JPH10276755A - 清酒の製造方法 - Google Patents

清酒の製造方法

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JPH10276755A
JPH10276755A JP10836797A JP10836797A JPH10276755A JP H10276755 A JPH10276755 A JP H10276755A JP 10836797 A JP10836797 A JP 10836797A JP 10836797 A JP10836797 A JP 10836797A JP H10276755 A JPH10276755 A JP H10276755A
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sake
rice
saccharified
alcohol
saccharified product
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JP10836797A
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Takashi Samuta
隆 佐無田
Isao Aramaki
功 荒巻
Katsumi Hashizume
克己 橋爪
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 蒸米、麹(清酒用酵素剤)、並びに、汲
水歩合60%以下(好適には50%以下)に相当し総米
重量の3%以上(好適には5%以上)のアルコールを含
有する清酒(アルコール水溶液)を原料とし、これらを
混合して糖化を行い、液状〜半固体状の糖化物を得、こ
の糖化物を用いて酒母及び/又は醪を製造する。 【効果】 この糖化物を用いることにより、淡白な味か
ら濃醇な味までの幅広い酒質の清酒を製造することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、蒸米を原料とする
糖化物、それを使用する清酒の製造方法に関するもので
あり、この糖化物を使用することにより、淡白な味から
濃醇な味までの幅広い酒質の清酒を効率的に工業生産す
ることができる。
【0002】
【従来の技術】清酒醸造用の醪は、通常、蒸米、麹及び
水が同時に仕込まれ、蒸米の溶解、糖化、酵母の増殖及
びアルコール発酵が同時に進行する。これは並行複発酵
と呼ばれる優れた方法であるが、醪中において蒸米の溶
解、糖化、酵母の増殖及びアルコール発酵が別個に制御
できないこと、清酒の醪は汲水歩合が120ないし14
0%程度の仕込みであるが、仕込初期において醪の流動
性が低く温度の制御ができないこと等の問題点がある。
【0003】これに対して、ビールやウイスキーは、糖
化液を製造した後発酵を行ういわゆる単発酵により製造
されている。清酒醸造においても単発酵が検討されてき
たが、糖化液を醪に添加したとき、醪のグルコース濃度
が高い場合は酵母の増殖及びアルコール発酵が阻害され
ること、糖化液が雑菌に汚染されやすいこと、糖化液の
製造が煩雑であること等の問題点がある。濃糖による影
響を避けるため、汲水歩合約260ないし430%程度
で米を糖化し発酵を行う清酒の製造法が検討された(醸
造協会誌、81(6) p.402−408(198
6))が、このような高い汲水歩合では普通酒のような
濃醇な清酒を製造することはできない。
【0004】一方、清酒醸造においては、通常の総米に
対する汲水歩合である120ないし140%よりも濃厚
な仕込みは酒母において行われているだけである。生も
と系酒母の汲水歩合は、103%前後であって清酒製造
においては最も濃厚な仕込み方法であるが、汲水が少な
いため蒸米を溶解させるのが困難であり、櫂ですりつぶ
す(生もと)、仕込容器の底にたまった液を汲み出して
蒸米に振りかける(汲掛)、湯をつめた容器を使って部
分的に加温する(暖気操作)等の特殊な方法が採られ
る。現在、清酒製造において米の糖化液を使用する場合
は、糖化操作及び糖化液のグルコース濃度を勘案して汲
水歩合は150ないし200%程度とするのが普通であ
り、雑菌による汚染を避けるため製造後直ちに使用され
ている。
【0005】最近、汲水歩合120ないし125%と
し、α−アミラーゼによる粉砕した白米の液化液を掛米
として清酒製造に使用する方法(特公平2−3819
5)や汲水歩合170%程度で白米を蒸煮した後液化酵
素で液化した液を用いて発酵させる方法(醸造協会誌、
88(10) 756−762(1993))等液化酵
素を用いて米を液化して清酒を製造する方法が開発され
た。これらの方法は、最初に液化のみを行い麹で糖化さ
せながら発酵を行うこと、麹以外に多量の液化酵素を使
う必要があること、液化液製造時の汲水歩合は通常の清
酒醸造法または糖化液製造法の範疇内であること、液化
液は雑菌に汚染されやすいこと等から、本発明とは全く
別の技術である。
【0006】なお、清酒醪の留仕込において汲水の一部
に清酒を使用し留仕込直後の醪中のアルコール濃度を9
%程度として濃醇な清酒を製造する方法(醸造協会誌、
71(6) 469−475(1976))があるが、
本法と比較すると、清酒の添加時期、アルコール濃度及
び使用目的(本法の清酒使用目的は雑菌汚染防止であ
る)等の点で異なり、本発明とは全く別の技術である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、このような
技術の現状に鑑み、清酒を単に効率的に製造するのでは
なく、各種目的とする清酒を自由に且つ効率的に工業生
産するシステムを新規に開発する目的でなされたもので
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記に設
定した新規な技術課題を解決するために検討した結果、
発想を転換して、化学合成法における中間体に着目し、
蒸米、麹、少量の清酒(アルコール水溶液)を混合して
糖化を行い、液状〜半固体状の糖化物を得た。
【0009】そしてこの糖化物を常法にしたがって処理
したところ、すぐれた酒母、醪が効率的に製造できると
いう有用新知見が得られ、しかも糖化物の組成を変化さ
せることによりそれに応じて各種の酒質の清酒が自由に
製造できるという有用新知見も更に得られ、この糖化物
が清酒製造用のすぐれた原料(中間体的原料)となるこ
とを確認し、更に研究の結果、本発明を完成するに至っ
た。
【0010】本発明においては、基本的には、蒸米、麹
(清酒用酵素剤)を原料とし、汲水歩合を低くして(6
0%以下、好ましくは50%以下)糖化を行い、液状〜
半固体状の糖化物を得、このようにして得られた糖化物
を用いて清酒を製造するものであり、雑菌による汚染を
特に防止したい場合には、糖化工程を、アルコールの存
在下、乳酸の存在下、及び/又は、嫌気条件下で実施す
るものである。とりわけ、糖化物の製造において、蒸
米、麹(清酒用酵素剤)、及び、少量の清酒(アルコー
ル水溶液)を用いて糖化処理を行う場合には、清酒(ア
ルコール水溶液)が汲水とアルコールの給源にもなり、
好適な態様のひとつとして推奨される。
【0011】このように、本発明は、糖化方法、雑菌汚
染対策、及び発酵方法の各要件にそれぞれ特徴を有する
だけでなく、これらの有機的結合にも特徴を有するもの
である。以下、本発明について具体的に詳述する。
【0012】
【発明の実施の形態】先ず、糖化方法について述べる。
本発明においては、汲水歩合が60%以下、好ましくは
50%以下と、極度に低く、したがって、仕込んで数時
間経つと、水は蒸米に吸収されて液部はほとんどなくな
るような状態となり、糖化は極めて困難である。このよ
うな状態のものを糖化するには、実施例1に示すように
すりつぶした後、麹を混和すると効果的である。
【0013】具体的には、蒸米に5ないし50%の水を
加えて混練し、餅状又はのり状となったものに麹を加え
てよく混合し、55℃程度で10ないし24時間程度保
持するか、室温(15ないし20℃程度)で6日間程度
保持すれば糖化が進行し、液状または半固体状の甘みの
強い糖化物になる。室温の場合糖化は徐々に進行し長く
おくほど糖化は進行する。55℃程度に保持すると糖化
は速く進行するが、物量が多い場合は、温度が上昇しに
くいので加温器を使って部分的に加温する必要がある。
仕込みが大量の場合には、すりつぶすのは困難なので、
実施例4に示すように、玄米または白米を蒸した後圧砕
または破砕し、麹及び少量の水と混和し糖化を進めれば
よい。なお、糖化時に55℃程度とした後冷却すれば酵
素は残存しているので、酒母または醪を仕込んだ後溶解
及び糖化はさらに進行する。仕込む時点でグルコース濃
度が15%程度以上あれば水で希釈して醪に仕込んだと
き十分流動性はあるので、蒸米は完全に糖化が終了して
いなくてもよい。
【0014】次に、雑菌汚染対策について述べる。水分
活性が62以下であれば、ほとんどの微生物が生育しな
い(食品微生物学ハンドブック、p.75、技報堂出版
(株)、1995)とされているが、仕込み直後のグル
コース濃度が低いときには雑菌に汚染される場合があ
り、例えば本発明においても、実施例1において汲水歩
合が20%以上の仕込区分において野生酵母が検出さ
れ、汲水歩合30%以上の仕込区分において酢酸エチル
様の香りが発生したが、これは好気性の産膜酵母に汚染
されたためと推察された。そこで実施例4に示すよう
に、糖化容器を密閉し、空気との接触をなるべく避ける
ため攪拌を行わなかった仕込区分は、野生酵母の増殖を
抑えることができ、細菌酸度も低かった。したがって、
嫌気的な条件で糖化を進めれば雑菌による汚染は防止で
きることが確認されたが、本法を産業的に利用するため
には、さらに安全性を高める必要性を認めた。
【0015】そのため、乳酸処理を行うこととし、例え
ば55℃程度で糖化した後に乳酸を添加する方法は有力
であるが、糖化物の粘度が高いために混和が困難であっ
たり、乳酸の使用によって醪酸度の増加がもたらされた
りする場合が生じる。
【0016】そこで、このような場合には、実施例5に
示すように、水の代わりに清酒またはアルコール水溶液
を利用し、アルコールの存在下で糖化を行うと雑菌の増
殖を防止するのに有効であることが分かった。本法にお
いて雑菌による主な汚染源は麹であるから、麹を蒸米に
混和する前に清酒またはアルコール水溶液に浸漬してお
けば酵素の抽出と殺菌が行われ有効である。糖化物中の
アルコール濃度は雑菌汚染防止の点からは濃度が高い方
が効果は高いが、多量の清酒またはアルコールの使用は
製造コストの上昇につながり、またアルコール濃度があ
まり高ければ発酵阻害ともなる。実施例5に示すように
3%程度以上のアルコール存在下で糖化を行えば糖化反
応は阻害されず、雑菌の汚染防止に効果があることが分
かった。したがって、糖化工程及び糖化物保存中の雑菌
による汚染防止策としては、グルコース濃度が高くなる
ように汲水歩合を低くすると共に、3%程度以上好適に
は5%以上のアルコール存在下で密閉して糖化を行い、
糖化終了後は密閉して保存することはきわめて効果的で
あることが分かった。
【0017】そして、発酵方法について述べる。清酒酵
母はグルコース濃度が非常に高い場合は増殖及びアルコ
ール発酵が阻害され、グルコース濃度が非常に低い場合
はアルコール生産が停滞することが知られている。本法
によって製造した糖化物を用いて酒母または醪を製造す
る場合は、発酵液中のグルコース濃度を用途に応じ5な
いし25%程度の範囲内に制御することが重要である。
【0018】酒母を製造する場合は、原料米に対し汲水
歩合130ないし150%程度となるように糖化物に水
を加え、さらに乳酸と酵母を添加し、通常の高温糖化酒
母と同様に育成すればよい。ただし、糖化物のグルコー
ス濃度が高い場合は、酒母仕込後のグルコース濃度が2
5%程度以下となるよう加水する。
【0019】醪は、目的とする清酒のタイプにより製造
方法が異なるが、いずれの場合も糖化物と水の混和物
(以後掛用糖化液という)を酒母または醪に添加した後
の醪中のグルコース濃度は20%程度以下望ましくは1
5%程度以下とすること、糖化物を醪に添加する前の醪
中のグルコース濃度は2%程度以上望ましくは5%程度
以上あることが重要である。濃醇な味の清酒を製造する
場合は、上述の範囲内で濃厚な掛用糖化液を調整し醪に
添加すればよく、また淡白な味の清酒またはアルコール
濃度の低い清酒を製造する場合は、水を多く加えた掛用
糖化液を調製して醪に添加すればよい。
【0020】醪を製造する場合は、まず初添として酒母
の重量の50ないし100%程度の掛用糖化液を酒母に
加え、所定の発酵温度に保つ。グルコース濃度があらか
じめ定めた下限値例えば5%まで低下したら、二掛とし
て更に掛用糖化液を加える。以後、予定した醪量に達す
るまで同様の操作を行う。一度に醪に添加する掛用糖化
液量は醪中の酵母密度の低下を避けるため、醪重量の1
00%程度以下とするのが望ましい。
【0021】上記したように、本発明に係る糖化物は、
蒸米及び麹(清酒用酵素剤)を原料として製造するもの
であるが、蒸米としては、モチ米、ウルチ米の精白米
(精米歩合は適宜変化させることができる)、玄米を使
用することができ、また、粒面の全部又は一部が着色し
た粒、及び赤米を包含する着色米も使用することができ
る。更に必要あれば、これらの混合物も使用可能であ
る。
【0022】本発明において、蒸米は、破砕したもの、
圧砕したもの、及び/又は、混練したものがいずれも使
用可能であり、屑米や餅状としたものも使用することが
できる。もちろん、このような処理をすることのない粒
子状の蒸米も使用することができる。
【0023】また、全粒、破砕、圧砕した生米を蒸して
得た蒸米も、同様に使用することができる。
【0024】以下、本発明を実施例に基づき更に詳細に
説明する。
【0025】
【実施例1:蒸米を餅状にする糖化物の製造】モチ米
(精米歩合90%程度)と乾燥麹(にしほまれ、精米歩
合70%、水分5.95%)を用い、麹歩合は33.3
%、汲水歩合は10ないし50%として糖化物製造試験
を行った。仕込配合は、表1のとおりであった。
【0026】
【表1】
【0027】浸漬、水切りは各2時間、蒸し時間は30
分間であった。蒸し上がったモチ米を餅つき器で餅状と
してから5等分し、50℃以下になってから、それぞれ
に前もって所定量の水を加えておいた麹を加えてよく混
合した後、それぞれを仕込容器に入れ室温(26℃)に
約18時間放置、その後15℃の恒温室に移した。1日
1回攪拌し、分析用試料を採取した。グルコース濃度が
変化しなくなった時、5℃の恒温室に移した。分析方法
はグルコースは酵素法(グルコースBテストワコー)、
ブリックスはデジタル糖度計((株)アタゴ製PR−1
00)、ボーメは振動式密度比重計(京都電子工業
(株)製、DA−300)、酸度・アミノ酸度は国税庁
所定分析法によった。
【0028】仕込んで5日目の糖化物の分析値を表2に
示した。グルコース濃度は19.1〜20.4%とな
り、汲水の少ない方がグルコース濃度は高かった。生酸
菌及び野生酵母については、細菌酸度の測定及びTTC
法による野生酵母の検出を行った。細菌酸度はいずれも
ブランク以下で生酸菌により汚染されていないと考えら
れた(表3)。TTC培地にはピンクに染色される野生
酵母が表4のように汲水歩合の高い方に多く出現した。
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】下記表5に示すように5日目の糖化物は仕
込区分A、B及びCについてわずかに酢酸エチル様の香
りが感じられた。これは産膜酵母による汚染と推察され
た。したがって、本法においては生酸菌とともに産膜酵
母に対する対策が必要と考えられた。
【0033】
【表5】
【0034】
【実施例2:モチ米を使用した糖化物による酒母の製
造】実施例1で製造したそれぞれの糖化物の14%(白
米・麹の84g相当)を取り、汲水歩合150%になる
ように水を加え、汲水の0.72%に相当する乳酸を加
えた。容量1Lのガラス製容器に糖化物、水、乳酸及び
酵母(協会7号)を加え、15℃の恒温水槽内に浸し以
後、15℃一定とした。酒母の経過例として仕込区分A
について表6に示した。小仕込みであるため成分につい
てはブリックスのみ測定した。品温は各容器共ほぼ等し
かった。使用前酒母(仕込後8日目)の分析結果を表7
に示した。使用時までにボーメが切れてしまったが成
分、香り等に異常はなかった。
【0035】
【表6】
【0036】
【表7】
【0037】
【実施例3:モチ米を使用した糖化物による醪仕込試
験】「掛用糖化液」は汲水歩合140%となるように糖
化物に水を加えて調整した。実施例2で製造した酒母2
00gを仕込容器に取り、初添として酒母と同重量の掛
用糖化液を加え、15℃に保ち、2日目以降は13℃と
した。二掛以後はグルコース濃度が5%以下になったと
き現在量の1/2量の掛用糖化液を加え、五掛まで行っ
た。図1には初添後12日目までの醪中のグルコース濃
度の測定例を仕込区分A、B及びCについて示した。ま
た、上槽後の清酒の分析値を表8に示したが、酸度とア
ミノ酸度の高い清酒となった。
【0038】
【表8】
【0039】
【実施例4:玄米による糖化物の製造】玄米(日本晴)
と乾燥麹(にしほまれ、、精米歩合70%、水分5.9
5%)を用い麹歩合は33.3%、汲水歩合は30%と
した。玄米は約18時間浸漬し、2時間水切り、50分
間蒸した後、ローラーで圧砕し、あらかじめ所定量の水
に浸漬しておいた麹と混和した。仕込後15℃一定と
し、空気との接触を抑えるため密閉したものと、毎日1
回攪拌したものについて6日後に分析した。それぞれロ
ーラーで圧砕しないものを対照とした。
【0040】仕込後6日目の糖化物を遠心分離しその上
澄液の分析結果を表9に示した。遠心分離する前は粘度
の高い半固体状であったが遠心分離により10%前後の
上澄液が得られた。玄米もローラーで圧砕すれば糖化が
進行することから、これを用いて清酒醸造が可能と推察
された。攪拌しなかったものは攪拌したものに比べ野生
酵母の検出数が少なく、密閉した効果が認められた。
【0041】
【表9】
【0042】
【実施例5:ウルチ米を使用した糖化物製造におけるア
ルコールの影響】日本晴(精米歩合70%)と乾燥麹
(にしほまれ、、精米歩合70%、水分5.95%)を
用い麹歩合は23%、総米に対し0ないし5%(vo
l./wt.)のアルコールを含む水溶液を使用して汲
水歩合30及び50%とし、蒸米は圧砕せずに仕込み糖
化試験を行った。総米に対しアルコールを5%加えたと
き、仕込み直後のアルコール含量は約3%であった。仕
込後15℃一定とし、密閉し攪拌しないものと毎日1回
攪拌したものについて6日後に分析した。また、麹の代
わりに醪用酵素剤(コクラーゼ剣、日本資糧工業(株)
製)を総米の0.05%添加し、アルコールは総米の5
%、汲水歩合50%としたものについても同時に試験し
た。
【0043】実験結果は表10に示した。実験の範囲内
で糖化反応へのアルコールの影響は認められなかった。
6日間のグルコース生成量は表2及び表9の結果より低
かったが表10は麹歩合が23%と低いこと、混練また
は圧砕していないこと等が原因と推察された。麹の代わ
りに醪用酵素剤を使用した仕込区分は麹を使用した仕込
み区分よりグルコースの生成量が多く、この程度の汲水
歩合においても酵素剤が有効であることを確認した。酢
酸エチル様臭はアルコール添加量が少なく、かつ攪拌し
たものに発生したが、攪拌したものもアルコール添加量
が5%の仕込み区分については発生しなかった。また、
密閉したものはアルコールを添加しなかったものも酢酸
エチル様臭は発生しなかった。以上の結果から、蒸米と
麹の混合物はなるべく空気に触れないようにし、アルコ
ール3%程度以上の存在下で糖化すれば、雑菌に汚染さ
れることなく安全に糖化物を製造できることが確認され
た。
【0044】
【表10】
【0045】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
玄米または白米を用いて雑菌に汚染されることなく糖化
物を製造することができ、またこの糖化物を用いて仕込
初期から流動性の良い状態で酒母及び醪を製造すること
ができる。さらに、醪製造に当たっては糖化物の水によ
る希釈割合を変化させて醪に添加して発酵させることに
より濃醇な味から淡白な味までの清酒を製造することが
できる。
【0046】したがって、この糖化物を用意しておけ
ば、工業的大量生産に対応できることはもとより、希望
する酒質の清酒の製造にもキメ細かく対応することがで
きる。また、この糖化物の製造には、良質の酒造米のほ
か、品質の劣化した米、屑米等も使用でき、種類、形
状、品質、精白度等に応じて各種バラエティに富んだ糖
化物を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】醪中のグルコースの変化を示す。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 蒸米、並びに、麹及び/又は清酒用酵素
    剤を原料とし、アルコールの存在下、乳酸の存在下及び
    /又は嫌気条件のもとにおいて、汲水歩合60%以下好
    適には50%以下で糖化を行ってなる糖化物。
  2. 【請求項2】 蒸米、麹及び/又は清酒用酵素剤、並び
    に、汲水歩合60%以下、好適には50%以下に相当す
    るとともに総米重量の3%以上好適には5%以上のアル
    コールを含有する清酒又はアルコール水溶液、を原料と
    し、これらを混合して糖化を行ってなる糖化物。
  3. 【請求項3】 蒸米として、精白米、玄米、又は着色米
    を使用してなること、を特徴とする請求項1又は2に記
    載の糖化物。
  4. 【請求項4】 蒸米として、蒸米を破砕、圧砕及び/又
    は混練してなる蒸米を使用してなること、を特徴とする
    請求項1〜3のいずれか1項に記載の糖化物。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項に記載の糖
    化物を用いて酒母及び/又は醪を製造すること、を特徴
    とする淡白な味から濃醇な味までの幅広い酒質の清酒を
    製造する方法。
  6. 【請求項6】 請求項5の方法によって製造してなる清
    酒。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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