JPH10298430A - ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 - Google Patents

ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

Info

Publication number
JPH10298430A
JPH10298430A JP9109897A JP10989797A JPH10298430A JP H10298430 A JPH10298430 A JP H10298430A JP 9109897 A JP9109897 A JP 9109897A JP 10989797 A JP10989797 A JP 10989797A JP H10298430 A JPH10298430 A JP H10298430A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
polyphenylene sulfide
parts
sulfide resin
kaolin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9109897A
Other languages
English (en)
Inventor
Atsushi Ishio
敦 石王
Norio Shimasaki
周夫 嶋▼さき▲
Kazuhiko Kobayashi
和彦 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toray Industries Inc filed Critical Toray Industries Inc
Priority to JP9109897A priority Critical patent/JPH10298430A/ja
Publication of JPH10298430A publication Critical patent/JPH10298430A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Organic Insulating Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、耐トラッキング性などの電気特性に
優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物及び射出成
形体の取得を課題とする。 【解決手段】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂10
0重量部に対し(B)カオリンを15〜300重量部を
含有するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、耐トラッキング性
などの電気特性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物及び射出成形体に関するものであり、電気、電子
部品、あるいは自動車電装部品などの電気部品用途に特
に有用に適用されるほか、種々の広い分野に適用され
る。
【0002】
【従来の技術】ポリフェニレンスルフィド樹脂(以下P
PS樹脂と略す)は優れた耐熱性、難燃性、剛性、耐薬
品性、電気絶縁性、耐湿熱性などエンジニアリングプラ
スチックとしては好適な性質を有しており、射出成形用
を中心として各種電気・電子部品、機械部品および自動
車部品などに使用されている。
【0003】しかしながら、PPS樹脂はポリアミド樹
脂等の他のエンジニアリングプラスチックに比べ、耐ト
ラッキング性が大きく劣るとの欠点を有している。その
ため、PPS樹脂は高い耐熱性、剛性、電気絶縁性、難
燃性、耐湿熱性と言った電気部品材料としての優れた特
性を有しているにも関わらず、比較的高い電圧下に晒さ
れるような用途への適用は制限されているのが実情であ
る。
【0004】PPS樹脂の耐トラッキング性改良の試み
はこれまでにもなされており、例えば特開昭64−69
658号公報には、長鎖アルコ−ルまたは短鎖ポリアル
コ−ルと長鎖カルボン酸からなる脂肪族飽和エステルと
無機充填材、補強材をPPS樹脂に配合することによ
り、耐トラッキング性が向上することが開示されてい
る。しかし実施例に示されている比較トラッキング指数
(以下CTIと略す)は高々225V程度であり、十分
に改良されたとは言い難い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、PP
S樹脂が本来有する優れた耐熱性、電気絶縁性、低吸水
性などの諸性質を大きく損なうことなく、耐トラッキン
グ性にも優れたPPS樹脂組成物の取得を課題とする。
かかるPPS樹脂組成物を得るべく鋭意検討を行った結
果、カオリン、特に未焼成のカオリンをPPS樹脂に配
合することによって、耐トラッキング性が大きく改善さ
れることを見出し本発明に到達した。
【0006】一方、PPS樹脂にカオリンを配合する技
術については、例えば特開昭63−245463号公報
に開示されている。しかし該特許におけるカオリンの配
合量はPPS樹脂100重量部に対し、10重量部まで
であり、かかる配合量では大きな耐トラッキング性改良
効果は得られない。また該特許における効果は結晶化の
高速化であり、耐トラッキング性の改良効果については
何ら記載されていない。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の構成は以下のと
おりである。
【0008】(1)(A)ポリフェニレンスルフィド樹
脂100重量部に対し(B)カオリンを15〜300重
量部を含有するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【0009】(2)(A)ポリフェニレンスルフィド樹
脂99.5〜50重量%と(C)ポリフェニレンスルフ
ィド樹脂以外の樹脂0.5〜50重量%からなる樹脂成
分100重量部に対し、(B)カオリンを15〜300
重量部を含有するポリフェニレンスルフィド樹脂組成
物。
【0010】(3)(B)カオリンが、室温から750
℃まで昇温させた際の(空気気流下、昇温速度20℃/
分)、重量減少率が3重量%以上のカオリンである上記
(1)または(2)記載のポリフェニレンスルフィド樹
脂組成物。
【0011】(4)(B)カオリンが、室温から750
℃まで昇温させた際の(空気気流下、昇温速度20℃/
分)、重量減少率が8重量%以上のカオリンである上記
(1)〜(3)のいずれか記載のポリフェニレンスルフ
ィド樹脂組成物。
【0012】(5)(B)カオリン中のアルミニウム含
有量がAl23換算で、35〜42%であるカオリンで
ある上記(1)〜(4)のいずれか記載のポリフェニレ
ンスルフィド樹脂組成物。
【0013】(6)更に(D)タルク及び/または水酸
化マグネシウムを樹脂成分100重量部に対し、5〜2
75重量部配合した組成物であって、且つ(B)カオリ
ン及び(C)タルク及び/または水酸化マグネシウムの
合計量が、樹脂成分100重量部に対し30〜300重
量部の範囲である上記(1)〜(5)のいずれか記載の
ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【0014】(7)更に(E)カオリン、タルク、水酸
化マグネシウム以外の充填材を、樹脂成分100重量部
に対し、10〜300重量部を含有する上記(1)〜
(6)のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物。
【0015】(8)(A)ポリフェニレンスルフィド樹
脂が、その溶融粘度(310℃、せん断速度1000/
秒)が1000ポイズ以下のポリフェニレンスルフィド
樹脂である上記(1)〜(7)のいずれか記載のポリフ
ェニレンスルフィド樹脂組成物。
【0016】(9)更に(F)エポキシ基、アミノ基、
イソシアネート基、水酸基、メルカプト基、ウレイド基
の中から選ばれた少なくとも1種の官能基を有するアル
コキシシラン化合物を、樹脂成分100重量部に対し
て、0.05〜5重量部添加してなる上記(1)〜
(8)のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂
組成物。
【0017】(10)比較トラッキンング指数が280
V以上である上記(1)から(9)のいずれか記載のポ
リフェニレンスルフィド樹脂組成物。
【0018】(11)上記(1)〜(10)のいずれか
記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物を射出成形
して得られる電気機器部品用の成形体。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明で使用するポリフェニレン
スルフィド樹脂とは、下記構造式で示される繰り返し単
位を
【化1】 含む重合体であり、耐熱性の点から70モル%以上、特
に90モル%以上を含む重合体が好ましい。またPPS
樹脂はその繰り返し単位の30モル%未満を、下記の構
造式を有する繰り返し単位等で構成することが可能であ
る。
【0020】
【化2】
【0021】本発明で用いられるPPS樹脂の溶融粘度
は、溶融混練が可能であれば特に制限はないが、通常5
〜2,000Pa・s(310℃、せん断速度1,00
0/秒)のものが使用され、5〜100Pa・sの範囲
がより好ましく、5〜60Pa・sの範囲がより好まし
い。
【0022】かかるPPS樹脂は通常公知の方法即ち特
公昭45−3368号公報に記載される比較的分子量の
小さな重合体を得る方法或は特公昭52−12240号
公報や特開昭61−7332号公報に記載される比較的
分子量の大きな重合体を得る方法などによって製造でき
る。本発明において上記の様に得られたPPS樹脂を空
気中加熱による架橋/高分子量化、窒素などの不活性ガ
ス雰囲気下あるいは減圧下での熱処理、有機溶媒、熱
水、酸水溶液などによる洗浄、酸無水物、アミン、イソ
シアネート、官能基含有ジスルフィド化合物などの官能
基含有化合物による活性化など種々の処理を施した上で
使用することももちろん可能である。
【0023】PPS樹脂の加熱による架橋/高分子量化
する場合の具体的方法としては、空気、酸素などの酸化
性ガス雰囲気下あるいは前記酸化性ガスと窒素、アルゴ
ンなどの不活性ガスとの混合ガス雰囲気下で、加熱容器
中で所定の温度において希望する溶融粘度が得られるま
で加熱を行う方法が例示できる。加熱処理温度は通常、
170〜280℃が選択され、好ましくは200〜27
0℃であり、時間は通常の0.5〜100時間が選択さ
れ、好ましくは2〜50時間であるが、この両者をコン
トロールすることにより目標とする粘度レベルを得るこ
とができる。加熱処理の装置は通常の熱風乾燥機でもま
た回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置であってもよい
が、効率よくしかもより均一に処理する場合は回転式あ
るいは撹拌翼付の加熱装置を用いるのがより好ましい。
【0024】PPS樹脂を窒素などの不活性ガス雰囲気
下あるいは減圧下で熱処理する場合の具体的方法として
は、窒素などの不活性ガス雰囲気下あるいは減圧下で、
加熱処理温度150〜280℃、好ましくは200〜2
70℃、加熱時間は0.5〜100時間、好ましくは2
〜50時間加熱処理する方法が例示できる。加熱処理の
装置は通常の熱風乾燥機でもまた回転式あるいは撹拌翼
付の加熱装置であってもよいが、効率よくしかもより均
一に処理する場合は回転式あるいは撹拌翼付の加熱装置
を用いるのがより好ましい。
【0025】PPS樹脂を有機溶媒で洗浄する場合の具
体的方法としては以下の方法が例示できる。すなわち、
洗浄に用いる有機溶媒としては、PPS樹脂を分解する
作用などを有しないものであれば特に制限はないが、例
えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミドなどの含窒素極性溶媒、ジメチルス
ルホキシド、ジメチルスルホンなどのスルホキシド・ス
ルホン系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチ
ルケトン、アセトフェノンなどのケトン系溶媒、ジメチ
ルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン
などのエーテル系溶媒、クロロホルム、塩化メチレン、
トリクロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロルエタ
ン、テトラクロルエタン、クロルベンゼンなどのハロゲ
ン系溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブ
タノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピ
レングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレ
ングリコールなどのアルコール・フェノール系溶媒、ベ
ンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素系溶
媒などがあげられる。これらの有機溶媒のなかでN−メ
チルピロリドン、アセトン、ジメチルホルムアミド、ク
ロロホルムなどの使用が好ましい。また、これらの有機
溶媒は、1種類または2種類以上の混合で使用される。
有機溶媒による洗浄の方法としては、有機溶媒中にPP
S樹脂を浸漬せしめるなどの方法があり、必要により適
宜撹拌または加熱することも可能である。有機溶媒でP
PS樹脂を洗浄する際の洗浄温度については特に制限は
なく、常温〜300℃程度の任意の温度が選択できる。
洗浄温度が高くなるほど洗浄効率が高くなる傾向がある
が、通常は常温〜150℃の洗浄温度で十分効果が得ら
れる。
【0026】また有機溶媒洗浄を施されたPPS樹脂は
残留している有機溶媒を除去するため、水または温水で
数回洗浄することが好ましい。
【0027】PPS樹脂を熱水で処理する場合の具体的
方法としては以下の方法が例示できる。すなわち熱水洗
浄によるPPS樹脂の好ましい化学的変性の効果を発現
するため、使用する水は蒸留水あるいは脱イオン水であ
ることが好ましい。熱水処理の操作は、通常、所定量の
水に所定量のPPS樹脂を投入し、常圧で或いは圧力容
器内で加熱、撹拌することにより行われる。PPS樹脂
と水との割合は、水の多いほうが好ましいが、通常、水
1リットルに対し、PPS樹脂200g以下の浴比が選
択される。
【0028】PPS樹脂を酸処理する場合の具体的方法
としては以下の方法が例示できる。すなわち、酸または
酸の水溶液にPPS樹脂を浸漬せしめるなどの方法があ
り、必要により適宜撹拌または加熱することも可能であ
る。用いられる酸はPPSを分解する作用を有しないも
のであれば特に制限はなく、ギ酸、酢酸、プロピオン
酸、酪酸などの脂肪族飽和モノカルボン酸、クロロ酢
酸、ジクロロ酢酸などのハロ置換脂肪族飽和カルボン
酸、アクリル酸、クロトン酸などの脂肪族不飽和モノカ
ルボン酸、安息香酸、サリチル酸などの芳香族カルボン
酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、フマル
酸などのジカルボン酸、硫酸、リン酸、塩酸、炭酸、珪
酸などの無機酸性化合物などがあげられる。中でも酢
酸、塩酸がより好ましく用いられる。酸処理を施された
PPS樹脂は残留している酸または塩などを除去するた
め、水または温水で数回洗浄することが好ましい。また
洗浄に用いる水は、酸処理によるPPS樹脂の好ましい
化学的変性の効果を損なわない意味で蒸留水、脱イオン
水であることが好ましい。
【0029】本発明における必須成分である(B)カオ
リンについて次に説明する。カオリンは、基本化学式A
2Si25(OH)4・nH2Oで表される含水ケイ酸
アルミニウムであって、その代表的な化学組成は、下記
のとおりであるとされている。
【0030】SiO2:42〜55% Al23:35〜45% TiO2:0〜3% Fe23:0〜2% CaO:0〜1% MgO:0〜0.3% K2O:0〜0.5% Na2O:0〜0.6% 本発明ではカオリン中のAl23が35〜42%ものが
より優れた耐トラッキング性を得る意味で特に好まし
い。
【0031】本発明で用いられるカオリンの粒径には特
に制限はないが、平均粒子径0.1〜6μmのものが好
適に用いられれる。また吸油量にも制限はないが、25
〜60lbs/100lbsのものが好適に用いられ
る。
【0032】カオリンはしばしば高温で焼成して用いら
れるが、本発明で用いるカオリンはかかる焼成処理を施
していない未焼成カオリンが特に好ましい。かかる未焼
成カオリンは焼成カオリンに比べ、加熱時の重量減少率
が大きくなる。本発明で用いられるカオリンは、室温か
ら750℃まで昇温させた際の(空気気流下、昇温速度
20℃/分)、重量減少率が3重量%以上のカオリンが
好ましく、重量減少率が8重量%以上のカオリンが特に
好ましい。
【0033】かかるカオリンの配合量は、(A)ポリフ
ェニレンスルフィド樹脂あるいは(A)ポリフェニレン
スルフィド樹脂と(C)ポリフェニレンスルフィド樹脂
以外の樹脂からなる樹脂成分100重量部に対し(B)
カオリン15〜300重量部、好ましくは25〜300
重量部の範囲が選択され、100〜300重量部の範囲
がより好ましい。(B)カオリン配合量が15重量部未
満では耐トラッキング性向上効果がほとんど得られず、
300重量部以上では溶融粘度の上昇、機械的強度の低
下などの弊害が顕在化するため好ましくない。
【0034】本発明において(D)タルク及び/または
水酸化マグネシウムを(B)カオリンと併用すること
も、優れた耐トラッキング性、機械的強度などを得る上
で有効である。
【0035】ここでタルクとは、基本化学式3MgO・
4SiO2・H2Oで表される層状ケイ酸マグネシウムで
あって、その代表的な化学組成は、下記のとおりである
とされている。
【0036】SiO2:50〜65% MgO:25〜30% Al23:0〜3% Fe23:0〜2% CaO:0〜4% かかる(D)タルクは、ビニルトリエトキシシラン、ビ
ニルトリクロロシランなどのビニルシラン化合物、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシ
ドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランな
どのエポキシシラン化合物、γ−(2−アミノエチル)
アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−
アミノプロピルトリメトキシシランなどのアミノシラン
化合物、ステアリン酸、オレイン酸、モンタン酸、ステ
アリルアルコールなどの長鎖脂肪酸または長鎖脂肪族ア
ルコールなどで表面処理して使用しても良い。
【0037】一方本発明において必要に応じて用いられ
る(D)のもう一つの成分である水酸化マグネシウムと
しては、化学式Mg(OH)2で示される無機物を50
重量%以上含む水酸化マグネシウムが挙げられ、耐トラ
ッキング性、機械的強度、溶融粘度の点から、好ましく
はMg(OH)2で示される無機物を80重量%以上、
CaO含量5重量%以下、塩素含量1重量%以下、より
好ましくはMg(OH)2を95重量%以上含み且つ、
CaO含量1重量%以下、塩素含量0.5重量%以下、
更に好ましくはMg(OH)2を98重量%以上含み且
つ、CaO含量0.1重量%以下、塩素含量0.1重量
%以下の高純度水酸化マグネシウムが適している。
【0038】かかる水酸化マグネシウムの形状は、粒子
状、フレ−ク状、繊維状いずれでもよいが分散性などの
観点から粒子状、フレ−ク状が最も好適である。また比
表面積は15m2/g以下、更には10m2/g以下であ
ることが、水酸化マグネシウムの分散性、耐トラッキン
グ性向上効果、機械的強度などの点から好ましい。粒子
状、フレ−ク状の場合その平均粒径は0.3〜10μ
m、好ましくは0.3〜2μmの範囲のものが耐トラッ
キング性向上効果、機械的強度、溶融粘性のバランス上
適している。また繊維状を用いる場合、平均繊維径が
0.1〜2μmでアスペクト比20〜60、好ましくは
平均繊維径0.3〜2μmでアスペクト比30〜50の
範囲のものが適当である。
【0039】この(D)水酸化マグネシウムを、ビニル
トリエトキシシラン、ビニルトリクロロシランなどのビ
ニルシラン化合物、γ−グリシドキシプロピルトリメト
キシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシ
シラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシランなどのエポキシシラン化合物、γ
−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキ
シシラン、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルト
リメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシ
ランなどのアミノシラン化合物、ステアリン酸、オレイ
ン酸、モンタン酸、ステアリルアルコールなどの長鎖脂
肪酸または長鎖脂肪族アルコールで表面処理して使用す
ることは好ましく、特にエポキシシラン化合物、アミノ
シラン化合物で表面処理した(D)水酸化マグネシウム
の適用は耐トラッキング性向上効果、機械的強度の点で
好適である。
【0040】かかる(D)タルク及び/または水酸化マ
グネシウムの配合量は、(A)ポリフェニレンスルフィ
ド樹脂あるいは(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂と
(C)ポリフェニレンスルフィド樹脂以外の樹脂からな
る樹脂成分100重量部に対し5〜275重量部の範囲
が選択され、10〜100重量部の範囲がより好まし
い。但し耐トラッキング性及び強度、流動性とのバラン
スから本発明の組成物は、(B)カオリン及び(C)タ
ルク及び/または水酸化マグネシウムの合計量は、樹脂
成分100重量部に対し30〜300重量部の範囲であ
ることが好ましい。
【0041】本発明において、(E)カオリン、タル
ク、水酸化マグネシウム以外の充填材を配合することは
強度向上などの点で好ましい。かかる充填材としては繊
維状、非繊維状のいずれも使用可能であり、かかる充填
材の具体例としては、ガラス繊維、ガラスミルドファイ
バー、炭素繊維、チタン酸カリウィスカ、酸化亜鉛ウィ
スカ、硼酸アルミウィスカ、アラミド繊維、アルミナ繊
維、炭化珪素繊維、セラミック繊維、アスベスト繊維、
石コウ繊維、金属繊維などの繊維状充填材、ワラステナ
イト、ゼオライト、セリサイト、マイカ、クレー、パイ
ロフィライト、ベントナイト、アスベスト、アルミナシ
リケートなどの珪酸塩、アルミナ、酸化珪素、酸化マグ
ネシウム、酸化ジルコニウム、酸化チタン、酸化鉄など
の金属化合物、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ド
ロマイトなどの炭酸塩、硫酸カルシウム、硫酸バリウム
などの硫酸塩、水酸化カルシウム、水酸化アルミニウム
などの水酸化物、ガラスビーズ、セラミックビーズ、窒
化ホウ素、炭化珪素およびシリカなどの非繊維状充填材
が挙げられ、これらは中空であってもよく、さらにはこ
れら充填材を2種類以上併用することも可能である。ま
た、これら(E)充填材をイソシアネート系化合物、有
機シラン系化合物、有機チタネート系化合物、有機ボラ
ン系化合物、エポキシ化合物などのカップリング剤で予
備処理して使用することは、より優れた機械的強度を得
る意味において好ましい。中でも繊維状充填材が好まし
く、特にガラス繊維、ガラスミルドファイバーが好まし
い。
【0042】かかる(E)充填材を配合する場合の配合
量は(A)PPS樹脂100重量部あるいは(A)ポリ
フェニレンスルフィド樹脂と(C)ポリフェニレンスル
フィド樹脂以外の樹脂からなる樹脂成分100重量部に
対し10〜300重量部の範囲が選択され、特に機械的
強度と溶融流動性のバランスの点から30〜100重量
部の範囲が好ましい。
【0043】本発明において、より優れた強度向上効果
を得るために、(F)エポキシ基、アミノ基、イソシア
ネート基、水酸基、メルカプト基、ウレイド基の中から
選ばれた少なくとも1種の官能基を有するアルコキシシ
ラン化合物を配合することは有効である。かかるアルコ
キシシラン化合物の具体例としては、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピ
ルトリエトキシシシラン、β−(3,4−エポキシシク
ロヘキシル)エチルトリメトキシシランなどのエポキシ
基含有アルコキシシラン化合物、γ−メルカプトプロピ
ルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエ
トキシシランなどのメルカプト基含有アルコキシシラン
化合物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ
−ウレイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−
ウレイドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランな
どのウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソ
シアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナ
トプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロ
ピルメチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピ
ルメチルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピル
エチルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエ
チルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリ
クロロシランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラ
ン化合物、γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)アミ
ノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルト
リメトキシシランなどのアミノ基含有アルコキシシラン
化合物、γ−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、
γ−ヒドロキシプロピルトリエトキシシランなどの水酸
基含有アルコキシシラン化合物などなどが挙げられ、中
でもγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ
−グリシドキシプロピルトリエトキシシシラン、β−
(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキ
シシランなどのエポキシ基含有アルコキシシラン化合
物、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ−ウ
レイドプロピルトリメトキシシシラン、γ−(2−ウレ
イドエチル)アミノプロピルトリメトキシシランなどの
ウレイド基含有アルコキシシラン化合物、γ−(2−ア
ミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、
γ−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシ
シラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシランなどの
アミノ基含有アルコキシシラン化合物、γ−イソシアナ
トプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロ
ピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメ
チルジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルメチ
ルジエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチル
ジメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルエチルジ
エトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリクロロ
シランなどのイソシアナト基含有アルコキシシラン化合
物が特に好ましい。
【0044】かかる(F)アルコキシシラン化合物は、
より優れた機械的強度得るために用いられ、その添加量
は(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂あるいは(A)
ポリフェニレンスルフィド樹脂と(C)ポリフェニレン
スルフィド樹脂以外の樹脂からなる樹脂成分100重量
部に対して、0.05〜5重量部の範囲が選択され、
0.1〜3重量部の範囲がより好ましく選択される。
【0045】また本発明においては、(A)PPS樹脂
の一部を(C)PPS樹脂以外の樹脂に置き換え、ベー
ス樹脂として(C)PPS樹脂以外の樹脂と(A)PP
S樹脂とを併用した樹脂成分を用いることも、耐トラッ
キング性と溶融粘度のバランスに優れた樹脂組成物を得
る上で有効である。かかる(C)PPS樹脂以外の樹脂
の具体例としては、ポリエステル、ポリスルホン、四フ
ッ化ポリエチレンなどのフッ素系樹脂、ポリエーテルイ
ミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリイミド、ポ
リカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエーテル
ケトン、ポリチオエーテルケトン、ポリエーテルエーテ
ルケトン、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレ
ン、ポリスチレン、ポリプロピレン、エチレンープロピ
レン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体、ABS
樹脂、ポリアミドエラストマ、ポリエステルエラスト
マ、ポリアルキレンオキサイド、あるいは酸無水物基、
カルボキシル基、カルボン酸塩、エポキシ基等を含有す
るオレフィン系共重合体等が挙げられ、中でもナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、ナイロン11、ナ
イロン12、ナイロン46などのポリアミド樹脂、ポリ
エチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、エチレン−
プロピレン共重合体、エチレン−ブテン−1共重合体及
び酸無水物基、カルボキシル基、カルボン酸塩、エポキ
シ基等を含有するオレフィン系共重合体などのポリオレ
フィン類、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロト
リフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリフッ
化ビニル、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプ
ロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/パ−フル
オロアルキルビニルエ−テル共重合体、テトラフルオロ
エチレン/エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン
/ヘキサフルオロプロピレン/パ−フルオロアルキルビ
ニルエ−テル共重合体、テトラフルオロエチレン/ヘキ
サフルオロプロピレン/フッ化ビニリデン共重合体、ク
ロロトリフルオロエチレン/エチレン共重合体、クロロ
トリフルオロエチレン/フッ化ビニリデン共重合体、フ
ッ化ビニリデン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、
フッ素化エチレン/プロピレン共重合体等のフッ素系樹
脂が特に好適に用いられる。
【0046】かかる(C)PPS樹脂以外の樹脂の含有
量は、(A)成分と(C)成分からなる樹脂成分100
重量%中、(A)PPS樹脂99.5重量%〜50重量
%に対し、(C)PPS樹脂以外の樹脂成分0.5〜5
0重量%の範囲であり、好ましくは(A)PPS樹脂9
9.5重量%〜70重量%に対し、0.5〜30重量%
の範囲が選択される。
【0047】本発明のPPS樹脂組成物には本発明の効
果を損なわない範囲において、ポリアルキレンオキサイ
ドオリゴマ系化合物、チオエーテル系化合物、エステル
系化合物、有機リン化合物などの可塑剤、タルク、有機
リン化合物、ポリエーテルエーテルケトンなどの結晶核
剤、次亜リン酸塩などの着色防止剤、酸化防止剤、熱安
定剤、滑剤、離型剤、結晶化促進剤、紫外線防止剤、着
色剤、難燃剤、発泡剤などの通常の添加剤を添加するこ
とができる。
【0048】本発明のPPS樹脂組成物の調製方法は特
に制限はないが、原料の混合物を単軸あるいは2軸の押
出機、バンバリーミキサー、ニーダーおよびミキシング
ロールなど通常公知の溶融混合機に供給して280〜3
80℃の温度で混練する方法などを代表例として挙げる
ことができる。原料の混合順序にも特に制限はなく、全
ての原材料を配合後上記の方法により溶融混練する方
法、一部の原材料を配合後上記の方法により溶融混練し
更に残りの原材料を配合し溶融混練する方法、あるいは
一部の原材料を配合後単軸あるいは2軸の押出機により
溶融混練中にサイドフィーダーを用いて残りの原材料を
混合する方法など、いずれの方法を用いてもよい。ま
た、少量添加剤成分については、他の成分を上記の方法
などで混練しペレット化した後、成形前に添加して成形
に供することももちろん可能である。
【0049】本発明により得られるPPS樹脂組成物
は、PPS樹脂組成物の本来有する熱安定性、溶融流動
性、機械的強度、電気絶縁性、低吸水性を大きく損なう
ことなく、耐トラッキング性の向上という従来のPPS
樹脂に不足していた新たな特性が付与された樹脂組成物
である。本発明により、多くの場合、比較トラッキング
指数が280V以上のPPS樹脂組成物を得ることが可
能であり、350V以上は、更には500V以上のPP
S樹脂組成物を得ることも可能である。
【0050】かくして得られたPPS樹脂組成物は、射
出成形、押出成形、圧縮成形、吹込成形、射出圧縮成形
など各種公知の成形法への適用が可能であるが、特に射
出成形には好適な樹脂組成物である。本発明のPPS樹
脂組成物の成形体は、発電機、電動機、変圧器、変流
器、電圧調整器、整流器、インバ−タ−、継電器、電力
用接点、開閉器、機遮断機、ナイフスイッチ、他極ロッ
ド、電気部品キャビネットなどの電気機器部品用途に特
に適している他、センサー、LEDランプ、コネクタ
ー、ソケット、抵抗器、リレーケース、小型スイッチ、
コイルボビン、コンデンサー、バリコンケース、光ピッ
クアップ、発振子、各種端子板、変成器、プラグ、プリ
ント基板、チューナー、スピーカー、マイクロフォン、
ヘッドフォン、小型モーター、磁気ヘッドベース、パワ
ーモジュール、半導体、液晶、FDDキャリッジ、FD
Dシャーシ、モーターブラッシュホルダー、パラボラア
ンテナ、コンピューター関連部品等に代表される電子部
品;VTR部品、テレビ部品、アイロン、ヘアードライ
ヤー、炊飯器部品、電子レンジ部品、音響部品、オーデ
ィオ・レーザーディスク・コンパクトディスク等の音声
機器部品、照明部品、冷蔵庫部品、エアコン部品、タイ
プライター部品、ワードプロセッサー部品等に代表され
る家庭、事務電気製品部品;オフィスコンピューター関
連部品、電話器関連部品、ファクシミリ関連部品、複写
機関連部品、洗浄用治具、モーター部品、ライター、タ
イプライターなどに代表される機械関連部品:顕微鏡、
双眼鏡、カメラ、時計等に代表される光学機器、精密機
械関連部品;オルタネーターターミナル、オルタネータ
ーコネクター,ICレギュレーター、ライトディヤー用
ポテンシオメーターベース、排気ガスバルブ等の各種バ
ルブ、燃料関係・排気系・吸気系各種パイプ、エアーイ
ンテークノズルスノーケル、インテークマニホールド、
燃料ポンプ、エンジン冷却水ジョイント、キャブレター
メインボディー、キャブレタースペーサー、排気ガスセ
ンサー、冷却水センサー、油温センサー、ブレーキパッ
トウェアーセンサー、スロットルポジションセンサー、
クランクシャフトポジションセンサー、エアーフローメ
ーター、ブレーキパッド摩耗センサー、エアコン用サー
モスタットベース、暖房温風フローコントロールバル
ブ、ラジエーターモーター用ブラッシュホルダー、ウォ
ーターポンプインペラー、タービンベイン、ワイパーモ
ーター関係部品、デュストリビューター、スタータース
イッチ、スターターリレー、トランスミッション用ワイ
ヤーハーネス、ウィンドウォッシャーノズル、エアコン
パネルスイッチ基板、燃料関係電磁気弁用コイル、ヒュ
ーズ用コネクター、ホーンターミナル、電装部品絶縁
板、ステップモーターローター、ランプソケット、ラン
プリフレクター、ランプハウジング、ブレーキピスト
ン、ソレノイドボビン、エンジンオイルフィルター、点
火装置ケース等の自動車・車両関連部品等々、各種用途
に適用できる。
【0051】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に詳細に説
明する。
【0052】実施例、比較例に示した、耐トラッキング
性、曲げ強度は以下の方法に従って測定した。
【0053】(1)耐トラッキング試験:ASTM1号
試験片(射出成形品)を用い、IEC112法(A液)
に従って比較トラッキング指数(CTI)を測定した。
【0054】(2)曲げ強度:ASTM D790に従
った。
【0055】(3)成形下限圧力:上記耐トラッキング
試験用試験片及び曲げ強度測定用試験片を射出成形する
際に、該成形片を完全に充填するのに要する最低射出圧
力を読みとった。この値が小さい程溶融流動性に優れる
ことを示す。
【0056】(4)カオリンの加熱時重量減少率の測
定:セイコー電子工業(株)製TG/DTA200シス
テムを用い、昇温速度20℃/分、空気流量50ml/
分の条件下、室温から750℃までの重量減少率を測定
した。
【0057】参考例1(PPS樹脂の重合) A−1 攪拌機付きオートクレーブに硫化ナトリウム・9水塩
6.005kg(25モル)、酢酸ナトリウム0.61
5kg(7.5モル)およびN−メチル−2−ピロリド
ン(以下NMPと略す)5kgを仕込み、窒素を通じな
がら徐々に205℃まで昇温し、水3.6リットルを留
出した。次に反応容器を180℃に冷却後、1,4−ジ
クロロベンゼン3.734kg(25.4モル)ならび
にNMP3.7kgを加えて、窒素下に密閉し、272
℃まで昇温後、272℃で1時間反応した。その後、反
応液を冷却コンデンサーの付いた250℃に加熱保温さ
れた攪拌そうにフラッシュさせ、PPSと塩類の混合粉
末を得た。これを70℃のイオン交換水15リットルで
スラリー化し、遠心分離器で濾過した。得られたケー
ク、イオン交換水15リットルおよび氷酢酸13mlを
攪拌機付きのオートクレーブに仕込み、窒素ガス下に密
閉し、190℃に加熱昇温し、190℃に到達後70℃
まで冷却した。得られたスラリーを遠心分離器で濾過
し、これを80℃のイオン交換水で洗浄し、真空乾燥し
て溶融粘度550ポイズのPPS(A−1)を得た。
【0058】A−2 上記PPS(A−1)を220℃、空気中で加熱処理を
行い、溶融粘度1030ポイズのPPS(A−2)を得
た。
【0059】参考例2(その他の配合物) (B)カオリン B−1:未焼成カオリン、pH3.5〜5.0、平均粒
子径4.8μm、重量減少率 13.3重量%、
Al23 38.8%。
【0060】B−2:焼成カオリン、pH8.5〜9.
5、平均粒径1.4μm、重量減少率1. 1重
量%、Al23 44.6% (C)PPS以外の樹脂成分 C−1:ナイロン6、相対粘度2.7(98%濃硫酸
中、ポリマー濃度1wt%、2 5℃で測定) C−2:高密度ポリエチレン、メルトフローインデック
ス(D1238)13g/1 0分、密度0.9
65 (D)タルク、水酸化マグネシウム D−1:タルク D−2:水酸化マグネシウム、協和化学工業社製”キス
マ”5EU (E)充填材 E−1:平均繊維径13μmのEガラス繊維。
【0061】E−2:炭酸カルシウム (F)アルコキシシラン化合物 F−1:β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチ
ルトリメトキシシラン
【0062】実施例1〜8 表1に示す各成分を表1に示す割合でドライブレンドし
た後、280〜320℃の温度条件に設定したスクリュ
ー式単軸押出機により溶融混練後ペレタイズした。得ら
れたペレットを用い耐トラッキング性および曲げ強度測
定試験片を成形し、成形下限圧力を測定した。得られた
試験片について測定したCTI、曲げ強度を表1に示
す。
【0063】実施例1と2の比較から判るように、未焼
成カオリンを用いた方が、焼成カオリンを用いるより高
いCTI値が得られる。また溶融粘度の高いPPS樹脂
(A−2)を用いると、耐トラッキング性、強度的には
ほぼ同レベルであり、むしろ溶融流動性の悪化を引き起
こす。
【0064】比較例1 カオリンを用いないこと以外は実施例1と同様にして溶
融混練、ペレタイズ、各物性測定を行った。結果を表1
に示す。
【0065】比較例2 カオリンの替わりに炭酸カルシウムを用いたこと以外は
実施例1と同様にして溶融混練、ペレタイズ、各物性測
定を行った。結果を表1に示す。
【0066】比較例1、2いずれの場合も耐トラッキン
グ性が不十分であり、カオリンの配合効果は明らかであ
る。
【0067】
【表1】
【0068】
【発明の効果】本発明は、耐トラッキング性などの電気
特性に優れたポリフェニレンスルフィド樹脂組成物及び
射出成形体に関するものであり、電気、電子部品、ある
いは自動車電装部品などの電気部品用途に特に有用に適
用されるほか、種々の広い分野に適用される。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂10
    0重量部に対し(B)カオリンを15〜300重量部を
    含有するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  2. 【請求項2】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂9
    9.5〜50重量%と(C)ポリフェニレンスルフィド
    樹脂以外の樹脂0.5〜50重量%からなる樹脂成分1
    00重量部に対し、(B)カオリンを15〜300重量
    部を含有するポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  3. 【請求項3】(B)カオリンが、室温から750℃まで
    昇温させた際の(空気気流下、昇温速度20℃/分)、
    重量減少率が3重量%以上のカオリンである請求項1ま
    たは2記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  4. 【請求項4】(B)カオリンが、室温から750℃まで
    昇温させた際の(空気気流下、昇温速度20℃/分)、
    重量減少率が8重量%以上のカオリンである請求項1〜
    3のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】(B)カオリン中のアルミニウム含有量が
    Al23換算で、35〜42%であるカオリンである請
    求項1〜4のいずれか記載のポリフェニレンスルフィド
    樹脂組成物。
  6. 【請求項6】更に(D)タルク及び/または水酸化マグ
    ネシウムを樹脂成分100重量部に対し、5〜275重
    量部配合した組成物であって、且つ(B)カオリン及び
    (C)タルク及び/または水酸化マグネシウムの合計量
    が、樹脂成分100重量部に対し30〜300重量部の
    範囲である請求項1〜5のいずれか記載のポリフェニレ
    ンスルフィド樹脂組成物。
  7. 【請求項7】更に(E)カオリン、タルク、水酸化マグ
    ネシウム以外の充填材を、樹脂成分100重量部に対
    し、10〜300重量部を含有する請求項1〜6のいず
    れか記載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  8. 【請求項8】(A)ポリフェニレンスルフィド樹脂が、
    その溶融粘度(310℃、せん断速度1000/秒)が
    1000ポイズ以下のポリフェニレンスルフィド樹脂で
    ある請求項1〜7のいずれか記載のポリフェニレンスル
    フィド樹脂組成物。
  9. 【請求項9】更に(F)エポキシ基、アミノ基、イソシ
    アネート基、水酸基、メルカプト基、ウレイド基の中か
    ら選ばれた少なくとも1種の官能基を有するアルコキシ
    シラン化合物を、樹脂成分100重量部に対して、0.
    05〜5重量部添加してなる請求項1〜8のいずれか記
    載のポリフェニレンスルフィド樹脂組成物。
  10. 【請求項10】比較トラッキンング指数が280V以上
    である請求項1〜9いずれか記載のポリフェニレンスル
    フィド樹脂組成物。
  11. 【請求項11】請求項1〜10いずれかの記載のポリフ
    ェニレンスルフィド樹脂組成物を射出成形して得られる
    電気機器部品用の成形体。
JP9109897A 1997-04-25 1997-04-25 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物 Pending JPH10298430A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9109897A JPH10298430A (ja) 1997-04-25 1997-04-25 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9109897A JPH10298430A (ja) 1997-04-25 1997-04-25 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH10298430A true JPH10298430A (ja) 1998-11-10

Family

ID=14521941

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9109897A Pending JPH10298430A (ja) 1997-04-25 1997-04-25 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH10298430A (ja)

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001057138A1 (en) * 2000-02-01 2001-08-09 Polyplastics Co., Ltd. Reinforced polyarylene sulfide resin composition excellent in tracking resistance
JP2002167510A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Tosoh Corp ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP2002188005A (ja) * 2000-12-20 2002-07-05 Sumitomo Bakelite Co Ltd ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物
WO2002060987A1 (en) * 2001-01-30 2002-08-08 Daikin Industries, Ltd. Molding resin material for jig for electronic-part cleaning and jig for electronic-part cleaning made therefrom
JP2006002105A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Tosoh Corp ポリアリーレンスルフィド組成物及びそれよりなるケース
JP2010043229A (ja) * 2008-08-18 2010-02-25 Idemitsu Kosan Co Ltd 伝熱性樹脂組成物およびその樹脂成形体
WO2013046682A1 (ja) * 2011-09-30 2013-04-04 東レ株式会社 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、その製造方法、およびその成形体
WO2015137228A1 (ja) * 2014-03-10 2015-09-17 Dic株式会社 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、その製造方法および成形体
WO2022113710A1 (ja) * 2020-11-26 2022-06-02 東レ株式会社 ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物および成形品

Cited By (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001057138A1 (en) * 2000-02-01 2001-08-09 Polyplastics Co., Ltd. Reinforced polyarylene sulfide resin composition excellent in tracking resistance
JP2002167510A (ja) * 2000-11-30 2002-06-11 Tosoh Corp ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP2002188005A (ja) * 2000-12-20 2002-07-05 Sumitomo Bakelite Co Ltd ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物
WO2002060987A1 (en) * 2001-01-30 2002-08-08 Daikin Industries, Ltd. Molding resin material for jig for electronic-part cleaning and jig for electronic-part cleaning made therefrom
JP2006002105A (ja) * 2004-06-21 2006-01-05 Tosoh Corp ポリアリーレンスルフィド組成物及びそれよりなるケース
JP2010043229A (ja) * 2008-08-18 2010-02-25 Idemitsu Kosan Co Ltd 伝熱性樹脂組成物およびその樹脂成形体
WO2013046682A1 (ja) * 2011-09-30 2013-04-04 東レ株式会社 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、その製造方法、およびその成形体
JP5273321B1 (ja) * 2011-09-30 2013-08-28 東レ株式会社 ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物、その製造方法、およびその成形体
US9068078B2 (en) 2011-09-30 2015-06-30 Toray Industries, Inc. Polyphenylene sulfide resin composition, production method thereof and molded product thereof
WO2015137228A1 (ja) * 2014-03-10 2015-09-17 Dic株式会社 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、その製造方法および成形体
JPWO2015137228A1 (ja) * 2014-03-10 2017-04-06 Dic株式会社 ポリアリーレンスルフィド樹脂組成物、その製造方法および成形体
WO2022113710A1 (ja) * 2020-11-26 2022-06-02 東レ株式会社 ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物および成形品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3635766B2 (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JPH10298430A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JPH10292114A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP2003268236A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP3823802B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JPH09291213A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP4747424B2 (ja) 高熱伝導性樹脂組成物
JP2003301107A (ja) 樹脂組成物
JP2007262217A (ja) ポリフェニレンサルファイド樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP2000230120A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP4834940B2 (ja) 高誘電性樹脂組成物
JP2003119383A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP2001247768A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP2001031867A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP2001348478A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP2003147200A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP4521803B2 (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物およびそれからなる光ピックアップ部品
JP2003313423A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JPH11269385A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP2003171552A (ja) ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JPH09235468A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP2005290069A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP2000103963A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物
JP2007238693A (ja) ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物の製造方法
JP3627666B2 (ja) 射出成形用ポリフェニレンスルフィド樹脂組成物