JPH10298769A - 金属酸化物前駆体ゾルの製造方法および金属酸化物成形体の製造方法 - Google Patents
金属酸化物前駆体ゾルの製造方法および金属酸化物成形体の製造方法Info
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Abstract
質で、成膜後にゲル膜中に残存する有機物の量が少ない
前駆体ゾルを製造できる方法を提供する。 【解決手段】 金属アルコキシドを加水分解および重合
させる場合に、金属アルコキシドへの水の添加を−20
℃以下の温度で行う。
Description
ックス、プラスチックスなどの表面に金属酸化物の薄
膜、例えばIn2O3−SnO2(ITO)等の透明導電
性薄膜やPb(Zr,Ti)O3等の誘電体薄膜等の機
能性金属酸化物の薄膜などを形成するために用いられる
金属酸化物前駆体ゾルを製造する方法、ならびに、その
金属酸化物前駆体ゾルを用いて金属酸化物の薄膜などの
金属酸化物成形体を製造する方法に関する。
膜を基板の表面に形成するには、金属アルコキシドを原
料として用い、それを加水分解および重合させて基板酸
化物前駆体ゾルを調製し、得られたゾルを基板の表面に
塗布し、基板表面に金属酸化物ゲルの薄膜を形成した
後、そのゲル膜を適当な温度で加熱処理するようにす
る。ところが、一般に、シリコンアルコキシドを除いた
金属アルコキシドでは、その加水分解速度が非常に速い
ため、均質な成膜が可能であるような均質なゾルを調製
することが困難である。そこで、金属アルコキシドの加
水分解速度を抑制するための幾つかの方法が検討されて
いる。
法としては、例えば、金属アルコキシドの濃度を極端に
低くする方法があり、このようにすればゾルの均質な成
膜が可能である。しかしながら、この方法は、1回の成
膜工程で得られる膜の厚みが非常に薄くなるため、工業
的な見地からは有効な方法ではない。また、金属アルコ
キシドの濃度を増加し、かつ、加水分解速度を抑制して
成膜可能なゾルを得る方法として、多座配位可能な有機
化合物を添加して、金属アルコキシドを安定化させる方
法が幾つか提案されている。例えば、アルミニウム-s-
ブトキシドを出発原料としたアルミナ薄膜の形成では、
β−ジケトンが有効であり(日本セラミックス協会学術
論文誌、97、396(1989))、チタンイソプロ
ポキシドを出発原料としたチタニア薄膜の形成では、
1,3−ブタンジオールが有効であり(小柴寿夫、豊橋
技術科学大学博士論文、平成5年3月)、またβ−ジケ
トンが有効である(日本セラミックス協会学術論文誌、
97、213(1989))ことがそれぞれ報告されて
いる。また、ジルコニウム−n−ブトキシドを出発原料
としたジルコニア薄膜の形成では、ジエチレングリコー
ルの使用が有効であることが報告されている(窯業協会
誌、95、942(1987))。さらに、β−ジケト
ンやアルカノールアミンの使用が、PbTiO3やPb
(Zr,Ti)O3などの複合酸化物の合成にも有効で
あるとの報告が、ジャーナル・オブ・アメリカン・セラ
ミックス・ソサイアティ(Journal of Am
erican Ceramics Society)、
74、1407(1991)や日本セラミックス協会学
術論文誌、98、745(1990)に開示されてい
る。
ム(Physics of TinFilm)、5、p
87(1969)、アカデミック・プレス(Acade
mic Press)には、塩化物、硫酸塩、硝酸塩、
アンモニウム塩などの各種無機塩の加水分解およびアク
ア錯体を利用した酸化物膜の製造方法についての報告が
なされている。さらに、日本セラミックス協会学術論文
誌、102、200(1994)には、複合酸化物とし
てのIn2O3−SnO2のゾルの調製のために、金属ア
ルコキシドの代わりに硝酸インジウムと塩化錫とを使用
することが示されている。
たように多座配位化合物の添加により金属アルコキシド
を安定化させて金属アルコキシドの加水分解速度を抑制
する方法によれば、均質な成膜用ゾルを容易に調製する
ことができるが、ゾルやゲル膜中に高沸点で分解しにく
い有機物が多く共存することになる。この結果、その有
機物の除去のためにゲル膜を500℃程度の高温で加熱
処理することが必要になる。また、ゲル膜中に多くの有
機物が残存するため、ゲル膜を加熱処理すると膜の重量
減少が大きくなる。言い換えると、ゲル膜からの有機物
の除去によって膜中に多くの気孔が生成され、得られた
金属酸化物薄膜の欠陥の原因となる。一方、膜中の気孔
を除去するためには、その薄膜の緻密化のために余分な
エネルギーが必要となってくる。
は、基本的には熱分解法であり、加熱処理後の膜質に多
くの問題を生じることになる。
されたものであり、均質な成膜が可能であるような均質
な金属酸化物前駆体ゾルを調製することができ、かつ、
ゾルや成膜後のゲル膜中に残存する有機物の量が少ない
金属酸化物前駆体ゾルを製造することができる方法を提
供すること、ならびに、金属酸化物前駆体ゾルを用い
て、例えば成膜したときに、ゲル膜に残存する有機物の
量が少なく、このため、有機物除去のために高温でのゲ
ル膜の加熱処理を行う必要が無くて、比較的低温での処
理が可能であり、気泡のない均質な金属酸化物薄膜を形
成することができ、薄膜の緻密化のために余分なエネル
ギーを必要とすることもない金属酸化物成形体を製造す
ることができる方法を提供することを目的とする。
1種もしくは2種以上の金属アルコキシドを加水分解お
よび重合させて金属酸化物前駆体ゾルを製造する方法に
おいて、前記金属アルコキシドへの水の添加を−20℃
以下の温度で行うことを特徴とする。
造方法において、多座配位化合物を使用しないで金属酸
化物前駆体ゾルを製造することを特徴とする。
金属アルコキシドへの水の添加が−20℃以下という低
温で行われることにより、金属アルコキシドの加水分解
速度が抑制されるので、均質な成膜が可能である均質な
金属酸化物前駆体ゾルを調製することができる。そし
て、請求項2に係る発明の製造方法のように、多座配位
化合物を使用しなくてもよいので、得られた金属酸化物
前駆体ゾルを用いて成膜したときにゲル膜中に残存する
有機物の量は少ない。
求項2記載の製造方法において、金属アルコキシドとし
て、周期律表の第2周期から第6周期までのアルカリ金
属元素、アルカリ土類金属元素および第3B族元素、周
期律表の第3周期から第6周期までの第4B族元素およ
び第5B族元素、遷移金属元素、ならびにランタノイド
元素からなる群より選ばれた元素の、1種の金属アルコ
キシド、2種以上の金属アルコキシドの組合せ、2種以
上の金属アルコキシド間での反応により得られた複合ア
ルコキシド、または、1種もしくは2種以上の金属アル
コキシドと1種もしくは2種以上の金属塩との反応によ
り得られた複合アルコキシドを用いることを特徴とす
る。
求項3のいずれかに記載の製造方法において、金属酸化
物がIn2O3、SnO2またはIn2O3−SnO2である
ことを特徴とする。
求項3のいずれかに記載の製造方法において、金属酸化
物がペロブスカイト型構造を有する複合酸化物であるこ
とを特徴とする。
求項5のいずれかに記載の製造方法において、金属アル
コキシドへの水の添加を−50℃〜−80℃の温度範囲
で行うことを特徴とする。
求項6のいずれかに記載の製造方法によって得られた金
属酸化物前駆体ゾルを用いて金属酸化物成形体を製造す
ることを特徴とする。
造方法において、金属酸化物前駆体ゾルを被塗布物の表
面に塗布して、被塗布物表面に金属酸化物ゲルの薄膜を
形成した後、その薄膜を形成している金属酸化物ゲルを
結晶化させて、被塗布物表面に金属酸化物の薄膜を形成
することを特徴とする。
請求項1に係る発明の製造方法によって得られた均質な
金属酸化物前駆体ゾルを、例えば請求項8に係る発明の
製造方法のように、被塗布物の表面に塗布して金属酸化
物ゲルの薄膜を形成するので、そのゲル膜中には、残存
有機物量が少ない。このため、有機物除去のために高温
でのゲル膜の加熱処理を行う必要がなく、また、金属酸
化物ゲルを結晶化させることにより、気泡の無い均質な
金属酸化物の薄膜が得られる。
造方法において、金属酸化物前駆体ゾルの溶剤を減圧下
で除去して、高粘度のゾルを調製し、そのゾルを紡糸し
て金属酸化物ゲルのファイバーを形成した後、そのファ
イバーを形成している金属酸化物ゲルを結晶化させて、
金属酸化物のファイバーを形成することを特徴とする。
について説明する。この発明に係る金属酸化物前駆体ゾ
ルの製造方法では、1種もしくは2種以上の金属アルコ
キシドを出発原料とし、その金属アルコキシドに水を−
20℃以下の温度で添加して、金属アルコキシドを加水
分解および重合させる。
属アルコキシドの安定性に依存するものであり、−20
℃以下の温度であればよいが、金属アルコキシドの種類
によっては、金属アルコキシドへの水の添加を−50℃
〜−80℃の温度範囲で行うことがより好ましい。−2
0℃以下といった低温で水の添加を行うことにより、金
属アルコキシドへ多座配位化合物を添加して金属アルコ
キシドを安定させるようにしなくても、金属アルコキシ
ドが高濃度で加水分解・重合反応を行うことが可能とな
り、多座配位化合物などの不要な有機物を含有しない高
濃度の金属酸化物前駆体ゾルを得ることができる。この
結果、その金属酸化物前駆体ゾルを用いると、有機物含
有量の少ないゲル膜、ゲルファイバー、バルクゲルなど
が得られ、加熱処理などによりそれらのゲルから有機物
を脱離させたときに、得られた成形体における微細組織
の破壊や残留気孔量を低減させることができる。
期律表の第2周期から第6周期までのアルカリ金属元
素、アルカリ土類金属元素および第3B族元素、周期律
表の第3周期から第6周期までの第4B族元素および第
5B族元素、遷移金属元素、ならびにランタノイド元素
からなる群より選ばれた元素の、1種の金属アルコキシ
ド、あるいは、2種以上の金属アルコキシドの組合せで
あればよく、特に限定されるものではない。また、前記
元素の、2種以上の金属アルコキシド間での反応により
得られた複合アルコキシド、あるいは、1種もしくは2
種以上の金属アルコキシドと1種もしくは2種以上の金
属塩との反応により得られた複合アルコキシドであって
もよい。さらには、これらを組み合わせて使用すること
も可能である。
より得られる複合アルコキシドとしては、アルカリ金属
またはアルカリ土類金属のアルコキシドと遷移金属のア
ルコキシドとの反応により得られた複合アルコキシド
や、第3B族元素の組合せにより得られる錯塩としての
複合アルコキシドが用いられる。例えば、BaTi(O
R)6、SrTi(OR)6、BaZr(OR)6、Sr
Zr(OR)6、LiNb(OR)6、LiTa(OR)
6、および、これらの組合せ、LiVO(OR)4、Mg
Al2(OR)8などがある。また、(RO)3SiOA
l(OR’)2、(RO)3SiOTi(OR’)3、
(RO)3SiOZr(OR’)3、(RO)3SiOB
(OR’)2、(RO)3SiONb(OR’)4、(R
O)3SiOTa(OR’)4などのシリコンアルコキシ
ドとの反応物やその縮重合物も用いられる。ここで、R
およびR’は、アルキル基を示す。また、1種もしくは
2種以上の金属アルコキシドと1種もしくは2種以上の
金属塩との反応により得られる複合アルコキシドとして
は、塩化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩、蟻酸塩、シュウ
酸塩などの金属塩とアルコキシドとの反応により得られ
る化合物が用いられる。
In2O3、SnO2またはIn2O3−SnO2(ITO)
であるような透明導電性材料や、ペロブスカイト型構造
を有する複合酸化物などの誘電性材料である場合に、そ
れらの前駆体ゾルを製造する場合に、この発明に係る製
造方法は有効である。
数は特に限定されないが、含有酸化物濃度、有機物の脱
離の容易さ、入手の容易さなどからは炭素数1〜4がよ
り好ましい。
コキシド原料および加水分解に用いる水がそれぞれ可溶
であって、水を添加する温度で凝固しないものであれ
ば、単一溶剤でも混合溶剤でもよく、特に限定されな
い。例えば、極性溶剤と非極性溶剤との組合せでも構わ
ない。水を添加する温度域での粘度、除去の容易さなど
からは、炭素数1〜3のアルコールであるメタノール、
エタノール、プロパノールが特に好ましい。
ためには、金属アルコキシドと直接結合する多座配位化
合物は、可能な限りその使用量を抑えることが好まし
い。むしろ逆に、この発明に係る方法によれば、多座配
位化合物を用いなくても金属酸化物前駆体ゾルを調製す
ることも可能である。一方、配位可能な官能基を複数有
するRCONR’(R、R’は水素またはアルキル基)
で表される酸アミドなどは、アルコキシル基との置換に
よる結合を形成しないので、水の添加温度で凝固せず、
揮発による除去が容易であれば、その使用は差し支えな
い。
金属元素の種類やアルコキシル基の種類によって異なる
ため、特定することはできない。また、金属元素の種類
によってはゾルの最適安定pH値が異なるので、触媒と
して酸または塩基が適宜併用される。使用する触媒は特
に限定されないが、高純度材料を得るためには、金属成
分を含まない化合物が好ましい。例えば、酸としては、
塩酸、硝酸、硫酸、燐酸などの鉱酸、炭酸、ほう酸、蟻
酸、酢酸、シュウ酸などの有機酸が用いられる。また、
塩基としては、アンモニア、アミン類などが用いられ
る。
形方法の違いにより、バルク、ファイバー、薄膜など、
様々な形態のゲルとすることが可能である。特に、金属
酸化物ゲルの薄膜を形成して、機能性金属酸化物の薄膜
を形成する場合に、この発明に係る製造方法は有効であ
る。
ゾル液を用いた成形方法として実施可能な方法であれば
よい。例えば、バルク体は、ゲル化に必要である量の水
を金属アルコキシドに添加した後、容器中にキャスト
し、室温または使用した溶剤の沸点以下の温度で放置す
ることにより得られる。また、ファイバー体は、金属ア
ルコキシドに水を添加した後、溶剤を部分的に除去して
粘度の調整を行ってから、高粘度のゾルを洩糸(紡糸)
することにより得られる。薄膜は、ゾル液を、成膜した
い基体上に塗布することにより得られる。塗布の方法と
して、ディップコート、スピンコート、フローコートな
ど、一般に実施されている方法を利用することができ
る。
化物ゲルの成形体は、加熱処理、紫外光等の光照射な
ど、目的に応じた処理を施すことにより、機能性酸化物
成形体となる。
ル法を利用して金属酸化物成形体を製造する方法におい
ては、前駆体ゾルの安定性と成膜性などの成形性とが非
常に重要である。一般に、ゾルの安定性を向上させるた
めに、金属アルコキシドの重合度を大きくすること(ゾ
ル化の段階では、金属アルコキシド分子の会合ではなく
てM−O−M(金属−酸素−金属)結合を有する無機ポ
リマーが生成されている)や、多座配位化合物を添加す
る方法が有効である。しかし、シリコンアルコキシドを
除いた金属アルコキシドの、水に対する安定性は非常に
低いため、従来の方法では、均質なゾルを得ることが非
常に難しかった。一方、多座配位化合物を添加すれば容
易に安定なゾルを得ることが可能であるが、ゾルおよび
ゲル中に多くの残留有機物を含むことになり、最終的な
無機化の過程で、ゲル中から残留有機物を除去する必要
がある。その残留有機物の除去に伴い、成形体における
組織の破壊や気孔の生成によって微細組織が悪化し、そ
の微細組織を改善するためには、加熱処理などに必要以
上のエネルギーを要することとなる。これに対し、上記
したこの発明に係る方法によれば、余分な多座配位化合
物を添加することなく、水の添加後における金属アルコ
キシドの加水分解・重合反応を抑制することができ、高
濃度の安定な金属酸化物前駆体ゾルを得ることが可能に
なる。そして、得られたゲル中の残留有機物の量は少な
く、低エネルギーの後処理により、目的とする機能性材
料を得ることができる。
て説明する。 [金属酸化物前駆体ゾルの調製] 〈実施例1〜14〉インジウムアルコキシドを、In2
O3の固形分濃度が15重量%となるようにエタノール
に添加した。また、インジウムアルコキシド溶液に添加
したときにIn2O3の固形分濃度が10重量%となるよ
うに、蒸留水−エタノール混合液を調製した。インジウ
ムアルコキシド溶液および蒸留水−エタノール混合液を
冷媒中で所定の温度まで冷却した後、両液を混合させ、
その後に液を室温に戻した。これにより、均質なIn2
O3前駆体ゾルを得た。配合割合および合成条件を表1
に、後述する比較例1〜3も併せまとめて示す。表1
中、「水」の「添加量」の欄には、H2O/Inのモル
比を示しており、「水」の「pH」は、塩酸(HCl)
により調整した。また、表1中の「ゾルの状態」の欄の
「〇」は、透明な均質ゾルが調製されたことを示してい
る。
ムを、In2O3の固形分濃度が5重量%となるようにエ
タノールに添加した。また、トリ−s−ブトキシインジ
ウム溶液に添加したときにIn2O3の固形分濃度が2.
5重量%となるように、1N塩酸−エタノール混合液
(H2O/Inのモル比は0.6)を調製した。1N塩
酸−エタノール混合液を室温でインジウムアルコキシド
溶液に添加した。
ムを、In2O3の固形分濃度が5重量%となるように2
−ブタノールに添加した。また、トリ−t−ブトキシイ
ンジウム溶液に添加したときにIn2O3の固形分濃度が
2.5重量%となるように、1N塩酸−2−ブタノール
混合液(H2O/Inのモル比は0.6)を調製した。
1N塩酸−2−ブタノール混合液を室温でインジウムア
ルコキシド溶液に添加した。
が添加された個所から局部的に白濁、ゲル化し、均質な
ゾルを得ることができなかった。
ムを2−ブタノールに添加し、さらに、アセチルアセト
ンをインジウムと等モルとなるように添加して、In2
O3の固形分濃度が5重量%となるインジウムアルコキ
シド溶液を調製した。また、インジウムアルコキシド溶
液に添加したときにIn2O3の固形分濃度が2.5重量
%となるように、1N塩酸−2−ブタノール混合液(H
2O/Inのモル比は1)を調製した。1N塩酸−2−
ブタノール混合液を室温でインジウムアルコキシド溶液
に添加した。In2O3の固形分濃度が2.5重量%まで
であるときは、均質な溶液が得られたが、3重量%以上
では部分的に白濁した。
を、錫酸化物の固形分濃度が20重量%となるようにエ
タノールに添加した。また、テトラ-s−ブトキシ錫溶
液に添加したときにSnO2の固形分濃度が10重量%
となるように、1N塩酸−エタノール混合液を調製し
た。錫アルコキシド溶液および1N塩酸−エタノール混
合液を冷媒中で−25℃まで冷却した後、両液を混合さ
せ、その後に液を室温に戻した。これにより、均質なS
nO2前駆体ゾルを得た。
タノールに添加し、その錫アルコキシド溶液に1N塩酸
−エタノール混合液を室温で添加した。この結果、Sn
O2の固形分濃度が2.5重量%以上では、均質なSn
O2前駆体ゾルを得ることができなかった。
シドと錫アルコキシドとを、金属酸化物の固形分濃度が
15重量%となるようにエタノールに添加し、金属アル
コキシドの混合溶液を調製した。また、金属アルコキシ
ドの混合溶液に添加したときに金属酸化物の固形分濃度
が10重量%となるように、蒸留水−エタノール混合液
を調製した。金属アルコキシドの混合溶液および蒸留水
−エタノール混合液を冷媒中で所定の温度まで冷却した
後、両液を混合させ、その後に液を室温に戻した。これ
により、均質なIn2O3−SnO2(ITO)前駆体ゾ
ルを得た。配合割合および合成条件を表2にまとめて示
す。表2中、「水」の「添加量」の欄には、H2O/
(In+Sn)のモル比を示しており、「水」の「p
H」は、塩酸(HCl)により調整した。また、表1中
の「ゾルの状態」の欄の「〇」は、透明な均質ゾルが調
製されたことを示している。
ムとテトラ−s−ブトキシ錫とを、金属酸化物の固形分
濃度が5重量%となるように2−ブタノールに添加し、
金属アルコキシドの混合溶液を調製した。また、金属ア
ルコキシドの混合溶液に添加したときに金属酸化物の固
形分濃度が2.5重量%となるように、1N塩酸−2−
ブタノール混合液(H2O/Inのモル比は0.6)を
調製し、その混合液を金属アルコキシドの混合溶液に添
加した。水(1N塩酸−2−ブタノール混合液)が添加
された個所から局部的に白濁、ゲル化し、均質なゾルを
得ることはできなかった。なお、このときの配合割合お
よび合成条件を表3に、後述する比較例6、7も併せま
とめて示す。表3中、「水」の「添加量」の欄には、H
2O/Inのモル比を示しており、「水」の「pH」
は、塩酸(HCl)により調整した。また、表3中の
「ゾルの状態」の欄の「〇」は、透明な均質ゾルが調製
されたことを示している。
ムとテトラ−s−ブトキシ錫とを、金属酸化物の固形分
濃度が5重量%となるようにN,N−ジメチルホルムア
ミド(DMF)に添加し、金属アルコキシドの混合溶液
を調製した。また、金属アルコキシドの混合溶液に添加
したときに金属酸化物の固形分濃度が2.5重量%とな
るように、1N塩酸−DMF混合液(H2O/(In+
Sn)のモル比は0.6)を調製し、その混合液を金属
アルコキシドの混合溶液に添加した。比較例5と同様
に、水が添加された個所から局部的に白濁、ゲル化し、
均質なゾルを得ることはできなかった。
ムとテトラ−s−ブトキシ錫とを、金属酸化物の固形分
濃度が5重量%となるように2−ブタノールに添加し、
金属アルコキシドの混合溶液を調製した。また、金属ア
ルコキシドの混合溶液に添加したときに金属酸化物の固
形分濃度が2.5重量%となるように、1N塩酸−2−
ブタノール混合液(H2O/(In+Sn)のモル比は
1)を調製した。インジウムアルコキシドおよび錫アル
コキシドと等モルのアセチルアセトンを混合溶液に添加
した後、1N塩酸−2−ブタノール混合液を室温で金属
アルコキシドの混合溶液に添加した。金属酸化物の固形
分濃度が2.5重量%までであるときは、均質な溶液が
得られたが、3重量%以上では部分的に白濁した。
のエタノール溶液に金属バリウムをチタンと等モルだけ
添加し、金属酸化物の固形分濃度が20重量%であるB
a−Ti複合アルコキシドのエタノール溶液を得た。ま
た、複合アルコキシド溶液に添加したときに金属酸化物
の固形分濃度が1.0重量%となるように、蒸留水−エ
タノール混合液を調製した。Ba−Ti複合アルコキシ
ド溶液および蒸留水−エタノール混合液を冷媒中で所定
の温度まで冷却した後、両液を混合させ、その後に液を
室温に戻した。これにより、均質なBaTiO3前駆体
ゾルを得た。配合割合および合成条件を表4に、後述す
る比較例8〜9も併せまとめて示す。表4中、「水」の
「添加量」の欄には、H2O/Tiのモル比を示してお
り、「水」の「pH」は、塩酸(HCl)により調整し
た。また、表4中の「ゾルの状態」の欄の「〇」は、透
明な均質ゾルが調製されたことを示している。
ムアルコキシドに、または金属バリウムを部分的に金属
ストロンチウムに置換した(Ba,Sr)(Zr,T
i)O3ゾルも、上記と同様の方法で得ることができ
た。
ノール溶液に金属バリウムをチタンと等モルだけ添加
し、Ba−Ti複合アルコキシドのエタノール溶液を得
た。エタノールで希釈した1N塩酸(H2O/Tiのモ
ル比は1)をBa−Ti複合アルコキシド溶液に添加し
たが、金属酸化物濃度を0.5重量%にしても、白色沈
殿を生成した。
ンの2−メトキシエタノール溶液に金属バリウムをチタ
ンと等モルだけ添加し、Ba−Ti複合アルコキシドの
2−メトキシエタノール溶液を得た。また、複合アルコ
キシド溶液に添加したときにBaTiO3の固形分濃度
が1重量%となるように、1N塩酸−2−メトキシエタ
ノール混合液(H2O/Tiのモル比は1)を調製し、
その混合液を室温でBa−Ti複合アルコキシド溶液に
添加した。BaTiO3の固形分濃度が1重量%では均
質なゾルが得られたが、酸化物濃度を1重量%より多く
すると、部分的にゲル化や沈殿を生じ、均質なゾルを得
ることができなかった。
タノール溶液に金属バリウムをチタンと等モルだけ添加
し、Ba−Ti複合アルコキシドのエタノール溶液を得
た。また、複合アルコキシド溶液に添加したときにBa
TiO3の固形分濃度が1重量%となるように、1N塩
酸−エタノール混合液(H2O/Tiのモル比は1)を
調製し、複合アルコキシド溶液にチタンアルコキシドの
2倍モルのアセチルアセトンを添加した後、1N塩酸−
エタノール混合液を添加した。これにより、均質なBa
TiO3が得られたが、酸化物濃度を1重量%より多く
すると、部分的にゲル化や沈殿を生じ、均質なゾルを得
ることができなかった。
および/またはジルコニウムアルコキシドのエタノール
溶液に無水酢酸鉛をTi+Zrの量と等モル添加し、エ
タノールの環流温度で24時間反応させ、酸化物濃度が
20重量%であるPb−Zr−Ti複合アルコキシドの
エタノール溶液を得た。また、複合アルコキシド溶液に
添加したときに金属酸化物の固形分濃度が10重量%と
なるように、蒸留水−エタノール混合液を調製した。P
b−Zr−Ti複合アルコキシド溶液および蒸留水−エ
タノール混合液を冷媒中で所定の温度まで冷却した後、
両液を混合させ、室温に戻した。これにより、均質なP
b(Zr,Ti)O3前駆体ゾルを得た。配合割合およ
び合成条件を表5に、後述する比較例11も併せまとめ
て示す。表5中、「水」の「添加量」の欄には、H2O
/(Ti+Zr)のモル比を示しており、「水」の「p
H」は、塩酸(HCl)またはアンモニア(NH3)に
より調整した。また、表1中の「ゾルの状態」の欄の
「〇」は、透明な均質ゾルが調製されたことを示してい
る。
ニウムアルコキシドを部分的または全量、錫アルコキシ
ドまたはゲルマニウムアルコキシドに置き換えても、上
記と同様の方法で均質なゾルを得ることができた。
トラ−n−ブトキシジルコニウム(Zr/Ti=53/
47モル比)のエタノール溶液に無水酢酸鉛をTi+Z
rの量と等モル添加し、エタノールの環流温度で24時
間反応させ、酸化物濃度10重量%であるPb−Zr−
Ti複合アルコキシドのエタノール溶液を得た。エタノ
ールで希釈した1N塩酸(H2O/(Ti+Zr)のモ
ル比は1)をPb−Zr−Ti複合アルコキシド溶液に
添加したが、酸化物濃度を0.5重量%にしても白色沈
殿を生成した。
明に係る製造方法によれば、多座配位化合物などの余分
な有機物を添加しなくても、金属酸化物濃度が10重量
%以上である均質な透明ゾルが得られる。これに対し、
従来の方法では、多座配位化合物を添加することにより
部分的に安定なゾルを調製することが可能となるが、こ
の発明に係る方法によって得られたゾルと比べ、その金
属酸化物濃度がかなり低い。
2系酸化物および一部のペロブスカイト系複合酸化物ゾ
ルの調製方法のみを示したが、この発明に係る製造方法
は、金属アルコキシドを出発原料をする金属酸化物ゾル
の調製に幅広く適用可能であることは言うまでもない。
によれば、様々な形状の金属酸化物前駆体ゾルを得るこ
とが可能である。
水の添加量を1以上とすることにより、透明なIn2O3
ゲル(実施例53)が、また、上記実施例23で説明し
たゾルの調製条件で水の添加量を1以上とすることによ
り、透明なITOゲル(実施例54)が得られた。ま
た、BaTiO3およびPb(Zr,Ti)O3系では、
水の添加量を2以上とすることにより、均質ゲルが得ら
れた。
で溶剤を除去することにより、高粘度のゾルが得られ、
この高粘度のゾルを紡糸することにより、In2O3ファ
イバーを製造することができた(実施例55)。同様の
方法により、ITO、BaTiO3およびPb(Zr,
Ti)O3ファイバーの製造も可能である。
例で得られたIn2O3ゾルおよびITOゾルを、それぞ
れ酸化物濃度が5重量%となるように希釈し、その希釈
されたゾルを1,000rpmの回転数でスピンコート
することにより、シリカ基板上に成膜した。これによ
り、外観上均質なゲル膜が得られた。得られたゲル膜を
加熱処理した後、In2O3膜およびITO膜の膜厚およ
び抵抗値を測定し、評価を行った。膜厚は、段差計を用
いて測定した。抵抗値は、4端子法によりシート抵抗と
して求めた。比較のために、上記した比較例3および比
較例7で得られたゾルを同様の方法で成膜した。得られ
た膜の特性を表6にまとめて示す。
n2O3膜およびITO膜は、比較例のものと比較して膜
厚が厚く、シート抵抗が小さくなっており、また、比抵
抗値も低くなる傾向にある。これは、この発明に係る方
法による膜は、残留有機分が少ないため、膜内部の気孔
などの欠陥が減少した結果と考えられる。
Oゾルを、酸化物濃度が5重量%となるように希釈し、
その希釈されたゾルをディップコートにより成膜し、上
記と同様の評価を行った。得られたゲル膜を400℃で
焼成することにより、膜厚85nm、シート抵抗2.6
×103Ω/□のITO膜が得られた。また、実施例2
1で得られたITOゾルを、酸化物濃度が1重量%とな
るように希釈し、その希釈されたゾルを50mm角のガ
ラス板上にフローコートにより成膜したが、問題無く均
質なITO膜が得られた。
スカイト型酸化物前駆体ゾルを、それぞれ酸化物濃度が
5重量%となるように希釈し、その希釈されたゾルを
1,000rpmの回転数でスピンコートすることによ
り、パイレックスガラス上に成膜した。これにより、外
観上均質なゲル膜が得られた。比較のために、上記した
比較例8および比較例9で得られたゾルを同様の方法で
成膜した。得られたゲル膜を加熱処理した後、膜の結晶
化挙動および結晶化温度での膜厚の評価を行った。得ら
れた膜の特性を表7にまとめて示す。
いて得られた薄膜は、結晶化時の膜厚が比較例のものに
比べて4倍程度厚くなっている。比較例の方法では、安
定なゾルを調製するためには酸化物濃度を高くすること
ができないため、1回の塗布操作によって形成される膜
の厚みが薄く、目的とする程度の膜厚を得るためには多
層塗りが必要である。また、この発明に係る方法による
薄膜は、結晶化温度も、BaTiO3でゾルの調製方法
によって300℃から500℃と、またPZTで400
℃から500℃と低くなっている。
ば、高い酸化物濃度の前駆体ゾルを調製することが可能
となり、各種形状の金属酸化物成形体への応用が可能と
なる。特に、薄膜形成において、従来の方法に比べて厚
いコーティング膜が容易に得られる。また、ゲル中の残
留有機物量が少ないため、結晶化温度も低下する。
種金属酸化物の前駆体ゾルおよび成形体の製造に適用可
能であることは言うまでもない。
ば、高濃度で均質な成膜が可能であるような高濃度かつ
均質で、成膜後のゲル膜中に残存する有機物の量が少な
い金属酸化物前駆体ゾルが得られる。そして、得られた
前駆体ゾルは、各種形状に成形可能であり、特に、金属
酸化物の薄膜の形成に最適であり、この前駆体ゾルから
高品質の金属酸化物薄膜が得られることとなる。
れば、金属酸化物前駆体ゾルをゲル化したときに、ゲル
中に残存する有機物の量が少ないので、有機物除去のた
めに高温での金属酸化物ゲルの加熱処理を行う必要が無
く、このため、比較的低温での処理が可能であり、ま
た、気泡のない均質な金属酸化物薄膜を形成することが
できる。また、得られた金属酸化物成形体は、薄膜など
の緻密化のために余分なエネルギーを必要とすることも
ない。特に、この発明の方法は、金属酸化物の薄膜の形
成に最適であり、高品質の金属酸化物薄膜を得ることが
できる。
Claims (9)
- 【請求項1】 1種もしくは2種以上の金属アルコキシ
ドを加水分解および重合させて金属酸化物前駆体ゾルを
製造する方法において、 前記金属アルコキシドへの水の添加を−20℃以下の温
度で行うことを特徴とする金属酸化物前駆体ゾルの製造
方法。 - 【請求項2】 多座配位化合物を使用しないで金属酸化
物前駆体ゾルが製造される請求項1記載の金属酸化物前
駆体ゾルの製造方法。 - 【請求項3】 金属アルコキシドが、 周期律表の第2周期から第6周期までのアルカリ金属元
素、アルカリ土類金属元素および第3B族元素、周期律
表の第3周期から第6周期までの第4B族元素および第
5B族元素、遷移金属元素、ならびにランタノイド元素
からなる群より選ばれた元素の、1種の金属アルコキシ
ド、2種以上の金属アルコキシドの組合せ、2種以上の
金属アルコキシド間での反応により得られた複合アルコ
キシド、または、1種もしくは2種以上の金属アルコキ
シドと1種もしくは2種以上の金属塩との反応により得
られた複合アルコキシドである請求項1または請求項2
記載の金属酸化物前駆体ゾルの製造方法。 - 【請求項4】 金属酸化物が、In2O3、SnO2また
はIn2O3−SnO2である請求項1ないし請求項3の
いずれかに記載の金属酸化物前駆体ゾルの製造方法。 - 【請求項5】 金属酸化物が、ペロブスカイト型構造を
有する複合酸化物である請求項1ないし請求項3のいず
れかに記載の金属酸化物前駆体ゾルの製造方法。 - 【請求項6】 金属アルコキシドへの水の添加を−50
℃〜−80℃の温度範囲で行う請求項1ないし請求項5
のいずれかに記載の金属酸化物前駆体ゾルの製造方法。 - 【請求項7】 請求項1ないし請求項6のいずれかに記
載の製造方法によって得られた金属酸化物前駆体ゾルを
用いることを特徴とする金属酸化物成形体の製造方法。 - 【請求項8】 金属酸化物前駆体ゾルを被塗布物の表面
に塗布して、被塗布物表面に金属酸化物ゲルの薄膜を形
成した後、その薄膜を形成している金属酸化物ゲルを結
晶化させて、被塗布物表面に金属酸化物の薄膜を形成す
る請求項7記載の金属酸化物成形体の製造方法。 - 【請求項9】 金属酸化物前駆体ゾルの溶剤を減圧下で
除去して、高粘度のゾルを調製し、そのゾルを紡糸して
金属酸化物ゲルのファイバーを形成した後、そのファイ
バーを形成している金属酸化物ゲルを結晶化させて、金
属酸化物のファイバーを形成する請求項7記載の金属酸
化物成形体の製造方法。
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|---|---|---|---|
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| JP11612397A JP4095694B2 (ja) | 1997-04-18 | 1997-04-18 | 金属酸化物前駆体ゾルの製造方法および金属酸化物成形体の製造方法 |
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- 1997-04-18 JP JP11612397A patent/JP4095694B2/ja not_active Expired - Fee Related
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