JPH1029266A - プレス成形性および耐食性に優れた樹脂被覆金属板およびその製造方法 - Google Patents

プレス成形性および耐食性に優れた樹脂被覆金属板およびその製造方法

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JPH1029266A
JPH1029266A JP18623296A JP18623296A JPH1029266A JP H1029266 A JPH1029266 A JP H1029266A JP 18623296 A JP18623296 A JP 18623296A JP 18623296 A JP18623296 A JP 18623296A JP H1029266 A JPH1029266 A JP H1029266A
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JP
Japan
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resin
solid lubricant
metal plate
corrosion resistance
resin film
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JP18623296A
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Inventor
Keimei Tsubakino
啓明 椿野
Tadashige Nakamoto
忠繁 中元
Kazuo Okumura
和生 奥村
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Kobe Steel Ltd
Original Assignee
Kobe Steel Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 プレス油なでプレス成形が可能であり、且つ
成形後における製品の耐食性も良好な樹脂被覆金属板、
およびこの様な樹脂被覆金属板を製造する為の有用な方
法を提供する。 【解決手段】 素地金属板の表面に樹脂皮膜が形成され
ると共に、該皮膜上に固体潤滑剤が固着されたものであ
り、必要によって(1)前記固体潤滑剤が平面視におい
て占める面積率が15〜80%であること、(2)固体
潤滑剤の樹脂皮膜表面からの突出高さが0.01〜1.
5μmであること、等の要件を満足する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車、家庭用電
気製品、建築材料等の素材として用いられる樹脂被覆金
属板およびその製造方法に関すものであり、殊に樹脂被
覆金属板の表面に固体潤滑剤を固着することによって、
必要によって固体潤滑剤の固着形態が所定の要件を満足
することによって、プレス成形性および耐食性のいずれ
にも優れた効果を発揮することのできる樹脂被覆金属
板、およびこの様な樹脂被覆金属板を製造する為の有用
な方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車、家庭用電気製品、建築
材料等の素材として、有機樹脂被覆鋼板等の表面処理鋼
板が広く用いられている。またこの表面処理鋼板は、曲
げやプレス成形等の加工を受けてから使用されることが
大半であり、従来はプレス油を塗布して加工した後脱脂
を行ない、更に必要に応じてりん酸塩処理等の前処理を
行ない、塗装して用いられてきた。
【0003】しかしながら近年では、ユーザー側におい
て、プレス油塗布および脱脂の工程を省略することによ
って、プレス油の飛散や脱脂の際におけるフロンの発
生、更にはアルカリ廃液の発生を防止すると共に、前処
理なしで塗装を可能にするという無公害および省工程の
要求が起こっている。そこで、こうした状況に対応する
観点から、プレス油なしでも加工でき、しかもりん酸塩
処理等の前処理を行なわずとも塗装が可能な有機樹脂被
覆鋼板が開発される様になっている。
【0004】プレス油なしで加工を可能にするために
は、有機樹脂被覆鋼板の樹脂皮膜中に固体潤滑剤等の潤
滑剤を混合することによって、プレス加工時に必要な潤
滑性を確保する様にしている。また表面の摩擦係数を低
減させより良好な加工性を実現するという観点から、固
体潤滑剤としては、平均粒径が樹脂被膜厚よりも大きい
球状のワックス樹脂を用い、これを粒子状のまま樹脂皮
膜中の含有させるとによって樹脂皮膜表面から固体潤滑
剤を突出させ、表面に凹凸を形成させることも行なわれ
ている。
【0005】こうした技術として、例えば特公平5−8
6916号には、樹脂付着量が0.3〜3g/m2 であ
り、この樹脂皮膜中に平均粒径が1〜7μmで樹脂の乾
燥膜厚よりも大きいポリオレフィンワックスを、樹脂1
00重量部に対して20重量部以下を含有させた潤滑樹
脂処理鋼板が開示されている。
【0006】また特公平6−59455号には、皮膜塗
布量が0.2〜4.0g/m2 であり、この皮膜中に融
点が120℃以上であり且つ一次分散粒子径が20μm
である潤滑剤を10重量%以上含有する粒径が3〜10
0μmの固体潤滑剤を、樹脂1重量部に対して0.02
〜0.4重量部含有させた潤滑性薄膜樹脂鋼板が提案さ
れている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】これまでの技術におい
ては、上記の構成を採用することによって、潤滑性に関
する限りにおいては、或る程度の効果が発揮されてい
る。しかしながら、これらの技術においては、下記の様
な問題がある。
【0008】即ち、連続加工や搬送の際に、加熱された
金型やプレス機等との摺動によって皮膜中に存在する或
は突出した固体潤滑剤の剥離や溶出が発生するという問
題がある。こうした事態が発生すると、皮膜に凹部や欠
陥部分が生じるので、製品の耐食性を著しく低下させた
り、脱離した粒子が金型に蓄積され、製品に再度付着し
て製品の商品価値を損なうという問題(以下、こうした
現象を「黒変化」と称する)を有していた。また固体潤
滑剤の突出高さや表面における突出部の占有面積率がば
らつき、特に深絞り加工時における疵付きやかじり特性
等の加工性や、塗膜密着性等の性能が安定しないという
問題がある。
【0009】本発明は上記事情に鑑みてなされたもので
あって、その目的は、プレス油なしでプレス成形が可能
であり、且つ成形後における製品の耐食性も良好な樹脂
被覆金属板、およびこの様な樹脂被覆金属板を製造する
為の有用な方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すること
ができた本発明の樹脂被覆金属板とは、素地金属板の表
面に樹脂皮膜が被覆されると共に、該皮膜上に固体潤滑
剤が固着されたものである点に要旨を有するものであ
る。
【0011】上記樹脂被覆金属板においては、(1)前
記固体潤滑剤が平面視において占める面積率が15〜8
0%である、(2)前記固体潤滑剤の樹脂皮膜表面から
の突出高さが0.01〜1.5μmである、等の要件を
満足することが好ましい。
【0012】また本発明の樹脂被覆塗装金属板におい
て、長径D1 が0.1μm以上である固体潤滑剤がNA
個含まれており、このうち下記(1)式を満足する固体
潤滑剤の個数をNB としたとき、これらNA およびNB
が下記(2)式の関係を満足し、且つ樹脂皮膜表面上に
おける長さ200μmの任意の線上における下記(1)
式を満足する固体潤滑剤の個数が1〜100個であるも
のは、本発明の効果が最大限に発揮される。 0.1μm≦D1 ≦50μm …(1) 0.90≦(NB /NA )≦1.0 …(2)
【0013】本発明の樹脂被覆金属板を製造するに当た
っては、素地金属板の表面に、固体潤滑剤を含む樹脂塗
布液を塗布した後、固体潤滑剤の軟化点以上の温度で乾
燥することによって、前記固体潤滑剤を樹脂皮膜の表面
に固着する様にすれば良い。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明は上記の如く構成される
が、要するに、樹脂皮膜の表面に固体潤滑剤を固着する
構成を採用すれば、上記目的が見事に達成されることを
見出し、本発明を完成したものである。本発明によって
上記した効果が得られた理由については、その全てを解
明し得た訳ではないが、次の様に考えることができた。
【0015】図1は、本発明の樹脂被覆金属板における
表面部分を模式的に示した図であり、図中1は素地金属
板、2は樹脂皮膜、3は固体潤滑剤の夫々を示す。即
ち、図1に示した様に、本発明の樹脂被覆金属板では樹
脂皮膜の表面に固体潤滑剤3が突出した状態で存在する
ので、連続プレスの際に、これが樹脂皮膜と金型との間
で潤滑剤として作用し、プレス成形性を向上させるもの
と考えられる。またこの固体潤滑剤は、樹脂塗装金属板
と金型との衝撃および摺動による疵付き等を抑制するの
で、製品の外観が美麗になると共に、樹脂皮膜が健全の
まま残るので、成形品の耐食性をも向上させるものと考
えられる。
【0016】こうした本発明の樹脂被覆金属板に対し、
従来の樹脂被覆鋼板では、図2に示す様に、樹脂皮膜2
中に皮膜厚みよりも粒径の大きい固体潤滑剤3の粒子が
存在しているので、連続プレスの際に金型との摺動によ
って固体潤滑剤3が剥離し、皮膜に無数の凹部が生成
し、成形後の耐食性を低下させると共に、脱離したもの
が金型に再付着して製品の外観を損なうものと考えられ
る。或は、固体潤滑剤の粒径が皮膜厚よりも小さくて
も、連続プレス中に加熱した金型との摺動によって固体
潤滑剤が溶解若しくは噴出して皮膜に多数の微細な欠陥
を生成させる為に、成形品の耐食性を低下させるものと
考えられる。
【0017】以下本発明における好ましい各要件につい
て説明する。本発明においては、図1に示した様に、固
体潤滑剤3を樹脂皮膜2の表面に突出して固着させ、走
査型電子顕微鏡(SEM)によって観察される固体潤滑
剤が樹脂皮膜2の表面からの突出高さが0.01〜1.
5μmであることや、前記固体潤滑剤が平面視において
占める面積率が15〜80%であること、等の要件を満
足することによって、製品のプレス成形性(黒変性を含
む)が向上すると共に、成形品の耐食性が飛躍的に向上
する。
【0018】本発明においては固体潤滑剤の突出高さ
は、少なくとも0.01μmとするのが好ましい。この
突出高さが0.01μm未満であると、表面の潤滑作用
が十分でなく、樹脂皮膜表面を疵付けると共に、その疵
部の耐食性が低下する。一方、固体潤滑剤の突出高さが
1.5μmを超えると、プレス成形の際に金型との摺動
によって、潤滑剤が削り取られて耐黒変性が却って劣化
すると共に、塗装後に塗膜との間に隙間が生じ易くな
り、塗膜密着性が不安定となる。尚固体潤滑剤の突出高
さのより好ましい範囲は、その下限が0.02μmであ
り、その上限が1.0μmである。
【0019】固体潤滑剤が平面視において占める面積率
は、15〜80%とするのが好ましい。この面積率が1
5%未満になると、プレス成形時、特に深絞り加工時の
耐疵付き性等の加工性の向上効果が十分でなく、80%
を超えると塗装後の塗膜密着性が低下する。尚この面積
率の好ましい下限は20%であり、好ましい上限は70
%であり、こうした範囲に設定することによって、本発
明の効果が最大限に発揮される。
【0020】尚本発明でのSEM観察は、樹脂被覆金属
板の表面に金(Au)を1mg/m 2 〜1g/m2 蒸着
した後、走査型顕微鏡「S−2700」[商品名:
(株)日立製作所製]を用い、加速電圧:15kVでS
EM観察したものである。
【0021】一方、個体潤滑剤の長径D1 は、0.1μ
m以上であることが好ましい。この長径D1 が0.1μ
m未満であると、潤滑性および耐疵付き性が低下して加
工性向上効果が認められなくなり、また疵部の耐食性が
低下することになる。尚長径D1 は、0.3μm以上で
あることがより好ましい。
【0022】また長径D1 が0.1μmである個体潤滑
剤の個数をNA とし、この長径D1が0.1μmで且つ
50μm以下である個体潤滑剤の個数をNB としたと
き、その個数の比(NB /NA )は、0.90以上1.
0以下であること[前記(2)式]が好ましく、より好
ましくは0.95以上とするのが良い。上記比が0.9
0未満であると、塗膜と樹脂皮膜との接触面積が低下
し、場合によっては隙間が発生して塗膜密着性が不安定
となる。
【0023】更に、樹脂皮膜表面上における長さ200
μmの任意の線上における前記(1)式を満足する固体
潤滑剤の個数が1〜100個であることが好ましい。上
記個数が1個未満では、耐疵付き性や成形品の耐食性の
向上効果が十分でなくなる。またこの個数が100個を
超えると、塗膜と固体潤滑剤との接触面積率が増加し、
場合によっては塗膜との間に隙間が発生して塗膜密着性
が低下する。
【0024】次に、本発明の製造方法について説明す
る。本発明方法は、固体潤滑剤を含む樹脂塗布液を塗布
した後、固体潤滑剤の軟化点以上の温度で乾燥すること
によって、樹脂皮膜の表面に固体潤滑剤を固着するもの
でるある。このとき固体潤滑剤を軟化点以上の温度で乾
燥させることによって、流動状態になった潤滑剤が比重
差や、固体潤滑剤と空気および樹脂液(または樹脂皮
膜)と空気との表面自由エネルギー差等によって樹脂皮
膜表面に濃化し、乾燥後は前記図1に示した様に、樹脂
皮膜の表面に固体潤滑剤が固着した状態となる。
【0025】本発明で用いる固体潤滑剤の種類について
は、特に限定されるものではないが、代表的なものとし
て、ポリエチレン、ポリオレフィン等のポリオレフィン
ワックス系固体潤滑剤、四フッ化エチレン等のフッ素樹
脂系固体潤滑剤、およびカルナウバワックス等が挙げら
れる。このうちポリオレフィンワックス系固体潤滑剤を
用いるのが最も好ましい。こうした固体潤滑剤の具体例
としては、例えばダイジェットE−17[商品名:互応
化学(株)製]、KUE−1,KUE−5,KUE−8
[いずれも商品名:三洋化成工業(株)製]、ケミパー
ルW−100,W−200,W−300,W−400,
W−500,W−640,W−700[いずれも商品
名:三井石油化学工業(株)製]、エレポンE−20
[商品名:日華化学(株)製]、ディスパロンSE21
0−15T,同SE1020−7TN,同SE478−
10T,同SE470−10T,同SE−480−10
T,同SR510−10X,SE470−10X,SE
1020−7X[いずれも商品名:楠本化成(株)製]
等の市販品が使用できる。
【0026】次に、本発明の樹脂被覆金属板に関する、
素地金属板(およびめっき方法)、化成処理法、樹脂皮
膜、塗装方法等について説明するが、本発明はこれらに
よって限定されるものではなく、本発明の要件を満足す
るものは全て使用できる。
【0027】まず本発明で用いる素地金属板(被処理原
板)としては、冷圧鋼板、亜鉛めっき鋼板、アルミめっ
き鋼板、Zn−Al合金めっき鋼板、Zn−Ni合金め
っき鋼板スレンレス鋼板、アルミニウム板等を挙げるこ
とができる。まためっき法は、電気めっき法、溶融めっ
き法、蒸着めっき法等を挙げることができる。
【0028】例えば樹脂被覆鋼板は、上記原板と樹脂皮
膜との間に化成処理を施すことが一般的であるが、この
化成処理としては、りん酸塩処理やクロメート処理を挙
げることができ、更にはクロメート処理法の形態として
は、反応型、塗布型および電解型のいずれでも採用でき
る。
【0029】樹脂皮膜として用いられる樹脂としては、
エポキシ系,ウレタン系,アクリル系,ポリエステル
系,ポリエチレン系,メラミン系等の樹脂を挙げること
ができ、これらの樹脂の液体(樹脂塗布液)に前述の固
体潤滑剤を添加することが推奨される。またこれらの樹
脂に、メラミン系,エポキシ系,イソシアネート系,ア
ジリジン系,カルボジイミド系等の架橋剤を混合して樹
脂を架橋させることができる。更に、樹脂塗布液中に
は、本発明の樹脂被覆金属板における加工性、耐食性、
塗装密着性を損なわない範囲で、上記樹脂、固体潤滑剤
および架橋剤の他、コロイダル化合物、顔料、希釈溶
媒、界面活性剤、消泡剤、浸透剤、増膜助剤、増粘剤、
骨剤等の各種添加剤を加えても良い。
【0030】本発明の樹脂被覆金属板は、上記樹脂塗布
液を任意の方法で原板の表面に塗布し、これを乾燥させ
ることによって製造することができるが、このときの塗
布法については、一切制限されるものではなく、例えば
表面を清浄化し、或はクロメート処理を施した亜鉛系め
っき鋼板の表面に、ロールコータ法、スプレー法、カー
テンフローコータ法等を採用して塗布することができ
る。皮膜厚さの均一性の処理や処理コスト、塗布効率等
を総合的に考慮して、最も実用上好ましいものは、ロー
ルコータで塗布する方法である。尚本発明の樹脂被覆金
属板は、金属板の片面のみ、或は両面に樹脂皮膜が形成
されたもののいずれも含まれる。
【0031】以下、本発明を実施例によって更に詳細に
説明するが、下記実施例は本発明を限定するものではな
く、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはいずれ
も本発明の技術範囲に含まれるものである。
【0032】
【実施例】下記の手順によって、各種供試材を作成し
た。まず樹脂皮膜形成用組成物(樹脂塗布液)を塗布す
る原板として、電気亜鉛めっき鋼板(厚さ:0.8m
m,めっき付着量:20g/m2 )にクロメート処理
(Cr付着量:20mg/m2 )を施したものを用い
た。一方、樹脂塗布液としては、シェアーD硬度51の
ウレタン樹脂[第一工業製薬(株)製「スーパーフレッ
クス」]に、球状ポリエチレンワックス粒子(軟化点:
110〜140℃)、およびコロイダルシリカ[日産化
学(株)製「スノーテックスO」]を分散したものを用
いた。
【0033】上記樹脂塗布液を原板に塗布し、リンガロ
ールにて絞った後、到達板温度が80〜180℃になる
条件で焼き付け、樹脂皮膜の付着量が0.5〜2.0g
/m 2 となる様に供試材を製作した。このとき樹脂皮膜
の付着量は、リンガロールの圧下量を変化させることに
よって調節した。また下記表1に示す固体潤滑剤の形態
(固体潤滑剤の高さ、被覆率、固体潤滑剤の数値の比N
B /NA 、200μmの線分にて仕切られる固体潤滑剤
の個数等)については、添加するワックスの粒径、添加
量および焼き付け温度を変化させることによって制御し
た。得られた樹脂被覆金属板について、下記の各項目の
性能について評価した。その結果を、下記表1に一括し
て示す。尚性能の各項目の評価方法は下記の通りであ
る。
【0034】[性能評価] 表面観察 供試材の表面に、金(Au)を1mg/m2 〜1g/m
2 蒸着した後、走査型顕微鏡「S−2700」[商品
名:(株)日立製作所製]を用い、加速電圧:15kV
でSEM観察した。 動摩擦係数の測定 摺動試験装置を用いて、加圧力:150kgにおける摺
動を行ない、その引張荷重から動摩擦係数を求めた。
【0035】プレス成形性の評価 単発プレス試験機を用い、供試材を円筒深絞り成形した
後、成形品の摺動面の疵付きおよび黒化を評価した。評
価基準は、下記の通りである。 (疵付きの評価基準) ◎:かじりや疵が認められない。 ○:かじりや疵がほとんど認められない。 △:若干のかじりや疵が認められる。 ×:明確なかじりや疵が認められる。 (黒変化の評価基準) ◎:黒変化が認められない。 ○:黒変化がほとんど認められない。 △:若干の黒変化が認められる。 ×:明確な黒変化が認められる。
【0036】成形後の耐食性の評価 単発プレス試験機を用い、供試材を円筒深絞り成形した
後、成形品をJISZ2371に記載された方法に準じ
て塩水噴霧試験を行ない、耐食性を調査した。尚測定結
果は、摺動面の1%白錆発生時間を示している。
【0037】塗膜密着性の評価 メラミンアルキッド系塗料「アミラック1000」[商
品名:関西ペイント(株)製]を塗布し、130℃で2
0分間焼付け、塗膜厚さ:20μmとした。続いて、カ
ッターナイフを用いて、塗装面に1mm2 の碁盤目を1
00マス描き、エリクセン試験機で6mm押し出して、
テープ剥離試験を行なった。評価基準は、下記の通りで
ある。 (塗膜密着性の評価基準) ◎:塗膜の剥離が認められない。 ○:若干の塗膜の剥離が認められる。 △:明確な塗膜の剥離が認められる。 ×:テープ剥離前に塗膜の剥離が認められる。
【0038】
【表1】
【0039】これらの結果から、次の様に考察できる。
まず供試材No.1〜12のものは、本発明で規定する
要件を満足する実施例であり、プレス成形性、成形後耐
食性および塗膜密着性のいずれにおいて良好な結果が得
られていることがわかる。これに対し、供試材No.1
3〜21のものは、本発明で規定する要件のいずれかを
欠く比較例であり、次に示す様にいずれかの性能が劣っ
ているものである。
【0040】まず供試材No.13のものは、固体潤滑
剤の高さが本発明で規定する下限未満のものであり、プ
レス成形性および成形後の耐食性が低下している。また
供試材No.14のものは、固体潤滑剤の高さが本発明
で規定する上限を超えるものであり、プレス成形性およ
び耐黒変化性が低下している。更に、固体潤滑剤の面積
率が本発明で規定する下限未満の供試材No.15のも
のは、プレス成形性および成形後の耐食性が低下してお
り、面積率が本発明で規定する上限を超える供試材N
o.16のものは、耐黒変化性および塗膜密着性が低下
している。
【0041】供試材No.17のものは、固体潤滑剤の
長径D1 が本発明で規定する下限未満のものであり、プ
レス成形性および成形後の耐食性が劣化している。また
供試材No.18のものは、前記比NB /NA が本発明
で規定する下限未満のものであり、塗膜密着性が劣化し
ている。また表面に含まれる200μmの線分で仕切ら
れる固体潤滑剤の個数が、本発明で規定する下限未満で
ある供試材No.19のものでは、プレス成形性および
成形後の耐食性が低下しており、この個数が本発明で規
定する上限を超える供試材No.20のものは、塗膜密
着性が低下している。更に、固体潤滑剤の軟化点未満で
乾燥させ、樹脂皮膜を形成させた供試材No.21のも
のは、耐黒変化性、成形後耐食性および塗膜密着性が低
下している。
【0042】
【発明の効果】本発明の樹脂被覆金属板は、樹脂皮膜上
に固体潤滑剤を固着したものであり、更に樹脂皮膜上の
固体潤滑剤の高さ、面積率、径および一定線分にて仕切
られる個数を適切に制御することによって、プレス成形
性(耐黒変化性も含む)、加工後耐食性、塗膜密着性等
を向上および安定化させた樹脂被覆金属板が実現でき
た。これによってプレス成形時の塗油および脱脂作業
や、塗装前処理(りん酸塩処理)が省略でき、作業環境
が改善されると共に、省工程による生産性の向上および
コストダウンが可能になるという利益が得られる。また
本発明の樹脂被覆金属板は、成形後の耐食性にも優れて
いるので、製品を無塗装で使用できる等、広範な用途展
開が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の樹脂塗装金属板における固体潤滑剤の
存在状態を示す模式図である。
【図2】従来の樹脂塗装金属板における固体潤滑剤の存
在状態を示す模式図である。
【符号の説明】
1 素地金属板 2 樹脂皮膜 3 固体潤滑剤

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 素地金属板の表面に樹脂皮膜が被覆され
    ると共に、該皮膜上に固体潤滑剤が固着されたものであ
    ることを特徴とするプレス成形性および耐食性に優れた
    樹脂被覆金属板。
  2. 【請求項2】 前記固体潤滑剤が平面視において占める
    面積率が15〜80%である請求項1に記載の樹脂被覆
    金属板。
  3. 【請求項3】 前記固体潤滑剤の樹脂皮膜表面からの突
    出高さが0.01〜1.5μmである請求項1または2
    に記載の樹脂被覆金属板。
  4. 【請求項4】 長径D1 が0.1μm以上である固体潤
    滑剤がNA 個含まれており、このうち下記(1)式を満
    足する固体潤滑剤の個数をNB としたとき、これらNA
    およびNB が下記(2)式の関係を満足し、且つ樹脂皮
    膜表面上における長さ200μmの任意の線上における
    下記(1)式を満足する固体潤滑剤の個数が1〜100
    個である請求項1〜3のいずれかに記載の樹脂被覆金属
    板。 0.1μm≦D1 ≦50μm …(1) 0.90≦(NB /NA )≦1.0 …(2)
  5. 【請求項5】 素地金属板の表面に、固体潤滑剤を含む
    樹脂塗布液を塗布した後、固体潤滑剤の軟化点以上の温
    度で乾燥することによって、前記固体潤滑剤を樹脂皮膜
    の表面に固着して請求項1に記載の樹脂被覆金属板を製
    造することを特徴とするプレス成形性および耐食性に優
    れた樹脂被覆金属板の製造方法。
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