JPH10265517A - ステレオコンプレックスポリマー組成物 - Google Patents

ステレオコンプレックスポリマー組成物

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JPH10265517A
JPH10265517A JP8994797A JP8994797A JPH10265517A JP H10265517 A JPH10265517 A JP H10265517A JP 8994797 A JP8994797 A JP 8994797A JP 8994797 A JP8994797 A JP 8994797A JP H10265517 A JPH10265517 A JP H10265517A
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JP
Japan
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molecular weight
average molecular
polymerization initiator
polymethyl methacrylate
isotactic
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JP8994797A
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English (en)
Inventor
Yu Hinoto
祐 日戸
Hajime Yasuda
源 安田
Eiji Ihara
栄治 井原
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Asahi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Asahi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 立体規則性が高く、分子量が高く、分子量分
布が狭いアイソタクチックポリメタクリル酸エステルを
製造用重合開始剤、重合方法、ポリマー組成物の提供。 【解決手段】 式[1]、 M[C(SiR3 3 n ・・・ [1] (Mは希土類、Rは水素原子あるいはいアルキル基、ア
リール基、シクロアルキル基、アリールアルキル基、n
は2または3)該重合開始剤及び非極性溶媒を用いる重
合方法、更に、該(A)アイソタクティシティーが90
%以上100%以下であり、Mn10万以上200万以
下、Mw/Mn1.0以上1.3以下であるアイソタク
チックポリメタクリル酸メチル1〜99重量%及び
(B)シンジオタクティシティーが90%以上100%
以下であり、Mn10万以上200万以下であり、Mw
/Mnが1.0以上1.3以下であるシンジオタクチッ
クポリメタクリル酸エステル99〜1重量%とからなる
組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、立体規則性が高
く、分子量が高く、分子量分布が狭いアイソタクチック
ポリメタクリル酸メチルを製造することのできる重合開
始剤及び重合方法、更には、本発明によって得られるア
イソタクチックポリメタクリル酸メチルとシンジオタク
チックポリメタクリル酸エステルから成るステレオコン
プレックスポリマー組成物に関するものである。ステレ
オコンプレックスポリマー組成物は分子間力によって形
成する高次構造に特徴を有しており、アイソタクチック
ポリメタクリル酸メチル鎖をシンジオタクチックポリメ
タクリル酸エステル鎖が取り囲んだ二重らせん構造体で
あり、分離用またはろ過用の充填剤、ゲル資材等として
使用される。
【0002】
【従来の技術】ポリメタクリル酸エステル、特にポリメ
タクリル酸メチルは、高度な透明性を有しており、広範
囲な分野において透明性に優れた成形品として使用され
ている。また、アイソタクチックポリメタクリル酸メチ
ルとシンジオタクチックポリメタクリル酸エステルとを
適当な条件下で混合して得られる結晶性のステレオコン
プレックスポリマー組成物は、アイソタクチックポリメ
タクリル酸メチルまたはシンジオタクチックポリメタク
リル酸エステルの単独重合体とは異なる物性を示し、例
えば透水性や耐溶剤性が向上し、柔軟でかつ強靭になる
ことが知られている。
【0003】従来から、ステレオコンプレックスポリマ
ー組成物やそれを構成するアイソタクチックポリメタク
リル酸メチル、シンジオタクチックポリメタクリル酸エ
ステルについては種々の研究がなされている。例えば、
Macromolecules, 22, 3337 (1989) 、Polymer, 20, 59
(1979)、特開平3−244651号公報では、ステレオ
コンプレックスポリマー組成物及び該ステレオコンプレ
ックスポリマー組成物を構成するシンジオタクチックポ
リメタクリル酸エステルとアイソタクチックポリメタク
リル酸メチルが開示されている。しかし、これらの従来
技術によって得られたステレオコンプレックスポリマー
組成物は、それを構成するシンジオタクチックポリマ
ー、アイソタクチックポリマーの少なくとも1つが、高
立体規則性、高分子量、狭い分子量という3つの条件を
満たすものではなかったために、融点が低い等の問題点
があった。
【0004】また、Macromolecules, 22, 3337 (1989)
では、上記3つの要件を全て満たすアイソタクチックポ
リメタクリル酸メチルが開示されているが、これは得ら
れたアイソタクチックポリメタクリル酸メチルから必要
とするアイソタクチックポリメタクリル酸メチルを分離
して得たものであって、分離工程等を必要としない工程
が簡略化された、しかも立体規則性が高く、分子量が高
く、分子量分布が狭いアイソタクチックポリメタクリル
酸メチルを得ることのできる製造方法が求められてい
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、立体規則性
が高く、かつ分子量が高く、かつ分子量分布が狭いとい
う性質を同時に満足するアイソタクチックポリメタクリ
ル酸エステルを製造することのできる重合開始剤、及び
それを用いた重合方法、更には、本発明によって得られ
るアイソタクチックポリメタクリル酸メチルとシンジオ
タクチックポリメタクリル酸エステルから成るステレオ
コンプレックスポリマー組成物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明においてステレオ
コンプレックスポリマー組成物を形成するポリメタクリ
ル酸エステルは、従来得られてきたステレオコンプレッ
クスポリマー組成物を形成するポリメタクリル酸エステ
ルに比べ、分子量が高く、かつ立体規則性に優れ、かつ
分子量分布が狭いという特徴を有する。本発明に係るア
イソタクティシティーの高い高分子量の単分散ポリメタ
クリル酸メチルは下記一般式[1]で表される有機希土
類化合物を重合開始剤にして非極性溶媒を用いて重合す
ることによって得られることを特徴とする。
【0007】 M[C(SiR3 3 n ・・・ [1] (式中、Mは希土類元素である。Rは水素原子あるいは
置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、シ
クロアルキル基、アリールアルキル基からなる群より選
ばれた少なくとも1種の基である。nは2または3であ
る。) 本発明に係るシンジオタクティシティーの高い高分子量
の単分散ポリメタクリル酸エステルは公知の有機希土類
化合物を開始剤にして公知の方法で重合することによっ
て得られることを特徴とする。若しくは、下記一般式
[1]で表される有機希土類化合物を開始剤にして極性
溶媒を用いて重合することによって得られることを特徴
とする。
【0008】 M[C(SiR3 3 n ・・・ [1] (式中、Mは希土類元素である。Rは水素原子あるいは
置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、シ
クロアルキル基、アリールアルキル基からなる群より選
ばれた少なくとも1種の基である。nは2または3であ
る。) ここで高分子の立体規則性を示すアイソタクティシティ
ー、シンジオタクティシティーはそれぞれメソトリアド
(meso triad[mm])、ラセミトリアド
(racemic triad[rr])によって決定
される。
【0009】以下本発明に係るステレオコンプレックス
ポリマー組成物を形成する、分子量が高く、かつアイソ
タクティシティーとシンジオタクティシティーに優れ、
かつ分子量分布の狭いという特徴を有するポリメタクリ
ル酸エステルの合成法と特徴について具体的に説明す
る。本発明で用いられるアイソタクチックポリメタクリ
ル酸メチルは、Mnが10万以上200万以下であり、
かつアイソタクティシティーは[mm]が90%以上1
00%以下であり、かつ重量平均分子量/数平均分子量
が1.0以上1.3以下であることを特徴とする。ま
た、本発明に用いられるシンジオタクチックポリメタク
リル酸エステルは、Mnが10万以上200万以下であ
り、かつシンジオタクティシティーは[rr]が90%
以上100%以下であり、かつ重量平均分子量/数平均
分子量が1.0以上1.3以下であることを特徴とす
る。
【0010】これらの性質を持ったアイソタクチックポ
リメタクリル酸メチルとシンジオタクチックメタクリル
酸エステルとからなるステレオコンプレックスポリマー
組成物は、従来全く知られていなかった新規なステレオ
コンプレックスポリマー組成物である。本発明に用いら
れるポリメタクリル酸エステルは、アイソタクチックポ
リメタクリル酸メチル、シンジオタクチックポリメタク
リル酸エステルともにそれぞれ特定の有機希土類化合物
を重合開始剤にしてメタクリル酸エステルモノマーを重
合することによって得られる。
【0011】アイソタクチックポリメタクリル酸メチル
を重合する重合開始剤は下記一般式[1]で表される有
機希土類化合物である。 M[C(SiR3 3 n ・・・ [1] 式中、MはSc、Y、ランタニドから選ばれる希土類元
素である。希土類元素として具体的には、Sc、Y、L
a、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、T
b、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luであり、これ
らのうちではY、La、Nd、Sm、Eu、Tm、E
r、Yb、Luが好ましく、Y、La、Sm、Eu、Y
b、Luが特に好ましい。
【0012】Rは水素原子あるいは炭化水素基であり、
置換基を有していてもよいメチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、イソプロピル基、t−ブチル基等の炭素数1
から20のアルキル基、シクロペンチル基やシクロヘキ
シル基等の各種構造異性基をもつ炭素数5から20のシ
クロアルキル基、フェニル基やトリル基やp−メトキシ
フェニル基等の炭素数6から20のアリール基、ベンジ
ル基やネオフィル基等の炭素数7から20のアリールア
ルキル基、炭素数2から20のアルケニル基から選ばれ
た少なくとも1種の基である。Rは同一のものであって
も異なる組み合わせであっても構わない。nは2または
3である。
【0013】このような一般式[1]で表される遷移金
属化合物として具体的には、下記のような化合物が挙げ
られる。ただし、これらの例によって限定されるもので
はない。Sc{C[Si(CH3 3 3 2 、Y{C
[Si(CH3 3 3 2 、La{C[Si(C
3 3 3 2 、Ce{C[Si(CH3 3 3
2 、Pr{C[Si(CH3 3 3 2 、Nd{C
[Si(CH3 3 3 2 、Pm{C[Si(C
3 3 3 2 、Eu{C[Si(CH3 3 3
2 、Gd{C[Si(CH3 3 3 2 、Tb{C
[Si(CH3 3 3 2 、Dy{C[Si(C
3 3 3 2 、Ho{C[Si(CH3 3 3
2 、Er{C[Si(CH3 3 3 2 、Tm{C
[Si(CH3 3 3 2 、Yb{C[Si(C
3 3 3 2 、Lu{C[Si(CH3 3 3
2 、Yb{C[Si(CH2 CH2 CH2 CH3 3
3 2 、Yb{C[SiH(CH3 2 3 2 、Yb
{C[SiH2 (CH3 2 3 2 、Yb{C[Si
(CH3 2 (C6 5 )]3 2 、Yb{C[Si
(CH3 )(C6 5 2 3 2 、Yb{C[Si
(C6 5 3 3 2 、Yb{C[Si(C6 10
3 3 2 、Yb{C[Si(CH2
6 5 3 3 2 、Yb{C[Si(CHCHC
3 3 3 2 等。
【0014】上記の有機希土類化合物の製造方法の例に
ついて説明する。次の一般式[2]で表される化合物
と、 MXn ・・・[2] (式中、Mとnは、一般式[1]と同じである。Xはフ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素などから選ばれるハロゲン原
子である。) 次の一般式[3]で表される化合物とから、 ZC(SiR3 3 ・・・[3] (式中、Rは一般式[1]と同じである。Zはリチウ
ム、ナトリウム、カリウム等からえらばれるアルカリ金
属原子である。) 次の反応式に従い製造する方法である。
【0015】MXn +n ZC(SiR3 3 →M[C
(SiR3 3 n +n ZX 製造における反応条件は、得ようとする化合物の組成に
より異なるが、化合物[3]は、化合物[2]に対して
1〜5倍モル、好ましくは2〜4倍モルの量で使用され
る。また、反応温度は−50℃〜100℃、好ましくは
−20℃〜50℃であることが望ましく、反応時間は
0.1〜100時間、好ましくは1〜36時間であるこ
とが望ましい。反応に用いられる溶媒としては、ヘキサ
ン、デカン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等
の芳香族炭化水素等が用いられる。これらの中ではベン
ゼンが好ましい。このような反応溶媒は、化合物[2]
に対して、通常1〜1000倍量、好ましくは10〜5
00倍量の量で用いられる。
【0016】以上のような製法により、所望する有機希
土類化合物を収率よく製造することができる。なお、こ
のようにして得られた有機希土類化合物は、ヘキサン等
の脂肪族炭化水素で抽出し、低温にて再結晶することに
より、単離、精製することができる。この製造例につい
ては、例えば、ジャーナルオブアメリカンケミカルソサ
エティー(J.Am.Chem.Soc.),116,12071-12072(1994)に開
示され知られている。アイソタクチックポリメタクリル
酸メチルは、上記の有機希土類化合物を重合開始剤にし
て非極性溶媒を用いて重合することによって得られる。
非極性溶媒の具体例としては、例えば、ペンタン、ヘキ
サン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレ
ン等の芳香族炭化水素、好ましくは芳香族炭化水素、さ
らに好ましくはトルエンが挙げられる。
【0017】シンジオタクチックポリメタクリル酸エス
テルは、上記の有機希土類化合物を重合開始剤にして非
極性溶媒ではなく極性溶媒を用いて重合する方法によっ
て得られる。極性溶媒の具体例としては、エーテル、テ
トラヒドロフラン等のエーテル類、ジメチルホルムアミ
ド、トリエチルアミン等の窒素化合物などが挙げられ
る。有機希土類化合物は、モノマーに対して通常0.0
001モル%〜20モル%、好ましくは0.0002〜
10モル%の範囲で使用する。
【0018】本発明において、ポリメタクリル酸エステ
ルの製造は溶液重合あるいはスラリー重合によって行わ
れる。溶液重合あるいはスラリー重合において使用され
る反応媒体としては、例えば、ペンタン、ヘキサン等の
脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水
素、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテ
ル類、ジメチルホルムアミド、トリエチルアミン等の窒
素化合物等が挙げられる。これらの反応媒体は1種単独
で使用することもあるいは2種以上を混合して用いるこ
ともできる。また、原料であるメタクリル酸エステルモ
ノマーが重合条件下で液状の場合はそのメタクリル酸エ
ステルモノマーを反応媒体として使用できる。
【0019】重合温度は通常−150〜50℃、好まし
くは−100〜20℃の範囲であることが望ましい。重
合に際しての分子量調節は、例えば、ポリメタクリル酸
エステルモノマーと有機希土類化合物の濃度比の制御、
温度の制御等公知の方法によって行うことができる。さ
らにはシンジオタクチックポリメタクリル酸エステル
は、下記一般式[4]で表される公知の有機希土類化合
物を重合開始剤にして公知の方法で重合することによっ
ても得られる 。
【0020】[Cp2 MRL1 l m ・・・[4] (式中、Cpは置換基を有していてもよいシクロペンタ
ジエニル基である。Mは希土類元素、L1 は電子供与性
配位子である。Rは水素原子あるいはメチル基である。
mは1または2であり、lは0〜2の整数である。) 電子供与性配位子L1 の具体例としては、テトラヒドロ
フラン(THF)、ジエチルエーテル(Et2 O)、
1,2−ジメトキシエタン(DME)等のエーテル類が
挙げられる。
【0021】これらの重合開始剤及びそれを用いた重合
の例については、例えば,ジャーナルオブアメリカンケ
ミカルソサエティー(J.Am.Chem.Soc.),114,4908-4910(1
992)、有機合成化学協会誌,51,931-941(1993) 、特開平
7−258319号公報などに開示され、知られてい
る。本発明においてシンジオタクチックポリメタクリル
酸エステルの重合に供されるメタクリル酸エステルモノ
マーの具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸イソブチル、メタクリル酸(m−メチル)ベンジル
やメタクリル酸(p−メトキシ)ベンジル等のメタクリ
ル酸置換ベンジル、メタクリル酸メタクリル、メタクリ
ル酸シクロプロパンメチル等が挙げられる。このうち、
好ましくはメタクリル酸メチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸ベンジルである。
【0022】以上の方法により、メソトリアド[mm]
により決定されるアイソタクティシティーが90%以上
100%以下であり、かつ数平均分子量が10万以上2
00万以下であり、かつ重量平均分子量/数平均分子量
が1.0以上1.3以下であるアイソタクチックポリメ
タクリル酸メチルと、ラセミトリアド[rr]により決
定されるシンジオタクティシティーが90%以上100
%以下であり、かつ数平均分子量分子量が10万以上2
00万以下であり、かつ重量平均分子量/数平均分子量
が1.0以上1.3以下であるシンジオタクチックポリ
メタクリル酸エステルを得ることができる。
【0023】次に上記のアイソタクチックポリメタクリ
ル酸メチルとシンジオタクチックポリメタクリル酸エス
テルを原料にしたステレオコンプレックスポリマー組成
物の合成について説明する。本発明のステレオコンプレ
ックスポリマー組成物を形成するアイソタクチックポリ
メタクリル酸メチルとシンジオタクチックポリメタクリ
ル酸エステルの組成比は重量比で99対1〜1対99の
範囲であり、好ましくは90対10〜10対90の範囲
である。組成割合が上記範囲外である場合にはステレオ
コンプレックスポリマー組成物は形成されるものの、該
ステレオコンプレックスポリマー組成物に基づく特性が
十分に発現しない。
【0024】本発明のステレオコンプレックスポリマー
組成物は、所定量のアイソタクチックポリメタクリル酸
メチルとシンジオタクチックポリメタクリル酸エステル
を適当な条件下で溶液を混合するかあるいは溶液混合後
焼成するという方法で調製される。溶液混合に使用され
る溶媒としては、アイソタクチックポリメタクリル酸メ
チルおよびシンジオタクチックポリメタクリル酸エステ
ルを溶解する溶媒であればよい。溶媒の具体例として
は、ジメチルホルムアミド、アセトン、アセトニトリ
ル、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、ベンゼン、トル
エン、クロロホルム、ジクロロメタン等が挙げられ、ジ
メチルホルムアミド、アセトン、アセトニトリル、四塩
化炭素、テトラヒドロフランは溶液混合のみでもステレ
オコンプレックスポリマー組成物を形成するが、クロロ
ホルム、ジクロロメタンは溶液混合後焼成する必要があ
る。
【0025】溶液混合の際の溶液の濃度は、0.000
1重量%〜10重量%の範囲であり、好ましくは0.0
01重量%〜5重量%の範囲である。溶液混合後に焼成
する場合、焼成温度は80℃〜250℃の範囲であり、
好ましくは160℃〜240℃の範囲である。また焼成
時間は1時間から60日間の範囲であり、好ましくは6
時間から30日間の範囲である。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、実施例などに基づいて本発
明について更に詳細に説明する。尚、有機希土類化合物
の製造に際して原料は、市販品を用いた。実施例中の数
平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)
は、東ソー(株)製、SC8010型ゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィー(GPC)装置を用い、クロロ
ホルムを溶媒として40℃にて測定した。実施例中のポ
リメタクリル酸エステル(PMMAなど)のトリアド
([mm]、[rr])は、日本電子(株)製、JNM
−LA400スペクトロメーターを用いて 1H−NMR
を測定し、直鎖分岐のメチル基の積分比から計算した。
また、実施例中の融点は、セイコー電子工業(株)製、
SSC5100 DSC22C型示差走査型熱量計(D
SC)を用いて測定した。
【0027】(実施例1)ビス[トリス(トリメチルシリル)メチル]イッテルビ
ウム:Yb{C[Si(CH3 3 3 2 の製造 十分にアルゴン置換した内容積100mlのガラス製反
応器中で、YbI2 ;0.62gのベンゼン懸濁液15
mlにKC[Si(CH3 3 3 ;0.78gのベン
ゼン溶液30mlを添加し、室温にて48時間撹拌し
た。反応液から溶媒を減圧留去した後、ヘキサンで抽出
して−25℃にて再結晶を行い橙色の板状結晶であるY
b{C[Si(CH3 3 3 2 を0.51g得た。
(収率57%)
【0028】アイソタクチックポリメタクリル酸メチル
の製造 内部を真空脱気しアルゴン置換した100mlのガラス
製反応器に、重合開始剤Yb{C[Si(CH3 3
3 2 を20μmolと脱水脱酸素したトルエン90m
lを入れた。ガラス製反応器の内温を−78℃に保ち、
メタクリル酸メチルを2.0g加えた。3時間撹拌した
後、過剰のメタノールで反応を停止した。溶媒を減圧留
去した後、メタノールで洗浄した。さらに50℃にて真
空乾燥を行い、2.0gのポリマーを得た。得られたポ
リマーは、Mn=163000、Mw/Mn=1.1
4、アイソタクティシティー[mm]=97.1%であ
った。
【0029】シンジオタクチックポリメタクリル酸メチ
ルの製造 内部を真空脱気しアルゴン置換した100mlのガラス
製反応器に、重合開始剤Yb{C[Si(CH3 3
3 2 を10μmolと脱水脱酸素したテトラヒドロフ
ラン(THF)60mlを入れた。ガラス製反応器の内
温を−78℃に保ち、メタクリル酸メチルを3.0g加
えた。3時間撹拌した後、過剰のメタノールで反応を停
止した。溶媒を減圧留去した後、メタノールで洗浄し
た。さらに50℃にて真空乾燥を行い、0.9gのポリ
マーを得た。得られたポリマーは、Mn=10300
0、Mw/Mn=1.25、シンジオタクティシティー
[rr]=90.4%であった。
【0030】ステレオコンプレックスポリマー組成物の
製造 該アイソタクチックポリメタクリル酸メチルの1重量%
アセトン溶液30gと該シンジオタクチックポリメタク
リル酸メチルの1重量%アセトン溶液30gを混合し室
温にて2時間撹拌した。ゲル状物を遠心ろ過した後、5
0℃にて真空乾燥して0.4gの固体を得た。得られた
固体についてDSC測定したところ201℃の融解温度
を示した。
【0031】(比較例1)アイソタクチックポリメタクリル酸メチルの製造 内部を真空脱気しアルゴン置換した100mlのガラス
製反応器に、重合開始剤t−BuMgBrを10μmo
lと脱水脱酸素したトルエン60mlを入れた。ガラス
製反応器の内温を−78℃に保ち、メタクリル酸メチル
を1.0g加えた。24時間撹拌した後、過剰のメタノ
ールで反応を停止した。溶媒を減圧留去した後、メタノ
ールで洗浄した。さらに50℃にて真空乾燥を行い、
0.4gのポリマーを得た。得られたポリマーは、Mn
=43000、Mw/Mn=1.15、アイソタクティ
シティー[mm]=96.1%であった。
【0032】シンジオタクチックポリメタクリル酸メチ
ルの製造 内部を真空脱気しアルゴン置換した100mlのガラス
製反応器に、重合開始剤t−BuLi;10μmolと
Al(CH2 CH3 3 ;30μmolを脱水脱酸素し
たトルエン30mlとともに入れた。ガラス製反応器の
内温を−78℃に保ち、メタクリル酸メチルを1.0g
加えた。24時間撹拌した後、過剰のメタノールで反応
を停止した。溶媒を減圧留去した後、メタノールで洗浄
した。さらに50℃にて真空乾燥を行い、0.3gのポ
リマーを得た。得られたポリマーは、Mn=3600
0、Mw/Mn=1.25、シンジオタクティシティー
[rr]=88.1%であった。
【0033】ステレオコンプレックスポリマー組成物の
製造 該アイソタクチックポリメタクリル酸メチルの1重量%
アセトン溶液30gと該シンジオタクチックポリメタク
リル酸メチルの1重量%アセトン溶液30gを混合し室
温にて2時間撹拌した。ゲル状物を遠心ろ過した後、5
0℃にて真空乾燥して0.4gの固体を得た。得られた
固体についてDSC測定したところ188℃の融解温度
を示した。
【0034】(実施例2)ステレオコンプレックスポリマー組成物の製造 実施例1で合成したアイソタクチックポリメタクリル酸
メチルの1重量%THF溶液10gと実施例1で合成し
たシンジオタクチックポリメタクリル酸メチルの1重量
%THF溶液50gを混合し室温にて2時間撹拌した。
ゲル状物を遠心ろ過した後、50℃にて真空乾燥して
0.3gの固体を得た。得られた固体についてDSC測
定したところ202℃の融解温度を示した。
【0035】(実施例3)シンジオタクチックポリメタクリル酸ベンジルの製造 内部を真空脱気しアルゴン置換した100mlのガラス
製反応器に、重合開始剤[(C5 Me5 2 SmH]2
を20μmolと脱水脱酸素したトルエン90mlを入
れた。ガラス製反応器の内温を−78℃に保ち、メタク
リル酸ベンジルを3.5g加えた。24時間撹拌した
後、過剰のメタノールで反応を停止した。溶媒を減圧留
去した後、メタノールで洗浄した。さらに50℃にて真
空乾燥を行い、3.3gのポリマーを得た。得られたポ
リマーは、Mn=172000、Mw/Mn=1.0
8、シンジオタクティシティー[rr]=92.7%で
あった。
【0036】ステレオコンプレックスポリマー組成物の
製造 実施例1で合成したアイソタクチックポリメタクリル酸
メチルの3重量%クロロホルム溶液20gと該シンジオ
タクチックポリメタクリル酸ベンジルの3重量%クロロ
ホルム溶液20gを混合し室温にて2時間撹拌した。混
合溶液をヘキサン中に沈澱させ遠心ろ過した後、50℃
にて真空乾燥して1.1gの固体を得た。続いて190
℃にて48時間熱処理を行った。得られた固体について
DSC測定したところ213℃の融解温度を示した。
【0037】(実施例4)ステレオコンプレックスポリマー組成物の製造 実施例1で合成したアイソタクチックポリメタクリル酸
メチルの2重量%ジメチルホルムアミド溶液30gと実
施例3で合成したシンジオタクチックポリメタクリル酸
ベンジルの1重量%ジメチルホルムアミド溶液15gを
混合し室温にて2時間撹拌した。ゲル状物を遠心ろ過し
た後、50℃にて真空乾燥して0.4gの固体を得た。
得られた固体についてDSC測定したところ203℃の
融解温度を示した。
【0038】(実施例5)アイソタクチックポリメタクリル酸メチルの製造 内部を真空脱気しアルゴン置換した100mlのガラス
製反応器に、重合開始剤Yb{C[Si(CH3 3
3 2 を10μmolと脱水脱酸素したトルエン90m
lを入れた。ガラス製反応器の内温を−78℃に保ち、
メタクリル酸メチルを4.0g加えた。6時間撹拌した
後、過剰のメタノールで反応を停止した。溶媒を減圧留
去した後、メタノールで洗浄した。さらに50℃にて真
空乾燥を行い、3.8gのポリマーを得た。得られたポ
リマーは、Mn=659000、Mw/Mn=1.2
1、アイソタクティシティー[mm]=96.8%であ
った。
【0039】シンジオタクチックポリメタクリル酸メチ
ルの製造 内部を真空脱気しアルゴン置換した100mlのガラス
製反応器に、重合開始剤[(C5 Me5 2 SmH]2
を10μmolと脱水脱酸素したトルエン90mlを入
れた。ガラス製反応器の内温を−78℃に保ち、メタク
リル酸メチルを2.0g加えた。24時間撹拌した後、
過剰のメタノールで反応を停止した。溶媒を減圧留去し
た後、メタノールで洗浄した。さらに50℃にて真空乾
燥を行い、1.9gのポリマーを得た。得られたポリマ
ーはMn=306000、Mw/Mn=1.04、シン
ジオタクティシティー[rr]=93.4%であった。
【0040】ステレオコンプレックスポリマー組成物の
製造 該アイソタクチックポリメタクリル酸メチルの3重量%
クロロホルム溶液20gと該シンジオタクチックポリメ
タクリル酸ベンジルの3重量%クロロホルム溶液20g
を混合し室温にて2時間撹拌した。混合溶液をヘキサン
中に沈澱させ遠心ろ過した後、50℃にて真空乾燥して
1.1gの固体を得た。続いて200℃にて3日間熱処
理を行った。得られた固体についてDSC測定したとこ
ろ217℃の融解温度を示した。
【0041】(実施例6)ステレオコンプレックスポリマー組成物の製造 実施例5で合成したアイソタクチックポリメタクリル酸
メチルの0.5重量%ジクロロメタン溶液50gと実施
例5で合成したシンジオタクチックポリメタクリル酸ベ
ンジルの1重量%ジクロロメタン溶液50gを混合し室
温にて2時間撹拌した。混合溶液をヘキサン中に沈澱さ
せ遠心ろ過した後、50℃にて真空乾燥して0.7gの
固体を得た。続いて230℃にて15日間熱処理を行っ
た。得られた固体についてDSC測定したところ242
℃の融解温度を示した。
【0042】(実施例7)ビス[トリス(ビスメチルフェニルシリル)メチル]ユ
ウロピウム:Eu{C[Si(CH3 2 (C
6 5 )]3 2 の製造 十分にアルゴン置換した内容積100mlのガラス製反
応器中で、EuI2 ;0.65gのベンゼン懸濁液20
mlにKC[Si(CH3 2 (C6 5 )]3 ;1.
51gのベンゼン溶液40mlを添加し、室温にて48
時間撹拌した。反応液から溶媒を減圧留去した後、ヘキ
サンで抽出して−25℃にて再結晶を行い橙色の板状結
晶であるEu{C[Si(CH3 2 (C
6 5 )]3 2 を0.66g得た。(収率42%)
【0043】アイソタクチックポリメタクリル酸メチル
の製造 内部を真空脱気しアルゴン置換した100mlのガラス
製反応器に、重合開始剤Eu{C[Si(CH3
2 (C6 5 )]3 2 を10μmolと脱水脱酸素し
たトルエン60mlを入れた。ガラス製反応器の内温を
−78℃に保ち、メタクリル酸メチルを2.0g加え
た。6時間撹拌した後、過剰のメタノールで反応を停止
した。溶媒を減圧留去した後、メタノールで洗浄した。
さらに50℃にて真空乾燥を行い、1.8gのポリマー
を得た。得られたポリマーは、Mn=322000、M
w/Mn=1.22、アイソタクティシティー[mm]
=97.2%であった。
【0044】シンジオタクチックポリメタクリル酸イソ
ブチルの製造 内部を真空脱気しアルゴン置換した100mlのガラス
製反応器に、重合開始剤(C5 Me5 2 Lu(C
3 )(THF)を10μmolと脱水脱酸素したトル
エン90mlを入れた。ガラス製反応器の内温を−78
℃に保ち、メタクリル酸イソブチルを1.4g加えた。
48時間撹拌した後、過剰のメタノールで反応を停止し
た。溶媒を減圧留去した後、メタノールで洗浄した。さ
らに50℃にて真空乾燥を行い、0.8gのポリマーを
得た。得られたポリマーは、Mn=149000、Mw
/Mn=1.06、シンジオタクティシティー[rr]
=92.6%であった。
【0045】ステレオコンプレックスポリマー組成物の
製造 該アイソタクチックポリメタクリル酸メチルの1重量%
THF溶液30gと該シンジオタクチックポリメタクリ
ル酸イソブチルの1重量%THF溶液45gを混合し室
温にて3時間撹拌した。ゲル状物を遠心ろ過した後、5
0℃にて真空乾燥して0.5gの固体を得た。得られた
固体についてDSC測定したところ207℃の融解温度
を示した。
【0046】
【発明の効果】本願発明の方法によって、分離工程等を
必要とせずに、立体規則性が高く、分子量が高く、分子
量分布が狭いという性質を同時に満足するアイソタクチ
ックポリメタクリル酸メチルを得ることができる。更に
は、得られたアイソタクチックポリメタクリル酸エステ
ルと立体規則性が高く、分子量が高く、分子量分布が狭
いシンジオタクチックポリメタクリル酸エステルからな
る融点の高いステレオコンプレックスポリマーを得るこ
とができる。
フロントページの続き (72)発明者 安田 源 広島県東広島市八本松町飯田531−401 (72)発明者 井原 栄治 広島県東広島市鏡山2丁目360−3−301

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタクリル酸メチルモノマーを重合して
    アイソタクチックポリメタクリル酸メチルを製造する際
    に用いられる重合開始剤であって、下記一般式[1]で
    表されるアイソタクチックポリメタクリル酸メチル用重
    合開始剤。 M[C(SiR3 3 n ・・・ [1] (式中、Mは希土類元素である。Rは水素原子あるいは
    置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、シ
    クロアルキル基、アリールアルキル基からなる群より選
    ばれた少なくとも1種の基である。nは2または3であ
    る。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の重合開始剤及び非極性溶
    媒を用いてメタクリル酸メチルモノマーを重合すること
    を特徴とするアイソタクチックポリメタクリル酸メチル
    の重合方法。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の重合方法によって得られ
    る (A)メソトリアド[mm]により決定されるアイソタ
    クティシティーが90%以上100%以下であり、かつ
    数平均分子量が10万以上200万以下であり、かつ重
    量平均分子量/数平均分子量が1.0以上1.3以下で
    あるアイソタクチックポリメタクリル酸メチル1〜99
    重量%及び(B)ラセミトリアド[rr]により決定さ
    れるシンジオタクティシティーが90%以上100%以
    下であり、かつ数平均分子量が10万以上200万以下
    であり、かつ重量平均分子量/数平均分子量が1.0以
    上1.3以下であるシンジオタクチックポリメタクリル
    酸エステル99〜1重量%とからなるステレオコンプレ
    ックスポリマー組成物。
  4. 【請求項4】 該シンジオタクチックポリメタクリル酸
    エステルが下記一般式[1]で表される有機希土類化合
    物を重合開始剤にして極性溶媒を用いた重合方法によっ
    て得られたものであることを特徴とする請求項3に記載
    のステレオコンプレックスポリマー組成物。 M[C(SiR3 3 n ・・・ [1] (式中、Mは希土類元素である。Rは水素原子あるいは
    置換基を有していてもよいアルキル基、アリール基、シ
    クロアルキル基、アリールアルキル基からなる群より選
    ばれた少なくとも1種の基である。nは2または3であ
    る。)
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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US6864338B2 (en) 2002-02-26 2005-03-08 Nitto Denko Corporation Sterically regulated methacrylic polymer and process for producing the same

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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