JPH10284042A - アルカリ電池用セパレータ - Google Patents

アルカリ電池用セパレータ

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JPH10284042A
JPH10284042A JP9101073A JP10107397A JPH10284042A JP H10284042 A JPH10284042 A JP H10284042A JP 9101073 A JP9101073 A JP 9101073A JP 10107397 A JP10107397 A JP 10107397A JP H10284042 A JPH10284042 A JP H10284042A
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fibers
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政尚 田中
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信利 徳武
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 分割繊維を使用し、繊維ウエブを湿式法によ
り形成したものであり、安定して電池を製造できるアル
カリ電池用セパレータを提供すること。 【解決手段】 本発明のアルカリ電池用セパレータは、
物理的作用によりポリオレフィン系極細繊維を発生可能
な分割繊維、単繊維強度が5g/d以上の高強度繊維、
及び、この分割繊維構成樹脂成分及びこの高強度繊維構
成樹脂成分の融点よりも低い融点を有する樹脂成分を、
少なくとも繊維表面に有する融着繊維を含む、湿式法に
より形成した繊維ウエブを、分割繊維の分割処理、繊維
の絡合処理、及びこの融着繊維の融着処理により形成し
た不織布を、親水化処理したものであり、この不織布構
成繊維の平均繊維長が10mm以上のものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアルカリ電池用セパ
レータに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、アルカリ電池の正極と負極と
を分離して短絡を防止すると共に、電解液を保持して起
電反応を円滑に行なわせるために、正極と負極との間に
セパレータが使用されている。
【0003】近年、電子機器の小型軽量化に伴って、電
池の占めるスペースも小さくなっているにもかかわら
ず、電池には従来と同程度以上の性能が必要とされるた
め、電池の高容量化が要求されている。そのためには、
電極の活物質量を増やす必要があるため、必然的に前記
セパレータの占める体積が少なくならざるを得ない。つ
まり、セパレータの厚さを薄くする必要がある。しかし
ながら、従来のセパレータを単純に薄くしたのでは電解
液の保持性が悪くなったり、繊維のバラツキが生じやす
いため、分割して線密度60μg/m以下程度の極細繊
維を発生可能な分割繊維を使用し、湿式法により繊維ウ
エブを形成する(例えば、特開平7−29561号公報
や特開平8−138645号公報)ことにより、電解液
の保持性を向上させたり、繊維の分散性を向上させてい
た。このようなセパレータは電解液の保持性や繊維の分
散性の点においては効果があるものの、電池(極板群構
成)を製造する段階の張力によって破断したり、極板の
バリがセパレータを突き抜けて極板同士でショートする
場合があるため、歩留まりの悪いものであった。また、
これら以外にも引き裂き強度や剛軟度が低いなどの問題
があり、歩留まりのより悪いものであった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題点
を解決するためになされたものであり、本発明の目的は
分割繊維を使用し、繊維ウエブを湿式法により形成した
ものであり、安定して電池を製造できるアルカリ電池用
セパレータを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明のアルカリ電池用
セパレータ(以下、単に「セパレータ」ということがあ
る)は、物理的作用によりポリオレフィン系極細繊維を
発生可能な分割繊維、単繊維強度が5g/d以上の高強
度繊維、及び、該分割繊維構成樹脂成分及び該高強度繊
維構成樹脂成分の融点よりも低い融点を有する樹脂成分
を、少なくとも繊維表面に有する融着繊維を含む、湿式
法により形成した繊維ウエブを、分割繊維の分割処理、
繊維の絡合処理、及び該融着繊維の融着処理により形成
した不織布を、親水化処理したものであり、該不織布構
成繊維の平均繊維長が10mm以上のものである。
【0006】このように、本発明のセパレータは構成繊
維の平均繊維長が10mm以上と、従来よりも長く、分
割繊維の分割処理を効率的に行なうことができるため、
電解液の保持性に優れている。また、平均繊維長が長い
ため、絡合処理により高度に絡合でき、しかも高度に絡
合した状態で融着繊維が融着しているため、引張強さ、
引き裂き強度、及び剛軟度に優れ、安定して電池を製造
することができる。また、高強度繊維を含んでおり、こ
の高強度繊維も高度に絡合しているため、極板のバリが
セパレータを突き抜けて極板同士でショートすることも
ない。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明のセパレータを構成する不
織布は電解液の保持性に優れるように、ポリオレフィン
系極細繊維を含んでいる。このポリオレフィン系極細繊
維は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメ
チルペンテン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレ
ン−ブテン−プロピレン共重合体などの樹脂成分を1種
類以上含んでいる。これらの中でも耐アルカリ性に優れ
ているポリプロピレン極細繊維を含んでいるのが好まし
い。
【0008】なお、極細繊維の線密度は小さければ小さ
い程、電解液の保持性に優れ、しかもデンドライトの防
止性に優れているため、45μg/m以下であるのが好
ましく、ある程度の強度を有するように、1μg/m以
上であるのが好ましい。より好ましい線密度は2.5μ
g/m〜35μg/mである。
【0009】このようなポリオレフィン系極細繊維は、
物理的作用により分割可能な分割繊維を分割することに
より発生させることができる。この物理的作用として
は、例えば、水流などの流体流、ニードル、カレンダ
ー、或はフラットプレスなどがある。これらの中でも、
流体流は後述の分割繊維の分割処理と絡合処理を同時に
行なうことができるため、好適な物理的作用である。
【0010】本発明で使用することのできる分割繊維と
しては、2種類以上の樹脂成分からなり、例えば図1〜
図4に示すような、繊維断面がオレンジ状の繊維、図5
に示すような、繊維断面が多重バイメタル型の繊維を使
用できる。これらの中でも、どの方向から物理的作用を
施しても分割しやすい、繊維断面がオレンジ状の繊維を
好適に使用できる。
【0011】この分割繊維は前述のように、2種類以上
の樹脂成分からなるが、ポリオレフィン系極細繊維を発
生する必要があることから、1種類はポリオレフィン系
樹脂成分からなる。なお、本発明のセパレータはアルカ
リ電池用のものであるため、耐アルカリ性により優れる
ように、ポリオレフィン系樹脂成分のみからなる分割繊
維を使用するのが好ましい。
【0012】この分割繊維を構成する樹脂成分は、前述
のポリオレフィン系極細繊維の樹脂成分の適当な組み合
わせからなるのが好ましいが、特に、ポリエチレンとポ
リプロピレン(特に高密度ポリエチレンとポリプロピレ
ン)とを組み合わせた分割繊維は、容易に紡糸して製造
することができ、しかも物理的作用により容易に分割し
てポリエチレン極細繊維とポリプロピレン極細繊維とを
発生させることができ、これら極細繊維は同一条件下に
おける後述の親水化処理の程度が異なるため、電解液の
保持分布状態が多少異なることにより、密閉型二次電池
でガスが発生した場合であっても、速やかに他極に透過
させることができるため、内部圧が上昇して破裂する危
険がないので、好適な組み合わせである。
【0013】本発明においては、不織布構成繊維の平均
繊維長を10mm以上とすることにより、後述の分割繊
維の分割処理を効率的に行なうと共に、絡合処理による
絡合度を高くすることが可能になった。そのため、分割
繊維の繊維長が5mm以上であれば、不織布構成繊維の
平均繊維長を10mm以上とすることも可能であるが、
分割繊維から発生する極細繊維も高度に絡合するよう
に、分割繊維の繊維長は10mm以上であるのが好まし
く、12mm以上であるのがより好ましく、14mm以
上であるのが最も好ましい。なお、湿式法により均一な
繊維ウエブを形成できるように、繊維長25mm以下で
あるのが好ましく、20mm以下であるのがより好まし
い。
【0014】なお、本発明における平均繊維長とは、セ
パレータ(不織布)から無作為に選んだ100本の繊維
の繊維長の平均値をいう。また、分割繊維の線密度は、
前述のような線密度を有するポリオレフィン系極細繊維
を発生できるのであれば、特に限定するものではない。
【0015】このような分割繊維は電解液の保持性に優
れるように、35mass%以上使用するのが好まし
い。他方、後述の高強度繊維及び融着繊維の配合量との
関係から、50mass%以下であるのが好ましい。よ
り好ましい配合量は35〜45mass%である。
【0016】本発明のセパレータは電池を製造する際
に、極板のバリがセパレータを突き抜けて極板同士がシ
ョートしないように、単繊維強度が5g/d以上の高強
度繊維を含んでいる。単繊維強度が5g/d未満ではシ
ョート防止効果がないためで、より好ましくは7g/d
以上の高強度繊維を使用する。なお、この単繊維強度は
JIS L 1015(化学繊維ステープル試験法)に
よって測定した値をいう。
【0017】この高強度繊維も耐アルカリ性に優れるよ
うに、前述のポリオレフィン系極細繊維と同様のポリオ
レフィン系樹脂成分(特にポリプロピレン)を、少なく
とも繊維表面に含んでいるのが好ましい。この高強度繊
維の線密度は、電解液の保持性を低下させないように、
線密度40〜650μg/mであるのが好ましい。
【0018】この高強度繊維は繊維長が5mm以上であ
れば、不織布構成繊維の平均繊維長を10mm以上とす
ることも可能であるが、高強度繊維自体も高度に絡合す
るように、高強度繊維の繊維長は10mm以上であるの
が好ましい。なお、湿式法により均一な繊維ウエブを形
成できるように、繊維長25mm以下であるのが好まし
く、20mm以下であるのがより好ましい。
【0019】この高強度繊維はショート防止性に優れる
ように、30mass%以上含んでいるのが好ましい。
他方、分割繊維及び後述の融着繊維の配合量との関係か
ら、45mass%以下であるのが好ましい。より好ま
しい配合量は30〜40mass%である。
【0020】本発明のセパレータは引張強さや剛軟度が
向上するように、融着繊維も含んでいる。この融着繊維
は分割繊維から発生する極細繊維による保液性や、高強
度繊維の強度を低下させないように、分割繊維構成樹脂
成分及び高強度繊維構成樹脂成分の融点よりも低い融点
を有する樹脂成分(以下、「低融点成分」ということが
ある)を、少なくとも繊維表面に有する融着繊維を使用
する。融着繊維を構成する低融点成分は、分割繊維構成
樹脂成分及び高強度繊維構成樹脂成分のいずれの樹脂成
分よりも、10℃以上低い、好適には15℃以上低い融
点を有するのが好ましい。
【0021】この融着繊維も耐アルカリ性に優れるよう
に、前述のポリオレフィン系極細繊維と同様の樹脂成分
1種類以上からなるのが好ましい。なお、分割繊維を構
成する樹脂成分として、ポリエチレンとポリプロピレン
とを含むのが好ましいため、この分割繊維を構成するポ
リエチレンとして高密度ポリエチレンを使用し、融着繊
維の低融点成分として低密度ポリエチレンを使用するの
が好ましい。なお、融着繊維は単一成分からなっていて
も良いし、2種類以上の樹脂成分からなるものであって
も良いが、後者の方が、セパレータの引張強さをより向
上させることができるため、好適に使用できる。この2
種類以上の樹脂成分からなる場合、どのように配置して
いても良いが、例えば、芯鞘型、偏芯型、サイドバイサ
イド型のものを使用できる。
【0022】この融着繊維の繊維長が5mm以上であれ
ば、不織布構成繊維の平均繊維長を10mm以上とする
ことも可能であるが、融着繊維自体もより高度に絡合し
て融着できるように、融着繊維の繊維長は10mm以上
であるのが好ましい。なお、湿式法により均一な繊維ウ
エブを形成できるように、繊維長25mm以下であるの
が好ましく、25mm以下であるのがより好ましい。こ
の融着繊維の線密度は電解液の保持性を低下させないよ
うに、100μg/m〜450μg/mであるのが好ま
しい。
【0023】このような融着繊維は引張強さや剛軟度が
向上するように、20mass%以上含んでいるのが好
ましい。他方、分割繊維及び高強度繊維の配合量との関
係から、35mass%以下であるのが好ましい。より
好ましくは20〜30mass%である。
【0024】本発明のセパレータは、上述のようなポリ
オレフィン系極細繊維、高強度繊維、及び融着繊維、更
に場合により未分割の分割繊維を含むものであるが、必
要であれば、これら繊維以外の繊維を含んでいても良
い。この他の繊維も耐アルカリ性に優れるように、極細
繊維を構成する樹脂成分と同様のポリオレフィン系の樹
脂成分を1つ以上含む繊維であるのが好ましい。この他
の繊維も絡合性に優れるように、また湿式法により均一
な繊維ウエブを形成できるように、繊維長は10mm〜
25mmであるのが好ましく、15mm〜20mmであ
るのがより好ましい。また、他の繊維の配合量は、分割
繊維、高強度繊維、及び融着繊維の配合比率との関係か
ら、15mass%以下である。
【0025】本発明のセパレータは上述のような分割繊
維、高強度繊維、及び融着繊維を含む繊維ウエブを、繊
維が均一に分散するように、湿式法により形成する。こ
の湿式法は従来公知の方法により形成できる。
【0026】次いで、分割繊維の分割処理、繊維の絡合
処理、及び融着繊維の融着処理により不織布を形成す
る。この分割処理、絡合処理、及び融着処理はどのよう
な順序で行なっても良く、また、何度行なっても良い。
例えば、分割処理、絡合処理、融着処理の順に行なって
も良いし、融着処理、分割処理、絡合処理の順に行なっ
ても良いし、融着処理、分割処理、絡合処理、融着処理
の順に行なっても良い。本発明においては、湿式法によ
り形成した比較的繊維長の短い繊維を使用しているた
め、個々の繊維の自由度が高く、分割処理及び絡合処理
により、分割繊維の分割及び繊維の絡合が生じにくい傾
向にあるため、融着処理を行なって繊維の自由度を低く
した後に分割処理及び絡合処理を行なうのが好ましい。
なお、分割処理と絡合処理とは別々に行なっても良い
が、後述の流体流により処理する場合のように、分割処
理と絡合処理を同時に行なうのが好ましい。
【0027】本発明で適用できる分割処理としては、例
えば、水流などの流体流、ニードル、カレンダー、或は
フラットプレスなどがある。これらの中でも、流体流に
よる分割処理は分割繊維の分割処理と繊維の絡合処理を
同時に行なうことができるため、好適である。
【0028】本発明で適用できる絡合処理としては、例
えば、流体流、特に水流による処理がある。この流体流
による絡合処理は繊維ウエブ全体を均一に絡合すること
ができるため、好適である。
【0029】この好適である流体流による分割及び絡合
条件、又は絡合条件としては、例えば、ノズル径0.0
5〜0.3mm、ピッチ0.2〜3mmで一列又は二列
以上にノズルを配置したノズルプレートから、圧力1M
Pa〜29MPaの流体流を噴出すれば良い。このよう
な流体流は1回以上、繊維ウエブの片面又は両面に対し
て噴出する。なお、流体流で処理する際に、繊維ウエブ
を載置するネットや多孔板の非開孔部が太いと、得られ
る不織布も大きな孔を有するものとなり、短絡が生じや
すくなるので、非開孔部の太さが0.25mm以下の支
持体を使用するのが好ましい。
【0030】本発明における融着処理としては、無圧下
で行なっても良いし、加圧下で行なっても良いし、或は
無圧下で融着させた後に加圧しても良いが、厚さを調整
する意味で、同時又は融着後に加圧するのが好ましい。
この融着装置としては、例えば、熱カレンダー、熱風貫
通式熱処理器、シリンダ接触型熱処理器などがある。な
お、加熱温度としては、加熱と加圧を同時に行なう場合
には、融着繊維の低融点成分の軟化温度から融点までの
範囲内の温度であるのが好ましく、加熱後に加圧を行な
う場合には、融着繊維の低融点成分の軟化温度から融点
よりも20℃以上高い温度までの範囲内で行なうのが好
ましい。また、加圧条件としては、線圧力5〜30N/
cmであるのが好ましい。
【0031】このようにして形成した不織布は引張強
さ、ショート防止性、引き裂き強度、及び剛軟度の優れ
るものであるが、耐アルカリ性に優れるように、ポリオ
レフィン系の繊維を主体としているため、電解液の保持
性に優れるように、親水化処理を施して、本発明のセパ
レータを形成する。この親水化処理としては、例えば、
スルホン化処理、フッ素ガス処理、ビニルモノマーのグ
ラフト重合、界面活性剤処理、放電処理、或は親水性樹
脂付与処理などがある。
【0032】スルホン化処理としては、特に限定するも
のではないが、例えば、発煙硫酸、硫酸、三酸化イオ
ウ、クロロ硫酸、又は塩化スルフリルなどによる処理が
ある。これらの中でも、発煙硫酸によるスルホン化処理
は、反応性が高く、比較的容易にスルホン化できるた
め、好適である。
【0033】フッ素ガス処理についても、特に限定する
ものではないが、例えば、不活性ガス(例えば、窒素ガ
ス、アルゴンガスなど)で希釈したフッ素ガスと、酸素
ガス、二酸化炭素ガス、及び二酸化硫黄ガスなどの中か
ら選んだ少なくとも1種類のガスとの混合ガスによる処
理を挙げることができる。なお、不織布に二酸化硫黄ガ
スをあらかじめ付着させた後に、フッ素ガスを接触させ
る方法は、より効率的で、恒久的な親水化処理方法であ
る。
【0034】ビニルモノマーのグラフト重合としては、
ビニルモノマーとして、例えば、アクリル酸、メタクリ
ル酸、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ビ
ニルピリジン、ビニルピロリドン、或いはスチレンを使
用することができる。なお、スチレンをグラフト重合し
た場合には、電解液との親和性を付与するために、スル
ホン化するのが好ましい。これらの中でも、アクリル酸
は電解液との親和性に優れているため、好適に使用でき
る。
【0035】これらビニルモノマーの重合方法として
は、例えば、ビニルモノマーと重合開始剤を含む溶液中
に不織布を浸漬して加熱する方法、不織布にビニルモノ
マーを塗布した後に放射線を照射する方法、不織布に放
射線を照射した後にビニルモノマーと接触させる方法、
増感剤を含むビニルモノマー溶液を不織布に含浸した後
に紫外線を照射する方法などがある。なお、ビニルモノ
マー溶液と不織布とを接触させる前に、紫外線照射、コ
ロナ放電、プラズマ放電などにより、不織布表面を改質
処理すると、ビニルモノマー溶液との親和性が高いた
め、効率的にグラフト重合できる。
【0036】界面活性剤処理としては、例えば、アニオ
ン系界面活性剤(例えば、高級脂肪酸のアルカリ金属
塩、アルキルスルホン酸塩、もしくはスルホコハク酸エ
ステル塩など)、又はノニオン系界面活性剤(例えば、
ポリオキシエチレンアルキルエーテル、もしくはポリオ
キシエチレンアルキルフェノールエーテルなど)の溶液
中に不織布を浸漬したり、この溶液を不織布に塗布、散
布、又はコーティングして付着させることができる。
【0037】放電処理としては、例えば、コロナ放電処
理、プラズマ処理、グロー放電処理、沿面放電処理、又
は電子線処理などがある。
【0038】親水性樹脂付与処理としては、例えば、カ
ルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、架
橋可能なポリビニルアルコール、又はポリアクリル酸な
どの親水性樹脂を付着させることができる。これらの親
水性樹脂は適当な溶媒に溶解又は分散させた後、この溶
媒中に不織布を浸漬したり、この溶媒を不織布に塗布、
散布、又はコーティングし、乾燥して付着させることが
できる。なお、親水性樹脂の付着量は、通気性を損なわ
ないように、セパレータ全体の0.3〜1mass%で
あるのが好ましい。
【0039】この架橋可能なポリビニルアルコールとし
ては、例えば、水酸基の一部を感光性基で置換したポリ
ビニルアルコールがあり、より具体的には、感光性基と
してスチリルピリジニウム系のもの、スチリルキノリニ
ウム系のもの、スチリルベンゾチアゾリウム系のもので
置換したポリビニルアルコールがある。この架橋可能な
ポリビニルアルコールも他の親水性樹脂と同様にして不
織布に付着させた後、光照射によって架橋させることが
できる。このような水酸基の一部を感光性基で置換した
ポリビニルアルコールは、耐アルカリ性に優れ、しかも
イオンとキレート形成できる水酸基を多く含んでおり、
放電時及び/又は充電時に、極板上に樹枝状の金属が析
出する前のイオンとキレートを形成し、電極間の短絡を
生じにくいので、好適に使用できる。
【0040】このようにして得られる本発明のセパレー
タの面密度は30〜100g/m2、より好ましくは4
0〜80g/m2である。面密度が30g/m2未満であ
ると、引張強さが不足する場合があり、100g/m2
を越えると、厚さが厚くなり過ぎるためである。
【0041】本発明のセパレータのたて方向(長さ方
向)における引張強さは、電池(極板群構成)を製造す
る段階の張力によって破断しないように、80N/50
mm以上であるのが好ましく、100N/50mm以上
であるのがより好ましい。この引張強さは、幅50mm
のセパレータを引張強さ試験機(オリエンテック製、テ
ンシロンUTM−III−100)に固定し(チャック間
の距離100mm)、引張速度300mm/minで測
定した値をいう。
【0042】本発明のセパレータのたて方向における引
き裂き強度は、電池(極板群構成)を製造する際に、極
板等のエッジによりセパレータが引き裂かれるのを防ぐ
ために、10N/50mm以上であるのが好ましく、2
0N/50mm以上であるのがより好ましく、25N/
50mm以上であるのが最も好ましい。なお、この引き
裂き強度はJIS L 1096-1990(一般織物試験
方法、トラペゾイド法)により得られる値をいう。
【0043】本発明のセパレータのたて方向における剛
軟度は、電池(極板群構成)を製造する際に、セパレー
タの形状を保ち、極板とセパレータとが巻きずれを生じ
ないように、10mg以上であるのが好ましく、15m
g以上であるのがより好ましい。なお、この剛軟度はJ
IS L 1096(曲げ反発性、A法(ガーレー
法))により得られる値をいう。
【0044】このように、本発明のセパレータは電解液
の保持性に優れるのはもちろんのこと、引張強さ、ショ
ート防止性、引き裂き強度、剛軟度も優れているため、
安定して電池を製造できるものである。なお、本発明の
セパレータは、例えば、アルカリマンガン電池、水銀電
池、酸化銀電池、空気電池などの一次電池、ニッケル−
カドミウム電池、銀−亜鉛電池、銀−カドミウム電池、
ニッケル−亜鉛電池、ニッケル−水素電池などの二次電
池に使用できる。
【0045】以下に、本発明のセパレータの実施例を記
載するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。
【0046】
【実施例】 (実施例1)分割繊維として、図3に示すような、ポリ
プロピレン成分(図中記号12、円形状で、線密度2.
2μg/mのポリプロピレン極細繊維を(融点:160
℃)1本発生可能、扇状で、線密度8.9μg/mのポ
リプロピレン極細繊維(融点:160℃)を8本発生可
能)と、高密度ポリエチレン成分(図中記号11、線密
度8.9μg/mの高密度ポリエチレン極細繊維(融
点:130℃)を8本発生可能)とからなる、オレンジ
状断面を有する、線密度144μg/m、繊維長15m
mの繊維40mass%、高強度繊維として、単繊維強
度9g/d、線密度222μg/m、繊維長10mmの
ポリプロピレン繊維(融点:160℃)35mass
%、融着繊維として、芯成分がポリプロピレンからな
り、鞘成分が低密度ポリエチレン(融点:110℃)か
らなる、線密度222μg/m、繊維長10mmの芯鞘
型繊維25mass%とを混合分散させたスラリーを、
常法の湿式抄造法により繊維ウエブを形成した。
【0047】次いで、この繊維ウエブを125℃で熱処
理することにより、融着繊維の低密度ポリエチレン成分
のみを融着した。次いで、この融着した繊維ウエブを線
径0.15mmのネット上に載置し、ノズル径0.13
mm、ピッチ0.6mmのノズルプレートから圧力1
2.7MPaの水流を両面交互に2回づつ噴出して、分
割繊維の分割、及び繊維を絡合した。その後、絡合した
繊維ウエブを125℃で熱処理して、融着繊維の低密度
ポリエチレン成分のみを再度融着し、不織布を形成し
た。更に、この不織布を線圧9.8N/cmでカレンダ
ー処理した後、フッ素ガス、酸素ガス、及び二酸化硫黄
ガスの混合ガスによりフッ素ガス処理を行い、面密度5
5g/m2、厚さ0.15mmのセパレータを形成し
た。
【0048】(実施例2)分割繊維として、繊維長が1
0mmであること以外は実施例1と同じ分割繊維を40
mass%使用した。このこと以外は実施例1と全く同
様にして、繊維ウエブの形成、融着繊維の融着、水流に
よる分割繊維の分割及び絡合、融着繊維の再融着、カレ
ンダー処理、及びフッ素ガス処理を行い、面密度55g
/m2、厚さ0.15mmのセパレータを形成した。
【0049】(実施例3)実施例1と同じ分割繊維、高
強度繊維、融着繊維を、50:30:20の質量比で混
合したこと以外は、実施例1と全く同様にして、繊維ウ
エブの形成、融着繊維の融着、水流による分割繊維の分
割及び絡合、融着繊維の再融着、カレンダー処理、及び
フッ素ガス処理を行い、面密度55g/m2、厚さ0.
15mmのセパレータを形成した。
【0050】(実施例4)実施例1と全く同様にして形
成した、面密度50g/m2の不織布に、下記の配合か
らなるアクリル酸モノマー水溶液を含浸した後、脱酸素
条件下でポリプロピレン製の袋に入れて密閉し、不織布
の両面に対して、110ワットの高圧水銀灯を2個づつ
使用して、15cmの距離から1分間照射して、アクリ
ル酸をグラフト重合した。次いで、このグラフト処理し
た不織布を線圧力9.8N/cmでカレンダー処理し
て、目付55g/m2、厚さ0.15mmのセパレータ
を得た。
【0051】 記 (アクリル酸モノマー水溶液の配合、重量%) アクリル酸モノマー ・・・20.0 水 ・・・76.7 ベンゾフェノン ・・・ 0.2 ノニオン系界面活性剤 ・・・ 3.0 硫酸第1鉄 ・・・ 0.1
【0052】(比較例1)分割繊維として、繊維長が5
mmであること以外は実施例1と同じ分割繊維を40m
ass%使用した。このこと以外は実施例1と全く同様
にして、繊維ウエブの形成、融着繊維の融着、水流によ
る分割繊維の分割及び絡合、融着繊維の再融着、カレン
ダー処理、及びフッ素ガス処理を行い、面密度55g/
2、厚さ0.15mmのセパレータを形成した。
【0053】(比較例2)高強度繊維として、単繊維強
度4g/d、線密度222μg/m、繊維長10mmの
ポリプロピレン繊維(融点:160℃)を35mass
%使用したこと以外は実施例1と全く同様にして、繊維
ウエブの形成、融着繊維の融着、水流による分割繊維の
分割及び絡合、融着繊維の再融着、カレンダー処理、及
びフッ素ガス処理を行い、面密度55g/m2、厚さ
0.15mmのセパレータを形成した。
【0054】(たて方向における引張強さ)実施例1〜
4及び比較例1〜2のセパレータのたて方向における引
張強さを、引張強さ試験機(オリエンテック製、テンシ
ロンUTM−III−100)に固定し(チャック間の距
離100mm)、引張速度300mm/minで測定し
た。なお、セパレータの幅50mmにて測定した。この
結果は表1に示す通りであった。
【0055】
【表1】
【0056】(耐貫通指数)実施例1〜4及び比較例1
〜2のセパレータを各々重ねて、合計約2mmの厚さと
し、その一番上のセパレータに対して、ハンディー圧縮
試験機(カトーテック製、KES−G5)に取り付けら
れたステンレス製ジグ(厚さ:0.5mm、先端の刃先
角度:60°)を、0.01cm/sの速度で垂直に突
き刺し、一番上のセパレータを切断するのに要する力を
測定した。この時、比較例2のセパレータを切断するた
めに要する力を基準(100)とした時の、各セパレー
タを切断するために要する力の比率を、そのセパレータ
の耐貫通指数(%)とした。この結果は表1に示す通り
であった。
【0057】(たて方向における引き裂き強度)実施例
1〜4及び比較例1〜2のセパレータのたて方向におけ
る引き裂き強度を、JIS L 1096-1990(一般
織物試験方法、トラペゾイド法)により測定した。この
結果は表1に示す通りであった。
【0058】(たて方向における剛軟度)実施例1〜4
及び比較例1〜2のセパレータのたて方向における剛軟
度を、JIS L 1096(曲げ反発性、A法(ガー
レー法))により測定した。この結果は表1に示す通り
であった。
【0059】(加圧保液率)直径30mmに裁断した実
施例1〜4及び比較例1〜2のセパレータをそれぞれ、
温度20℃、相対湿度65%の状態下で、水分平衡に至
らせた後、質量(M0)を測定した。次に、セパレータ
中の空気を水酸化カリウム溶液で置換するように、比重
1.3(20℃)の水酸化カリウム溶液中に1時間浸漬
し、水酸化カリウム溶液を保持させた。次に、このセパ
レータを上下3枚づつのろ紙(直径30mm)で挟み、
加圧ポンプにより、5.7MPaの圧力を30秒間作用
させた後、セパレータの質量(M1)を測定した。そし
て、下記の式により、加圧保液率を求めた。なお、この
測定は1つのセパレータに対して4回行ない、その平均
を加圧保液率とした。この結果は表1に示す通りであっ
た。 記 加圧保液率(%)=[(M1−M0)/M0]×100
【0060】
【発明の効果】本発明のアルカリ電池用セパレータは、
物理的作用によりポリオレフィン系極細繊維を発生可能
な分割繊維、単繊維強度が5g/d以上の高強度繊維、
及び、該分割繊維構成樹脂成分及び該高強度繊維構成樹
脂成分の融点よりも低い融点を有する樹脂成分を、少な
くとも繊維表面に有する融着繊維を含む、湿式法により
形成した繊維ウエブを、分割繊維の分割処理、繊維の絡
合処理、及び該融着繊維の融着処理により形成した不織
布を、親水化処理したものであり、該不織布構成繊維の
平均繊維長が10mm以上のものである。
【0061】このように、本発明のセパレータは構成繊
維の平均繊維長が10mm以上と、従来よりも長く、分
割繊維の分割処理を効率的に行なうことができるため、
電解液の保持性に優れている。また、平均繊維長が長い
ため、絡合処理により高度に絡合でき、しかも高度に絡
合した状態で融着繊維が融着しているため、引張強さ、
引き裂き強度、及び剛軟度に優れ、安定して電池を製造
することができる。また、高強度繊維を含んでおり、こ
の高強度繊維も高度に絡合しているため、極板のバリが
セパレータを突き抜けて極板同士でショートすることも
ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の分割繊維の模式的な断面図
【図2】 本発明の他の分割繊維の模式的な断面図
【図3】 本発明の他の分割繊維の模式的な断面図
【図4】 本発明の他の分割繊維の模式的な断面図
【図5】 本発明の他の分割繊維の模式的な断面図
【符号の説明】
1 分割繊維 11 一成分 12 他成分

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物理的作用によりポリオレフィン系極細
    繊維を発生可能な分割繊維、単繊維強度が5g/d以上
    の高強度繊維、及び、該分割繊維構成樹脂成分及び該高
    強度繊維構成樹脂成分の融点よりも低い融点を有する樹
    脂成分を、少なくとも繊維表面に有する融着繊維を含
    む、湿式法により形成した繊維ウエブを、分割繊維の分
    割処理、繊維の絡合処理、及び該融着繊維の融着処理に
    より形成した不織布を、親水化処理したものであり、該
    不織布構成繊維の平均繊維長が10mm以上であること
    を特徴とする、アルカリ電池用セパレータ。
  2. 【請求項2】 不織布を構成する各繊維の繊維長が、い
    ずれも10mm以上であることを特徴とする、請求項1
    記載のアルカリ電池用セパレータ。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000353509A (ja) * 1999-04-08 2000-12-19 Japan Vilene Co Ltd アルカリ電池用セパレータ
JP2001307710A (ja) * 2000-04-18 2001-11-02 Daiwabo Co Ltd 電池用セパレータとその製造方法および電池
JP2022186109A (ja) * 2021-06-04 2022-12-15 日本バイリーン株式会社 不織布及び電気化学素子用セパレータ

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