JPH10295366A - 新規な過酸化水素耐性微生物、その取得方法及びそれを用いた汚染媒体の修復方法 - Google Patents
新規な過酸化水素耐性微生物、その取得方法及びそれを用いた汚染媒体の修復方法Info
- Publication number
- JPH10295366A JPH10295366A JP9104796A JP10479697A JPH10295366A JP H10295366 A JPH10295366 A JP H10295366A JP 9104796 A JP9104796 A JP 9104796A JP 10479697 A JP10479697 A JP 10479697A JP H10295366 A JPH10295366 A JP H10295366A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- microorganism
- hydrogen peroxide
- strain
- compound
- jmp1000
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Purification Treatments By Anaerobic Or Anaerobic And Aerobic Bacteria Or Animals (AREA)
- Fire-Extinguishing Compositions (AREA)
- Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
- Processing Of Solid Wastes (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 塩素化エチレン化合物及び置換ベンゼン化合
物の少なくとも一方で汚染された環境の微生物浄化に強
い酸化力を持つ過酸化水素の共存下で好気的な分解を行
なう。 【解決手段】 過酸化水素に耐性を備えている新規微生
物JMP1000(FERM P−16143)を用い
る。
物の少なくとも一方で汚染された環境の微生物浄化に強
い酸化力を持つ過酸化水素の共存下で好気的な分解を行
なう。 【解決手段】 過酸化水素に耐性を備えている新規微生
物JMP1000(FERM P−16143)を用い
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は有機化合物で汚染さ
れた自然環境を微生物を用いて修復する際に用いる新規
な微生物及びその取得方法に関する。
れた自然環境を微生物を用いて修復する際に用いる新規
な微生物及びその取得方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、生体に対し有害でありかつ難分解
性である揮発性有機塩素化合物による環境汚染が大きな
問題となってきている。特に、国内外の紙・パルプ工業
や精密機械関連産業地域の土壌中にはテトラクロロエチ
レン(PCE)やトリクロロエチレン(TCE)、ジク
ロロエチレン(DCE)等の塩素化エチレンといった揮
発性有機塩素化合物による汚染がかなりの範囲で拡がっ
ていると考えられており、実際に環境調査等で検出され
た事例が多数報告されている。これらの揮発性有機塩素
化合物は土壌中に残留したものが雨水等により地下水中
に溶解して周辺地域一帯に拡がるとされている。このよ
うな化合物は発癌性や生殖毒性の疑いがあり、また環境
中で非常に安定であるため、特に飲料水の水源として利
用されている地下水の汚染は大きな社会問題とされてい
る。
性である揮発性有機塩素化合物による環境汚染が大きな
問題となってきている。特に、国内外の紙・パルプ工業
や精密機械関連産業地域の土壌中にはテトラクロロエチ
レン(PCE)やトリクロロエチレン(TCE)、ジク
ロロエチレン(DCE)等の塩素化エチレンといった揮
発性有機塩素化合物による汚染がかなりの範囲で拡がっ
ていると考えられており、実際に環境調査等で検出され
た事例が多数報告されている。これらの揮発性有機塩素
化合物は土壌中に残留したものが雨水等により地下水中
に溶解して周辺地域一帯に拡がるとされている。このよ
うな化合物は発癌性や生殖毒性の疑いがあり、また環境
中で非常に安定であるため、特に飲料水の水源として利
用されている地下水の汚染は大きな社会問題とされてい
る。
【0003】このようなことから、揮発性有機塩素化合
物の除去、分解による、汚染地下水等の水性媒体、土
壌、及びそれに伴う周辺気相の浄化は、環境保全の視点
から重要な課題であり、浄化に必要な技術の開発が行わ
れてきている。
物の除去、分解による、汚染地下水等の水性媒体、土
壌、及びそれに伴う周辺気相の浄化は、環境保全の視点
から重要な課題であり、浄化に必要な技術の開発が行わ
れてきている。
【0004】例えば、活性炭による吸着処理、光や熱に
よる分解処理等が検討されてきたが、コストや操作性の
面からかならずしも実用的であるとはいえない。
よる分解処理等が検討されてきたが、コストや操作性の
面からかならずしも実用的であるとはいえない。
【0005】一方、環境中では安定であるTCE等の揮
発性有機塩素化合物に対して近年微生物による分解が報
告され、その実用化に向けた研究がなされ始めている。
即ち、微生物を用いた生物分解処理では用いる微生物を
適切に選択することで無害な物質までに揮発性有機塩素
化合物を分解できること、基本的に特別な薬品が不要で
あること、メンテナンスにかかる労力やコストを軽減で
きること等の利点がある。
発性有機塩素化合物に対して近年微生物による分解が報
告され、その実用化に向けた研究がなされ始めている。
即ち、微生物を用いた生物分解処理では用いる微生物を
適切に選択することで無害な物質までに揮発性有機塩素
化合物を分解できること、基本的に特別な薬品が不要で
あること、メンテナンスにかかる労力やコストを軽減で
きること等の利点がある。
【0006】揮発性有機塩素化合物分解能を有する微生
物で単離された例としては、TCE分解菌としては、We
lchia alkenophila sero 5 (USP 4877736, ATCC 5357
0)、Welchia alkenophila sero 33 (USP 4877736, ATCC
53571) 、Methylocystis sp.strain M (Agric. Biol.
Chem., 53,2903(1989) 、Biosci. Biotech. Biochem.,5
6,486(1992) 、同56,736(1992)) 、Methylosinus trich
osporium OB3b (Am. Chem. Soc. Natl. Meet. Dev. Env
iron. Microbiol., 29,365(1989)、Appl. Environ. Mic
robiol., 55,3155(1989)、Appl. Biochem. Biotechno
l., 28,877(1991)、特開平02-92274号公報、特開平03-2
92970 号公報)、Methylomonas sp. MM2 (Appl. Enviro
n. Microbiol., 57,236(1991))、Alcaligenes denitrif
icans ssp.xylosoxidans JE75 (Arch. microbiol., 15
4,410(1990))、Alcaligenes eutrophus JMP134 (Appl.
Environ. Microbiol., 56,1179(1990)) 、Alcaligenes
eutrophus FERM-13761(特開平07-123976 号公報)、Ps
eudomonas aeruginosa JI104(特開平07-236895 号公
報)、Mycobacterium vaccae JOB5 (J. Gen. Microbio
l., 82,163(1974) 、Appl. Environ. Microbiol., 54,2
960(1989)、ATCC 29678)、Pseudomonas putida BH (下
水道協会誌,24,27(1987))、Pseudomonas sp. strain G
4 (Appl. Environ. Microbiol., 52,383(1986)、同53,9
49(1987)、同54,951(1989)、同56,279(1990)、同57,193
(1991)、USP 4925802, ATCC 53617 、この菌は初めPseu
domonas cepacia と分類されていたが、Pseudomonas s
p. に変更された)、Pseudomonas mendocina KR-1 (Bio
/Technol.,7,282(1989)) 、Pseudomonas putida F1(App
l. Environ. Microbiol., 54,1703(1988)、同54,2578(1
988))、Pseudomonas fluorescens PFL12 (Appl. Enviro
n. Microbiol., 54,2578(1988))、Pseudomonas putida
KWI-9(特開平06-70753号公報)、Pseudomonas cepacia
KK01(特開平06-227769 号公報) 、Nitrosomonas euro
paea (Appl. Environ.Microbiol., 56,1169(1990))、La
ctobacillus vaginalis sp.nov (Int. J. Syst. Bacter
iol., 39,368(1989)、ATCC 49540) 、Nocardia coralli
na B-276(特開平08-70881号公報,FERM BP-5124, ATCC
31338)等がある。
物で単離された例としては、TCE分解菌としては、We
lchia alkenophila sero 5 (USP 4877736, ATCC 5357
0)、Welchia alkenophila sero 33 (USP 4877736, ATCC
53571) 、Methylocystis sp.strain M (Agric. Biol.
Chem., 53,2903(1989) 、Biosci. Biotech. Biochem.,5
6,486(1992) 、同56,736(1992)) 、Methylosinus trich
osporium OB3b (Am. Chem. Soc. Natl. Meet. Dev. Env
iron. Microbiol., 29,365(1989)、Appl. Environ. Mic
robiol., 55,3155(1989)、Appl. Biochem. Biotechno
l., 28,877(1991)、特開平02-92274号公報、特開平03-2
92970 号公報)、Methylomonas sp. MM2 (Appl. Enviro
n. Microbiol., 57,236(1991))、Alcaligenes denitrif
icans ssp.xylosoxidans JE75 (Arch. microbiol., 15
4,410(1990))、Alcaligenes eutrophus JMP134 (Appl.
Environ. Microbiol., 56,1179(1990)) 、Alcaligenes
eutrophus FERM-13761(特開平07-123976 号公報)、Ps
eudomonas aeruginosa JI104(特開平07-236895 号公
報)、Mycobacterium vaccae JOB5 (J. Gen. Microbio
l., 82,163(1974) 、Appl. Environ. Microbiol., 54,2
960(1989)、ATCC 29678)、Pseudomonas putida BH (下
水道協会誌,24,27(1987))、Pseudomonas sp. strain G
4 (Appl. Environ. Microbiol., 52,383(1986)、同53,9
49(1987)、同54,951(1989)、同56,279(1990)、同57,193
(1991)、USP 4925802, ATCC 53617 、この菌は初めPseu
domonas cepacia と分類されていたが、Pseudomonas s
p. に変更された)、Pseudomonas mendocina KR-1 (Bio
/Technol.,7,282(1989)) 、Pseudomonas putida F1(App
l. Environ. Microbiol., 54,1703(1988)、同54,2578(1
988))、Pseudomonas fluorescens PFL12 (Appl. Enviro
n. Microbiol., 54,2578(1988))、Pseudomonas putida
KWI-9(特開平06-70753号公報)、Pseudomonas cepacia
KK01(特開平06-227769 号公報) 、Nitrosomonas euro
paea (Appl. Environ.Microbiol., 56,1169(1990))、La
ctobacillus vaginalis sp.nov (Int. J. Syst. Bacter
iol., 39,368(1989)、ATCC 49540) 、Nocardia coralli
na B-276(特開平08-70881号公報,FERM BP-5124, ATCC
31338)等がある。
【0007】また、フェノールやトルエン、クレゾール
といった芳香族化合物の浄化処理も同様に物理・化学的
手法から微生物分解を用いた手法に移行しつつある。
といった芳香族化合物の浄化処理も同様に物理・化学的
手法から微生物分解を用いた手法に移行しつつある。
【0008】この様な、微生物を用いた環境修復方法は
バイオレメディエーション(bioremediation)と呼ば
れ、上記のような単離された微生物を環境中に導入する
バイオオーグメンテーション(bioaugmentation )、栄
養素や酸素等を環境中に導入して、元々環境中に存在す
る微生物の活性を高めることによって修復を進めるバイ
オスティミュレーション(biostimulation)に大別する
ことができる。
バイオレメディエーション(bioremediation)と呼ば
れ、上記のような単離された微生物を環境中に導入する
バイオオーグメンテーション(bioaugmentation )、栄
養素や酸素等を環境中に導入して、元々環境中に存在す
る微生物の活性を高めることによって修復を進めるバイ
オスティミュレーション(biostimulation)に大別する
ことができる。
【0009】いずれの場合においても、微生物の好気的
な分解を基本とするバイオレメディエーションにおいて
は、酸素の供給は不可欠である。
な分解を基本とするバイオレメディエーションにおいて
は、酸素の供給は不可欠である。
【0010】酸素の供給法としては、空気或いは酸素ガ
スの現場への導入、過酸化水素の添加、過酸化カルシウ
ムや過酸化マグネシウムといった過酸化物塩の添加等が
挙げられる。
スの現場への導入、過酸化水素の添加、過酸化カルシウ
ムや過酸化マグネシウムといった過酸化物塩の添加等が
挙げられる。
【0011】その中でも、過酸化水素の添加は、ガスの
導入のような装置を必要とせず、また過酸化物塩のよう
にpHを低下させることもない、非常に簡便で効果的な
方法として広く用いられている。しかし、過酸化水素自
体は酸化力が強く、微生物にとって毒性を持っているた
め、高濃度に与えられないという欠点がある。
導入のような装置を必要とせず、また過酸化物塩のよう
にpHを低下させることもない、非常に簡便で効果的な
方法として広く用いられている。しかし、過酸化水素自
体は酸化力が強く、微生物にとって毒性を持っているた
め、高濃度に与えられないという欠点がある。
【0012】特開昭64−34380号公報によれば、
塩素化脂肪族炭化水素の微生物学的分解方法において、
微生物(この場合は元々環境中に存在する微生物)の位
置(この場合は地下水)における過酸化水素の当初濃度
は、一般的には50〜200ppmであり、それ以上
(2000ppmまで)は馴化が必要である。
塩素化脂肪族炭化水素の微生物学的分解方法において、
微生物(この場合は元々環境中に存在する微生物)の位
置(この場合は地下水)における過酸化水素の当初濃度
は、一般的には50〜200ppmであり、それ以上
(2000ppmまで)は馴化が必要である。
【0013】また、特開平4−9916号公報に記載さ
れた実施例によれば、地下層中の汚染物質のバイオ酸化
を促進する方法において、微生物(この場合は元々環境
中に存在する微生物)に対し毒性の環境を与えず、かつ
増殖に対する酸素付与効果を発揮させうる過酸化水素の
濃度としては初期500ppm程度までであり、それ以
上になると過酸化水素の与え方に何らかの煩雑な工夫が
必要であることが示されている。
れた実施例によれば、地下層中の汚染物質のバイオ酸化
を促進する方法において、微生物(この場合は元々環境
中に存在する微生物)に対し毒性の環境を与えず、かつ
増殖に対する酸素付与効果を発揮させうる過酸化水素の
濃度としては初期500ppm程度までであり、それ以
上になると過酸化水素の与え方に何らかの煩雑な工夫が
必要であることが示されている。
【0014】一方、単離された脂肪族塩素化合物分解微
生物を用いた汚染土壌の浄化方法において過酸化水素が
用いられている例が特開平6−226230号公報に示
されている。同公報によれば、過酸化水素10ppmを
分解微生物の培養液と同時にトリクロロエチレンで汚染
された土壌に導入することによって、培養液単独の導入
系に比べて3日後のTCE分解率が倍になるという効果
を得ているが、土壌中における酸素供給源として10p
pmの過酸化水素が十分であるとは言えない。
生物を用いた汚染土壌の浄化方法において過酸化水素が
用いられている例が特開平6−226230号公報に示
されている。同公報によれば、過酸化水素10ppmを
分解微生物の培養液と同時にトリクロロエチレンで汚染
された土壌に導入することによって、培養液単独の導入
系に比べて3日後のTCE分解率が倍になるという効果
を得ているが、土壌中における酸素供給源として10p
pmの過酸化水素が十分であるとは言えない。
【0015】
【本発明が解決しようとする課題】このように、過酸化
水素はバイオレメディエーションにおける、微生物に対
する酸素付与剤としては非常に有効なものの、その強力
な酸化力のために酸素を供給するに十分な濃度を与えよ
うとした場合、微生物に対し毒性を発揮してしまうこと
があった。
水素はバイオレメディエーションにおける、微生物に対
する酸素付与剤としては非常に有効なものの、その強力
な酸化力のために酸素を供給するに十分な濃度を与えよ
うとした場合、微生物に対し毒性を発揮してしまうこと
があった。
【0016】
【課題を解決しようとする技術】本発明はこのような状
況の下でなされたものであって、その目的は、塩素化エ
チレン化合物及び置換ベンゼン化合物で汚染された土壌
や地下水といった自然環境のバイオレメディエーション
における、微生物に対する酸素付与効果を十分に発揮し
うる濃度の過酸化水素に耐性を持つ塩素化エチレン化合
物及び置換ベンゼン化合物分解微生物を提供する点にあ
る。
況の下でなされたものであって、その目的は、塩素化エ
チレン化合物及び置換ベンゼン化合物で汚染された土壌
や地下水といった自然環境のバイオレメディエーション
における、微生物に対する酸素付与効果を十分に発揮し
うる濃度の過酸化水素に耐性を持つ塩素化エチレン化合
物及び置換ベンゼン化合物分解微生物を提供する点にあ
る。
【0017】即ち、本発明では、1000ppmの過酸
化水素存在下でも増殖、生存が可能であり、かつ塩素化
エチレン化合物及び置換ベンゼン化合物の分解能を有す
る微生物JMP1000株を提供する。なお、本発明に
おける塩素化エチレン化合物とは、トリクロロエチレ
ン、及びジクロロエチレンなどのことであり、置換ベン
ゼン化合物とは、フェノール、トルエン、及びクレゾー
ル(o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル)などのことである。
化水素存在下でも増殖、生存が可能であり、かつ塩素化
エチレン化合物及び置換ベンゼン化合物の分解能を有す
る微生物JMP1000株を提供する。なお、本発明に
おける塩素化エチレン化合物とは、トリクロロエチレ
ン、及びジクロロエチレンなどのことであり、置換ベン
ゼン化合物とは、フェノール、トルエン、及びクレゾー
ル(o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾー
ル)などのことである。
【0018】また本発明の他の目的は、以下のような工
程を含む、該微生物を取得するための新規な方法を提供
する点にある。即ち、塩素化エチレン化合物及び置換ベ
ンゼン化合物の分解能を有する、過酸化水素耐性を備え
た微生物の取得方法であって、塩素化エチレン化合物及
び置換ベンゼン化合物の分解能を有し、過酸化水素耐性
を有しない微生物を用意する工程;該微生物の増殖基質
を含まず、過酸化水素を含む無機塩培地に該微生物を所
定の期間接触される工程;及び該無機塩培地に接触させ
た該微生物を、該微生物の増殖基質を含み、且つ過酸化
水素を含む培地で培養し、該培地で増殖した菌体を回収
する工程、を有することを特徴とする微生物の取得方法
を提供する点にある。
程を含む、該微生物を取得するための新規な方法を提供
する点にある。即ち、塩素化エチレン化合物及び置換ベ
ンゼン化合物の分解能を有する、過酸化水素耐性を備え
た微生物の取得方法であって、塩素化エチレン化合物及
び置換ベンゼン化合物の分解能を有し、過酸化水素耐性
を有しない微生物を用意する工程;該微生物の増殖基質
を含まず、過酸化水素を含む無機塩培地に該微生物を所
定の期間接触される工程;及び該無機塩培地に接触させ
た該微生物を、該微生物の増殖基質を含み、且つ過酸化
水素を含む培地で培養し、該培地で増殖した菌体を回収
する工程、を有することを特徴とする微生物の取得方法
を提供する点にある。
【0019】即ち、従来の方法では、単に過酸化水素を
微生物に接触させ、馴致するという方法で高濃度の過酸
化水素存在条件に対応してきたが、本発明の過酸化水素
耐性微生物の取得方法は、予め所定の増殖基質の存在下
で培養した菌を過酸化水素のみを含む無機塩培地に所定
の期間接触させ(2の工程)、その後増殖基質と過酸化
水素が共存した培地で培養する(3の工程)工程を含む
ものである。特に2の工程に於て、微生物の増殖基質を
含まない、過酸化水素のみを含む無機塩培地に於て菌と
過酸化水素とを接触させることは過酸化水素の強い酸化
力を微生物に直接的に作用させることができ、過酸化水
素耐性菌の取得に極めて有効である。これにより従来よ
り効率的に過酸化水素耐性微生物を取得することに成功
した。2の工程に於て、増殖基質を含まず過酸化水素の
みを含む無機塩培地に於て微生物と過酸化水素とを接触
させる所定の期間としては、例えば10〜50時間、特
には15〜48時間とした場合、過酸化水素耐性菌を効
率良く取得でき好ましい。
微生物に接触させ、馴致するという方法で高濃度の過酸
化水素存在条件に対応してきたが、本発明の過酸化水素
耐性微生物の取得方法は、予め所定の増殖基質の存在下
で培養した菌を過酸化水素のみを含む無機塩培地に所定
の期間接触させ(2の工程)、その後増殖基質と過酸化
水素が共存した培地で培養する(3の工程)工程を含む
ものである。特に2の工程に於て、微生物の増殖基質を
含まない、過酸化水素のみを含む無機塩培地に於て菌と
過酸化水素とを接触させることは過酸化水素の強い酸化
力を微生物に直接的に作用させることができ、過酸化水
素耐性菌の取得に極めて有効である。これにより従来よ
り効率的に過酸化水素耐性微生物を取得することに成功
した。2の工程に於て、増殖基質を含まず過酸化水素の
みを含む無機塩培地に於て微生物と過酸化水素とを接触
させる所定の期間としては、例えば10〜50時間、特
には15〜48時間とした場合、過酸化水素耐性菌を効
率良く取得でき好ましい。
【0020】
【発明の実施の形態】新規微生物JMP1000株は、
芳香族化合物や塩素化エチレン化合物を、誘導物質を用
いることで分解可能な菌株であるJ1株(ブタペスト条
約に基づく国際寄託の番号:FERM BP−510
2)を、変異原を用いた変異操作によって変異させて取
得した、誘導物質を用いることなく有機化合物を分解す
ることができる変異株であるJM1株(ブタペスト条約
に基づく国際寄託の番号:FERM BP−5352)
から取得した。取得方法としては以下(実施例1)の通
りである。
芳香族化合物や塩素化エチレン化合物を、誘導物質を用
いることで分解可能な菌株であるJ1株(ブタペスト条
約に基づく国際寄託の番号:FERM BP−510
2)を、変異原を用いた変異操作によって変異させて取
得した、誘導物質を用いることなく有機化合物を分解す
ることができる変異株であるJM1株(ブタペスト条約
に基づく国際寄託の番号:FERM BP−5352)
から取得した。取得方法としては以下(実施例1)の通
りである。
【0021】実施例1. JMP1000株の取得及び
菌学的性質 1.リンゴ酸ナトリウム1%含有M9寒天培地上のJM
1株のコロニーをリンゴ酸ナトリウム2%含有M9液体
培地に植菌し、15℃で振とう培養する 2.2−4日後、遠心分離にて集菌する 3.過酸化水素1000−3000ppmを含有したM
9液体培地(JM1の増殖基質無添加)に再懸濁し、1
5℃で振とうする 4.24時間後、菌懸濁液を体積比1/10の割合で、
過酸化水素1000ppm及びリンゴ酸ナトリウム1%
を含有したM9培地に植菌し、15℃で振とう培養する 5.菌体が十分に増殖した時点(6日後)で、培養液を
体積比1/10の割合で、過酸化水素1000ppm及
びリンゴ酸ナトリウム1%を含有したM9培地に植菌
し、15℃で振とう培養する 6.菌体が十分に増殖した時点(3日後)で、培養液を
体積比1/10の割合で、過酸化水素1000ppm及
びリンゴ酸ナトリウム1%を含有したM9培地に植菌
し、15℃で振とう培養する 7.6の操作を繰り返す この様にして得られた培養液から、リンゴ酸ナトリウム
1%含有M9寒天培地上にコロニーを形成させ、JMP
1000株を単離した。
菌学的性質 1.リンゴ酸ナトリウム1%含有M9寒天培地上のJM
1株のコロニーをリンゴ酸ナトリウム2%含有M9液体
培地に植菌し、15℃で振とう培養する 2.2−4日後、遠心分離にて集菌する 3.過酸化水素1000−3000ppmを含有したM
9液体培地(JM1の増殖基質無添加)に再懸濁し、1
5℃で振とうする 4.24時間後、菌懸濁液を体積比1/10の割合で、
過酸化水素1000ppm及びリンゴ酸ナトリウム1%
を含有したM9培地に植菌し、15℃で振とう培養する 5.菌体が十分に増殖した時点(6日後)で、培養液を
体積比1/10の割合で、過酸化水素1000ppm及
びリンゴ酸ナトリウム1%を含有したM9培地に植菌
し、15℃で振とう培養する 6.菌体が十分に増殖した時点(3日後)で、培養液を
体積比1/10の割合で、過酸化水素1000ppm及
びリンゴ酸ナトリウム1%を含有したM9培地に植菌
し、15℃で振とう培養する 7.6の操作を繰り返す この様にして得られた培養液から、リンゴ酸ナトリウム
1%含有M9寒天培地上にコロニーを形成させ、JMP
1000株を単離した。
【0022】JMP1000株の菌学的性質は以下の通
りである。 グラム染色性及び形態:グラム陰性桿菌 各培地における生育 BHIA:生育良好 MacConkey:生育可能 コロニーの色:クリーム色 至適温度:25℃>30℃>35℃ 運動性:陰性(半流動培地) TSI(slant/butt):アルカリ/アルカ
リ、H2 S(−) オキシダーゼ:陽性(弱) カタラーゼ:陽性 糖の発酵 グルコース:陰性 シュクロース:陰性 ラフィノース:陰性 ガラクトース:陰性 マルトース:陰性 ウレアーゼ:陽性 エスクリン加水分解(β−グルコシダーゼ):陽性 硝酸還元:陰性 インドール産生:陰性 グルコース酸性化:陰性 アルギニンジヒドロラーゼ:陰性 ゼラチン分解(プロテアーゼ):陰性 β−ガラクトシダーゼ:陰性 各化合物の同化 グルコース:陰性 L−アラビノース:陰性 D−マンノース:陰性 D−マンニトール:陰性 N−アセチル−D−グルコサミン:陰性 マルトース:陰性 グルコン酸カリウム:陰性 n−カプリン酸:陽性 アジピン酸:陽性 dl−リンゴ酸:陽性 クエン酸ナトリウム:陽性 酢酸フェニル:陰性 このようにJMP1000株の菌学的性質は、親株であ
るJM1株とまったく同一であるが、通常JM1株では
増殖することができない条件である1000ppmの過
酸化水素存在下において十分に増殖が可能であり、かつ
塩素化エチレン化合物及び置換ベンゼン化合物の分解能
を発揮することができる。この様な過酸化水素耐性の特
徴は、寒天培地上で5代の継代培養の後も変化すること
が無く、単なる馴化ではなく、変異が起こったものであ
るとして、JMP1000株を、過酸化水素耐性変異株
として通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託
した(受託番号:FERM P−16143)。
りである。 グラム染色性及び形態:グラム陰性桿菌 各培地における生育 BHIA:生育良好 MacConkey:生育可能 コロニーの色:クリーム色 至適温度:25℃>30℃>35℃ 運動性:陰性(半流動培地) TSI(slant/butt):アルカリ/アルカ
リ、H2 S(−) オキシダーゼ:陽性(弱) カタラーゼ:陽性 糖の発酵 グルコース:陰性 シュクロース:陰性 ラフィノース:陰性 ガラクトース:陰性 マルトース:陰性 ウレアーゼ:陽性 エスクリン加水分解(β−グルコシダーゼ):陽性 硝酸還元:陰性 インドール産生:陰性 グルコース酸性化:陰性 アルギニンジヒドロラーゼ:陰性 ゼラチン分解(プロテアーゼ):陰性 β−ガラクトシダーゼ:陰性 各化合物の同化 グルコース:陰性 L−アラビノース:陰性 D−マンノース:陰性 D−マンニトール:陰性 N−アセチル−D−グルコサミン:陰性 マルトース:陰性 グルコン酸カリウム:陰性 n−カプリン酸:陽性 アジピン酸:陽性 dl−リンゴ酸:陽性 クエン酸ナトリウム:陽性 酢酸フェニル:陰性 このようにJMP1000株の菌学的性質は、親株であ
るJM1株とまったく同一であるが、通常JM1株では
増殖することができない条件である1000ppmの過
酸化水素存在下において十分に増殖が可能であり、かつ
塩素化エチレン化合物及び置換ベンゼン化合物の分解能
を発揮することができる。この様な過酸化水素耐性の特
徴は、寒天培地上で5代の継代培養の後も変化すること
が無く、単なる馴化ではなく、変異が起こったものであ
るとして、JMP1000株を、過酸化水素耐性変異株
として通産省工業技術院生命工学工業技術研究所に寄託
した(受託番号:FERM P−16143)。
【0023】該菌株を培養するために用いられる基本的
な無機塩培地としては、該菌株が生育するために必要な
成分が含有されていれば特に制限はなく、例えばM9培
地やMSB培地等の基礎塩培地が用いられる。
な無機塩培地としては、該菌株が生育するために必要な
成分が含有されていれば特に制限はなく、例えばM9培
地やMSB培地等の基礎塩培地が用いられる。
【0024】以下にM9培地の組成を示す。
【0025】Na2 HPO4 :6.2g KH2 PO4 :3.0g NaCl:0.5g NH4 Cl:1.0g (培地1リットル中;pH
7.0) 培養は好気条件下で行なうことができ、液体培養でも固
体培養でもよい。培養温度は15℃から30℃が望まし
い。なお本実施態様に於て、過酸化水素1000〜30
00ppmを含むM9培地(JM1の増殖基質無添加)
に於てJM1株と過酸化水素との接触は24時間とした
が、この接触期間はこれに限定されるものでない。例え
ばこの接触期間を10〜50時間、特には15〜48時
間とすることはJM1000株を効率良く取得できる為
好ましいものである。
7.0) 培養は好気条件下で行なうことができ、液体培養でも固
体培養でもよい。培養温度は15℃から30℃が望まし
い。なお本実施態様に於て、過酸化水素1000〜30
00ppmを含むM9培地(JM1の増殖基質無添加)
に於てJM1株と過酸化水素との接触は24時間とした
が、この接触期間はこれに限定されるものでない。例え
ばこの接触期間を10〜50時間、特には15〜48時
間とすることはJM1000株を効率良く取得できる為
好ましいものである。
【0026】実施例2. JMP1000株による過酸
化水素存在下におけるTCE及びDCEの分解 JMP1000株の寒天培地(1.0%リンゴ酸ナトリ
ウム含有)上のコロニーを、1.0%グルタミン酸ナト
リウム及び1000ppmの過酸化水素を含有した50
0ml容振盪フラスコ中のM9培地200mlに接種
し、15℃で振盪培養を行った。
化水素存在下におけるTCE及びDCEの分解 JMP1000株の寒天培地(1.0%リンゴ酸ナトリ
ウム含有)上のコロニーを、1.0%グルタミン酸ナト
リウム及び1000ppmの過酸化水素を含有した50
0ml容振盪フラスコ中のM9培地200mlに接種
し、15℃で振盪培養を行った。
【0027】コントロールとして、JM1株の寒天培地
(1.0%リンゴ酸ナトリウム含有)上のコロニーを、
1.0%グルタミン酸ナトリウム及び1000ppmの
過酸化水素を含有した500ml容振盪フラスコ中のM
9培地200mlに接種し、15℃で振盪培養を行っ
た。
(1.0%リンゴ酸ナトリウム含有)上のコロニーを、
1.0%グルタミン酸ナトリウム及び1000ppmの
過酸化水素を含有した500ml容振盪フラスコ中のM
9培地200mlに接種し、15℃で振盪培養を行っ
た。
【0028】3日間培養後、JMP1000株及びJM
1株の培養液を遠心分離にて集菌し、M9培地に菌濃度
が3倍になるように再懸濁した。
1株の培養液を遠心分離にて集菌し、M9培地に菌濃度
が3倍になるように再懸濁した。
【0029】27.5ml容バイアル瓶に、過酸化水素
1000ppmを含むM9培地、及びコントロールとし
てM9培地のみをそれぞれ9ml注入し、上記のように
して調製したJMP1000株及びJM1株の菌懸濁液
1mlを添加後、テフロンライナー付きブチルゴム栓及
びアルミキャップで完全密封した。
1000ppmを含むM9培地、及びコントロールとし
てM9培地のみをそれぞれ9ml注入し、上記のように
して調製したJMP1000株及びJM1株の菌懸濁液
1mlを添加後、テフロンライナー付きブチルゴム栓及
びアルミキャップで完全密封した。
【0030】この時の初期菌濃度は、JM1株:2.9
×107 ;JMP1000株:3.1×107 (CFU
/ml)であった。
×107 ;JMP1000株:3.1×107 (CFU
/ml)であった。
【0031】TCE(トリクロロエチレン)及びt−D
CE(トランス−ジクロロエチレン)の飽和蒸気を、液
中濃度10ppmとなるようにガスタイトシリンジで加
え、20℃で振盪した。
CE(トランス−ジクロロエチレン)の飽和蒸気を、液
中濃度10ppmとなるようにガスタイトシリンジで加
え、20℃で振盪した。
【0032】80時間後、バイアル瓶中の気相0.1m
lを採取し、ヘッドスペース法によりガスクロマトグラ
フィー(島津ガスクロマトグラフGC−14B;FID
検出器)によってTCEの定量を行った。結果を表1に
示す。数値は、過酸化水素を含まないM9培地のみのブ
ランク(菌体無し)の残存量を基準とした時の各濃度の
残存率(%)で示す。
lを採取し、ヘッドスペース法によりガスクロマトグラ
フィー(島津ガスクロマトグラフGC−14B;FID
検出器)によってTCEの定量を行った。結果を表1に
示す。数値は、過酸化水素を含まないM9培地のみのブ
ランク(菌体無し)の残存量を基準とした時の各濃度の
残存率(%)で示す。
【0033】
【表1】 この結果により、ほぼ同数の菌数における過酸化水素1
000ppm存在下でのJMP1000株のTCE分解
における優位性が明らかとなった。
000ppm存在下でのJMP1000株のTCE分解
における優位性が明らかとなった。
【0034】実施例3. JMP1000株による過酸
化水素存在下におけるフェノールの分解 50ml容滅菌チューブに、フェノール200ppm、
及び過酸化水素1000ppmを含むM9培地、及びコ
ントロールとしてフェノール200ppmのみを含むM
9培地をそれぞれ9ml注入し、実施例2のようにして
調製したJMP1000株及びJM1株の菌懸濁液1m
lを添加後、栓をした。
化水素存在下におけるフェノールの分解 50ml容滅菌チューブに、フェノール200ppm、
及び過酸化水素1000ppmを含むM9培地、及びコ
ントロールとしてフェノール200ppmのみを含むM
9培地をそれぞれ9ml注入し、実施例2のようにして
調製したJMP1000株及びJM1株の菌懸濁液1m
lを添加後、栓をした。
【0035】80時間後、菌液を0.5mlを採取し、
4−アミノアンチピリンを用いた吸光光度法(JIS
K 0102−1993 28.1)によってフェノー
ルの定量を行った。結果を表2に示す。数値は、表1と
同様、過酸化水素を含まないM9培地のみのブランク
(菌体無し)の残存量を基準とした時の各濃度の残存率
(%)で示す。
4−アミノアンチピリンを用いた吸光光度法(JIS
K 0102−1993 28.1)によってフェノー
ルの定量を行った。結果を表2に示す。数値は、表1と
同様、過酸化水素を含まないM9培地のみのブランク
(菌体無し)の残存量を基準とした時の各濃度の残存率
(%)で示す。
【0036】
【表2】 この結果により、ほぼ同数の菌数における過酸化水素1
000ppm存在下でのJMP1000株のフェノール
分解における優位性が明らかとなった。
000ppm存在下でのJMP1000株のフェノール
分解における優位性が明らかとなった。
【0037】実施例4. JMP1000株による過酸
化水素存在下におけるクレゾールの分解 実施例3と同様の方法で、過酸化水素1000ppmの
存在下における、JMP1000株のo−クレゾール及
びm−クレゾール(各200ppm)の分解における評
価を行った。それぞれの系は別個に行い、定量はp−ヒ
ドラジノベンゼンスルホン酸を用いた吸光光度法(JI
S K 0102−1993 28.2)で行った。結
果を表3に示す。数値は、表1と同様、過酸化水素を含
まないM9培地のみのブランク(菌体無し)の残存量を
基準とした時の各濃度の残存率(%)で示す。
化水素存在下におけるクレゾールの分解 実施例3と同様の方法で、過酸化水素1000ppmの
存在下における、JMP1000株のo−クレゾール及
びm−クレゾール(各200ppm)の分解における評
価を行った。それぞれの系は別個に行い、定量はp−ヒ
ドラジノベンゼンスルホン酸を用いた吸光光度法(JI
S K 0102−1993 28.2)で行った。結
果を表3に示す。数値は、表1と同様、過酸化水素を含
まないM9培地のみのブランク(菌体無し)の残存量を
基準とした時の各濃度の残存率(%)で示す。
【0038】
【表3】 この結果により、ほぼ同数の菌数における過酸化水素1
000ppm存在下でのJMP1000株のクレゾール
分解における優位性が明らかとなった。
000ppm存在下でのJMP1000株のクレゾール
分解における優位性が明らかとなった。
【0039】実施例5. JMP1000株による過酸
化水素存在下におけるトルエンの分解 実施例3と同様の方法で、過酸化水素1000ppmの
存在下における、JMP1000株のトルエンの分解に
おける評価を行った。初期トルエン濃度は50ppmと
し、定量はバイアル瓶中の気相0.1mlを採取し、ヘ
ッドスペース法によりガスクロマトグラフィー(島津ガ
スクロマトグラフGC−14B;FID検出器)によっ
て行った。結果を表4に示す。数値は、表1と同様、過
酸化水素を含まないM9培地のみのブランク(菌体無
し)の残存量を基準とした時の各濃度の残存率(%)で
示す。
化水素存在下におけるトルエンの分解 実施例3と同様の方法で、過酸化水素1000ppmの
存在下における、JMP1000株のトルエンの分解に
おける評価を行った。初期トルエン濃度は50ppmと
し、定量はバイアル瓶中の気相0.1mlを採取し、ヘ
ッドスペース法によりガスクロマトグラフィー(島津ガ
スクロマトグラフGC−14B;FID検出器)によっ
て行った。結果を表4に示す。数値は、表1と同様、過
酸化水素を含まないM9培地のみのブランク(菌体無
し)の残存量を基準とした時の各濃度の残存率(%)で
示す。
【0040】結果を表4に示す。数値は、過酸化水素を
含まないM9培地のみのブランク(菌体無し)の残存量
を基準とした時の各濃度の残存率(%)で示す。
含まないM9培地のみのブランク(菌体無し)の残存量
を基準とした時の各濃度の残存率(%)で示す。
【0041】
【表4】 この結果により、ほぼ同数の菌数における過酸化水素1
000ppm存在下でのJMP1000株のトルエン分
解における優位性が明らかとなった。
000ppm存在下でのJMP1000株のトルエン分
解における優位性が明らかとなった。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、新規な過酸化水素耐性
微生物により、1000ppm以下の濃度の過酸化水素
存在下における置換ベンゼン化合物及び塩素化エチレン
化合物の効率的かつ安定的な生物浄化処理が可能とな
る。
微生物により、1000ppm以下の濃度の過酸化水素
存在下における置換ベンゼン化合物及び塩素化エチレン
化合物の効率的かつ安定的な生物浄化処理が可能とな
る。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C02F 3/34 ZAB B09B 3/00 ZABE //(C12N 1/20 C12R 1:01) (72)発明者 矢野 哲哉 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内
Claims (8)
- 【請求項1】 1000ppmの過酸化水素水中におい
て増殖し、且つ塩素化エチレン化合物及び置換ベンゼン
化合物の分解能を有する新規な微生物JMP1000株
(FERM P−16143)。 - 【請求項2】 塩素化エチレン化合物及び置換ベンゼン
化合物の分解能を有する、過酸化水素耐性を備えた微生
物の取得方法であって、 塩素化エチレン化合物及び置換ベンゼン化合物の分解能
を有し、過酸化水素耐性を有しない微生物を用意する工
程;該微生物の増殖基質を含まず、過酸化水素を含む無
機塩培地に該微生物を所定の期間接触させる工程;及び
該無機塩培地に接触させた該微生物を、該微生物の増殖
基質を含み、且つ過酸化水素を含む培地で培養し、該培
地で増殖した菌体を回収する工程、を有することを特徴
とする微生物の取得方法。 - 【請求項3】 該所定の期間が、10〜50時間である
ことを特徴とする請求項2に記載の微生物の取得方法。 - 【請求項4】 該所定の期間が、15〜48時間である
ことを特徴とする請求項3に記載の微生物の取得方法。 - 【請求項5】 塩素化エチレン化合物及び置換ベンゼン
化合物の分解能を有し、過酸化水素耐性を有しない微生
物が、JM1株(FERM BP−5352)であるこ
とを特徴とする請求項2〜4の何れかに記載の微生物の
取得方法。 - 【請求項6】 汚染物質として塩素化エチレン化合物及
び置換ベンゼン化合物の少なくとも一方を含む媒体を過
酸化水素の存在下で、該汚染物質を分解可能な微生物と
接触せしめて該汚染物質を分解する工程を有する汚染媒
体の修復方法において、該微生物としてJMP1000
株(FERM P−16143)を用いることを特徴と
する修復方法。 - 【請求項7】 該塩素化エチレン化合物が、トリクロロ
エチレン及びジクロロエチレンから選ばれる少なくとも
1つの化合物であることを特徴とする請求項6に記載の
修復方法。 - 【請求項8】 該置換ベンゼン化合物が、フェノール、
クレゾーン及びトルエンから選ばれる少なくとも1つの
化合物である請求項6に記載の修復方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9104796A JPH10295366A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 新規な過酸化水素耐性微生物、その取得方法及びそれを用いた汚染媒体の修復方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9104796A JPH10295366A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 新規な過酸化水素耐性微生物、その取得方法及びそれを用いた汚染媒体の修復方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10295366A true JPH10295366A (ja) | 1998-11-10 |
Family
ID=14390418
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9104796A Pending JPH10295366A (ja) | 1997-04-22 | 1997-04-22 | 新規な過酸化水素耐性微生物、その取得方法及びそれを用いた汚染媒体の修復方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10295366A (ja) |
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0861887A3 (en) * | 1997-02-18 | 1999-08-04 | Canon Kabushiki Kaisha | Microbial processes using electrolyzed water |
| JP2006248886A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Kazue Watanabe | 環境微生物と酸化剤による植物発生材等、有機廃棄物の迅速無臭堆肥化方法 |
-
1997
- 1997-04-22 JP JP9104796A patent/JPH10295366A/ja active Pending
Cited By (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP0861887A3 (en) * | 1997-02-18 | 1999-08-04 | Canon Kabushiki Kaisha | Microbial processes using electrolyzed water |
| JP2006248886A (ja) * | 2005-03-11 | 2006-09-21 | Kazue Watanabe | 環境微生物と酸化剤による植物発生材等、有機廃棄物の迅速無臭堆肥化方法 |
Similar Documents
| Publication | Publication Date | Title |
|---|---|---|
| US5962305A (en) | Microbial strain, method for biodegrading organic compounds and method for environmental remediation | |
| US6858417B2 (en) | Dna fragment carrying toluene monooxygenase, gene, recombinant plasmid, transformed microorganism, method for degrading chlorinated aliphatic hydrocarbon compounds and aromatic compounds, and method for environmental remediation | |
| EP0712808B1 (en) | Process for decomposing pollutant with microorganism, process for remedying environment with microorganism, and microorganism itself | |
| JP3478619B2 (ja) | 新規微生物kb2及びそれを用いた芳香族化合物及び/又は揮発性有機塩素化合物の生物分解処理方法 | |
| JP3323746B2 (ja) | 新規微生物、有機化合物の生分解方法及び環境修復方法 | |
| WO1998001241A1 (en) | Biodegradation of the gasoline oxygenates | |
| JP3083077B2 (ja) | 有機化合物の生分解方法及び環境修復方法 | |
| US5998198A (en) | Microorganisms that decompose halogenated hydrocarbons and their use | |
| US6096530A (en) | Pseudomonas cepacia strain isolated from termite intestines that degrades trichlorethylene and furan compounds | |
| US6303366B1 (en) | Biodegradation of the gasoline oxygenates | |
| JPH10295366A (ja) | 新規な過酸化水素耐性微生物、その取得方法及びそれを用いた汚染媒体の修復方法 | |
| JP3546888B2 (ja) | 新規微生物とそれを利用した環境浄化方法 | |
| JP3461238B2 (ja) | 有機化合物の生分解方法および環境修復方法 | |
| JPH09271749A (ja) | 適合溶質を用いた微生物による汚染土壌の生物的修復方法 | |
| JPH11113563A (ja) | 有機化合物で汚染された環境の微生物による分解浄化修復方法 | |
| JPH0910794A (ja) | 環境中に放出された汚染物質の生物分解浄化方法 | |
| JP3437304B2 (ja) | 新規微生物tl1及びそれを用いた芳香族化合物及び/又は揮発性有機塩素化合物の生物分解処理方法 | |
| JPH09267085A (ja) | 汚染土壌の生物的修復浄化方法 | |
| JP2003204781A (ja) | 有機塩素化合物分解性微生物及び同微生物を用いる有機塩素化合物の分解方法 | |
| JPH1190484A (ja) | 汚染媒体の生物分解浄化方法 | |
| JPH11197691A (ja) | 有機化合物の生分解方法および環境修復方法 | |
| JPH09267083A (ja) | 汚染土壌の生物的修復浄化方法 | |
| JPH08154669A (ja) | 新規微生物tl2及びそれを用いた芳香族化合物及び/又は揮発性有機塩素化合物の生物分解処理方法 | |
| JPH11319883A (ja) | 有機化合物の生分解方法および環境の修復方法 | |
| JP2000224994A (ja) | トルエンモノオキシゲナーゼ遺伝子を含むdna断片、組換えプラスミド、形質転換微生物、ハロゲン化脂肪族炭化水素化合物および芳香族化合物の分解方法および汚染環境の修復方法 |