JPH10277747A - 被加工物の加工処理方法および加工処理装置 - Google Patents

被加工物の加工処理方法および加工処理装置

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JPH10277747A
JPH10277747A JP9089637A JP8963797A JPH10277747A JP H10277747 A JPH10277747 A JP H10277747A JP 9089637 A JP9089637 A JP 9089637A JP 8963797 A JP8963797 A JP 8963797A JP H10277747 A JPH10277747 A JP H10277747A
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workpiece
gas
plasma
plasma torch
molten metal
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JP9089637A
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Kazuo Aoyama
和夫 青山
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】溶融金属の飛散を防止して被加工物や他の構造
物の損傷や破損を防止し、溶融金属の回収を容易にした
被加工物の加工処理方法および加工処理装置である。 【解決手段】この加工処理装置は、被加工物22を酸素
以外の雰囲気ガスあるいは真空中に設置させる一方、被
加工物22に対向させてプラズマトーチ10を設ける。
プラズマトーチ10はトーチノズル13から作動ガスを
噴出させるとともにノズルキャップ18からアシストガ
スを噴出させる。作動ガスやアシストガスには酸素以外
のガス、例えばN2 ガス、ArとH2 の混合ガス、不活
性ガスが用いられる。被加工物22を雰囲気ガスあるい
は真空中で、プラズマトーチ10からの高温・高流速の
プラズマ流で被加工物22をプラズマアーク切断し、発
生した溶融金属23を流下させて被加工物22の切断裏
面側に付着させたものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高エネルギ密度の
プラズマ流あるいはレーザ光を用いて被加工物の切断等
の加工処理を行なう被加工物の加工処理方法および加工
処理装置に係り、特に、被加工物の背面側で溶融金属を
捕獲・回収させた被加工物の加工処理方法および加工処
理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】国際熱核融合実験炉(ITER)の工学
設計において、核融合炉の中心部分を構成する真空容
器、後壁、ブランケットモジュールなどの厚板構造物の
遠隔保守技術の確立が求められている。例えば、ブラン
ケットモジュール1は、図6に示すように、厚さ70mm
のSUS316Lの厚板材の支持脚2を介して後壁3に
接続されており、ブランケットモジュール1の交換時に
は、この支持脚2を切断する必要がある。符号4は冷却
マニホールドである。
【0003】また、図7に示すように、例えばブランケ
ットモジュール1などの構造物5の一部分を解体し、交
換する際には、図8に示されたプラズマトーチ6の細径
ノズル6aでアークを拘束して得られる高温・高流速の
プラズマ流(プラズマアーク7)を利用したプラズマア
ーク切断あるいは、高エネルギ密度のレーザ光を利用し
たレーザ切断が行なわれる。プラズマアーク切断やレー
ザ切断は図7に示す切断線Lに沿って切断され、交換部
位5aが取り外される。プラズマアーク切断やレーザ切
断では、高エネルギ密度のプラズマアーク7やレーザ光
により、図8に示すように、大量に発生する溶融金属8
が構造物である被加工物5の切断裏面側から飛散する。
【0004】飛散した溶融金属8により被加工物5や他
の構造物9が損傷を受けたり、破損する問題があり、ま
た、被加工物5に飛散した溶融金属8が付着して残る場
合には、被加工物5の加工面が汚れたり、被加工物5の
性能を劣化させる課題があった。
【0005】また、被加工物5の破損等を防止するため
に、被加工物5の背面に溶融金属8を捕獲・回収する溶
融金属回収構造物を設ける場合があるが、この回収構造
物は溶融金属による溶解を防止するため、被加工物5か
ら距離をおいて設けられ、回収容積も大きくせざるを得
ない。このため、スペース的制約を受ける構造物(被加
工物5)には設けられないという問題があった。
【0006】さらに、構造物である被加工物5の切断箇
所に溶融金属8が付着して残された状態では交換部位5
aの再取付の障害となり、また、被加工物5の切断箇所
に他の構造物を溶接接続させる場合には、溶接欠陥発生
の要因となるために、付着した溶融金属を機械加工等で
除去しなければならない欠点があった。
【0007】本発明は、上述した事情を考慮してなされ
たもので、溶融金属の飛散を防止して溶融金属による被
加工物や他の構造物の損傷や破損を防止し、溶融金属の
回収を容易に行なうことができる被加工物の加工処理方
法および加工処理装置を提供することを目的とする。
【0008】本発明の他の目的は、被加工物の加工処理
時の溶融金属の挙動特性を活用し、溶融金属の粘性を高
めて溶融金属の回収を容易にした被加工物の加工処理方
法および加工処理装置を提供するにある。
【0009】本発明のさらに他の目的は、溶融金属を被
加工物のスクラップ側の裏面片側に積極的に付着させ、
溶融金属の回収を容易とした被加工物の加工処理方法お
よび加工処理装置を提供するにある。
【0010】本発明の別の目的は、プラズマトーチにシ
ールドボックスを追従移動させて、シールドガスによる
シールドを局所的に行ない得るようにした被加工物の加
工処理方法および加工処理装置を提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明に係る被加工物の加工処理方法は、請求
項1に記載したように、被加工物を酸素以外の雰囲気ガ
スあるいは真空中に設置し、上記被加工物をプラズマト
ーチからのプラズマ流でプラズマアーク切断する際、プ
ラズマトーチの作動ガスおよびアシストガスに酸素以外
のガスをそれぞれ用いて前記雰囲気ガスあるいは真空中
で被加工物を切断し、被加工物の切断裏面側に溶融金属
を付着させて回収する方法である。
【0012】また、本発明に係る被加工物の加工処理方
法は、上述した課題を解決するために、請求項2に記載
したように、プラズマトーチを切断方向を含む垂直面に
対し傾斜させて設け、被加工物をプラズマトーチでプラ
ズマアーク切断する際、被加工物のスクラップ側切断裏
面に溶融金属を付着させて回収する方法であったり;ま
た、請求項3に記載したように、被加工物の切断裏面側
に薄板を設け、被加工物をプラズマトーチでプラズマア
ーク切断する際、上記薄板に溶融金属を付着させて回収
する方法である。
【0013】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る被加工物の加工処理装置は、請求項4に記載
したように、被加工物を酸素以外の雰囲気ガスあるいは
真空中に設置する一方、上記被加工物をプラズマアーク
切断するプラズマトーチを対向させて設け、上記プラズ
マトーチは、トーチノズルから噴出される作動ガスおよ
びノズルキャップから噴出されるアシストガスに酸素以
外のガスが用いられたものである。
【0014】さらに、本発明に係る被加工物の加工処理
装置は、上述した課題を解決するために、請求項5に記
載したように、被加工物はプラズマトーチと反対側に薄
板が設けられたものである。
【0015】一方、上述した課題を解決するために、本
発明に係る被加工物の加工処理方法は、請求項6に記載
したように、プラズマトーチに追従して動作する対のシ
ールドボックスを備え、上記シールドボックスを被加工
物を挟んで対向設置し、被加工物をプラズマトーチから
のプラズマ流でプラズマアーク切断する際、被加工物の
切断箇所をシールドガスで局所的に覆う一方、プラズマ
トーチの作動ガスおよびアシストガスに酸素以外のガス
を用いて切断し、被加工物の切断裏面側に溶融金属を付
着させて回収する方法である。
【0016】また、上述した課題を解決するために、本
発明に係る被加工物の加工処理装置は、請求項7に記載
したように、被加工物を挟むように対をなすシールドボ
ックスを備え、上記シールドボックスの一方はプラズマ
トーチに固着され、両シールドボックスは連結アームで
連結されて上記プラズマトーチに追従移動可能に設置さ
れ、上記シールドボックス内のシールドガスで被加工物
の切断箇所が局所的に覆われる一方、前記プラズマトー
チの作動ガスおよびアシスドカスに酸素以外のガスが用
いられたものである。
【0017】またさらに、上述した課題を解決するため
に、本発明に係る被加工物の加工処理方法は、請求項8
に記載したように、被加工物を酸素以外の雰囲気ガスあ
るいは真空中に設置し、上記加工物にレーザ装置からの
レーザ光を照射してレーザ加工する際、被加工物を前記
雰囲気ガスあるいは真空中でレーザ光による穿設あるい
は切断を行ない、レーザ光照射により発生した溶融金属
を被加工物の照射裏面側に付着させて回収する方法であ
る。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明に係る被加工物の加工処理
方法および加工処理装置の実施の形態について添付図面
を参照して説明する。
【0019】図1は、本発明に係る被加工物の加工処理
装置としてのプラズマ切断装置を示すものである。この
プラズマ切断装置はプラズマ発生装置としてのプラズマ
トーチ10を備える。プラズマトーチ10は図示しない
トーチ本体の先端側に絶縁体11を介して支持された電
極12を有し、この電極12は直流電源であるプラズマ
電源(図示せず)に接続される。
【0020】プラズマトーチ10の電極先端側にはトー
チノズル13が電極12と同心円状に配置される。この
トーチノズル13の内側に作動ガス通路14が形成され
る。作動ガス通路14には作動ガスに旋回流を与えるス
ワラ15が設置され、トーチノズル13は旋回流ノズル
として構成される。スワラ15は絶縁体11の外周側に
一体あるいは一体的に設けられ、トーチノズル13と絶
縁体11との間に支持される。
【0021】作動ガスはスワラ15により旋回流が付与
されてトーチノズル13の細径のノズル口(オリフィ
ス)から噴出されるようになっている。作動ガスには例
えばArとH2 の混合ガスが用いられる。Arに代えて
He等の不活性ガスとの混合ガスを用いてもよく、さら
に、作動ガスには酸素以外のガス、例えば不活性ガスや
2 ガスを単独で用いることもできる。混合ガスに用い
られるH2 はプラズマアーク18による切れ味を良好に
する作用を有する。
【0022】また、上記トーチノズル13の外周側に
は、筒状のノズルキャップ18が設けられ、このノズル
キャップ18の内側に二次ガスを構成するアシストガス
のガス通路19が形成される。このアシストガス通路1
9にもアシストガスに旋回流を与えるスワラ20が設け
られる。アシストガスには例えば、N2 ガスが用いられ
る。アシストガスは不活性ガスを用いてもよく、酸素以
外のガス、例えばN2 とH2 の混合ガスを用いてもよ
い。混合ガスのH2 は切断の切れ味を改善し、アシスト
する作用を有する。
【0023】プラズマトーチ10は被加工物である構造
物のワーク22に対して傾斜して設置される。プラズマ
トーチ10はワーク切断方向を含むほぼ垂直面に対して
片側に傾斜して設けられる。プラズマトーチ10はトー
チ角度(ベベル角度)をスクラップとならない被加工物
側に傾け、被加工物22をN2 ガス、あるいは不活性ガ
スの雰囲気下、または真空中に設置する。
【0024】次に、図1に示されたプラズマトーチ10
を用いて例えば70mm厚のSUS316Lの被加工物
(厚板材)22の切断処理について説明する。
【0025】この被加工物22の切断条件を[例1]に
示す。
【0026】
【外1】
【0027】被加工物(ワーク)22を[例1]のワー
ク切断条件でプラズマアーク切断すると、図2に○印で
示すように表わされ、溶融金属23はワーク切断裏面片
側に付着することが確められた。切断電流や切断速度を
変えると、図2に△印で示すように、ワーク切断裏面両
側に溶融金属23が付着され、さらに、×印で示す切断
条件では、ワーク22の切断面が良好でないことがわか
った。
【0028】すなわち、図1において、電極12にプラ
ズマ電源より電流が供給されることにより、プラズマト
ーチ10からの高温・高流速のプラズマ流により、電極
12と被加工物であるワーク22との間にアークが形成
される。その際、プラズマトーチ10はトーチノズル1
3から作動ガスが、ノズルキャップ18からアシストガ
スが拘束され、旋回されつつ噴出される。プラズマトー
チ10からのプラズマ流で形成されるプラズマアーク1
7によりワーク22の切断が開始される。プラズマアー
ク17には正極性と負極性のプラズマアークがある。
【0029】このワーク切断時に、プラズマトーチ10
をワーク22の垂直面に対し傾斜させてトーチ角度(ベ
ベル角度)を10°〜30°の範囲内に設定し、[例
1]のワーク切断条件を適用すると、作動ガス、アシス
トガスおよび雰囲気ガスにより溶融金属23の酸化が抑
えられ、溶融金属23の粘性が高められ、溶融金属23
の飛散が防止される。
【0030】また、プラズマトーチ10の傾斜により、
被加工物であるワーク(母材)22内に陽極点(あるい
は陰極点)24の発生に偏りが生じ、陽極点24は一方
の切断面側に偏る。この陽極点24の偏りと作動ガスま
たはアシストガスの旋回流の影響が加わって粘性の高い
溶融金属23の流れMFは、飛散することなく、ワーク
22のスクラップ側の切断面に沿って裏面側に流れる。
ワーク切断裏面側に流下した溶融金属23は、被加工物
であるワーク裏面のスクラップ側切断裏面に付着するの
で、溶融金属23の回収・除去が容易となる。
【0031】また、溶融金属23がワーク22の切断裏
面片側に流れて付着しても、付着した溶融金属23は酸
素の影響がなく、あるいは少ないため、粘性が高く、流
れ落ちることなくそのまま残る。すなわち、溶融金属2
3はワーク22のスクラップ側に付着し、残されたワー
ク22側に付着することがない。このため、ワーク22
は切断面の溶融金属23の除去加工が不要となる。ま
た、残されたワーク22の切断面25に他の構造材を交
換部材として溶接接続する場合には、ワーク切断面25
を開先面としてそのまま溶接することができる。
【0032】さらに、このプラズマアーク切断方法を構
造物の解体、交換に使用する場合、トーチノズル13か
らのプラズマアーク17を拘束した旋回流方向とプラズ
マトーチ10のトーチ角度を適宜選択することで、スク
ラップ側となる構造物に溶融金属23を片側付着させる
ことができ、溶融金属23の回収が容易となる。また、
溶融金属23が飛散しないために、解体部分、あるいは
交換部材以外の構造物を損傷させずに構造物(被加工
物)をプラズマアーク切断することができる。
【0033】また、25mm厚のSUS316Lの板材を
被加工物22として切断する他の例を[例2]に示す。
【0034】
【外2】
【0035】[例2]に示すワーク22の切断条件で2
5mm厚板材のワーク22をプラズマアーク切断すると、
溶融金属23は酸化が防止されて粘性が高められ、ワー
ク裏面片側(スクラップ側)に溶融金属23が付着する
ことがわかった。
【0036】25mm厚板材のワーク22の場合、[例
1]に示された70mm厚板材のワークに較べ、板厚が薄
い分だけ、切断電流を小さく、切断速度を速くできるこ
とを知見した。
【0037】図3は本発明に係るプラズマ加工処理装置
の第2実施形態を示すものである。
【0038】この実施形態に示されたプラズマ加熱処理
装置は、被加工物であるワーク22をプラズマトーチ1
0からのプラズマアーク17で切断処理するプラズマ切
断装置である。このプラズマ切断装置の基本的構成は、
図1に示されたプラズマ切断装置と異ならないので、同
一部分には、同じ符号を付して説明を省略する。
【0039】図3に示されたプラズマ切断装置は、被加
工物であるワーク22の切断裏面側に金属の薄板28を
設けたものである。プラズマトーチ10と反対側のワー
ク切断裏面側に金属の薄板28を設けることにより、ワ
ーク22のプラズマアーク切断時にプラズマトーチ10
を傾斜させて設置する必要がなく、プラズマトーチ10
はワーク22の表面に対し立設した状態でもよく、トー
チ角度の制約は受けない。
【0040】このプラズマ切断装置には、ワーク22の
プラズマアーク切断用作動ガスとしてArとH2 の混合
ガス、不活性ガスあるいはN2 ガスを用い、アシストガ
スとしてN2 ガス、ArとH2 の混合ガスあるいは不活
性ガスを用いる。そして、ワーク22周りの雰囲気ガス
をAr等の不活性ガスあるいはN2 ガスとする。
【0041】このワーク22の切断条件でプラズマ切断
装置により被加工物であるワーク22をプラズマアーク
切断すると、プラズマアーク17により溶融された溶融
金属23の酸化が抑えられ、粘性が高くなる。そして、
ワーク22をプラズマアーク切断すると、発生した溶融
金属23は漸次流下し、ワーク22の切断裏面側に設け
られた金属の薄板28に付着する。溶融金属23は薄板
28の切断面両側に図3に示すように付着する。
【0042】プラズマ切断装置によるワーク22のプラ
ズマアーク切断処理後、ワーク22から金属の薄板28
を取り外し、回収することで、溶融金属23を容易に回
収することができ、被加工物であるワーク22への溶融
金属23の付着を簡単かつ確実に防止できる。
【0043】図4は、本発明に係るプラズマ加工処理装
置の第3実施形態を示すものである。
【0044】この実施形態に示されたプラズマ加熱処理
装置は、被加工物であるワーク22の切断箇所をシール
ドボックス30で局所的に覆ってプラズマアーク切断す
るようにしたプラズマ切断装置である。このプラズマ切
断装置に使用されるプラズマトーチ10の構成は、図1
に示されるものと異ならないので、説明を省略する。
【0045】プラズマトーチ10は、被加工物であるワ
ーク22を挟んで対向するシールドボックス30を備
え、上記シールドボックス30でワーク22の切断箇所
をワーク切断表面および裏面側から局所的に覆うように
なっている。シールドボックス30の一方は、プラズマ
トーチ10に固定される一方、他方のシールドボックス
30は連結アーム31を介して一体的に連結され、両シ
ールドボックス30,30はプラズマトーチ10と一体
的に追従移動するようになっている。
【0046】このプラズマ切断装置においては、プラズ
マトーチ10に追従して移動する対のシールドボックス
30を備え、このシールドボックス30でワーク22の
切断箇所を局所的に酸素以外のシールドガスでシールド
することで、ワーク全体をシールドガスで覆う必要がな
い。シールドガスには、N2 ガス、不活性ガス、あるい
はArとH2 の混合ガスがある。シールドガスを上記シ
ールドボックス30内に吹き出させるようにしてもよ
い。また、シールドガスには、プラズマトーチ10から
噴出される作動ガスおよびアシストガスを用いることが
できる。このプラズマ切断装置ではシールドガスの節約
を図ることができる。
【0047】この場合にも、ワーク22のプラズマアー
ク切断を酸素がない、あるいは少ない状態で行なうこと
ができるので、溶融金属23の粘性が大きく、溶融金属
23が飛散するのを有効的に防止できる。したがって、
溶融金属23の飛散による他の構造物の破損や損傷を確
実に防止できる。
【0048】図5は本発明に係る被加工物の加工処理装
置の第4実施形態を示す原理図である。
【0049】この実施形態に示された被加工物の加工処
理装置は、レーザ光を用いて被加工物であるワークを切
断、あるいは穿設するレーザ加工処理装置である。
【0050】このレーザ加工処理装置はエネルギ密度が
高い加工用レーザ光を出力する図示しないレーザ装置を
備え、このレーザ装置から出力されたレーザ光をレーザ
走査光学系33の集光レンズ34で絞って被加工物であ
るワーク22上に照射し、ワーク22の切断・穿孔等の
レーザ加工を行なうようにしたものである。
【0051】レーザ加工処理装置によるワーク22のレ
ーザ加工は、酸素ガス以外の雰囲気ガスあるいは真空中
にワーク22を設置して行なわれる。ワーク22が酸素
ガス以外の雰囲気ガスあるいは真空中でレーザ加工さ
れ、ワーク22の切断や穿孔が行なわれることで、レー
ザ光照射により溶解した溶融金属23の酸化が防止さ
れ、溶融金属23の粘性を高めることができる。雰囲気
ガスにはN2 ガスあるいはArガス等の不活性ガスがあ
る。
【0052】したがって、このレーザ加工処理装置によ
るワーク22のレーザ加工では、溶融金属23の飛散を
防止でき、溶融金属23の飛散による他の構造物(図示
せず)の破損や損傷を有効的に防止できる。
【0053】このレーザ加工処理装置では、レーザ走査
光学系33によりレーザ光の走査方向の調節制御が容易
であるので、レーザ光の照射方向(入射方向)をレーザ
走査光学系33で制御し、被加工物のワーク22に対
し、適宜傾斜させて入射させることにより、溶融した溶
融金属は切断面を流下し、ワーク22の切断裏面片側に
付着させることができる。
【0054】なお、本発明の実施形態では、プラズマト
ーチからのプラズマアークでワークを切断する例を示し
たが、狭義の切断だけではなく、窓を開設したり、孔を
穿設する穴あけ加工も含まれる。
【0055】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および4
に記載の被加工物の加工処理方法および加工処理装置に
おいては、プラズマトーチを用いたプラズマアーク切断
において、作動ガスおよびアシストガスに酸素以外のガ
スを用い、酸素以外の雰囲気ガスあるいは真空中にて被
加工物をプラズマアーク切断するようにしたので、プラ
ズマアークにより発生する溶融金属の酸化が抑えられて
粘性が高くなり、被加工物の切断裏面に溶融金属を付着
させて容易に溶融金属を回収することができるととも
に、溶融金属の飛散による構造物の損傷や破損を有効的
に防止することが可能である。
【0056】また、請求項2に記載の被加工物の加工処
理方法においては、プラズマトーチを用いて、トーチ角
度を切断方向を含む垂直面内で傾けることで、作動ガス
およびアシストガスの流れと、トーチ角度の傾きによる
被加工物側の陽極点あるいは陰極点に偏りが生じ、この
偏りにより、被加工物のスクラップ側となる切断裏面片
側に溶融金属を付着させて容易に回収することができる
とともに、構造物の溶融金属による損傷や破損を有効的
に防止することが可能である。
【0057】さらに、請求項3および5に記載の被加工
物の加工処理方法および加工処理装置においては、被加
工物の切断裏面側に薄板を被加工物とは別に設け、この
薄板に溶融金属を流下させて付着させたので、溶融金属
の回収が極めて容易となる。
【0058】さらにまた、請求項6および7に記載の被
加工物の加工処理方法および加工処理装置においては、
プラズマトーチに追従移動するシールドボックスを備
え、このシールドボックスを被加工物の切断箇所を覆う
ように両側に設けることで、被加工物は切断箇所が酸素
以外のシールドガスで局所的に覆うことができ、構造物
全体をシールドガスで覆う必要がなく、シールドガスの
節約を図ることができる。
【0059】またさらに、請求項8に記載の被加工物の
加工処理方法においては、被加工物を酸素以外の雰囲気
ガスあるいは真空中に設置し、この被加工物にレーザ光
を照射して穿孔、切断等のレーザ加工を行なうことによ
り、レーザ光照射で溶融された溶融金属は、被加工物の
切断裏面側に流下させ、切断裏面側に付着させて容易に
回収をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る被加工物の加工処理装置の第1実
施形態を示す概略構成図。
【図2】図1に示された加工処理装置を用いて70mmの
SUS厚板をプラズマアーク切断した際の溶融金属の付
着状態を示す図。
【図3】本発明に係る被加工物の加工処理装置の第2実
施形態を示す概略構成図。
【図4】本発明に係る被加工物の加工処理装置の第3実
施形態を示す概略構成図。
【図5】本発明に係る被加工物の加工処理方法を実施す
るレーザ加工処理装置の第4実施形態を示す概略構成
図。
【図6】国際熱核融合実験炉におけるブランケットモジ
ュールを示す図。
【図7】ブランケットモジュール等の切断解体構造物を
例示する概略構成図。
【図8】従来の構造物のプラズマアーク切断における問
題点を示す構成図。
【符号の説明】
10 プラズマトーチ 11 絶縁体 12 電極 13 トーチノズル 14 作動ガス通路 15 スワラ 16 ノズル口(オリフィス) 17 プラズマアーク 18 ノズルキャップ 19 アシストガス通路 20 スワラ 22 ワーク(被加工物、構造物) 23 溶融金属 24 陽極点(陰極点) 25 切断面 28 薄板 30 シールドボックス 31 連結アーム 33 レーザ走査光学系 34 集光レンズ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被加工物を酸素以外の雰囲気ガスあるい
    は真空中に設置し、上記被加工物をプラズマトーチから
    のプラズマ流でプラズマアーク切断する際、プラズマト
    ーチの作動ガスおよびアシストガスに酸素以外のガスを
    それぞれ用いて前記雰囲気ガスあるいは真空中で被加工
    物を切断し、被加工物の切断裏面側に溶融金属を付着さ
    せて回収することを特徴とする被加工物の加工処理方
    法。
  2. 【請求項2】 プラズマトーチを切断方向を含む垂直面
    に対し傾斜させて設け、被加工物をプラズマトーチでプ
    ラズマアーク切断する際、被加工物のスクラップ側切断
    裏面に溶融金属を付着させて回収する請求項1記載の被
    加工物の加工処理方法。
  3. 【請求項3】 被加工物の切断裏面側に薄板を設け、被
    加工物をプラズマトーチでプラズマアーク切断する際、
    上記薄板に溶融金属を付着させて回収する請求項1記載
    の被加工物の加工処理方法。
  4. 【請求項4】 被加工物を酸素以外の雰囲気ガスあるい
    は真空中に設置する一方、上記被加工物をプラズマアー
    ク切断するプラズマトーチを対向させて設け、上記プラ
    ズマトーチは、トーチノズルから噴出される作動ガスお
    よびノズルキャップから噴出されるアシストガスに酸素
    以外のガスが用いられたことを特徴とする被加工物の加
    工処理装置。
  5. 【請求項5】 被加工物はプラズマトーチと反対側に薄
    板が設けられた請求項4記載の被加工物の加工処理装
    置。
  6. 【請求項6】 プラズマトーチに追従して動作する対の
    シールドボックスを備え、上記シールドボックスを被加
    工物を挟んで対向設置し、被加工物をプラズマトーチか
    らのプラズマ流でプラズマアーク切断する際、被加工物
    の切断箇所をシールドガスで局所的に覆う一方、プラズ
    マトーチの作動ガスおよびアシストガスに酸素以外のガ
    スを用いて切断し、被加工物の切断裏面側に溶融金属を
    付着させて回収することを特徴とする被加工物の加工処
    理方法。
  7. 【請求項7】 被加工物を挟むように対をなすシールド
    ボックスを備え、上記シールドボックスの一方はプラズ
    マトーチに固着され、両シールドボックスは連結アーム
    で連結されて上記プラズマトーチに追従移動可能に設置
    され、上記シールドボックス内のシールドガスで被加工
    物の切断箇所が局所的に覆われる一方、前記プラズマト
    ーチの作動ガスおよびアシスドカスに酸素以外のガスが
    用いられたことを特徴とする被加工物の加工処理装置。
  8. 【請求項8】 被加工物を酸素以外の雰囲気ガスあるい
    は真空中に設置し、上記加工物にレーザ装置からのレー
    ザ光を照射してレーザ加工する際、被加工物を前記雰囲
    気ガスあるいは真空中でレーザ光による穿設あるいは切
    断を行ない、レーザ光照射により発生した溶融金属を被
    加工物の照射裏面側に付着させて回収することを特徴と
    する被加工物の加工処理方法。
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