JPH10273902A - 軌条支承装置及びこれを用いるコンクリート道床軌道の敷設工法 - Google Patents

軌条支承装置及びこれを用いるコンクリート道床軌道の敷設工法

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JPH10273902A
JPH10273902A JP9502097A JP9502097A JPH10273902A JP H10273902 A JPH10273902 A JP H10273902A JP 9502097 A JP9502097 A JP 9502097A JP 9502097 A JP9502097 A JP 9502097A JP H10273902 A JPH10273902 A JP H10273902A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 コンクリート道床軌道の各種の敷設施工に応
ずることができ、しかも、軌条の小返りの確保や軌条へ
の固定が容易である等、敷設施工の効率化を図り得る軌
条支承装置を提供する。 【解決手段】 軌条2の小返りに合わせて傾斜する支承
面5を具えた軌条支承板6を有する。その内外端側に設
けたネジ孔7,7に、支承ボルト9,9の雄ネジ部1
6,16を螺合させ、その螺合状態を変化させることに
よって軌条支承板6の高さを調節する。又、軌条2を軌
条支承板6に固定するために、軌条底部3の上面を押圧
する内側の押圧部11と外側の押圧部12を、前記支承
ボルト9と独立して設ける。内外の押圧部11,12に
よる押圧解除によって、軌条支承板6と軌条2とを分離
できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コンクリート道床
軌道の敷設に際して用いられ、コンクリートが打設され
る道床に設置されて軌条を所定高さに保持する軌条支承
装置に関するものである。又、該軌条支承装置を用いる
コンクリート道床軌道の敷設工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】コンクリート道床軌道を敷設するに際
し、平行する軌条を独立的に支承するために用いられる
軌条支承装置としては、実開平6−74604号公報が
開示するものが提案されている。この軌条支承装置a
は、図16〜17に示すように、軌条bの底部cを受け
入れる溝dが形成された矩形板状を呈する軌条支承板e
の内外両側位置に、上下方向に延びるネジ孔f,fを設
け、該ネジ孔f,fに、上側部分が雄ネジ部gとされ且
つ下側部分が下方に向かって次第に細くなるテーパ軸状
hに形成された支承ボルトiの前記雄ネジ部gを螺合さ
せ、該支承ボルトiの螺合状態を変化させることによっ
て前記軌条支承板eの高さ及び小返りを調節できるよう
に構成してなるものであった。
【0003】そして、前記支承ボルトiの雄ネジ部gに
挿脱可能に挿通された押え具jを、前記雄ネジ部gに螺
合する押えナットkで締め付けることにより、該押え具
jの先端押圧部mが前記軌条の底部上面の内側部分n1
及び外側部分n2を押圧する如くなし、該押圧により、
軌条支承装置aと軌条bとを一体化させんとするもので
あった。
【0004】そして、前記小返りを所要に確保する作業
工程は、先ず、前記内外の支承ボルトi,iの螺合状態
を調整することによって軌条支承板eの水平度を確保す
る。その後、軌条内側の支承ボルトi1を稍戻す微調整
を行って、軌条支承板を水平面に対して傾かせ、これに
より、軌条支承板上の軌条に所望の小返りを付与するの
であった。前記構成の軌条支承装置は、地上におけるコ
ンクリート道床軌道の敷設時だけではなく地下における
コンクリート道床軌道の敷設時にも採用できるものであ
る。
【0005】ところで関東地方、特に東京圏における地
下鉄は現在過密状態にあるために、地下鉄の増設が要請
されている。しかし、新たに地下鉄を建設しようとして
も、既存地下鉄や河川の存在、又複雑に存在する地下構
造物の存在等が障害となって、新たな地下鉄は、既存地
下鉄よりも更に地下深くに建設せざるを得ない状況にあ
る。現実の工事は、地下40〜45mにおいて進められ
ている。
【0006】このような大深度における地下鉄工事は、
従来の地下鉄におけるような比較的浅い地下における工
事に比べてその困難性が増大している。例えば浅い地下
における従来の地下鉄工事にあっては、コンクリート等
の資材を導入するために使用される、地上に通ずる導入
孔を、短い間隔で設けることが容易である。通常、1k
m長さ当たり2〜3箇所程度設けていた。そのため、コ
ンクリート道床軌道敷設時において、地上のコンクリー
トポンプ車から延びるホースを前記導入孔を通して施工
現場に導くことが容易であることから、コンクリートの
打設施工を簡易に行うことができた。しかしながら前記
大深度の地下における地下鉄工事にあっては、地上に通
ずる導入孔を形成することに非常な困難が伴うため、従
来に比べて導入孔間の間隔が必然的に長くなる。通常、
1km長さ当たり1箇所程度にならざるを得ないのであ
る。
【0007】このように導入孔間の距離が長くなると、
工事現場への打設コンクリートの供給を、従来のよう
に、地上のコンクリートポンプ車から延ばしたホースに
よって行なうという工法はもはや採用できない。そのた
め、工事現場への打設コンクリートの供給に際しては、
地上のコンクリートポンプ車から供給されるコンクリー
トを、導入孔を経て導入孔下端で一旦下ろし、その後こ
のコンクリートを、前記軌条支承装置を用いて敷設した
軌道上を走行する作業用車両に載せて所定場所まで運搬
せざるを得なかった。
【0008】そのために用いる前記作業用車両は、モー
タ駆動で走行する車体重量の非常に大なるものであるた
め、軌条支承装置は、この作業用車両を安定的に走行さ
せ得るように、軌条を安定的に支承できる構造のもので
なければならない。
【0009】ところで前記軌条支承装置は、軌条の両側
に設けた2本の支承ボルトi,iによって軌条を支承す
る構造であったため、この2本の支承ボルトi,iによ
る荷重負担によって、前記作業用車両の走行を一応安定
的なものとなし得た。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記構
成の軌条支承装置によるときにも更に次のような各種の
問題点があった。 常に2本の支承ボルトを要し、支承ボルトを一本に
して使用できないことによる施工能率及び施工コスト上
の問題点について前記軌条支承装置は、軌条を軌条支承
板に固定する押え具jを、前記支承ボルトiの上部分を
なす雄ネジgに螺合する押えナットkの締め付けにより
押圧状態とし、これによって軌条を軌条支承装置に固定
していた。
【0011】そのため前記軌条支承装置は、軌条支承板
eに2本の支承ボルトi,iが取り付けられた状態でし
か使用できなかった。換言すれば、何れか一方の支承ボ
ルトを外した状態での使用は不可能であった。なぜなら
ば、支承ボルトを取り外すと、その支承ボルトに関係す
る押え具は使用できないことになり、結果的に軌条を軌
条支承板に固定できなくなって、軌条支承装置として成
立しなくなるからである。
【0012】ところで、コンクリート道床軌道の敷設施
工の実際からすれば、次に述べるように、一本の支承ボ
ルトを用いて装置を構成する方が施工手間を削減できる
と共に施工コストの低減を図ることができて好都合であ
る場合が生ずるのであるが、前記軌条支承装置はこのよ
うな要求には応じられない問題があったのである。これ
をより具体的に説明すれば以下のようである。
【0013】即ち、大深度における地下鉄工事にあって
は、前記したコンクリート運搬時における作業用車両の
安定走行性との関係で、2本の支承ボルトで軌条を支え
る方が有利であるが、地上や比較的浅い地下においてコ
ンクリート道床軌道を敷設する場合には、1本の支承ボ
ルトで軌条を支承する方が都合がよい。何故ならば、地
上や浅い地下におけるコンクリート道床軌道の敷設に際
しては、コンクリートポンプ車から延びるホースを介し
てコンクリート打設を容易に行なうことができるため
に、前記車体重量の大なる作業用車両を、敷設された支
承軌道上で走行させる必要がなく、支承軌道上で作業用
車両を走行させるにしても、軽量の資材運搬車の走行を
可能とするものであれば十分だからである。
【0014】そして支承ボルトの1本を省略できれば、
打設コンクリートの硬化後における支承ボルトの抜き取
りによって生じた穴を埋めるための手間が不要となり、
それだけ施工手間を削減できると共に施工コストの低減
を期し得ることになるのである。
【0015】これに反して、常に2本の支承ボルトを用
いなければならない前記軌条支承装置によるときは、支
承ボルトの抜き取りによって二つの穴が生ずるために、
その内の一つについては無駄な穴埋め作業を要すること
になった。コンクリート道床軌道の敷設に際しては、軌
条の長さ方向に多数の軌条支承装置を配置することにな
るが、支承ボルトの抜き取りによって生じた穴個数の半
分について無駄な穴埋め作業を要することは、施工手間
の増大と施工コストの上昇を招く問題が生じたのであっ
た。
【0016】 軌条支承装置を軌条に固定する作業の
困難性について前記軌条支承装置は、押え具による軌条
固定を、前記支承ボルトに螺合する押えナットを締め付
けることにより行なう構成であったため、支持ブロック
で支持されて道床から所定高さに浮き上げられた軌条に
軌条支承装置を固定する際、2本の支承ボルトが取り付
いた軌条支承装置の全体を持ち上げてこれを軌条に固定
しなければならなかった。因みに、前記軌条支承装置を
構成する支承ボルトは1本当たり3〜4kg程度の重量
を有し、又軌条支承板は10〜12kg程度の重量を有
すると考えられる。従って、前記軌条支承装置は相当の
重量物であり、これを軌条に固定する作業には多大の労
力を必要とする問題があったのである。
【0017】 精度のよい小返りを確保することの困
難性について前記軌条支承装置によるときは、軌条に所
望の小返りを付与するに際し、支承ボルトの下方への突
出長さを所要に設定して軌条支承板の水平を一旦確保し
た後、軌条内側の支承ボルトを無理に戻す微調整を行っ
て軌条支承板を傾かせる必要があった。
【0018】しかしながら、支承ボルトの微調整によっ
て軌条に所望の小返りを付与する作業は、支承ボルトの
垂直状態を保ちながら行なうのではなく、支承ボルトを
戻すことによる軌条支承板の傾きによって行なう必要が
あり、しかもこの際、軌条の高さを所定に保つ必要もあ
るために、精度よく小返りを確保するためには相当の熟
練を要した。
【0019】又、小返りを確保した状態は、前記のよう
に支承ボルトを無理に戻して行った結果であったため、
内外の支承ボルトに対する荷重の加わり方が均等でない
場合が多々発生し、小返りの精度を確保する上から決し
て好ましいものではなかった。
【0020】 支承された軌条の不安定性について小
返りを確保した状態では、前記のように軌条支承装置が
水平面に対して傾く。このように不安定に傾いた軌条支
承装置に支承された軌道上には、前記重量の大なる作業
用車両が安定的には走行できない問題があった。特に軌
道のカーブ箇所においては、所定のカントを設定するこ
とになるために、軌条支承装置が一層不安定に傾くこと
になる。従って、作業用車両の安定的な走行を確保する
ためには、軌条サポーターを頑丈に構成する必要があっ
た。
【0021】 2本の支承ボルトにかかる荷重不均等
に起因する問題点について支承ボルトを戻して小返りを
確保した状態では、軌条支承装置が水平面に対して傾く
ため、その傾斜下方側に位置する支承ボルトに荷重が大
きく加わり、反対側に位置する支承ボルトにはそれほど
荷重が加わらないという不均等な荷重状態になる場合が
生じた。その結果、押え具による軌条の固定のために、
前記反対側に位置する支承ボルトに螺合する押えナット
を締め付けた際、この支承ボルトが共回りして軌条の高
さが変化する恐れもあったのである。
【0022】本発明は、従来の軌条支承装置における前
記問題点を一挙に解決し得る軌条支承装置の提供を目的
とするものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明は以下の手段を採用する。即ち本発明に係る
軌条支承装置は、コンクリート道床軌道の敷設に際して
軌条を支承するために用いられる軌条支承装置であっ
て、軌条底部を支承でき且つ軌条の小返りに合わせて傾
斜する支承面を具えた軌条支承板を有する。そして、該
軌条支承板の、支承軌条の内外両側位置に設けた、上下
方向に延びるネジ孔に、上側部分が雄ネジ部とされ且つ
下側部分が下方に向かって次第に細くなるテーパ軸状に
形成された支承ボルトの前記雄ネジ部を螺合させ、該支
承ボルトの螺合状態を変化させることによって軌条支承
板の高さを調節可能としてなる。又前記軌条支承板の上
面側には、前記軌条を前記軌条支承板に固定するため
に、前記軌条底部の上面の内側部分及び外側部分を押圧
する内側の押圧部と外側の押圧部を、前記支承ボルトと
独立して設け、該内外の押圧部による押圧解除によっ
て、軌条支承板と軌条とを分離可能としたことを特徴と
するものである。
【0024】前記軌条支承装置において、前記内側の押
圧部及び外側の押圧部の何れか一方は、軌条支承板と一
体に形成された固定押圧部とし、該固定押圧部と軌条支
承板との間に形成された間隙に、軌条底部の縁部分を挿
入可能とし、又前記他方の押圧部は、前記支承ボルトの
両側に設けた可動押圧部として形成し、該可動押圧部
は、取り外し可能な押えボルトの締め付けによって軌条
底部の上面を押圧するように構成するのがよい。この場
合、押えボルトが緩められた状態で、前記可動押圧部
が、前記押えボルトの軸線回りに回動可能とし、該可動
押圧部は、両可動押圧部間に配置される支承ボルトが取
り外された状態において、支承面が支承する軌条に当た
らない回動状態をとり得るようにするのがよい。
【0025】前記各軌条支承装置において、軌条底部を
支承する前記支承面を、該軌条底部の内側部分の下面と
外側部分の下面を支承するように、軌条の長さ方向に延
びる2本の線状をなす独立した面を以って形成するのが
よい。
【0026】又本発明に係るコンクリート道床軌道の敷
設工法は、前記したいずれかに記載の軌条支承装置を用
いるコンクリート道床軌道の敷設工法であって、所要間
隔を隔てて平行する左右の軌条の夫々を、その軌条底部
を軌条支承板の支承面で支承させると共に、押圧部の押
圧により軌条底部を軌条支承板に固定させ、該軌条支承
板の外側に位置するネジ孔にのみ支承ボルトを螺合せし
め、又、該支承ボルトの螺合状態を変化させることによ
って軌条の高さを所要に設定すると共に、左右対向する
両軌条支承板の前記内側のネジ孔に螺合状態にある左右
対向状態の連結具にゲージタイの両端部分を連結させ、
これにより左右の軌条間の間隔を所要に固定することを
特徴とするものである。この敷設工法において、前記連
結具とゲージタイとの連結は、水平面内における相互の
回動が不可能となるような係合状態での連結とするのが
より好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面に
基づいて説明する。図1〜2、図5において本発明に係
る軌条支承装置1は、コンクリート道床軌道の敷設に際
して軌条2を支承するために用いられるものであって、
軌条底部3を支承でき且つ軌条の小返りに合わせて傾斜
する支承面5を具えた軌条支承板6の、支承軌条の両側
位置に設けたネジ孔7,7に支承ボルト9,9を螺合さ
せ、該支承ボルト9,9の螺合状態を変化させることに
よって前記軌条支承板6の高さを調節できるように構成
してなるものである。又前記軌条支承板6の上面側に
は、軌条底部3の上面10の内側部分10a及び外側部
分10bを押圧する内側の押圧部11と外側の押圧部1
2とを、前記支承ボルト9と独立して設けてなる。
【0028】前記軌条支承板6は、図2に示す如く、横
長矩形板状をなし、その外端部分には、上方に突出する
円柱状のネジ形成部13が一体に設けられており、該ネ
ジ形成部13において、上下方向に延びる如く前記ネジ
孔7が設けられている。又前記軌条支承板6の内端部分
の中央部には、上下方向に延びる如く前記ネジ孔7が設
けられている。
【0029】前記支承ボルト9は、上側部分が、前記ネ
ジ孔7に螺合し得る雄ネジ部16とされ、且つ下側部分
が、下方に向かって次第に細くなるテーパ軸17として
形成され、その下端19が円弧面として形成されてい
る。又前記上側部分の上端には、支承ボルト9を回動操
作するための六角形状の頭部20が一体に設けられてい
る。
【0030】なお前記雄ネジ部16の上下長さは、前記
ネジ孔7に対する該雄ネジ部16の螺合状態を変化させ
ることによって軌条の高低やカントの整正を支障なく行
ない得るよう設定されている。
【0031】又前記軌条底部3を支承する前記支承面5
は、本実施の形態においては、該軌条底部3の内側部分
の下面21と外側部分の下面22を夫々受けるように、
軌条の長さ方向に延びる2本の線状をなす独立した支承
面5a,5bを以って形成されている。そして、外側に
位置する支承面5bの高さは、内側に位置する支承面5
aの高さよりも稍高く形成され、この面一である両支承
面5a,5bは、軌条の小返りに合致する支承面5を形
成するのである。
【0032】又前記外側の押圧部12は固定押圧部であ
り、前記ネジ形成部13の上端部分において内方に突出
する如く、該ネジ形成部13と一体に設けられている。
そして該固定押圧部12と軌条支承板6との間に形成さ
れた間隙Gに、前記軌条底部3の外側の縁部分23を挿
入可能としてなり、このように挿入された状態で、固定
押圧部12の下面部25が、軌条底部3の上面の外側部
分10bを点状押圧状態で押圧可能とされている。
【0033】一方前記内側の押圧部11は、前記内側の
支承ボルト9の両側に設けられた可動押圧部である。こ
の可動押圧部11は、押圧部材26を以って構成されて
おり、その基端部分27が、前記軌条支承板6の上面内
側部分に設けられた係合溝29内に納まり、その内側溝
壁30(図5)に係合すると共に、先端下面部31が、
軌条底部3の上面の内側部分10aを押圧する押圧部と
されている。又、軌条支承板6の内外方向に長い長孔状
ボルト孔32が上下方向に貫通する如く設けられてい
る。そして該押圧部材26は、該長孔状ボルト孔32を
挿通して軌条支承板6の押圧ネジ孔28に螺合し得る押
えボルト33により、該軌条支承板6に取付け可能とな
されており、該押えボルト33を締め付けることによっ
て、前記押圧部材26の先端下面部31が、軌条底部3
の上面の内側部分10aを点状押圧状態で押圧するので
ある。
【0034】次に、本実施の形態に係る軌条支承装置1
によってコンクリート道床軌道を敷設する要領を説明す
る。先ず図3〜4に示すように、基礎コンクリートを以
ってなる道床34上で、平行する左右の軌条2,2相互
を長枕木35により連結して軌きょう36を形成する。
この軌きょうにおいて、軌条2の小返りは概略整正され
ている。又この軌きょう36は、道床34上に載置され
た図示しない支持ブロックに支持されて所定高さに浮き
上げられる。
【0035】その後図5に示すように(図5では長枕木
35が省略されている)、二本の支承ボルト9,9が取
り外された軌条支承板6を軌条2に固定するのである
が、この際、前記長孔状ボルト孔32,32を挿通して
軌条支承板6の押圧ネジ孔28,28に緩く螺合した押
えボルト33,33に取り付けられた両押圧部材26,
26を、図6に示すように、支承面5で支承される軌条
2に当たらないように回動せしめておく。そして、軌条
支承板6と前記固定押圧部12との間に形成される前記
間隙Gに軌条底部3の外側の縁部分23を割り込ませ
る。これにより、軌条底部3の下面21,22が、前記
内外の支承面5a,5bと当接状態となる。
【0036】然る後、前記両押圧部材26,26を、図
6に一点鎖線で示すように、その先端下面部31が軌条
底部3の上面の内側部分10aと当接するように、且つ
その基端部分27が、軌条支承板6の前記係合溝29内
に納まるように回動せしめ、この状態で、前記押えボル
ト33,33を、所要に締め付ける。これにより、該押
圧部材26の基端部分27と前記内側溝壁30とが接触
状態で係合するため(図5)、押圧部材26の先端下面
部31は、点状押圧状態で軌条底部3の上面の内側部分
10aを押圧すると共に、前記固定押圧部12の下面部
25は、軌条底部3の上面の外側部分10bを点状押圧
状態で押圧する。これにより軌条2が軌条支承板6に固
定されることになる。
【0037】その後、内外のネジ孔7,7に支承ボルト
9,9をその下端より挿入し、その雄ネジ部16を該ネ
ジ孔7に螺合状態とし、支承ボルト9の下端19を、前
記道床(基礎コンクリート)34上に直接的に載せる。
もしも道床強度に不安があるときは、図示しない受板を
介して該道床34上に載せる。
【0038】その後、両支承ボルト9,9の頭部20,
20をスパナ等で回して軌条支承板6を上昇させ、前記
軌きょう36を、図7に示すように(図7では長枕木3
5が省略されている)所定の高さにまで持ち上げ、軌条
支承板6を水平状態にする。これにより軌条2の小返り
が所望に確保されることになる。
【0039】然る後この軌条の敷設状態を保持するため
に、軌きょうを、図示しないサポーターを用いて常法に
より固定する。このように軌きょうを固定した後、図7
に一点鎖線で示すように道床コンクリート39を打設す
る。大深度地下における地下鉄工事の場合、地上と連通
するように工事現場に設けられた導入孔を通して地上の
コンクリートボンプ車より供給されたコンクリートを、
前記敷設された軌道を走行する作業用車両で所定場所に
運搬することになるが、内外の支承ボルト9,9によっ
て軌条2が安定的に支持されているために、作業用車両
の安定的な走行が可能となる。
【0040】又軌条の小返りは、軌条支承板6に設けた
傾斜する支承面5で自ずから確保されるため、カーブす
る軌道部分においてカントを所要に設定した状態におい
ても、従来のように軌条支承板を傾斜させて小返りを確
保する必要がない分だけ、従来に比して支承ボルトの傾
きが小さくて済み、従ってこのカーブする軌道部分の走
行時においても作業用車両が不安定化する恐れを回避で
きる。
【0041】なお本実施の形態においては、軌条を、2
本の線状をなす独立した支承面5a,5bで支承するた
め、軌条底部の下面の全体を面接触状態で支承する場合
に比し、より安定的に軌条を支承できる。その理由は、
軌条の底面及び軌条支承板の上面の全体を完全なる同一
平面となるようには製作し難いことから、全面で支承す
る場合には却ってガタツキが生じやすいが、前記線状を
なす独立した支承面5a,5bで支承することにより、
より安定的に支持できるからである。
【0042】なお安定支持のためには、例えば三角形の
各頂点に位置する点状の支承面により三点支持の状態で
支承するのがより好ましいとも考えられるが、前記押え
ボルト33,33の締め付けによって押圧部材26を押
圧状態とする本実施の形態に係る軌条支承装置1による
ときは、次の理由によって却って不都合がある。
【0043】即ち、押えボルト33を締め付ける際に、
軌条底面と支承面との間の摩擦抵抗がある程度確保され
ないと、軌条支承板6が押えボルト33の回転方向に共
回りする恐れがあるところ、点状の支承面で三点支持す
る場合は、前記摩擦抵抗が小さいために軌条支承板6の
共回りを防止できず、軌条支承板6を手で持って共回り
を防ぐ必要があったからである。これに対して、2本の
線状をなす独立した支承面5a,5bで支持する場合
は、一定の接触面積が確保されて摩擦抵抗が増大するた
め、手で持たなくとも、軌条支承板6の共回りを防止で
きることとなるのである。
【0044】道床コンクリートが硬化した後において
は、支承ボルト9を、それが上昇する方向に回転させて
引抜くと共に、前記押圧部材26を取り外す。支承ボル
ト9の下側部分がテーパ軸17に形成されているため、
その引抜きは容易に行なわれ得る。その後、支承ボルト
9の引抜きによって形成された図8に示す穴40をコン
クリートで埋める。これによりコンクリート道床軌道が
敷設されることになる。
【0045】本発明に係る軌条支承装置を、地上や比較
的浅い地下において、コンクリート道床軌道を敷設する
ために用いる場合は、敷設された軌道上に大重量の作業
用車両を走行させる必要がないために、図9に示すよう
に、内側に位置する支承ボルト9を省略して外側の支承
ボルト9だけで支承させることができる。このように省
略しても、前記押圧部材は内側の支承ボルトと独立して
設けられているため、軌条の支承を確実に行なうことが
できるのである。このように軌条を支承する場合は、支
承ボルトを引抜いて生ずる穴は1か所で済み、その穴埋
め作業の手間を削減できることになる。
【0046】〔その他の実施の形態〕 図10〜12は、軌条底部3の上面を押圧する押圧
部の他の態様を示すものである。図10に示す固定押圧
部12は、軌条の長さ方向で見て支承ボルトの両側に設
けられており、共に、前記実施の形態におけると同様、
ネジ形成部13に一体に突設されている。
【0047】軌条底部の上面を押圧する押圧部は、前記
のように、固定押圧部と可動押圧部との組み合わせによ
って構成するのが軌条と軌条支承板との固定作業上都合
がよいが、全ての押圧部を、例えば図11〜12に示す
ように、前記と同様構成の押圧部材26を用いた可動押
圧部として構成することも可能である。このように外側
の押圧部を2個とした場合、図12に示すように、内側
の押圧部11は1個としてもよい。
【0048】 軌条支承板6の支承面5は、軌条底部
の下面全体と接する支承面であってもよく、又該下面
を、例えば図11に一点鎖線で示すように、三角形の各
頂点位置で3点支持するものであってもよいのは勿論で
ある。
【0049】 枕木として、図13に示すような短枕
木41を使用する場合には、左右対向する軌条支承板
6,6の内端部相互を連結するようにゲージタイ42を
架設し、左右の軌条間を所要に固定するのがよい。例え
ば図9に示すように、外側に位置するネジ孔7にのみ支
承ボルト9が螺合されている場合は、図9、図14〜1
5に示すように、内側のネジ孔7aに螺合する連結具4
3を用い、該連結具43の六角形状をなす連結頭部45
を、伸縮可能で所定長さに固定され得る前記ゲージタイ
42の両端部分に設けられた六角形状をなす嵌合孔46
に嵌め込んで、左右の軌条支承板6,6の内端部相互を
連結状態とするのがよい。又、内外のネジ孔に共に支承
ボルトが螺合される場合は、その内側に位置する支承ボ
ルトの頭部として形成された連結部、又は該頭部に固定
された連結部に、前記ゲージタイの両端部分に形成した
嵌合孔を嵌め込んで、軌条支承板の内端部相互を連結状
態とするのがよい。
【0050】前記連結具とゲージタイとの連結は、水平
面内における相互の回動が不可能となるように、図14
〜15に示すような係合状態の連結とするのが好まし
い。
【0051】
【発明の効果】本発明に係る軌条支承装置は、簡素な構
成でありながら、軌条の小返りを容易且つ精度よく確保
できると共に、軌条を安定的に支承できる。又、支承ボ
ルトと無関係に、軌条支承板と軌条とを固定できること
から、支承ボルトの使用本数を選択できる等、従来の軌
条支承装置に比してその応用範囲を拡大できる。更に、
装置の取扱性もよく、コンクリート道床軌道の敷設施工
を効率化できる利点がある。以下これをより具体的に説
明する。
【0052】 軌条支承板が、軌条の小返りに合わせ
て傾斜する支承面を有するため、軌条支承板に軌条を載
せるだけで所要の小返りを確保できることとなる。従っ
て、従来装置のように、支承ボルトの螺合状態を変化さ
せて小返りを無理に設定しなければならないというよう
なことがなく、施工工程の簡素化を図り得ると共に精度
よく小返りを確保できる利点がある。
【0053】 軌条底部の上面を押圧する内側の押圧
部と外側の押圧部とを、支承ボルトと独立して設けてい
るため、2本の支承ボルトを用いて軌条支承装置を構成
できることに加え、1本の支承ボルトを用いて軌条支承
装置を構成することもできる。その結果、大深度地下に
おける地下鉄工事にあっては、2本の支承ボルトで軌条
を支承することによって、コンクリート運搬のための大
重量の作業用車両が敷設軌道上を走行する際の走行の安
定性を確保できることになる。一方、地上や比較的浅い
地下におけるコンクリート道床軌道の敷設にあっては、
運搬車両が敷設軌道上を走行するにしても軽荷重である
ために、1本の支承ボルトを用いた軌条支承装置を採用
しても何ら問題がない。そして、このような1本の支承
ボルトを用いた装置を採用することにより、支承ボルト
を抜き取った後における穴埋め作業を軽減できると共
に、軌条支承装置の構成部材が減少するために装置の取
扱性が向上する等、施工性向上を図り得る利点がある。
【0054】 軌条底部の上面を押圧する内側の押圧
部と外側の押圧部を支承ボルトと独立して設けているた
め、軌条に軌条支承装置を固定するに際しては、重量の
ある支承ボルトを取り外して軌条支承板を軌条に固定す
ることが可能となる。従って従来の軌条支承装置におけ
るように、軌条支承板に支承ボルトが取り付いた重量物
を軌条に固定する必要がなくなり、作業の容易化、労力
の軽減が図られることとなる。
【0055】 軌条底部の上面を押圧する内側の押圧
部と外側の押圧部を、支承ボルトと独立して設けている
ため、支承ボルトによる軌条の高さ調整と、軌条と軌条
支承板との固定作業を、相互に影響し合うことなく独立
して行うことができる。従って、前記軌条支承装置にお
けるような、軌条押圧のために行う押えナットの締め付
けの際に支承ボルトが共回りして軌条の高さが変化する
等といった恐れがない。
【0056】 軌条支承板の支承面を、軌条底部の内
側部分の下面と外側部分の下面を支承するように、軌条
の長さ方向に延びる2本の線状をなす独立した支承面を
以って形成することにより、軌条底部の下面全体を面接
触状態で支承する場合に比べて軌条支承の安定性を向上
させ得る。例えば、三角形の各頂点をなす3点支持によ
り支承する場合に比べて軌条底部の下面と支承面との間
の摩擦抵抗の増大を図ることができ、従って、押圧部材
を以ってなる押圧部を押えボルトの締め付けによって押
圧状態とする場合であっても、この押えボルトの回転に
伴い軌条支承板が共回りする恐れを解消できる。それ
故、押えボルトを締め付ける際に軌条支承板を手で持っ
ていなければならないといった不都合がなく、作業能率
の向上を期し得ることとなる。
【0057】 軌条底部の上面を押圧する押圧部を前
記可動押圧部として構成する場合、両可動押圧部間に配
置される支承ボルトが取り外され、且つこの可動押圧部
を押圧させる押えボルトが緩められた状態で、前記可動
押圧部を前記押えボルトの軸線回りに回動可能に構成し
たときは、該押えボルトが緩んだ状態で可動押圧部を適
宜回動操作することにより、該可動押圧部が邪魔になら
ない状態で軌条支承板を軌条に当てがうことができる。
その後、該可動押圧部を、それが軌条底部の上面を押圧
する姿勢に回動操作することにより、押えボルトの締め
付け操作によって、軌条底部を直ちに押圧状態となし得
る利点がある。
【0058】 短枕木を用いる場合で、且つ左右の軌
条間の間隔をゲージタイを用いて所要に固定する場合、
軌条支承板の外側に位置する支承ボルトだけで軌条支承
を行なうときは、例えば図9に基づいて説明したよう
に、このゲージタイの連結のためにも内側のネジ孔7を
利用することができる。
【0059】そしてこの連結を、水平面内における相互
の回動が不可能となるような、例えば図14〜15に示
す係合状態での連結とすることにより、該ゲージタイに
より、左右の軌条間の間隔を、所要のものに確実に固定
できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】軌条支承装置をその使用状態で説明する斜視図
である。
【図2】その分解斜視図である。
【図3】その使用状態を説明する平面図である。
【図4】軌きょうを示す断面図である。
【図5】軌条支承装置を軌条に固定する工程を説明する
正面図である。
【図6】支承ボルトが取り外され且つ押圧部材が取り付
いた軌条支承板を、軌条に当てがった状態を示す平面図
である。
【図7】軌条支承装置によって軌条を支承した状態を説
明する正面図である。
【図8】支承ボルトを引き抜いて形成された穴を説明す
る断面図である。
【図9】一本の支承ボルトを用いた軌条支承装置の使用
状態を説明する正面図である。
【図10】軌条支承装置の他の態様をその使用状態で説
明する斜視図である。
【図11】軌条支承装置のその他の態様を説明する平面
図である。
【図12】軌条支承装置のその他の態様を説明する平面
図である。
【図13】短枕木を用いた軌きょうにおける軌条間の間
隔をゲージタイで固定した状態を示す平面図である。
【図14】その部分拡大図である。
【図15】軌条支承板相互を連結具を介してゲージタイ
で連結する構造を説明する分解斜視図である。
【図16】従来の軌条支承装置を説明する正面図であ
る。
【図17】その部分斜視図である。
【符号の説明】
1 軌条支承装置 2 軌条 3 軌条底部 5 支承面 6 軌条支承板 7 ネジ孔 9 支承ボルト 10 軌条底部の上面 11 内側の押圧部 12 外側の押圧部 16 雄ネジ部 17 テーパ軸 26 押圧部材 33 押えボルト 34 道床 36 軌きょう 39 道床コンクリート 42 ゲージタイ 43 連結具

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンクリート道床軌道の敷設に際して軌
    条を支承するために用いられる軌条支承装置であって、
    軌条底部を支承でき且つ軌条の小返りに合わせて傾斜す
    る支承面を具えた軌条支承板を有し、該軌条支承板の、
    支承軌条の内外両側位置に設けた、上下方向に延びるネ
    ジ孔に、上側部分が雄ネジ部とされ且つ下側部分が下方
    に向かって次第に細くなるテーパ軸状に形成された支承
    ボルトの前記雄ネジ部を螺合させ、該支承ボルトの螺合
    状態を変化させることによって軌条支承板の高さを調節
    可能としてなり、 又前記軌条支承板の上面側には、前記軌条を前記軌条支
    承板に固定するために、前記軌条底部の上面の内側部分
    及び外側部分を押圧する内側の押圧部と外側の押圧部
    を、前記支承ボルトと独立して設け、該内外の押圧部に
    よる押圧解除によって、軌条支承板と軌条とを分離可能
    としたことを特徴とする軌条支承装置。
  2. 【請求項2】 前記内側の押圧部及び外側の押圧部の何
    れか一方は、軌条支承板と一体に形成された固定押圧部
    であり、該固定押圧部と軌条支承板との間に形成された
    間隙に、軌条底部の縁部分を挿入可能としてなり、 又前記他方の押圧部は、前記支承ボルトの両側に設けた
    可動押圧部として形成されており、該可動押圧部は、取
    り外し可能な押えボルトの締め付けによって軌条底部の
    上面を押圧するように構成されていることを特徴とする
    請求項1記載の軌条支承装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の軌条支承装置において、
    押えボルトが緩められた状態で、前記可動押圧部が、前
    記押えボルトの軸線回りに回動可能となされており、該
    可動押圧部は、両可動押圧部間に配置される支承ボルト
    が取り外された状態において、支承面が支承する軌条に
    当たらない回動状態をとり得るようにしたことを特徴と
    する軌条支承装置。
  4. 【請求項4】 前記軌条底部を支承する前記支承面は、
    該軌条底部の内側部分の下面と外側部分の下面を夫々支
    承するように、軌条の長さ方向に延びる2本の線状をな
    す独立した面を以って形成されていることを特徴とする
    請求項1、2又は3記載の軌条支承装置。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の軌条支
    承装置を用いるコンクリート道床軌道の敷設工法であっ
    て、所要間隔を隔てて平行する左右の軌条の夫々を、そ
    の軌条底部を軌条支承板の支承面で支承させると共に、
    押圧部の押圧により軌条底部を軌条支承板に固定させ、
    該軌条支承板の外側に位置するネジ孔にのみ支承ボルト
    を螺合せしめ、又、該支承ボルトの螺合状態を変化させ
    ることによって軌条の高さを所要に設定すると共に、左
    右対向する両軌条支承板の前記内側のネジ孔に螺合状態
    にある左右対向状態の連結具にゲージタイの両端部分を
    連結させ、これにより左右の軌条間の間隔を所要に固定
    することを特徴とするコンクリート道床軌道の敷設工
    法。
  6. 【請求項6】 前記連結具とゲージタイとの連結は、水
    平面内における相互の回動が不可能となるような係合状
    態での連結としたことを特徴とする請求項5記載のコン
    クリート道床軌道の敷設工法。
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