JPH10202670A - 厚肉未加硫ゴム複合体の加硫成形方法 - Google Patents

厚肉未加硫ゴム複合体の加硫成形方法

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JPH10202670A
JPH10202670A JP807697A JP807697A JPH10202670A JP H10202670 A JPH10202670 A JP H10202670A JP 807697 A JP807697 A JP 807697A JP 807697 A JP807697 A JP 807697A JP H10202670 A JPH10202670 A JP H10202670A
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unvulcanized rubber
rubber
composite
unvulcanized
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JP807697A
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Hidetoshi Matsuzawa
秀年 松沢
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Bridgestone Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 厚肉ゴム製品の性能を保持した上で、加硫成
形工程の生産性を大幅に向上し得る厚肉未加硫ゴム複合
体の加硫成形方法を提供することである。 【解決手段】 複数種の未加硫ゴムを互いに接合一体化
した厚肉複合体10を、予め高周波誘電加熱により加熱
した後、加硫成形するにあたり、各未加硫ゴムのうち、
その比誘電率(ε)と誘電体損失角(tanδ)との積
ε・tanδで表される損失係数の値の小さい未加硫ゴ
ム10−1の成分組成中に予め含水化合物を添加配合し
て、各未加硫ゴム相互間における損失係数の較差を縮小
することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、複数種の未加硫
ゴムを互いに接合一体化した厚肉複合体を高周波誘電加
熱により、その後の加硫成形に対し有利に予備加熱した
後、加硫成形する方法に関し、特に各未加硫ゴム相互間
でその比誘電率εと誘電体損失角tanδとの積ε・t
anδで表される損失係数の値に較差を有する厚肉複合
体に適合し、その加硫成形後におけるゴム製品が所期の
十分な性能を発揮すると同時に、高温短時間による高能
率な加硫成形を可能として、この工程全般にわたる生産
性を大幅に向上させることに寄与する厚肉未加硫ゴム複
合体の加硫成形方法に関する。
【0002】
【従来の技術】厚肉複合体をその表面部からの熱伝導の
みに依存して加硫成形する従来一般の方法では、加熱さ
れる表面から内部へ行くに従って、ゴム特有の著しく小
さい熱伝導率のため表面部に比し温度上昇が大幅に遅れ
るが、慣例としてこの難昇温部が適正加硫度(期待し得
る最も望ましい物性を示す加硫の度合)に達するまで加
硫成形のための加熱を継続する必要があった。
【0003】その場合、難昇温部から表面部に向うにつ
れ次第に加硫度が増加するので、表面部により近い部分
ほど著しい過加硫状態を示し、これに伴うゴム物性の劣
化により製品性能低下の不利は免れず、またこの性能低
下を最小限に止めるには低温長時間の加硫成形が余儀な
くされるため生産性が著しく損なわれる問題が生じ、よ
ってこれらの同時改善が従来から強く求められてきた。
【0004】この改善の最も簡便な手段として、室温よ
りは高いが加硫温度に比し大幅に低い雰囲気温度とした
予備加熱室内にて、厚肉複合体を全体にわたり、ほぼ均
一な温度に達するまで加熱する方法が採られた。しか
し、この方法は、加熱の設定温度を高め過ぎると厚肉複
合体の表面部の加硫が進行し過ぎる不具合を招くため低
く抑える必要があり、その結果、難昇温部を所定の温度
レベルまで高めるには長時間を要するうえ加熱の度合い
も低く、結局、加硫成形工程全般にわたる生産性改善が
不十分となるのは止むを得ず、加えて過加硫問題の解決
には至らなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】そこで、さらに一層有
効な方法として高周波誘電加熱、なかでもマイクロ波加
熱が試みられた。しかしこの方法にしても、単一の配合
ゴム組成になる厚肉体の場合又は厚肉複合体では各未加
硫ゴム相互間の配合組成が近似している場合に限り、こ
の被加熱体回りのマイクロ波電界を均一にすることによ
り、短時間で難昇温部を所望温度まで加熱し得るに過ぎ
ないという、実用上利用可能なゴム製品が著しく限定さ
れる不利な点を有している。
【0006】この点は、例えばフォークリフトなどの使
途に適合するソリッドタイヤ用の厚肉複合体のように、
その各未加硫ゴムが各々異なる要求特性に適合するよう
に配合設計され、各未加硫ゴム相互間で配合組成に著し
い相違を有する場合、これに高周波加熱、なかでも加熱
効率に優れるマイクロ波加熱を施した際、実際上難昇温
部の温度が損失係数の値が高い未加硫ゴムの、例えば表
面部分のそれに比し大幅に低い結果がもたらされ、引続
く加硫成形に不都合をきたすことにほかならない。
【0007】なお加硫成形前のタイヤにマイクロ波加熱
を施す方法として特公昭57−42501号公報は、タ
イヤのトレッドゴムに予めマイクロ波加熱を施し加熱し
た後、組立て成型する点につき開示しているが、この組
立て成型から加硫成形に至る間に、予備加熱を施さない
他の接合部材に対する熱伝導により、特にトレッドゴム
の他の接合部材との接合面近傍にて著しく温度が低下
し、またこれを回避するため複数ゴム部材を同時に加熱
しようとすれば、その部材数に見合う台数のマイクロ波
加熱装置を必要とするなど、実用上の大きな不利を伴
う。
【0008】そこで複数種の互いに大きく相違する配合
組成からなる各未加硫ゴムを含む厚肉複合体に高周波誘
電加熱、特にマイクロ波加熱を施して、厚肉複合体の難
昇温部の温度を表面部のそれ以上の望ましい温度まで高
めた後、これを加硫成形することにより、製品がその全
体にわたる適正なゴムの加硫度の下で要求性能に対し充
足した所期のゴム物性を発揮すること並びに加硫成形工
程全般にわたる生産性を大幅に向上させることが可能な
厚肉未加硫ゴム複合体の加硫成形方法を提供するのが本
発明の目的である。
【0009】
【課題を解決するための手段】各未加硫ゴムの比誘電率
εと誘電体損失角tanδとの積で表される損失係数ε
・tanδに着目することにより、上記目的を達成する
ことが可能であることを見出して本発明を完成させるに
至った。
【0010】先に、損失係数の値の小さい未加硫ゴムに
導電性カーボンブラックを添加して、目的が達成できる
ことを見出した(特開平6−344510号)が、高コ
ストのため使用を制限される場合もあり、この導電性カ
ーボンブラックの代りに、より低コストで同様の性能を
発揮する含水化合物を適用することによって、本発明の
目的が達成された。
【0011】すなわち、(1)本発明の厚肉未加硫ゴム
複合体の加硫成形方法は、複数種の未加硫ゴムを互いに
接合一体化した厚肉複合体を、予め高周波誘電加熱によ
り加熱した後、加硫成形するにあたり、各未加硫ゴムの
うち、その比誘電率(ε)と誘電体損失角(tanδ)
との積ε・tanδで表される損失係数の値の小さい未
加硫ゴムの成分組成中に予め含水化合物を添加配合し
て、各未加硫ゴム相互間における損失係数の較差を縮小
することを特徴とする。
【0012】(2)本発明の厚肉未加硫ゴム複合体の加
硫成形方法は、前(1)項において、前記含水化合物
が、50〜200℃において、水を放出する化合物であ
ることを特徴とする。
【0013】(3)本発明の厚肉未加硫ゴム複合体の加
硫成形方法は、前(1)項において、前記含水化合物の
添加量はこの化合物が添加される未加硫ゴムのゴム成分
100重量部に対して、0.5〜20重量部であること
を特徴とする。
【0014】
【発明の実施の形態】以下この発明を図面に基づき一層
詳細に説明する。
【0015】図2(a)、(b)及び図3(a)、
(b)は厚肉未加硫ゴム複合体の一例として、加硫成形
後にソリッドタイヤとなる環状の厚肉複合体10を示
し、図2は二種の未加硫ゴムを、図3では三種の未加硫
ゴムを互いに接合一体化した例を示す。なお図2
(a)、図3(a)は厚肉複合体10の斜視図を、図2
(b)、図3(b)にはそれぞれA−A線の断面図を示
し、図中Bは難昇温部を表す。
【0016】図2、図3において環状の厚肉複合体10
は、その半径方向で最も内側の未加硫ゴム10−1と、
このゴムとは配合組成が大幅に相違する最も外側の未加
硫ゴム10−2とを、図3に示す例ではこれらゴムの中
間に、やはりいずれのゴムとも配合組成を異にする未加
硫ゴム10−3を、それぞれ互いに接合一体化してな
る。
【0017】図3を例にとれば、上記の厚肉複合体10
を予め高周波誘電加熱により加熱した後、加硫成形する
のに先立ち、各未加硫ゴム10−1、10−2、10−
3のうち損失係数ε・tanδの値が小さい未加硫ゴ
ム、例えば最内側の未加硫ゴム10−1及び中間の未加
硫ゴム10−3の成分組成中に予め所定の含水化合物を
添加配合するものとし、これにより各未加硫ゴム10−
1、10−2及び10−3相互間における損失係数の較
差を縮小する。
【0018】本発明に用いられる含水化合物の添加量
は、製品ソリッドタイヤにおける所期の適正なゴム物性
を保持し得る範囲内の量でよく、好ましくは加えられる
未加硫ゴムのゴム成分100重量部に対して、1.5〜
20重量部であり、より好ましくは5〜15重量部であ
る。この添加量は上記の損失係数の較差縮小に十分寄与
し得る性質を備えている含水化合物を適用すれば少量で
効果が発現する。
【0019】本発明に用いられる含水化合物としては、
好ましくは50〜200℃において、水を放出する化合
物が含まれるが、例えば含水メタケイ酸ナトリウム、含
水塩化マグネシウム、含水ピロリン酸ナトリウム、含水
炭酸ナトリウム、含水硫化ナトリウム等の含水金属化合
物を挙げることができる。中でも含水メタケイ酸ナトリ
ウム、含水ピロリン酸ナトリウムが好ましい。
【0020】かくして各未加硫ゴム10−1、10−
2、10−3の損失係数の較差を予め縮小した厚肉複合
体10としたうえで、これに高周波加熱を施して予備加
熱することにより、厚肉複合体10の難昇温部から表面
部に至る全域にわたる各部を所望の温度まで高めた後、
加硫成形を行うものである。なお厚肉未加硫ゴム複合体
の予備加熱には、高周波のなかでもマイクロ波の照射が
好ましい。また、高周波により加熱される度合は後述す
るように実際上、未加硫ゴムの損失係数に応じて定ま
る。
【0021】上記は加硫成形によりソリッドタイヤとな
る厚肉複合体10を例として説明したが、その他の厚肉
ゴムタイヤ全般及びそれ以外の厚肉ゴム物品における厚
肉複合体にも適用することができる。
【0022】一般に上記厚肉複合体10は、加硫成形後
のゴム製品、例えばタイヤとして各部分が異種の要求性
能に対応する必要上、複数種の未加硫ゴム10−1、1
0−2、10−3は各々配合設計が大きく異なり、従っ
て各未加硫ゴム組成は互いに大きく相違するのが通例で
ある。また、しばしば製造工程に対する配慮からの要求
に応えるため同様な相違が生じる。
【0023】各未加硫ゴム10−1、10−2、10−
3の配合組成が大きく相違すれば、高周波電界内におけ
る損失係数ε・tanδの値もまた各未加硫ゴム相互間
で大きな較差が生じるのが通例である。そこで、これら
のゴムを互いに接合一体化した厚肉複合体10に高周
波、なかでもマイクロ波を照射して加熱すると、マイク
ロ波の電力ロスは厚肉複合体10内における損失係数の
値が大きい未加硫ゴム部分に選択的に集中する結果、こ
の未加硫ゴム部分が主に加熱されて他の部分に比し著し
く高温となる現象を呈する。
【0024】これは、未加硫ゴム10−1、10−2、
10−3にて消費するマイクロ波電力ロスPが、下記式
にて与えられる。
【0025】
【数1】P=(1/1.8)fv2 ×ε・tanδ×1
-10 (W/m3 ) (式中、fは発振周波数(Hz)を表し、vは電界の大
きさ(V/m)を表す。) ここに上式の右辺中、発振周波数fは被加熱物である厚
肉複合体10に対し最適となるように固定するのが合理
的であり、電界の大きさvについては、厚肉複合体10
が各未加硫ゴム相互間で損失係数の値に大きな較差を有
する場合、過大な加熱部分か生じるうれいを回避するた
め所定の限度以内に抑える必要があり、結局未加硫ゴム
10−1、10−2、10−3にて消費されるマイクロ
波電力ロス、すなわち発生する熱量は損失係数ε・ta
nδに比例するからである。
【0026】上に述べたところは、例えば従来の厚肉複
合体10にマイクロ波加熱を施した直後における各未加
硫ゴム10−1(例えば損失係数0.2)、10−2
(例えば損失係数1.05)、10−3(例えば損失係
数0.1)の表面部及び内部の温度を計測した例を図4
(a)(2種の未加硫ゴム使用の場合)、(b)(3種
の未加硫ゴム使用の場合)に示すとおり、損失係数の値
が最も大きい未加硫ゴム10−2の内部温度が他の未加
硫ゴム10−1、10−3に比し著しく高い温度を示す
ことから明らかである。
【0027】よって冒頭で述べた従来のマイクロ波加熱
を可能とする対象が、単一の配合ゴム組成になる厚肉体
又はこれに類似した、各未加硫ゴム相互間の配合組成が
近似した厚肉複合体に限定されるのは上記理由による。
【0028】そこで、配合組成が互いに大きく相違する
未加硫ゴム10−1、10−2、10−3のうち、損失
係数の値が小さい未加硫ゴム組成、例えば未加硫ゴム1
0−1、10−3に上述したような特性を有する含水化
合物を所定量添加配合することにより、これらの損失係
数の値を大きくすることができる。
【0029】これは、実施例にて詳述するように上記従
来例の厚肉複合体10の未加硫ゴム10−1(例えば損
失係数0.2)及び10−3(例えば損失係数0.1)
に前掲の各種含水化合物を、加えられる未加硫ゴムのゴ
ム成分100重量部に対して、1.5〜20.0重量部
添加配合することにより、これらの損失係数の値が共に
1.00まで高まることを見出した結果に基づく知見で
ある。
【0030】さらに上記の損失係数の値を1.00とし
た未加硫ゴム10−1、10−3と従来例と同じ未加硫
ゴム10−2(例えば損失係数1.05)との各種厚肉
複合体10に、従来例と同一照射条件の下で、高周波誘
電加熱、例えばマイクロ波加熱を施した直後における計
測温度を図5(a)、(b)(実際例にて詳述する)及
び図6(実施例にて詳述する)に示すが、これらは何れ
も従来例の図4(a)、(b)にて特に難昇温部B又は
その近傍部分が示していた低い温度が、表面部に比し、
より高温度を示すまで顕著に上昇することを表してい
る。なお図4〜図6は、図2(b)、図3(b)に示す
環状厚肉複合体10の断面を図で上下に2分して(w/
2)難昇温部Bを通る線上の各点にて測定した温度をプ
ロットした温度分布グラフを示す。
【0031】ここに一般には単一の配合組成になる未加
硫ゴムなどの誘電体に対するマイクロ波の浸透深さは発
振周波数fに反比例するとされているが、この図5、図
6に例示するような昇温現象は、例えば厚肉体の形状、
大きさ、ゴム配合組成などに応じ難昇温部B近傍にてマ
イクロ波を重複作用させ得るようなマイクロ波周波数f
を適宜選択することにより得られる。なお図5、図6に
示す例ではこの周波数fを915MHzとしたものであ
り、ちなみにこの周波数fを2450MHzとしたとこ
ろ難昇温部Bの温度が表面部のそれに比し大幅に低い結
果を示した。
【0032】さらに上述の作用と、含水化合物の添加量
又はその種類とを適宜組合わせることにより、厚肉複合
体10の難昇温複合体10の難昇温部Bから表面部に至
る間の温度分布のありさまを所望の形態とすることが可
能となる。
【0033】かくして厚肉複合体10の未加硫ゴム10
−1、10−2、10−3相互間における損失係数の較
差を縮小することにより、この厚肉複合体10に高周波
誘電加熱、とりわけマイクロ波加熱を施した際、難昇温
部B及びその近傍を所望の温度まで、表面部の温度以上
に高めることができる。
【0034】その場合、被加熱体である厚肉複合体10
の各未加硫ゴムの配合組成、形状、寸法などに応じて、
最適なマイクロ波の周波数fの他に、出力電力又は被加
熱体回りの電界の大きさv、照射時間などの諸条件を設
定して予備加熱を実施するのは勿論であり、かくして準
備した厚肉複合体10に、望ましくは引続いて慣例に従
い金型を用いた加硫成形を施せば、高温短時間で厚肉複
合体10の各部における加硫度を適正に保ったゴム製品
が得られる。
【0035】これにより厚肉複合体10の加硫成形後に
おけるゴム製品は、その各部に加硫の過不足がなく、し
かも少量の含水化合物の添加配合で足りるので要求性能
の発揮に適うゴム物性を保持することができる。同時に
高温短時間条件下での高能率な加硫成形が可能となるの
で、この工程全般にわたる生産性を大幅に向上すること
に寄与する。さらにマイクロ波などの高周波出力電力を
一層高めることも可能となり照射時間の短縮も可能とな
る。
【0036】
【実施例】まず後述する実施例1、2及び比較例1、2
に共通するマイクロ波加熱の例につき図1を用いて説明
する。
【0037】図1は厚肉複合体10にマイクロ波加熱を
施す装置を示す概略構成図であり、本装置はマイクロ波
発生装置12、マイクロ波の導波管14、厚肉複合体1
0にマイクロ波照射を施すアプリケータ16、アプリケ
ータ内のマイクロ波を反射攪拌するスターラ(回転翼)
18、好ましくはマイクロ波を透過するポリプロピレン
などの合成樹脂からなる回転支持台20からなってい
る。 〔実施例1,比較例1〕加硫成形後にソリッドタイヤと
なる円環状厚肉複合体10は図2(a)、(b)に従
い、A−A線に沿う総厚さtを10cmとし、最内側未
加硫ゴム10−1は通常のゴムに短繊維を均して分散混
入したゴムであり、厚さt/2は5cm、その損失係数
が0.2であり、最外側未加硫ゴム10−2は表1に示
す配合組成になり、厚さt/2が5cm、その損失係数
は1.05である。なおこの例における難昇温部は両ゴ
ム10−1と10−2との接合面のほぼ中央(w/2)
周線上Bにあり、容積は約17500cm3 とした。
【0038】
【表1】 上記の厚肉複合体10を比較例1として用い、最内側未
加硫ゴム10−1に下記、本発明における含水化合物を
添加配合した(A)、(B)の厚肉複合体10を、各未
加硫ゴム10−1に添字a、bを付し、実施例1として
準備した。 (A)10−1a;含水メタケイ酸ソーダ8重量部添
加。 (B)10−1b;含水ピロリン酸ナトリウム10重量
部を添加。 なお上記(A)、(B)の損失係数は1.00に揃え
た。
【0039】(A)、(B)の各実施例1と比較例1と
に、それぞれ別個に図1に例示する装置にてマイクロ波
加熱を施した。なおマイクロ波の周波数fを915MH
z、出力電力は3KW、照射時間を約10分とした。
【0040】マイクロ波加熱を施した後、引続き各厚肉
複合体10の各部温度を測定した結果を、比較例1は図
4(a)、実施例1の(A)、(B)を図5(a)、
(b)に示す。なお図5(a)は(A)、図5(b)は
(B)に対応する。なお各図において横軸は厚さt(c
m)を示す。図4(a)、図5から明らかなように、実
施例1の各厚肉複合体10は難昇温部B近傍の温度が表
面部より高く、引続く加硫成形に対し好ましい温度分布
を示し、比較例1の温度分布に対し大幅に改善されてい
る。
【0041】上記各厚肉複合体10は金型により加硫成
形してソリッドタイヤとした後、各ソリッドタイヤの各
部の加硫度を図4〜図6における温度測定位置近傍で測
定したところ、冒頭にて述べた適正加硫度を100とす
る指数にて表せば、比較例1は100〜440にわたる
範囲の分布を有し、これに対し実施例1の(A)、
(B)は100〜170の範囲内に収まり、かつゴムの
基本物性に変化は見出せず製品性能は確保されている。
【0042】なお試みに各実施例1が示す加硫度の範囲
内に収まるように、比較例1に低温加硫成形を施してみ
ようとしても不可能であった。
【0043】〔実施例2,比較例2〕同様にソリッドタ
イヤとなる厚肉複合体10は図3(a)、(b)に従
い、A−A線に沿う総厚さtを10cmとし、最内側未
加硫ゴム10−1は実施例1と同じ損失係数が0.2の
短繊維混入ゴムとし、厚さt/2は5cmであり、最外
側未加硫ゴム10−2は表1に示す実施例1と同一配合
の損失係数が1.05で、厚さをt/4の2.5cmと
し、中間未加硫ゴム10−3は表1に示す配合組成と
し、その損失係数は0.1で、厚さt/4は2.5cm
である。なおこの例においても難昇温部は最内側未加硫
ゴム10−1と中間未加硫ゴム10−3との接合面のほ
ぼ中央周線上Bにあり、容積は約17500cm3 とし
た。
【0044】この厚肉複合体10は比較例2として用
い、最内側未加硫ゴム10−1及び中間未加硫ゴム10
−3に下記含水化合物を添加配合した(C)を実施例2
として準備した。なお添字cは実施例1と同様である。 (C)10−1c;含水メタケイ酸ソーダを8.0重量
部添加。
【0045】10−3c;含水ピロリン酸ソーダを1
0.0重量部を添加。 なお(C)の最内側及び中間の各未加硫ゴムの損失係数
は1.00に揃えた。
【0046】(C)の実施例2と比較例2とに、それぞ
れ別個に図1に例示する装置にてマイクロ波加熱を施し
た。なおマイクロ波の周波数fを915MHz、出力電
力は3KW、照射時間は約10分とした。
【0047】マイクロ波加熱を施した後、引続き各厚肉
複合体10の各部温度を測定した結果を、比較例2は図
4(b)、実施例2の(C)を図6に示す。なお、図の
横軸は厚さtを示す。図4(b)、図6から明らかなよ
うに、実施例2においても厚肉複合体10は難昇温部B
近傍の温度が表面部より高く、引続く加硫成形に対し好
ましい温度分布を示し、比較例2の温度分布に比しより
大幅に改善されている。
【0048】上記各厚肉複合体10をやはり金型により
加硫成形してソリッドタイヤとした後、それらの各部の
加硫度を図4〜図6の温度測定位置近傍で測定し、その
結果を適正加硫度を100とする指数にて表したとこ
ろ、やはり比較例2は100〜550にわたる範囲の分
布を有し、これに対し実施例2の(C)は100〜18
0の範囲内に収まり、かつゴムの基本物性に変化は見出
せず製品性能が確保されている。
【0049】また試みに各実施例2の加硫度の範囲内に
収まるように比較例2のソリッドタイヤに低温加硫成形
を施してみようとしてもやはり不可能であった。
【0050】
【発明の効果】この発明によれば、複数種の互いに大き
く相違する配合組成からなる未加硫ゴムを含む厚肉複合
体に対し、高周波誘電加熱、なかでもマイクロ波加熱を
施して難昇温部の温度を表面部のそれに比し、より一層
高温度まで高める予備加熱を可能とし、これにより、そ
の後の加硫成形後における製品が要求性能に対し十分対
応できる適正なゴム物性を備えることができ、同時に加
硫成形工程全般にわたる生産性を大幅に向上することを
可能とする厚肉未加硫ゴム複合体の加硫成形方法を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用されるマイクロ波加熱の装置の一
例を示す概略構成図である。
【図2】厚肉複合体の一例を示し、(a)は斜視図であ
り、(b)は(a)のA−A線の断面図である。
【図3】厚肉複合体の他の例を示し、(a)は斜視図で
あり、(b)は(a)のA−A線の断面図である。
【図4】従来の厚肉複合体の高周波誘電加熱による温度
分布を示す図である。
【図5】本発明における実施例1の厚肉複合体の高周波
誘電加熱による温度分布を示す図である。
【図6】本発明における実施例2の厚肉複合体の高周波
誘電加熱による温度分布を示す図である。
【符号の説明】
10 厚肉複合体 10−1 未加硫ゴム 10−2 未加硫ゴム 10−3 未加硫ゴム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08K 3:24

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数種の未加硫ゴムを互いに接合一体化
    した厚肉複合体を、予め高周波誘電加熱により加熱した
    後、加硫成形するにあたり、 各未加硫ゴムのうち、その比誘電率(ε)と誘電体損失
    角(tanδ)との積ε・tanδで表される損失係数
    の値の小さい未加硫ゴムの成分組成中に予め含水化合物
    を添加配合して、各未加硫ゴム相互間における損失係数
    の較差を縮小することを特徴とする厚肉未加硫ゴム複合
    体の加硫成形方法。
  2. 【請求項2】 前記含水化合物が、50〜200℃にお
    いて、水を放出する化合物であることを特徴とする請求
    項1記載の厚肉未加硫ゴム複合体の加硫成形方法。
  3. 【請求項3】 前記含水化合物の添加量はこの化合物が
    添加される未加硫ゴムのゴム成分100重量部に対し
    て、0.5〜20重量部であることを特徴とする請求項
    1記載の厚肉未加硫ゴム複合体の加硫成形方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2021195544A (ja) * 2020-06-12 2021-12-27 株式会社ブリヂストン 加硫方法及びタイヤ用加硫ゴム組成物
JP2021195543A (ja) * 2020-06-12 2021-12-27 株式会社ブリヂストン 加硫方法及び加硫ゴム組成物

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JP2021195544A (ja) * 2020-06-12 2021-12-27 株式会社ブリヂストン 加硫方法及びタイヤ用加硫ゴム組成物
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