JPH10270225A - 希土類ボンド磁石及びその製造方法 - Google Patents
希土類ボンド磁石及びその製造方法Info
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- JPH10270225A JPH10270225A JP9076124A JP7612497A JPH10270225A JP H10270225 A JPH10270225 A JP H10270225A JP 9076124 A JP9076124 A JP 9076124A JP 7612497 A JP7612497 A JP 7612497A JP H10270225 A JPH10270225 A JP H10270225A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 従来よりも高い磁気特性を有した希土類−鉄
−コバルト系のボンド磁石を提供する。 【解決手段】 組成式がRaFebCocMd(ここ
で、RはYを含む希土類元素の内の少なくとも1種。)
で表され、12≦a≦40wt%、b:残部、c≦50
wt%、d≦10wt%、MはAl,Si,Ti,V,
Cr,Ni,Zn,Cu,Ga,Zr,Nb,Mo,H
f,Ta,Wの内の少なくとも1種であるとともに組織
中にα-Fe相及びα’-Fe-Co相が合計で1〜60
vol%存在している磁石合金の粉末を高分子重合体で
結着したことを特徴とする希土類ボンド磁石。
−コバルト系のボンド磁石を提供する。 【解決手段】 組成式がRaFebCocMd(ここ
で、RはYを含む希土類元素の内の少なくとも1種。)
で表され、12≦a≦40wt%、b:残部、c≦50
wt%、d≦10wt%、MはAl,Si,Ti,V,
Cr,Ni,Zn,Cu,Ga,Zr,Nb,Mo,H
f,Ta,Wの内の少なくとも1種であるとともに組織
中にα-Fe相及びα’-Fe-Co相が合計で1〜60
vol%存在している磁石合金の粉末を高分子重合体で
結着したことを特徴とする希土類ボンド磁石。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、希土類ー鉄ーコバ
ルト系磁石合金を用いたボンド磁石およびその製造方法
に関する。
ルト系磁石合金を用いたボンド磁石およびその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】これまでに希土類ボンド磁石として実用
化されているものにSm2Co17の異方性ボンド磁石、
超急冷法によるR−Fe−B系等方性ボンド磁石、HD
DR法によるR−Fe−B系異方性ボンド磁石等があ
る。これらは異方性でエネルギー積が20MGOe以
下、等方性で12MGOe以下の磁気特性であるが、ボ
ンド磁石の特長である複雑形状や小物品等への製造容易
性を反映して生産量が増加しつつあり、例えばスピンド
ルモータ等の回転機に多用されている。
化されているものにSm2Co17の異方性ボンド磁石、
超急冷法によるR−Fe−B系等方性ボンド磁石、HD
DR法によるR−Fe−B系異方性ボンド磁石等があ
る。これらは異方性でエネルギー積が20MGOe以
下、等方性で12MGOe以下の磁気特性であるが、ボ
ンド磁石の特長である複雑形状や小物品等への製造容易
性を反映して生産量が増加しつつあり、例えばスピンド
ルモータ等の回転機に多用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】希土類ボンド磁石は希
土類焼結磁石と比較して磁気特性が低いためさらなる改
良が望まれているが、この点に関し最近注目を集めてい
るものに交換結合型の磁石材料がある。この磁石材料の
特徴は飽和磁化の高いソフトな相と異方性磁界の大きい
ハードな相を組合せ、高飽和磁化でかつ高保磁力の磁石
材料を実現しようとする試みである。しかしながら、現
状ではFe3B−Nd2Fe14B系、α-Fe−Nd2Fe
14B系,α-Fe−SmFe7Nx系といった合金系が検
討されているが、従来の希土類ボンド磁石の磁気特性を
凌駕するに至っていない。したがって、本発明の課題は
従来よりも高い磁気特性を有した希土類ー鉄ーコバルト
系のボンド磁石を提供することである。
土類焼結磁石と比較して磁気特性が低いためさらなる改
良が望まれているが、この点に関し最近注目を集めてい
るものに交換結合型の磁石材料がある。この磁石材料の
特徴は飽和磁化の高いソフトな相と異方性磁界の大きい
ハードな相を組合せ、高飽和磁化でかつ高保磁力の磁石
材料を実現しようとする試みである。しかしながら、現
状ではFe3B−Nd2Fe14B系、α-Fe−Nd2Fe
14B系,α-Fe−SmFe7Nx系といった合金系が検
討されているが、従来の希土類ボンド磁石の磁気特性を
凌駕するに至っていない。したがって、本発明の課題は
従来よりも高い磁気特性を有した希土類ー鉄ーコバルト
系のボンド磁石を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意検討の結
果交換結合型磁石材料の磁気特性を改善する方策とし
て、ソフト磁性相として窒化物以外で最も飽和磁化の高
いFe-Co系化合物と、ハード磁性相として異方性磁
界の高いSm−Co系化合物との組合せを用いることに
想到した。このFe-Co系とSm−Co系の化合物を
組合せた磁石材料を作製する手段として下記の製造方法
を見出した。まず、Fe-Co系化合物を作成するには
例えば粒子径が1μm以下の針状Fe2O3、FeOOH
または、Fe3O4を原料とし、その表面にCoOをエピ
タキシャル成長させ、続いてこのものを水素気流中30
0〜800℃で加熱することによりFeとCoを還元
し、α-Fe粒子の表面にCoの皮膜を形成させた。続
いてこのものに対してSmメタルに水素を吸蔵させた後
10μm以下に粉砕したものを所定の割合で混合し真空
中で加熱してSmとCoを反応させてSm−Co系化合
物を生成させるとともにCoを内部のFeとも反応させ
て飽和磁化の高いFe-Co系化合物を形成させる。こ
の粉末を磁場中成形し、さらに真空中600〜1000
℃で加熱することによりFe-Co粒子の表面を完全に
Sm−Co系化合物で覆った状態とする。続いてこのも
のを1mm以下に解砕することにより本発明の異方性ボ
ンド磁石用磁粉が得られる。
果交換結合型磁石材料の磁気特性を改善する方策とし
て、ソフト磁性相として窒化物以外で最も飽和磁化の高
いFe-Co系化合物と、ハード磁性相として異方性磁
界の高いSm−Co系化合物との組合せを用いることに
想到した。このFe-Co系とSm−Co系の化合物を
組合せた磁石材料を作製する手段として下記の製造方法
を見出した。まず、Fe-Co系化合物を作成するには
例えば粒子径が1μm以下の針状Fe2O3、FeOOH
または、Fe3O4を原料とし、その表面にCoOをエピ
タキシャル成長させ、続いてこのものを水素気流中30
0〜800℃で加熱することによりFeとCoを還元
し、α-Fe粒子の表面にCoの皮膜を形成させた。続
いてこのものに対してSmメタルに水素を吸蔵させた後
10μm以下に粉砕したものを所定の割合で混合し真空
中で加熱してSmとCoを反応させてSm−Co系化合
物を生成させるとともにCoを内部のFeとも反応させ
て飽和磁化の高いFe-Co系化合物を形成させる。こ
の粉末を磁場中成形し、さらに真空中600〜1000
℃で加熱することによりFe-Co粒子の表面を完全に
Sm−Co系化合物で覆った状態とする。続いてこのも
のを1mm以下に解砕することにより本発明の異方性ボ
ンド磁石用磁粉が得られる。
【0005】すなわち、本発明は、組成式がRaFebC
ocMd(ここで、RはYを含む希土類元素の内の少なく
とも1種。)で表され、12≦a≦40wt%、b:残
部、c≦50wt%、d≦10wt%、MはAl,S
i,Ti,V,Cr,Ni,Zn,Cu,Ga,Zr,
Nb,Mo,Hf,Ta,Wの内の少なくとも1種であ
るとともに組織中にα-Fe相及びα’-Fe-Co相が
合計で1〜60vol%存在している磁石合金の粉末を
高分子重合体で結着したことを特徴とする希土類ボンド
磁石である。
ocMd(ここで、RはYを含む希土類元素の内の少なく
とも1種。)で表され、12≦a≦40wt%、b:残
部、c≦50wt%、d≦10wt%、MはAl,S
i,Ti,V,Cr,Ni,Zn,Cu,Ga,Zr,
Nb,Mo,Hf,Ta,Wの内の少なくとも1種であ
るとともに組織中にα-Fe相及びα’-Fe-Co相が
合計で1〜60vol%存在している磁石合金の粉末を
高分子重合体で結着したことを特徴とする希土類ボンド
磁石である。
【0006】本発明において希土類元素Rは12wt%
以上、40wt%以下の範囲で含有される。希土類元素
RとしてはYを含めた希土類元素の少なくとも1種が使
用可能であるが、保磁力を高めるためにはSm,Ce,
Pr,Ndの内の少なくとも1種を用いることが好まし
く、Smが特に好ましい。
以上、40wt%以下の範囲で含有される。希土類元素
RとしてはYを含めた希土類元素の少なくとも1種が使
用可能であるが、保磁力を高めるためにはSm,Ce,
Pr,Ndの内の少なくとも1種を用いることが好まし
く、Smが特に好ましい。
【0007】CoはR−Co系化合物の生成に必要で、
耐食性や熱安定性向上にも寄与する元素であり、50w
t%以下の範囲が実用可能である。高い残留磁束密度を
得るために40wt%以下とすることが好ましい。
耐食性や熱安定性向上にも寄与する元素であり、50w
t%以下の範囲が実用可能である。高い残留磁束密度を
得るために40wt%以下とすることが好ましい。
【0008】M元素は保磁力向上及びR−Co系化合物
の生成、前記磁石合金の結晶粒子の成長抑制に有効な元
素であり、Al,Si,Ti,V,Cr,Ni,Zn,
Cu,Ga,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,Wの内の
少なくとも1種である。特に、Crは保磁力向上に有効
である。上記磁石合金組織中にα-Fe相及びα’-Fe
-Co相が合計で1〜60vol%存在している場合に
従来より高い磁気特性を確保することが容易である。
の生成、前記磁石合金の結晶粒子の成長抑制に有効な元
素であり、Al,Si,Ti,V,Cr,Ni,Zn,
Cu,Ga,Zr,Nb,Mo,Hf,Ta,Wの内の
少なくとも1種である。特に、Crは保磁力向上に有効
である。上記磁石合金組織中にα-Fe相及びα’-Fe
-Co相が合計で1〜60vol%存在している場合に
従来より高い磁気特性を確保することが容易である。
【0009】次に本発明の製造方法について説明する。
Fe原料はFe2O3、FeOOH、またはFe3O4の表
面をCrO,MnO,CoO,NiO,ZnO,CuO
等で覆ったものを用いる。この中でCoはR−Co系化
合物を形成させるため、上記範囲の添加量が必要であ
る。FeOOH、Fe3O4,Fe2O3の粒子形態は針状
であり、長軸径は1μm以下、好ましくは0.5μm以
下であるものを用いる。このようなFe原料を水素気流
中300〜800℃で加熱することにより、中心部分に
α-Feがあり、その周りをCr,Mn,Co,Ni,
Zn,Cu等が覆った粉末が得られる。CoはR−Co
相を形成するために必須であり、Cr,Mn,Ni,Z
n,Cu等はR−Co相の保磁力向上に効果がある。他
方、希土類原料としてCe,Smといった金属を主原料
としてY,Pr,Nd,Gd,Tb,Dy,Ho,Er
等の内の少なくとも1種も含有可能である。これらを含
有した希土類金属または希土類合金を水素気流中100
〜800℃に加熱して水素を吸蔵させた後、このものを
ボールミルまたはジェットミル等で粉砕し、粒径10μ
m以下の微粉とする。次に上記で製作したFe原料と希
土類原料粉末とを所定の割合で均一化混合する。この時
保磁力を向上させる元素としてAl,Si,Ti,V,
Cr,Ni,Zn,Cu,Ga,Zr,Nb,Mo,H
f,Ta,Wの内の少なくとも1種の粉末を添加する。
続いてこのものを真空中600〜900℃で加熱し、R
−Co相を生成させるとともにCoの一部をα-Fe相
に拡散させる。この状態ではR−Co相がα-Fe-Co
相を完全に覆った形態にはなっていないので、さらに解
砕した後例えば印加磁界10kOe以上で横磁場成形を
行う。この異方性付与工程において粉末または成形体で
存在する前記磁石合金粒子の酸素量の増加を抑えられる
耐酸化付与能力に富む鉱物油、合成油等に浸すいわゆる
湿式成形を行うことにより酸素含有量の少ないものが得
られる。得られた成形体をさらに真空中600〜100
0℃で加熱することにより、針状のα-Fe-Co相の長
軸方向を磁化方向とし、その周りをR−Co相が囲んだ
特長ある磁石組織が得られる。このものを続いて粉砕し
て0.5mm以下の粒子径とし、本発明のボンド磁石用
の原料に供する。
Fe原料はFe2O3、FeOOH、またはFe3O4の表
面をCrO,MnO,CoO,NiO,ZnO,CuO
等で覆ったものを用いる。この中でCoはR−Co系化
合物を形成させるため、上記範囲の添加量が必要であ
る。FeOOH、Fe3O4,Fe2O3の粒子形態は針状
であり、長軸径は1μm以下、好ましくは0.5μm以
下であるものを用いる。このようなFe原料を水素気流
中300〜800℃で加熱することにより、中心部分に
α-Feがあり、その周りをCr,Mn,Co,Ni,
Zn,Cu等が覆った粉末が得られる。CoはR−Co
相を形成するために必須であり、Cr,Mn,Ni,Z
n,Cu等はR−Co相の保磁力向上に効果がある。他
方、希土類原料としてCe,Smといった金属を主原料
としてY,Pr,Nd,Gd,Tb,Dy,Ho,Er
等の内の少なくとも1種も含有可能である。これらを含
有した希土類金属または希土類合金を水素気流中100
〜800℃に加熱して水素を吸蔵させた後、このものを
ボールミルまたはジェットミル等で粉砕し、粒径10μ
m以下の微粉とする。次に上記で製作したFe原料と希
土類原料粉末とを所定の割合で均一化混合する。この時
保磁力を向上させる元素としてAl,Si,Ti,V,
Cr,Ni,Zn,Cu,Ga,Zr,Nb,Mo,H
f,Ta,Wの内の少なくとも1種の粉末を添加する。
続いてこのものを真空中600〜900℃で加熱し、R
−Co相を生成させるとともにCoの一部をα-Fe相
に拡散させる。この状態ではR−Co相がα-Fe-Co
相を完全に覆った形態にはなっていないので、さらに解
砕した後例えば印加磁界10kOe以上で横磁場成形を
行う。この異方性付与工程において粉末または成形体で
存在する前記磁石合金粒子の酸素量の増加を抑えられる
耐酸化付与能力に富む鉱物油、合成油等に浸すいわゆる
湿式成形を行うことにより酸素含有量の少ないものが得
られる。得られた成形体をさらに真空中600〜100
0℃で加熱することにより、針状のα-Fe-Co相の長
軸方向を磁化方向とし、その周りをR−Co相が囲んだ
特長ある磁石組織が得られる。このものを続いて粉砕し
て0.5mm以下の粒子径とし、本発明のボンド磁石用
の原料に供する。
【0010】本発明のボンド磁石を圧縮成形法を用いて
製造する場合には上記ボンド磁石用原料に対して熱硬化
性樹脂として例えばエポキシ樹脂を2〜5wt%で添加
し均一化混合後、磁場中または無磁場で成形し、続いて
100〜200℃の温度で硬化処理を行い、ボンド磁石
とする。また、射出成形による場合は熱可塑性樹脂を用
いて、射出成型機において磁場中または無磁場で成形し
てボンド磁石が得られる。
製造する場合には上記ボンド磁石用原料に対して熱硬化
性樹脂として例えばエポキシ樹脂を2〜5wt%で添加
し均一化混合後、磁場中または無磁場で成形し、続いて
100〜200℃の温度で硬化処理を行い、ボンド磁石
とする。また、射出成形による場合は熱可塑性樹脂を用
いて、射出成型機において磁場中または無磁場で成形し
てボンド磁石が得られる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を詳細
に説明する。 (実施例1)FeOOHの粒子表面にCoOを形成させ
た針状粒子を作製した。Co/(Fe+Co)の重量比
は0.3であった。針状粒子の長軸径は0.1μmであ
った。これを水素気流中700℃×3時間の条件で還元
反応を行い、Fe原料とした。希土類原料はCe金属
(20wt%)とSm金属(80wt%)の混合物に水
素を吸蔵させた。水素吸蔵は500℃×4時間の条件で
行った。水素吸蔵させたものをバンタムミルで解砕し、
ジェットミルで微粉砕した。これらのFe原料と希土類
原料、さらに添加物粉末を表1に示す割合で混合した試
料1〜5を準備した。次に、各試料を真空中800℃×
2時間の条件で加熱し、冷却後0.1mm以下に解砕し
た。この解砕は窒素雰囲気で行い、解砕したものを鉱物
油(出光興産製、商品名MC、OIL、P−02)に浸
しスラリー化し、続いてこのスラリーを所定の金型に磁
場を加えながら充填する湿式の横磁場成形(印加磁界1
2kOe、成形圧は2t/cm2)を行った。次に、得
られた成形体を200℃×8時間真空中で加熱すること
により鉱物油を除去し、さらに真空中で870×2時間
加熱した。冷却後、得られたものを0.2mm以下に解
砕し、ボンド磁石用原料粉末とした。ボンド磁石の作製
は、この原料粉末に固形エポキシ樹脂2wt%とアセト
ン2wt%を添加しヘンシェルミキサーで十分混合した
ものを用いて印加磁界18kOe、成形圧6t/cm2
で横磁場成形した。続いて得られた成形体を120℃×
1時間,180℃×1時間の条件で硬化させて表1に示
すように従来に比べて高い磁気特性を有した本発明のボ
ンド磁石を得た。
に説明する。 (実施例1)FeOOHの粒子表面にCoOを形成させ
た針状粒子を作製した。Co/(Fe+Co)の重量比
は0.3であった。針状粒子の長軸径は0.1μmであ
った。これを水素気流中700℃×3時間の条件で還元
反応を行い、Fe原料とした。希土類原料はCe金属
(20wt%)とSm金属(80wt%)の混合物に水
素を吸蔵させた。水素吸蔵は500℃×4時間の条件で
行った。水素吸蔵させたものをバンタムミルで解砕し、
ジェットミルで微粉砕した。これらのFe原料と希土類
原料、さらに添加物粉末を表1に示す割合で混合した試
料1〜5を準備した。次に、各試料を真空中800℃×
2時間の条件で加熱し、冷却後0.1mm以下に解砕し
た。この解砕は窒素雰囲気で行い、解砕したものを鉱物
油(出光興産製、商品名MC、OIL、P−02)に浸
しスラリー化し、続いてこのスラリーを所定の金型に磁
場を加えながら充填する湿式の横磁場成形(印加磁界1
2kOe、成形圧は2t/cm2)を行った。次に、得
られた成形体を200℃×8時間真空中で加熱すること
により鉱物油を除去し、さらに真空中で870×2時間
加熱した。冷却後、得られたものを0.2mm以下に解
砕し、ボンド磁石用原料粉末とした。ボンド磁石の作製
は、この原料粉末に固形エポキシ樹脂2wt%とアセト
ン2wt%を添加しヘンシェルミキサーで十分混合した
ものを用いて印加磁界18kOe、成形圧6t/cm2
で横磁場成形した。続いて得られた成形体を120℃×
1時間,180℃×1時間の条件で硬化させて表1に示
すように従来に比べて高い磁気特性を有した本発明のボ
ンド磁石を得た。
【0012】
【表1】
【0013】(実施例2)表2に示すようにFe2O3粒
子の表面にCoOの他にCrO,MnO,NiO,Zn
O,CuOの皮膜を各々形成させた試料6〜10のもの
を準備した。各試料は針状Fe2O3粒子の長軸径が0.
1μmであるとともに、Co/(Fe+Co)の重量比
は0.35である。それぞれのFe原料は水素気流中で
760℃×3時間加熱したものを用いている。次に、各
試料において希土類原料としてSmメタルを水素気流中
で500℃×4時間加熱することで水素を吸蔵させた
後、ボールミルで約5μmの粒度に粉砕したものを準備
した。次に、上記Fe原料と希土類原料とを表2に示す
割合で混合し、トルエン中に浸漬しスラリー化した。こ
れらのスラリーを印加磁界12kOe、成形圧1t/c
m2の条件で湿式磁場中成形し、得た成形体を200℃
×5時間真空中で加熱することによりトルエンを除去
し、さらに780℃×2時間真空中で加熱し、前記磁石
合金を得た。続いてこのものを0.05mm以下に解砕
した後、さらに実施例1と同条件で横磁場成形し、続い
てこの成形体を850℃×2時間真空中で加熱した。次
に、0.2mm以下にバンタムミルで解砕して本発明の
ボンド磁石用原料とした。以降は実施例1と同様にして
表2に示す従来より高い磁気特性を有した異方性ボンド
磁石を得た。
子の表面にCoOの他にCrO,MnO,NiO,Zn
O,CuOの皮膜を各々形成させた試料6〜10のもの
を準備した。各試料は針状Fe2O3粒子の長軸径が0.
1μmであるとともに、Co/(Fe+Co)の重量比
は0.35である。それぞれのFe原料は水素気流中で
760℃×3時間加熱したものを用いている。次に、各
試料において希土類原料としてSmメタルを水素気流中
で500℃×4時間加熱することで水素を吸蔵させた
後、ボールミルで約5μmの粒度に粉砕したものを準備
した。次に、上記Fe原料と希土類原料とを表2に示す
割合で混合し、トルエン中に浸漬しスラリー化した。こ
れらのスラリーを印加磁界12kOe、成形圧1t/c
m2の条件で湿式磁場中成形し、得た成形体を200℃
×5時間真空中で加熱することによりトルエンを除去
し、さらに780℃×2時間真空中で加熱し、前記磁石
合金を得た。続いてこのものを0.05mm以下に解砕
した後、さらに実施例1と同条件で横磁場成形し、続い
てこの成形体を850℃×2時間真空中で加熱した。次
に、0.2mm以下にバンタムミルで解砕して本発明の
ボンド磁石用原料とした。以降は実施例1と同様にして
表2に示す従来より高い磁気特性を有した異方性ボンド
磁石を得た。
【0014】
【表2】
【0015】(実施例3)Fe2O3粒子の表面にCoO
の皮膜を形成させた。得られた針状Fe2O3粒子の長軸
径は0.15μmで、Co/(Fe+Co)の重量比は
0.2であった。これを水素気流中760℃×3時間加
熱した。希土類原料はSmメタルを水素気流中500℃
×4時間の条件で加熱し、水素を吸蔵させた。冷却後、
ボールミルで約5μmの粒度に粉砕した。このようにし
て、表3に示すように前記のFe原料と希土類原料と添
加物とを混合した試料11〜17を準備した。次に、各
試料を合成油(出光興産製、商品名DN、ローオイル、
AL−35)中に浸漬しスラリーとした。各スラリー原
料を印加磁界12kOe、成形圧1t/cm2で横磁場
成形し得た成形体を200℃×5時間真空中で加熱する
ことにより合成油を除去し、さらに800℃×2時間真
空中で加熱した。冷却後、得られたものを0.05mm
以下に解砕し、さらに実施例1と同様にして横磁場成形
し、続いて870℃×2時間真空中で加熱後冷却して得
られたものを0.15mm以下にバンタムミルで粉砕し
てボンド磁石用磁石原料とした。この得られたボンド磁
石用磁石粉末中の(α-Fe相+α’-Fe-Co相)、
SmCo5相、SmCo7相、Sm2Co17相の生成量を
測定した結果を表3に示している。表3において、Fe
Co量=(α-Fe相+α’-Fe-Co相)の生成量、
1/5量=SmCo5相の生成量、1/7量=SmCo7
相の生成量、2/17量=Sm2Co17相の生成量であ
る。
の皮膜を形成させた。得られた針状Fe2O3粒子の長軸
径は0.15μmで、Co/(Fe+Co)の重量比は
0.2であった。これを水素気流中760℃×3時間加
熱した。希土類原料はSmメタルを水素気流中500℃
×4時間の条件で加熱し、水素を吸蔵させた。冷却後、
ボールミルで約5μmの粒度に粉砕した。このようにし
て、表3に示すように前記のFe原料と希土類原料と添
加物とを混合した試料11〜17を準備した。次に、各
試料を合成油(出光興産製、商品名DN、ローオイル、
AL−35)中に浸漬しスラリーとした。各スラリー原
料を印加磁界12kOe、成形圧1t/cm2で横磁場
成形し得た成形体を200℃×5時間真空中で加熱する
ことにより合成油を除去し、さらに800℃×2時間真
空中で加熱した。冷却後、得られたものを0.05mm
以下に解砕し、さらに実施例1と同様にして横磁場成形
し、続いて870℃×2時間真空中で加熱後冷却して得
られたものを0.15mm以下にバンタムミルで粉砕し
てボンド磁石用磁石原料とした。この得られたボンド磁
石用磁石粉末中の(α-Fe相+α’-Fe-Co相)、
SmCo5相、SmCo7相、Sm2Co17相の生成量を
測定した結果を表3に示している。表3において、Fe
Co量=(α-Fe相+α’-Fe-Co相)の生成量、
1/5量=SmCo5相の生成量、1/7量=SmCo7
相の生成量、2/17量=Sm2Co17相の生成量であ
る。
【0016】
【表3】
【0017】表3の各試料の磁石粉末粒子の中心には
(α-Fe相+α’-Fe-Co相)が形成されており、
その周りをSmCo5相、SmCo7相、Sm2Co17相
等が取り囲んでいることがわかった。また、試料11〜
17のボンド磁石用原料を用いて実施例1と同様にして
製作した異方性ボンド磁石は従来より高い磁気特性を有
していた。
(α-Fe相+α’-Fe-Co相)が形成されており、
その周りをSmCo5相、SmCo7相、Sm2Co17相
等が取り囲んでいることがわかった。また、試料11〜
17のボンド磁石用原料を用いて実施例1と同様にして
製作した異方性ボンド磁石は従来より高い磁気特性を有
していた。
【0018】
【発明の効果】本発明のボンド磁石を構成する磁石材料
は針状のFe-Co粒子の表面にR−Co化合物が形成
され、これらFe-Co粒子が長軸方向を揃えた状態で
磁化方向に配列した組織となっているので、高飽和磁化
を有し、かつ高保磁力である有用なボンド磁石を得るこ
とができる。
は針状のFe-Co粒子の表面にR−Co化合物が形成
され、これらFe-Co粒子が長軸方向を揃えた状態で
磁化方向に配列した組織となっているので、高飽和磁化
を有し、かつ高保磁力である有用なボンド磁石を得るこ
とができる。
Claims (8)
- 【請求項1】 組成式がRaFebCocMd(ここで、R
はYを含む希土類元素の内の少なくとも1種。)で表さ
れ、12≦a≦40wt%、b:残部、c≦50wt
%、d≦10wt%、MはAl,Si,Ti,V,C
r,Ni,Zn,Cu,Ga,Zr,Nb,Mo,H
f,Ta,Wの内の少なくとも1種であるとともに組織
中にα-Fe相及びα’-Fe-Co相が合計で1〜60
vol%存在している磁石合金の粉末を高分子重合体で
結着したことを特徴とする希土類ボンド磁石。 - 【請求項2】 請求項1において、前記組織中に生成し
たα-Fe相及び/またはα’-Fe-Co相は針状であ
り、その長軸方向と磁化方向とが略一致していることを
特徴とする希土類ボンド磁石。 - 【請求項3】 請求項1または2において、前記磁石合
金粉末粒子の内部中心側にFeーCo系化合物が形成さ
れており、その周りにRーCo系化合物が形成されてい
ることを特徴とする希土類ボンド磁石。 - 【請求項4】 組成式がRaFebCocMd(ここで、R
はYを含む希土類元素の内の少なくとも1種。)で表さ
れ、12≦a≦40wt%、b:残部、c≦50wt
%、d≦10wt%、MはAl,Si,Ti,V,C
r,Ni,Zn,Cu,Ga,Zr,Nb,Mo,H
f,Ta,Wの内の少なくとも1種である磁石合金粉末
を高分子重合体で結着する希土類ボンド磁石の製造方法
において、 前記磁石合金のFe原料としてFeの一部をCr,M
n,Co,Ni,Zn,Cuの内の少なくとも1種で置
換したFe2O3 、FeOOHまたはFe3O4を水素気流
中300〜800℃で還元することにより微細なα−F
e粒子を生成し、このα−Fe粒子に前記Rからなる希
土類金属または希土類合金の粉末を反応させることによ
り前記磁石合金粉末粒子の中心側にFeーCo系化合物
を生成させ、その周りにRーco系化合物が取り囲んだ
組織形態を有していることを特徴とする希土類ボンド磁
石の製造方法。 - 【請求項5】 請求項4において、Feの一部をCr,
Mn,Co,Ni,Zn,Cuの内の少なくとも1種で
置換したFe2O3、FeOOHまたはFe3O4の表面を
CrO,MnO,CoO,NiO,ZnO,CuOの内
の少なくとも1種が覆っていることを特徴とする希土類
ボンド磁石の製造方法。 - 【請求項6】 請求項4または5において、前記磁石合
金の希土類原料として希土類酸化物及び/またはフッ化
物にAl,Zn,Cu,Gaの内の少なくとも1種の酸
化物を微量添加して溶融塩電解後、さらに水素を吸蔵さ
せて形成した希土類水素化物を用いることを特徴とする
希土類ボンド磁石の製造方法。 - 【請求項7】 請求項4または5において、Fe原料の
Fe2O3、FeOOHまたはFe3O4は長軸の粒径が1
μm以下の針状であることを特徴とする希土類ボンド磁
石の製造方法。 - 【請求項8】 組成式がRaFebCocMd(ここで、R
はYを含む希土類元素の内の少なくとも1種。)で表さ
れ、12≦a≦40wt%、b:残部、c≦50wt
%、d≦10wt%、MはAl,Si,Ti,V,C
r,Ni,Zn,Cu,Ga,Zr,Nb,Mo,H
f,Ta,Wの内の少なくとも1種である磁石合金粉末
を高分子重合体で結着する希土類ボンド磁石の製造方法
において、 前記磁石合金のFe原料としてFeの一部をCr,M
n,Co,Ni,Zn,Cuの内の少なくとも1種で置
換したFe2O3 、FeOOHまたはFe3O4を水素気流
中300〜800℃で還元することにより得られるα-
Fe粒子と、前記磁石合金の希土類原料として希土類酸
化物及び/またはフッ化物にAl,Zn,Cu,Gaの
内の少なくとも1種の酸化物を微量添加して溶融塩電解
後、さらに水素を吸蔵させて形成した希土類水素化物と
を反応させて前記磁石合金を得た後、この合金の粉末を
有機溶媒、鉱物油、または合成油中に保持した状態で異
方性を付与し焼結したものを粉砕して用いることを特徴
とする希土類ボンド磁石の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9076124A JPH10270225A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 希土類ボンド磁石及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9076124A JPH10270225A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 希土類ボンド磁石及びその製造方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10270225A true JPH10270225A (ja) | 1998-10-09 |
Family
ID=13596186
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9076124A Pending JPH10270225A (ja) | 1997-03-27 | 1997-03-27 | 希土類ボンド磁石及びその製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10270225A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008270796A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-11-06 | Tdk Corp | 磁性材料及びこれを用いた磁石。 |
| CN107507688A (zh) * | 2017-06-28 | 2017-12-22 | 漯河华瑞永磁材料股份有限公司 | 一种混合稀土‑铁‑硼系粘结磁粉及其制备方法 |
-
1997
- 1997-03-27 JP JP9076124A patent/JPH10270225A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008270796A (ja) * | 2007-03-29 | 2008-11-06 | Tdk Corp | 磁性材料及びこれを用いた磁石。 |
| CN107507688A (zh) * | 2017-06-28 | 2017-12-22 | 漯河华瑞永磁材料股份有限公司 | 一种混合稀土‑铁‑硼系粘结磁粉及其制备方法 |
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