JPH10310833A - 耐久性に優れる水素吸蔵合金 - Google Patents

耐久性に優れる水素吸蔵合金

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JPH10310833A
JPH10310833A JP9121211A JP12121197A JPH10310833A JP H10310833 A JPH10310833 A JP H10310833A JP 9121211 A JP9121211 A JP 9121211A JP 12121197 A JP12121197 A JP 12121197A JP H10310833 A JPH10310833 A JP H10310833A
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hydrogen
hydrogen storage
alloy
storage alloy
absorption
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JP9121211A
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English (en)
Inventor
Tatsuo Nagata
辰夫 永田
Hideya Kaminaka
秀哉 上仲
Masakatsu Hosomi
政功 細見
Hisashi Maeda
尚志 前田
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Sumitomo Metal Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 水素の貯蔵・輸送、熱輸送や冷却システム、
水素ガス精製等に適した、高い水素吸蔵能力と長期繰り
返し水素吸収・放出寿命(微粉化しにくい)とをもち、
室温近傍の温度で使用でき、かつ耐酸化性に優れ、大気
中で容易に取扱うことができる水素吸蔵合金とその製造
方法を提供する。 【解決手段】 Tia V1-a-bCrb なる式で表わされ、aの
値が 0.3〜0.5 、bの値が 0.1〜0.45である化学組成を
有し、主相の平均結晶粒径が40μm以下の水素吸蔵合金
を、急冷凝固法により製造する。この水素吸蔵合金の表
面をNi被覆し、次いで 400〜750 ℃の温度で熱処理を行
うか、または水素吸蔵合金の表面をメカニカルアロイン
グ法によりNi被覆して、表面にTi−Ni化合物を主体とす
るNi付加層を形成すると、耐酸化性が著しく向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、水素吸収量 (水素
吸蔵能力) が高く、同時に繰り返し水素吸収放出による
特性劣化が少なく、室温近傍の温度で利用可能で、比較
的安価といった特徴を持つ水素吸蔵合金とその製造方法
に関する。上記特徴を持つ本発明の水素吸蔵合金は、水
素ガス貯蔵用および水素ガス精製用に最適である。
【0002】
【従来の技術】水素ガスは、燃焼時に炭酸ガスや窒素酸
化物を形成しないことから、従来の化石燃料よりもクリ
ーンなエネルギー源である。その貯蔵・輸送に際しては
高圧水素ガス容器を用いることが多いが、水素ガスは液
化温度が低いため多量の水素ガスを保存するには大型の
高圧ガス容器を用いなければならず、その貯蔵容器体積
や重量が大きくなるという欠点があった。
【0003】水素吸蔵合金は可逆的に水素ガスを吸収放
出できるため、多量の水素ガスを吸蔵できる水素吸蔵合
金を水素の貯蔵・輸送に用いれば、高圧ガス容器よりも
高密度で多量の水素を貯蔵でき、同容量の水素を貯蔵す
る高圧ガス容器よりも軽量となるために輸送も容易であ
り、また機械的な衝撃にも強いという利点もある。その
ため、従来より水素貯蔵・輸送を目的とする水素吸蔵合
金の研究開発が行われてきた。
【0004】水素吸蔵合金による水素の吸収は合金の水
素化反応であり、水素の放出は水素化物の分解反応であ
るので、水素ガスの吸収および放出時にはそれぞれ発熱
および吸熱を生じる。この特性を利用して水素吸蔵合金
を熱輸送システムや加温もしくは冷却システム (例、ヒ
ートポンプ) に用いることも可能である。
【0005】水素吸蔵合金の水素吸収放出速度は他のガ
ス成分の吸収速度よりも大きく、水素とその同位体とで
も差があるために、そのような水素吸蔵特性の違いを利
用して、不純ガス成分を含むガス中から水素ガスを精製
する用途に水素吸蔵合金を用いることもできる。
【0006】前述の用途ではいずれも、水素吸蔵合金は
使用中に水素ガスの吸収・放出を繰り返し受けることに
なる。この水素ガスの吸収・放出において実用的な反応
速度を得るには、水素吸蔵合金を粉末化して表面積を増
大させる必要がある。この粉末状の水素吸蔵合金を所定
容器に充填して使用に供する。
【0007】水素吸蔵合金が水素ガスを吸収・放出する
際には、上記の発熱・吸熱に加えて、10〜20%程度の体
積の膨張・収縮も起こる。そのため、使用中に水素ガス
の吸収・放出を繰り返し受けると、水素吸蔵合金の粉末
に亀裂が入り、粉末粒子が破壊されて微粉末になる微粉
化が起こる。この微粉化が進行すると、微粉が容器内で
詰まって、水素ガスが容易に流れなくなったり、水素ガ
スの流れにより微粉がガス配管内に移動するという問題
が生じる。このような事情から、繰り返し使用における
合金粉末の微粉化抑制は、水素吸蔵合金の実用化にあた
り非常に大きな問題となっている。
【0008】水素吸蔵合金を用いた水素吸蔵装置の作製
時に合金が大気と触れることを防ぐことはできない。水
素吸蔵合金が大気に触れ、酸化されると、合金表面に酸
化膜が生成し、その酸化膜が水素吸収の障害となるた
め、水素吸蔵量が低下する。特にV合金は、酸化により
水素吸収が阻害されやすい。一度酸化したV合金を利用
できるようにするには、水素吸蔵合金を高圧水素中で高
温に加熱しなければならず、このような処理に耐えるよ
うな水素ボンベは高価であるばかりでなく、サイズと重
量の増加も避けられない。そこで、水素吸蔵合金の耐酸
化性改善も実用上重要な問題である。
【0009】このように水素吸蔵合金には幅広い用途が
あるが、どのような用途で用いる場合でも、水素吸収量
が最も重要な特性である。また、用途によっては室温近
傍の比較的低い温度 (例、150 ℃以下) で水素の吸収・
放出が起こることも重要である。さらに、合金の価格も
大量に水素吸蔵合金を使用する用途では実用上非常に重
要である。
【0010】例えば、実用化が最も先行したLaNi5 また
はMmNi5 で代表されるAB5 型の水素吸蔵合金は高価で
あり、水素吸蔵合金の使用量が少ない小型二次電池用に
は使用できても、水素貯蔵用といった大量の水素吸蔵合
金が必要な用途には使用が困難である。
【0011】特公昭59−38293 号公報には、比較的安価
で高容量水素吸蔵合金としてTi−Cr−V系水素吸蔵合金
が記載されている。合金の製造方法としてはアーク法し
か具体的に説明されていない。特開平7−252560号公報
にも同様な成分で構成される水素吸蔵合金が記載されて
いる。特開平7−268513号公報と特開平7−268514号公
報には、Ti−V−Ni系の類似の水素吸蔵合金が記載され
ている。
【0012】また、特開昭60−190570号公報には、水素
吸蔵合金粉末に湿式無電解メッキにより銅および/また
はニッケル金属を被覆することで、雰囲気中の不純物ガ
スによる汚染の影響を小さくできることが説明されてい
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】前述したTi−Cr−V系
水素吸蔵合金およびTi−V−Ni系合金は、理論上は水素
吸収量が多く、水素吸蔵能力に優れている筈であるが、
実際にはそうではないことが経験されてきた。これは、
このような合金系では水素吸収量の少ないTiCr2といっ
た第2相が生成し、そのため水素吸蔵能力が低下するこ
とに原因があると考えられる。
【0014】例えば、特公昭59−38293 号公報に記載の
Ti−Cr−V系水素吸蔵合金は、この公報に記載されてい
るようにアーク法で製造すると、凝固速度が遅いため、
第2相析出物として水素吸蔵量の低いTiCr2 金属間化合
物がかなりの割合で生成し、水素貯蔵能力が低下する。
また、水素吸収・放出の繰り返し中にこの第2相を起点
として合金粉末に亀裂が入り、微粉化が促進されるとい
う問題点もある。
【0015】特開平7−252560号公報の実施例では、上
記の第2相を減らすため1200〜1400℃という高温で保持
して立方晶の単相組織とした後、直ちに水冷により急冷
する製法がとられている。しかし、このような方法で
は、高温加熱保持の際に結晶粒の粗大化が生じるため、
第2相の析出物量は減少しても、粗大化により材料自体
の強度が弱くなり、かえって微粉化し易くなる。その
上、工業的に大量生産する際には大型インゴットを用い
るため、加熱後に水冷しても十分な冷却速度が得られ
ず、粗大析出物が形成されて水素貯蔵能力も低下してし
まう。
【0016】特開平7−268513号と同268514号の各公報
に記載のTi−V−Ni系水素吸蔵合金は、Ti−V系固溶体
合金からなる母相中にTi−Ni金属間化合物が粒界に3次
元網目骨格を形成することを特徴とする。このような粒
界相が合金の水素との反応性を向上させるため、母層に
若干の酸化があってもこの粒界相を介して水素ガス吸収
放出が可能である。しかし、3次元網目構造をとるほど
の多くの第2相が形成されるため、水素吸蔵能力の低い
第2相形成により合金全体の水素貯蔵量が低下し、また
この第2相を起点とした微粉化が生じるという問題点が
ある。
【0017】また、特開昭60−190570号公報に記載のよ
うに水素吸蔵合金の表面にCuかNi金属を被覆した場合、
この被覆自体には水素吸蔵能力が全くないため、被覆の
分だけ水素吸収量が減少してしまう。
【0018】本発明は、水素の貯蔵・輸送、熱輸送や冷
却システム、水素ガス精製等に適用可能な、高い水素吸
蔵能力と長期繰り返し水素吸収・放出寿命をもち、室温
近傍の温度で使用でき、かつ大気中で保管しても水素吸
蔵特性劣化の少ない、比較的安価な水素吸蔵合金を提供
することを課題とするものである。
【0019】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、高い水素
吸蔵能力と優れた繰り返し水素吸収・放出寿命をもち、
室温近傍の比較的低温(150℃以下) で利用可能な水素吸
蔵合金に関する研究を行った結果、Ti−Cr−V系水素吸
蔵合金を急冷凝固法により製造して結晶粒径を小さくす
ると、上記課題を解決することができることを見出し、
本発明に到達した。
【0020】ここに、本発明は、Tia V1-a-bCrb なる式
で表わされ、aの値が 0.3〜0.5 、bの値が 0.1〜0.45
である化学組成を有し、主相の平均結晶粒径が40μm以
下であることを特徴とする水素吸蔵合金である。
【0021】この水素吸蔵合金は、Tia V1-a-bCrb なる
式で表わされ、aの値が 0.3〜0.5、bの値が 0.1〜0.4
5である化学組成を有する合金を急冷凝固法により溶製
することにより製造できる。
【0022】本発明の好適態様においては、水素吸蔵合
金が表面にTi−Ni化合物を主体とするNi付加層を有して
いる。このNi付加層は、急冷凝固法により製造した水
素吸蔵合金の表面をNi被覆し、次いで 400〜750 ℃の温
度で熱処理を行うか、或いはこの水素吸蔵合金の表面
をメカニカルアロイング法によりNi被覆することにより
形成することができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳しく説明する。
本発明の水素吸蔵合金の特徴は、Tia V1-a-bCrb で示
される化学組成 (式中、a:0.3〜0.5 、b:0.1〜0.45)
と、主相の平均結晶粒径が40μm以下と微細である、
という2点である。
【0024】この水素吸蔵合金の主相とは、Ti、V、Cr
の3元素からなる固溶体層であり、結晶形態は体心立方
晶である。上記の微細な主相の平均結晶粒径は、水素
吸蔵合金をロール急冷法やガスアトマイズ法といった急
冷凝固法により製造することで達成することができる。
例えば、アーク溶解法のように凝固時の冷却速度が遅く
なると、凝固中に結晶粒が成長して粗大になるため、主
相の平均結晶粒径は40μmを超えてしまう。
【0025】上記のとの条件を満たす本発明のTi−
V−Cr系水素吸蔵合金は、水素吸蔵能力の低いTiCr2
いった第2相の析出量が少ないので、150 ℃以下の温度
範囲でも、大気圧近傍の0.1 MPa の水素ガスを非常に多
く吸収し、その水素吸収量は、H/M 比 (合金を構成する
金属原子1個に対して吸収された水素原子の数の比)で
1.5 以上と多くなる。また、0.1 MPa の平衡水素圧を示
す温度が150 ℃以下と低いため、150 ℃以下の室温近傍
での使用が可能であり、かつ微粉化を受けにくく耐久性
(寿命) に非常に優れた水素吸蔵合金となる。また、希
土類金属を含んでいないので、合金の原料コストもそれ
ほど高くない。
【0026】上記の第2相の析出物の結晶形態は六方晶
または立方晶であり、これは本発明の水素吸蔵合金の主
相である体心立方晶の粒界部または粒内部に存在する。
まず、本発明の水素吸蔵合金の化学組成をのように限
定した理由について説明する。なお、上記の化学組成の
式からわかるように、各元素の量はいずれも原子数比で
あり、合計が1になる。
【0027】チタン(Ti):Ti量が増えると体心立方晶の
合金主相の格子寸法が拡大し、水素吸収量が増加する。
H/M が1.2 以上の高い水素吸収量を得るには、0.3 以上
のTiが必要であり、Ti量がこれを下回ると水素吸収量が
低くなる。チタンを多く加えすぎると、水素吸収量がさ
らに増大するが、水素平衡圧が下がりすぎ、室温・大気
圧近傍で利用することができなくなる。
【0028】そのため、水素平衡圧を上昇させる元素と
してCrを添加するが、Ti量が0.5 を超えると、Crを添加
しても水素平衡圧を大気圧近傍まで上昇させることがで
きない上、水素吸収・放出の繰り返しによる微粉化に対
する耐久性 (合金寿命) も悪化する。水素吸収量と合金
寿命とのバランスの観点からは、Tiの添加量は 0.3〜0.
45の範囲が好ましく、より好ましくは 0.3〜0.4 の範囲
内である。
【0029】クロム(Cr):Cr添加量が増えると水素吸収
量は増加するが、その程度はチタンほど大きくない。Cr
添加の主目的は水素平衡圧の制御にある。従って、その
添加量は、Ti添加量、目的とする使用温度、水素平衡圧
により変化する。Crが0.1 未満ではTi0.3の場合に室温
での水素平衡圧が大気圧以下となってしまい、室温で可
逆的に水素を吸収・放出させられなくなる。一方、Crが
0.45を超えると、第2相として析出するTiCr2 相の量が
増加して、水素吸収量が低下するだけでなく、繰り返し
水素吸収・放出に対する寿命も低下する。Crの添加量は
水素吸収量と合金寿命のバランスの観点から 0.2〜0.45
の範囲内が好ましく、より好ましくは 0.3〜0.4 であ
る。
【0030】バナジウム(V):Ti−Crの2元系合金では、
第2相としてTiCr2 が多く形成し、水素吸収量と合金寿
命が低下し、水素平衡圧も低すぎて室温での利用が困難
であることから、Vを添加する。Vの添加により体心立
方晶相が多く得られ、水素吸収量が増加する。Vの添加
量はTiとCrの添加量により自動的に決定されるものであ
る。
【0031】以上に説明したTi−Cr−V三元系の化学組
成を持っていても、この合金の水素吸収量は、製造方法
や主相の平均結晶粒径により変化し、凝固時の冷却速度
が遅くなって主相の平均結晶粒径が40μmを超えると、
同じ化学成分であっても水素吸収量が低下する。これ
は、凝固速度が低下すると、TiCr2 のような析出物が第
2相として形成される割合が増え、この析出物はそれ自
体の水素吸収量が少ないため、第2相が形成量が増える
と合金全体としての水素吸収量は低下するためである。
【0032】また、この析出物が第2相として形成され
る割合が増えると、主相である体心立方晶の合金相中の
Ti、Cr量が低下するため、主相の水素吸収量が減少する
だけでなく、主としてCr量減少に起因して、水素吸収・
放出反応の平衡ガス圧である水素平衡圧が低下し、可逆
的に吸収した水素を放出できなくなる。
【0033】なお、上記との両方を満たす本発明の
水素吸蔵合金においても、TiCr2 のような析出物が第2
相として析出することは避けられないが、その量が少な
いため、これらの問題点は実質的に解消される。
【0034】さらに、本発明の水素吸蔵合金は、水素の
吸収・放出の繰り返しによる合金体積の膨張・収縮が原
因で起こる微粉化 (粉末平均粒径の低下により判定でき
る)を受けにくく、耐久性に非常に優れている。この優
れた耐久性は、希土類系水素吸蔵合金として知られるMm
Ni5 系金属間化合物よりも著しく良好である。
【0035】しかし、この微粉化に対する耐久性も、水
素吸収量と同様に、製造方法や主相の平均結晶粒径によ
り変化し、凝固時の冷却速度が遅くなって主相の平均結
晶粒径が40μmを超えると、同じ化学成分であっても微
粉化が起こり易くなる。前述したように、このように冷
却速度が遅くなると、第2相であるTiCr2 の生成量が増
えるので、微粉化はこの第2相を起点とした粒界破壊が
その主因であると推定される。
【0036】以上の知見から、本発明の水素吸蔵合金で
は、主相の平均結晶粒径を40μm以下に限定する。微粉
化に対する耐久性 (合金寿命) をさらに改善するには、
主相の平均結晶粒径が20μmであることが好ましい。ま
た、第2相として形成される析出物の平均結晶粒径が5
μm以下であとば微粉化が生じにくくなり、2μm以下
であればほとんど微粉化しない。
【0037】主相の平均結晶粒径が40μm以下である本
発明の水素吸蔵合金は、所定組成の合金溶湯を急冷凝固
法により溶製することで製造することができる。急冷凝
固法は、上記の平均結晶粒径を持つ本発明の水素吸蔵合
金が得られる限り、特に制限はない。一般に、冷却速度
が103 ℃/sec 以上となる凝固法であればよい。
【0038】本発明で採用できる急冷凝固法としては、
回転電極法、回転ドラムあるいはロール上に合金溶湯を
注湯する方法 (例、単ロールまたは双ロール急冷法) 、
水冷銅板上へ薄く鋳込む方法、ガスアトマイズ法等が挙
げられる。これらのうち、回転電極法とアトマイズ法
は、水素吸蔵合金の球形粉末を製造することができ、粉
末化するための粉砕工程が不要となる上、粉末形状が実
質的に球形で充填密度が高くなる点で有利である。他の
方法の場合には、必要に応じて得られた水素吸蔵合金を
粉砕して粉末にする。粉砕方法としては、水素化粉砕、
機械粉砕のいずれも採用可能であり、両者を併用しても
よい。
【0039】本発明の水素吸蔵合金は、平均粒径が10〜
50μm程度の粉末形態とすることが適当である。それに
より、表面積が増大し、水素の吸収・放出反応が促進さ
れる。必要であれば、分級により平均粒径を調整する。
【0040】急冷凝固法により製造された本発明の水素
吸蔵合金は、微小な急冷歪みを持っている。この急冷歪
みは本発明の水素吸蔵合金の耐久性 (微粉化) に特に著
しい悪影響は生じないが、所望により水素吸蔵合金を熱
処理してこの急冷歪みを除去してもよい。この熱処理
は、合金の酸化を防止するため、真空中または不活性ガ
ス中で行うことが好ましい。
【0041】熱処理条件は、熱処理中に合金主相の平均
結晶粒径が40μmより大きくなることがないように設定
する必要がある。この条件は、急冷凝固法により製造さ
れた水素吸蔵合金の主相の平均結晶粒径によっても異な
るが、通常は温度 400〜750℃×2〜20時間の範囲内で
あろう。
【0042】但し、後述するように、本発明の水素吸蔵
合金の耐酸化性を向上させるため、合金表面にTi−Ni化
合物を主体とするNi付加層を形成する場合には、この層
の形成過程で熱処理を行うことがあり、この熱処理中に
急冷歪みも除去されるので、その場合には急冷歪みの除
去の目的だけの熱処理は必要ない。本発明の水素吸蔵合
金に対して2回の熱処理を行うことは、平均結晶粒径の
粗大化の観点から望ましくない。
【0043】本発明の水素吸蔵合金は、大気中に放置し
ておくと、室温付近の低温 (例、70℃) で測定した水素
吸収量が減少する。この大気放置した合金でも、高圧水
素ガス中 (20気圧) で500 ℃まで加熱して再活性化させ
ると水素吸収量が増加し、放置前の吸収量を回復する。
即ち、この合金を大気中に放置すると表面が酸化し、こ
の酸化膜が障害となって低温での水素吸蔵量が減少する
ものと考えられる。
【0044】水素ガスの貯蔵用または精製用といった用
途では、水素吸蔵合金が大気に曝されることが避けられ
ず、また動作温度は150 ℃以下と比較的低温であるの
で、上記の酸化による水素吸収量の低下を避けるため
に、本発明の水素吸蔵合金の耐酸化性を改善することが
望ましい。
【0045】この点について検討した結果、特開昭60−
190570号公報に記載のように、本発明の水素吸蔵合金の
表面をNiで被覆すると、合金の耐酸化性が改善されるこ
とが判明した。しかし、この手法は耐酸化性の向上には
有効であるものの、合金表面を被覆したNi自体は水素吸
蔵能力がほとんどないため、合金単位重量当たりの水素
吸収量が低下する。そこでさらに検討した結果、合金表
面のNi被覆層を母材となるTi−V−Cr合金と反応させて
Ti−Ni化合物を主体とするNi付加層に変えることによ
り、このNi付加層は純Niより大きな水素吸蔵能力を持つ
ため、水素吸収量をほとんど低下させずに、水素吸蔵合
金に耐酸化性を付与することができることがわかった。
従って、好適態様においては、本発明の水素吸蔵合金は
Ti−Ni化合物を主体とするNi付加層を合金表面に有して
いる。
【0046】合金表面へのNiの被覆方法は、物理的な方
法 (例、Ni微粉末と合金粉末とを混合する方法、ボール
ミル等で混合させるメカニカルアロイングに相当する方
法も含む) 、化学的な方法 (例、電解Niめっき、無電解
Niめっき) のいずれでもよく、特に制限はない。Niの被
覆量は、水素吸蔵合金の粉末の平均粒径によっても異な
るが、通常は水素吸蔵合金に対して1〜20重量%、好ま
しくは5〜10重量%が適当である。このNi被覆の前に、
必要であれば、水素吸蔵合金をフッ酸、塩化水素酸など
の非酸化性の酸で酸洗処理して、合金表面の酸化層を除
去してもよい。
【0047】水素吸蔵合金の表面をNiで被覆した後、熱
処理して表面被覆中のNiを母材合金中のTi成分とを反応
させて、Ni層を水素吸蔵能力の高いTi−Ni化合物に変化
させることにより、表面にTi−Ni化合物を主体とするNi
付加層を形成する。このNi付加層は母材からCrを取り込
んでいるため、Ti−Niの2元系金属間化合物より耐酸化
性に優れている。
【0048】この熱処理も、合金の酸化を防止するた
め、真空中または不活性ガス中で行うことが好ましい。
熱処理条件は、この熱処理中に母材合金の主相の平均結
晶粒径が40μmを超えるまでに粗大化しないように設定
する。この観点から、熱処理温度は 400〜750 ℃の範囲
とする。熱処理温度が750 ℃を越えると、平均結晶粒径
が第2相の析出物の粗大化が進み、水素吸収量が低下し
たり、水素吸収・放出に繰り返しにより微粉化し易くな
る。一方、400 ℃未満ではTi−Ni化合物の生成反応が進
みにくい。好ましい熱処理温度は 450〜600 ℃である。
【0049】但し、Ni被覆を、例えばボールミル中で長
時間 (例、 100〜1000時間) 行うといったメカニカルア
ロイングに相当する方法で行った場合には、生成したNi
被覆は既に母材合金中のTiと反応してTi−Ni化合物を主
体とするNi付加層になっているので、反応のために熱処
理を行う必要はない。
【0050】
【実施例】試験合金の作製には、高周波溶解 (5 kg/c
h)、ボタンアーク溶解 (ボタンサイズ:250 g/chと50 g
/ch)、銅ロールを用いた単ロール急冷 (20 g/ch)、Arガ
スアトマイズ (10 g/ch)、回転電極法 (500 g/ch) を用
いた。合金溶湯の調製に用いた原料は、純度99重量%の
スポンジチタン、純度98重量%のバナジウム、純度99重
量%のクロムであった。
【0051】粉末が直接得られるガスアトマイズと回転
電極以外の方法では、得られた合金を300 ℃、2.5 MPa
の水素ガス中で5時間水素化した後に機械的に粉砕し、
粉末にした。いずれの合金粉末も、100 μm以下の粉末
をふるいで選別して用いた。ガスアトマイズ材の一部に
ついては、平均結晶粒径を大きくするために、アルゴン
雰囲気中で熱処理を施した。試験合金の特性評価方法を
次にまとめて説明する。
【0052】水素ガス吸収・放出特性 水素ガス吸収・放出特性は、ジーベルツ型の装置を用い
て測定した。測定は、試験合金をまず200 ℃、2.5 MPa
の水素ガス中に12時間放置して活性化処理した後、300
℃で脱水素処理を行い、80℃で水素を吸収させることに
より行った。機械粉砕における合金粉末表面の酸化の影
響を除くため、活性化の前に試験合金を5vol%フッ酸水
溶液で酸洗した。水素吸収量は、1サイクル目の放出曲
線の0.5MPa での水素吸蔵量を測定し、合金を構成する
金属原子数と吸収された水素原子数の比であるH/M 値で
評価し、H/M が1.5 以上を合格とした。
【0053】微粉化 繰り返し水素吸収・放出による微粉化の影響は、前記の
水素吸収・放出特性の測定試験を300 サイクル行った
後、粒径20μm以下の粉末がどれだけ増加したかを測定
し、評価した。粒度測定には、レーザー回折式の粒度分
布測定装置を用いた。製造方法により粉末の粒度分布に
差があったため、評価は試験前の20μm以下の粒子量を
基準にして、その量に対して比較した微粉増加率を次式
により算出して評価した。微粉増加率が15%以下であれ
ば合格である。
【0054】
【数1】
【0055】結晶粒径 試験合金の主相の結晶粒径の測定は、粉砕前の合金をエ
ポキシ樹脂に埋め込み、研磨した後に、0.4 vol%フッ酸
と1vol%硝酸との混酸でエッチングし、光学顕微鏡で観
察して行い、ランダムに選択した結晶粒20個の測定結果
の平均値を平均結晶粒径とした。第2相の析出物の粒径
は微細であったため、SEM (二次電子顕微鏡) を用い
て測定し、上と同様に平均値を求めた。
【0056】耐酸化性 表面をNi被覆してNi付加層を形成した水素吸蔵合金の耐
酸化性の評価は、温度25℃、湿度65%の恒温恒湿の空気
雰囲気に1週間放置した後、ジーベルツ型の水素吸収・
放出試験装置を用いて、活性化処理なしに70℃で2.5 MP
a の水素ガスの吸収試験を行い、Ni付加層を形成する前
の合金の水素吸着量と比較した水素吸収量の低下率を次
式により算出した。水素吸収量低下率が10%以下であれ
ば合格である。
【0057】
【数2】
【0058】(実施例1)本実施例は、合金組成を変化さ
せて水素吸蔵合金の性能を検討した実施例である。水素
吸蔵合金の作製法としては、急冷凝固法のみを採用し
た。主相の平均結晶粒径、水素吸収量、および微粉増加
率の測定結果を表1に示す。
【0059】
【表1】
【0060】表1からわかるように、合金組成が本発明
範囲内である本発明例の水素吸蔵合金は、いずれもH/M
が1.5 以上という高い水素吸収量と、15%以下の低い微
粉化率とを兼ね備えており、水素吸収量が多く、かつ繰
り返し水素吸収・放出による劣化が少ないことがわか
る。
【0061】これに対して、Ti、Crが多く、V添加がな
いNo.9の比較例の合金では、水素吸収量は大きいが非常
に微粉化しやすい。Ti、Cr量が本発明範囲をはずれたN
o.8〜11の比較例の合金では、微粉化は穏やかであるも
のの水素吸収量が少ない。
【0062】(実施例2)本実施例は、各種製造方法で作
製した水素吸蔵合金の主相の平均結晶粒径が水素吸蔵合
金の性能に及ぼす影響を検討した実施例である。合金の
化学組成は、Ti=0.40、V=0.30、Cr=0.30の同一組成
とした。結晶粒径の影響をみるため、ガスアトマイズ後
に熱処理した試験合金も作製した。試験結果を表2に示
【0063】
【表2】
【0064】表2からわかるように、急冷凝固法で水素
吸蔵合金を作製すると、主相の平均結晶粒径が20μm以
下程度と微細な組織の合金が得られる。この微細組織の
水素吸蔵合金を熱処理すると、結晶粒径は粗大になる
が、主相の平均結晶粒径が40μm以下であれば、水素吸
収量と微粉増加率のいずれも合格であった。しかし、特
に平均結晶粒径が20μm以下の、急冷凝固後に熱処理し
ていない試験合金が、微粉増加率が10%以下と優れた特
性を示した。
【0065】なお、主相の平均結晶粒径が40μm以下で
あると、第2相の析出物の平均結晶粒径も5μm以下、
特に2μm以下という、微粉化の抑制の望ましい範囲に
なることが、表2からわかる。
【0066】これに対して、ボタンアーク溶解材は、水
素吸収量は比較的多いものの、微粉増加率が大きくなっ
た (No.5、6)。高周波溶解材では水素吸収量と微粉増加
率のいずれも不合格となった (No.7) 。ガスアトマイズ
材を熱処理した場合、平均結晶粒径が40μmを超えるよ
うに熱処理条件を設定すると、微粉増加率が不合格とな
り、結晶粒径の粗大化が甚だしいと、水素吸収量も大き
く低下した。
【0067】(実施例3)本実施例は、合金表面にTi−Ni
化合物を主体とするNi付加層を形成した場合の水素吸蔵
合金の耐酸化性の向上を例示する。試験した水素吸蔵合
金はいずれもArガスアトマイズ法で作製した粉末であ
る。合金の化学組成は、1例を除いて、Ti=0.40、V=
0.30、Cr=0.30の同一組成とした (これを合金Aとす
る) 。残りの1例 (合金B) は、Ti=0.30、V=0.60、
Cr=0.10であった。結晶粒径の影響をみるため、ガスア
トマイズ後に熱処理した試験合金も作製した。
【0068】Ni付加層を形成するための水素吸蔵合金粉
末のNi被覆は、物理的な方法と化学的な方法の両方を採
用した。物理的な方法では、粒径1μm程度のNi微粉末
を用い、これを合金粉末に対して10重量%配合した後、
乳鉢で均一に混合するか、またはボールミルで長時間混
合した。化学的な方法は、市販の無電解Niめっき液を用
いて、合金粉末表面に約10重量%のNiめっき層を形成し
た。なお、当然ながら、電解めっきを行っても同様のNi
めっき層を形成することができる。
【0069】これらの方法でNi被覆を施した後、アルゴ
ン雰囲気中で熱処理を行って、Ni被覆層を合金粉末と反
応させて合金化することにより、合金表面にTi−Ni化合
物を主体とするNi付加層を形成した。但し、ボールミル
によりNi粉末を機械的に被覆する方法では、このボール
ミル混合を100 時間と長時間行うことにより、メカニカ
ルアロイングによってNi被覆の合金化が起こっているの
で、熱処理は行わなかった。また、比較例として、この
熱処理を行わず、単にNi被覆しただけの試験材も作製し
た。
【0070】こうして表面にNi含有層を形成したガスア
トマイズ法で作製された水素吸蔵合金粉末の耐酸化性
を、上記のように所定条件の大気中で1週間の放置後に
調査した。試験結果を、Ni付加層の形成方法 (上段はNi
被覆方法、下段は熱処理条件)、主相の平均結晶粒径、T
i−Ni化合物相の形成の有無 (X線回折装置により確認)
と共に表3に示す。
【0071】
【表3】
【0072】表3からわかるように、本発明に従ってNi
被覆を施し、かつこのNi被覆を合金成分と反応させるこ
とによりTi−Ni化合物を主体とするNi付加層を合金表面
に形成すると、本発明の水素吸蔵合金の大気中での酸化
が抑制され、1週間放置後も水素吸収量の低下が10%以
下に抑えられた。その結果、大気中での合金粉末の取り
扱いが簡便になり、表面が酸化された場合の再活性化処
理が不要となる。
【0073】一方、比較例において、Ni被覆を全く施さ
ないと、1週間放置後の合金粉末の水素吸収量は30%も
低下した (試験No.5) 。しかし、Ni被覆を施しても、熱
処理またはメカニカルアロイングによりNi被覆を合金成
分と反応させないと、1週間放置後の合金粉末の水素吸
収量は23〜26%も低下した (試験No.6, 7)。即ち、Ni被
覆だけでは、未被覆の場合に比べて耐酸化性の向上はほ
とんどないことがわかる。また、Ni被覆後の熱処理温度
が高すぎて、主相の平均結晶粒径が40μmを超えると、
粗大化の影響で水素吸収量が大きく低下した。
【0074】
【発明の効果】本発明の水素吸蔵合金は、水素吸収量が
多く、室温近傍の比較的低い温度 (例、150 ℃以下) で
水素の吸収・放出が起こるので、各種用途に使い易く、
水素吸収・放出を長期間にわたって繰り返しても微粉化
しにくいので、高い水素吸収量が長期間保持され (即
ち、長寿命であり) 、かつ比較的安価である。
【0075】また、合金表面にTi−Ni化合物を主体とす
るNi付加層を形成すると、合金の耐酸化性が著しく向上
し、大気中に使用する場合の素吸収量の低下が非常に小
さくなるので、大気中で容易に取り扱うことが可能とな
り、再活性化処理が不要となる。本発明の水素吸蔵合金
は、水素貯蔵・輸送、熱輸送や冷却システム、水素ガス
精製用途に最適である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C22C 27/02 101 C22C 27/02 101Z (72)発明者 前田 尚志 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Tia V1-a-bCrb なる式で表わされ、aの
    値が 0.3〜0.5 、bの値が 0.1〜0.45である化学組成を
    有し、主相の平均結晶粒径が40μm以下であることを特
    徴とする水素吸蔵合金。
  2. 【請求項2】 表面にTi−Ni化合物を主体とするNi付加
    層を有する、請求項1記載の水素吸蔵合金。
  3. 【請求項3】 Tia V1-a-bCrb なる式で表わされ、aの
    値が 0.3〜0.5 、bの値が 0.1〜0.45である化学組成を
    有する合金を急冷凝固法により製造することからなる、
    請求項1記載の水素吸蔵合金の製造方法。
  4. 【請求項4】 Tia V1-a-bCrb なる式で表わされ、aの
    値が 0.3〜0.5 、bの値が 0.1〜0.45である化学組成を
    有する合金を急冷凝固法により製造し、この水素吸蔵合
    金の表面をNi被覆し、次いで 400〜750 ℃の温度で熱処
    理を行うことからなる、請求項2記載の水素吸蔵合金の
    製造方法。
  5. 【請求項5】 Tia V1-a-bCrb なる式で表わされ、aの
    値が 0.3〜0.5 、bの値が 0.1〜0.45である化学組成を
    有する合金を急冷凝固法により製造し、この水素吸蔵合
    金の表面をメカニカルアロイング法によりNi被覆するこ
    とからなる、請求項2記載の水素吸蔵合金の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5134175B2 (ja) * 1999-12-17 2013-01-30 株式会社 東北テクノアーチ 水素吸蔵合金

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP5134175B2 (ja) * 1999-12-17 2013-01-30 株式会社 東北テクノアーチ 水素吸蔵合金

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