JPH10287529A - ヒト皮膚被覆用皮膜の製法およびそれからえられた皮膜、ならびにそれに用いるヒト皮膚用エアゾール組成物 - Google Patents

ヒト皮膚被覆用皮膜の製法およびそれからえられた皮膜、ならびにそれに用いるヒト皮膚用エアゾール組成物

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JPH10287529A
JPH10287529A JP2942298A JP2942298A JPH10287529A JP H10287529 A JPH10287529 A JP H10287529A JP 2942298 A JP2942298 A JP 2942298A JP 2942298 A JP2942298 A JP 2942298A JP H10287529 A JPH10287529 A JP H10287529A
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covering
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結花 山中
Masaomi Takahashi
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性にすぐれ、良好な機械的強度を有する
とともに、ヒト皮膚との密着性にすぐれるにもかかわら
ず、同時に使用目的達成後の剥離性にもすぐれたヒト皮
膚被覆用皮膜およびその製法、ならびに該皮膜を容易に
形成しうるヒト皮膚用エアゾール組成物を提供するこ
と。 【解決手段】 アクリル樹脂、可塑剤およびアルコール
を含有した原液と、噴射剤とからなるヒト皮膚用エアゾ
ール組成物を、ヒト皮膚上に噴射して複合泡状体を形成
させ、該複合泡状体を平らな膜状物としたのち、該平ら
な膜状物を乾燥させることを特徴とするヒト皮膚被覆用
皮膜の製法、前記製法によってえられたヒト皮膚被覆用
皮膜、および前記製法に用いるヒト皮膚用エアゾール組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヒト皮膚被覆用皮
膜の製法およびそれからえられた皮膜、ならびにそれに
用いるヒト皮膚用エアゾール組成物に関する。さらに詳
しくは、柔軟性にすぐれ、良好な機械的強度を有すると
ともに、ヒト皮膚との密着性にすぐれるにもかかわら
ず、同時に剥離性にもすぐれ、たとえば顔、脚などの洗
浄、保湿などを目的としたパックなどの化粧料、皮膚疾
患用、消炎鎮痛用、鎮痒用などの外用貼布剤などの医薬
品などとして好適に使用しうるヒト皮膚被覆用皮膜およ
びその製法、ならびにそれに用いるヒト皮膚用エアゾー
ル組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、たとえば冷湿布といった外用貼布
剤などの医薬品、医薬部外品、化粧料などへの利用を目
的として、たとえばアクリル系樹脂、脂肪酸ポリアミド
系樹脂、ポリビニル系樹脂などの樹脂と有効成分とを主
成分とした樹脂組成物から皮膜を形成させることが試み
られており、該樹脂組成物から形成された皮膜は、有効
成分の作用により、その薬効面では、たとえば前記外用
貼布剤などとして有用なものである。
【0003】前記のごとく皮膜を形成しうるものとして
は、たとえばポリアミド樹脂を皮膜形成剤として含有し
た皮膚用組成物(特開昭54−140714号公報)
や、消炎鎮痛薬を含む揮発性溶剤に皮膜形成物質として
非水溶性高分子を配合した外用消炎鎮痛剤(特開昭54
−140713号公報)、脂肪族ポリアミド系樹脂およ
びマレイン酸系共重合体に、消炎鎮痛剤、多価アルコー
ルおよび低級アルコールを配合した外用消炎鎮痛剤(特
開昭60−208909号公報)などが提案されてい
る。
【0004】しかしながら、前記皮膚用組成物および外
用消炎鎮痛剤は、いずれも液状であることから、液ダレ
が起こって塗布しにくく、皮膜の形成が困難であるほ
か、乾燥性や形成された皮膜の均一性が充分でないとい
う欠点を有する。
【0005】さらに、前記のほかにも、アクリル系ポリ
マーを含有した基剤に環状シリコーンオイルを配合した
エアゾール型粘着性組成物が提案されている(特開平7
−82142号公報)。該エアゾール型粘着性組成物
は、皮膚への付着性が良好で、皮膜の形成も容易であ
り、使用性にすぐれたものである。
【0006】しかしながら、前記エアゾール型粘着性組
成物から形成される皮膜は、通常硬度が高く、皮膚の動
きに追随させることが困難であり、さらに皮膚のように
凹凸が存在する面に対する密着性が良好でないという欠
点を有する。また、該皮膜は、その硬度の高さおよび密
着性のわるさから、たとえば前記外用貼布剤などとして
用いたばあいに、その使用目的が達せられないうちに、
ひびや割れが生じたり、剥離してしまうといった欠点を
有する。
【0007】このように、従来、たとえばヒト皮膚用の
外用貼布剤などとして好適に使用しうる皮膜を形成する
組成物が提供されていないのが実情であり、したがっ
て、たとえば外用貼布剤などに好適に使用しうる皮膜お
よびその製法、ならびに該皮膜を容易に形成しうる組成
物の開発が待ち望まれている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、前記従来技
術に鑑みてなされたものであり、柔軟性にすぐれ、良好
な機械的強度を有するとともに、ヒト皮膚との密着性に
すぐれるにもかかわらず、同時に使用目的達成後の剥離
性にもすぐれたヒト皮膚被覆用皮膜およびその製法、な
らびに該皮膜を容易に形成しうるエアゾール組成物を提
供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、アクリル樹
脂、可塑剤およびアルコールを含有した原液と噴射剤と
からなるヒト皮膚用エアゾール組成物を、ヒト皮膚上に
噴射して複合泡状体を形成させ、該複合泡状体を平らな
膜状物としたのち、該平らな膜状物を乾燥させることを
特徴とするヒト皮膚被覆用皮膜の製法、前記製法によ
ってえられたヒト皮膚被覆用皮膜、および前記製法に
用いるヒト皮膚用エアゾール組成物に関する。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明のヒト皮膚被覆用皮膜の製
法は、前記したように、アクリル樹脂、可塑剤およびア
ルコールを含有した原液と噴射剤とからなるヒト皮膚用
エアゾール組成物を、ヒト皮膚上に噴射して複合泡状体
を形成させ、該複合泡状体を平らな膜状物としたのち、
該平らな膜状物を乾燥させることを特徴とするものであ
る。
【0011】本発明の製法に用いられるヒト皮膚用エア
ゾール組成物を構成するアクリル樹脂は、該ヒト皮膚用
エアゾール組成物を噴射させたときに、均一で高機械的
強度を有する皮膜を形成させる作用を有する成分であ
る。
【0012】前記アクリル樹脂としては、たとえばアク
リル系モノマー50〜100重量%、好ましくは70〜
100重量%と、該アクリル系モノマーと共重合可能な
モノマー50〜0重量%、好ましくは30〜0重量%と
を含有した重合成分を重合させてえられたポリマーなど
を用いることが望ましい。
【0013】前記アクリル系モノマーの代表例として
は、たとえばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メ
タ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブ
チル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレ
ート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メ
タ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレートなど
の炭素数1〜8のアルキル基を有する(メタ)アクリル
酸アルキルエステル;(メタ)アクリルアミド、(メ
タ)アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
アルキルエステル、(メタ)アクリル酸メトキシアルキ
ルエステルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種
以上を混合して用いることができる。
【0014】前記アクリル系モノマーと共重合可能なモ
ノマーの代表例としては、たとえば酢酸ビニル、マレイ
ン酸エステル、スチレンなどがあげられ、これらは単独
でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0015】前記アクリル樹脂の具体例としては、たと
えばポリアクリル酸ブチル、アクリル酸ブチル−メタク
リル酸共重合体、アクリル酸ブチル−ヒドロキシメタク
リル酸共重合体、アクリル酸オクチル−酢酸ビニル共重
合体、アクリル酸−スチレン共重合体、アクリル酸−メ
タクリル酸アミド共重合体などがあげられ、これらは単
独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
【0016】アクリル樹脂の数平均分子量は、ヒト皮膚
被覆用皮膜の剥離時の強度が充分であるようにするため
には、10000以上、好ましくは25000以上であ
ることが望ましく、またヒト皮膚用エアゾール組成物を
うる際に、噴射剤に容易に溶解させるためには、100
0000以下、好ましくは600000以下であること
が望ましい。
【0017】原液中のアクリル樹脂の量は、ヒト皮膚用
エアゾール組成物から均一で高機械的強度を有する皮膜
を形成させ、また皮膜が薄くなりすぎて剥離性が低下す
るおそれをなくすためには、10重量%以上、好ましく
は12重量%以上であることが望ましく、また皮膜の柔
軟性、剥離性、可撓性および透明性が保持されるように
複合泡状体を形成させるためには、90重量%以下、好
ましくは75重量%以下であることが望ましい。
【0018】本発明に用いられる可塑剤は、ヒト皮膚用
エアゾール組成物から形成される皮膜に可撓性、柔軟性
および透明性を付与するほか、皮膜とヒト皮膚との密着
性を向上させるとともに、使用目的達成後の皮膜の剥離
性を向上させる作用を有する成分である。
【0019】前記可塑剤にはとくに限定がないが、皮膜
形成時に、前記アクリル樹脂に対する均一性を確保する
という点を考慮すると、アルコール可溶性化合物である
ことが好ましい。
【0020】前記アルコール可溶性化合物の代表例とし
ては、アジピン酸、フタル酸、イソオクタン酸などのカ
ルボン酸;アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸セチ
ル、アジピン酸オレイルなどのアジピン酸エステル、フ
タル酸ジイソプロピル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
エチルヘキシルなどのフタル酸エステル、イソオクタン
酸ジイソプロピル、イソオクタン酸セチルなどのイソオ
クタン酸エステル、ミリスチン酸イソプロピルなどのミ
リスチン酸エステル、パルミチン酸イソプロピルなどの
パルミチン酸エステルなどのカルボン酸エステル;オク
タメチルテトラシロキサン、デカメチルペンタシロキサ
ンなどの環状メチルポリシロキサン;メチルフェニルポ
リシロキサン;アクリル系オリゴマー;アルキルビニル
エーテルなどがあげられ、これらは単独でまたは2種以
上を混合して用いることができる。
【0021】本発明においては、前記可塑剤としての作
用をより充分に呈するという点から、アジピン酸、アジ
ピン酸エステル、フタル酸、フタル酸エステル、イソオ
クタン酸、イソオクタン酸エステル、環状メチルポリシ
ロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アクリル系
オリゴマーおよびアルキルビニルエーテルから選ばれた
少なくとも1種のアルコール可溶性化合物を可塑剤とし
て用いることが好ましい。
【0022】なお、前記アルコール可溶性化合物のなか
でも、アクリル系オリゴマーおよびアルキルビニルエー
テルは、とくに皮膜の機械的強度および皮膜とヒト皮膚
との密着性を向上させるとともに、使用目的達成後の皮
膜の剥離性を向上させる効果がとくに大きいという点か
ら好ましい。
【0023】前記アクリル系オリゴマーとしては、たと
えばアクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル
酸ヘキシル、アクリル酸オクチルなどのアクリル酸エス
テルの重合体;アクリル酸ブチル−メタクリル酸共重合
体、アクリル酸ブチル−アクリル酸メトキシエチル共重
合体、アクリル酸ヒドロキシエチル−アクリル酸メトキ
シエチル共重合体、アクリル酸−メタクリル酸アミド共
重合体などがあげられる。
【0024】アクリル系オリゴマーの数平均分子量は、
ヒト皮膚被覆用皮膜の引張り強度を充分に確保するとい
う点から、500以上、好ましくは1000以上である
ことが望ましく、またヒト皮膚被覆用皮膜に柔軟性、可
撓性および透明性を付与するという点から、5000以
下、好ましくは3000以下であることが望ましい。
【0025】前記アルキルビニルエーテルは、臭気が少
ないという点から、アルキル基の炭素数が10以上、好
ましくは12以上であり、またヒト皮膚被覆用皮膜の柔
軟性の点から、アルキル基の炭素数が20以下、好まし
くは18以下であるものが望ましく、このようなアルキ
ルビニルエーテルとしては、たとえばラウリルビニルエ
ーテル、ミリスチルビニルエーテル、セチルビニルエー
テル、ステアリルビニルエーテル、イソステアリルビニ
ルエーテルなどがあげられる。
【0026】アルキルビニルエーテルの融点は、ヒト皮
膚被覆用皮膜の柔軟性の点から、35℃以下、好ましく
は30℃以下であることが望ましい。
【0027】原液中の可塑剤の量は、かかる可塑剤を用
いたことによる効果が充分に発現されるようにするため
には、1重量%以上、好ましくは1.5重量%以上であ
ることが望ましく、またヒト皮膚用エアゾール組成物か
ら均一で高機械的強度を有する皮膜を形成させるために
は、80重量%以下、好ましくは60重量%以下である
ことが望ましい。
【0028】本発明に用いられるアルコールは、ヒト皮
膚用エアゾール組成物をヒト皮膚上に噴射したときに、
複合泡状体の連続相を形成するものであり、噴射時にノ
ズルづまりなどが起こりにくく、形成されるヒト皮膚被
覆用皮膜が湿潤性、所望の厚さ、機械的強度などを有す
るようにするための成分である。
【0029】前記アルコールとしては、たとえばエチル
アルコール、イソプロピルアルコール、n−プロピルア
ルコール、イソブチルアルコール、n−ブチルアルコー
ル、変性エタノールなどが好ましく用いられる。
【0030】原液中のアルコールの量は、充分に複合泡
状体を形成させるためには、5重量%以上、好ましくは
10重量%以上であることが望ましく、また前記アクリ
ル樹脂および可塑剤が必要十分な量で確保されるように
するためには、85重量%以下、好ましくは80重量%
以下であることが望ましい。
【0031】本発明に用いられる原液は、アクリル樹
脂、可塑剤およびアルコールを含有したものであるが、
これらのほかにも、本発明の目的を阻害しない範囲でそ
の他の成分を含有することができる。
【0032】前記その他の成分としては、たとえば水、
有効成分などがあげられる。
【0033】本発明に用いられる水にはとくに限定がな
く、たとえば蒸留水、イオン交換水、精製水などの通常
エアゾール組成物に用いられるものがあげられる。
【0034】原液中の水の量にはとくに限定がなく、通
常原液全量が100重量%となるように、ほかの成分の
残部とすればよい。
【0035】前記有効成分としては、たとえば化粧料用
有効成分;皮膚刺激剤、消炎鎮痛剤、皮膚保護剤、殺菌
消毒剤、化膿性疾患用剤、抗真菌剤などの薬効成分など
があげられる。
【0036】前記化粧料用有効成分としては、たとえば
プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコールな
どの保湿剤;メトキシケイ皮酸誘導体、パラアミノ安息
香酸誘導体などの紫外線吸収剤;ジブチルヒドロキシト
ルエンなどの酸化防止剤;パラベン類などの防腐剤;香
料などがあげられる。
【0037】前記皮膚刺激剤としては、たとえばメント
ール、カンフル、チモール、カプサイシン、ノニル酸ワ
ニリルアミドなどの、たとえば肩こりや筋肉痛の治療薬
に通常配合されるものがあげられる。
【0038】前記消炎鎮痛剤としては、たとえばサリチ
ル酸メチル、サリチル酸グリコール、ケトプロフェン、
インドメタシン、フルルビプロフェン、フェルビナク、
シマクロフェナク、ケトコラク、ロキソプロフェン、ピ
ロキシカム、テノキシカム、スプロフェン、オウバク、
カミツレ、西洋トチノミエキスなどの非ステロイド系化
合物;アムシノニド、吉草酸プロドニゾロン、吉草酸ジ
フルコルトロン、吉草酸デキサメタゾン、吉草酸ベタメ
タゾン、酢酸デキサメサゾン、酢酸ヒドロコルチゾン、
デキサメタゾン、トリアムシノロンアセトニド、ハルシ
ノニド、ジプロピオン酸ベタメタゾン、フルオシノニ
ド、フルオシノロンアセトニド、プレドニゾロン、プロ
ピオン酸デプロドン、プロピオン酸クロベタゾール、ベ
タメタゾンなどのステロイド系化合物があげられる。
【0039】前記皮膚保護剤または殺菌消毒剤として
は、たとえばペパリン類似物質、塩化ベンザルコニウ
ム、塩化ベンゼトニウム、グルコン酸クロルヘキシジ
ン、ポビドンヨードアクリノール類などがあげられる。
【0040】前記化膿性疾患用剤としては、たとえば塩
酸テトラサイクリン、テトラサイクリン、クロラムフェ
ニコール、硫酸フラジオマイシン、硫酸ポリミキシンB
などがあげられる。
【0041】前記抗真菌剤としては、たとえばクロトリ
マゾール、塩酸クロコナゾール、硝酸イソコナゾール、
硝酸ニコナゾール、硝酸オキシコナゾール、硝酸スルコ
ナゾール、硝酸ミコナゾール、チオコナゾール、ビフォ
ナゾール、硝酸オモコナゾール、塩酸ブチナフィンなど
があげられる。
【0042】原液中の有効成分の量は、かかる有効成分
を用いたことによる効果が充分に発現されるようにする
ためには、0.001重量%以上、好ましくは0.01
重量%以上であることが望ましく、またヒト皮膚被覆用
皮膜の特性を充分に発現させるためには、30重量%以
下、好ましくは10重量%以下であることが望ましい。
【0043】本発明に用いられる原液を調製する方法に
はとくに限定がなく、たとえばそれぞれ所望量を調整し
た各成分を適宜撹拌混合すればよい。
【0044】本発明に用いられる噴射剤としては、アク
リル樹脂を可溶化せしめる作用を呈するものであればよ
く、たとえばジメチルエーテル;フロン123、フロン
134a、フロン22、フロン152a、フロン142
bなどの極性を有するフロンなどの極性を有する液化ガ
スなどが好ましく例示され、これらは単独でまたは2種
以上を混合して用いることができる。
【0045】なお、前記噴射剤としては、えられるヒト
皮膚用エアゾール組成物が充分にかつ良好な状態で噴射
されるように、該エアゾール組成物の25℃での蒸気圧
を1kg/cm2・G以上、好ましくは2kg/cm2
G以上とすることができ、またその安全性を考慮して、
該エアゾール組成物の25℃での蒸気圧を8kg/cm
2・G以下、好ましくは7kg/cm2・G以下とするこ
とができるものであることが望ましい。
【0046】本発明のヒト皮膚用エアゾール組成物にお
ける原液と噴射剤との重量比(原液/噴射剤)は、噴射
剤が原液と相溶しにくくなるのを防ぐためには、5/9
5以上、好ましくは10/90以上であることが望まし
く、また所望の噴射形態で充分かつ良好に噴射させるこ
とができるようにするためには、80/20以下、好ま
しくは75/25以下であることが望ましい。
【0047】本発明のヒト皮膚用エアゾール組成物を調
製する方法にはとくに限定がなく、たとえば前記のごと
くえられた原液を所望量でエアゾール用耐圧容器内に充
填したのち、噴射剤を所望量で充填して組成物とする方
法などを採用することができる。
【0048】本発明のエアゾール組成物は、たとえば通
常の方法で前記エアゾール用耐圧容器内に充填し、エア
ゾール用バルブおよびボタンを取付けることによってエ
アゾール製品とすることができる。
【0049】前記エアゾール用耐圧容器としては、とく
に限定がなく、通常用いられている容器を適用すること
ができ、バルブ、ボタンなどはヒト皮膚用エアゾール組
成物の用途などに応じて適宜選択することが好ましい。
【0050】なお、本発明のヒト皮膚用エアゾール組成
物の噴射形態にはとくに限定がないが、後述するヒト皮
膚被覆用皮膜の形成しやすさを考慮すると、通常泡状、
泥状などであることが好ましい。
【0051】前記ヒト皮膚用エアゾール組成物をヒト皮
膚上に噴射させることにより、本発明のヒト皮膚被覆用
皮膜が形成される。
【0052】本発明のヒト皮膚被覆用皮膜の製法によれ
ば、まず前記ヒト皮膚用エアゾール組成物をヒト皮膚上
に噴射して複合泡状体を形成させる。かかる複合泡状体
は、ヒト皮膚に素早く付着し、液ダレなどを起こすこと
がなく、付着性にすぐれているので、最終的に形成され
る皮膜の密着性がいちじるしく向上する。
【0053】つぎに、前記複合泡状体を平らな膜状物と
する。
【0054】前記複合泡状体から平らな膜状物とする際
には、定かではないが、おそらく、複合泡状体とヒト皮
膚とのあいだに、そのままの状態ではヒト皮膚との密着
性が高いが、これに反して剥離性も高い薄膜が形成さ
れ、しかも複合泡状体の外気と接する表面には、複合泡
状体中の噴射剤の蒸散による気体膜が形成されているの
で、最終的に形成される皮膜が柔軟性にすぐれ、良好な
機械的強度を有するとともに、密着性にすぐれるにもか
かわらず、通常かかる密着性とは相反する剥離性にもす
ぐれたものとなると考えられる。
【0055】なお、前記複合泡状体から平らな膜状物と
する際には、そのままの状態で適宜放置してもよく、複
合泡状体の表面を手指などで満遍なく押してもよい。
【0056】つぎに、前記膜状物を乾燥させることによ
り、本発明のヒト皮膚被覆用皮膜が形成される。
【0057】前記膜状物を乾燥させる方法にはとくに限
定がなく、放置して自然乾燥させてもよく、たとえばド
ライヤーや温風ヒーターなどで30〜50℃程度で乾燥
させてもよい。
【0058】かくしてえられる本発明のヒト皮膚被覆用
皮膜の厚さは、その機械的強度や皮膚に対する隠蔽力な
どを考慮すると、0.01mm以上、好ましくは0.0
5mm以上であることが望ましく、また該ヒト皮膚被覆
用皮膜の柔軟性、可撓性および透明性を充分に確保する
という点を考慮すると、1mm以下、好ましくは0.8
mm以下であることが望ましい。
【0059】本発明のヒト皮膚被覆用皮膜は、柔軟性に
すぐれ、良好な機械的強度を有するとともに、ヒト皮膚
との密着性にすぐれるにもかかわらず、通常は相反する
と考えられる剥離性にも同時にすぐれたものであるの
で、たとえば顔、脚などの洗浄、保湿などを目的とした
パックなどの化粧料、皮膚疾患用、消炎鎮痛用、鎮痒用
などの外用貼布剤などの医薬品などとして好適に使用す
ることができる。
【0060】
【実施例】つぎに、本発明のヒト皮膚被覆用皮膜の製法
およびそれからえられた皮膜、ならびにそれに用いるヒ
ト皮膚用エアゾール組成物を実施例に基づいてさらに詳
細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定され
るものではない。
【0061】実施例1〜16 表1〜2に示す各成分を表1〜2に示す割合で撹拌混合
して原液を調製し、この原液をアルミニウム製エアゾー
ル用耐圧容器(満注量120ml)内に充填したのち、
これに噴射剤としてジメチルエーテルを、原液とジメチ
ルエーテルとの重量比が表1〜2に示す割合になるよう
に充填し(ヒト皮膚用エアゾール組成物全量約65
g)、エアゾール用バルブおよびボタンを取付けてエア
ゾール製品をえた。
【0062】なお、表1〜2に示す略号は、以下のこと
を示す。
【0063】PBA:ポリアクリル酸ブチル(数平均分
子量160000) AO:アクリル酸ブチル−アクリル酸メトキシエチル共
重合体(アクリル系オリゴマー、数平均分子量250
0) AA:アジピン酸 OMTSi:オクタメチルテトラシロキサン LVE:ラウリルビニルエーテル(融点0℃以下) ISVE:イソステアリルビニルエーテル(融点0℃以
下) EtOH:99%変性エタノール iPA:イソプロピルアルコール PW:精製水 DME:ジメチルエーテル また、表1〜2中には、ヒト皮膚用エアゾール組成物の
蒸気圧(25℃)をあわせて示す。
【0064】
【表1】
【0065】
【表2】
【0066】つぎに、実施例1〜16でえられたエアゾ
ール製品を用い、ヒト皮膚用エアゾール組成物からヒト
皮膚被覆用皮膜を形成させた。
【0067】まず、えられたエアゾール製品からヒト皮
膚用エアゾール組成物を約2秒間ヒト皮膚上に噴射し、
直径約5cm、厚さ約1mmの複合泡状体を形成させ
た。
【0068】つぎに、この複合泡状体の表面を手指で約
3秒間満遍なく押して複合泡状体を厚さ約0.2mmの
平らな膜状物とした。さらに、この膜状物を約60秒間
放置して厚さ約0.1〜0.3mmのヒト皮膚被覆用皮
膜をえた。
【0069】前記ヒト皮膚被覆用皮膜を形成させる際の
皮膜の形成性を以下の評価基準に基づいて評価した。そ
の結果を表3に示す。
【0070】(イ)皮膜の形成性 (評価基準) ○:複合泡状体のヒト皮膚への付着性がすぐれ、液ダレ
などがなく、膜状物から均一な皮膜が形成される。 △:複合泡状体のヒト皮膚への付着性がやや劣り、部分
的に液ダレがあり、膜状物から形成される皮膜に均一で
ない部分がある。 ×:複合泡状体のヒト皮膚への付着性がわるく、液ダレ
があり、膜状物から形成される皮膜が均一でない。
【0071】また、ヒト皮膚被覆用皮膜の物性として柔
軟性、密着性、剥離性および機械的強度を以下の方法に
したがって調べた。その結果を表3に示す。
【0072】(ロ)柔軟性 エアゾール製品からヒト皮膚用エアゾール組成物を25
℃にて約2秒間、10cm後方よりガラス板に噴射し、
10分間自然乾燥後、厚さ約0.2〜0.3mmのヒト
皮膚被覆用皮膜をえた。
【0073】えられた皮膜をガラス板から剥がし、その
中央を指で1回折り曲げ、皮膜が割れるときの角度(折
り曲げない状態から割れるまで、皮膜を動かせた角度)
を測定した。
【0074】(ハ)密着性 エアゾール製品からヒト皮膚用エアゾール組成物を25
℃にて約2秒間、10cm後方よりヒト皮膚上に噴射
し、10分間自然乾燥後、厚さ約0.2〜0.3mmの
ヒト皮膚被覆用皮膜をえた。
【0075】えられた皮膜をヒト皮膚から250mm/
minの速度で引き剥がしたときの荷重(gf)を、プ
ルゲージにて測定した。
【0076】(ニ)剥離性 前記(ハ)密着性と同様にして厚さ約0.2〜0.3m
mのヒト皮膚被覆用皮膜をえた。
【0077】えられた皮膜を(ハ)密着性と同様にして
引き剥がすときの状態を目視にて観察し、以下の評価基
準に基づいて評価した。
【0078】(評価基準) ○:ほとんどの皮膜をスムーズに引き剥がすことができ
る。 △:皮膜の約50%はスムーズに引き剥がすことができ
るが、ほかは残っている。 ×:ほとんどの皮膜を簡単に引き剥がすことができな
い。
【0079】(ホ)機械的強度 前記(ロ)柔軟性と同様にして厚さ約0.2〜0.3m
mのヒト皮膚被覆用皮膜をえた。
【0080】えられた皮膜をガラス板から剥がし、プル
ゲージにて250mm/minの速度で引張ったときの
皮膜の切断荷重(gf)を測定した。
【0081】
【表3】
【0082】表3に示された結果から、実施例1〜16
でえられたヒト皮膚用エアゾール組成物は、皮膜の形成
性にすぐれ、該ヒト皮膚用エアゾール組成物から形成さ
れたヒト皮膚被覆用皮膜は、良好な機械的強度を有し、
柔軟性にすぐれて皮膚の動きに追随させることが容易で
あるとともに、ヒト皮膚のように凹凸が存在していても
密着性にすぐれるにもかかわらず、同時に剥離性にすぐ
れてその1カ所を剥離させるだけで全体の剥離が容易な
ものであることがわかる。また、アクリル系オリゴマー
が用いられた実施例1〜4および7〜8のヒト皮膚被覆
用エアゾール組成物から形成されたヒト皮膚被覆用皮膜
ならびにアルキルビニルエーテルが用いられた実施例9
〜16のヒト皮膚被覆用エアゾール組成物から形成され
たヒト皮膚被覆用皮膜は、とくにすぐれた密着性および
高機械的強度を有するものであることがわかる。
【0083】
【発明の効果】本発明の製法により、ヒト皮膚用エアゾ
ール組成物を用いてえられたヒト皮膚被覆用皮膜は、柔
軟性にすぐれ、良好な機械的強度を有するとともに、ヒ
ト皮膚との密着性にすぐれるにもかかわらず、通常は相
反すると考えられる剥離性にも同時にすぐれたものであ
る。
【0084】したがって、本発明のヒト皮膚被覆用皮膜
は、たとえば顔、脚などの洗浄、保湿などを目的とした
パックなどの化粧料、皮膚疾患用、消炎鎮痛用、鎮痒用
などの外用貼布剤などの医薬品などとして好適に使用す
ることができる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル樹脂、可塑剤およびアルコール
    を含有した原液と噴射剤とからなるヒト皮膚用エアゾー
    ル組成物を、ヒト皮膚上に噴射して複合泡状体を形成さ
    せ、該複合泡状体を平らな膜状物としたのち、該平らな
    膜状物を乾燥させることを特徴とするヒト皮膚被覆用皮
    膜の製法。
  2. 【請求項2】 可塑剤がアジピン酸、アジピン酸エステ
    ル、フタル酸、フタル酸エステル、イソオクタン酸、イ
    ソオクタン酸エステル、環状メチルポリシロキサン、メ
    チルフェニルポリシロキサン、アクリル系オリゴマーお
    よびアルキルビニルエーテルから選ばれた少なくとも1
    種のアルコール可溶性化合物である請求項1記載のヒト
    皮膚被覆用皮膜の製法。
  3. 【請求項3】 アルコールがエチルアルコール、イソプ
    ロピルアルコール、n−プロピルアルコール、イソブチ
    ルアルコール、n−ブチルアルコールおよび変性エタノ
    ールから選ばれた少なくとも1種である請求項1または
    2記載のヒト皮膚被覆用皮膜の製法。
  4. 【請求項4】 噴射剤が極性を有する液化ガスである請
    求項1、2または3記載のヒト皮膚被覆用皮膜の製法。
  5. 【請求項5】 極性を有する液化ガスがジメチルエーテ
    ルおよび/または極性を有するフロンである請求項4記
    載のヒト皮膚被覆用皮膜の製法。
  6. 【請求項6】 原液がアクリル樹脂10〜90重量%、
    可塑剤1〜80重量%およびアルコール5〜85重量%
    を含有したものである請求項1、2、3、4または5記
    載のヒト皮膚被覆用皮膜の製法。
  7. 【請求項7】 原液と噴射剤との重量比(原液/噴射
    剤)が5/95〜80/20である請求項1、2、3、
    4、5または6記載のヒト皮膚被覆用皮膜の製法。
  8. 【請求項8】 請求項1、2、3、4、5、6または7
    記載の製法によってえられたヒト皮膚被覆用皮膜。
  9. 【請求項9】 厚さが0.01〜1mmである請求項8
    記載のヒト皮膚被覆用皮膜。
  10. 【請求項10】 請求項1、2、3、4、5、6または
    7記載の製法に用いるヒト皮膚用エアゾール組成物。
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