JPH10279570A - ベンズアミド誘導体及び抗潰瘍剤、抗菌剤 - Google Patents

ベンズアミド誘導体及び抗潰瘍剤、抗菌剤

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JPH10279570A
JPH10279570A JP9102632A JP10263297A JPH10279570A JP H10279570 A JPH10279570 A JP H10279570A JP 9102632 A JP9102632 A JP 9102632A JP 10263297 A JP10263297 A JP 10263297A JP H10279570 A JPH10279570 A JP H10279570A
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    • C07D295/04Heterocyclic compounds containing polymethylene-imine rings with at least five ring members, 3-azabicyclo [3.2.2] nonane, piperazine, morpholine or thiomorpholine rings, having only hydrogen atoms directly attached to the ring carbon atoms with substituted hydrocarbon radicals attached to ring nitrogen atoms
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 抗潰瘍作用及びヘリコバクター・ピロリに対
する抗菌作用を有する化合物を提供する。 【解決手段】 下記化1で示されるベンズアミド誘導体
及びその塩、抗潰瘍剤、抗菌剤。 【化1】 (化1中、R1は水素原子又は低級アルキル基であり、
2はベンジル基又はアルケニル基である。nは1〜6
の整数である。)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はベンズアミド誘導体、特
にヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用ないし抗潰
瘍作用を有するベンズアミド誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術】人間における潰瘍の発生原因としては各
種の説が考えられている。特にストレス、及びリウマチ
疾患などの治療のための非ステロイド性抗炎症剤の服用
などが潰瘍の発生に密接に関連していることが解明され
ており、これらは胃や十二指腸への過剰な酸分泌を誘発
することが大きな原因といわれている。このため、酸分
泌を抑制することで、潰瘍の発生予防及び治療を行うこ
とが重要である。
【0003】一方、胃に常在する桿菌であるヘリコバク
ター・ピロリは、これが持つ強いウレアーゼ活性により
アンモニアを発生し、潰瘍を誘発するとともに、粘液や
粘膜内にしつこく生存するために潰瘍再発の最大の要因
と考えられるようになってきた。従って、この菌を殺菌
することができれば、潰瘍の再発を防止できると考えら
れている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来より各種潰瘍治療
薬が開発されているが、ストレス性潰瘍の発生防止効果
あるいはヘリコバクター・ピロリに対する抗菌作用を持
つ薬剤は少ない。本発明は前記従来技術の課題に鑑みな
されたものであり、その目的は潰瘍の発生防止効果に優
れたベンズアミド誘導体及びそれを主成分とするヘリコ
バクター・ピロリに対する抗菌剤、抗潰瘍剤を提供する
ことにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明者らが鋭意検討を行った結果、特定のベンズア
ミド誘導体が、ヘリコバクター・ピロリに対する抗菌性
ないし酸分泌抑制を主作用機序として各種潰瘍に有効で
あることを見いだし、本発明を完成するにいたった。す
なわち、本発明にかかるベンズアミド誘導体及びその塩
は、下記一般式化2で示されることを特徴とする。
【0006】
【化2】 (化2中、R1は水素原子又は低級アルキル基であり、
2はベンジル基又はアルケニル基である。nは1〜6
の整数である。) なお、本発明において、nが3であることが好適であ
る。また、本発明において、R1が低級アルキル基であ
り、且つR2がベンジル基であることが好適であり、さ
らには、R1がイソブチル基であり、且つR2が4−フル
オロベンジル基であることが好適である。
【0007】また、本発明において、R1が水素原子で
あり、且つR2がアルケニル基であることが好適であ
り、さらには、R2がゲラニルオキシ基であることが好
適である。また、本発明にかかる抗潰瘍剤は、前記ベン
ズアミド誘導体ないしその薬理的に許容できる塩を有効
成分とすることを特徴とする。また、本発明にかかるヘ
リコバクター・ピロリに対する抗菌剤は、前記ベンズア
ミド誘導体ないしその薬理的に許容できる塩を有効成分
とすることを特徴する。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て説明する。本発明化合物において、R1に見られる低
級アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖もしくは分岐状
のアルキル基を意味し、例えばメチル、エチル、n−プ
ロピル、n−ブチル、イソプロピル、イソブチル、1−
メチルプロピル、tert−ブチル、n−ペンチル、1
−エチルプロピル、イソアミル、n−ヘキシルなどを挙
げることができるが、好ましくは分岐アルキル基であ
り、特に好ましくはイソブチル基である。
【0009】R2に見られるベンジル基とは無置換のベ
ンジル基であることも可能であるが、少なくとも一つの
置換基を有する置換ベンジル基であることが好ましい。
このような置換基の好ましい例としてはフッ素原子、塩
素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子が挙げ
られるが、特に好ましくはフッ素原子である。R2に見
られるアルケニル基とは、二重結合が1つ以上含まれる
炭素数2〜20の直鎖又は分岐状のアルケニル基を意味
する。なお、二重結合の立体配置についてはシス(ci
s)、トランス(trans)の二種が存在するが、ア
ルケニル基中のそれぞれの二重結合の立体配置はこの何
れであってもよい。このようなアルケニル基のうち、好
ましくは分岐アルケニル基であり、さらに好ましくはプ
レニル基、ゲラニル基、ネリル基、ファルネシル基が挙
げられる。これらの内、特に好ましくはゲラニル基であ
る。以下、本発明化合物の一般的な製法を説明するが、
特にこれに限定されるものではない
【0010】まず、前記化2で示される本発明化合物
(I)は、図1に示す反応式Aによって製造することが
できる。反応式Aにおいて、カルボン酸(II)とアミン(I
II) から、混合酸無水物法、酸塩化物法、DCC法、C
DI法あるいはアジド法等の公知のアミド結合形成反応
を用いることにより、本発明化合物であるベンズアミド
誘導体(I)が得られる。なお、反応式A中、R1、R2
びnは上記化2の定義のとおりである。
【0011】混合酸無水物法の場合には、活性化剤とし
て例えば、ジフェニルホスフィニッククロライド、エチ
ルクロロホルメート、イソブチルクロロホルメート、ピ
バロイルクロライド等を用いて、カルボン酸 (II) をそ
の対応する酸無水物へと変換した後、アミン(III) と反
応させる。添加剤として例えば、有機塩基であるトリエ
チルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン等が用い
られる。溶媒として例えば、ジクロロメタン、クロロホ
ルム等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トルエン、キ
シレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラン、ジオ
キサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミド、ジメチ
ルアセトアミド等のアミド類等が用いられる。反応温
度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれ
ば良いが通常、−15℃から溶媒の還流温度の範囲で行
われる。
【0012】酸塩化物法の場合には、活性化剤として例
えば、五塩化リン、三塩化リン、塩化チオニル等を用い
て、カルボン酸 (II) をその対応する酸塩化物へと変換
した後、アミン(III) と反応させる。添加剤として例え
ば、有機塩基であるトリエチルアミン、ピリジン、N−
メチルモルホリン等が用いられる。溶媒として例えば、
ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水
素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類等が用いられる。反応温度、反応時間は使用す
る原料化合物に応じて変化させれば良いが通常、0℃か
ら溶媒の還流温度の範囲で行われる。
【0013】DCC法の場合には、縮合剤として例え
ば、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1−
エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジ
イミド塩酸塩(WSCI)等が用いられる。溶媒として
例えば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化
炭化水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭
化水素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル
類、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の
アミド類等が用いられる。本反応は必要に応じて1−ヒ
ドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)やN−ヒドロ
キシスクシンイミド(HOSu)を添加して行っても良
い。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて
変化させれば良いが通常、0℃から溶媒の還流温度の範
囲で行われる。
【0014】CDI法の場合には、活性化剤として例え
ば、N,N’−カルボニルジイミダゾール等を用いてカ
ルボン酸 (II) をその対応するN−アシル誘導体へと変
換した後、アミン(III) と反応させる。添加剤として例
えば、有機塩基であるトリエチルアミン、ピリジン、N
−メチルモルホリン等が、無機塩基である水素化ナトリ
ウム、水素化カリウム等が用いられる。溶媒として例え
ば、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、
ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミ
ド類等が用いられる。反応温度、反応時間は使用する原
料化合物に応じて変化させれば良いが通常、0℃から溶
媒の還流温度の範囲で行われる。
【0015】アジド法の場合には、活性化剤として例え
ば、ジフェニルホスホリルアジド等を用いてカルボン酸
(II) をその対応するアジドへと変換した後、アミン(I
II)と反応させる。添加剤として例えば、有機塩基であ
るトリエチルアミン、ピリジン、N−メチルモルホリン
等が用いられる。溶媒として例えば、ジクロロメタン、
クロロホルム等のハロゲン化炭化水素、ベンゼン、トル
エン、キシレン等の芳香族炭化水素、テトラヒドロフラ
ン、ジオキサン等のエーテル類、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等のアミド類等が用いられ
る。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて
変化させれば良いが通常、0℃から溶媒の還流温度の範
囲で行われる。
【0016】具体的には、例えば混合酸無水物法の活性
化剤として、ジフェニルホスフィニッククロライド、ピ
バロイルクロライド等を用い、添加剤としてはトリエチ
ルアミンを用いてクロロホルムまたはジメチルホルムア
ミド等の溶媒中にて、−15℃から室温の範囲で反応を
行なうことにより目的を達する。
【0017】なお、前記反応式Aで用いる原料化合物
(II)は公知の方法により合成することができるが、R
2がアルケニル基である原料化合物(II-a)は、例えば図
2に示す反応式Bのようにして合成することができる。
反応式B中、R1及びR2は上記化2の定義のとおりであ
る。Raはカルボキシル保護基を表し、以後の反応にお
いて問題を起こさない限りメチル基、エチル基、第3ブ
チル基等の低級アルキル基、フェナシル基あるいはトリ
クロロエチル基等を用いることができる。Xはハロゲン
原子を表す。なお、特に指定のない限り、Ra、Xの定
義は以下同様である。
【0018】反応式Bにおいて、アルケニルハライド
(V)を、塩基存在下で化合物(IV)と反応させ、ついで
加水分解することによりカルボン酸(II-a)を合成する
ことができる。本反応の一段階めは塩基の存在下に行う
ことができ、ナトリウムアミド、トリエチルアミン、水
素化ナトリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、酸
化バリウム、酸化銀などが用いられる。また、触媒量の
ヨウ化カリウムを加えることもできる。溶媒としては例
えば、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアル
コール類、ベンゼン、トルエン、キシレン、ピリジンな
どの芳香族化合物、ジエチルエーテル、テトラヒドロフ
ラン、ジオキサンなどのエーテル類、ジメチルホルムア
ミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、ジメチル
スルホキシド、アセトンなどのケトン類などが使用され
る。反応温度、反応時間は使用する原料化合物に応じて
変化させれば良いが、通常0℃から溶媒の還流温度の範
囲で行われる。
【0019】具体的には例えば化合物(IV)をテトラヒ
ドロフラン、N,N'−ジメチルホルムアミド等に溶解し、
塩基として水素化ナトリウム等を加えて攪拌した後、ア
ルケニルハライド(V)を加えて室温から溶媒の還流温度
の範囲で反応を行なうことにより目的を達する。
【0020】また、2段階めの反応では、エステル化合
物(VI)を酸あるいは塩基の存在下で加水分解すること
により、カルボン酸(II-a)を合成することができる。
酸としては塩酸、硫酸、p-トルエンスルホン酸など、塩
基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、カリウ
ムt−ブトキシドなどが用いられる。溶媒としてはギ
酸、酢酸などのカルボン酸類、メタノール、エタノール
などのアルコール類、水あるいはこれらの混合溶媒など
が使用される。反応温度、反応時間は使用する原料化合
物に応じて変化させれば良いが、通常0℃から溶媒の還
流温度の範囲で行われる。
【0021】具体的には、例えばエステル化合物(VI)
をメタノール、エタノールなどのアルコール類に溶解
し、水酸化ナトリウムあるいは水酸化カリウム水溶液を
加え、室温から還流温度で反応を行うことにより目的を
達する。
【0022】なお、反応式Bで用いた原料化合物(V)
は、例えば図3に示す反応式Cのようにして合成するこ
とができる。なお、反応式C中、R2及びXは上記反応
式Bにおける定義のとおりである。本反応においてアル
コール(VII)をハロゲン化することによりアルケニルハ
ライド(V)を得ることができる。
【0023】本反応は水酸基のハロゲン化反応として一
般的な方法を用いることができる。例えば、ハロゲン化
の試薬として塩酸や臭化水素酸などの強酸、三臭化リ
ン、三塩化リン、五塩化リンなどのリン化合物、塩化チ
オニル、N-ハロゲノスクシンイミドとジメチルスルフィ
ド、トリフェニルホスフィンとハロゲン化炭化水素、塩
化メタンスルホニルとリチウムハライドなどを用いて実
施することができる。溶媒としては、例えばジクロロメ
タン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン、ピリジンなどの芳香族類、ジ
エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど
のエーテル類、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチ
ルアセトアミドなどのアミド類が用いられる。反応温
度、反応時間は使用する原料化合物に応じて変化させれ
ば良いが、通常0℃から溶媒の還流温度の範囲で行われ
る。
【0024】具体的には例えば塩化リチウムとトリエチ
ルアミンの存在下でメタンスルホニルクロリド等を用
い、アセトン等の溶媒中において0℃から室温の範囲で
反応を行うことにより目的を達する。また、原料化合物
(II)において、R1が低級アルキル基、R2がベンジル基
である原料化合物(II-b)は、例えば図4に示す反応式D
のようにして合成することができる。なお、反応式D
中、R1は前記化2の定義の通りである。R3は水素原子
又はハロゲン原子を表す。
【0025】反応式Dの第一段階において、化合物(VII
I)とベンジルハライド(IX)を塩基存在下で反応させるこ
とにより、化合物(X)が得られる。本反応における塩基
として例えば、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸化
ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基、トリエチ
ルアミン、ピリジン等の有機塩基が用いられる。具体的
には、例えば塩基として炭酸カリウムを用い、アセト
ン、N,N−ジメチルホルムアミド等の溶媒中にて、室
温から溶媒の還流温度の範囲で反応を行なうことにより
目的を達する。
【0026】反応式Dの第二段階において、化合物(X)
を加水分解することにより、カルボン酸(II-b)が得られ
る。本反応は、反応式Bの第2段階めにおける反応条件
と同様の条件下で反応を実施することができる。なお、
反応式Dの原料化合物(VIII)は商業上入手可能であるか
または公知の方法を用いて製造することができる。例え
ば、化合物(VIII-a)は図5に示す反応式Eのようにして
製造することができる。なお、反応式Eにおいて、
1、Z2、Z3、Z4、Z5は水素原子または低級アルキ
ル基を表す。
【0027】反応式Eの第一段階において、化合物(XI)
とアルケニルハライド(XII)を塩基存在下で反応させる
ことにより、化合物(XIII)が得られる。本反応おける塩
基として例えば、炭酸カリウム、水酸化カリウム、水酸
化ナトリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基、トリエ
チルアミン、ピリジンなどの有機塩基が用いられる。具
体的には、例えば塩基として炭酸カリウムを用い、アセ
トン、N,N−ジメチルホルムアミドなどの溶媒中に
て、室温から溶媒の還流温度の範囲で反応を行うことに
より目的を達する。
【0028】反応式Eの第二段階において、化合物(XII
I)をクライゼン転移反応に付すことにより、化合物(XI
V)が得られる。本反応は、高沸点溶媒中または溶媒の非
存在下、常圧または加圧下で行う。高沸点溶媒として、
例えばフェニルエーテル、N,N−ジメチルアニリンな
どが用いられる。反応温度、反応時間は使用する原料化
合物に応じて変化させれば良いが、通常100℃から2
00℃の範囲で行われる。反応式Eの第三段階におい
て、化合物(XIV)に水素添加することにより、化合物 (V
III-a)が得られる。本反応を接触還元条件下で行う場
合、触媒として例えば、パラジウム、白金、ニッケル、
ロジウム、ルテニウム等を使用することができる。具体
的には、例えばパラジウム−炭素を用い、水素ガス雰囲
気下、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン等
の溶媒中で室温から溶媒の還流温度の範囲で反応を行な
うことにより目的を達する。
【0029】一方、反応式Aで用いた原料化合物(II
I)は、例えば図6に示す反応式Fのようにして合成で
きる。なお、反応式F中、nは前記化2の定義の通りで
ある。反応式Fの第1段階において、アルデヒド(XV)と
ピペリジン(XVI)から化合物(XVII)を合成することがで
きる。具体的には、例えば、アルデヒド(XV)をエタノー
ル等の溶媒に溶解し、ピペリジン(XVI)及び水素化ホウ
素ナトリウムを加え、室温で撹拌することにより目的を
達する。反応式Fの第2段階のアルキル化反応では、通
常の方法により反応を実施することができるが、具体的
には、化合物(XVII)をトルエン等の無極性溶媒中、水酸
化ナトリウム等の塩基を加え、化合物(XVIII)を加えて
還流することにより、化合物(XIX)を合成することがで
きる。反応式Fの第3段階の脱アシル化反応では、通常
の加水分解反応にて行うことができ、アミン(III)を合
成することができる。具体的には、化合物(XIX)に硫酸
溶液を還流温度にて反応を行うことにより、目的を達す
る。なお、上記の各反応式において用いられている原料
化合物で、製造法を記述していない化合物は商業上入手
可能であるか、あるいは公知の方法を用いて容易に合成
することができる。
【0030】また、本発明のベンズアミド誘導体(I)
の酸付加塩としては、例えば塩酸、臭化水素酸、硫酸、
リン酸等の無機酸との塩、酢酸、プロピオン酸、クエン
酸、乳酸、シュウ酸、マレイン酸、フマル酸、コハク
酸、酒石酸、メタンスルホン酸等の有機酸との塩が挙げ
られる。これらの塩は通常の方法により容易に製造する
ことができる。
【0031】本発明にかかるベンズアミド誘導体は、強
力な抗ストレス性潰瘍作用や優れた胃酸分泌抑制作用を
有し、さらに潰瘍再発の原因とされるヘリコバクター・
ピロリに対する抗菌作用を有し、しかも安全性が高い。
このため、人または動物の消化性潰瘍の治療・予防剤と
して有用である。このように、胃酸分泌抑制作用及びヘ
リコバクター・ピロリに対する抗菌作用を共に有する化
合物は従来殆ど認められておらず、本発明化合物が潰瘍
の予防、治療のみならず、再発防止にも有効であること
が示される。
【0032】本発明化合物を消化性潰瘍の治療・予防剤
として投与する場合、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル
剤、シロップ剤などとして経口的に投与してもよいし、
また坐剤、注射剤、外用剤、点滴剤として非経口的に投
与してもよい。投与量は症状の程度、個人差、年齢、潰
瘍の種類などにより下記範囲外の量を投与することもあ
り得るが、勿論それぞれの特定の場合における個々の状
況に適合するように調節しなければならない。通常成人
1日あたり約0.01〜200mg/kg、好ましくは0.
05〜50mg/kg、さらに好ましくは0.1〜10mg/kg
を1日1〜数回に分けて投与する。
【0033】製剤化の際は、通常の製剤担体を用い、常
法により製造するが、必要により薬理学的、製剤学的に
許容しうる添加物を加えてもよい。すなわち、経口用固
形製剤を調製する場合には、主薬に賦形剤、さらに必要
に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤
等を加えた後、常法により錠剤、被服錠剤、顆粒剤、散
剤、カプセル剤などとする。
【0034】賦形剤としては、例えば乳糖、コーンスタ
ーチ、白糖、ブドウ糖、ソルビット、結晶セルロース、
二酸化ケイ素等が、結合剤としては、例えばポリビニル
アルコール、ポリビニルエーテル、エチルセルロース、
メチルセルロース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチ
ン、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒド
ロキシプロピルスターチ、ポリビニルピロリドン等が、
崩壊剤としては、例えば澱粉、寒天、ゼラチン末、結晶
セルロース、炭酸カルシウム、炭酸水素ナトリウム、ク
エン酸カルシウム、デキストリン、ペクチン等が、滑沢
剤としては、例えばステアリン酸マグネシウム、タル
ク、ポリエチレングリコール、シリカ、硬化植物油など
が、着色剤としては医薬品に添加することが許されてい
るものが、矯味矯臭剤としては、ココア末、ハッカ脳、
芳香酸、ハッカ油、龍脳、桂皮末などが用いられる。こ
れらの錠剤、顆粒剤には糖衣、ゼラチン衣、その他必要
により適宜コーティングすることが可能である。
【0035】注射剤を調製する場合には、必要により主
薬にpH調整剤、緩衝剤、安定化剤、可溶化剤などを添
加し、常法により皮下、筋肉内、静脈内用注射剤とす
る。以下、具体例を挙げて本発明を詳細に説明するが、
本発明はこれらに限定されるものではない。まず、各実
施例の抗潰瘍剤としての評価に用いた試験方法について
説明する。
【0036】WIS:水浸拘束ストレス潰瘍抑制試験 <意義>ストレスによる潰瘍発生の抑制度を検証する。 <方法>6〜7週齢Crj:SD系雄性ラットまたはS
lc:SD系雄性ラットを一晩絶食し(摂水は自由)、
一群あたり5〜8匹として0.3%カルボキシメチルセ
ルロースナトリウムまたは0.05%Tween80水溶液に
溶解または懸濁した被験薬物(100mg/10ml/kg)を経
口投与した。なお、対象には基剤のみを投与した。10
分後にラットをストレスケージに入れ、21℃の恒温水
槽内に剣状突起まで浸した。水浸開始より7時間後にラ
ットを水槽より引き上げ、直ちにエーテルまたは炭酸ガ
スで屠殺して胃を摘出した。5%中性ホルマリン緩衝液
10mlを胃内に注入し、そのまま1%中性ホルマリン緩
衝液中に30分以上浸して固定したのち、胃の大彎に沿
って切開し腺胃部に発生している糜爛の長さを解剖顕微
鏡下にで測定した。胃一つあたりの糜爛の長さの総和を
潰瘍係数とした。
【0037】<判定基準>被験薬物100mg/kg投与時
の効果を、潰瘍発生抑制率(%)として表した。潰瘍発
生抑制率(%)=(1-(被験薬物群の潰瘍係数/対象群の潰瘍
係数))×100
【0038】CAP:酸分泌抑制試験(in vitr
o) <意義>細胞レベルでの酸分泌抑制能を検討する。また
作用機序の検討に用いることができる。 <方法>まず遊離胃底腺膜標本を作製した。雄性日本白
色種家兎(2.5−3Kg)をネンブタールTMで麻酔死
させ、正中切開して直ちに胃を摘出し、幽門・噴門部を
切除して大彎部に沿って切開して2枚に分けた。粘膜面
に付着している胃内容物を氷冷PBS(−)で洗い流し
たのち、氷冷PBS(−)中で丁寧に洗い去った。胃壁
を粘膜面を上にしてコルク板上に広げ、滅菌ガーゼで餌
・粘液を完全に除去した。スパチラで粘膜を剥離し、氷
冷PBS(−)に集めた。PBS(−)で2回洗浄後、
はさみで2〜3mm3に細切した。さらに栄養液で2回洗
浄した。栄養液の組成は、NaCl 132.4mM,
KCl 5.4mM,Na2HPO4・12H2O 5m
M,NaH2PO4・2H2O 1mM,MgSO4 1.
2mM,CaCl2 1mM,HEPES 25mM,
glucose 2mg/ml,BSA 1mg/ml
である。コラゲナーゼ 1mg/mlを含む栄養液70
mlに細切した粘膜片を分散させ、三角フラスコに入れ
て37℃で40−60分間スターラーで激しく撹拌し
た。この間、100%O2を栄養液表面に吹き付けてお
き、またpHを適 宜測定して、低下していたら直ちに
アルカリでpH7.4に調整した。反応液に栄養液を加
えて約200mlとし、メッシュでろ過して50mlの
遠沈管に分注し、15分間静置して胃底腺を沈殿させ
た。上清をアスピレーターで除去・栄養液に分散・静
置、を繰り返して胃底腺を3回洗浄した。この時、ピペ
ッティングではなく、遠沈管2本に交互に繰り返し注ぎ
入れるかたちで分散させた。顕微鏡下で細胞数をカウン
トし、1.6×106cells/mlに調整した。
【0039】次に[14C]−アミノピリンの取り込み実
験を行なった。エッペンドルフチューブを秤量したの
ち、上述した栄養液に溶解したヒスタミン10μl(最
終濃度10-5M)、DMSOに溶解した被験薬物10μ
l(最終濃度10-5M)、栄養液で希釈した[14C]−
アミノピリン10μl(最終濃度0.05μCi/m
l)を入れ、上で調製した遊離胃底腺分散液970μl
を加え、37℃で40分間125回/分で振盪させた。
30秒間遠心し、上清200μlをミニバイアルにと
り、残りはアスピレーターで除去した。沈澱はチューブ
の蓋を開けた状態で80℃の乾燥機に一晩入れて完全に
乾固させたのち、蓋を閉めて室温に戻して秤量した。次
いで1N KOH 100μlを加え、蓋をして60℃
で1−2時間処理して溶解し、ミニバイアルに移した。
上清または沈澱の入ったミニバイアルにアトムライト4
mlを加え、液体シンチレーションカウンターで放射活
性を測定した。なお、20mM NaSCNを加えて水
素イオン濃度勾配をキャンセルさせたものを用いて沈澱
の放射活性の補正を行なったのち、沈澱に特異的にトラ
ップされたアミノピリンの集積率を算出した。なお、本
実験はduplicateで実施した。
【0040】ここで、原理について簡単に説明する。遊
離胃底腺では酸は分泌小管から腺腔にかけての空間に蓄
積する。アミノピリンは弱塩基(pKa=5.0)で中
性溶液中では非イオン型で細胞膜を自由に通過し、酸性
溶液中ではイオン化して電荷のため細胞膜を通過できな
くなることから、遊離胃底腺の閉じられた酸性空間にア
ミノピリンが蓄積する性質を利用している。アミノピリ
ンの集積率(R)は以下の式で算出される。 R=((補正した沈澱の放射活性)/(上清の放射活
性))×(200/(沈澱のmg乾燥重量)) <判定基準>最終濃度10-5Mにおける被験薬物の効果
は、酸分泌抑制率(%)で表した。 酸分泌抑制率(%)=(1−(被験薬物のR/対照群の
R))×100
【0041】AHP:ヘリコバクター・ピロリに対する
抗菌性試験 <意義>潰瘍の発生及び再燃・再発に深く関与するとい
われているヘリコバクター・ピロリ(微好気性のグラム
陰性菌;以下、HP)に対する最小発育阻止濃度(MI
C)を測定し、抗ヘリコバクター・ピロリ作用を有する
化合物を見出す。
【0042】<方法>MICは寒天希釈法にて測定し
た。すなわち、Helicobacter pylor
i NCTC11637株の凍結菌株(−80℃)を市
販の5%羊血液加トリブチケースソイ寒天培地で復元さ
せ、さらに同培地で継代し、3日間前培養した。なお、
培養条件は、37℃,5%O2・10%CO2・85%N
2で行った。
【0043】次に被験薬物の1000μg/ml溶液を
25%以下のDMSO溶液にて調製し、これを減菌清製
水で種々の濃度となるように希釈し、各濃度の溶液各々
100μlを24ウエルプレートにとり、5%馬血液加
ブルセラ寒天培地900μlを加えて混合し固化させ、
MIC測定用培地を調製した。前培養で生育したコロニ
ーは適当量とり、Mueller Hinton Br
othに、肉眼で濁りが確認できる程度まで懸濁し、約
107cfu/mlの菌懸濁原液とした。この菌懸濁原
液をMueller Hinton Brothで10
2希釈し、接種用菌液(105cfu/ml)とした。菌
の接種は、接種用菌液10μl(約103cfu/m
l)を分注器にてMIC測定用培地上に滴下して行っ
た。菌を接種したMIC測定用培地は、前培養と同条件
下で7日間培養し、培養終了後に菌の生育の無有を判定
した。
【0044】<判定基準>HPのコロニーを認めない
か、認めても数個(5個以内)の被験薬物の最小濃度を
MIC値(μg/ml)として数値で表示した。
【0045】MTT:細胞障害・保護作用試験 <意義>細胞レベルでの毒性がないことを確認する。細
胞レベルでの毒性があるものも、抗潰瘍剤としては不適
当である。また、他の細胞レベルの試験における被験薬
物の作用が毒性によるものではないことを確認すること
ができる。
【0046】<方法>雄性日本白色種家兎(2.5〜3
kg)をネンブタールTMで麻酔死させ、直ちに胃を摘出し
た。胃大彎を切開して胃内容物を除去し、粘膜表面をH
BSS(Hanks'balanced salt solution)で洗浄したの
ち、氷冷したHBSS中で実験室へ運搬した。幽門前庭
部を取り除き、胃体部粘膜をスバチラではがし、BME
(Basal Medium Eagle)中で2〜3mm3に細切した後、
ディスパーゼ280U/ml及びコラゲナーゼ30〜50U/
ml(メディウム:BME60ml)にて37℃で15分間
120〜130回/分振盪した。なお、コラゲナーゼ濃
度はロットが変わるごとに、細胞の状態を見て適宜変更
した。1mMEDTA含有EBSS(Earle's Balanced S
alt Solution)で2回洗浄した後、1mMEDTA含有M
EM(Minimum Essential Medium)で5分間37℃で振
盪した。次に、前述と同濃度のディスパーゼ・コラゲナ
ーゼで15分振盪させて上清を除去し、さらに50〜6
0分間、37℃・120〜130回/分振盪した。その
後、HBSSで2回洗浄した後、2%Ultrocer
TMを含むHam F12にて1×106Cells/mlと
し、96穴プレートに200μlづつ分注した。37℃
・5%CO2・95%airで3日間インキュベートしてコ
ンフルエントに達した状態で、MTTアッセイに用い
た。
【0047】被験薬物は10-2MとなるようにDMSO
に溶解し、最終濃度10-4Mとなるように2%Ultr
ocer GTM含有HBSSで希釈した。8well/群と
し、メディウム100μlと交換後直ちにMTT試薬1
0μlを加えた。37℃・5%CO2・95%airで4時
間インキュベート後、遠心して上清を捨て、100%エ
タノール100μlを加えてMTTホルマザンを溶解
し、マイクロプレートリーダーで吸光度(OD570−
630)を測定した。これは生細胞のミトコンドリアの
みによってMTTがMTTホルマザンに変化し、色が変
わる現象を利用した方法である。
【0048】<判定基準>最終濃度10-4Mにおける被
験薬物の細胞障害作用または細胞保護作用を細胞障害率
(%)として表した。 細胞障害率(%)=(1-(被験薬物群の吸光度/対照群の吸
光度))×100 従って、数字が小さい方が好ましい。
【0049】以上の効果試験及び安全性試験に基づき、
下記の化合物を試験した。
【0050】[実施例1]
【化3】 [実施例2]
【化4】
【0051】
【表1】 ──────────────────────────────────── 抗潰瘍試験 抗ヘリコハ゛クター試験 安全性 実施例 WIS CAP AHP MTT ──────────────────────────────────── 1 55 104.0 3.13〜12.5 -3 ──────────────────────────────────── 2 62 102.5 49 ────────────────────────────────────
【0052】上記表1より明らかなように、本発明にか
かる化合物は優れた抗潰瘍作用、酸分泌抑制作用、ヘリ
コバクター・ピコリに対する高い抗菌性を有する。ま
た、安全性も高いことが理解される。
【0053】
【実施例】以下に本発明の実施例の製造方法を示す。ま
ず、本発明の化合物を合成するために用いられた原料化
合物の合成法を参考例1〜3として示す。
【0054】参考例1 4−ゲラニルオキシ安息香酸の合成 4−ヒドロキシ安息香酸メチル 7.61g のアセトン溶液
80ml に、ゲラニルブロマイド 10.9g および炭酸カリウ
ム 13.8g を加えて、6時間加熱還流した。反応終了
後、水 150mlを加えクロロホルムで抽出した。有機層を
無水硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧濃縮した。残渣をシ
リカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エ
チル=9:1)で精製して、4−ゲラニルオキシ安息香
酸メチル 13.00gを得た。4−ゲラニルオキシ安息香酸
メチル 13.00g のメタノール溶液 50ml に、水酸化カリ
ウム 3.90g の水溶液 10ml を加えた。室温で一晩攪拌
した後、1時間加熱還流した。反応液に濃塩酸を加えて
溶液を酸性としたのち、クロロホルムで抽出した。有機
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下に溶媒を留去
した。得られた固体をヘキサン−酢酸エチルから再結晶
して標題化合物 9.77g(71%)を得た。
【0055】参考例2 4-ヒドロキシ-3-イソブチル安息香酸エチルの合成 4-ヒドロキシ-3-メタリル安息香酸エチル25.5gをエタ
ノール250mlに溶かし、10%パラジウムチャコール2.6g
を加え、水素ガス雰囲気下、室温で41時間攪拌した。
反応液を濾過後、濾液を減圧濃縮し、油状の標題化合物
25.6gを得た。
【0056】参考例3 4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-イソブチル安息香酸
の合成 4-ヒドロキシ-3-イソブチル安息香酸エチル25.6g、炭
酸カリウム31.8g、4-フルオロベンジルブロマイド26.1
gをアセトン150ml中で4時間攪拌還流した。反応液に水
を加え、酢酸エチルで抽出した。抽出液を減圧濃縮して
得られた残さに水50ml、水酸化カリウム12.9g、エタノ
ール100mlを加え、2時間攪拌還流した。反応液に水を
加え塩酸で中和した後、酢酸エチルで抽出した。抽出液
を10%塩酸及び水で洗浄、無水硫酸ナトリウムで乾燥
後、減圧濃縮した。得られた固体を再結晶(n-ヘキサン
-エタノール)することにより、標題化合物30.8gを得
た。
【0057】実施例1 4-(4-フルオロベンジルオキシ)安息香酸1.42gをクロロ
ホルム50ml、トリエチルアミン1.30mlに溶解し、氷冷下
ジフェニルフォスフィニッククロライド0.90mlを加え
た。1時間撹拌後、3-[3-(ピペリジノメチル)フェノ
キシ]プロピルアミン 1.17gを加え、室温で15時間撹
拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮
した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ク
ロロホルム:メタノール=20:1)で精製することに
より、アミド化合物2.71gを得た。本アミド化合物をジ
エチルエーテル50mlに溶解し、1N-塩化水素エーテル溶
液10mlを加えた。5分間室温で撹拌した後、析出した
結晶を濾取し、標題化合物2.62g(98%)を得た。
【0058】m.p. 73.8-75.8℃1 H-NMR (CDCl3)δ: 11.95(1H, s), 7.86-7.48(3H,
m), 7.38(2H, d, J=8.3Hz), 7.07(2H, d, J=8.3Hz), 7.
05-6.86(4H, m), 5.06(2H, s), 4.30-3.90(4H, m),3.74
-3.30(4H, m), 3.15-2.47((3H, m), 2.55(2H, d, J=6.8
Hz), 2.38-2.05(4H, m), 2.01-1.30(5H, m), 0.89(6H,
d, J=6.8Hz).
【0059】実施例2 4-ゲラニルオキシ安息香酸1.50gをクロロホルム100ml、
トリエチルアミン1.52mlに溶解し、氷冷下ジフェニルフ
ォスフィニッククロライド1.04mlを加えた。1時間撹拌
後、3-[3-(ピペリジノメチル)フェノキシ]プロピルア
ミン 1.49gを加え、室温で一晩撹拌した。反応液を飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無
水硫酸ナトリウムで乾燥、減圧濃縮した。残渣をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノ
ール=30:1)で精製した。得られた固体を再結晶
(n−ヘキサン/酢酸エチル)することにより、標題化
合物2.07gを得た。
【0060】m.p. 74.7-75.6℃1 H-NMR (CDCl3)δ: 7.73(2H, d, J=8.6Hz), 7.20(1H,
t, J=7.9Hz), 6.98-6.86(4H, m), 6.83-6.76(1H, m),
6.58(1H, m), 5.48(1H, t, J=6.4Hz), 5.14-5.05(1H,
m), 4.58(2H, d, J=6.4Hz), 4.12(2H, t, J=6.4Hz), 3.
57(2H, q, J=4.9Hz), 3.43(2H, s), 2.37(4H, m), 2.19
-2.02(6H, m), 1.74(3H, s), 1.68(3H, s),1.66-1.49(7
H, m), 1.49-1.35(2H, m).
【0061】
【発明の効果】以上説明したように本発明にかかるベン
ズアミド誘導体は、優れた抗潰瘍効果及びヘリコバクタ
ー・ピロリに対する抗菌作用と、高い安全性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかるベンズアミド誘導体の製造行程
の一例を示す説明図である。
【図2】本発明にかかるベンズアミド誘導体の原料化合
物の製造行程の一例を示す説明図である。
【図3】本発明にかかるベンズアミド誘導体の原料化合
物の製造行程の一例を示す説明図である。
【図4】本発明にかかるベンズアミド誘導体の原料化合
物の製造行程の一例を示す説明図である。
【図5】本発明にかかるベンズアミド誘導体の原料化合
物の製造行程の一例を示す説明図である。
【図6】本発明にかかるベンズアミド誘導体の原料化合
物の製造行程の一例を示す説明図である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年6月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項6
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】また、本発明において、Rが水素原子で
あり、且つRがアルケニル基であることが好適であ
り、さらには、Rゲラニル基であることが好適であ
る。また、本発明にかかる抗潰瘍剤は、前記ベンズアミ
ド誘導体ないしその薬理的に許容できる塩を有効成分と
することを特徴とする。また、本発明にかかるヘリコバ
クター・ピロリに対する抗菌剤は、前記ベンズアミド誘
導体ないしその薬理的に許容できる塩を有効成分とする
ことを特徴する。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0036
【補正方法】変更
【補正内容】
【0036】WIS:水浸拘束ストレス潰瘍抑制試験 <意義>ストレスによる潰瘍発生の抑制度を検証する。 <方法>6〜7週齢Crj:SD系雄性ラットまたはS
lc:SD系雄性ラットを一晩絶食し(摂水は自由)、
一群あたり5〜8匹として0.3%カルボキシメチルセ
ルロースナトリウムまたは0.05%Tween80水溶液に
溶解または懸濁した被験薬物(100mg/10ml/kg)を経
口投与した。なお、対象には基剤のみを投与した。10
分後にラットをストレスケージに入れ、21℃の恒温水
槽内に剣状突起まで浸した。水浸開始より7時間後にラ
ットを水槽より引き上げ、直ちにエーテルまたは炭酸ガ
スで屠殺して胃を摘出した。5%中性ホルマリン緩衝液
10mlを胃内に注入し、そのまま1%中性ホルマリン緩
衝液中に30分以上浸して固定したのち、胃の大彎に沿
って切開し腺胃部に発生している糜爛の長さを解剖顕微
鏡下測定した。胃一つあたりの糜爛の長さの総和を潰
瘍係数とした。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】次に[14C]−アミノピリンの取り込み
実験を行なった。エッペンドルフチューブを秤量したの
ち、上述した栄養液に溶解したヒスタミン10μl(最
終濃度10−5M)、DMSOに溶解した被験薬物10
μl(最終濃度10−5M)、栄養液で希釈した[14
C]−アミノピリン10μl(最終濃度0.05μCi
/ml)を入れ、上で調製した遊離胃底腺分散液970
μlを加え、37℃で40分間125回/分で振盪させ
た。30秒間遠心し、上清200μlをミニバイアルに
とり、残りはアスピレーターで除去した。沈澱はチュー
ブの蓋を開けた状態で80℃の乾燥機に一晩入れて完全
に乾固させたのち、蓋を閉めて室温に戻して秤量した。
次いで1N KOH 100μlを加え、蓋をして60
℃で1−2時間処理して溶解し、ミニバイアルに移し
た。上清または沈澱の入ったミニバイアルにアトムライ
TM 4mlを加え、液体シンチレーションカウンター
で放射活性を測定した。なお、20mM NaSCNを
加えて水素イオン濃度勾配をキャンセルさせたものを用
いて沈澱の放射活性の補正を行なったのち、沈澱に特異
的にトラップされたアミノピリンの集積率を算出した。
なお、本実験はduplicateで実施した。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0043
【補正方法】変更
【補正内容】
【0043】次に被験薬物の1000μg/ml溶液を
25%以下のDMSO溶液にて調製し、これを減菌清製
水で種々の濃度となるように希釈し、各濃度の溶液各々
100μlを24ウエルプレートにとり、5%馬血液加
ブルセラ寒天培地900μlを加えて混合し固化させ、
MIC測定用培地を調製した。前培養で生育したコロニ
ーは適当量とり、Mueller Hinton Br
othに、肉眼で濁りが確認できる程度まで懸濁し、約
10cfu/mlの菌懸濁原液とした。この菌懸濁原
液をMueller Hinton Brothで10
希釈し、接種用菌液(10cfu/ml)とした。
菌の接種は、接種用菌液10μl(約10 cfu)を
分注器にてMIC測定用培地上に滴下して行った。菌を
接種したMIC測定用培地は、前培養と同条件下で7日
間培養し、培養終了後に菌の生育の無有を判定した。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0046
【補正方法】変更
【補正内容】
【0046】<方法>雄性日本白色種家兎(2.5〜3
kg)をネンブタールTMで麻酔死させ、直ちに胃を摘出
した。胃大彎を切開して胃内容物を除去し、粘膜表面を
HBSS(Hanks'balanced salt solution)で洗浄した
のち、氷冷したHBSS中で実験室へ運搬した。幽門前
庭部を取り除き、胃体部粘膜をスパチラではがし、BM
E(Basal Medium Eagle)中で2〜3mmに細切した
後、ディスパーゼ280U/ml及びコラゲナーゼ30〜5
0U/ml(メディウム:BME60ml)にて37℃で15
分間120〜130回/分振盪した。なお、コラゲナー
ゼ濃度はロットが変わるごとに、細胞の状態を見て適宜
変更した。1mMEDTA含有EBSS(Earle's Balanc
ed Salt Solution)で2回洗浄した後、1mMEDTA含
有MEM(MinimumEssential Medium)で5分間37℃
で振盪した。次に、前述と同濃度のディスパーゼ・コラ
ゲナーゼで15分振盪させて上清を除去し、さらに50
〜60分間、37℃・120〜130回/分振盪した。
その後、HBSSで2回洗浄した後、2%Ultroc
er GTMを含むHam F12にて1×10Cell
s/mlとし、96穴プレートに200μlづつ分注した。
37℃・5%CO・95%airで3日間インキュベー
トしてコンフルエントに達した状態で、MTTアッセイ
に用いた。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0057
【補正方法】変更
【補正内容】
【0057】実施例1 4-(4-フルオロベンジルオキシ)-3-イソブチル安息香酸
1.42gをクロロホルム50ml、トリエチルアミン1.30mlに
溶解し、氷冷下ジフェニルフォスフィニッククロライド
0.90mlを加えた。1時間攪拌後、3-[3-(ピペリジノメ
チル)フェノキシ]プロピルアミン 1.17gを加え、室温
で15時間攪拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム
水溶液、飽和食塩水で洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾
燥、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(クロロホルム:メタノール=20:1)で精
製することにより、アミド化合物2.71gを得た。本アミ
ド化合物をジエチルエーテル50mlに溶解し、1N-塩化水
素エーテル溶液10mlを加えた。5分間室温で攪拌した
後、析出した結晶を濾取し、標題化合物2.62g(98%)を得
た。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記一般式化1で示されることを特徴と
    するベンズアミド誘導体及びその塩。 【化1】 (化1中、R1は水素原子又は低級アルキル基であり、
    2はベンジル基又はアルケニル基である。nは1〜6
    の整数である。)
  2. 【請求項2】 請求項1記載の化合物において、nが3
    であることを特徴とするベンズアミド誘導体及びその
    塩。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の化合物において、
    1が低級アルキル基であり、且つR2がベンジル基であ
    ることを特徴とするベンズアミド誘導体及びその塩。
  4. 【請求項4】 請求項3記載の化合物において、R1
    イソブチル基であり、且つR2が4−フルオロベンジル
    基であることを特徴とするベンズアミド誘導体及びその
    塩。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2記載の化合物において、
    1が水素原子であり、且つR2がアルケニル基であるこ
    とを特徴とするベンズアミド誘導体及びその塩。
  6. 【請求項6】 請求項5記載の化合物において、R2
    ゲラニルオキシ基であることを特徴とするベンズアミド
    誘導体及びその塩。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6何れかに記載のベンズアミ
    ド誘導体ないしその薬理的に許容できる塩を有効成分と
    する抗潰瘍剤。
  8. 【請求項8】 請求項1〜6の何れかに記載のベンズア
    ミド誘導体ないしその薬理的に許容できる塩を有効成分
    とするヘリコバクター・ピロリに対する抗菌剤。
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