードコート処理を
施すことにより、耐擦傷性を向上させている。
【0003】プラスチックレンズ基材の屈折率が1.5
程度である比較的低屈折率のプラスチックレンズには、
通常、有機ケイ素化合物によるハードコートが施されて
おり、このハードコート層の屈折率はプラスチックレン
ズ基材とほぼ同じ1.5前後になる。一方、屈折率が
1.6以上、さらには1.65以上の高屈折率プラスチ
ックレンズ基材も近年多数開発されているが、これらの
高屈折率プラスチックレンズ基材に有機ケイ素化合物な
どの屈折率1.5前後の低屈折率ハードコートを施した
場合、耐擦傷性は向上するが、ハードコート層とプラス
チックレンズ基材の界面での光の反射率が増し、ハード
コートの膜厚の不均一性に起因する干渉縞が発生し、外
観上問題が生じる。
【0004】この干渉縞を無くす為にハードコート層の
組成を工夫して、プラスチックレンズ基材の屈折率とハ
ードコート層の屈折率との差を小さくすることが行われ
てきた。高屈折率プラスチックレンズ基材の出現に伴
い、ハードコート層の屈折率を上げる手法はこれまでに
多数報告されているが、一例を挙げると、特公昭61−
54331には、五酸化アンチモンゾルと有機ケイ素化
合物を含有するコーティング技術が開示されている。ま
た、特開平5−287241には、有機ケイ素化合物に
酸化アンチモンの他、チタニア、酸化セリウム、酸化ス
ズ、酸化タングステン、酸化鉄などを含有するハードコ
ート技術が開示されている。
【0005】一方、ハードコートを施したプラスチック
レンズの耐衝撃性は、プラスチックレンズ基材のみの耐
衝撃性に比べ、低い値を示すことが多い。そこで一部の
プラスチックレンズでは、ハードコート層とプラスチッ
ク基材の間に衝撃を吸収する中間層を設けて耐衝撃性を
向上させる手法がとられており、一例として特開昭63
−87223、特開昭63−141001、特開平3−
109502、特願平4−234668等を挙げること
ができる。これら耐衝撃性の向上の為に設けられた中間
層の屈折率も、前述と同じ理由でプラスチックレンズ基
材の屈折率に近い値に設定されている。すなわち、プラ
スチックレンズ基材、中間層、及びハードコート層の屈
折率を全てほぼ同じ値にすることにより、干渉縞の発生
を防止しているのである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プラス
チックレンズ基材とハードコート層の屈折率差を小さく
するためには、プラスチックレンズ基材の種類に応じて
屈折率の異なるハードコート層のコーティング液を複数
準備せねばならず、多大なコストが発生するという問題
点があった。さらに、耐衝撃性向上の為に中間層を設け
る場合には中間層についても屈折率の異なるコーティン
グ液を複数準備する事が必要になる為、新たにコストが
発生し、プラスチックレンズを安価に提供することが一
層困難になるという問題点があった。
【0007】ハードコート層の干渉縞を無くすには、プ
ラスチック基材との屈折率差を小さくする以外に、ハー
ドコート層の膜厚を厚くする方法も考えられなくもな
い。しかし、ハードコート層の膜厚を厚くすると、硬化
時にクラックが発生して均一な膜が得られない、あるい
は耐衝撃性が著しく低下するなどという問題点があり実
用には適さない。
【0008】そこで本発明では、干渉縞が無く外観に優
れ、耐擦傷性、耐摩耗性、さらには耐衝撃性にもすぐれ
たプラスチックレンズを、様々な屈折率のプラスチック
レンズ基材で安価に提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決しようとする手段】本発明者は上記問題点
の解決のために鋭意研究を重ねた結果、プラスチックレ
ンズ基材の屈折率と異なる屈折率を有するハードコート
層をプラスチックレンズに施す場合に、該ハードコート
層との屈折率差が0.03以下である中間層を該プラス
チックレンズ基材と該ハードコート層の間に設けること
により、ハードコート層と中間層との全体を光学的に一
つの層と見做すことができ、干渉縞が無く外観に優れ、
耐擦傷性、耐摩耗性に優れたプラスチックレンズを安価
に提供できることを見いだした。
【0010】さらに、該中間層に衝撃吸収能を持たせる
ことにより、前記の諸特性に加えて耐衝撃性にもすぐれ
たプラスチックレンズを安価に提供できることをも見い
だした。本発明は第一に、「プラスチックレンズ基材、
前記プラスチックレンズ基材上に形成された中間層、及
び前記中間層上に形成されたハードコート層よりなるプ
ラスチックレンズにおいて、前記プラスチックレンズ基
材と前記ハードコート層との屈折率差が0.08以上で
あり、かつ前記中間層と前記ハードコート層の屈折率差
が0.03以下であることを特徴とするプラスチックレ
ンズ。(請求項1)を提供する。
【0011】第二に、「前記中間層の膜厚が1.5μm
以上であることを特徴とする請求項1記載のプラスチッ
クレンズ。(請求項2)」を提供する。第三に、「前記
中間層の膜厚と前記ハードコート層の膜厚の合計が3μ
m以上であり、かつ前記ハードコート層と中間層との全
体を光学的に一つの層と見做せることを特徴とする請求
項1または請求項2記載のプラスチックレンズ。(請求
項3)」を提供する。
【0012】第四に、「前記ハードコート層の上に反射
防止層を設けることを特徴とする請求項1、2、3の何
れか1項に記載のプラスチックレンズ。(請求項4)」
を提供する。第五に、「前記中間層が衝撃吸収層を兼ね
ることを特徴とする請求項1、2、3、4の何れか1項
に記載のプラスチックレンズ。(請求項5)」を提供す
る。
【0013】第六に、前記中間層が、ポリビニルアセタ
ール樹脂、およびポリウレタン樹脂の少なくとも1つを
含有することを特徴とする請求項1、2、3、4、5の
何れか1項に記載のプラスチックレンズ。(請求項
6)」を提供する。第七に、「前記中間層が、金属酸化
物よりなる微粒子状無機物を含有することを特徴とする
請求項1、2、3、4、5、6の何れか1項に記載のプ
ラスチックレンズ。(請求項7)」を提供する。
【0014】第八に、「前記微粒子状無機物が、酸化ア
ルミニウム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化
アンチモン、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸
化セリウム、二酸化ケイ素、酸化タングステンから選ば
れる少なくとも一種類からなる微粒子状無機物であり、
その平均粒子径が1〜300nmであることを特徴とす
る請求項7記載のプラスチックレンズ。(請求項8)」
を提供する。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のプラスチックレンズの膜構成を図1に示す。図
1において11はプラスチックレンズ基材である。本発
明のプラスチックレンズ基材は光学的に透明なものであ
れば他になんら制限は無い。したがって、具体例として
は数多くの物質を挙げることが可能であるが、その一部
として、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート
(CR39)、スチレン、αーメチルスチレン、クロロ
スチレン、フェニルメタクリレート、フェニルアクリレ
ート、ベンジルメタクリレート、ベンジルアクリレー
ト、ナフチルメタクリレート、ナフチルアクリレート、
テトラブロモビスフェノール誘導体の(ジ)メタクリレ
ート、テトラブロモビスフェノール誘導体の(ジ)アク
リレート、テトラブロモビスフェノール誘導体のジアリ
ルカーボネート、メチルメタクリレート、(ジ)エチレ
ングリコールメタクリレート、(ジ)エチレングリコー
ルアクリレート、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン
等を挙げることができ、また、2ーヒドロキシエチルメ
タクリレート、2ーヒドロキシエチルアクリレート、3
ーヒドロキシプロピルメタクリレート、3ーヒドロキシ
プロピルアクリレート、2,3ーヒドロキシプロピルメ
タクリレート、2,3ーヒドロキシプロピルアクリレー
ト等のヒドロキシメタクリレートあるいはヒドロキシア
クリレートとキシリレンジイソシアネート、イソホロン
ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネートの環状三量体等の多官
能(ポリ)イソシアネートの反応物、さらに、ジ(2ー
メルカプトエチル)エーテル、1,2ーエタンジチオー
ル、ジ(2ーメルカプトエチル)スルフィド、2ーメル
カプトエタノール、ペンタエリスリトールテトラキスー
3ーメルカプトプロピオネート、4ーメルカプトメチル
ー3,6ージチアー1,8−オクタンジオール等のチオ
ール化合物と多官能(ポリ)イソシアネートまたは多官
能(ポリ)エンの反応物及びこれらの混合物を挙げるこ
とができるが、これらに限定されるものではない。
【0016】また、プラスチックレンズ基材は、モノマ
ーに重合開始剤を添加した後に母型に入れ、熱、または
紫外線、あるいはその両方を加えて重合する事により作
製する事ができる。本発明において使用可能な重合開始
剤に制限はないが、例として、ペルオキソ二硫酸カリウ
ム、ペルオキソ二硫酸アンモニウム、t−ブチルヒドロ
ペルオキシド、過酸化ジーtーブチル、クメンヒドロペ
ルオキシド、過酸化アセチル、過酸化ベンゾイル、過酸
化ラウロイル、アゾビスイソブチロニトリル、アゾビス
ー2,4ージメチルバレロニトリル、アゾビスシクロヘ
キサンカルボニトリル、ジイソプロピルパーオキシカー
ボネート、t−ブチルパーオキシネオデカノネート、ジ
メチル錫ジクロライド、ビアセチル、アセトフェノン、
ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイ
ン、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンジルジメチル
ケタール、ベンゾイルパーオキシド、1ーヒドロキシシ
クロヘキシルフェニルケトン、αーヒドロキシイソブチ
ルフェノン、pーイソプロピルーαーヒドロキシイソブ
チルフェノン等を挙げる事ができる。
【0017】図1において12は中間層である。本発明
の中間層の屈折率はハードコート層の屈折率との差が
0.03以下であることが好ましく、さらには0.02
以下であることが好ましい。中間層の屈折率とハードコ
ート層の屈折率との差がこれより大きいと、ハードコー
トを施したあとのプラスチックレンズの干渉縞を完全に
無くすことができない。
【0018】また、中間層の膜厚は1.5μm以上、さ
らには中間層の膜厚とハードコート層の膜厚を合わせた
膜厚は3μm以上であることが好ましい。膜厚がこれら
の値より小さい場合には、プラスチックレンズ基材とハ
ードコート層の屈折率差が前段で述べた範囲内にあって
も、干渉縞を完全に無くすことはできないことがある。
【0019】本発明の中間層を構成する物質は、屈折率
と膜厚の条件を満たし、かつ光学的に透明なものであれ
ば何ら制限は無い。さらに、本発明の中間層に衝撃吸収
能を持つ物質を用いることにより、プラスチックレンズ
の干渉縞を無くすと同時に耐衝撃性をも向上させること
ができる。衝撃吸収能を有する中間層の構成物質として
は、ポリビニルアセタール系物質、ウレタン系物質、ア
クリル−ウレタン共重合物質、エポキシ樹脂系物質、メ
ラミン樹脂系物質などを使用することができる。また、
中間層の屈折率の調整はこれら樹脂の組成を変えたり、
無機酸化物微粒子を添加することにより行なう。
【0020】衝撃吸収能を有する物質としてポリビニル
アセタール系物質を使用する場合には、中間層として例
えば、架橋されたポリビニルアセタール、あるいは架橋
されたポリビニルアセタールと金属酸化物からなる微粒
子状無機物の混合物を用いることができる。すなわち、
架橋されたポリビニルアセタールからなる中間層の形成
は、主成分であるポリビニルアセタール、架橋剤として
加水分解性オルガノシラン化合物あるいはジアルデヒド
の少なくとも一方、硬化触媒を溶解したあるいは含有さ
せた成分を溶媒に溶解あるいは分散させた中間層組成物
中に必要に応じて金属酸化物からなる微粒子状無機物を
分散させて作製したコート液をプラスチックレンズ上に
ディップコートあるいはスピンコートしたのち、加熱処
理する事により行うことができる。
【0021】ポリビニルアセタールは、アセタール部の
アルキル基の炭素数が0から20のものが利用でき、好
ましくは0から10のものであり、特に好ましいのはア
ルキル基の炭素数が3であるポリビニルブチラールであ
る。アセタール化度は10から90%のものが利用で
き、好ましくは20から80%のものを利用する。ポリ
ビニルアセタールの平均重合度は好ましくは5,000
以下のものであるが、より好ましくは100から4,0
00である。平均重合度が高すぎると溶媒に溶解しにく
くなり、コーティング液の粘度も高くなり過ぎるため実
用的ではない。一方、平均重合度が低すぎる場合は、該
中間層をプラスチックレンズ上に成膜したときの耐衝撃
性が十分改善されず好ましくない。
【0022】ポリビニルアセタールの架橋剤としてはテ
トラメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ジメ
チルジメトキシシラン、テトラエトキシシラン、エチル
トリエトキシシラン、ジエチルジエトキシシランなどの
オルガノシラン化合物が用いられる。これらのオルガノ
シラン化合物は単独で使用しても良いし、二種以上の混
合物として用いても良い。これらのオルガノシラン化合
物は、加水分解基が加水分解してシラノール基が生成
し、触媒の作用と熱によりポリビニルアセタール中の水
酸基と脱水縮合することにより分子間もしくは分子内で
架橋が行われる。これらオルガノシラン化合物の添加量
は、中間層コート液の0.01〜30重量%であり、さ
らに好ましくは0.1〜20重量%である。さらに、こ
れらのオルガノシラン化合物はそのまま添加しても良い
し、あるいは、あらかじめ加水分解反応を行った後に添
加しても良い。
【0023】また、テトラメトキシチタン、メチルトリ
メトキシチタン、ジメチルジメトキシチタン、テトラエ
トキシチタン、エチルトリエトキシチタン、ジエチルジ
エトキシチタンなどのオルガノチタン化合物も架橋剤と
して使用することができる。これらのオルガノチタン化
合物は単独で使用しても良いし、二種以上の混合物とし
て用いても良い。また、これらのオルガノチタン化合物
は上記のオルガノシラン化合物と同様、加水分解及び脱
水縮合反応をすることにより分子間もしくは分子内で架
橋が行われる。これらオルガノチタン化合物の添加量
は、中間層コート液の0.01〜30重量%であり、さ
らに好ましくは0.1〜20重量%である。さらに、こ
れらのオルガノチタン化合物はそのまま添加しても良い
し、あるいは、あらかじめ加水分解反応を行った後に添
加しても良い。
【0024】さらに、グリオキサール、マロンジアルデ
ヒド、スクシンジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、
アジピンジアルデヒド、マレインジアルデヒド、フタル
アルデヒド、イソフタルアルデヒド、テレフタルアルデ
ヒド等のジアルデヒド化合物またはジアルデヒドのアセ
タール化合物も架橋剤として用いることができる。ジア
ルデヒド化合物の場合はアルデヒド基が触媒の作用によ
りポリビニルアセタール中の水酸基と反応するか、もし
くはアルキルアセタール基との間のアセタール交換反応
により新たにアセタール結合を形成する。ジアルデヒド
化合物またはジアルデヒドのアセタール化合物は単独で
用いてもよいし、二種類以上の化合物を混合して用いて
もよい。中間層コート液中のジアルデヒド化合物または
同アセタール化合物の添加量は0.01〜30重量%、
好ましくは0.1〜20重量%であり、前記オルガノシ
ラン化合物及びオルガノチタン化合物と混合して用いる
場合は、オルガノシラン化合物及びオルガノチタン化合
物の50モル%以下が好ましい。
【0025】一方、衝撃吸収能を有する物質としてウレ
タン系物質を使用する場合には、中間層として例えば、
ポリイソシアネート、ポリオール及び/またはポリチオ
ール、必要に応じて用いられる硬化触媒、及び屈折率調
節の目的で添加する無機微粒子を溶媒に溶解または分散
して作製したコーティング液をプラスチックレンズ基材
表面にスピンコート法あるいはディップコート法により
塗布し、加熱処理することによりポリオール及び/また
はポリチオールとポリイソシアネートを反応させて得ら
れる膜を使用することができる。
【0026】ポリイソシアネートの具体例としては、ト
リレンジイソシアネート、4,4−ジフェニルメタンジ
イソシアネート、キシリレンジイソシアネート、1,5
−ナフタレンジイソシアネート、トリフェニルメタント
リイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)
チオフォスフェート、テトラメチルキシレンジイソシア
ネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシ
アネート、リジンジイソシアネート、リジンエステルト
リイソシアネートなどの単量体及び/または数分子を結
合させた付加物、イオウまたはハロゲン基を含むポリイ
ソシアネートなどが挙げられる。
【0027】ポリオールの具体例としては、ポリカーボ
ネートポリオール、ポリエステルポリオール、アクリル
ポリオール及びこれらの混合物を挙げる事ができる。ポ
リイソシアネートとポリオール及び/又はポリチオール
の反応には、硬化触媒を用いるのが望ましい。硬化触媒
としては特別な制限は無いが、例えば、有機錫化合物、
三級アミン化合物、有機亜鉛化合物などが挙げられる。
【0028】中間層コーティング液の溶媒としては、ア
ルコール類、ケトン類、エステル類、アミン類、炭化水
素類、ハロゲン化炭化水素類、あるいはこれらの混合物
またはこれらの水溶液などを用いることができる。溶媒
の添加量を変える事によりコーティング液中の固形分濃
度を変え、コーティング液の粘度を調整することが可能
である。コーティング液の粘度が高くなるほど中間層の
膜厚も厚くなる。また、ディップコートの場合には、引
き上げ速度を速くすると膜厚は厚くなる。本発明におい
て中間層の膜厚は1.5μm以上であることが好ましい
が、この場合、コーティング液中の全固形分濃度は10
%以上、ディップコーティング時の引き上げ速度は1m
m/秒以上だった。
【0029】中間層中に分散させる金属酸化物微粒子に
は、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化チタニウム、酸
化ジルコニウム、酸化スズ、酸化アンチモン、二酸化ケ
イ素、酸化ベリリウム、酸化タングステン、酸化セリウ
ム等あるいはそれらの複合体がある。中間層の屈折率
は、これら金属酸化物微粒子の量を変えることにより調
節される。衝撃吸収能を有する物質としてポリビニルア
セタール系物質を使用する場合、一般に金属酸化物の屈
折率はポリビニルアセタールの屈折率よりも高いので、
金属酸化物微粒子の添加量を増やすと、中間層の屈折率
は増加する。
【0030】金属酸化物微粒子の分散にあたり、その分
散前の形態としては、微細粉末状のものを使用すること
もできるが、本発明の目的を達成するためには液状の揮
発性分散溶媒中でコロイド状の分散体(金属酸化物から
なる微粒子状無機物)とビヒクル成分(基質になる物
質)とを混合した後、前記揮発性分散媒を蒸発させる方
法が特に有効である。その際、金属酸化物微粒子の平均
粒子径は1〜300nmのものが好ましく、さらに好ま
しくは1〜50nmである。平均粒子径が大きすぎる
と、ビヒクル成分中に分散させたのち基板上で硬化させ
ると、散乱光が強く発生し、外観上白濁して望ましくな
い。
【0031】その他、本発明の中間層には純水、レベリ
ング剤、機能材料等が添加できる。たとえば、中間層塗
布時の表面状態改善を目的として各種レベリング剤、あ
るいは耐候性向上のための紫外線吸収剤や酸化防止剤、
さらに通常の染料、顔料、及びフォトクロミック染料や
同顔料などを挙げることができる。以上の条件にて屈折
率を調節し、ハードコート層との屈折率差が0.03以
下になる様にした中間層コート液を調製し、プラスチッ
クレンズ上にスピンコート法あるいはディップ法にて膜
厚が1.5μm以上になるように成膜する。その際、一
度の成膜で所望の膜厚になるようにしてもよいし、複数
回の成膜を重ねて所望の膜厚になるようにしても良い。
この中間層コート液塗布の前に、プラスチックレンズに
対する中間層の密着性を向上させるために、プラスチッ
クレンズに対して各種の前処理を施してもよい。前処理
の一例としては、ケン化処理、プラズマ処理、紫外線に
よる表面処理などを挙げることができる。ケン化処理と
は、プラスチックレンズを、約10重量%の水酸化ナト
リウム水溶液に約60℃の条件下において5分間程度浸
漬するものであり、その後、水にて予備洗浄し、さらに
界面活性剤、純水等で構成される洗浄行程にて洗浄す
る。一方、プラズマ処理とは、プラスチックレンズ表面
を酸素プラズマに接するように設置し、プラスチック表
面をプラズマ中の酸素イオンあるいは酸素ラジカルと反
応させ、表面を改質する方法である。また、紫外線によ
る表面処理とは、プラスチックレンズを水銀灯などの紫
外線に暴露して、表面の親水性を向上させる処理であ
る。
【0032】図1に於いて13はハードコート層であ
る。ハードコート処理はウェット条件による有機シリコ
ン系ハードコーティング技術が実用化されている。ハー
ドコート液の組成はオルガノアルコキシシランの加水分
解物、金属酸化物微粒子、および金属錯体触媒からな
り、その成膜方法にはディッピング法とスピンコート法
があり、コート液を塗布した後に加熱し、硬化させる。
そのほかドライ条件下における処理も可能である。従
来、干渉縞を無くすにはハードコート層の屈折率をプラ
スチック基材の屈折率に完全に一致させるか、あるいは
一致しないまでも非常に近い値に調製することが必要と
され、プラスチックレンズ基材の種類が増えるに従い、
多種類のコート液を準備する必要があった。しかし、本
発明によれば、一種類のハードコートをさまざまなプラ
スチック基材に適用することが可能になったのである。
【0033】図2に示すように、ハードコート層の上に
は、必要に応じて、反射防止コートを施すことができ
る。反射防止コートは、光学理論に基づいた単層あるい
は多層構造からなる膜が採用される。材料としては、S
iO、SiO2 、Al2 3 、Y2 3 、Yb2 3
CeO2 、Ta2 3 、TiO2 、MgF2 、ZrO2
などの無機誘電体が使用され、真空蒸着法、スパッタリ
ング法、イオンプレーティング法等で成膜するのが普通
である。
【0034】さらに必要に応じて、反射防止コート層の
上層に、汚れ付着防止、水ヤケ防止等を目的として、側
鎖にアルキル基、フェニル基、ポリフルオロアルキル基
などの疎水性基を有する有機ケイ素化合物またはフッ素
含有炭化水素化合物の超薄膜を形成することも可能であ
る。
【0035】
【実施例】以下、本発明を実施例に基いて説明するが、
本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。 1.実施例1 (1ー1)中間層コート液の調製 市販のブチラール化度約25%、平均重合度2,400
のポリビニルブチラール樹脂(和光純薬(株)製)70
重量部をn-ブタノール300重量部に溶解した。さらに
水100重量部と、架橋剤としてメチルトリメトキシラ
ン8.5重量部と、硬化触媒としてp−トルエンスルホ
ン酸1.2重量部とレベリング剤としてフロラードFC
430を1重量部順次加え、この混合物が均一状態にな
るまで十分に撹拌した後、0.2μmのメンブレンフィ
ルターで濾過し中間層コート液を調製した。
【0036】(1ー2)中間層の屈折率測定および膜厚
測定 上記1ー1で調製したコート液を屈折率1.60の眼鏡
用プラスチック平板に引き上げ速度6mm/秒でディッ
プコート法で塗布したのち、加熱炉に入れ、80℃で3
0分間加熱した。得られたサンプルについて波長400
nmから800nmの範囲で分光反射率の測定を行うと、波
長変化に対し反射率は周期的な変化を示すが、このとき
の反射率曲線の山と谷の位置から、塗布した膜の屈折率
と膜厚を測定することができ、本実施例の中間層の屈折
率は1.50、膜厚は4μmであった。
【0037】(1ー3)中間層コート液の塗布および硬
化 度数が−2.00ジオプタで、中心厚が1.0mm、屈
折率1.60の眼鏡用プラスチックレンズ(ニコンNL
III)に、まず中間層の密着性強化を目的としてプラズ
マ処理を行った。プラズマ処理は、ヤマト科学(株)製
「プラズマリアクターPR501A」を用い、酸素ガス
圧力約0.2Torr、RF出力 200W、処理時間
30秒間とした。その後、該プラスチックレンズの両面
に上記1−1にて調製した中間層コート液を引き上げ速
度6mm/秒でディップコート法で塗布した。その後、
中間層コート液を塗布した該プラスチックレンズを加熱
炉に入れ、80℃で30分間加熱処理し、中間層を硬化
させた。
【0038】(1ー4)ハードコート液の調製 シランカップリング剤(チッソ(株)製サイラエース)
180mlを撹拌し、0.001規定の塩酸水溶液50ml
を加え、さらに撹拌した。次にメタノールシリカゾル6
80mlを加え、さらに撹拌を継続した。最後に、少量の
アセチルアセトン鉄を触媒として、また、少量の界面活
性剤を加えた後、1時間以上撹拌したのち、冷所に保存
した。
【0039】(1ー5)ハードコート膜の屈折率測定及
び膜厚測定 上記1ー4で調製したハードコート液を用いて、前記1
ー2と同じ手法で、ハードコート膜の屈折率測定及び膜
厚測定を行った。ただし、引き上げ速度は100cm/
分、加熱処理の時間は4時間とした。その結果、屈折率
は1.50、膜厚は2.5μmであった。
【0040】(1ー6)ハードコート液の塗布および硬
化 上記1ー3で得られた中間層を有するプラスチックレン
ズの両面に、上記1ー4で得られたハードコート液をデ
ィッピング法(引き上げ速度100cm/分)にて塗布
した。塗布したレンズを80℃で4時間加熱処理してハ
ードコート層を硬化させた。
【0041】(1ー7)反射防止コートの形成 上記1−6で得られた中間層およびハードコート層を有
するプラスチックレンズの両面に、酸化ケイ素/酸化ジ
ルコニウム系の5層反射防止膜を真空蒸着法により形成
した。 (1ー8)プラスチックレンズの性能評価 上記1ー7で得られた複合膜を有するプラスチックレン
ズを用いて、以下に示す試験に供し、性能評価を行っ
た。評価結果は表1に示す。
【0042】1)耐擦傷性 プラスチックレンズ表面を、スチールウール(#000
0)で600gの荷重を作用させて30回こすったとき
の傷の入り具合を次のような基準で評価した。 A:傷の入った面積が10%以内。 B:傷の入った面積が10%を越え、30%以内。
【0043】 C:傷の入った面積が30%以上。 2)耐衝撃性 プラスチックレンズの耐衝撃性は、剛球落下試験により
評価した。FDA規格に規定されている条件より約26
%重い20.0gの剛球を使い、127cmの高さから
プラスチックレンズの中心部に向かって自然落下させ、
プラスチックレンズが割れるかまたはクラックが入る一
回前の回数をレンズの耐衝撃度の目安とし、最高5回ま
で落下させた。
【0044】3)干渉縞 暗室にてプラスチックレンズに蛍光灯の光を当て、反射
による干渉縞の程度を目視で評価した。評価は次の様な
基準で行った。 A:干渉縞が殆ど見えない。 B:干渉縞が少し見えるが、実用上問題となる程度では
ない。
【0045】 C:干渉縞が目立ち、実用上好ましくない。
【0046】
【表1】
【0047】2.比較例1 実施例1において、プラスチックレンズに中間層を施さ
ない以外は、すべて実施例1と同様に行った。また、評
価方法もすべて実施例1と同様に行った。評価結果は表
1に示す。 3.実施例2 (2ー1)中間層コート液の調製 市販のブチラール化度約70%、平均重合度700のポ
リビニルブチラール樹脂(和光純薬(株)製)70重量
部をn-ブタノール250重量部に溶解し、酸化スズから
なる微粒子状無機物および酸化タングステンからなる微
粒子状無機物の複合ゾル(日産化学(株)製、メタノー
ル溶媒分散品)150重量部を徐々に添加する。添加は
撹拌しながら徐々に行うが、撹拌には回転子とマグネテ
ィックスターラーを用いた。さらに水100重量部と、
架橋剤としてメチルトリメトキシラン8.5重量部とグ
ルタルアルデヒド1重量部、硬化触媒としてp-トルエン
スルホン酸1.2重量部とレベリング剤としてシリコン
系界面活性剤であるフロラードFC430を1重量部順
次加え、この混合物が均一状態になるまで十分に撹拌し
た後、0.2μmのメンブレンフィルターで濾過し、塗
布用中間層コート液を調製した。
【0048】(2ー2)中間層の屈折率測定及び膜厚測
定 上記2ー1で調製したコート液を屈折率1.50の眼鏡
用プラスチック平板に引き上げ速度7mm/秒でディッ
プコート法により塗布したのち、加熱炉に入れ、80℃
で30分間加熱した。得られたサンプルについて波長4
00nmから800nmの範囲で分光反射率の測定を行う
と、波長に従い反射率は周期的な変化を示すが、このと
きの反射率曲線の山と谷の位置から、塗布した膜の屈折
率と膜厚を測定することができ、本実施例の中間層の屈
折率は1.60、膜厚は4.5μmであった。
【0049】(2ー3)中間層コート液の塗布および硬
化 度数が−3.00ジオプタで、中心厚が1.0mm、屈
折率1.50の眼鏡用プラスチックレンズ(CR39)
に、まず中間層の密着性強化を目的としてプラズマ処理
を行った。プラズマ処理は、ヤマト科学(株)製「プラ
ズマリアクターPR501A」を用い、酸素ガス圧力約
0.2Torr、RF出力 200W、処理時間30秒
間とした。その後、該プラスチックレンズの両面に上記
2−1にて調製した中間層を引き上げ速度7mm/秒で
ディップコート法で塗布した。その後、中間層コート液
を塗布したプラスチックレンズを加熱炉に入れ、80℃
で30分間加熱処理し、中間層を硬化させた。
【0050】(2ー4)ハードコート液の調製 回転子を備えた反応容器中に、γーグリシドキシプロピ
ルトリメトキシシラン180重量部を仕込み、マグネチ
ックスターラーを用いてしっかり撹拌しながら、0.0
1規定塩酸水溶液40重量部を一度に添加した。添加直
後は不均一溶液であったが、数分で発熱しながら均一で
透明な溶液になった。さらに1時間撹拌して加水分解さ
せ、部分的に縮合した加水分解物を得た。
【0051】上記の加水分解物に市販の酸化スズゾル
(メタノール分散系、平均粒子径10〜15nm)を6
30重量部と、硬化触媒としてエチレンジアミン四酢酸
アルミニウム4重量部と、レベリング剤としてシリコン
系界面活性剤であるフロラードFC430を0.45重
量部添加し、十分に撹拌した後、3μmのメンブレンフ
ィルターで濾過し、ハードコート液を調製した。
【0052】(2ー5)ハードコート膜の屈折率測定及
び膜厚測定 上記2−2と同じ手法で、ハードコート膜の屈折率測定
及び膜厚測定を行った。ただし、引き上げ速度を100
cm/分、硬化条件は80℃で4時間の加熱処理とし
た。その結果、屈折率は1.60、膜厚は2.7μmで
あった。 (2ー6)ハードコート液の塗布および硬化 上記2ー3で得られた中間層を有するプラスチックレン
ズの両面に、上記2ー4で得られたハードコート液をデ
ィッピング法(引き上げ速度100cm/min)にて
塗布した。塗布したレンズを80℃で4時間加熱処理し
てハードコート層を硬化させた。
【0053】(2ー7)反射防止コートの形成 上記2ー6で得られた中間層およびハードコート層を有
するプラスチックレンズの両面に、4層反射防止コート
を真空EB蒸着法にて形成した。 (2ー8)プラスチックレンズの性能評価 上記2ー7で得られた複合膜を有するプラスチックレン
ズを用いて、実施例1の1ー8と同じ方法で性能評価を
行った。評価結果は表1に示す。 4.比較例2 実施例2において、プラスチックレンズに中間層を施さ
ない以外は、すべて実施例2と同様に行った。また、評
価方法もすべて実施例2と同様に行った。評価結果は表
1に示す。 5.実施例3 (3ー1)中間層コート液の調製 ヘキサメチレンジイソシアネートタイプのポリイソシア
ネート(商品名「コノネードHX」日本ポリウレタン工
業(株)製)100重量部、ポリエステルタイプのポリ
オール(商品名「ニッポラン125」日本ポリウレタン
工業(株)製)167重量部、硬化触媒としてオクチル
酸亜鉛2重量部、レベリング剤としてフッ素系界面活性
剤(商品名「フロラードFC−431」住友スリーエム
(株)製)0.1重量部、溶媒として酢酸エチル360
重量部及びメチルエチルケトン180重量部から成る混
合物を均一な状態になるまで撹拌し、中間層コート液を
得た。
【0054】(3ー2)中間層の屈折率測定及び膜厚測
定 上記3ー1で調製したコート液を屈折率1.60の眼鏡
用プラスチック平板に引き上げ速度8mm/秒でディッ
プコーティング法にて塗布したのち、実施例1の1ー2
と同様の方法を用いて、塗布した膜の屈折率及び膜厚を
測定した。本実施例の中間層の屈折率は1.50、膜厚
は3.8μmであった。
【0055】(3ー3)中間層コート液の塗布および硬
化 度数が−3.00ジオプタで、中心厚が1.0mm、屈
折率1.60の眼鏡用プラスチックレンズ(ニコンNL
III)に、まず中間層の密着性強化を目的としてケン化
処理を行った。 ケン化処理は、60℃に加熱した10
%の水酸化ナトリウム水溶液に該プラスチックを5分間
浸せきすることにより行った。その後、該プラスチック
レンズの両面に上記3−1にて調製した中間層コート液
を引き上げ速度8mm/秒でディップコート法にて塗布
した。その後、中間層コート液を塗布した該プラスチッ
クレンズを加熱炉に入れ、80℃で30分間加熱処理
し、中間層を硬化させた。
【0056】(3ー4)ハードコート液の調製 撹拌子を入れたガラス製フラスコの中に、イソプロピル
アルコール675重量部とビス(トリメトキシシリル)
エタン105重量部を加え、撹拌を行いながら0.05
規定の塩酸水50重量部を滴下した。さらに撹拌を続け
た後、24時間熟成した。次に、メタノール分散シリカ
ゾル170重量部と、シリコン系界面活性剤0.2重量
部を加え十分撹拌を行った後、濾過してハードコート液
を得た。
【0057】(3ー5)ハードコート膜の屈折率測定及
び膜厚測定 上記3ー4で調製したコート液を屈折率1.60の眼鏡
用プラスチック平板に引き上げ速度100cm/分でデ
ィップコート法で塗布したのち、80℃で4時間加熱処
理した。 上記3−2と同様の方法で屈折率及び膜厚を
測定したところ、ハードコート層の屈折率は1.50、
膜厚は2.3μmであった。
【0058】(3ー6)ハードコート液の塗布および硬
化 上記3ー3で得られた中間層を有するプラスチックレン
ズの両面に、上記3ー4で得られたハードコート液をデ
ィッピング法(引き上げ速度100cm/分)にて塗布
した。塗布したレンズを80℃で4時間加熱処理してハ
ードコート層を硬化させた。
【0059】(3ー7)反射防止コートの形成 上記1−6で得られた中間層およびハードコート層を有
するプラスチックレンズの両面に、酸化ケイ素/酸化ジ
ルコニウム系の5層反射防止膜を真空蒸着法により形成
した。 (3ー8)プラスチックレンズの性能評価 上記3ー7で得られた複合膜を有するプラスチックレン
ズを用いて、実施例1の1ー8と同じ方法で性能評価を
行った。評価結果は表1に示す。 6.比較例3 実施例3において、プラスチックレンズに中間層を施さ
ない以外は、すべて実施例3と同様に行った。また、評
価方法もすべて実施例3と同様に行った。評価結果は表
1に示す。
【0060】
【発明の効果】以上の様に本発明に従えば、プラスチッ
クレンズ基材とハードコート層との間に、膜厚が1.5
μm以上、ハードコート層との屈折率差が0.03以下
の中間層を設ける。ハードコート層と中間層との屈折率
差が小さいために、ハードコート層と中間層との界面の
フレネル反射係数が光学的に無視できるほど小さいの
で、光学的にはこれら二つの層を一つの一体層と見做す
ことができる。
【0061】また、この中間層は膜厚が1.5μm 以上
あるので、ハードコート層の1.5μm 以上の膜厚と合
わせると、この一体層の膜厚は3μm 以上となり、太陽
光、屋内橙、等の日常光源のもとではその可干渉距離の
関係で、この一体層の等高の干渉縞は事実上消滅する。
そのため、プラスチックレンズ基材の屈折率とハードコ
ート層の屈折率が大きく異なっていても、干渉縞が無く
外観に優れ、耐擦傷性、耐磨耗性にも優れたレンズを、
プラスチック基材の屈折率に合わせて各種のハードコー
ト液を用意する必要がないので、安価に提供することが
可能になった。
【0062】さらに、中間層に衝撃吸収能を持たせるこ
とにより、前記の諸特性に加えて耐衝撃性にもすぐれた
プラスチックレンズを安価に提供することも可能になっ
た。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明のプラスチックレンズにの表面層構
成を示す図である。
【図2】は、本発明のプラスチックレンズに於いて、反
射防止層を施した場合の表面層構成を示す図である。
【符号の説明】
11…プラスチックレンズ基材 12…中間層 13…ハードコート層 21…プラスチックレンズ基材 22…中間層 23…ハードコート層 24…反射防止層

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 プラスチックレンズ基材、前記プラスチ
    ックレンズ基材上に形成された中間層、及び前記中間層
    上に形成されたハードコート層よりなるプラスチックレ
    ンズにおいて、前記プラスチックレンズ基材と前記ハー
    ドコート層との屈折率差が0.08以上であり、かつ前
    記中間層と前記ハードコート層の屈折率差が0.03以
    下であることを特徴とするプラスチックレンズ。
  2. 【請求項2】 前記中間層の膜厚が1.5μm以上であ
    ることを特徴とする請求項1記載のプラスチックレン
    ズ。
  3. 【請求項3】 前記中間層の膜厚と前記ハードコート層
    の膜厚の合計が3μm以上であり、かつ前記ハードコー
    ト層と中間層との全体を光学的に一つの層と見做せるこ
    とを特徴とする請求項1または請求項2記載のプラスチ
    ックレンズ。
  4. 【請求項4】 前記ハードコート層の上に反射防止層を
    設けることを特徴とする請求項1、2、3の何れか1項
    に記載のプラスチックレンズ。
  5. 【請求項5】 前記中間層が衝撃吸収層を兼ねることを
    特徴とする請求項1、2、3、4の何れかに1項に記載
    のプラスチックレンズ。
  6. 【請求項6】 前記中間層が、ポリビニルアセタール樹
    脂、およびポリウレタン樹脂の少なくとも1つを含有す
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5の何れか
    1項に記載のプラスチックレンズ。
  7. 【請求項7】 前記中間層が、金属酸化物よりなる微粒
    子状無機物を含有することを特徴とする請求項1、2、
    3、4、5、6の何れか1項に記載のプラスチックレン
    ズ。
  8. 【請求項8】 前記微粒子状無機物が、酸化アルミニウ
    ム、酸化チタニウム、酸化ジルコニウム、酸化アンチモ
    ン、酸化ベリリウム、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化セリウ
    ム、二酸化ケイ素、酸化タングステンから選ばれる少な
    くとも一種類からなる微粒子状無機物であり、その平均
    粒子径が1〜300nmであることを特徴とする請求項
    7記載のプラスチックレンズ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006219662A (ja) * 2005-01-17 2006-08-24 Sumitomo Metal Mining Co Ltd 熱線遮蔽樹脂シート材および熱線遮蔽樹脂シート材積層体、並びにそれらを用いた建築構造体
JP2010128423A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Seiko Epson Corp 光学物品およびその製造方法
JP2014501396A (ja) * 2010-12-16 2014-01-20 エシロール アンテルナシオナル (コンパニー ジェネラル ドプティック) 割れ目の無いエアロゲルを備える光学素子

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