JPH10309725A - 厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法 - Google Patents
厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法Info
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- JPH10309725A JPH10309725A JP9122395A JP12239597A JPH10309725A JP H10309725 A JPH10309725 A JP H10309725A JP 9122395 A JP9122395 A JP 9122395A JP 12239597 A JP12239597 A JP 12239597A JP H10309725 A JPH10309725 A JP H10309725A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 厚肉ゴム製品の性能を保持した上で、加硫成
形工程の生産性を大幅に向上し得る厚肉複層構造ゴム物
品の加硫成形方法を提供することである。 【解決手段】 比誘電率(ε)と誘電体損失角(tan
δ)との積ε・tanδで表される損失係数の異なる未
加硫ゴム層を1層以上有する複数の未加硫ゴム層を互い
に接合一体化した厚肉複層構造ゴム物品10を、予め高
周波誘電加熱により加熱した後、加硫成形するにあた
り、各未加硫ゴム層のうち、損失係数の値の小さい側の
未加硫ゴム層10−1に、損失係数の大きい未加硫薄肉
ゴム層を1層以上配置して、各未加硫ゴム層10−1、
10−2相互間における損失係数の較差を縮小すること
を特徴とする。
形工程の生産性を大幅に向上し得る厚肉複層構造ゴム物
品の加硫成形方法を提供することである。 【解決手段】 比誘電率(ε)と誘電体損失角(tan
δ)との積ε・tanδで表される損失係数の異なる未
加硫ゴム層を1層以上有する複数の未加硫ゴム層を互い
に接合一体化した厚肉複層構造ゴム物品10を、予め高
周波誘電加熱により加熱した後、加硫成形するにあた
り、各未加硫ゴム層のうち、損失係数の値の小さい側の
未加硫ゴム層10−1に、損失係数の大きい未加硫薄肉
ゴム層を1層以上配置して、各未加硫ゴム層10−1、
10−2相互間における損失係数の較差を縮小すること
を特徴とする。
Description
【発明の属する技術分野】この発明は、比誘電率(ε)
と誘電体損失角(tanδ)との積ε・tanδで表さ
れる損失係数の異なる未加硫ゴム層を1層以上有する複
数の未加硫ゴム層を互いに接合一体化した厚肉複層構造
ゴム物品を高周波誘電加熱により、その後の加硫成形に
対し有利に予備加熱した後、加硫成形する方法に関し、
特に各未加硫ゴム層相互間で損失係数の値に較差を有す
る厚肉複層構造ゴム物品に適合し、その加硫成形後にお
けるゴム製品が所期の十分な性能を発揮すると同時に、
高温短時間による高能率な加硫成形を可能として、この
工程全般にわたる生産性を大幅に向上させることに寄与
する厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法に関する。
と誘電体損失角(tanδ)との積ε・tanδで表さ
れる損失係数の異なる未加硫ゴム層を1層以上有する複
数の未加硫ゴム層を互いに接合一体化した厚肉複層構造
ゴム物品を高周波誘電加熱により、その後の加硫成形に
対し有利に予備加熱した後、加硫成形する方法に関し、
特に各未加硫ゴム層相互間で損失係数の値に較差を有す
る厚肉複層構造ゴム物品に適合し、その加硫成形後にお
けるゴム製品が所期の十分な性能を発揮すると同時に、
高温短時間による高能率な加硫成形を可能として、この
工程全般にわたる生産性を大幅に向上させることに寄与
する厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法に関する。
【従来の技術】厚肉複層構造ゴム物品をその表面部から
の熱伝導のみに依存して加硫成形する従来一般の方法で
は、加熱される表面から内部へ行くに従って、ゴム特有
の著しく小さい熱伝導率のため表面部に比し温度上昇が
大幅に遅れるが、慣例としてこの難昇温部が適正加硫度
(期待し得る最も望ましい物性を示す加硫の度合)に達
するまで加硫成形のための加熱を継続する必要があっ
た。その場合、難昇温部から表面部に向うにつれ次第に
加硫度が増加するので、表面部により近い部分ほど著し
い過加硫状態を示し、これに伴うゴム物性の劣化により
製品性能低下の不利は免れず、またこの性能低下を最小
限に止めるには低温長時間の加硫成形が余儀なくされる
ため生産性が著しく損なわれる問題が生じ、よってこれ
らの同時改善が従来から強く求められてきた。この改善
の最も簡便な手段として、室温よりは高いが加硫温度に
比し大幅に低い雰囲気温度とした予備加熱室内にて、厚
肉複層構造ゴム物品を全体にわたり、ほぼ均一な温度に
達するまで加熱する方法が採られた。しかし、この方法
は、加熱の設定温度を高め過ぎると厚肉複層ゴム物品の
表面部の加硫が進行し過ぎる不具合を招くため低く抑え
る必要があり、その結果、難昇温部を所定の温度レベル
まで高めるには長時間を要するうえ加熱の度合いも低
く、結局、加硫成形工程全般にわたる生産性改善が不十
分となるのは止むを得ず、加えて過加硫問題の解決には
至らなかった。
の熱伝導のみに依存して加硫成形する従来一般の方法で
は、加熱される表面から内部へ行くに従って、ゴム特有
の著しく小さい熱伝導率のため表面部に比し温度上昇が
大幅に遅れるが、慣例としてこの難昇温部が適正加硫度
(期待し得る最も望ましい物性を示す加硫の度合)に達
するまで加硫成形のための加熱を継続する必要があっ
た。その場合、難昇温部から表面部に向うにつれ次第に
加硫度が増加するので、表面部により近い部分ほど著し
い過加硫状態を示し、これに伴うゴム物性の劣化により
製品性能低下の不利は免れず、またこの性能低下を最小
限に止めるには低温長時間の加硫成形が余儀なくされる
ため生産性が著しく損なわれる問題が生じ、よってこれ
らの同時改善が従来から強く求められてきた。この改善
の最も簡便な手段として、室温よりは高いが加硫温度に
比し大幅に低い雰囲気温度とした予備加熱室内にて、厚
肉複層構造ゴム物品を全体にわたり、ほぼ均一な温度に
達するまで加熱する方法が採られた。しかし、この方法
は、加熱の設定温度を高め過ぎると厚肉複層ゴム物品の
表面部の加硫が進行し過ぎる不具合を招くため低く抑え
る必要があり、その結果、難昇温部を所定の温度レベル
まで高めるには長時間を要するうえ加熱の度合いも低
く、結局、加硫成形工程全般にわたる生産性改善が不十
分となるのは止むを得ず、加えて過加硫問題の解決には
至らなかった。
【発明が解決しようとする課題】そこで、さらに一層有
効な方法として高周波誘電加熱、なかでもマイクロ波加
熱が試みられた。しかしこの方法にしても、単一の配合
ゴム組成になる厚肉体の場合又は厚肉複層ゴム物品では
各未加硫ゴム層相互間の配合組成が近似している場合に
限り、この被加熱体回りのマイクロ波電界を均一にする
ことにより、短時間で難昇温部を所望温度まで加熱し得
るに過ぎないという、実用上利用可能なゴム製品が著し
く限定される不利な点を有している。この点は、例えば
フォークリフトなどの使途に適合するソリッドタイヤ用
の厚肉複層ゴム物品のように、その各未加硫ゴム層が各
々異なる要求特性に適合するように配合設計され、各未
加硫ゴム層相互間で配合組成に著しい相違を有する場
合、これに高周波加熱、なかでも加熱効率に優れるマイ
クロ波加熱を施した際、実際上難昇温部の温度が損失係
数の値が高い未加硫ゴム層の、例えば表面部分のそれに
比し大幅に低い結果がもたらされ、引続く加硫成形に不
都合をきたすことにほかならない。なお加硫成形前のタ
イヤにマイクロ波加熱を施す方法として特公昭57−4
2501号公報は、タイヤのトレッドゴムに予めマイク
ロ波加熱を施し加熱した後、組立て成型する点につき開
示しているが、この組立て成型から加硫成形に至る間
に、予備加熱を施さない他の接合部材に対する熱伝導に
より、特にトレッドゴムの他の接合部材との接合面近傍
にて著しく温度が低下し、またこれを回避するため複数
ゴム部材を同時に加熱しようとすれば、その部材数に見
合う台数のマイクロ波加熱装置を必要とするなど、実用
上の大きな不利を伴う。そこで複数種の互いに大きく相
違する配合組成からなる各未加硫ゴム層を含む厚肉複層
ゴム物品に高周波誘電加熱、特にマイクロ波加熱を施し
て、厚肉複層ゴム物品の難昇温部の温度を表面部のそれ
以上の望ましい温度まで高めた後、これを加硫成形する
ことにより、製品がその全体にわたる適正なゴムの加硫
度の下で要求性能に対し充足した所期のゴム物性を発揮
すること並びに加硫成形工程全般にわたる生産性を大幅
に向上させることが可能な厚肉複層構造ゴム物品の加硫
成形方法を提供するのが本発明の目的である。
効な方法として高周波誘電加熱、なかでもマイクロ波加
熱が試みられた。しかしこの方法にしても、単一の配合
ゴム組成になる厚肉体の場合又は厚肉複層ゴム物品では
各未加硫ゴム層相互間の配合組成が近似している場合に
限り、この被加熱体回りのマイクロ波電界を均一にする
ことにより、短時間で難昇温部を所望温度まで加熱し得
るに過ぎないという、実用上利用可能なゴム製品が著し
く限定される不利な点を有している。この点は、例えば
フォークリフトなどの使途に適合するソリッドタイヤ用
の厚肉複層ゴム物品のように、その各未加硫ゴム層が各
々異なる要求特性に適合するように配合設計され、各未
加硫ゴム層相互間で配合組成に著しい相違を有する場
合、これに高周波加熱、なかでも加熱効率に優れるマイ
クロ波加熱を施した際、実際上難昇温部の温度が損失係
数の値が高い未加硫ゴム層の、例えば表面部分のそれに
比し大幅に低い結果がもたらされ、引続く加硫成形に不
都合をきたすことにほかならない。なお加硫成形前のタ
イヤにマイクロ波加熱を施す方法として特公昭57−4
2501号公報は、タイヤのトレッドゴムに予めマイク
ロ波加熱を施し加熱した後、組立て成型する点につき開
示しているが、この組立て成型から加硫成形に至る間
に、予備加熱を施さない他の接合部材に対する熱伝導に
より、特にトレッドゴムの他の接合部材との接合面近傍
にて著しく温度が低下し、またこれを回避するため複数
ゴム部材を同時に加熱しようとすれば、その部材数に見
合う台数のマイクロ波加熱装置を必要とするなど、実用
上の大きな不利を伴う。そこで複数種の互いに大きく相
違する配合組成からなる各未加硫ゴム層を含む厚肉複層
ゴム物品に高周波誘電加熱、特にマイクロ波加熱を施し
て、厚肉複層ゴム物品の難昇温部の温度を表面部のそれ
以上の望ましい温度まで高めた後、これを加硫成形する
ことにより、製品がその全体にわたる適正なゴムの加硫
度の下で要求性能に対し充足した所期のゴム物性を発揮
すること並びに加硫成形工程全般にわたる生産性を大幅
に向上させることが可能な厚肉複層構造ゴム物品の加硫
成形方法を提供するのが本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】各未加硫ゴム層の比誘電
率εと誘電体損失角tanδとの積で表される損失係数
ε・tanδに着目することにより、上記目的を達成す
ることが可能であることを見出して本発明を完成させる
に至った。先に、損失係数の値の小さい未加硫ゴム層に
導電性カーボンブラックを添加して、目的が達成できる
ことを見出した(特開平6−344510号)が、高コ
ストのため使用を制限される場合もあり、本発明は下記
の手段によって、上記目的が達成された。すなわち、
(1)本発明の厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法
は、比誘電率(ε)と誘電体損失角(tanδ)との積
ε・tanδで表される損失係数の異なる未加硫ゴム層
を1層以上有する複数の未加硫ゴム層を互いに接合一体
化した厚肉複層構造ゴム物品を、予め高周波誘電加熱に
より加熱した後、加硫成形するにあたり、各未加硫ゴム
層のうち、損失係数の値の小さい側の未加硫ゴム層に、
損失係数の大きい未加硫薄肉ゴム層を1層以上配置し
て、各未加硫ゴム層相互間における損失係数の較差を縮
小することを特徴とする。 (2)本発明の厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法
は、前(1)項において、前記各未加硫ゴム層のうち、
損失係数の値の大きい側の未加硫ゴム層に、損失係数の
小さい未加硫薄肉ゴム層を1層以上配置して、各未加硫
ゴム層相互間における損失係数の較差を縮小することを
特徴とする。
率εと誘電体損失角tanδとの積で表される損失係数
ε・tanδに着目することにより、上記目的を達成す
ることが可能であることを見出して本発明を完成させる
に至った。先に、損失係数の値の小さい未加硫ゴム層に
導電性カーボンブラックを添加して、目的が達成できる
ことを見出した(特開平6−344510号)が、高コ
ストのため使用を制限される場合もあり、本発明は下記
の手段によって、上記目的が達成された。すなわち、
(1)本発明の厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法
は、比誘電率(ε)と誘電体損失角(tanδ)との積
ε・tanδで表される損失係数の異なる未加硫ゴム層
を1層以上有する複数の未加硫ゴム層を互いに接合一体
化した厚肉複層構造ゴム物品を、予め高周波誘電加熱に
より加熱した後、加硫成形するにあたり、各未加硫ゴム
層のうち、損失係数の値の小さい側の未加硫ゴム層に、
損失係数の大きい未加硫薄肉ゴム層を1層以上配置し
て、各未加硫ゴム層相互間における損失係数の較差を縮
小することを特徴とする。 (2)本発明の厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法
は、前(1)項において、前記各未加硫ゴム層のうち、
損失係数の値の大きい側の未加硫ゴム層に、損失係数の
小さい未加硫薄肉ゴム層を1層以上配置して、各未加硫
ゴム層相互間における損失係数の較差を縮小することを
特徴とする。
【発明の実施の形態】以下この発明を図面に基づき一層
詳細に説明する。図2(a)、(b)は厚肉複層構造ゴ
ム物品の一例として、加硫成形後にソリッドタイヤとな
る環状の厚肉複層ゴム物品10を示し、図2は二種の未
加硫ゴム層を互いに接合一体化した例を示す。なお図2
(a)は厚肉複層ゴム物品10の斜視図を、図2(b)
にはA−A線の断面図を示し、図中Bは難昇温部を表
す。図2において環状の厚肉複層ゴム物品10は、その
半径方向で最も内側の未加硫ゴム層10−1と、このゴ
ムとは配合組成が大幅に相違する最も外側の未加硫ゴム
層10−2とを、互いに接合一体化してなる例である。
図2を例にとれば、上記の厚肉複層ゴム物品10を予め
高周波誘電加熱により加熱し、加硫成形するのに先立
ち、各未加硫ゴム層10−1及び10−2のうち損失係
数ε・tanδの値が小さい未加硫ゴム層、例えば最内
側の未加硫ゴム層10−1に、損失係数の大きい未加硫
薄肉ゴム層を1層以上配置することにより各未加硫ゴム
層10−1及び10−2相互間における損失係数の較差
を縮小する。上記損失係数の小さい側の未加硫ゴム層1
0−1に、損失係数の大きい未加硫薄肉ゴム層を1層以
上配置する場合、高周波誘電加熱により、高損失係数の
薄肉ゴム層を配置した未加硫ゴム層10−1と高損失係
数の未加硫ゴム層10−2の加熱が均一又は均一に近く
なるならば、この配置形態は特に制限されないが、例え
ば低損失係数ゴム層10−1の高損失係数ゴム層10−
2に近い部分に、高損失係数薄肉ゴム層を1層又は多層
配置する形態や低損失係数ゴム層10−1全体にわたっ
て、高損失係数薄肉ゴム層を多層配置する形態等を挙げ
ることができる。かくして各未加硫ゴム層10−1及び
10−2の損失係数の較差を予め縮小した厚肉複層ゴム
物品10としたうえで、これに高周波加熱を施して予備
加熱することにより、厚肉複層ゴム物品10の難昇温部
から表面部に至る全域にわたる各部を所望の温度まで高
めた後、加硫成形を行うものである。なお厚肉複層構造
ゴム物品の予備加熱には、高周波のなかでもマイクロ波
の照射が好ましい。また、高周波により加熱される度合
は後述するように実際上、未加硫ゴムの損失係数に応じ
て定まる。上記は加硫成形によりソリッドタイヤとなる
厚肉複層ゴム物品10を例として説明したが、その他の
厚肉ゴムタイヤ全般及びそれ以外の厚肉ゴム物品におけ
る厚肉複層ゴム物品にも適用することができる。一般に
上記厚肉複層ゴム物品10は、加硫成形後のゴム製品、
例えばタイヤとして各部分が異種の要求性能に対応する
必要上、複数種の未加硫ゴム層10−1及び10−2は
各々配合設計が大きく異なり、従って各未加硫ゴム組成
は互いに大きく相違するのが通例である。また、しばし
ば製造工程に対する配慮からの要求に応えるため同様な
相違が生じる。各未加硫ゴム層10−1及び10−2の
配合組成が大きく相違すれば、高周波電界内における損
失係数ε・tanδの値もまた各未加硫ゴム相互間で大
きな較差が生じるのが通例である。そこで、これらのゴ
ムを互いに接合一体化した厚肉複層ゴム物品10に高周
波、なかでもマイクロ波を照射して加熱すると、マイク
ロ波の電力ロスは厚肉複層ゴム物品10内における損失
係数の値が大きい未加硫ゴム部分に選択的に集中する結
果、この未加硫ゴム部分が主に加熱されて他の部分に比
し著しく高温となる現象を呈する。これは、未加硫ゴム
層10−1及び10−2にて消費するマイクロ波電力ロ
スPが、下記式にて与えられる。
詳細に説明する。図2(a)、(b)は厚肉複層構造ゴ
ム物品の一例として、加硫成形後にソリッドタイヤとな
る環状の厚肉複層ゴム物品10を示し、図2は二種の未
加硫ゴム層を互いに接合一体化した例を示す。なお図2
(a)は厚肉複層ゴム物品10の斜視図を、図2(b)
にはA−A線の断面図を示し、図中Bは難昇温部を表
す。図2において環状の厚肉複層ゴム物品10は、その
半径方向で最も内側の未加硫ゴム層10−1と、このゴ
ムとは配合組成が大幅に相違する最も外側の未加硫ゴム
層10−2とを、互いに接合一体化してなる例である。
図2を例にとれば、上記の厚肉複層ゴム物品10を予め
高周波誘電加熱により加熱し、加硫成形するのに先立
ち、各未加硫ゴム層10−1及び10−2のうち損失係
数ε・tanδの値が小さい未加硫ゴム層、例えば最内
側の未加硫ゴム層10−1に、損失係数の大きい未加硫
薄肉ゴム層を1層以上配置することにより各未加硫ゴム
層10−1及び10−2相互間における損失係数の較差
を縮小する。上記損失係数の小さい側の未加硫ゴム層1
0−1に、損失係数の大きい未加硫薄肉ゴム層を1層以
上配置する場合、高周波誘電加熱により、高損失係数の
薄肉ゴム層を配置した未加硫ゴム層10−1と高損失係
数の未加硫ゴム層10−2の加熱が均一又は均一に近く
なるならば、この配置形態は特に制限されないが、例え
ば低損失係数ゴム層10−1の高損失係数ゴム層10−
2に近い部分に、高損失係数薄肉ゴム層を1層又は多層
配置する形態や低損失係数ゴム層10−1全体にわたっ
て、高損失係数薄肉ゴム層を多層配置する形態等を挙げ
ることができる。かくして各未加硫ゴム層10−1及び
10−2の損失係数の較差を予め縮小した厚肉複層ゴム
物品10としたうえで、これに高周波加熱を施して予備
加熱することにより、厚肉複層ゴム物品10の難昇温部
から表面部に至る全域にわたる各部を所望の温度まで高
めた後、加硫成形を行うものである。なお厚肉複層構造
ゴム物品の予備加熱には、高周波のなかでもマイクロ波
の照射が好ましい。また、高周波により加熱される度合
は後述するように実際上、未加硫ゴムの損失係数に応じ
て定まる。上記は加硫成形によりソリッドタイヤとなる
厚肉複層ゴム物品10を例として説明したが、その他の
厚肉ゴムタイヤ全般及びそれ以外の厚肉ゴム物品におけ
る厚肉複層ゴム物品にも適用することができる。一般に
上記厚肉複層ゴム物品10は、加硫成形後のゴム製品、
例えばタイヤとして各部分が異種の要求性能に対応する
必要上、複数種の未加硫ゴム層10−1及び10−2は
各々配合設計が大きく異なり、従って各未加硫ゴム組成
は互いに大きく相違するのが通例である。また、しばし
ば製造工程に対する配慮からの要求に応えるため同様な
相違が生じる。各未加硫ゴム層10−1及び10−2の
配合組成が大きく相違すれば、高周波電界内における損
失係数ε・tanδの値もまた各未加硫ゴム相互間で大
きな較差が生じるのが通例である。そこで、これらのゴ
ムを互いに接合一体化した厚肉複層ゴム物品10に高周
波、なかでもマイクロ波を照射して加熱すると、マイク
ロ波の電力ロスは厚肉複層ゴム物品10内における損失
係数の値が大きい未加硫ゴム部分に選択的に集中する結
果、この未加硫ゴム部分が主に加熱されて他の部分に比
し著しく高温となる現象を呈する。これは、未加硫ゴム
層10−1及び10−2にて消費するマイクロ波電力ロ
スPが、下記式にて与えられる。
【数1】P=(1/1.8)fv2 ×ε・tanδ×1
0-10 (W/m3 ) (式中、fは発振周波数(Hz)を表し、vは電界の大
きさ(V/m)を表す。) ここに上式の右辺中、発振周波数fは被加熱物である厚
肉複層ゴム物品10に対し最適となるように固定するの
が合理的であり、電界の大きさvについては、厚肉複層
ゴム物品10が各未加硫ゴム層相互間で損失係数の値に
大きな較差を有する場合、過大な加熱部分が生じるうれ
いを回避するため所定の限度以内に抑える必要があり、
結局未加硫ゴム層10−1及び10−2にて消費される
マイクロ波電力ロス、すなわち発生する熱量は損失係数
ε・tanδに比例するからである。上に述べたところ
は、例えば従来の厚肉複層ゴム物品10にマイクロ波加
熱を施した直後における各未加硫ゴム層10−1(例え
ば損失係数0.2)及び10−2(例えば損失係数0.
8)の表面部及び内部の温度を計測した例を図4(2種
の未加硫ゴム使用の場合)に示すとおり、損失係数の値
が大きい未加硫ゴム層10−2の内部温度が他の未加硫
ゴム層10−1に比し著しく高い温度を示すことから明
らかである。よって冒頭で述べた従来のマイクロ波加熱
を可能とする対象が、単一の配合ゴム組成になる厚肉体
又はこれに類似した、各未加硫ゴム相互間の配合組成が
近似した厚肉複合体に限定されるのは上記理由による。
そこで、配合組成が互いに大きく相違する未加硫ゴム層
10−1及び10−2のうち、損失係数の値が小さい未
加硫ゴム組成、例えば未加硫ゴム層10−1に上述した
ように高損失係数の未加硫薄肉ゴム層を1層以上配置す
ることにより、これらの損失係数の値を大きくすること
ができる。これは、実施例にて詳述するように上記従来
例の厚肉複層ゴム物品10の未加硫ゴム層10−1(例
えば損失係数0.2)に前記の高損失係数の未加硫薄肉
ゴム層を1層以上配置することにより、この損失係数の
値が隣接する高損失係数の未加硫ゴム層10−2の損失
係数(例えば平均値として0.8)と同程度まで高まる
ことを見出した結果に基づく知見である。さらに上記の
損失係数の値を例えば0.8程度とした未加硫ゴム層1
0−1と従来例と同じ未加硫ゴム層10−2(例えば損
失係数0.8)との各種厚肉複層ゴム物品10に、従来
例と同一照射条件の下で、高周波誘電加熱、例えばマイ
クロ波加熱を施した直後における計測温度を図5
(a)、(b)、(c)、(d)、図6(e)(実際例
にて詳述する)に示すが、これらは何れも従来例の図4
にて特に難昇温部B又はその近傍部分が示していた低い
温度が、表面部に比し、より高温度を示すまで顕著に上
昇することを表している。なお図4〜図6は、図2
(b)に示す環状厚肉複層ゴム物品10の断面を図で上
下に2分して(w/2)難昇温部Bを通る線上の各点に
て測定した温度をプロットした温度分布グラフを示す。
ここに一般には単一の配合組成になる未加硫ゴムなどの
誘電体に対するマイクロ波の浸透深さは発振周波数fに
反比例するとされているが、この図5、図6に例示する
ような昇温現象は、例えば厚肉体の形状、大きさ、ゴム
配合組成などに応じ難昇温部B近傍にてマイクロ波を重
複作用させ得るようなマイクロ波周波数fを適宜選択す
ることにより得られる。なお図5、図6に示す例ではこ
の周波数fを915MHzとしたものであり、ちなみに
この周波数fを2450MHzとしたところ難昇温部B
の温度が表面部のそれに比し大幅に低い結果を示した。
さらに上述の作用と、例えば低損失係数の未加硫ゴム層
に高損失係数の未加硫薄肉ゴム層の1層以上を適宜組合
わせることにより、厚肉複層ゴム物品10の難昇温部B
から表面部に至る間の温度分布のありさまを所望の形態
とすることが可能となる。かくして厚肉複層ゴム物品1
0の未加硫ゴム層10−1及び10−2相互間における
損失係数の較差を縮小することにより、この厚肉ゴム物
品10に高周波誘電加熱、とりわけマイクロ波加熱を施
した際、難昇温部B及びその近傍を所望の温度まで、表
面部の温度以上に高めることができる。その場合、被加
熱体である厚肉複層ゴム物品10の各未加硫ゴム層の配
合組成、形状、寸法などに応じて、最適なマイクロ波の
周波数fの他に、出力電力又は被加熱体回りの電界の大
きさv、照射時間などの諸条件を設定して予備加熱を実
施するのは勿論であり、かくして準備した厚肉複層ゴム
物品10に、望ましくは引続いて慣例に従い金型を用い
た加硫成形を施せば、高温短時間で厚肉複層ゴム物品1
0の各部における加硫度を適正に保ったゴム製品が得ら
れる。これにより厚肉複層ゴム物品10の加硫成形後に
おけるゴム製品は、その各部に加硫の過不足がなく、し
かも高損失係数又は低損失係数の薄肉ゴム層を積層すれ
ば足りるので要求性能の発揮に適うゴム物性を保持する
ことができる。同時に高温短時間条件下での高能率な加
硫成形が可能となるので、この工程全般にわたる生産性
を大幅に向上することに寄与する。さらにマイクロ波な
どの高周波出力電力を一層高めることも可能となり照射
時間の短縮も可能となる。
0-10 (W/m3 ) (式中、fは発振周波数(Hz)を表し、vは電界の大
きさ(V/m)を表す。) ここに上式の右辺中、発振周波数fは被加熱物である厚
肉複層ゴム物品10に対し最適となるように固定するの
が合理的であり、電界の大きさvについては、厚肉複層
ゴム物品10が各未加硫ゴム層相互間で損失係数の値に
大きな較差を有する場合、過大な加熱部分が生じるうれ
いを回避するため所定の限度以内に抑える必要があり、
結局未加硫ゴム層10−1及び10−2にて消費される
マイクロ波電力ロス、すなわち発生する熱量は損失係数
ε・tanδに比例するからである。上に述べたところ
は、例えば従来の厚肉複層ゴム物品10にマイクロ波加
熱を施した直後における各未加硫ゴム層10−1(例え
ば損失係数0.2)及び10−2(例えば損失係数0.
8)の表面部及び内部の温度を計測した例を図4(2種
の未加硫ゴム使用の場合)に示すとおり、損失係数の値
が大きい未加硫ゴム層10−2の内部温度が他の未加硫
ゴム層10−1に比し著しく高い温度を示すことから明
らかである。よって冒頭で述べた従来のマイクロ波加熱
を可能とする対象が、単一の配合ゴム組成になる厚肉体
又はこれに類似した、各未加硫ゴム相互間の配合組成が
近似した厚肉複合体に限定されるのは上記理由による。
そこで、配合組成が互いに大きく相違する未加硫ゴム層
10−1及び10−2のうち、損失係数の値が小さい未
加硫ゴム組成、例えば未加硫ゴム層10−1に上述した
ように高損失係数の未加硫薄肉ゴム層を1層以上配置す
ることにより、これらの損失係数の値を大きくすること
ができる。これは、実施例にて詳述するように上記従来
例の厚肉複層ゴム物品10の未加硫ゴム層10−1(例
えば損失係数0.2)に前記の高損失係数の未加硫薄肉
ゴム層を1層以上配置することにより、この損失係数の
値が隣接する高損失係数の未加硫ゴム層10−2の損失
係数(例えば平均値として0.8)と同程度まで高まる
ことを見出した結果に基づく知見である。さらに上記の
損失係数の値を例えば0.8程度とした未加硫ゴム層1
0−1と従来例と同じ未加硫ゴム層10−2(例えば損
失係数0.8)との各種厚肉複層ゴム物品10に、従来
例と同一照射条件の下で、高周波誘電加熱、例えばマイ
クロ波加熱を施した直後における計測温度を図5
(a)、(b)、(c)、(d)、図6(e)(実際例
にて詳述する)に示すが、これらは何れも従来例の図4
にて特に難昇温部B又はその近傍部分が示していた低い
温度が、表面部に比し、より高温度を示すまで顕著に上
昇することを表している。なお図4〜図6は、図2
(b)に示す環状厚肉複層ゴム物品10の断面を図で上
下に2分して(w/2)難昇温部Bを通る線上の各点に
て測定した温度をプロットした温度分布グラフを示す。
ここに一般には単一の配合組成になる未加硫ゴムなどの
誘電体に対するマイクロ波の浸透深さは発振周波数fに
反比例するとされているが、この図5、図6に例示する
ような昇温現象は、例えば厚肉体の形状、大きさ、ゴム
配合組成などに応じ難昇温部B近傍にてマイクロ波を重
複作用させ得るようなマイクロ波周波数fを適宜選択す
ることにより得られる。なお図5、図6に示す例ではこ
の周波数fを915MHzとしたものであり、ちなみに
この周波数fを2450MHzとしたところ難昇温部B
の温度が表面部のそれに比し大幅に低い結果を示した。
さらに上述の作用と、例えば低損失係数の未加硫ゴム層
に高損失係数の未加硫薄肉ゴム層の1層以上を適宜組合
わせることにより、厚肉複層ゴム物品10の難昇温部B
から表面部に至る間の温度分布のありさまを所望の形態
とすることが可能となる。かくして厚肉複層ゴム物品1
0の未加硫ゴム層10−1及び10−2相互間における
損失係数の較差を縮小することにより、この厚肉ゴム物
品10に高周波誘電加熱、とりわけマイクロ波加熱を施
した際、難昇温部B及びその近傍を所望の温度まで、表
面部の温度以上に高めることができる。その場合、被加
熱体である厚肉複層ゴム物品10の各未加硫ゴム層の配
合組成、形状、寸法などに応じて、最適なマイクロ波の
周波数fの他に、出力電力又は被加熱体回りの電界の大
きさv、照射時間などの諸条件を設定して予備加熱を実
施するのは勿論であり、かくして準備した厚肉複層ゴム
物品10に、望ましくは引続いて慣例に従い金型を用い
た加硫成形を施せば、高温短時間で厚肉複層ゴム物品1
0の各部における加硫度を適正に保ったゴム製品が得ら
れる。これにより厚肉複層ゴム物品10の加硫成形後に
おけるゴム製品は、その各部に加硫の過不足がなく、し
かも高損失係数又は低損失係数の薄肉ゴム層を積層すれ
ば足りるので要求性能の発揮に適うゴム物性を保持する
ことができる。同時に高温短時間条件下での高能率な加
硫成形が可能となるので、この工程全般にわたる生産性
を大幅に向上することに寄与する。さらにマイクロ波な
どの高周波出力電力を一層高めることも可能となり照射
時間の短縮も可能となる。
【実施例】まず後述する実施例1、2及び比較例1に共
通するマイクロ波加熱の例につき図1を用いて説明す
る。図1は厚肉複層ゴム物品10にマイクロ波加熱を施
す装置を示す概略構成図であり、本装置はマイクロ波発
生装置12、マイクロ波の導波管14、厚肉複層ゴム物
品10にマイクロ波照射を施すアプリケータ16、アプ
リケータ内のマイクロ波を反射攪拌するスターラ(回転
翼)18、好ましくはマイクロ波を透過するポリプロピ
レンなどの合成樹脂からなる回転支持台20からなって
いる。 〔実施例1〜2,比較例1〕加硫成形後にソリッドタイ
ヤとなる円環状厚肉複層ゴム物品10は図2(a)、
(b)に従い、A−A線に沿う総厚さtを10cmと
し、最内側未加硫ゴム層10−1は通常のゴムに短繊維
を均して分散混入したゴム(表1の配合組成)であり、
厚さt/2は5cm、その損失係数が0.2であり、最
外側未加硫ゴム層10−2は表1に示す配合組成にな
り、厚さt/2が5cm、その損失係数は0.8であ
る。なおこの例における難昇温部は両ゴム10−1と1
0−2との接合面のほぼ中央(w/2)周線上Bにあ
り、容積は約17500cm3 とした。
通するマイクロ波加熱の例につき図1を用いて説明す
る。図1は厚肉複層ゴム物品10にマイクロ波加熱を施
す装置を示す概略構成図であり、本装置はマイクロ波発
生装置12、マイクロ波の導波管14、厚肉複層ゴム物
品10にマイクロ波照射を施すアプリケータ16、アプ
リケータ内のマイクロ波を反射攪拌するスターラ(回転
翼)18、好ましくはマイクロ波を透過するポリプロピ
レンなどの合成樹脂からなる回転支持台20からなって
いる。 〔実施例1〜2,比較例1〕加硫成形後にソリッドタイ
ヤとなる円環状厚肉複層ゴム物品10は図2(a)、
(b)に従い、A−A線に沿う総厚さtを10cmと
し、最内側未加硫ゴム層10−1は通常のゴムに短繊維
を均して分散混入したゴム(表1の配合組成)であり、
厚さt/2は5cm、その損失係数が0.2であり、最
外側未加硫ゴム層10−2は表1に示す配合組成にな
り、厚さt/2が5cm、その損失係数は0.8であ
る。なおこの例における難昇温部は両ゴム10−1と1
0−2との接合面のほぼ中央(w/2)周線上Bにあ
り、容積は約17500cm3 とした。
【表1】 上記の厚肉複層ゴム物品10を比較例1として用い、最
内側の低損失係数の未加硫ゴム層10−1中に高損失係
数1.6の表1の配合組成による未加硫薄肉ゴム層を1
層以上配置した複層ゴム(すべて全厚さ5cm)を図3
の(A)、(B)、(C)及び(D)に示し、実施例1
として用いた。(A)は低損失係数未加硫ゴム22に厚
さ1cmの高損失係数薄肉ゴム24の1層を高損失係数
ゴム層10−2側(厚肉複層ゴム物品の中心側)に配置
した複層ゴム。(B)は未加硫ゴム22全体に、厚さ
0.33cmの薄肉ゴム24の3層を配置した複層ゴ
ム。(C)は未加硫ゴム22に厚さ0.1cmの薄肉ゴ
ム24の多層をゴム層10−2側(厚肉複層ゴム物品の
中心側)に配置した複層ゴム。(D)は未加硫ゴム22
全体に、厚さ0.1cmの薄肉ゴム24の多層を配置し
た複層ゴム。また、他の実施態様として、最外層の高損
失係数の未加硫ゴム層10−2中に低損失係数0.1の
表1の配合組成による未加硫薄肉ゴム層を1層以上配置
した複層ゴム(全厚さ5cm)を図3の(E)に示し、
実施例2として用いた。(E)は高損失係数未加硫ゴム
26全体に、厚さ0.1cmの低損失係数薄肉ゴム28
の多層を配置した複層ゴム。(A)〜(D)の各実施例
1、(E)の実施例2と比較例1とに、それぞれ別個に
図1に例示する装置にてマイクロ波加熱を施した。なお
マイクロ波の周波数fを915MHz、出力電力は3K
W、照射時間を約10分とした。マイクロ波加熱を施し
た後、引続き各厚肉複層ゴム物品10の各部温度を測定
した結果を、比較例1は図4、実施例1の(A)〜
(D)は図5(a)〜(d)、実施例2の(E)は図6
(e)に示す。なお図5(a)は(A)、図5(b)は
(B)、図5(c)は(C)、図5(d)は(D)、図
6(e)は(E)に対応する。なお各図において横軸は
厚さt(cm)を示す。図4、図5、図6から明らかな
ように、実施例1、2の各厚肉複層ゴム物品10は難昇
温部B近傍の温度が表面部より高く、引続く加硫成形に
対し好ましい温度分布を示し、比較例1の温度分布に対
し大幅に改善されている。上記各厚肉複層ゴム物品10
は金型により加硫成形してソリッドタイヤとした後、各
ソリッドタイヤの各部の加硫度を図4〜図6における温
度測定位置近傍で測定したところ、冒頭にて述べた適正
加硫度を100とする指数にて表せば、比較例1は10
0〜440にわたる範囲の分布を有し、これに対し実施
例1の(A)〜(D)、実施例2の(E)は100〜1
70の範囲内に収まり、かつゴムの基本物性に変化は見
出せず製品性能は確保されている。なお試みに各実施例
1、2が示す加硫度の範囲内に収まるように、比較例1
に低温加硫成形を施してみようとしても不可能であっ
た。
内側の低損失係数の未加硫ゴム層10−1中に高損失係
数1.6の表1の配合組成による未加硫薄肉ゴム層を1
層以上配置した複層ゴム(すべて全厚さ5cm)を図3
の(A)、(B)、(C)及び(D)に示し、実施例1
として用いた。(A)は低損失係数未加硫ゴム22に厚
さ1cmの高損失係数薄肉ゴム24の1層を高損失係数
ゴム層10−2側(厚肉複層ゴム物品の中心側)に配置
した複層ゴム。(B)は未加硫ゴム22全体に、厚さ
0.33cmの薄肉ゴム24の3層を配置した複層ゴ
ム。(C)は未加硫ゴム22に厚さ0.1cmの薄肉ゴ
ム24の多層をゴム層10−2側(厚肉複層ゴム物品の
中心側)に配置した複層ゴム。(D)は未加硫ゴム22
全体に、厚さ0.1cmの薄肉ゴム24の多層を配置し
た複層ゴム。また、他の実施態様として、最外層の高損
失係数の未加硫ゴム層10−2中に低損失係数0.1の
表1の配合組成による未加硫薄肉ゴム層を1層以上配置
した複層ゴム(全厚さ5cm)を図3の(E)に示し、
実施例2として用いた。(E)は高損失係数未加硫ゴム
26全体に、厚さ0.1cmの低損失係数薄肉ゴム28
の多層を配置した複層ゴム。(A)〜(D)の各実施例
1、(E)の実施例2と比較例1とに、それぞれ別個に
図1に例示する装置にてマイクロ波加熱を施した。なお
マイクロ波の周波数fを915MHz、出力電力は3K
W、照射時間を約10分とした。マイクロ波加熱を施し
た後、引続き各厚肉複層ゴム物品10の各部温度を測定
した結果を、比較例1は図4、実施例1の(A)〜
(D)は図5(a)〜(d)、実施例2の(E)は図6
(e)に示す。なお図5(a)は(A)、図5(b)は
(B)、図5(c)は(C)、図5(d)は(D)、図
6(e)は(E)に対応する。なお各図において横軸は
厚さt(cm)を示す。図4、図5、図6から明らかな
ように、実施例1、2の各厚肉複層ゴム物品10は難昇
温部B近傍の温度が表面部より高く、引続く加硫成形に
対し好ましい温度分布を示し、比較例1の温度分布に対
し大幅に改善されている。上記各厚肉複層ゴム物品10
は金型により加硫成形してソリッドタイヤとした後、各
ソリッドタイヤの各部の加硫度を図4〜図6における温
度測定位置近傍で測定したところ、冒頭にて述べた適正
加硫度を100とする指数にて表せば、比較例1は10
0〜440にわたる範囲の分布を有し、これに対し実施
例1の(A)〜(D)、実施例2の(E)は100〜1
70の範囲内に収まり、かつゴムの基本物性に変化は見
出せず製品性能は確保されている。なお試みに各実施例
1、2が示す加硫度の範囲内に収まるように、比較例1
に低温加硫成形を施してみようとしても不可能であっ
た。
【発明の効果】この発明によれば、複数種の互いに大き
く相違する配合組成からなる未加硫ゴムを含む厚肉複層
ゴム物品に対し、高周波誘電加熱、なかでもマイクロ波
加熱を施して難昇温部の温度を表面部のそれに比し、よ
り一層高温度まで高める予備加熱を可能とし、これによ
り、その後の加硫成形後における製品が要求性能に対し
十分対応できる適正なゴム物性を備えることができ、同
時に加硫成形工程全般にわたる生産性を大幅に向上する
ことを可能とする厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法
を提供することができる。
く相違する配合組成からなる未加硫ゴムを含む厚肉複層
ゴム物品に対し、高周波誘電加熱、なかでもマイクロ波
加熱を施して難昇温部の温度を表面部のそれに比し、よ
り一層高温度まで高める予備加熱を可能とし、これによ
り、その後の加硫成形後における製品が要求性能に対し
十分対応できる適正なゴム物性を備えることができ、同
時に加硫成形工程全般にわたる生産性を大幅に向上する
ことを可能とする厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法
を提供することができる。
【図1】本発明に適用されるマイクロ波加熱の装置の一
例を示す。
例を示す。
【図2】厚肉複層構造ゴム物品の一例を示す。
【図3】低損失係数ゴム層への高損失係数薄肉ゴム層の
配置例((A)〜(D))、高損失係数ゴム層への低損
失係数薄肉ゴム層の配置例((E))を示す。
配置例((A)〜(D))、高損失係数ゴム層への低損
失係数薄肉ゴム層の配置例((E))を示す。
【図4】従来の厚肉複合体の高周波誘電加熱による温度
分布を示す。
分布を示す。
【図5】本発明による厚肉複層ゴム物品の高周波誘電加
熱による温度分布を示す。
熱による温度分布を示す。
【図6】本発明による他の厚肉複層ゴム物品の高周波誘
電加熱による温度分布を示す。
電加熱による温度分布を示す。
10 厚肉複層ゴム物品 10−1 未加硫ゴム層 10−2 未加硫ゴム層
Claims (2)
- 【請求項1】 比誘電率(ε)と誘電体損失角(tan
δ)との積ε・tanδで表される損失係数の異なる未
加硫ゴム層を1層以上有する複数の未加硫ゴム層を互い
に接合一体化した厚肉複層構造ゴム物品を、予め高周波
誘電加熱により加熱した後、加硫成形するにあたり、 各未加硫ゴム層のうち、損失係数の値の小さい側の未加
硫ゴム層に、損失係数の大きい未加硫薄肉ゴム層を1層
以上配置して、各未加硫ゴム層相互間における損失係数
の較差を縮小することを特徴とする厚肉複層構造ゴム物
品の加硫成形方法。 - 【請求項2】 前記各未加硫ゴム層のうち、損失係数の
値の大きい側の未加硫ゴム層に、損失係数の小さい未加
硫薄肉ゴム層を1層以上配置して、各未加硫ゴム層相互
間における損失係数の較差を縮小することを特徴とする
請求項1記載の厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9122395A JPH10309725A (ja) | 1997-05-13 | 1997-05-13 | 厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP9122395A JPH10309725A (ja) | 1997-05-13 | 1997-05-13 | 厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法 |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH10309725A true JPH10309725A (ja) | 1998-11-24 |
Family
ID=14834741
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP9122395A Pending JPH10309725A (ja) | 1997-05-13 | 1997-05-13 | 厚肉複層構造ゴム物品の加硫成形方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH10309725A (ja) |
Cited By (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2007015335A (ja) * | 2005-07-11 | 2007-01-25 | Nitta Ind Corp | 成型ベルトの製造方法、及び成型ベルト |
| US7520057B2 (en) | 2005-02-14 | 2009-04-21 | Canon Kasei Kabushiki Kaisha | Process for producing conductive rubber roller, and roller for electrophotographic apparatus |
| JP2013064429A (ja) * | 2011-09-16 | 2013-04-11 | Toyota Motor Corp | 高圧ガスタンクの製造方法と製造装置 |
-
1997
- 1997-05-13 JP JP9122395A patent/JPH10309725A/ja active Pending
Cited By (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| US7520057B2 (en) | 2005-02-14 | 2009-04-21 | Canon Kasei Kabushiki Kaisha | Process for producing conductive rubber roller, and roller for electrophotographic apparatus |
| US8037607B2 (en) | 2005-02-14 | 2011-10-18 | Canon Kasei Kabushiki Kaisha | Process for producing conductive rubber roller, and roller for electrophotographic apparatus |
| US8533953B2 (en) | 2005-02-14 | 2013-09-17 | Canon Kasei Kabushiki Kaisha | Process for producing conductive rubber roller, and roller for electrophotographic apparatus |
| US8998786B2 (en) | 2005-02-14 | 2015-04-07 | Canon Kabushiki Kaisha | Process for producing conductive rubber roller, and roller for electrophotographic apparatus |
| JP2007015335A (ja) * | 2005-07-11 | 2007-01-25 | Nitta Ind Corp | 成型ベルトの製造方法、及び成型ベルト |
| JP2013064429A (ja) * | 2011-09-16 | 2013-04-11 | Toyota Motor Corp | 高圧ガスタンクの製造方法と製造装置 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |